JP2000313217A - リアサスペンション装置 - Google Patents

リアサスペンション装置

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JP2000313217A
JP2000313217A JP11124591A JP12459199A JP2000313217A JP 2000313217 A JP2000313217 A JP 2000313217A JP 11124591 A JP11124591 A JP 11124591A JP 12459199 A JP12459199 A JP 12459199A JP 2000313217 A JP2000313217 A JP 2000313217A
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wheel
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axis
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民良 笠原
Kiyonari Kaminuma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サスペンションの前後剛性を下げて乗り心地
を向上させると共に、横力や前後力(制動力)の入力時
に後輪のトーアウト方向の変化を抑制し車両の応答性や
安定性を向上させる。 【解決手段】 略車両前後方向に延設されて前端画題1
の緩衝体を介して車体側に上下回転自在に支持されたサ
スペンションアーム2と、該サスペンションアーム2の
後端側に支持され、車輪8を回転自在に支持する車輪支
持体6とを備え、車輪支持体6は、サスペンションアー
ム2に前記車輪8の回転中心となるホイールセンタかW
Cら上下方向にオフセットされて略車両横方向に伸びた
結合軸7を介して回転可能に連結され、車輪支持体6と
サスペンションアーム2との間に、車輪支持体6の回転
を規制緩衝する第2の緩衝体5を設けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアサスペンショ
ン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリアサスペンション装置として
は、特開平4−189613号公報、特開昭59−11
906号公報、特開昭63−270209号公報のそれ
ぞれに開示されたものがある。
【0003】特開平4−189613号公報に開示され
た第1従来例は、トーションビーム式サスペンションの
車体取付け点付近に短いコントロールリンクを設けるこ
とにより、横力入力時のトー変化を防止するものであ
る。
【0004】特開昭59−11906号公報に開示され
た第2従来例は、セミトレーリングアーム及び車輪支持
体との間をブッシュを内蔵する軸支持部とボールジョイ
ントを内蔵する軸支持部とで連結し、主にトー回転方向
に互いに相対回転するよう構成し、横力入力時に車輪が
トーイン方向のトー角変化をするようにしたものであ
る。
【0005】特開昭63−270209号公報に開示さ
れた第3従来例は、セミトレーリングアームの先端部分
に、車両前後方向に配置された3本の腕部分を設け、こ
の各腕部分をゴムブッシュを介してそれぞれ車輪支持体
に連結し、腕部分の前方と後方の各ゴムブッシュの車体
前後方向剛性を変えてトーイン変化が容易になされるよ
うに構成したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1従来例では、トレーリングアームと車輪支持体との間
やトレーリングアームと車体との間はブッシュを介して
連結されているので、車輪の車体に対する前後方向の支
持剛性(以下、サスペンションの前後剛性)を下げるた
めにはかかるブッシュ剛性を下げる必要があるが、ブッ
シュ剛性を下げると横剛性も下って横力入力時のトーア
ウト傾向を防ぐ効果が減少する。従って、サスペンショ
ンの前後剛性を下げることは困難であった。又、リンク
やピボットを設ける構成であるため、サスペンションの
横剛性が低下しがちであるという問題もある。
【0007】前記第2従来例でも、前記第1従来例と同
様に、基本的にはサスペンションの前後剛性と横剛性と
を同一のブッシュに依存しているため、サスペンション
の前後剛性を下げることができない。又、横力の入力時
には車輪がトーイン方向に変位するが、前後力(制動
力)の入力時にはトーアウト方向に変位するという問題
もある。
【0008】前記第3従来例では、ブッシュ剛性に変化
を持たせてはいるが、前記第1従来例と略同様に、トレ
