JP2000087383A - 止水壁及びその施工法 - Google Patents

止水壁及びその施工法

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JP2000087383A
JP2000087383A JP10254282A JP25428298A JP2000087383A JP 2000087383 A JP2000087383 A JP 2000087383A JP 10254282 A JP10254282 A JP 10254282A JP 25428298 A JP25428298 A JP 25428298A JP 2000087383 A JP2000087383 A JP 2000087383A
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partition plate
wall
opening
valve
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Noriji Miyake
紀治 三宅
Nobuaki Kosaka
信章 高坂
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 止水壁の透水部位に開閉バルブ付仕切板を配
備し、壁内の掘削工事中には、揚水井戸を形成して掘削
地盤の地下水処理を行い、工事管完了後は止水壁の上流
側と下流側の水位を同等に保つのに充分な人工導水や機
能維持のための洗浄を確立する止水壁及びその施工法を
提供する。 【解決手段】 本発明による止水壁は、地中透水部に構
築する構造物の上流側と下流側に設置される止水壁の透
水部位にフィルターを配置し水用開閉バルブを設けた開
閉バルブ付仕切板を備えることを特徴としている。又、
本発明による止水壁の施工法は、地中透水部に構築した
止水壁の固化以前に、凍結して断熱材で閉塞した水用開
閉バルブを設けた開閉バルブ付仕切板を止水壁の透水部
位に配備して、止水壁の固化後に開閉バルブ付仕切板の
開閉バルブと水用開閉バルブとを施工状態に対応させて
適宜操作することを基本的特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水壁及びその施
工法に関し、特に、壁内の掘削時には揚水井戸を形成
し、工事完工後は所望の地下水流動量を確保できるよう
に構成した止水壁及びその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物を構築するための地盤構造は、地
下水が浸透し易い洪積層や沖積層等の透水層と低透水性
土層から構成されている。そして、透水層に多量の地下
水を含んでいる帯水層2の地下水は、図13に示すよう
に、一定の勾配を持った水流3として流動している。図
14のように、鉄道、道路など施工区間の長い構造物が
建設され、その構築が地下に及んで地下構造物50を建
設する際には、止水性が高い、工期が短い、廉価で壁深
を深くできる等の理由から、止水壁51を適用すること
が多い。止水壁は遮水壁であるために、地下構造物50
に適用すると、図14のように、地盤中の帯水層2を遮
断して地下水流3を阻害することから、止水壁51の上
流側では、地下水の水位が上昇して、漏水、既設構造物
の浮き上がり等の問題が発生し、下流側では逆に地下水
位の低下が発生して、周辺の井戸等に井戸枯れ、地盤沈
下等の障害を発生させていた。又、工事終了後に止水壁
を撤去するのには、撤去に必要な作業スペース並びに多
くの費用を要し、しかも完全に撤去するのは不可能であ
り、部分的に壊すことで対処してきた。しかし、除去が
不完全の場合にはさらなる環境問題に発展しかねない状
況があった。
【0003】このような事態を避けるために、透水層部
位の止水壁を工事完了後に積極的に破壊したり、図15
に示すように、遮水壁を開口して地下水を導水する施工
法が提案されている。しかし、この施工法では、上流側
に設置される壁面52からの導水パイプ53は横方向に
限られた範囲にしか開口できないために、躯体部導水管
54と下流側導水パイプ55を通じて流れる人工的な導
水は、必要としている全ての地下水流動量を確保するこ
とが困難であり、結果的に下流側の水位は図示のように
