JP2000313742A - ポリイミド及びこれを用いた気体分離膜並びにこれらの製造方法 - Google Patents

ポリイミド及びこれを用いた気体分離膜並びにこれらの製造方法

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JP2000313742A
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membrane
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gas separation
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Masatoshi Maeda
政利 前田
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性などに優れるとともに、気
体透過性能、選択性の高い気体分離膜を得る。 【解決手段】 下式(I): 【化1】 (式中、Rは4価の有機基、nは10〜300の整数を
意味する。)で示される繰り返し構造単位を有するポリ
イミド及びこれを用いた気体分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は新規なポリイミド樹脂及びこれ
を用いた気体分離膜、並びにこれらの製造法に関する。
本発明のポリイミド気体分離膜は優れた透過性能を有す
る。さらに、本発明の気体分離膜は高い選択透過性能を
有すると共に、耐熱性、耐薬品性などがきわめて良好で
ある。
【0002】分離膜を用いた気体分離は、他の方法と比
較して分離に要するエネルギーが少ないため種々の分野
において有用である。本発明の気体分離膜は、例えばア
ンモニア合成時の水素の分離回収、火力発電所およびゴ
ミ焼却所からの廃ガスからの二酸化炭素の回収や硫黄酸
化物や窒素酸化物の除去、油田のオフガスからの二酸化
炭素の回収、天然ガスからの硫化水素、二酸化炭素の除
去やヘリウムの分離、ガソリン配給所から洩れたガソリ
ンの回収、揮発性物質混合物液体の浸透気化分離、液体
に溶解している気体の除去、空気の酸素および窒素の分
離などに用いられる。
【0003】
【従来の技術】従来、耐熱性、溶解性、製膜性などの特
性に優れた気体分離膜としては、酢酸セルロース膜がよ
く知られているが、酢酸セルロース膜は、耐薬品性、耐
熱性などが低く、実用上満足すべきものではない。ま
た、耐熱性を向上させた分離膜として、ポリスルホン半
透膜が工業的に生産されているが、透過性能が不充分で
満足すべきものではない。また、酸素選択透過膜として
シリコーン膜が知られているが、シリコーンは機械的に
充分な強度が得られず工業的に満足すべきものではなか
った。最近では、高弾性率、高強度、低膨張性、耐熱性
に優れたポリイミド樹脂も検討され始めてきたが、耐熱
性を重視するために、各種溶媒への溶解性、および加工
性で満足すべきものが得られず、製膜性に問題があるな
ど実用的な気体分離膜は得られていない。
【0004】
【発明の目的及び概要】本発明の目的は、より優れた透
過性能を有し、かつ優れた耐熱性、耐薬品性などを兼ね
備えた気体分離膜を提供することにある。
【0005】本発明者は、前記ポリイミド気体分離膜の
問題点を解消し、従来に比べ、選択透過性に優れたポリ
イミド系気体分離膜を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果、ポリイミドを形成する4価の残基の前駆体である
テトラカルボン酸二無水物を用い、かつ2価の残基を形
成する特定のジアミン成分を縮重合させたポリイミドか
らなる気体分離膜により前記課題が解決できるとの知見
を得て本発明を完成した。
【0006】本願の第1の発明は下式(I):
【化5】 (式中、Rは4価の有機基、nは10〜300の整数を
意味する。)で示される繰り返し構造単位を有するポリ
イミドを提供するものである。
【0007】また、本願の第2の発明は、下式(II):
【化6】 (式中、Rは4価の有機基を意味する。)で示されるテト
ラカルボン酸二無水物と、下式(III):
【0008】
【化7】 で示されるジアミンとを縮重合させることを特徴とする
下式(I):
【0009】
【化8】 (式中、Rは前記に同じ、nは10〜300の整数を意
味する。)で示されるで繰り返し構造単位を有するポリ
イミドの製造方法を提供するものである。さらに、本願
の第3の発明は、前記ポリイミドより形成されてなる気
体分離膜であり、第4の発明はこの気体分離膜の製造方
法である。
【0010】第一の発明は前記一般式(I)で示される繰
