JP2001131958A - 止水壁設置井戸とその施工法及び止水壁の地下水処理機構 - Google Patents

止水壁設置井戸とその施工法及び止水壁の地下水処理機構

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JP2001131958A
JP2001131958A JP31107999A JP31107999A JP2001131958A JP 2001131958 A JP2001131958 A JP 2001131958A JP 31107999 A JP31107999 A JP 31107999A JP 31107999 A JP31107999 A JP 31107999A JP 2001131958 A JP2001131958 A JP 2001131958A
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Noriji Miyake
紀治 三宅
Nobuaki Kosaka
信章 高坂
Akira Ishikawa
明 石川
Motoyuki Asada
素之 浅田
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削後の表面が清浄状態にある透水層の地山
に開口を接触させて所望の地下水処理を確保できるよう
に構成した止水壁設置井戸とその施工法及び止水壁の地
下水処理機構を提供する。 【解決手段】 本発明による止水壁設置井戸1は、集水
管2を配備し前面開口10をスクリーン7で構成した容
器3と、上記スクリーンの前面に向けた開口13を備え
ている設置作業パイプ4及び容器後面に装備された伸縮
可能なばね付スペーサー5から構成されており、スクリ
ーン7をパッカー14で閉塞したり、設置作業パイプ4
にパッカーを収納させ、設置作業パイプから洗浄水を噴
出させたり、フイルター材を前面に充填して清浄状態に
ある透水層の地山に容器3の開口10を接触させてい
る。又、これを用いて止水壁の地下水処理機構を構成
し、揚水井戸の廃止と地下水流の確保を達成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水壁設置井戸と
その施工法及び止水壁の地下水処理機構に関し、特に、
透水層の地山と清浄な状態で接触させて所望の地下水処
理を確保できるように構成した止水壁設置井戸とその施
工法及び止水壁設置井戸を活用することで掘削部内の揚
水井戸を廃止し、地下水流を確保する止水壁の地下水処
理機構に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物を構築するための地盤構造は、地
下水が浸透し易い洪積層や沖積層等の透水層と低透水性
土層から構成されている。そして、透水層に多量の地下
水を含んでいる帯水層の地下水は、一定の勾配を持った
水流として流動している。このような地盤に、図7のよ
うに、鉄道、道路など施工区間の長い構造物が建設さ
れ、その構築が地下に及んで地下構造物60を建設する
際には、止水性が高い、工期が短い、廉価で壁深を深く
できる等の理由から、ソイルセメント柱列で構成する止
水壁61、61’を適用することが多い。ソイルセメン
ト柱列で構成する止水壁は遮水壁であるために、地下構
造物60に適用すると、図7のように、地盤中の帯水層
62を遮断して地下水流を阻害することから、止水壁6
1の上流側では、地下水の水位が上昇して、漏水、既設
構造物の浮き上がり等の問題が発生し、止水壁61’の
下流側では逆に地下水位の低下が発生して、周辺の井戸
等に井戸枯れ、地盤沈下等の障害を発生させていた。
又、工事終了後に止水壁を撤去するのには、撤去に必要
な作業スペース並びに多くの費用を要し、しかも完全に
撤去するのは不可能であり、部分的に壊すことで対処し
てきた。しかし、除去が不完全の場合にはさらなる環境
問題に発展しかねない状況があった。
【0003】このような事態を避けるために、図8に示
すように、止水壁の背面側に井戸63を設けて地下水を
導水する施工法が提案されている。しかし、この施工法
では、都市部のように敷地に余裕のない場合には上流側
に設置される井戸63は横方向に限られた範囲にしか設
置できなかった。又、止水壁の背面側にある地山には、
止水壁を施工する際に堆積されたベントナイトやセメン
トが浸透、付着しているために、透水層の地山と井戸と
の透水状況は掘削面を洗浄した流通状況になかった。従
って、施工全体の透水係数は不安定な低位の値になって
おり、躯体部導通管64と下流側の井戸65を通じて流
れる人工的な導水は、必要としている全ての地下水流動
量を確保することが困難であった。
【0004】又、図9に示すように、止水壁61、6