若干の回復はあっても、従来の水位から低下したままの
状態になっていることが多かった。
【0004】そこで、図16に示すような止水壁の一部
を全長にわたって砂利等と置換してから、その管をバイ
パス管で接続する方法が提案されている。その方法の概
要は、1例としては、特に図示していないが、止水壁6
0のセメントミルクが硬化する以前に、止水壁の全長に
わたってチューブが装着された鋼管をその地山側に沈
め、このチューブに水等を送って膨らませセメントミル
クを押しのけて止水壁60と同型の空間を確保するもの
であり(特願平6−17585号)、あるいは図16
(a)に見られるように、応力材としてのH型鋼61に
取付口62を取り付けておいて、セメントミルクが硬化
する以前に、止水壁60の全長にわたってこれを配置
し、次いでH型鋼61の地山側に、特製したスラリー押
退装置を用いてH型鋼61の全長にわたってチューブを
建て込み、これを膨らませてH型鋼の地山側に空間63
を形成している(特願平7−86607号)。
【0005】次いで、H型鋼61の地山側には、図16
(b)に見られるように、形成された空間63に砂利6
4等を充填して透水状態を形成している。一方で、H型
鋼61の取付口62に貫通孔形成装置65を装備して掘
削側と地山側とを連通させる貫通孔を設け、これに図示
していないバイパス管を取り付けて、止水壁60の上流
側と下流側とを連通している。
【0006】しかし、この方法はバイパス管を接続する
ためのソイルセメント柱列壁にチューブを沈めた最深部
から地表に至る全長にわたって空間を形成し、この空間
全体に砂利を充填させているために、集水部材として無
用になることや、不必要な深さの地盤の地下水に影響を
与える恐れがあった。又、ソイルセメント柱列壁を止水
壁として用い、掘削側に揚水井戸を設けて地下水位を制
御しながら掘削を行うことが多かったが、井戸を設置す
る場所の確保や設置費用が必要になり、特に掘削部内に
井戸を設置する場合は底盤部分で井戸の処置をする必要
があった。このため、掘削側への井戸の設置は、掘削底
盤への処置や揚水ポンプの設置等に多くの問題点を抱え
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、止水壁の地
山の帯水層に位置する部分に開閉バルブ付仕切板を配備
し、壁内の掘削工事中には、揚水井戸を形成して掘削地
盤の地下水処理を行い、工事管完了後は止水壁の上流側
と下流側の水位を同等に保つのに充分な人工導水や機能
維持のための洗浄を確立する止水壁及びその施工法の提
供を目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による止水壁は、
地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設置さ
れる止水壁の透水部位に開閉バルブ付仕切板を備えるこ
とを基本的特徴としており、具体的には、開閉バルブ付
仕切板の両側にフィルターを配置したり、開閉バルブ付
仕切板の少なくとも一側に水用開口部を設けて、揚水も
しくは洗浄に用いることを特徴としている。
【0009】又、本発明による止水壁の施工法は、地中
透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設置される
止水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記の各特徴を備
えた開閉バルブ付仕切板を止水壁の透水部位に配備し
て、止水壁の固化後に開閉バルブ付仕切板の開閉バルブ
と水用開口部とを施工状態に対応させて適宜操作するこ
とを基本的特徴としており、具体的には、開閉バルブ付
仕切板を凍結して断熱材で閉塞しておいたり、開閉バル
ブ付仕切板に吊り棒を設けておくことを特徴としてい
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による止水壁を施
工した地下構造物の断面図である。止水壁1、1’は、
帯水層2の地下水流3を遮断した状態で地下構造物4の
上流側と下流側に設置されている。開閉バルブ付仕切板
5は、止水壁1、1’の帯水層2に対応する部位のみに
配備されており、上流側の集水用開閉バルブ付仕切板5
と下流側の注水用開閉バルブ付仕切板5との間には、帯
