JP2002227229A - 止水壁通水井戸と地下水処理機構 - Google Patents

止水壁通水井戸と地下水処理機構

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JP2002227229A
JP2002227229A JP2001024736A JP2001024736A JP2002227229A JP 2002227229 A JP2002227229 A JP 2002227229A JP 2001024736 A JP2001024736 A JP 2001024736A JP 2001024736 A JP2001024736 A JP 2001024736A JP 2002227229 A JP2002227229 A JP 2002227229A
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wall
well
groundwater
water blocking
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Nobuaki Kosaka
信章 高坂
Noriji Miyake
紀治 三宅
Akira Ishikawa
明 石川
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対称的に構成する分割容器をバルブ付通水管
で結合して一体に構成して成る止水壁通水井戸とこれを
構造物の上下流側に設置した止水壁に配備し、地下水の
集水、注水用として有効に活用する地下水処理機構を提
供する。 【解決手段】 本発明による止水壁通水井戸1は、前面
6の開口をフイルター13で構成し、フイルター13に
臨んで開口する洗浄管8とフイルターの後方空間9に臨
んで開口する集水管2を上面に配備した一方の分割容器
3と、一方の分割容器3と同構造で対称的に配置され、
後方空間の間をバルブ付通水管7で相互に結合して一体
に構成される他方の分割容器3’と、各分割容器の前面
を閉塞する着脱自在の前面カバー4及び分割容器間に装
備された伸縮可能なジャッキ5から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水壁通水井戸と
止水壁の地下水処理機構に関し、特に、対称的に構成す
る分割容器をバルブ付通水管で結合して一体に構成して
成る止水壁通水井戸と、この止水壁通水井戸を状況に対
応させて各種に活用することで掘削部内の揚水井戸を廃
止し、地下水流を確保できる止水壁の地下水処理機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】構造物を構築するための地盤構造は、洪
積層や沖積層等で地下水が浸透し易い透水層と低透水性
層から構成されている。そして、透水層に多量の地下水
を含んでいる帯水層の地下水は、一定の勾配を持った水
流として流動している。
【0003】このような地盤に、図10のように、鉄
道、道路など施工区間の長い構造物が建設され、その構
築が地下に及んで地下構造物40を建設する際には、止
水性が高い、工期が短い、廉価で壁深を深くできる等の
理由から、セメントモルタル柱列で構成する止水壁4
1、41’を適用することが多く、地盤中の帯水層42
を遮断して地下水流43を阻害するために、止水壁41
の上流側では地下水の水位が上昇して、既設構造物への
漏水や既設構造物の浮き上がり等の問題が発生し、止水
壁41’の下流側では逆に地下水位の低下が発生して、
周辺の井戸等に井戸枯れ、地盤沈下等の障害を発生させ
る原因の一つになっていた。
【0004】又、工事終了後に止水壁を撤去するのに
は、撤去に必要な作業スペース並びに多くの費用を要
し、しかも完全に撤去するのは不可能な場合もあり、部
分的に壊すことで対処することもあるが、除去が不完全
の場合にはさらなる環境問題に発展しかねない状況があ
った。
【0005】このような事態を避けるために、図11に
示すように、止水壁の背面側に井戸48を設けて地下水
を導水する施工法が提案されたが、都市部のように敷地
に余裕のない場合には上流側に設置される井戸48は横
方向に限られた範囲にしか設置できなく、止水壁の背面
側にある地山には、止水壁を施工する際に堆積されたベ
ントナイトやセメントが浸透、付着しているために、透
水層の地山と井戸との透水状況は掘削面を洗浄した流通
状況になかった。
【0006】このために、施工全体の透水係数は低位の
値になっており、躯体部導通管49と下流側の井戸50
を通じて流れる人工的な導水は、必要としている全ての
地下水流動量を確保することが困難であった。
【0007】又、図12に示すように、止水壁41、4
1’に水平ボーリングを行って導水管51を貫通させる
ことで止水壁に透水機能を持たせる案もあるが、水平ボ
ーリングは、地盤を掘削している途中での工事になるた
めに、その施工が困難になる問題点を抱えていた。
【0008】さらに、上記の地下工事に際しても、掘削
側の地下水52をディープウェル53で揚水して排水し
ているが、排水コストと周辺環境への影響低減の観点か
ら、リチャージ工法の採用が増加している。
【0009】このようなリチャージ工法の場合には、図
13に示すように、一般的に帯水層42側にリチャージ
ウェル54を設置することになるが、掘削側に設置した
ディープウェル53が工事の邪魔になること、リチャー
ジウェル54を設置するための用地が無いこと、リチャ
ージウェル54に目詰まりが進行した場合のために逆洗
用のポンプをリチャージウェル内に設置する必要がある
こと等の問題があり、施工の効率やコスト、さらには工
期の点において大きな問題になっている。
【0010】以上のように、従来の施工法では、結果的
に下流側の水位は図示のように若干の回復はあっても、
従来の水位から低下したままの状態になっていることが
多く、施工時においても、リチャージ工法を採用する場
合には、用地の確保やリチャージウェルを特別に設置す
るための費用を要することから、容易に施工できる状況
になかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みて改善を図ったものであり、対称的に構成する分
割容器をバルブ付通水管で結合して一体に構成して成る
止水壁通水井戸を提供し、加えて、この止水壁通水井戸