1’に水平ボーリングを行って導水管66を貫通させる
方法も提案されている。この施工法は、止水壁に透水機
能を持たせるものであるが、水平ボーリングは、地盤を
掘削している途中での工事になるために、その施工が困
難になる問題点を抱えていた。
【0005】以上のように、従来の施工法では、結果的
に下流側の水位は図示のように若干の回復はあっても、
従来の水位から低下したままの状態になっていることが
多かった。さらに、井戸を特別に設置するための費用を
要することから、容易に施工できる状況になかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みて改善を図ったものであり、掘削後の透水地山を
被覆してセメント分の侵入を防止し、洗浄によって地山
を露出させることで、表面が清浄状態にある透水層の地
山に開口を接触させて所望の地下水処理を確保できるよ
うに構成した止水壁設置井戸を提供し、加えて、この止
水壁設置井戸を止水壁の地山透水層に位置する部分に適
用して集水、注水用として有効に活用することで、掘削
部内の揚水井戸を廃止し、併せて止水壁の上流側と下流
側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保する止
水壁の地下水処理機構を提供している。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1乃至6の発明に
よる止水壁設置井戸は、基本的に、集水管を配備し前面
開口をスクリーンで構成した容器、容器の前面に配備さ
れ上記スクリーンの前面に開口を備えている設置作業パ
イプ及び容器後面に装備された伸縮可能なばね付スペー
サーから構成されており、具体的には、設置作業パイプ
に透水地山を被覆するパッカーを収納させるか、パッカ
ーが前面開口のスクリーンを閉塞しており、設置作業パ
イプから洗浄水を噴出させたり、フィルター材を前面に
充填することを特徴としており、掘削した透水地山にセ
メント類を浸透させないことで、透水地山の清浄面を露
出させた状態で容器の前面を地山に接触させて、集水・
注水状態を確立させると共に、その状態を事前に把握で
きる。
【0008】請求項7、8の発明による止水壁設置井戸
の施工法は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下
流側に止水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記止水壁
設置井戸を吊り下げて止水壁の地山側の透水部位に配備
し、次いで止水壁設置井戸に装備されたばね付スペーサ
ーを伸長して止水壁設置井戸の前面を掘削地山に圧着さ
せながら、パッカーを地山側の透水部位に膨張させて透
水部位を被覆し、設置作業パイプからの洗浄とフィルタ
ー材の充填によって地山を露出させる設置作業を実施し
ており、止水壁設置井戸を透水地山の清浄面に接触させ
た状態で、止水壁内に止水壁設置井戸を迅速的確に配置
できる。
【0009】請求項9の発明による止水壁の地下水処理
機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に設置される止水壁と、止水壁の地山側透水部位に配備
される上記止水壁設置井戸及び止水壁設置井戸間を連通
する導通管で構成されており、止水壁の上流側と下流側
の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保できる。
【0010】請求項10の発明による止水壁の地下水処
理機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流
側に設置される止水壁と、止水壁内側の掘削される地山
側透水部位に配備される上記止水壁設置井戸及び止水壁
設置井戸に接続する集水管で構成されており、掘削部内
の揚水井戸を廃止して止水壁内の掘削を支障なく施工で
きる。
【0011】請求項11の発明による止水壁の地下水処
理機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流
側に設置される止水壁と、止水壁内外側の地山側透水部
位にそれぞれ配置される上記各止水壁設置井戸及び止水
壁内の止水壁設置井戸に接続する集水管と止水壁外側の
止水壁設置井戸間に接続する導通管で構成されており、
掘削部内の揚水井戸を廃止して止水壁内の掘削を障害無
く施工することができ、併せて止水壁の上流側と下流側
の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による止水壁設置井戸は、
基本的に、集水管を配備し前面開口をスクリーンで構成