水層6を残存している。
【0011】図2は、図1に示した両止水壁の平面図で
ある。開閉バルブ付仕切板5は、止水壁の上下左右に所
定の間隔で配置されており、図示のように周辺部の水流
と広角的な広い範囲で接触している。上流側の集水用開
閉バルブ付仕切板5には、多量の地下水流3が集められ
て開閉バルブの開放で壁内の帯水層6に送り込まれ、下
流側の注水用開閉バルブ付仕切板5からは、同様の開閉
バルブの開放で送り込まれた多量の地下水流を連続的に
下流側に放出している。
【0012】上記のように、本発明による止水壁を採用
すると、構造的には、地下水流を導通させるために一部
の止水壁を全長にわたって砂利等と置換してバイパス管
と接続する必要がなく、帯水層に対応する部位だけに配
備する簡潔な施工と廉価な工事費で完成させることがで
きる。又、作用効果の面でも、集水、注水される水量が
工事施工前に地下水流3として流れていた流量を維持で
きる充分な値を確保しているので、帯水層2に止水壁
1、1’を施工する以前と同様の地下水流3を継続させ
ることができる。
【0013】図3〜7において、開閉バルブ付仕切板5
の各種形態を斜視図で示すと共に、その配置と作動状況
を例示する。図3では、開閉バルブ付仕切板5の基本形
を表示している。仕切板10には開閉バルブ11を装備
しており、地上からの操作でその開閉が任意に実施でき
るように構成している。仕切板10の両側には、フィル
ター12を設けており、これに囲まれている開閉バルブ
11が目詰まりを生じないように保護している。
【0014】支持盤13を有する開閉バルブ付仕切板5
の高さは、止水壁の全長にわたるものでなく、集水、注
水効率の最も高い帯水層の位置に相当させており、廉価
な工事費で多くの地下水流に対応できるようにしてい
る。開閉バルブ付仕切板5の下部先端にある円錐状の突
起14は、開閉バルブ付仕切板5を止水壁に設定する際
に沈下し易いように、縁切り的機能を付加するためのも
のである。
【0015】支持盤13の両側には図示の如く鍔15を
設けており、開閉バルブ付仕切板5と止水壁1、1’と
の結合状態を堅固にし、両側のフイルター間の止水壁を
完全にするようにしてある。従って、鍔を構成するため
の部材の形状は任意であり、この形状に特に限定される
ものでない。又、支持盤13の上面に取り付けられてい
る吊り棒16は、後述するように、開閉バルブ付仕切板
5を止水壁の所定位置に正確に配備するために使用する
ものである。
【0016】図4に示す開閉バルブ付仕切板20は、仕
切板の片側に水用開口部を配置する形態である。開閉バ
ルブ付仕切板20は、基本的構造は図3で説明したもの
と同様であるが、仕切板10の片側に水用開口部21を
配備する点が異なっている。水用開口部21は、開閉バ
ルブ11とフイルター12との間に仕切板10と並行に
配置され、支持盤13においてパイプ22と接続されて
おり、開閉バルブ付仕切板20から地上まで伸張してい
る。パイプ22の先端には図示していないポンプが接続
されていて、止水壁への設置状態に対応して揚水もしく
は開閉バルブ11とフィルター12の洗浄用として注水
することができる。
【0017】図5は、上記開閉バルブ付仕切板20の設
置例を示す実施の形態である。開閉バルブ付仕切板20
は、止水壁1、1’の透水部位にそれぞれ配置されてい
るが、水用開口部21は止水壁の掘削側に位置するよう
に方向付けられている。壁内を掘削施工する時には、水
用開口部21に接続したパイプ22の先端に図示してい
ない揚水ポンプを接続して開閉バルブ11を閉めた状態
で揚水し、地下水位を下げることで工事の遂行に合わせ
た地下水処理を可能にしている。建築工事が完了した時
には、それまで閉じていた両止水壁の開閉バルブ11を
開くことで、帯水層6を通じて地下水流3の流通が再開
され地下水の遮断による環境問題の発生を防いでいる。
【0018】従来から、掘削側への井戸の設置は、掘削
底盤への処置や揚水ポンプの設置等に多くの設置コスト
を要していたために、問題視されながらも適切な解決策
がなかったが、上記のように開閉バルブ付仕切板20を
止水壁に用いると掘削井戸を省略することができるの
で、大幅なコストダウンを図ることができる。さらに、
工事完成後の経年時においては、各開閉バルブを一時的
に閉じて一方のパイプ22から注水するようにすると、
