JP2000314136A - 止水壁設置井戸と地下水処理機構 - Google Patents

止水壁設置井戸と地下水処理機構

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JP2000314136A
JP2000314136A JP11125440A JP12544099A JP2000314136A JP 2000314136 A JP2000314136 A JP 2000314136A JP 11125440 A JP11125440 A JP 11125440A JP 12544099 A JP12544099 A JP 12544099A JP 2000314136 A JP2000314136 A JP 2000314136A
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Noriji Miyake
紀治 三宅
Nobuaki Kosaka
信章 高坂
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透水層の地山に適切に接着して所望の地下水
処理を確保できるように構成した止水壁設置井戸と、こ
れを活用することで、掘削部内の揚水井戸を廃止し、止
水壁の上流側と下流側を導通管で連通する止水壁の地下
水処理機構を提供する。 【解決手段】 止水壁設置井戸1は、集水管2を配備し
前面開口をフイルターで構成した容器3と、容器の前面
を閉塞する着脱自在の切削リブ8を装備した前面カバー
4及び容器後面に装備された伸縮可能なばね付スペーサ
ー5から構成されており、切削リブ8でセメントの浸透
した掘削面を削り取り、透水層の地山に適切に接着させ
て、地下水の集水や注水を可能にして止水壁設置前の地
下水流を確保できるようにしている。又、止水壁の地下
水処理機構は、止水壁の地山側透水部位に配備した止水
壁設置井戸を揚水井戸としたり、止水壁設置井戸間を連
通して止水壁の上流側と下流側の水位を同等に保ってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水壁設置井戸と
止水壁の地下水処理機構に関し、特に、透水層の地山に
適切に接着させて、所望の地下水の集水や注水を可能に
することで止水壁設置前の地下水流を確保できるように
構成した止水壁設置井戸と、止水壁設置井戸を活用する
ことで掘削部内の揚水井戸を廃止することを可能にする
止水壁の地下水処理機構に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物を構築するための地盤構造は、地
下水が浸透し易い洪積層や沖積層等の透水層と低透水性
土層から構成されている。そして、透水層に多量の地下
水を含んでいる帯水層の地下水は、一定の勾配を持った
水流として流動している。このような地盤に、図7のよ
うに、鉄道、道路など施工区間の長い構造物が建設さ
れ、その構築が地下に及んで地下構造物70を建設する
際には、止水性が高い、工期が短い、廉価で壁深を深く
できる等の理由から、セメントモルタル柱列で構成する
止水壁71、71’を適用することが多い。セメントモ
ルタル柱列で構成する止水壁は遮水壁であるために、地
下構造物70に適用すると、図7のように、地盤中の帯
水層72を遮断して地下水流を阻害することから、止水
壁71の上流側では、地下水の水位が上昇して、漏水、
既設構造物の浮き上がり等の問題が発生し、止水壁7
1’の下流側では逆に地下水位の低下が発生して、周辺
の井戸等に井戸枯れ、地盤沈下等の障害を発生させてい
た。又、工事終了後に止水壁を撤去するのには、撤去に
必要な作業スペース並びに多くの費用を要し、しかも完
全に撤去するのは不可能であり、部分的に壊すことで対
処してきた。しかし、除去が不完全の場合にはさらなる
環境問題に発展しかねない状況があった。
【0003】このような事態を避けるために、図8に示
すように、止水壁の背面側に井戸73を設けて地下水を
導水する施工法が提案されている。しかし、この施工法
では、都市部のように敷地に余裕のない場合には上流側
に設置される井戸73は横方向に限られた範囲にしか設
置できなかった。又、止水壁の背面側にある地山には、
止水壁を施工する際に堆積されたベントナイトやセメン
トが浸透、付着しているために、透水層の地山と井戸と