した容器と、容器の前面に配備され上記スクリーンの前
面に開口を備えている設置作業パイプ及び容器後面に装
備された伸縮可能なばね付スペーサーから構成されてお
り、地中透水部に建設した構造物の上流側と下流側に設
置される止水壁の内部に設置する際に、掘削した透水地
山にセメント類を浸透させないことで、透水地山の清浄
面を露出させた状態で容器の前面を地山に接触させて集
水・注水状態を確立させると共に、集水管に挿入するポ
ンプの揚水で、集水・注水状態を事前に把握できるよう
にしている。以下に、本発明による止水壁設置井戸の実
施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】図1には、本発明による止水壁設置井戸を
示しており、図1(a)は正面図、図1(b)は側断面
図、図1(c)は平面図である。止水壁設置井戸1は、
集水管2を配備した容器3と容器の前面に配備されてい
る設置作業パイプ4とばね付スペーサー5から構成され
ている。集水管2は、容器3に具備されており、必要に
応じて、図示のように集水管2の内部に揚水管8と接続
したポンプ9を挿入することで、容器内の地下水を集水
したり、注水できるようになっている。
【0014】容器3は、透水地山の掘削面に幅広く接触
できるように前面10を広くした扇形状に形成されてい
る。容器3の材質は、強度面からは鋼鉄製が適当である
が、状況によってはステンレス製も考慮されるところで
ある。容器の前面10は、開口面を構成しており、内部
にフィルター材11を充填した二重構造のスクリーン7
によって開口面を覆うことで、浄化された地下水が容器
内に導入されるようにしてある。スクリーン7の前面は
パッカー14で閉塞され、容器3をソイルセメント柱列
に挿入する際に、セメントやベントナイト等がスクリー
ンに侵入することを防いでいる。尚、パッカー14に
は、気体もしくは液体等の流体を供給するパイプとパッ
カー14を地上に引き上げるためのロープ等が接続され
ており、所定の作業が完了してパッカーを収縮させた後
は、容器から直接回収している。容器の前面10には、
両側に閉鎖板12、12が設けてあり、止水壁設置井戸
の設定段階において、透水地山と開口面を限定して他の
区域から泥土等の不透水性材料が容器の前面10に侵入
してくるのを阻止しているが、必要に応じてスクリーン
7の前面にカバーを付けることもできる。
【0015】容器3の後面には、ばね付スペーサー5が
装備されている。ばね付スペーサー5は、後述するよう
にピストン機構によって伸縮可能であり、容器3が地山
側の透水部位に配備された段階で伸長し、容器前面10
の開口面を透水地山の掘削面に押圧して開口面と透水地
山が密接に接触するように機能している。
【0016】容器前面10の上方には設置作業パイプ4
が配置されており、スクリーンの前面に開口13を備え
ている。設置作業パイプは、開口13から清浄水を噴出
させることでスクリーン7及び透水地山の洗浄を行うと
共に、スクリーン7の前面と透水地山との間にフィルタ
ー材を充填することによって、地山を露出させる設置作
業を実施できるようにしている。
【0017】又、設置作業パイプ4の地上端には、設置
作業パイプ4を適宜稼働させる際に使用する種々の設備
が配置されており、止水壁設置井戸の設置過程に対応さ
せてこれらの設備を適宜接続して、止水壁設置井戸の設
置作業を遂行している。
【0018】ばね付スペーサー5は、押出装置15によ
って容器3の後面に近接した状態に納められているが、
止水壁設置井戸1を設置する場合には、ばね付スペーサ
ー5の伸縮によって安定した固定状態を確立させること
になる。即ち、止水壁設置井戸1は、止水壁の透水部位
に配備された後に、押出装置15のピストン機能によっ
て心棒16を伸長させ、ばね付スペーサー5を図示のよ
うに押し出して、止水壁の所定位置に設定状態を形成す
ることになる。そして、設定後は止水壁設置井戸の固定
を強固にして、止水壁のコンクリート固化にも移動が生
じないように、容器前面と透水地山との緊密な接触状態
が維持されるように押圧力を保持している。
【0019】図2は、止水壁に止水壁設置井戸を配置す
る場合に、設置作業パイプを通じて展開される施工を説
明する部分断面図である。上述したように、止水壁設置
井戸1は、攪拌を終了して固化していない状態の掘削孔
に吊り下げられ、ばね付スペーサー5の伸長によって容
器3の後面側の地山から反力を取って透水地山17に強
く押圧されている。この状態において、止水壁設置井戸
と透水地山との間に地下水の確実な流通が行われるよう
に以下のような施工が実施される。
【0020】図2(a)は、スクリーンと透水地山を被
覆するパッカーの施工状態を示している。スクリーン7