止水壁内に循環水流を形成して各開閉バルブ付仕切板2
0の壁内側にあるフイルター12と帯水層6の洗浄をす
ることができる。従って、部分的ではあるが開閉バルブ
付仕切板20のメンテナンスも可能になり、地下水の流
通効率を維持できる作用効果も発揮できる。
【0019】図6に示す開閉バルブ付仕切板30は、仕
切板の両側に2本の水用開口部を設ける形態である。開
閉バルブ付仕切板30は、基本的構造は図3で説明した
ものと同様であるが、仕切板10の両側に水用開口部3
1を配備する点が異なっている。水用開口部31は、仕
切板10の両側において開閉バルブ11とフイルター1
2と並行状に配置されており支持盤13を貫通してパイ
プ32と接続しているもので、図4、5で説明した壁内
の掘削時における揚水井戸の代行は当然に遂行しなが
ら、工事完成後における止水壁の維持管理を重点的に考
慮している形態例である。即ち、止水壁に設けた各開閉
バルブ付仕切板30の両側に備えているフィルター12
が、設置時のソイルセメントや設置後の流水中に混ざっ
ている塵埃によって目詰まりを起こした際には、パイプ
32に接続したポンプを積極的に稼動させて、目詰まり
させている塵埃をフィルター12から除去して集水や注
水効率を低下させないための働きをする。
【0020】図7は、その稼働時の事例を示している。
上流側の開閉バルブ付仕切板30においては、開閉バル
ブ11を締めて壁内に配置したパイプ32に揚水ポンプ
を接続しておき、下流側の開閉バルブ付仕切板30にお
いては、開閉バルブ11を締めて壁外に配置したパイプ
32に注水ポンプを接続しておいて、上流側のフイルタ
ーには水用開口部31を介して逆洗を行い、下流側のフ
イルターには水用開口部31から真水をジェット流33
にして噴出させてフイルターの洗浄を行っている。図の
反対側のフイルターを洗浄する場合は、上記と逆のパイ
プに各特性のポンプを接続して実施することになる。な
お、本実施の形態では、支持盤並びにフィルターの形状
を図3で基本形として示した円筒状でなく、一方の先端
を欠如した楕円形にしているが、開閉バルブ付仕切板の
形状については、流水に対して広角的に対応する機能が
満たされるものであれば、いかなる形状であっても何ら
限定されるものでない。
【0021】図8〜11は、本発明による止水壁の施工
法を説明するための工程図である。図8(a)には、止
水壁に配備するために図4で示した開閉バルブ付仕切板
20を予め凍結した凍結開閉バルブ付仕切板40を示し
ている。開閉バルブ付仕切板40の凍結は、水を満たし
た支持盤等の中に開閉バルブ付仕切板5を浸しながら水
温を下げることで、支持盤10、開閉バルブ11、フィ
ルター12等の開閉バルブ付仕切板5全体に満たした水
を凍らせて行う。凍結開閉バルブ付仕切板40の形成
は、開閉バルブ付仕切板5の開閉バルブ11、フィルタ
ー12が止水壁の地山側に正確に設定される前に、スラ
リー等で目詰まりを生じないように保護するためであ
る。
【0022】そのため、凍結開閉バルブ付仕切板40
が、止水壁の固化前に溶解しないようにすることが重要
であり、凍結開閉バルブ付仕切板40の周囲を各種断熱
材44で封鎖して置いている。断熱材の配置は、凍結開
閉バルブ付仕切板の封鎖を原則にしているが、止水壁の
所定位置に設定する直前に取り外すことができるような
容器で全体的に閉塞しておく断熱方法も採用可能であ
る。
【0023】図8(b)は、凍結開閉バルブ付仕切板4
0の設置前の状態を示している。凍結開閉バルブ付仕切
板40は、櫓42に設けたワイヤー43を吊り棒16に
掛けて吊り上げられている。凍結開閉バルブ付仕切板4
0の上端に備えている吊り棒16は、後述するように凍
結開閉バルブ付仕切板40を止水壁の透水部位に正確に
設定するために操作するためのものである。次いで、凍
結開閉バルブ付仕切板40は攪拌を終了しながら固化は
していない状態のソイルセメント部分41の中にを挿入
するために、暫時降下されて行く。
【0024】図9は、凍結開閉バルブ付仕切板40を止
水壁に設定する過程を示す断面と平面図である。図9
(a)では、凍結開閉バルブ付仕切板40を降下させて
透水部付近に吊り下げた状態である。この際のワイヤー
43で吊り下げられた凍結開閉バルブ付仕切板40は、
図9(b)に示すように、楕円形の長手方向が止水壁と