り返し構造単位を有するポリイミドである。
【0011】
【発明の詳細な開示】式(I)中、Rは4価の有機基であ
り、これらを形成する化合物は以下記の式(II)で示され
る酸二無水物の残基からなる。
【0012】
【化9】 これらの具体例としては、ピロメリット酸二無水物、
3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'
−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、
3'4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、4,4'−オキシジフタル酸無水物、3,3'4,4'−
ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などが
挙げられる。各種溶剤への溶解性および製膜性を考慮す
ると4,4'−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル
酸無水物が好適である。
【0013】本発明のポリイミドはN−メチル−2−ピ
ロリドン、1デシリットルに0.5g溶解した30℃の
溶液で測定した固有粘度が0.4〜2.0、好ましくは
0.5〜1.5である。これより固有粘度が小さすぎると
気体分離膜としたときに自己支持性に劣り、機械的強度
が不足する。一方、固有粘度が大きすぎると均一な製膜
液が得がたく、製膜が難しくなる。したがって、前記式
中、nは10〜300であり、好ましくは100〜15
0である。
【0014】(製造法)本発明の新規なポリイミドは、
一般式(II):
【化10】 (式中、Rは前記に同じ)で示されるテトラカルボン酸
二無水物と、下式(III):
【0015】
【化11】 で示されるジアミン、すなわち、1,1−ビス[2'−メ
チル−4'−(p−アミノフェノキシ)−5'−tert−ブチ
ルフェニル]ブタンとを縮重合させることにより製造す
ることができる。重縮合に用いられる両者の割合は、モ
ル比で1:0.95〜1:1.05であり、好ましくはほ
ぼ等モルである。
【0016】かかる重合方法には特に制限はなく、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合によるポリ
イミドの製造において、それ自体は公知の重合方法を採
用することができる。
【0017】重合反応に用いられる溶媒としては、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジグライム、N,N−ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジン、ヘキサメチルホスホルアミド、m−クレゾール等
が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、また混合
して用いてもよい。原料に対する溶媒の使用量は特に制
限されないが、通常3〜30重量%を用いるのが好まし
い。
【0018】反応にあたっては、ジアミン成分とテトラ
カルボン酸二無水物成分とを混合し、室温以下の温度で
通常3〜20時間反応させ、ポリアミド酸を得る。つぎ
に、この反応溶液に無水酢酸、ピリジンまたはトリエチ
ルアミン等の脱水閉環剤を添加し、さらに室温で通常3
〜20時間反応させて該ポリアミド酸をポリイミド化す
る。または、該ポリアミド酸を180〜200℃に加熱
し、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、
ジクロロベンゼン等の水と共沸し得る炭化水素または塩
素系溶剤を添加しアミド酸の閉環により生成する水を共
沸よって系外に除去しながら、5〜10時間反応させて
該ポリアミド酸をポリイミド化する。これらから得られ
たポリイミドはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジグラ
イム、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、
m−クレゾール等に可溶である。
【0019】(気体分離膜及びその製造法)本願の第3
及び第4の発明は、前記ポリイミドからなる気体分離膜
及びその製造法である。前記本発明のポリイミドは、各
々単独で分離膜として使用してもよく、混合して用いて
もよい。
【0020】本願発明の気体分離膜は、前記ポリイミド
より種々の方法によって製造することができる。すなわ
ち、一般式(I)で示されるポリイミドを製膜液溶剤に溶
解し均一な製膜液とし、これを適宜の支持基材に流延塗
布した後、加熱処理、又は減圧下に加熱処理して溶剤を