の前面を覆っているパッカー14は、地上に配置されて
いるボンベから気体もしくは流体の供給を受けて膨張す
る。これによって、パッカー14は容器3の両側に設け
られた閉鎖板12、12で隔離されている前面10の全
域に行き渡って拡大することになり、開口面のスクリー
ン7とセメント等が浸透していない透水地山17はパッ
カーによって被覆される。従って、止水壁が養生する1
日程度を経過させて、掘削孔内のセメントは固化しない
が泥水にセメント分の浮遊が無くなる段階でパッカー1
4から流体を撤去し、これを収縮させて地上に引き上げ
ても、最早スクリーン7と透水地山17にはセメント等
が浸透しない。
【0021】図2(b)は、パッカーを撤去した後に、
スクリーンと透水地山を洗浄する作業状態を示してい
る。この段階では、設置作業パイプの地上端に、ジェッ
ト水発生装置を接続する。設置作業パイプ4の開口13
から噴出されるジェット水流18は、透水地山17やス
クリーン7の表面等に付着しているセメント分を飛散さ
せて、地下水の導水通路を洗浄する。従って、固化した
止水壁に設置された止水壁設置井戸1は、その前面10
をセメント等が浸透していない清浄な透水地山17に接
触させているから、地下水は地山からスクリーン7を通
って容器3に導入されることになる。
【0022】図2(c)は、スクリーンと透水地山を洗
浄した後に、フィルター材を充填する作業状態を示して
いる。スクリーンと透水地山を洗浄した後は、設置作業
パイプの地上端から、ジェット水発生装置とジェット水
送水パイプを取り外して開放状態にする。次いで、開放
されたパイプから、硅砂2号のような細かい塵埃等を通
さない濾過機能を備えたフィルター材19を投下して、
設置作業パイプ4の開口13から透水地山と容器3の前
面10に充填する。これによって、固化した止水壁に設
置された止水壁設置井戸1は、その前面10をセメント
等が浸透していない洗浄された透水地山17に接触さ
せ、中間部をフィルター材19で充填しているので、地
下水は不透水性材料に邪魔されることなく、地山から容
易に容器3に導入されることになる。
【0023】本発明による止水壁設置井戸は、以上の設
置作業が完了した後に、集水管2の内部に揚水管8と接
続したポンプ9を挿入して、容器内の地下水をスクリー
ン7を通して集水したり、逆に集水パイプ6からの通水
で容器外に注水することを行うことで、止水壁の集水・
注水の能力状態をその施工完了前に把握することが可能
になっている。
【0024】次に、本発明による止水壁設置井戸の施工
法について説明する。本発明による止水壁設置井戸の施
工法は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に止水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記止水壁設置
井戸を吊り下げて止水壁の地山側の透水部位に配備し、
次いで止水壁設置井戸に装備されたばね付スペーサーを
伸長して止水壁設置井戸の前面を掘削地山に圧着させな
がら、スクリーンの前面を覆っているパッカー14を地
山側の透水部位に膨張させて透水部位を被覆し、洗浄と
フィルター材の充填によって地山を露出させる設置作業
を実施しており、止水壁設置井戸を透水地山の清浄面に
接触させた状態で、止水壁内に止水壁設置井戸を迅速的
確に配置している。以下に、本発明による止水壁設置井
戸の施工法の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】図3は、本発明による止水壁設置井戸の施
工法を説明するための工程図である。図3では、攪拌
を終了して固化はしていない状態の止水壁21の中に、
止水壁設置井戸1を挿入するために、櫓22に設けたワ
イヤー23で吊り下げた状態を示している。図3で
は、止水壁設置井戸1を止水壁内に挿入する状態を示し
ており、止水壁設置井戸1のばね付スペーサー5はまだ
伸張していない状態である。
【0026】図3では、ばね付スペーサー5を地山に
押し出して止水壁設置井戸1を強く押圧して透水地山に
接触させている。同時に、パッカー14を膨張させて透
水地山とスクリーン7にセメント分が付着しないように
被覆している。
【0027】図3は、止水壁のセメント部分がある程
度固化した状態であり、パッカー14を収縮させて集水
管2から地上に除去している。これによって、止水壁設
置井戸1の前面10と透水地山との間に空隙を形成した
状態で、止水壁設置井戸1を止水壁内に固定した状態を
示している。
【0028】図3では、設置作業パイプ4にジェット
水発生装置24を接続し、設置作業パイプ4の開口13
からジェット水流を噴出させて、透水地山やスクリーン
11の表面等に付着しているセメント分を飛散させて洗