並行になるように吊り棒を操作して方向付けながら、ソ
イルセメント41の中に吊り降ろされて行き、深さ方向
の位置は図9(a)に見られるように、帯水層2に対峙
するように吊り下げ高さを調節して位置決めが行われ
る。この過程では、凍結開閉バルブ付仕切板40が地山
に接触して断熱材が剥離したり、フイルターが破損した
りしないように配慮した吊り下げが重要である。
【0025】図10は、吊り下げられた凍結開閉バルブ
付仕切板40の方向転換の過程を示す断面と平面図であ
る。凍結開閉バルブ付仕切板40は、図10(a)のよ
うに、吊り下げ位置を維持しながら、できるだけ地山に
接して上記の破損が生じないように、吊り棒16を回動
させて行く。以上の工程は、図10(b)の情景から明
らかなように、図3に示した地下水の流通のみを考慮し
た円形の開閉バルブ付仕切板5の場合には基本的に必要
のないものである。しかし、止水壁の断面強度を勘案し
て開閉バルブ付仕切板5の形状を円形から楕円形に移行
させる場合や、掘削井戸の代行、特に開閉バルブの稼働
時におけるメンテナンスのために水用開口部21,31
を設ける開閉バルブ付仕切板20、30の場合には必要
なものである。
【0026】図11は、凍結開閉バルブ付仕切板40が
最終的に設定された状態を示す断面と平面図である。ワ
イヤー43と吊り棒16で位置を定められた状態で止水
壁が固化し開閉バルブ付仕切板20は帯水層2の地山4
5に接した状態で固定される。そして、開閉バルブ付仕
切板20の凍結が溶解すると、止水壁の所定部分に仕切
板10を挟んで幅広いフィルターゾーンが形成される。
次いで、止水壁の内側の掘削が続けられ、地下水位の調
整を必要とする所定の深度に達すると、上流側と下流側
の開閉バルブ付仕切板20は、開閉バルブ11を閉じパ
イプ22に揚水ポンプを接続して掘削井戸としての作動
に対処する。さらに、所定の壁内掘削工事が完了して、
地下構造物の建築が完成した際には、開閉バルブ11を
開放して地下水の流動を開始させ、正常な地下水流への
復帰が達成される。
【0027】図12は、本発明による止水壁の他の実施
形態を示す断面図である。本実施形態の場合は、設置し
た開閉バルブ付仕切板5の位置が、帯水層2に対してか
なり浅い場合に適用している例である。この場合には、
帯水層6を経由してくる流動水の量が不足する状態にな
ってしまうから、壁内に存在する帯水層6の上端部分に
導水管46を図示のように配置して置き、上流側と下流
側に設けた開閉バルブ付仕切板5の間をこの導水管46
で直接接続して、流動水量の増加を図るようにする。
【0028】以上、実施の形態に基づいて詳細に説明し
たように、本発明による止水壁とその施工法は、止水壁
の全長にわたることなく、集水、注水効率の最も高い帯
水層の幅に対応させており、廉価な工事費で多くの地下
水流に対応できるようにすると共に、掘削井戸の代行を
務めたり、導水機構のメンテナンスも達成できるもので
あるが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるもの
でなく、例えば、開閉バルブに換えて同等の機能を有す
る仕切弁を採用するという具合に、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲において種々の変更が可能であることは当然
のことである。
【0029】
【発明の効果】本発明による止水壁は、地中透水部に建
設する構造物の上流側と下流側に設置される止水壁の透
水部位に開閉バルブ付仕切板を備えることを基本的特徴
とし、具体的には、開閉バルブ付仕切板の両側にフィル
ターを配置したり、開閉バルブ付仕切板の少なくとも一
側に水用開口部を設けて、揚水もしくは洗浄に用いるこ
とを特徴としているので、安価な工事費で施工すること
が可能であり、加えて壁内の掘削工事中には、揚水井戸
を形成して掘削地盤の地下水処理を行って掘削井戸の新
設を不要にし、工事管完了後は止水壁の上流側と下流側
の水位を同等に保つのに充分な人工導水や機能維持のた
めの洗浄を確立する効果を発揮している。
【0030】又、本発明による止水壁の施工法は、地中
透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設置される