ーリングアームと車輪支持体との間やトレーリングアー
ムと車体との間は横剛性及び前後剛性を担うブッシュを
介して連結されているので、上記と同様の理由によりサ
スペンションの前後剛性を下げることは困難である。
又、構成が複雑であるため、コストや重量がかさむとい
う問題もある。
【0009】つまり、従来では、サスペンションの前後
剛性を下げつつ、横力や前後力(制動力)の入力時にお
ける後輪のトーアウト傾向を抑制することが難しかっ
た。
【0010】そこで、本発明は、サスペンションの前後
剛性を下げて乗り心地を向上させると共に、横力や前後
力(制動力)の入力時に後輪のトーアウト方向の変化を
抑制し車両の応答性や安定性を向上させることができる
リアサスペンション装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、略車
両前後方向に延設されて前端が第1の緩衝体を介して車
体側に上下回転自在に支持されたサスペンションアーム
と、該サスペンションアームの後端側に支持され、車輪
を回転自在に支持する車輪支持体とを備え、前記車輪支
持体は、前記サスペンションアームに対し前記車輪の回
転中心となるホイールセンタから上下方向にオフセット
されて略車両横方向に伸びた結合軸を介して回転可能に
連結され、前記車輪支持体とサスペンションアームとの
間に、車輪支持体の前記回転を規制緩衝する第2の緩衝
体を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のリアサ
スペンション装置であって、前記結合軸は、前記ホイー
ルセンタより下方に配置されたことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸
は、車両平面視では、その軸線が前記車輪のホイールセ
ンタを通ることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1〜請求項3記
載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸は、
車両後面視では、車両内側上がりに傾斜配置されたこと
を特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項4記載のリアサ
スペンション装置であって、前記結合軸は、車両平面視
では、車両外側で後方に指向するように傾斜配置された
ことを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜請求項3記
載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸は、
車両後面視では、車両内側下がりに傾斜配置され、且
つ、車両平面視では、車両外側前方に指向するように傾
斜配置されたことを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項1〜請求項6記
載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸は、
車両平面視では、その軸線を前記車輪のホイールセンタ
よりも車両後方側に配置し、且つ、車両後面視では、そ
の軸線を前記ホイールセンタよりも車両下方側に配置し
たことを特徴とする。
【0018】請求項8の発明は、請求項1〜請求項6記
載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸は、
車両平面視では、その軸線が前記車輪のホイールセンタ
よりも車両前方側に配置され、且つ、車両後面視では、
その軸線を前記ホイールセンタよりも車両上方側に配置
したことを特徴とする。
【0019】請求項9の発明は、請求項1〜請求項5、
請求項7、請求項8記載のリアサスペンション装置であ
って、前記結合軸は、車両後面視では、車両内側上りに
傾斜配置されると共に、前記車輪支持体と車体側との間
にショックアブソーバを設け、このショックアブソーバ
の取付け軸線を前記結合軸よりも車両前方側に配置した
ことを特徴とする。
【0020】請求項10の発明は、請求項1〜請求項
3、請求項6〜請求項8記載のリアサスペンション装置
であって、前記結合軸は、車両後面視では、車両内側下
りに傾斜配置されると共に、前記車輪支持体と車体側と
の間にショックアブソーバを設け、このショックアブソ
ーバの取付け軸線を前記結合軸よりも車両後方側に配置
したことを特徴とする。
【0021】請求項11の発明は、請求項1〜請求項
7、請求項9、請求項10記載のリアサスペンション装
置であって、前記結合軸は、車両後面視では、前記ホイ
ールセンタより車両下側に配置されると共に、前記車輪