浄している。次いで、開放されたパイプからフィルター
材を投下して、設置作業パイプの開口13から透水地山
と容器3の前面に充填している。これによって、固化し
た止水壁に設置された止水壁設置井戸1は、その前面1
0をセメント等が浸透していない清浄な透水地山17に
接触させ、中間部をフィルター材19で充填しているの
で、地下水は不透水性材料に邪魔されることなく、地山
から容易に容器3に導入されることになる。
【0029】図3では、集水管2の内部に揚水管8と
接続したポンプ9を挿入し、地上のタンク25に揚水す
ることで、止水壁の集水・注水の能力状態をその施工完
了前に把握することが可能になっている。
【0030】図4〜6は、上記の止水壁設置井戸を活用
した、本発明による止水壁の地下水処理機構を示してい
る。図4は、本発明による止水壁の地下水処理機構を地
下水導通機構として実施した実施の形態の断面図(a)
と平面図(b)である。図4(a)に示す止水壁の地下
水導通機構は、帯水層30に建設する構造物31の上流
側と下流側に止水壁32、32’を設置している。各止
水壁の地山側透水部位には上記した止水壁設置井戸1が
配備されて集水部33と注水部34を構成しており、両
止水壁設置井戸間を導通管35で連通している。
【0031】止水壁設置井戸1は、図4(b)に示すよ
うに、止水壁に所定の間隔で配置されており、周辺部の
水流と広角的な広い範囲で接触しており、上流側の集水
部33の止水壁設置井戸1には、多量の地下水流36が
集められて導通管35に送り込まれ、下流側の注水部3
4の止水壁設置井戸1からは送り込まれた多量の地下水
流を連続的に下流側に注水している。従って、集水、注
水される水量が地下水流として流れていた流量を維持す
るのに充分な値を確保しているので、本発明による止水
壁の地下水処理機構を採用すると、帯水層に止水壁3
2、32’を施工する以前と同様の地下水流を継続させ
ることができる。
【0032】図5は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、揚水井戸に代わる地下水集水機構として実施し
た地山掘削時の断面図(a)と平面図(b)である。図
5(a)に示すように、止水壁41、41’は、帯水層
42の地下水流43を遮断した状態で地下構造物を建築
する地山の上流側と下流側に設置されている。止水壁4
1、41’の壁内の帯水層44に対応する部分には各集
水部45が形成されており、止水壁設置井戸1が配備さ
れている。各止水壁設置井戸1には、揚水用の集水管4
6を接続して、図示していない揚水ポンプと接続されて
おり、掘削井戸を特別に設置しなくとも、揚水ポンプを
稼動することによって壁内の掘削地山の水位を下げて、
掘削を円滑に推進できるようにしている。
【0033】図5(b)は、止水壁の地下水集水機構の
平面図である。止水壁設置井戸1は、止水壁41、4
1’に所定の間隔で配置されており、図示のように帯水
層44に残った地下水と広角的な広い範囲で接触してお
り、帯水層44の地下水を集めて集水管46を経由して
外部に連続的に放出している。
【0034】図6は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を地下水集水機構及び地下水導通機構として配備し
た実施の形態の部分断面図(a)と平面図(b)であ
る。図6(a)には、止水壁の地下水処理機構を、地下
水集水機構及び地下水導通機構として止水壁内に交互に
配備している状態を部分断面で示している。
【0035】止水壁51、51’は、帯水層52の地下
水流53を遮断した状態で地下構造物を建築する地山の
上流側と下流側に設置されている。図6(a)、(b)
に示すように、止水壁51、51’の壁内の帯水層52
に対応する部分には各集水部54が形成されており、止
水壁設置井戸1が透水地山に接触して配備されている。
各止水壁設置井戸1には、揚水用の集水管55を接続し
て、図示していない揚水ポンプと接続してあるから、止
水壁内側の地盤を掘削している時には、掘削井戸を特別
に設置しなくとも、揚水ポンプを稼動することによって
止水壁内側の掘削地山における地下水の水位を下げて、
掘削を円滑に推進できるようにしている。
【0036】又、各止水壁51、51’の外側の地山側
透水部位には上記した止水壁設置井戸1が止水壁外の透
水地山に接触して配備され、集水部54と注水部56を
構成しており、両止水壁設置井戸間を導通管57で連通
している。そして、集水、注水される水量は、地下水流
として流れていた流量を維持するのに充分な値を確保し
ているので、帯水層に止水壁51、51’を施工する以
前と同様の地下水流を継続させることができる。
【0037】以上のように、本発明による止水壁設置井