を構造物の上下流側に設置した止水壁に配備し、地下水
の集水、注水用として有効に活用することで掘削部内の
揚水井戸を廃止し、併せて止水壁の上流側と下流側の水
位を同等に保つのに充分な人工導水を確保する地下水処
理機構を提供している。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
ある止水壁通水井戸は、前面開口をフイルターで構成
し、フイルターに臨んで開口する洗浄管とフイルターの
後方空間に臨んで開口する集水管を上面に配備した一方
の分割容器と、一方の分割容器と同構造で対称的に配置
され、後方空間の間をバルブ付通水管で相互に結合して
一体に構成される他方の分割容器と、各分割容器の前面
を閉塞する着脱自在の前面カバー及び分割容器間に装備
された伸縮可能なジャッキから構成されており、透水地
山の正常面を露出させ、分割容器の前面開口を透水層の
地山に接着させるようにしながら、集水管にポンプを挿
入することで集水・注水状態を事前に把握して所望の地
下水処理を確保している。
【0013】請求項2に記載の発明である止水壁通水井
戸は、請求項1に記載の止水壁通水井戸において、前面
カバーを地表面から引き上げ可能に構成することを特徴
としており、上記機能に加えて、前面カバーを取り除く
ことでセメント分が侵入していない地山を露出させて前
面開口を透水地山に適切に接着させている。
【0014】請求項3に記載の発明である止水壁通水井
戸は、請求項1又は2に記載の止水壁通水井戸におい
て、前面開口を構成するフィルターを交換自在にするこ
とを特徴としており、上記機能に加えて、透水地山の洗
浄とフィルター性能の向上を図って上記機能の強化を図
っている。
【0015】請求項4に記載の発明である止水壁通水井
戸は、請求項1乃至3のいずれかに記載の止水壁通水井
戸において、洗浄管にノズル付高圧ジェットホースを装
備することを特徴としており、上記機能に加えて、透水
地山を洗浄して清浄な掘削壁を露出させて上記機能の強
化を図っている。
【0016】請求項5に記載の発明である止水壁通水井
戸は、請求項1乃至4のいずれかに記載の止水壁通水井
戸において、集水管にポンプを装備することを特徴とし
ており、上記機能に加えて、集水・注水状態を事前に把
握して所望の地下水処理を確保している。
【0017】請求項6に記載の発明である止水壁通水井
戸の施工法は、地中透水部に建設する構造物の上流側と
下流側に止水壁を構築し、止水壁の固化以前に請求項1
乃至5のいずれかに記載の止水壁通水井戸を吊り下げて
分割容器内に水を満たしつつ止水壁の地山側の透水部位
に配備し、次いで止水壁通水井戸に装備されたジャッキ
を伸長して止水壁通水井戸の前面を掘削地山に圧着させ
ながら、分割容器の前面を閉塞する前面カバーを撤去す
ることで構成しており、セメント分が侵入していない地
山を露出させて表面が正常状態にある透水層の地山に分
割容器の前面開口を適切に接着させることを確立してい
る。
【0018】請求項7に記載の発明である止水壁通水井
戸の施工法は、請求項6に記載の止水壁通水井戸の施工
法において、前面カバーを掘削地山にスライドして地表
面に引き上げることを特徴としており、上記機能に加え
て、前面カバーを取り除くことでセメント分が侵入して
いない地山を露出させて前面開口を透水地山に適切に接
着させている。
【0019】請求項8に記載の発明である止水壁通水井
戸の施工法は、請求項6又は7に記載の止水壁通水井戸
の施工法において、前面開口を構成するフィルターを止
水壁の固化後に交換することを特徴としており、上記機
能に加えて、透水地山の洗浄とフィルター性能の向上を
図って上記機能の強化を図っている。
【0020】請求項9に記載の発明である止水壁の地下
水処理機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と
下流側に設置される止水壁と、止水壁に配備される請求
項1乃至5のいずれかに記載の止水壁通水井戸で構成し
ており、地下水の集水、注水用として有効に活用するこ
とで掘削部内の地下水を揚水し、止水壁の上流側と下流
側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保してい
る。
【0021】請求項10に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理
機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁通
水井戸を、バルブ付通水管を閉塞状態にしながら各掘削
側分割容器の集水管にポンプを接続して排水状態に構成
することを特徴としており、上記機能に加えて、掘削部
内の揚水井戸を廃止して施工効率の向上とコストダウン
及び工期の短縮を図っている。
【0022】請求項11に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項10に記載の止水壁の地下水処
理機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁
通水井戸を、各地中透水部側分割容器の集水管を通水可
能に接合して地下水を通水しながらの排水状態に構成す
ることを特徴としており、上記機能に加えて、掘削作業
の際にも地中透水部における地下水の導水を確保して環
境の保全を図っている。
【0023】請求項12に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理
機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁通
水井戸を、バルブ付通水管を閉塞状態にしながら掘削側
分割容器の集水管を地中透水部側分割容器の集水管に接
続して地下水の地中透水部への注水状態に構成すること
を特徴としており、上記機能に加えて、掘削側の地下水
を必要に応じて地中透水部に注水することによって周辺
水位の上昇を図っている。
【0024】請求項13に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理
機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁通
水井戸を、バルブ付通水管を開放状態にして地下水の元