支持体と車体側との間にショックアブソーバを設け、こ
のショックアブソーバの取付け軸線を前記結合軸よりも
車両後方側に配置したことを特徴とする。
【0022】請求項12の発明は、請求項1〜請求項
6、請求項8〜請求項10記載のリアサスペンション装
置であって、前記軸は、車両後面視では、前記ホイール
センタより車両上側に配置されると共に、前記車輪支持
体と車体側との間にショックアブソーバを設け、このシ
ョックアブソーバの取付け軸線を前記結合軸よりも車両
前方側に配置したことを特徴とする。
【0023】請求項13の発明は、請求項1〜請求項1
2記載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸
は、前記車輪支持体と前記サスペンションアームとの間
の軸方向相対変位を許容しない軸支持部材で支持された
ことを特徴とする。
【0024】請求項14の発明は、請求項1〜請求項1
3記載のリアサスペンション装置であって、前記軸支持
部材は、前記結合軸の両端部側に離間して一対配置され
たことを特徴とする。
【0025】請求項15の発明は、請求項1〜請求項1
4記載のリアサスペンション装置であって、前記車輪支
持体と前記サスペンションアームとの間の第2緩衝体
は、前記結合軸を中心とする回転力を受ける弾性ブッシ
ュと、この弾性ブッシュの変動を制動側、ハーシュネス
側で規制する一対のストッパとからなり、前記弾性ブッ
シュと前記ストッパとの間における制動側のクリアラン
スが狭く、ハーシュネス側のクリアランスが広く設定さ
れたことを特徴とする。
【0026】請求項16の発明は、請求項1〜請求項1
5記載のリアサスペンション装置であって、前記結合軸
は、前記サスペンションアームと前記車輪支持体との相
対的回転によって捩じられて前記第2の緩衝体を兼ねる
トーションバーにて構成されたことを特徴とする。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明では、車輪支持体が結合
軸を中心に回転してホイールセンタ軸とサスペンション
アームとが互いに車両前後方向に変位可能であり、この
変位を第2の緩衝体で規制緩衝することによってサスペ
ンションの前後方向剛性を下げることができる。又、結
合軸を介したサスペンションアームと車輪支持体との間
やサスペンションアーム前端の第1の緩衝体の前後方
向、横方向剛性は、前記第2の緩衝体とは別個に設定で
きるため、横力や前後力の入力時のトー変化特性を前後
方向剛性とは別個に設定できる。以上よりサスペンショ
ンの前後剛性を下げて乗り心地を向上させると共に、横
力や前後力(制動力)の入力時に後輪のトーアウト方向
の変化を抑制し車両の応答性や安定性を向上させること
ができる。
【0028】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、ホイールセンタ軸に入力される輪荷重による
力が、車輪支持体をサスペンションアームに対して釣り
合い位置に戻す復元力として作用するため、車輪支持体
を所定の位置に保持することが容易であり、その分、各
部の荷重負担が減少する。
【0029】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2の発明の効果に加え、ホイールセンタに入力される輪
荷重が結合軸周りの回転モーメントを発生させることが
ないため、各部の負担が軽減される。
【0030】請求項4の発明では、請求項1〜3の発明
の効果に加え、前後力(制動力)入力時には車輪支持体
がトーイン方向に移動し、制動時の車両の方向安定性が
向上する。
【0031】請求項5の発明では、請求項4の発明の効
果に加え、横力入力時には車輪支持体がトーイン方向に
移動し、横力入力時の車両の操縦応答性や方向安定性を
向上させることができる。
【0032】請求項6の発明では、請求項1〜請求項3
の発明の効果に加え、横力入力時には車輪支持体がトー
イン方向に移動し、横力入力時の車両の操縦応答性や方
向安定性を向上させることができる。
【0033】請求項7の発明では、請求項1〜請求項6
の発明の効果に加え、突起乗り越し時には車輪支持体に
結合軸周りのワインドアップ方向の回転モーメントが発
生し、車輪を積極的に車両後方に変位させるため、車輪
の前後方向の入力が小さくなり突起乗り越しショックが
低減する。
【0034】請求項8の発明では、請求項1〜請求項6
の発明の効果に加え、突起乗り越し時には車輪支持体に
結合軸周りのワインドダウン方向の回転モーメントが発
生し、車輪を積極的に車両後方に変位させるため、車輪
の前後方向の入力が小さくなり突起乗り越しショックが
低減する。
【0035】請求項9の発明では、請求項1〜請求項
5、請求項7、請求項8の発明の効果に加え、車輪がバ