戸は、集水管を配備し前面開口をスクリーンで構成した
容器と、容器の前面に配備され上記スクリーンの前面に
開口を備えている設置作業パイプ及び容器後面に装備さ
れた伸縮可能なばね付スペーサーから構成されており、
地中透水部に建設した構造物の上流側と下流側に設置さ
れる止水壁の内部に設置する際に、掘削した透水地山に
セメント類を浸透させないことで、透水地山の清浄面を
露出させた状態で容器の前面を地山に接触させて集水・
注水状態を確立させると共に、集水管に挿入するポンプ
の揚水で、集水・注水状態を事前に把握できるようにし
ている。
【0038】又、本発明による止水壁の地下水処理機構
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設
置される止水壁に、上記止水壁設置井戸を配備して、集
水・注水管として構成し、掘削部内の揚水井戸を廃止し
て止水壁内の掘削を支障なく施工すると共に、止水壁設
置井戸間を導通管で連通して止水壁の上流側と下流側の
水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保している。
【0039】以上、実施の態様に基づいて詳細に説明し
てきたが、本発明は、上記実施の態様に何ら制限される
ものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他
の態様についても本発明に含まれるものである。
【0040】
【発明の効果】本発明による止水壁設置井戸は、基本的
に、集水管を配備し前面開口をスクリーンで構成した容
器と、容器の前面に配備され上記スクリーンの前面に開
口を備えている設置作業パイプ及び容器後面に装備され
た伸縮可能なばね付スペーサーから構成しているので、
地中透水部に建設した構造物の上流側と下流側に設置さ
れる止水壁の内部に設置する際に、掘削した透水地山に
セメント類を浸透させないから、透水地山の清浄面を露
出させた状態で容器の前面を地山に接触させて集水・注
水状態を確立させると共に、集水管に挿入するポンプの
揚水で、集水・注水状態を事前に把握できる効果を奏し
ている。
【0041】又、本発明による止水壁設置井戸の施工法
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に止
水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記止水壁設置井戸
を吊り下げて止水壁の地山側の透水部位に配備し、次い
で止水壁設置井戸に装備されたばね付スペーサーを伸長
して止水壁設置井戸の前面を掘削地山に圧着させなが
ら、スクリーンの前面を閉塞しているパッカーを地山側
の透水部位に膨張させて透水部位を被覆し、洗浄とフィ
ルター材の充填によって地山を露出させる設置作業を実
施しているので、止水壁設置井戸を透水地山の清浄面に
接触させた状態で、止水壁内に止水壁設置井戸を迅速的
確に配置できる効果を奏している。
【0042】さらに、本発明による止水壁の地下水処理
機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側
に設置される止水壁と、止水壁の地山側透水部位に配備
される上記止水壁設置井戸及び止水壁設置井戸に接続す
る集水管もしくは止水壁設置井戸間を連通する導通管で
構成されており、掘削部内の揚水井戸を廃止して止水壁
内の掘削を支障なく施工できると共に、止水壁の上流側
と下流側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保
できる効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による止水壁設置井戸の正面図、側断
面図及び平面図
【 図2】本発明による止水壁設置井戸における設置作
業パイプの作業図
【 図3】本発明による止水壁設置井戸の施工図
【 図4】本発明による地下水処理(導通)機構図
【 図5】本発明による地下水処理(集水)機構図
【 図6】本発明による地下水処理(集水・導通)機構
【 図7】止水壁による地下水流の遮断状態図
【図8】従来の止水壁における地下水導通図
【 図9】従来の止水壁における他の地下水導通図
【符号の説明】
1 止水壁設置井戸、 2 集水管、 3 容器、 4
設置作業パイプ、5 ばね付スペーサー、 6 集水
パイプ、 7 スクリーン、8 揚水管、 9 ポン
プ、 10 容器の前面、 11 フィルター材、12
閉鎖板、 13 開口、 14 パッカー、 15
押出装置、16 心棒、 17 透水地山、 18 ジ
ェット水流、19 フィルター材、 21 止水壁、
22 櫓、 23 ワイヤー、24 ジェット水流発生