蒸発させて均質な膜とする。実用可能な気体透過性能、
すなわち大きな透過速度にするためには充分薄膜化した
膜が必要であるが、機械的強度およびピンホールの発生
の観点から膜厚は0.03〜20μmが望ましい。した
がって、製膜液はこの薄膜形成のため20重量%以下、
好ましくは10重量%以下であるのが好ましい。製膜液
溶剤としては、重合反応溶剤と同様にN−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジン、ヘキサメチルホスホル
アミド、m−クレゾール等の有機溶剤が好ましい。
【0021】気体分離膜の支持基材は特に限定されるも
のではなく、例えば、耐熱性ポリマー、ガラス、金属、
セラミックスなどからなる平滑な表面を有する気体分離
膜の支持体として公知ものがいずれも用いられてよい。
このような支持基材上にポリイミド膜を形成するには、
例えば支持基材に製膜液を塗布し、ついで加熱する。加
熱温度は製膜液溶剤にもよるが、前記の有機溶剤の場合
には80〜200℃、好ましくは100〜150℃であ
る。特に、このような温度範囲で溶剤のほとんどを蒸発
させた後、200〜300℃に昇温して完全に溶剤を蒸
発させるのが好ましい。
【0022】また、別法として、製膜液を支持基材に塗
布した後、前記有機溶剤と混合する水または有機溶剤
(ポリイミドに対して貧溶媒)中に浸漬した後、上記の温
度で乾燥し、不均質な膜を形成してもよい。本発明のポ
リイミド気体分離膜の膜形状、膜形態には特に制限はな
く、複合膜でもよい。膜形状も平膜および中空糸状膜等
が可能である。
【0023】
【実施例】つぎに本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、以下において、膜性能は下
記のように定義される。
【0024】ガス透過係数 半透膜に対する気体の透過速度を示す指数であり、単位
は次の式で表される。 Barrer =10−10cm(STP)cm/cm/sec
/cmHg [cm(STP)は標準温度と圧力(0℃、1気圧)透過す
る気体の体積であり、cmはフィルムの厚さ、cm
フィルムの面積、secは時間、cmHgは圧力を示
す。]
【0025】選択性 半透膜の気体選択性は同一の膜で個々の気体単独で測定
された透過係数の比率で表される。例えばCO/N
=50は当該する膜がCOガスをNガスの50倍の
速さで透過することを示す。
【0026】[実施例1] (ポリイミドの製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの三口
フラスコに1,1−ビス[2'−メチル−4'−(p−アミ
ノフェノキシ)−5'−tert−ブチルフェニル]ブタン2
0g(35.5mmol)、N−メチル−2−ピロリドン
679.3gを採り、アルゴンガス雰囲気下で撹拌溶解
した。このフラスコを0〜10℃の水浴に浸漬後、4,
4'−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無
水物15.8g(35.5mmol)を4分割して1時間か
けて添加した。添加後、このフラスコを室温に戻して8
時間撹拌反応させ、ポリアミック酸を得た。この重合液
に酢酸無水物12.7g(121mmol)およびピリジ
ン9.82g(121mmol)を添加し、室温で15
時間反応させた後、水−アルコール混合溶液中に投入
し、ポリイミド樹脂の沈澱を得た。さらに、数回、アル
コールで洗浄し、乾燥した。得られた黄色フレーク状の
ポリイミドは有機溶媒に可溶で収量32.9g(収率9
5.4%)であった。ポリイミド樹脂の固有粘度は1.2
(dL/g)(0.5g/dL NMP、30℃)であっ
た。図1、2にこのポリイミドのH−NMRおよびFT
−IRスペクトルを示す。
【0027】得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホルアミド、m−クレゾール、ジグライ
ム)に可溶であり、製膜溶剤として使用が可能であっ
た。
【0028】(気体分離膜の製造および気体選択透過
性)このポリイミド樹脂を9wt%の濃度でN−メチル
−2−ピロリドンに溶解し、孔径5μmのステンレスフ
ィルターでろ過し、減圧脱泡した。この樹脂液をガラス
板上に流延塗布し、80℃×2時間、110℃×1時
間、150℃×1時間、200℃×1時間、脱溶剤し
た。ガラス板から剥離した後、200℃真空乾燥器で7
2時間加熱処理した。得られた膜を二つ折りの曲げても
クラックがはいらないほど強靭であった。この膜のガラ
ス転移温度は253℃であった。この膜の窒素、二酸化
炭素、および酸素の各気体単独の透過測定を25℃で圧
力差2.94気圧で測定したところ、窒素透過係数は2.
