JP2000314212A - 脱気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築現場で脱気装置を組み立ててパラペット
立ち上がり部分に取り付けることで、施工が短時間で行
え、且つその取り付けも簡単であり、屋上の利用、例え
ば駐車場、テニスコート、洗濯干し場等が可能となる脱
気装置を提供するものである。 【解決手段】 本発明の脱気装置は、底部側に凸状にビ
ス穴を適宜個数形成するとともに中心に中心孔を明けた
円盤状のベース本体と、該ベース本体の中心孔の周りに
一体的に溶接固定される通風ガイド筒と、前記ベース本
体に設けたビス穴位置の半径よりやや小さい外径を有す
る円環状板から押さえプレートと、前記押さえプレート
の環状凸部の半径よりやや小さい外径を有した円環板状
の押さえリングと、前記通風ガイド筒のネジ部と螺合す
る雌ねじ部が内側に形成された六角柱からなり、六角形
の各面の下端部には前記雌ねじ部より大径に切除した薄
肉部を設け、該薄肉部に湿気抜き穴を形成したキャップ
と、を組み合わせたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、屋根防水で屋上スラブ
と防水層の内部に発生する湿気、圧力を外部に排気する
のに好適な脱気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、屋上防水層の脱気装置として、特
開平７−２６９０４０号公報が知られている。この屋上
防水層の脱気装置は、屋上スラブと防水部材との間の通
気層を強制的に排湿して屋上部分の防水部材の非撤去に
よる部分的補修工事時の作業効率の大幅向上を目的とし
ており、屋上スラブと、屋上スラブ上に敷設された防水
部材との間の通気層に連通する脱気筒を通して前記通気
層中の湿気を吸引・脱気する屋上防水層の脱気装置であ
って、脱気筒を囲繞して配設される排風筒と、排風筒内
の空気を外部に排出するためのファンとで構成されたも
のである。このように、屋上スラブと防水部材との間の
湿気を排出する脱気装置はあったが、屋上スラブと防水
層との間の湿気・圧力をパラペット立ち上がり部分より
外部に排気する脱気装置は存在しなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、パラペット
立ち上がり部分から脱気を行うため、建築現場で脱気装
置を組み立ててパラペット立ち上がり部分に取り付ける
ことで、施工が短時間で行え、且つその取り付けも簡単
であり、屋上の利用、例えば駐車場、テニスコート、洗
濯干し場等が可能となる脱気装置を提供するものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために、本発明の脱気装置は、底部側に凸状にビス
穴を適宜個数形成するとともに中心に中心孔を明けた円
盤状のベース本体と、該ベース本体の中心孔の周りに一
体的に溶接固定され、外周面にネジ部及び縦溝を有しか
つ内部に連通孔を有する通風ガイド筒と、前記ベース本
体に設けたビス穴位置の半径よりやや小さい外径を有す
る円環状板からなり、前記通風ガイド筒に嵌合する内径
の中央孔には、前記通風ガイド筒の縦溝に嵌合する嵌合
突起を突設させ、さらに平面部の適宜位置に上方に凸状
となした環状凸部を突設している押さえプレートと、前
記通風ガイド筒に嵌合する内径の中心孔を有すると共
に、前記押さえプレートの環状凸部の半径よりやや小さ
い外径を有した円環板状の押さえリングと、前記通風ガ
イド筒のネジ部と螺合する雌ねじ部が内側に形成された
六角柱からなり、六角形の各面の下端部には前記雌ねじ
部より大径に切除した薄肉部を設け、該薄肉部に湿気抜
き穴を形成したキャップと、を組み合わせたものであ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】パラペット立ち上がり部分５の側
面のコンクリート躯体にドリルでベース本体１０のビス
穴１４に合わせてビス挿入孔を形成し、折曲部２０を上
にし、通風ガイド筒１９の縦溝１７を下向きにしてベー
ス本体１０をパラペット立ち上がり部分５に沿わせてビ
ス２８によりビス挿入孔に締付け固定する。そして、防
水層４に通風ガイド筒１９が挿入できる円孔を明けて、
該円孔を通風ガイド筒１９に通して防水層４をベース本
体１０に上側から被覆する。この状態で、外側から通風
ガイド筒１９の縦溝１７に押さえプレート１１の嵌合突
起２２をはめ込み沿わせながら、押さえプレート１１の
中央孔２１を通風ガイド筒１９に通して押さえプレート
１１で防水層４を挟むようにする。さらに、この押さえ
プレート１１の上に通風ガイド筒１９に押さえリング１
２の中央孔２４を通して押さえリング１２を重ね、最後
にキャップ１３の雌ねじ部を通風ガイド筒１９のネジ部
１６に螺合させることにより、ベース本体１０と押さえ
プレート１１で防水層４を締付け固定することができ
る。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。本発明の脱気装置１は、図１に示すように、
梁２に支えられた屋上スラブ３の上面を防水層４で覆う
防水層４を延長し、パラペット立ち上がり部分５の側面
で前記防水層４を挟持するようにして固定したものであ
る。なお、パラペット立ち上がり部分５の上面を覆うよ
うにアルミ笠木６が固定され、防水層４の端部はパラペ
ット立ち上がり部分５の上面に固定金物７で固定される
と共にシーリング材８により被覆し、また防水層４の折
り曲げ部には補強張り９を設けている。