の透水状況は掘削面を洗浄した流通状況になかった。従
って、施工全体の透水係数は不安定な低位の値になって
おり、躯体部導通管74と下流側の井戸75を通じて流
れる人工的な導水は、必要としている全ての地下水流動
量を確保することが困難であった。
【0004】又、図9に示すように、止水壁71、7
1’に水平ボーリングを行って導水管76を貫通させる
方法も提案されている。この施工法は、止水壁に透水機
能を持たせるものであるが、水平ボーリングは、地盤を
掘削している途中での工事になるために、その施工が困
難になる問題点を抱えていた。
【0005】以上のように、従来の施工法では、結果的
に下流側の水位は図示のように若干の回復はあっても、
従来の水位から低下したままの状態になっていることが
あった。さらに、井戸を特別に設置するための費用を要
することから、コストアップを生じて容易に施工できる
状況になかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みて改善を図ったものであり、透水地山を切削する
ことでセメント分が侵入していない地山を露出させ、表
面が正常状態にある透水層の地山に適切に接着させて所
望の地下水処理を確保できるように構成した止水壁設置
井戸を提供し、加えて、この止水壁設置井戸を止水壁の
地山透水層に位置する部分に適用して集水、注水用とし
て有効に活用することで、止水壁の上流側と下流側の水
位を同等に保つのに充分な人工導水を確保することを可
能にし、併せて掘削部内の揚水井戸を廃止できる、止水
壁の地下水処理機構を提供することを課題にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1〜3の発明によ
る止水壁設置井戸は、基本的に、集水管を配備し前面開
口をフイルターで構成した容器と、容器の前面を閉塞す
る着脱自在の前面カバー及び容器後面に装備された伸縮
可能なばね付スペーサーから構成されており、具体的に
は、前面カバーの表面に切削リブを装備したり、集水管
にポンプを装備することを特徴としており、セメント類
が浸透している表面を切削して透水地山の正常面を露出
させ、容器の前面を地山に接着させるようにしたり、集
水・注水状態を事前に把握できる。
【0008】請求項4の発明による止水壁設置井戸の施
工法は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に止水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記止水壁設置
井戸を吊り下げて止水壁の地山側の透水部位に配備し、
次いで止水壁設置井戸に装備されたばね付スペーサーを
伸長して止水壁設置井戸の前面を掘削地山に圧着させな
がら、容器の前面を閉塞する前面カバーを上方にスライ
ドさせて引き上げることで構成されており、止水壁設置
井戸を透水地山の正常面に接着させた状態で、止水壁内
に止水壁設置井戸を迅速的確に配置できる。
【0009】請求項5の発明による止水壁の地下水処理
機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に設置される止水壁と、止水壁の地山側透水部位に配備
される上記止水壁設置井戸及び止水壁設置井戸間を連通
する導通管で構成されており、止水壁の上流側と下流側
の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保できる。
【0010】請求項6の発明による止水壁の地下水処理
機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に設置される止水壁と、止水壁内側の掘削される地山側
透水部位に配備される上記止水壁設置井戸及び止水壁設
置井戸に接続する集水管で構成されており、掘削部内の
揚水井戸を廃止して止水壁内の掘削を支障なく施工でき
る。
【0011】請求項7の発明による止水壁の地下水処理
機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に設置される止水壁と、止水壁内外側の地山側透水部位
にそれぞれ配置される上記各止水壁設置井戸及び止水壁
内の止水壁設置井戸に接続する集水管と止水壁外側の止
水壁設置井戸間に接続する導水管で構成されており、掘