復帰状態に構成することを特徴としており、上記機能に
加えて、止水壁の上流側と下流側の水位を同等に保つの
に充分な人工導水を確保している。
【0025】請求項14に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理
機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁通
水井戸を、バルブ付通水管を開放状態にしながら各掘削
側分割容器の集水管にポンプを接続して逆洗状態に構成
されることを特徴としており、上記機能に加えて、開口
のスクリーンやフィルターを洗浄することで通水効率の
回復と向上を図っている。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明による止水壁通水井戸は、
前面開口をフイルターで構成し、フイルターに臨んで開
口する洗浄管とフイルターの後方空間に臨んで開口する
集水管を上面に配備した一方の分割容器と、一方の分割
容器と同構造で対称的に配置され、後方空間の間をバル
ブ付通水管で相互に結合して一体に構成される他方の分
割容器と、各分割容器の前面を閉塞する着脱自在の前面
カバー及び分割容器間に装備された伸縮可能なジャッキ
から構成されており、構造物を地中透水部に建設する際
に、構造物の上流側と下流側に設置される止水壁の内部
に設置することで、地盤の掘削時における地下水の揚水
あるいは止水壁を通しての地下水の流通を円滑に行うこ
とを基本的な目的としている。
【0027】以下に、本発明による止水壁通水井戸とそ
の施工法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0028】図1は、本発明による止水壁通水井戸の斜
視図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図
である。
【0029】止水壁通水井戸1は、集水管2と洗浄管8
とを配備した一方の分割容器3と、これと対称的に配置
される同形状の他方の分割容器3’とをバルブ付通水管
7で相互に結合して一体に構成している。
【0030】集水管2と洗浄管8とを配備した分割容器
3、3’の前面6は前面カバー4で閉塞されており、分
割容器3、3’の間にはジャッキ5が配備されること
で、透水地山の掘削面に分割容器3、3’を押圧して固
定するように構成されている。
【0031】集水管2は、分割容器3の上部に配置さ
れ、フィルター13を支持しているスクリーン16の後
方に形成されている空間9に臨んで開口しており、地上
部に設置したポンプと接続することで分割容器内の地下
水を集水したり、注水できるようになっている。又、必
要に応じて集水管2からポンプ15を空間9に挿入して
稼働させることで、止水壁を施工する前に集水・注水の
能力状態を把握するために吸い上げることを可能にして
いる。
【0032】分割容器3、3’は、透水地山の掘削面に
幅広く接着できるように前面6を広くした扇形状に形成
されており、分割容器3の材質は、強度面からは鋼鉄製
が適当であるが、状況によってはステンレス製も考慮さ
れるところである。
【0033】分割容器の前面6はスクリーン等で開口面
を構成しており、フイルター13によって覆われること
で浄化された地下水が開口面から分割容器内に導入され
るように考慮されている。フイルター13は、フィルタ
ー材14を開口面に設けられたスクリーン16の前方に
充填するように構成されており、泥水等によってフィル
ター材14が汚染された場合に、上述した洗浄管8を利
用してフィルター材14の交換ができるようになってい
る。
【0034】洗浄管8は、分割容器3の上部に配置さ
れ、スクリーン16の前方に充填されているフィルター
13に臨んで開口しており、地上部からの操作でフィル
ター13に充填されているフィルター材14を抽出し浄
化した後に再充填することでフィルター材14の交換を
したり、ノズル付高圧ジェットホースを挿入して掘削壁
の透水部位を洗浄することを可能にしている。
【0035】止水壁通水井戸1は、各分割容器3、3’
の間をバルブ付通水管7で結合している。バルブ付通水
管7は、地上からの遠隔操作によってバルブの開閉を操
作しており、バルブの開放は、各分割容器3、3’に形
成されているスクリーン16の後方の空間9を相互に連
通状態にして、各分割容器3、3’の間を地下水流が自
在に通水できる状態を形成している。
【0036】従って、バルブ付通水管7の開閉は、各分
割容器3、3’を一体にして地下水に対応させるか、そ
れぞれに単独状態に作動させるかを選択可能にしている
ものであり、止水壁通水井戸1の活用状態を多様化して
いる。
【0037】分割容器3、3’の前面6は、止水壁内に
設置される前には前面カバー4で閉塞されており、分割
容器3内にソイルセメントが侵入してこないように保護
されている。
【0038】前面カバーは、一枚物として形成すること
もできるが、図示のように分割した複数のカバーを一体
に結合することでも可能であり、分割したカバーを順番
に引き上げることで前面カバーの引き上げ操作を容易に
している。
【0039】分割容器3、3’の間にはジャッキ5が装
備されている。ジャッキ5は、後述するようにシリンダ
ー17と伸縮脚18によるピストン機構によって伸縮可
能であり、分割容器3、3’が地山側の透水部位に配備
された段階で伸長し、分割容器前面6の開口面を透水地
山の掘削面に押圧して開口面と透水地山が密接に接着す
るように機能している。
【0040】又、前面カバー4は、開口面のフイルター
を全域で閉鎖し前面カバー側面に接着されたシール材に
よって普通には取り外せないように分割容器3に係止さ
れている。
【0041】但し、シール材は、前面カバー4を分割容
器3から上方に引き上げると上記係止状態から開放され
る機構を構成しているので、前面カバーを遠隔から取り
外すことが容易である。
【0042】図2は、攪拌を終了して固化はしていない
状態の止水壁に、本発明による止水壁通水井戸を配置し
た状態を説明する部分断面図である。
【0043】図において、10は、止水壁の掘削孔、1
1は、セメント等の浸透した掘削壁、12は、セメント
等が浸透していない透水地山を示している。
【0044】図示の状態は、止水壁用の掘削孔10の透
水部位に止水壁通水井戸1を吊り下げて配備する時点を