ウンド方向に運動すると、ショックアブソーバに圧縮方
向の減衰力が発生し、車輪支持体に結合軸周りのワイン
ドダウン方向の回転モーメントが伝達され、この回転モ
ーメントによって前記結合軸が車両内側上りであること
より車輪支持体がトーイン方向に移動し、車両の操縦応
答性や方向安定性を向上させることができる。
【0036】請求項10の発明では、請求項1〜請求項
3、請求項6〜請求項8の発明の効果に加え、車輪がバ
ウンド方向に運動すると、ショックアブソーバに圧縮方
向の減衰力が発生し、車輪支持体に結合軸周りのワイン
ドアップ方向の回転モーメントが伝達され、この回転モ
ーメントによって前記結合軸が車両内側下がりであるこ
とより車輪支持体がトーイン方向に移動し、車両の操縦
応答性や方向安定性を向上させることができる。
【0037】請求項11の発明では、請求項1〜請求項
7、請求項9、請求項10の発明の効果に加え、突起乗
り越し時には車輪支持体に結合軸周りのワインドアップ
方向の回転モーメントが発生し、車輪を積極的に車両後
方に変位させるため、車輪の前後方向の入力が小さくな
り突起乗り越しショックが低減する。
【0038】請求項12の発明では、請求項1〜請求項
6、請求項8〜請求項10の発明の効果に加え、突起乗
り越し時には車輪支持体に結合軸周りのワインドダウン
方向の回転モーメントが発生し、車輪を積極的に車両後
方に変位させるため、車輪の前後方向の入力が小さくな
り突起乗り越しショックが低減する。
【0039】請求項13の発明では、請求項1〜請求項
12の発明の効果に加え、結合軸の軸線方向の支持剛
性、つまり、サスペンションの横剛性が高まり、車両の
操縦時の追従性、しっかり感を向上させることができ
る。
【0040】請求項14の発明では、請求項1〜請求項
13の発明の効果に加え、一対の軸支持部材の間のスパ
ンが広くなるため、キャンバ角方向の支持剛性を高める
ことができる。
【0041】請求項15の発明では、請求項1〜請求項
14の発明の効果に加え、制動側のクリアランスが狭い
ため、制動時のトー変化を過大でない範囲に保つことが
でき、又、ハーシュネス側のクリアランスが広いため、
突起乗り越え時の後側へのホイールセンタの移動を許容
することができ、以上より制動時には弾性ブッシュの迅
速な応答が得られ、且つ、突起乗り越し時のショックを
小さくできる。
【0042】請求項16の発明では、請求項1〜請求項
15の発明の効果に加え、トーションバーがサスペンシ
ョンの前後剛性を調整する、第2の緩衝体となるため、
別途に緩衝体を設ける必要がなく、構成をコンパクトに
できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0044】図1〜図6は本発明の第1実施形態を示
し、図1はリアサスペンション装置の斜視図、図2
(A)は車両側面視(S/V)での要部構成図、図2
(B)は車両後面視(R/V)での要部構成図、図2
(C)は車両平面視(P/V)での要部構成図、図3
(A)は制動力入力状態を示す要部斜視図、図3(B)
は車両後面視(R/V)での制動力入力時の分力方向を
示す構成図、図4(A)は車両平面視(P/V)での横
力入力状態を示す構成図、図4(B)は横力入力状態を
示す要部斜視図である。
【0045】図1において、リアサスペンション装置は
全体としていわゆるトーションビーム式のサスペンショ
ンの構成である。車両横方向に伸びるトーションビーム
1の両端には左右一対のサスペンションアームであるト
レーリングアーム2がそれぞれ固定され、この一対のト
レーリングアーム2はトーションビーム1によって捩じ
れ変形を許容するように連結されている。各トレーリン
グアーム2は略車両前後方向に延設されて前端が第1の
緩衝体である弾性ブッシュ3を介して車体側部材(図示
せず)に上下回動自在に支持されている。各トレーリン
グアーム2の後端側には各軸支持部材4と第2の緩衝体
である各弾性ブッシュ部材5を介して各車輪支持体6が
それぞれ取付けられている。
【0046】各軸支持部材4は、略車両横方向に伸びる
結合軸7を支持し、この結合軸7を介してトレーリング
アーム2と車輪支持体6とが回転自在に連結されてい
る。各弾性ブッシュ部材5は車輪支持体6とトレーリン
グアーム2との間に設けられ、車輪支持体6とトレーリ
ングアーム2の間の相対的回転による回転力を受けるよ
う構成されている。各車輪支持体6は各車輪8を回転自
在にそれぞれ支持し、車輪8はホイールセンタ軸L2を
中心に回転可能である。
【0047】左右一対のばね部材9及びショックアブソ
ーバ10は、この第1実施形態では各トレーリングアー
ム2と車体側のホイールハウス(図示せず)との間に介