削部内の揚水井戸を廃止して止水壁内の掘削を障害無く
施工することができ、併せて止水壁の上流側と下流側の
水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による止水壁設置井戸は、
構造物を地中透水部に建設する際に、構造物の上流側と
下流側に設置される止水壁の内部に設置することで、地
盤の掘削時における地下水の揚水あるいは止水壁を通し
ての地下水の流通を円滑に行うことを基本的な目的とし
ており、以下に、本実施の形態では本発明による止水壁
設置井戸とその施工法の実施の形態をを図面に基づいて
説明する。
【0013】図1は、本発明による止水壁設置井戸の斜
視図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図
である。止水壁設置井戸1は、内部に集水管2を配備し
た容器3と容器3の前面を閉塞する前面カバー4とばね
付スペーサー5から構成されている。集水管2は、容器
3の内部に配置され、後述するように集水パイプの先端
にスクリーンを設けており、集水管の先端を地上部に設
置したポンプに接続することで容器内の地下水を集水し
たり、注水できるようになっている。
【0014】容器3は、透水地山の掘削面に幅広く接着
できるように前面6を広くした扇形状に形成されてい
る。容器3の材質は、強度面からは鋼鉄製が適当である
が、状況によってはステンレス製も考慮されるところで
ある。容器の前面6は開口面を構成しており、フイルタ
ーによって開口面を覆うことで浄化された地下水が容器
内に導入されるようにしてある。
【0015】容器3の後面7には、ばね付スペーサー5
が装備されている。ばね付スペーサー5は、後述するよ
うにピストン機構によって伸縮可能であり、容器3が地
山側の透水部位に配備された段階で伸長し、容器前面6
の開口面を透水地山の掘削面に押圧して開口面と透水地
山が密接に接着するように機能している。
【0016】容器3の前面6は、止水壁内に設置される
前には前面カバー4で閉塞されており、開口面のフイル
ターが外部の障害物によって破損されないように保護さ
れている。前面カバー4は、開口面のフイルターを全域
で閉鎖し容器前面に設けられた係合金具によって普通に
は取り外せないように容器3に係止されている。ただ
し、係合金具は、前面カバー4を容器3から上方に引き
上げると上記係止状態から開放される機構を構成してい
るので、前面カバーを遠隔から取り外すことは容易であ
る。
【0017】前面カバー4の表面には、切削リブ8が設
けられている。切削リブ8は、前面カバー4の表面から
所定の高さに突出させた状態で構成され、その形状は、
前面カバー4の中央部分に位置する先端9を頂点にして
左右に垂下する矛先状に形成されている。切削リブの取
付位置は任意であるが、透水地山を切削する目的を考慮
して前面カバー4の表面下端側に装備している。切削リ
ブ8は、セメント等が浸透している地山掘削面を削り取
ってセメント等が浸透していない正常な透水地山を露出
させるために使用するものであるから、材質は掘削用ビ
ットと同等の硬度を有する鋼材であり、前面カバー4に
溶接している。
【0018】図2は、攪拌を終了して固化はしていない
状態の止水壁に、本発明による止水壁設置井戸を配置し
た状態を説明する部分断面図である。図において、10
は、止水壁の掘削孔、11は、セメント等の浸透した掘
削壁、12は、前面カバーによって切削されたセメント
等が浸透していない透水地山を示している。図示の状態
は、止水壁用の掘削孔10の透水部位に止水壁設置井戸
1を吊り下げて配備する時点を現しており、前面カバー
4は、地上からの引き上げでセメント等の浸透した掘削
壁11を切削リブ8で切削しながら上方に移動してい
る。
【0019】前面カバー4は、容器3の前面6に接触し
ている状態では、ばね付スペーサー5の伸長によって容
器3の後面7側の地山から反力を取ってセメント等の浸
透した掘削壁11に圧接されており、前面カバーの切削
リブ8を掘削壁11に食い込ませている。従って、この
状態では掘削壁を切削して引き上がって行くので、セメ
ント等が浸透していない正常な透水地山12を露出させ
て、図示のようにばね付スペーサー5で押圧され続けて
いる止水壁設置井戸1を透水地山12に接着させること
になる。
【0020】止水壁設置井戸1は、その前面6をセメン