現しており、前面カバー4は、地上からの引き上げで上
方に移動している。
【0045】前面カバー4は、分割容器3の前面6に接
触している状態では、ジャッキ5の伸長によって分割容
器3、3’の前面6が地山から反力を取ってセメント等
の浸透した掘削壁11に互いに圧接されている。そし
て、前面カバー4を地上に引き上げた後に、フィルター
材14を一旦取り除いてから、高圧ジェット水で掘削壁
を洗浄しつつセメント等が浸透していない正常な透水地
山12を露出させて、図示のようにジャッキ5で押圧さ
れている止水壁通水井戸1の分割容器3、3’を透水地
山12に接着させることになる。
【0046】これによって、止水壁通水井戸1は、その
前面6をセメント等が浸透していない透水地山12に接
着しているから、地下水はフイルター13を通って分割
容器3、3’に導入されるが、集水管2には必要に応じ
てポンプ15を挿入することが可能になっている。
【0047】従って、分割容器内の地下水は、スクリー
ン13を通して集水されたり、逆に集水管2からの通水
で分割容器外に注水することが行われ、場合によって
は、挿入されたポンプ15の稼働で止水壁を施工する前
に集水・注水の能力状態を把握するために吸い上げるこ
ともできる。
【0048】止水壁通水井戸1の設置は、ジャッキ5の
伸縮によって安定した固定状態を確立させているが、設
置前のジャッキ5はシリンダー17によって分割容器
3、3’の間に収縮した状態で納められている。
【0049】止水壁通水井戸1を止水壁の透水部位に配
備してからは、シリンダー17のピストン機能によって
伸縮脚18を押出して、ジャッキ5を上述した設定状態
に形成しており、設定後は、止水壁通水井戸の固定を強
固にして止水壁のコンクリート固化にも移動が生じない
ようにして、分割容器の前面と透水地山との緊密な接着
状態が維持されるように押圧力を保持している。
【0050】図において、掘削孔10の透水部位からの
地下水はフィルター13で浄化されながら集水管から挿
入されたポンプ15で揚水されて孔壁の透水度を観測し
ているが、透水部位やフィルター材14がセメントや汚
泥等によって汚染されて目詰まりが生じるようになった
場合には、後述の逆洗をするかフィルター材14をバキ
ュームポンプ等で洗浄管8を経由させて除去する。
【0051】フィルター材14を除去した後は、洗浄管
8にノズル付高圧ジェットホースを挿入して高圧ジェッ
ト水で掘削孔壁やスクリーンを洗浄しながら集水管2の
ポンプ15で汚染水の廃棄を行い、汚染水が綺麗に浄化
された段階で、精錬されたフィルター材14を洗浄管8
から開口面のスクリーン16の前方に投下して再充填す
る。これによって、常に最適な地下水の流通を確保する
ことが可能になる。
【0052】次に、本発明による止水壁通水井戸の施工
法について説明する。図3は、施工の前半に相当する止
水壁通水井戸を山留め壁の掘削孔に設置するまでの工程
を示している。
【0053】山留め壁の施工が行われると、図3(a)
では、攪拌を終了して固化はしていない状態の止水壁3
1の中に止水壁通水井戸1を挿入するために、クレーン
に設けたワイヤー33で吊り下げて、止水壁通水井戸1
を止水壁内に挿入する状態を示している。又、図3
(b)は、止水壁通水井戸1を止水壁内に設置する状態
を示し、図3(c)は前面カバーを引き上げる状態を示
している。
【0054】ワイヤー33で吊り下げられた止水壁通水
井戸1は、止水壁内に挿入されて止水壁内の透水部位に
配備されると、図3(b)のように、ジャッキ5の伸長
によって分割容器3、3’の各前面6が地山から反力を
取ってセメント等の浸透した掘削壁に圧接されている。
【0055】分割容器3、3’の前面6は、止水壁内に
設置される前には脱却の容易な前面カバー4で閉塞され
ており、開口面のフイルターが外部の障害物によって破
損されないように保護され、前面カバー4によってソイ
ルセメントが分割容器内に浸入するのを防止している。
【0056】図3(c)の工程で示すように、前面カバ
ー4は、分割容器3、3’が掘削地山の透水部位に圧着
される直前に分割容器3、3’の各前面6から撤去され
て、開口面のフイルター13が水中に露出される。
【0057】前面カバー4は、基本的に鋼材で構成され
るが、貧配合モルタルのような切削撤去の容易な材料で
構成されることも可能である。
【0058】その場合には、分割容器3、3’に設けら
れた洗浄管8から挿入されるノズル付高圧ジェットホー
スからの水流によってモルタルの切削除去が行われるの
で、前面カバーの製作費は廉価で済み、同時に地表面へ
の吊り上げ作業も省略できるので、作業も簡単に行うこ
とができる。
【0059】次いで、前面カバー4が引き上げられ、フ
ィルター13が露出して掘削壁の透水部位に接触する。
前面カバー4の上方への引き上げ時には、集水管内に水
を地表面付近まで常に満たして掘削壁に水圧を加えるこ
とで、ソイルセメントの分割容器内への浸入を阻止する
ことができる。
【0060】図4は、施工の後半に相当するもので、止
水壁のソイルセメントが自立する強度を発揮する養生を
経てからの工程を示している。
【0061】所定の養生が行われると、図4(a)のよ
うにフィルター材の除去が行われ、図4(b)では、高
圧ジェット水による孔壁の洗浄が行われる。又、図4
(c)は、孔壁の洗浄後にフィルター材を再充填する状
態を示している。
【0062】ソイルセメントの養生期間中は、フィルタ
ー13によって分割容器3の内部にセメントが浸入して
くるのを阻止していることから、フィルター材14は目
詰まりに近い状態に到る。
【0063】そこで、フィルター材14の交換が必要に
なるが、フィルター材14の除去は、図4(a)に表示
するように、地上に設置されているバキュームポンプ3
5によって吸い出され、洗浄処置が施される。
【0064】この間に、洗浄管8からノズル付高圧ジェ
ットホース37を挿入して、地上に設置されている高圧
洗浄装置36によって高圧ジェット水38の供給が行わ
れ、孔壁の洗浄が行われる。この洗浄によって汚れた水
は、集水管2に挿入されたポンプ15によって地上に揚
水されて廃棄されるが、揚水量の変化を監視することで
孔壁の洗浄度を確認することができる。
【0065】フィルター材の洗浄処置と孔壁の洗浄が完
了すると、洗浄管を利用して分割容器3のスクリーン間
にフィルター材14の再充填が行われるが、フィルター