装置、 25 タンク、30 帯水層、 31 構造
物、 32、32’ 止水壁、 33 集水部、34
注水部、 35 導通管、 36 地下水流、41、4
1’ 止水壁、 42 帯水層、 43 地下水流、4
4 帯水層、 45 集水部、 46 集水管、51、
51’ 止水壁、 52 帯水層、 53 地下水流、
54 集水部、 55 集水管、 56 注水部、 5
7 導通管、60 地下構造物、 61、61’ 止水
壁、 62 帯水層、63、65 井戸、 64 躯体
部導通管、 66 導水管、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 明 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 浅田 素之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2D049 EA01 EA15 GB05 GC11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集水管を配備し前面開口をスクリーンで
    構成した容器、該容器の前面に配備され上記スクリーン
    の前面に開口を備えている設置作業パイプ及び容器後面
    に装備された伸縮可能なばね付スペーサーから構成され
    る止水壁設置井戸。
  2. 【請求項2】 設置作業パイプがパッカーを収納してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の止水壁設置井戸。
  3. 【請求項3】 パッカーが前面開口のスクリーンを閉塞
    していることを特徴とする請求項1に記載の止水壁設置
    井戸。
  4. 【請求項4】 設置作業パイプが洗浄水を噴出させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の止水壁設置井戸。
  5. 【請求項5】 設置作業パイプがフィルター材をスクリ
    ーンの前面に充填することを特徴とする請求項1に記載
    の止水壁設置井戸。
  6. 【請求項6】 集水管にポンプを装備したことを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の止水壁設置井
    戸。
  7. 【請求項7】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に止水壁を構築し、該止水壁の固化以前に請求項
    1〜6に記載の止水壁設置井戸を吊り下げて該止水壁の
    地山側の透水部位に配備し、次いで該止水壁設置井戸に
    装備されたばね付スペーサーを伸長して止水壁設置井戸
    の前面を掘削地山に圧着させながら、前面開口のスクリ
    ーンを閉塞しているパッカーで透水部位を被覆し、設置
    作業パイプによる洗浄とフィルター材の充填によって地
    山を露出させる設置作業を実施する止水壁設置井戸の施
    工法。
  8. 【請求項8】 前面開口のスクリーンを閉塞しているパ
    ッカーを地山側の透水部位に膨張させ、所定時間後に該
    パッカーを収縮撤去させることを特徴とする請求項7に
    記載の止水壁設置井戸の施工法。
  9. 【請求項9】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁、該止水壁の地山側透水部位
    に配備される請求項1乃至6のいずれかに記載の止水壁
    設置井戸及び該止水壁設置井戸間を連通する導通管で構
    成する止水壁の地下水処理機構。
  10. 【請求項10】 地中透水部に建設する構造物の上流側
    と下流側に設置される止水壁、該止水壁内側の掘削され
    る地山側透水部位に配備される請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の止水壁設置井戸及び該止水壁設置井戸に接続
    する集水管で構成する止水壁の地下水処理機構。
  11. 【請求項11】 地中透水部に建設する構造物の上流側
    と下流側に設置される止水壁、該止水壁内外側の地山側
    透水部位にそれぞれ配置される請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の各止水壁設置井戸及び該止水壁内の止水壁設
    置井戸に接続する集水管と該止水壁外側の止水壁設置井
    戸間に接続する導通管で構成する止水壁の地下水処理機
    構。
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