ト等が浸透していない透水地山12に接着しているか
ら、地下水はフイルター13を通って容器3に導入され
る。集水管2の集水パイプ14の先端にはスクリーン1
5が設けてあり、その先端には必要に応じてポンプ16
が接続されているので、容器内の地下水は、スクリーン
を通して集水されたり、逆に集水パイプ14からの通水
で容器外に注水することが行われる。
【0021】又、図示はしていないが、フイルター13
の中に地上に連結しているスクリーン付パイプを設置す
ることも考慮される。これによって、止水壁設置井戸1
の通水状態が停滞気味になった場合には、フイルター1
3と周辺地山にこのスクリーン付パイプを通じて清水を
噴射させて、フイルター13及び周辺地山を洗浄し、通
水状態の回復を図ることができるからである。
【0022】止水壁設置井戸1の設置は、ばね付スペー
サー5の伸縮によって安定した固定状態を確立させてい
るが、設置前のばね付スペーサー5は押出装置17によ
って容器3の後面7に近接した状態に納められている。
止水壁設置井戸1を止水壁の透水部位に配備してから
は、押出装置17のピストン機能によって心棒18を伸
長して、ばね付スペーサー5を押し出して上述した設定
状態を形成している。設定後は、止水壁設置井戸の固定
を強固にして止水壁のコンクリート固化にも移動が生じ
ないようにし、容器前面と透水地山との緊密な接着状態
が維持されるように押圧力を保持している。
【0023】図3は、本発明による止水壁設置井戸の施
工法を説明するための工程図である。図3(a)は、攪
拌を終了して固化はしていない状態の止水壁31の中に
止水壁設置井戸1を挿入するために、櫓32に設けたワ
イヤー33で吊り下げた状態を示している。図3(b)
は、止水壁設置井戸1を止水壁内に挿入する状態を示し
ており、図3(c)は、止水壁設置井戸1を止水壁内に
設置する状態を示している。ワイヤー33で吊り下げら
れた止水壁設置井戸1は、止水壁内に挿入されて止水壁
内の透水部位に配備されると、ばね付スペーサー5の伸
長によって容器3の後面側の地山から反力を取ってセメ
ント等の浸透した掘削壁に圧接されており、前面カバー
の切削リブを掘削壁に食い込ませている。以後の施工
は、図2で詳細に説明したので省略するが、前面カバー
の上方への引き上げによって止水壁設置井戸はセメント
等の浸透していない切削面にそのフイルター面を接着さ
せているから、コンクリートの固化で止水壁が施工を完
了しても、地下水の良好な集水状態を確立できる。
【0024】図4〜6は、上記の止水壁設置井戸を活用
した、本発明による止水壁の地下水処理機構を示してい
る。図4は、本発明による止水壁の地下水処理機構を地
下水導通機構として実施した実施の形態の断面図(a)
と平面図(b)である。図4(a)に示す止水壁の地下
水導通機構は、帯水層40に建設する構造物41の上流
側と下流側に止水壁42、42’を設置している。各止
水壁の地山側透水部位には上記した止水壁設置井戸1が
配備されて集水部43と注水部44を構成しており、両
止水壁設置井戸間を導通管45で連通している。
【0025】止水壁設置井戸1は、図4(b)に示すよ
うに、止水壁に所定の間隔で配置されており、周辺部の
水流と広角的な広い範囲で接触しており、上流側の集水
部43の止水壁設置井戸1には、多量の地下水流46が
集められて導通管45に送り込まれ、下流側の注水部4
4の止水壁設置井戸1からは送り込まれた多量の地下水
流を連続的に下流側に注水している。従って、集水、注
水される水量が地下水流として流れていた流量を維持す
るのに充分な値を確保しているので、本発明による止水
壁の地下水処理機構を採用すると、帯水層に止水壁4
2、42’を施工する以前と同様の地下水流を継続させ
ることができる。
【0026】図5は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、揚水井戸に代わる地下水集水機構として実施し
た地山掘削時の断面図(a)と平面図(b)である。図
5(a)に示すように、止水壁51、51’は、帯水層
52の地下水流53を遮断した状態で地下構造物を建築
する地山の上流側と下流側に設置されている。止水壁5
1、51’の壁内の帯水層54に対応する部分には各集
水部55が形成されており、止水壁設置井戸1が配備さ
れている。各止水壁設置井戸1には、揚水用の集水管5