材の存在しない期間は短期間であり、その間にも分割容
器内には洗浄水が充満していることから、分割容器内が
ソイルセメント等で汚染される可能性は極めて低い。
【0066】以上のように、本発明による止水壁通水井
戸の施工法は、止水壁通水井戸を止水壁の透水部位に配
備してから、ジャッキを押し出して安定した設定状態を
形成しており、前面カバーの引き上げで分割容器の前面
と透水地山との接着状態を良好に維持し、止水壁通水井
戸の固定を強固にして止水壁のコンクリート固化にも移
動が生じないようにしている。
【0067】次いで、洗浄管を用いて孔壁の洗浄やフィ
ルター材の交換を必要に応じて適宜に実施したり、さら
に、集水管を通してポンプを分割容器内に挿入すること
で事前に透水地山との集水・注水状態を確認できるもの
であるから、透水部位の透水度を高いレベルに維持する
ことが可能であり、地下構造物の構築に採用されるソイ
ルセメント止水壁に適用しても、表面が正常状態にある
透水層の地山に適切に接着することで不純物を除去し
て、所望の地下水処理を確保できる。
【0068】本発明による止水壁の地下水処理機構は、
地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設置さ
れる止水壁と、止水壁に配備される上記止水壁通水井戸
とで構成しており、地下水の集水、注水用として有効に
活用することで掘削部内の地下水を揚水し、止水壁の上
流側と下流側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を
確保している。
【0069】以下に、本発明による止水壁の地下水処理
機構に関する実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明
するが、理解を容易にするために、従来例と同様の部位
については同様の符号によって表示している。
【0070】図5は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、揚水井戸に代わる地下水集水機構として実施し
た地山掘削時の断面図(a)と平面図(b)である。
【0071】本実施の形態では、図5(a)に示すよう
に、地下構造物40を建築するための止水壁41、4
1’は、帯水層42の地下水流43を遮断した状態で地
下構造物40を建築する地山の上流側と下流側に設置さ
れている。
【0072】止水壁41、41’には、止水壁通水井戸
1を配備しており、止水壁41、41’内の帯水層44
に対応する部分に各集水部45を形成している。
【0073】各止水壁通水井戸1は、分割容器間を結合
しているバルブ付通水管7を閉塞状態にして、掘削側に
配置されている分割容器3の集水管2を図示していない
揚水ポンプと接続しており、揚水ポンプを稼動すること
によって、掘削井戸を掘削地山に特別に設置しなくとも
壁内の掘削地山の水位を下げて、掘削井戸に邪魔される
ことなく、掘削作業を円滑に推進できるように効率化し
ている。
【0074】図5(b)は、止水壁の地下水集水機構の
平面図である。各止水壁通水井戸1は、図示のように止
水壁41、41’に所定の間隔で配置されており、掘削
側の帯水層44に残った地下水と広角的な広い範囲で接
触することで、帯水層44の地下水を集めて外部に連続
的に排水している。
【0075】図6は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、地山掘削時の揚水井戸に代わる地下水集水機構
として実施しながら、地下水流の導通も確保するように
配備した実施の形態における断面図(a)と平面図
(b)である。
【0076】本実施の形態では、図5に示した上記実施
の形態と同様に、止水壁41、41’が、帯水層42の
地下水流43を遮断した状態で地下構造物を建築する地
山の上流側と下流側に設置されており、止水壁41、4
1’には止水壁通水井戸1を配備して、止水壁41、4
1’内の帯水層44に対応する部分に各集水部45を形
成すると共に、止水壁41、41’外の帯水層42に対
応する部分に集水部46と注水部47を形成している。
【0077】各止水壁通水井戸1は、図6(a)の断面
図に示すように、分割容器間を結合しているバルブ付通
水管7を閉塞状態にして、掘削側の帯水層44に配置さ
れている分割容器3の集水管2を揚水ポンプと接続して
おり、揚水ポンプの稼働によって掘削地山の水位を下げ
ているが、同時に、帯水層42の透水部側に配置されて
いる分割容器3’の集水管2の間を相互に接続しながら
その間に揚水ポンプを介在させることによって、地山掘
削時においても上流側帯水層42の地下水流43を集水
部46で集水して下流側帯水層42の注水部47に注水
できるようにして、帯水層42に地下水流を継続させて
いる。
【0078】又、止水壁通水井戸1は、図6(b)の平
面図で示すように、止水壁に所定の間隔で配置されてお
り、周辺部の水流と広角的な広い範囲で接触して、上流
側の集水部46の分割容器3’には、多量の地下水流4
3が集められて集水管2に送り込まれており、下流側の
分割容器3’からは送り込まれた多量の地下水流を連続
的に下流側の注水部47に注水して帯水層42に導水し
ている。
【0079】従って、集水、注水される水量は地下水流
として流れていた流量を維持するのに充分な量を確保す
ることができるので、帯水層42に止水壁41、41’
を施工する以前と同様の地下水流を維持させながら、止
水壁41、41’内の掘削工事を施工できる。
【0080】図7は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、地山掘削時に止水壁内の地下水を揚水して止水
壁外の帯水層にリチャージする地下水処理機構にした実
施形態の断面図(a)と平面図(b)である。
【0081】本実施の形態では、図5に示した上記実施
の形態と同様に、止水壁41、41’が、帯水層42の
地下水流43を遮断した状態で地下構造物を建築する地
山の上流側と下流側に設置されており、止水壁41、4
1’には止水壁通水井戸1を配備して、止水壁41、4
1’内の帯水層44に対応する部分に各集水部45を形
成すると共に、止水壁41、41’外の帯水層42に対
応する部分に注水部47を形成している。
【0082】各止水壁通水井戸1は、図7(a)の断面
図に示すように、分割容器間を結合しているバルブ付通