27Barrer、二酸化炭素透過係数は47.4Barrer、酸
素透過係数は12.3Barrerであった。また、酸素/窒素
の分離係数は5.4、二酸化炭素/窒素の分離係数は2
0.9であった。
【0029】[実施例2] (ポリイミドの製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの三口
フラスコに1,1−ビス[2'−メチル−4'−(p−アミ
ノフェノキシ)−5'−tert−ブチルフェニル]ブタン1
0g(17.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン
137gを採り、アルゴンガス雰囲気下で撹拌溶解し
た。このフラスコを0〜10℃の水浴に浸漬後、3,3'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物5.22g(1
7.7mmol)を2分割して1時間かけて添加した。添
加後、このフラスコを室温に戻して8時間撹拌反応さ
せ、ポリアミック酸を得た。この重合液に酢酸無水物
6.32g(62.0mmol)およびピリジン4.90g
(62.0mmol)を添加し、室温で15時間反応させ
た後、水−アルコール混合溶液中に投入し、ポリイミド
樹脂の沈澱を得た。さらに、数回、アルコールで洗浄
し、乾燥した。得られた黄色フレーク状のポリイミドは
有機溶媒に可溶で収量13.6g(収率93.5%)であっ
た。ポリイミド樹脂の固有粘度は0.91(dL/g)
(0.5g/dL NMP、30℃)であった。図3にこ
のポリイミドのFT−IRスペクトルを示した。
【0030】得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホルアミド、m−クレゾール、ジグライ
ム)に可溶であり、製膜溶剤として使用が可能であっ
た。
【0031】(気体分離膜の製造および気体選択透過
性)実施例1と同様に製膜した。得られた膜を二つ折り
の曲げてもクラックがはいらないほど強靭であった。こ
の膜の窒素、二酸化炭素、および酸素の各気体単独の透
過測定を25℃で圧力差2.94気圧で測定したとこ
ろ、窒素透過係数は1.31Barrer、二酸化炭素透過係
数は29.9Barrer、酸素透過係数は7.6Barrerであっ
た。また、酸素/窒素の分離係数は5.8、二酸化炭素
/窒素の分離係数は22.8であった。
【0032】[実施例3] (ポリイミドの製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの三口
フラスコに1,1−ビス[2'−メチル−4'−(p−アミ
ノフェノキシ)−5'−tert−ブチルフェニル]ブタン1
0g(17.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン
125gを採り、アルゴンガス雰囲気下で撹拌溶解し
た。このフラスコを0〜10℃の水浴に浸漬後、ピロメ
リット酸二無水物3.87g(17.7mmol)を2分割
して1時間かけて添加した。添加後、このフラスコを室
温に戻して8時間撹拌反応させ、ポリアミック酸を得
た。この重合液に酢酸無水物6.32g(62.0mmo
l)およびピリジン4.90g(62.0mmol)を添加
し、室温で15時間反応させた後、水−アルコール混合
溶液中に投入し、ポリイミド樹脂の沈澱を得た。さら
に、数回、アルコールで洗浄し、乾燥した。得られた黄
色フレーク状のポリイミドは有機溶媒に可溶で収量1
2.5g(収率94.9%)であった。ポリイミド樹脂の固
有粘度は0.95(dL/g)(0.5g/dL NMP、
30℃)であった。図4にこのポリイミドのFT−IR
スペクトルを示した。
【0033】得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホルアミド、m−クレゾール、ジグライ
ム)に可溶であり、製膜溶剤として使用が可能であっ
た。
【0034】(気体分離膜の製造および気体選択透過
性)実施例1と同様に製膜した。得られた膜を二つ折り
の曲げてもクラックがはいらないほど強靭であった。こ
の膜の窒素、二酸化炭素、および酸素の各気体単独の透
過測定を25℃で圧力差294気圧で測定したところ、
窒素透過係数は1.31Barrer、二酸化炭素透過係数は
29.9Barrer、酸素透過係数は7.6Barrerであった。
また、酸素/窒素の分離係数は5.8、二酸化炭素/窒
素の分離係数は22.8であった。
【0035】[比較例1] (ポリイミドの製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの三口
フラスコに1,4−フェニレンジアミン 20g(179
mmol)、N−メチル−2−ピロリドン400gを採