6を接続して、図示していない揚水ポンプと接続されて
おり、掘削井戸を特別に設置しなくとも、揚水ポンプを
稼動することによって壁内の掘削地山の水位を下げて、
掘削を円滑に推進できるようにしている。
【0027】図5(b)は、止水壁の地下水集水機構の
平面図である。止水壁設置井戸1は、止水壁51、5
1’に所定の間隔で配置されており、図示のように帯水
層54に残った地下水と広角的な広い範囲で接触してお
り、帯水層54の地下水を集めて集水管56を経由して
外部に連続的に放出している。
【0028】図6は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を地下水集水機構及び地下水導通機構として配備し
た実施の形態の部分断面図(a)と平面図(b)であ
る。図6(a)には、止水壁の地下水処理機構を、地下
水集水機構及び地下水導通機構として止水壁内に交互に
配備している状態を部分断面で示している。
【0029】止水壁61、61’は、帯水層62の地下
水流63を遮断した状態で地下構造物を建築する地山の
上流側と下流側に設置されている。図6(a)、(b)
に示すように、止水壁61、61’の壁内の帯水層62
に対応する部分には各集水部64が形成されており、止
水壁設置井戸1が透水地山に接着して配備されている。
各止水壁設置井戸1には、揚水用の集水管65を接続し
て、図示していない揚水ポンプと接続してあるから、止
水壁内側の地盤を掘削している時には、掘削井戸を特別
に設置しなくとも、揚水ポンプを稼動することによって
止水壁内側の掘削地山における地下水の水位を下げて、
掘削を円滑に推進できるようにしている。
【0030】又、各止水壁61、61’の外側の地山側
透水部位には上記した止水壁設置井戸1が止水壁外の透
水地山に接着して配備され、集水部64と注水部66を
構成しており、両止水壁設置井戸間を導通管67で連通
している。そして、集水、注水される水量は、地下水流
として流れていた流量を維持するのに充分な値を確保し
ているので、帯水層に止水壁61、61’を施工する以
前と同様の地下水流を継続させることができる。
【0031】以上のように、本発明による止水壁設置井
戸は、止水壁設置井戸を止水壁の透水部位に配備してか
ら、ばね付スペーサーを押し出して安定した設定状態を
形成しており、前面カバーの引き上げでコンクリート等
の浸透している掘削面を切削して容器の前面と透水地山
との接着状態を良好に維持し、止水壁設置井戸の固定を
強固にして止水壁のコンクリート固化にも移動が生じな
いようにし、透水地山との集水・注水が容易に維持され
るように押圧力を保持している。
【0032】又、本発明による止水壁の地下水処理機構
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設
置される止水壁に、上記止水壁設置井戸を配備して、集
水・注水管として構成し、掘削部内の揚水井戸を廃止し
て止水壁内の掘削を支障なく施工すると共に、止水壁設
置井戸間を導通管で連通して止水壁の上流側と下流側の
水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保している。
【0033】以上、実施の態様に基づいて詳細に説明し
てきたが、本発明は、上記実施の態様に何ら制限される
ものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他
の態様についても本発明に含まれるものである。
【0034】
【発明の効果】本発明による止水壁設置井戸は、基本的
に、集水管を配備し前面開口をフイルターで構成した容
器と、容器の前面を閉塞する着脱自在の前面カバー及び
容器後面に装備された伸縮可能なばね付スペーサーから
構成されており、具体的には、前面カバーの表面に切削
リブを装備したり、集水管にポンプを装備することを特
徴としており、セメント類が浸透している表面を切削し
て透水地山の正常面を露出させ、容器の前面を地山に接
着させるようにしたり、集水・注水状態を事前に把握で
きる効果を奏している。
【0035】又、本発明による止水壁の地下水処理機構
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設
置される止水壁と、止水壁の地山側透水部位に配備され
る上記止水壁設置井戸及び止水壁設置井戸に接続する集