水管7を閉塞状態にして、各集水部45に配置されてい
る分割容器3の集水管2を図示していない揚水ポンプを
経由させて、各注水部47に配置されている分割容器
3’の集水管2と接続しており、揚水ポンプを稼動する
ことによって、壁内の掘削地山の水位を下げると同時
に、帯水層42の透水部側に分割容器3’から注水して
いる。
【0083】又、各止水壁通水井戸1は、図7(b)の
平面図で示すように、止水壁41、41’に所定の間隔
で配置されることで、掘削側の帯水層44に残った地下
水を広角的な広い範囲で集めながら止水壁外の帯水層4
2に注水しており、掘削地山の地下水を帯水層42にリ
チャージして、排水コストの削減を図ると共に周辺環境
への影響を低減している。
【0084】図8は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、地下構造物の完成後に地下水の導通機構として
構成する実施形態の断面図(a)と平面図(b)であ
る。
【0085】図8(a)に示す止水壁の地下水導通機構
は、帯水層42に建設する構造物40の上流側と下流側
に止水壁41、41’を設置しており、各止水壁41、
41’の地山側透水部位には、上記した止水壁通水井戸
1が配備されている。止水壁41、41’の帯水層42
に対応する部分と帯水層44に対応する部分には、集水
部46と注水部47が図示のように交互に形成されてい
る。
【0086】各止水壁通水井戸1は、図8(a)の断面
図に示すように、分割容器間を結合しているバルブ付通
水管7を開放状態にして、上流側帯水層42の透水部側
に配置されている分割容器3’と掘削側の帯水層44の
透水部側に配置されている分割容器3とを通水状態にす
ると共に、掘削側の帯水層44の透水部側に配置されて
いる分割容器3と下流側帯水層42の透水部側に配置さ
れている分割容器3’とを通水状態にすることによっ
て、上流側帯水層42の地下水流43を集水部46で集
水して掘削側の帯水層44を経由させながら注水部47
から下流側帯水層42に注水できるようにして、帯水層
42に地下水流43を継続させている。
【0087】止水壁通水井戸1は、図8(b)に示すよ
うに、止水壁に所定の間隔で配置されており、上流側の
周辺水流と広角的な広い範囲で接触することで多量の地
下水流43を集め、バルブ付通水管7を通して順次下流
側に注水している。
【0088】これによって、集水、注水される水量は、
地下水流として流れていた元の流量を維持するのに充分
な量を確保しているので、帯水層に止水壁を施工する以
前と同様の地下水流を充分に継続させることができる。
【0089】図9は、本発明による止水壁の地下水処理
機構を、必要に応じて止水壁通水井戸の逆洗用に活用す
る実施の形態における断面図(a)と平面図(b)であ
る。
【0090】本実施の形態では、止水壁41、41’内
の帯水層44に対応する部分に各集水部45を形成する
と共に、止水壁41、41’外の帯水層42に対応する
部分にも集水部46を形成している。
【0091】各止水壁通水井戸1は、図9の断面図
(a)と平面図(b)に示すように、分割容器間を結合
しているバルブ付通水管7を開放状態にしており、掘削
側の帯水層44に配置されている分割容器3の集水管2
を揚水ポンプに接続している。
【0092】従って、揚水ポンプが稼働状態にあると、
掘削地山の水位を下げると同時に上下流側における帯水
層42の地下水流43を集水部46から集水して揚水し
て廃棄することになり、各分割容器3’の前面6に存在
するスクリーン16やフィルター13を逆洗すること
で、通水効率の回復と向上を図っている。
【0093】以上のように、本発明による止水壁の地下
水処理機構は、地中透水部に建設する構造物の上流側と
下流側に設置される止水壁に、上記止水壁通水井戸を配
備して、バルブ付通水管の開閉操作や分割容器の集水管
の接続構成を変更することによって、止水壁通水井戸を
集水・注水管として構成することで、掘削部内の揚水井
戸を廃止して止水壁内の掘削を支障なく施工すると共
に、止水壁通水井戸間を連通して止水壁の上流側と下流
側の水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保し、併
せて逆洗も可能にしている。
【0094】以上、本発明による止水壁通水井戸と地下
水処理機構を、実施の態様に基づいて詳細に説明してき
たが、本発明は、上記実施の態様に何ら制限されるもの
でなく、他の態様についても本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において当然に本発明に含まれるものである。
【0095】
【発明の効果】請求項1に記載の止水壁通水井戸は、前
面開口をフイルターで構成し、フイルターに臨んで開口
する洗浄管とフイルターの後方空間に臨んで開口する集
水管を上面に配備した一方の分割容器と、一方の分割容
器と同構造で対称的に配置され、後方空間の間をバルブ
付通水管で相互に結合して一体に構成される他方の分割
容器と、各分割容器の前面を閉塞する着脱自在の前面カ
バー及び分割容器間に装備された伸縮可能なジャッキか
ら構成されているので、透水地山の正常面を露出させ、
分割容器の前面開口を透水層の地山に接着させるように
しながら、集水管にポンプを挿入することで集水・注水
状態を事前に把握して所望の地下水処理を確保できる効
果を奏している。
【0096】請求項2に記載の止水壁通水井戸は、請求
項1に記載の止水壁通水井戸において、前面カバーを地
表面から引き上げ可能に構成することを特徴としている
ので、上記効果に加えて、前面カバーを取り除くことで
セメント分が侵入していない地山を露出させて前面開口
を透水地山に適切に接着できる効果を奏している。
【0097】請求項3に記載の止水壁通水井戸は、請求
項1又は2に記載の止水壁通水井戸において、前面開口
を構成するフィルターを交換自在にすることを特徴とし
ているので、上記効果に加えて、透水地山の洗浄とフィ
ルター性能の向上を図って上記機能の強化を図れる効果
を奏している。
【0098】請求項4に記載の止水壁通水井戸は、請求
項1乃至3のいずれかに記載の止水壁通水井戸におい
て、洗浄管にノズル付高圧ジェットホースを装備するこ
とを特徴としているので、上記効果に加えて、透水地山
を洗浄して清浄な掘削壁を露出させて上記機能の強化を