止水壁を構築し、止水壁の固化以前に上記の各特徴を備
えた開閉バルブ付仕切板を止水壁の透水部位に配備し
て、止水壁の固化後に開閉バルブ付仕切板の開閉バルブ
と水用開口部とを施工状態に対応させて適宜操作するこ
とを基本的特徴とし、具体的には、開閉バルブ付仕切板
を凍結して断熱材で閉塞しておいたり、開閉バルブ付仕
切板に吊り棒を設けておくことを特徴としているので、
簡潔な工事と迅速な工期で工事を完了させることができ
ることになり、コストダウンを図れる効果を奏してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による止水壁の断面図
【図2】本発明による止水壁の平面図
【図3】本発明による開閉バルブ付仕切板の斜視図
【図4】本発明による他の開閉バルブ付仕切板の斜視図
【図5】図4の開閉バルブ付仕切板を止水壁へ適用した
断面図
【図6】本発明による他の開閉バルブ付仕切板の斜視図
【図7】図6の開閉バルブ付仕切板を止水壁へ適用した
断面図
【図8】本発明による止水壁の施工法における前処理工
程図
【図9】止水壁の施工法における凍結開閉バルブ付仕切
板の吊り下げ段階図
【図10】止水壁の施工法における凍結開閉バルブ付仕
切板の位置設定図
【図11】開閉バルブ付仕切板の止水壁への配置図
【図12】本発明による止水壁における他の実施の形態
断面図
【図13】地盤地下水の水流状態図
【図14】ソイルセメント柱列壁による地下水流の遮断
状態図
【図15】従来の止水壁における地下水導通図
【図16】従来の止水壁における他の地下水導通図
【符号の説明】
1、1’ 止水壁 2 帯水層 3 地下水流 4 地下構造物 5 開閉バルブ付仕切板 6 壁内帯水層 10 仕切板 11 開閉バルブ 12 フイルター 13 支持盤 14 突起 15 鍔 16 吊り棒 20 開閉バルブ付仕切板 21 水用開口部 22 パイプ 30 開閉バルブ付仕切板 31 水用開口部 32 パイプ 33 ジェット水流 40 凍結開閉バルブ付仕切板 41 ソイルセメント部分 42 櫓 43 ワイヤー 44 断熱材 45 透水部の地山 46 導水管 50 地下構造物 51 止水壁 52 壁面 53、55 導水パイプ 54 躯体導水管 60 止水壁 61 H型鋼 62 取付口 63 止水壁の空間 64 砂利等 65 貫通孔形成装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁であって、該止水壁の透水部
    位に開閉バルブ付仕切板を備えることを特徴とする止水
    壁。
  2. 【請求項2】 開閉バルブ付仕切板の両側にフィルター
    を配置することを特徴とする請求項1に記載の止水壁。
  3. 【請求項3】 開閉バルブ付仕切板の少なくとも一側
    に、水用開口部を設けることを特徴とする請求項1、2
    に記載の止水壁。
  4. 【請求項4】 水用開口部が揚水に用いられることを特
    徴とする請求項3に記載の止水壁。
  5. 【請求項5】 水用開口部が洗浄に用いられることを特
    徴とする請求項3に記載の止水壁。
  6. 【請求項6】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁を構築し、該止水壁の固化以
    前に開閉バルブ付仕切板を該止水壁の透水部位に配備
    し、該止水壁の固化後に該開閉バルブ付仕切板の開閉バ
    ルブと水用開口部とを施工状態に対応させて適宜操作す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載する
    止水壁の施工法。
  7. 【請求項7】 開閉バルブ付仕切板を凍結しておくこと
    を特徴とする請求項6に記載する止水壁の施工法。
  8. 【請求項8】 凍結した開閉バルブ付仕切板を断熱材で
    閉塞しておくことを特徴とする請求項7に記載する止水
    壁の施工法。
  9. 【請求項9】 開閉バルブ付仕切板に吊り棒を設けてお
    くことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載する
    止水壁の施工法。
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