【０００７】前記脱気装置１は、図２に示すように、円
盤状のベース本体１０、円環状の押さえプレート１１、
円環状の押さえリング１２及び筒状のキャップ１３を組
み合わせたステンレス製のものからなる。前記ベース本
体１０は、円盤をプレス加工により底部側に凸状にビス
穴１４を適宜数、例えば４個形成すると共に円盤の中心
に中心孔１５を明け、外面にネジ部１６及び縦溝１７を
有しかつ内部に連通孔１８を有する通風ガイド筒１９を
該中心孔１５の周りに溶接固定したものである。なお、
円盤の上方側には、上縁を底部側に折り曲げた折曲部２
０を形成している。

【０００８】前記押さえプレート１１は、ベース本体１
０に設けたビス穴１４の半径よりやや小さい半径を有す
る円環状からなり、前記通風ガイド筒１９が嵌合する中
央孔２１には、前記通風ガイド筒１９の縦溝１７に嵌合
する嵌合突起２２を突設させ、平板部には前記押さえリ
ング１２の半径よりやや大きい半径を有する上方に凸状
となした環状凸部２３を突設している。

【０００９】前記押さえリング１２は、通風ガイド筒１
９が嵌合する内径の中心孔２４を有すると共に、前記押
さえプレート１１の環状凸部２３の半径よりやや小さい
半径の外径を有し、押さえプレート１１の内側平坦部と
ほぼ同じような円環状リングとなっている。

【００１０】前記キャップ１３は、内側に前記通風ガイ
ド筒１９のネジ部１６と螺合する雌ねじ部（図示せず）
が形成された六角形キャップからなり、六角形の各面の
下端部には前記雌ねじ部より大径に切除した薄肉部２６
を設け、該薄肉部２６に湿気抜き穴２５を形成してい
る。なお、キャップ１３には、いたずら防止のために特
殊ドライバーでなければ解除することができない安全ス
トッパー２７を設けている。