在され、車体(図示せず)と車輪8との上下方向の位置
を規定している。
【0048】図2において、前記結合軸7とホイールセ
ンタ軸L2との配置関係を説明する。又、図2の軸支持
部材4は車輪支持体6に固定され、前記結合軸7が支持
部材4、トレーリングアーム2を共に貫通して構成され
ている。
【0049】但し、トレーリングアーム2に支持部材4
を固定し、この軸支時部材4の一側に車輪支持体6の一
部を配置して結合軸7を貫通する構成にすることもでき
る。
【0050】前記軸支持部材4は、後述するように、ボ
ールベアリング等で構成され、車輪支持体6とトレーリ
ングアーム2との間の軸方向相対変位を許容しない構成
となっている。
【0051】図2(A)、(C)に示すように、結合軸
7は、その軸線L1が車輪8のホイールセンタL2より
も上下方向にオフセットした位置になるよう配置され、
この第1実施形態では下方向にオフセットした位置に配
置されている。又、図2(A)、(C)に示すように、
結合軸7は、車両平面視ではホイールセンタWCの位置
を通るよう配置されている。又、図2(B)に示すよう
に、結合軸7は、車両後面視では、車両内側に行くに従
って車両上側に行く傾斜(車両内側上がりに傾斜)を持
って配置されている。更に、図2(C)に示すように、
車両平面視では車両外側で車両後方に指向するように傾
斜(後退角傾斜)を持って配置されている。
【0052】なお、前記弾性ブッシュ部材5の構成例は
後述する。
【0053】次に、上記構成の作用を説明する。車輪支
持体6が結合軸7を中心に回転してホイールセンタ軸線
L2、即ち、車輪8とトレーリングアーム2とが互いに
車両前後方向に変位可能であり、この変位によってサス
ペンションの前後方向剛性を下げることができる。つま
り、弾性ブッシュ部材5の剛性を適度に調整することに
よって、車輪8の車体(図示せず)に対する前後方向の
支持剛性(以下、サスペンションの前後剛性)を従来の
トーションビーム式サスペンションに比べて、この軸支
持部材4の軸線L1周りの回転分だけ剛性を下げること
ができる。即ち、本発明においては従来例に比べてサス
ペンションの前後剛性を低下させることが可能であり、
突起乗り越し時のショックを低減でき、乗心地を向上す
ることができる。
【0054】又、結合軸7が軸支時部材4によって支持
されることにより、ホイールセンタ軸線L2とトレーリ
ングアーム2との車両横方向の相対変位が許容されない
ため、サスペンションの横剛性を低下させず、弾性ブッ
シュ部材5はサスペンションの横剛性とは無関係の要素
となる。従って、横力や前後力の入力時には、車輪支持
体6とトレーリングアーム2との間の軸支持部材4が車
輪8のトー変化に影響を及ぼすことがなく車輪8のトー
アウト傾向を抑制できる。以上よりサスペンションの前
後剛性を下げて乗り心地を向上させると共に、横力や前
後力(制動力)の入力時に後輪のトーアウト方向の変化
を抑制し車両の応答性や安定性を向上させることができ
る。
【0055】又、この第1実施形態では、結合軸7はホ
イールセンタWCよりも下側に配置されているので、ホ
イールセンタWCに入力される輪荷重による力が車輪支
持体6をトレーリングアーム2に対して釣り合い位置に
戻す復元力として作用するため、車輪支持体6を所定の
位置に保持することが容易である。従って、弾性ブッシ
ュ部材5の剛性をそれほど高めなくても、車輪支持体6
を所定の位置に保持でき、これによりさらにサスペンシ
ョンの前後剛性を下げることができ、また、小型化も可
能である。
【0056】さらに、この第1実施形態では、結合軸7
の軸線L1は、車両平面視ではホイールセンタWCの位
置を通る構成としたので、ホイールセンタWCに入力さ
れる輪荷重が結合軸7周りの回転モーメントを発生させ
ることがないため、回転モーメントが発生した場合に負
荷がかかる部材の負担が軽減される。つまり、回転モー
メントが発生した場合、弾性ブッシュ部材5には輪荷重
によるプリロードが発生するが、この輪荷重によるプリ
ロードが発生しないため、弾性ブッシュ部材5の耐久性
やクリープ変形を悪化させることがなく、弾性ブッシュ
部材5の剛性を下げることができ、サスペンションの前
後剛性をさらに下げることができると共に小型化も可能
である。
【0057】又、この第1実施形態では、結合軸7は、
車両後面視では、車両内側上がりに傾斜しているので、
図3(A)に示すように、制動時の接地面後ろ方向の入
力Fbによって、車輪支持体6がトーイン方向に移動
し、制動時の車両の方向安定性を向上させることができ
る。
【0058】つまり、図3(A)に示すような制動力F
bが与えられ、車輪8の最外周と軸線L1間の距離をh
とすると、車輪支持体6には軸線L1周りに、h・Fb
なるワインドダウン方向の回転モーメントが伝達され、