り、アルゴンガス雰囲気下で撹拌溶解した。このフラス
コを0〜10℃の水浴に浸漬後、4,4'−(ヘキサフロ
ロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物 79.7g
(179mmol)を3分割して1時間かけて添加した。
添加後、このフラスコを室温に戻して8時間撹拌反応さ
せ、ポリアミック酸を得た。この重合液に酢酸無水物5
8.5g(573mmol)およびピリジン45.3g(5
73mmol)を添加し、室温で15時間反応させた
後、水−アルコール混合溶液中に投入し、ポリイミド樹
脂の沈澱を得た。さらに、数回、アルコールで洗浄し、
乾燥した。得られた黄色フレーク状のポリイミドは有機
溶媒に可溶で収量85.9g(収率92.9%)であった。
ポリイミド樹脂の固有粘度は0.53(dL/g)(0.5
g/dL NMP、30℃)であった。
【0036】得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホルアミド、m−クレゾール)に可溶で、
ジグライムには不溶であった。
【0037】(気体分離膜の製造および気体選択透過
性)実施例1と同様に製膜した。得られた膜を二つ折り
の曲げてた時にクラックがはいった。この膜の窒素、二
酸化炭素、および酸素の各気体単独の透過測定を25℃
で圧力差2.94気圧で測定したところ、窒素透過係数
は0.79Barrer、二酸化炭素透過係数は15.3Barre
r、酸素透過係数は4.22Barrerであった。また、酸素
/窒素の分離係数は5.3、二酸化炭素/窒素の分離係
数は19.4であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の気体分離膜は、耐熱性、耐薬品
性などに優れ、広い分野において気体分離膜として使用
できる上、その気体透過性能、選択性とした従来の耐熱
高分子材料とくらべ格段に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られたポリイミドのH−N
MRスペクトルである。
【図2】 実施例1にて得られたポリイミドのIR吸収
スペクトルである。
【図3】 実施例2にて得られたポリイミドのIR吸収
スペクトルである。
【図4】 実施例3にて得られたポリイミドのIR吸収
スペクトルである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 MB03 MB04 MB11 MB15 MC58X MC59X NA01 PB17 PB18 PB19 PB62 PB64 PC71 4F071 AA60 AH02 BA02 BB02 BC01 BC07 4J043 PA02 QB15 QB26 QB31 RA34 RA35 RA39 SA06 SB01 TA22 TB01 UA132 UA151 UA222 UA252 UA262 UA662 UA672 UB062 UB122 UB131 UB152 UB302 VA022 VA031 VA041 VA042 VA062 VA102 XA14 ZB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I): 【化1】 (式中、Rは4価の有機基、nは10〜300の整数を
    意味する。)で示される繰り返し構造単位を有するポリ
    イミド。
  2. 【請求項2】 下式(II): 【化2】 (式中、Rは4価の有機基を意味する。)で示されるテト
    ラカルボン酸二無水物と、下式(III): 【化3】 で示されるジアミンとを縮重合させることを特徴とする
    下式(I): 【化4】 (式中、Rは前記に同じであり、nは10〜300の整
    数を意味する。)で示されるで繰り返し構造単位を有す
    るポリイミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリイミドより形成されてな
    る気体分離膜。
JP12218899A 1999-04-28 1999-04-28 ポリイミド及びこれを用いた気体分離膜並びにこれらの製造方法 Pending JP2000313742A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100469417C (zh) * 2005-03-15 2009-03-18 大连欧科膜技术工程有限公司 膜法回收甲醇合成过程放空气中氢气的系统
CN114395127A (zh) * 2021-12-29 2022-04-26 山东华夏神舟新材料有限公司 用于含氟气体分离的聚酰亚胺树脂及其制备方法

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