【００１１】次に、本発明の脱気装置のパラペット立ち
上がり部分５への取付けについて、図３の拡大断面図に
基づいて述べると、パラペット立ち上がり部分５の側面
のコンクリート躯体にドリルでベース本体１０のビス穴
１４に合わせてビス挿入孔を形成し、折曲部２０を上に
し、通風ガイド筒１９の縦溝１７を下向きにしてベース
本体１０をパラペット立ち上がり部分５に沿わせてビス
２８によりビス挿入孔に締付け固定する。そして、防水
層４に通風ガイド筒１９が挿入できる円孔（番号なし）
を明けて、該円孔を通風ガイド筒１９に通して防水層４
をベース本体１０に上側から被覆する。この状態で、外
側から通風ガイド筒１９の縦溝１７に押さえプレート１
１の嵌合突起２２をはめ込み沿わせながら、押さえプレ
ート１１の中央孔２１を通風ガイド筒１９に通して押さ
えプレート１１で防水層４を挟むようにする。さらに、
この押さえプレート１１の上に通風ガイド筒１９に押さ
えリング１２の中央孔２４を通して押さえリング１２を
重ね、最後にキャップ１３の雌ねじ部を通風ガイド筒１
９のネジ部１６に螺合させることにより、ベース本体１
０と押さえプレート１１で防水層４を締付け固定するこ
とができる。

【００１２】このようにして取付られた脱気装置１は、
ベース本体１０のビス穴１４の凸状によりパラペットと
の間に隙間２９が形成されているので、パラペット立ち
上がり部分５のコンクリート躯体に発生した湿気、水蒸
気などを前記隙間２９を介してベース本体１０の中央孔
１５へ導き、さらに通風ガイド筒１９の連通孔１８を通
ってキャップ１３の上部空間へ導くことができる。そし
て、この湿気、水蒸気などは、さらにキャップ１３の上
部空間から通風ガイド筒１９の縦溝１７を通って薄肉部
２６の湿気抜き穴２５を通って外部に排気される。

【００１３】

【効果】このように、本発明の脱気装置は、パラペット
壁面と面一に取り付けられるため、防水層の施工も容易
でフラットに仕上がり、ステンレス製のため、耐久性、
耐腐性にも優れている。また、本発明の脱気装置は、ね
じ込み式なので防水層の厚みの違いを自由にコントロー
ルできると共に、取付けが簡単であり、脱気効果も大で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の脱気装置を取り付けた状態の側面図で
ある。

【図２】本発明の脱気装置の分解斜視図である。

【図３】本発明の脱気装置を取り付けた状態の拡大断面
図である。

【符号の説明】

１ 脱気装置 ２ 梁 ３ 屋上スラブ ４ 防水層 ５ パラペット立ち上がり部分 ６ アルミ笠木 ７ 固定金物 ８ シーリング材 ９ 補強張り １０ ベース本体 １１ 押さえプレート １２ 押さえリング １３ キャップ １４ ビス穴 １５ 中心孔 １６ ネジ部 １７ 縦溝 １８ 連通孔 １９ 通気ガイド筒 ２０ 折曲部 ２１ 中央孔 ２２ 嵌合突起 ２３ 環状凸部 ２４ 中央孔 ２５ 湿気抜き穴 ２６ 薄肉部 ２７ 安全ストッパー ２８ ビス ２９ 隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部側に凸状にビス穴を適宜個数形成す
   るとともに中心に中心孔を明けた円盤状のベース本体
   と、 該ベース本体の中心孔の周りに一体的に溶接固定され、
   外周面にネジ部及び縦溝を有しかつ内部に連通孔を有す
   る通風ガイド筒と、 前記ベース本体に設けたビス穴位置の半径よりやや小さ
   い外径を有する円環状板からなり、前記通風ガイド筒に
   嵌合する内径の中央孔には、前記通風ガイド筒の縦溝に
   嵌合する嵌合突起を突設させ、さらに平面部の適宜位置
   に上方に凸状となした環状凸部を突設している押さえプ
   レートと、 前記通風ガイド筒に嵌合する内径の中心孔を有すると共
   に、前記押さえプレートの環状凸部の半径よりやや小さ
   い外径を有した円環板状の押さえリングと、 前記通風ガイド筒のネジ部と螺合する雌ねじ部が内側に
   形成された六角柱からなり、六角形の各面の下端部には
   前記雌ねじ部より大径に切除した薄肉部を設け、該薄肉
   部に湿気抜き穴を形成したキャップと、を組み合わせた
   ことを特徴とする脱気装置。