図れる効果を奏している。
【0099】請求項5に記載の止水壁通水井戸は、請求
項1乃至4のいずれかに記載の止水壁通水井戸におい
て、集水管にポンプを装備することを特徴としているの
で、上記効果に加えて、集水・注水状態を事前に把握し
て所望の地下水処理を確保できる効果を奏している。
【0100】請求項6に記載の止水壁通水井戸の施工法
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に止
水壁を構築し、止水壁の固化以前に請求項1乃至5のい
ずれかに記載の止水壁通水井戸を吊り下げて分割容器内
に水を満たしつつ止水壁の地山側の透水部位に配備し、
次いで止水壁通水井戸に装備されたジャッキを伸長して
止水壁通水井戸の前面を掘削地山に圧着させながら、分
割容器の前面を閉塞する前面カバーを撤去することで構
成しているので、セメント分が侵入していない地山を露
出させて表面が正常状態にある透水層の地山に分割容器
の前面開口を適切に接着させることを確立できると共
に、以下の効果を奏している。
【0101】 設置用の削孔を止水壁用の施工機械で
実施できるのでコストが廉価になる。 設置は、止水壁の心材の建込と同様のクレーンを使
用できるので施工が容易になり、コストも廉価になる。 地上の使用設備が高圧洗浄装置とバキュームポンプ
のみであるので操作が簡単で工期の短縮ができる。
【0102】請求項7に記載の止水壁通水井戸の施工法
は、請求項6に記載の止水壁通水井戸の施工法におい
て、前面カバーを掘削地山にスライドして地表面に引き
上げることを特徴としているので、上記効果に加えて、
前面カバーを取り除くことでセメント分が侵入していな
い地山を露出させて前面開口を透水地山に適切に接着で
きる効果を奏している。
【0103】請求項8に記載の止水壁通水井戸の施工法
は、請求項6又は7に記載の止水壁通水井戸の施工法に
おいて、前面開口を構成するフィルターを止水壁の固化
後に交換することを特徴としているので、上記効果に加
えて、透水地山の洗浄とフィルター性能の向上を図って
上記機能の強化を図れる効果を奏している。
【0104】請求項9に記載の止水壁の地下水処理機構
は、地中透水部に建設する構造物の上流側と下流側に設
置される止水壁と、止水壁に配備される請求項1乃至5
のいずれかに記載の止水壁通水井戸で構成しているの
で、地下水の集水、注水用として有効に活用することで
掘削部内の地下水を揚水し、止水壁の上流側と下流側の
水位を同等に保つのに充分な人工導水を確保できること
に加えて、以下の効果を奏している。
【0105】 別途にディープウェルの設置が不要で
あり、ディープウェルが止水壁内に収納できるので工事
の邪魔にならない。 別途にリチャージウェルの設置が不要であり、リチ
ャージウェルが止水壁内に収納できるので狭い敷地でも
リチャージ工法の採用が可能になる。 隣地境界際での地下水流同保全工法の採用を可能に
するので周辺環境を保全できる。
【0106】請求項10に記載の発明である止水壁の地
下水処理機構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理
機構において、上流側と下流側に配備される各止水壁通
水井戸を、バルブ付通水管を閉塞状態にしながら各掘削
側分割容器の集水管にポンプを接続して排水状態に構成
することを特徴としているので、上記効果に加えて、掘
削部内の揚水井戸を廃止して施工効率の向上とコストダ
ウン及び工期の短縮を図れる効果を奏している。
【0107】請求項11に記載の止水壁の地下水処理機
構は、請求項10に記載の止水壁の地下水処理機構にお
いて、上流側と下流側に配備される各止水壁通水井戸
を、各地中透水部側分割容器の集水管を通水可能に接合
して地下水を通水しながらの排水状態に構成することを
特徴としているので、上記効果に加えて、掘削作業の施
工期間でも地中透水部における地下水の導水を確保して
環境の保全を図れる効果を奏している。
【0108】請求項12に記載の止水壁の地下水処理機
構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理機構におい
て、上流側と下流側に配備される各止水壁通水井戸を、
バルブ付通水管を閉塞状態にしながら掘削側分割容器の
集水管を地中透水部側分割容器の集水管に接続して地下
水の地中透水部への注水状態に構成することを特徴とし
ているので、上記効果に加えて、掘削側の地下水を必要
に応じて地中透水部に注水することによって周辺水位の
上昇を図れる効果を奏している。
【0109】請求項13に記載の止水壁の地下水処理機
構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理機構におい
て、上流側と下流側に配備される各止水壁通水井戸を、
バルブ付通水管を開放状態にして地下水の元復帰状態に
構成することを特徴としているので、上記効果に加え
て、止水壁の上流側と下流側の水位を同等に保つのに充
分な人工導水を確保できる効果を奏している。
【0110】請求項14に記載の止水壁の地下水処理機
構は、請求項9に記載の止水壁の地下水処理機構におい
て、上流側と下流側に配備される各止水壁通水井戸を、
バルブ付通水管を開放状態にしながら各掘削側分割容器
の集水管にポンプを接続して逆洗状態に構成されること
を特徴としているので、上記効果に加えて、開口のスク
リーンやフィルターを洗浄することでメンテナンス作業
を容易にして通水効率の回復と向上を図れる効果を奏し
ている。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による止水壁通水井戸の正面図と側面
【 図2】本発明による止水壁通水井戸の配置図
【 図3】本発明による止水壁通水井戸の施工法におけ
る止水壁通水井戸を設置するまでの実施形態図
【 図4】本発明による止水壁通水井戸の施工法におけ
るソイルセメント養生後の実施形態図
【 図5】掘削施工における本発明による地下水処理
(揚水井戸)機構図
【 図6】掘削施工における本発明による地下水処理
(通水)機構図
【 図7】掘削施工における本発明による地下水処理
(リチャージ工法)機構図
【 図8】施工後における本発明による地下水処理(地
下水流の導水)機構図
【 図9】掘削施工における本発明による地下水処理
(逆洗)機構図
【 図10】止水壁による地下水流の遮断状態図