水管もしくは止水壁設置井戸間を連通する導通管で構成
されており、掘削部内の揚水井戸を廃止して止水壁内の
掘削を支障なく施工できると共に、止水壁の上流側と下
流側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保でき
る効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による止水壁設置井戸の正面図と側面図
【図2】本発明による止水壁設置井戸の配置図
【図3】本発明による止水壁設置井戸の施工図
【図4】本発明による地下水処理(導通)機構図
【図5】本発明による地下水処理(集水)機構図
【図6】本発明による地下水処理(集水・導通)機構図
【図7】止水壁による地下水流の遮断状態図
【図8】従来の止水壁における地下水導通図
【図9】従来の止水壁における他の地下水導通図
【符号の説明】
1 止水壁設置井戸、 2 集水管、 3 容器、 4
前面カバー、5 ばね付スペーサー、 6 容器の前
面、 7 容器の後面、8 切削リブ、 9 切削リブ
の先端、 10 止水壁の掘削孔、11 セメント等の
浸透した掘削壁、 12 切削リブで切削された掘削
壁、13 フイルター、 14 集水パイプ、 15
スクリーン、16 ポンプ、17 押出装置、 18
心棒、31 止水壁、 32 櫓、 33 ワイヤー、
40 帯水層、 41 構造物、 42、42’ 止水
壁、 43 集水部、44 注水部、 45 導通管、
46 地下水流、51、51’ 止水壁、 52 帯
水層、 53 地下水流、54 帯水層、 55 集水
部、 56 集水管、 61、61’ 止水壁、62
帯水層、 63 地下水流、 64 集水部、65 集
水管、 66 注水部、 67 導通管、

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集水管を配備し前面開口をフイルターで
    構成した容器、該容器の前面を閉塞する着脱自在の前面
    カバー及び容器後面に装備された伸縮可能なばね付スペ
    ーサーから構成される止水壁設置井戸。
  2. 【請求項2】 前面カバーの表面に切削リブを装備した
    ことを特徴とする請求項1に記載の止水壁設置井戸。
  3. 【請求項3】 集水管にポンプを装備したことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の止水壁設置井戸。
  4. 【請求項4】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に止水壁を構築し、該止水壁の固化以前に請求項
    1〜3に記載の止水壁設置井戸を吊り下げて該止水壁の
    地山側の透水部位に配備し、次いで該止水壁設置井戸に
    装備されたばね付スペーサーを伸長して止水壁設置井戸
    の前面を掘削地山に圧着させながら、容器の前面を閉塞
    する前面カバーを上方にスライドさせて引き上げること
    で構成される止水壁設置井戸の施工法。
  5. 【請求項5】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁、該止水壁の地山側透水部位
    に配備される請求項1〜3のいずれかに記載の止水壁設
    置井戸及び該止水壁設置井戸間を連通する導通管で構成
    する止水壁の地下水処理機構。
  6. 【請求項6】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁、該止水壁内側の掘削される
    地山側透水部位に配備される請求項1〜3のいずれかに
    記載の止水壁設置井戸及び該止水壁設置井戸に接続する
    集水管で構成する止水壁の地下水処理機構。
  7. 【請求項7】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁、該止水壁内外側の地山側透
    水部位にそれぞれ配置される請求項1〜3のいずれかに
    記載の各止水壁設置井戸及び該止水壁内の止水壁設置井
    戸に接続する集水管と該止水壁外側の止水壁設置井戸間
    に接続する導水管で構成する止水壁の地下水処理機構。
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