【 図11】従来の止水壁における地下水導通図
【 図12】従来の止水壁における他の地下水導通図
【 図13】従来の止水壁におけるリチャージ工法の適
用図
【符号の説明】
1 止水壁通水井戸、 2 集水管、 3、3’ 分割
容器、4 前面カバー、 5 ジャッキ、 6 分割容
器の前面、7 バルブ付通水管、 8 洗浄管、 9
スクリーン後方の空間、10 止水壁の掘削孔、 11
セメント等の浸透した掘削壁、12 掘削壁の透水部
位、 13 フイルター、 14 フィルター材、15
ポンプ、 16 スクリーン、 17 ジャッキのシ
リンダー、18 伸縮脚、31 止水壁、 33 ワイ
ヤー、 35 バキュームポンプ、36 高圧洗浄装
置、 37 ノズル付高圧ジェットホース、38 高圧
ジェット水、40 地下構造物、 41、41’ 止水
壁、 42、帯水層、43 地下水流、 44 帯水
層、 45 集水部、 46 集水部、47 注水部、
48 井戸、 49 躯体部導通管、 50 井戸、
51 導水管、 52 地下水、 53 ディープウェ
ル、54 リチャージウェル、

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面開口をフイルターで構成し、該フイ
    ルターに臨んで開口する洗浄管と該フイルターの後方空
    間に臨んで開口する集水管を上面に配備した一方の分割
    容器、該一方の分割容器と同構造で対称的に配置され、
    後方空間の間をバルブ付通水管で相互に結合して一体に
    構成される他方の分割容器、該分割容器の前面を閉塞す
    る着脱自在の前面カバー及び該分割容器間に装備された
    伸縮可能なジャッキから構成される止水壁通水井戸。
  2. 【請求項2】 前面カバーが、地表面から引き上げ可能
    に構成されることを特徴とする請求項1に記載の止水壁
    通水井戸。
  3. 【請求項3】 前面開口を構成するフィルターが、交換
    自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の止
    水壁通水井戸。
  4. 【請求項4】 洗浄管にノズル付高圧ジェットホースを
    装備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の止水壁通水井戸。
  5. 【請求項5】 集水管に揚水ポンプを装備することを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の止水壁通水
    井戸。
  6. 【請求項6】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に止水壁を構築し、該止水壁の固化以前に請求項
    1乃至5のいずれかに記載の止水壁通水井戸を吊り下げ
    て分割容器内に水を満たしつつ該止水壁の地山側の透水
    部位に配備し、次いで該止水壁通水井戸に装備されたジ
    ャッキを伸長して止水壁通水井戸の前面を掘削地山に圧
    着させながら、分割容器の前面を閉塞する前面カバーを
    撤去することで構成される止水壁通水井戸の施工法。
  7. 【請求項7】 前面カバーが、掘削地山をスライドして
    地表面に引き上げられることを特徴とする請求項6に記
    載の止水壁通水井戸の施工法。
  8. 【請求項8】 前面開口を構成するフィルターが、止水
    壁の固化後に交換されることを特徴とする請求項6又は
    7に記載の止水壁通水井戸の施工法。
  9. 【請求項9】 地中透水部に建設する構造物の上流側と
    下流側に設置される止水壁、該止水壁に配備される請求
    項1乃至5のいずれかに記載の止水壁通水井戸で構成す
    る止水壁の地下水処理機構。
  10. 【請求項10】 上流側と下流側に配備される各止水壁
    通水井戸が、バルブ付通水管を閉塞状態にして、各掘削
    側分割容器の集水管にポンプを接続して排水状態に構成
    されることを特徴とする請求項9に記載の止水壁の地下
    水処理機構。
  11. 【請求項11】 上流側と下流側に配備される各止水壁
    通水井戸が、各地中透水部側分割容器の集水管を通水可
    能に接合して地下水を通水しながらの排水状態に構成さ
    れることを特徴とする請求項10に記載止水壁の地下水
    処理機構。
  12. 【請求項12】 上流側と下流側に配備される各止水壁
    通水井戸が、バルブ付通水管を閉塞状態にして、掘削側
    分割容器の集水管を地中透水部側分割容器の集水管に接
    続して地下水の地中透水部への注水状態に構成されるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の止水壁の地下水処理機
    構。
  13. 【請求項13】 上流側と下流側に配備される各止水壁
    通水井戸が、バルブ付通水管を開放状態にして地下水の
    元復帰状態に構成されることを特徴とする請求項9に記
    載の止水壁の地下水処理機構。
  14. 【請求項14】 上流側と下流側に配備される各止水壁
    通水井戸が、バルブ付通水管を開放状態にして、各掘削
    側分割容器の集水管にポンプを接続して逆洗状態に構成
    されることを特徴とする請求項9に記載の止水壁の地下
    水処理機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112110A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Shimizu Corp 地中壁設置用井戸装置
JP2015166546A (ja) * 2014-02-13 2015-09-24 鹿島建設株式会社 地下水制御方法及びシステム

Cited By (2)

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JP2012112110A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Shimizu Corp 地中壁設置用井戸装置
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