車輪支持体6は、弾性ブッシュ部材5の配置・剛性等で
決まる軸線L1周りの回転剛性に従った量だけワインド
ダウン方向に回転変位する。この回転変位の回転ベクト
ルをωで表すと、回転変位ベクトルωの方向は略結合軸
7の軸線L1方向である。図3(B)に示すように、車
両後面から見た時の結合軸7の軸線L1の傾斜角をθ1
とすると、車輪支持体6の回転変位ベクトルωの鉛直成
分は、ω・sinθ1であり、角度θ1を車両内上がり
方向にとると、ワインドダウン方向の回転ωに対して、
ωの鉛直成分であるω・sinθ1がトーイン方向とな
る。このように制動入力時にトーインの効果が得られ、
車両の方向安定性を向上させることができる。
【0059】又、この第1実施形態では、結合軸7は、
車両後面視では、車両内側上がりに傾斜を持ち、且つ、
車両平面視では、車両外側後方に指向するように後退角
傾斜を持っているので、図4に示すように、横力入力時
には車輪支持体6がトーイン方向に移動し、横力入力時
の車両の操縦応答性や方向安定性を向上させることがで
きる。つまり、図4に示すように、接地点に車両外側か
ら内側に向かう横力Fsが作用する場合、横力Fsを車
両平面視で結合軸7に平行な成分と、結合軸7に垂直な
成分に分解する。結合軸7の後退角をθ2とした場合、
横力Fsの結合軸7に垂直な成分の大きさは、Fs・s
inθ2である。この垂直成分Fs・sinθ2は、軸
線L1周りにh・Fs・sinθ2なる大きさのワイン
ドダウン方向の回転モーメントを車輪支持体6に与える
ことになる。
【0060】即ち、結合軸7の軸線L1に後退角が付い
ていることにより、車両外側から内側に向かう接地点横
力によって、車輪支持体6にトレーリングアーム2に対
して相対的にワインドダウン方向の角度変化を生じさせ
ることができ、更に、軸線L1が内上がりになっていれ
ば、図3に示したように、そのワインドダウン方向の角
度変化をトーイン方向のトー角変化に変換できる。この
ように、車両外側から内側に向かう横力で車輪8をトー
イン方向に移動する、いわゆる横力コンプライアンスス
テアをアンダーステア側に設定することができ、車両の
操縦応答性や方向安定性を向上できる。
【0061】また、結合軸7は、車両後面視では、車両
内側下がりに傾斜を持って、且つ、車両平面視では、車
両外側前方に指向するように前進角傾斜を持って配置す
れば、上記と同様の効果を得ることができる。
【0062】図5は前記軸支持部材4の第1の構成例を
示す断面図である。図5において、軸支持部材4は、回
転軸方向左右のスラスト荷重をも受けられるボールベア
リング部材13aで構成され、車輪支持体6のハウジン
グ部6aに圧入固定されている。前記結合軸7は、トレ
ーリングアーム2内に設けられた補強筒部12の軸挿通
孔12aを貫通し、片側がトレーリングアーム2から突
出して前記ボールベアリング部材13aの軸支持部材4
に片持状に支持されている。結合軸7の一端にはトレー
リングアーム2の一側面に当接するフランジ部7aが設
けられ、他端側にワッシャ14を介してナット15が締
結されている。
【0063】前記のように回転支持部材4を回転軸方向
左右のスラスト力を受けられるボールベアリング部材1
3aで構成することにより、トレーリングアーム2と車
輪支持体6との間の軸方向相対変位を許容しないように
することができる。また、軸線L1周りの回転を自由に
すると共に、軸線L1をこじる方向の回転を規制するこ
とができる。尚、軸支持部材4は、硬質の滑りブッシュ
部材で構成することもできる。
【0064】この第1の構成例のように、軸支持部材4
を軸線L1方向の変位を許容しないボールベアリング部
材13aや滑りブッシュ部材にて構成することによっ
て、軸線L1方向の支持剛性、即ち、サスペンションの
横剛性を高めることができ、車両の操縦時の追従性、し
っかり感を向上させることができる。
【0065】図6は前記弾性ブッシュ部材5の第1の取
付け構成例を示す側面図である。図6において、車輪支
持体6には取付け用突起部16が設けられ、この取付け
用突起部16にはボルト挿通孔(特に、符号を付けず)
が形成されている。トレーリングアーム2には台座部1
7が設けられ、この台座部17にはボルト挿通孔(特
に、符号を付けず)が設けられている。一組の弾性ブッ
シュ5a、5bは取付け用突起部16の両側に配置さ
れ、ボルト18を一組の弾性ブッシュ5a、5b、取付
け用突起部16及び台座部17間に貫通し、この貫通し
たボルト18の先端をナット19で締結することによっ
て一組の弾性ブッシュ5a、5bが取付けられている。
【0066】従って、取付け用突起部16が、弾性ブッ
シュ5a,5bに挾まれることにより、車輪支持体6の
トレーリングアーム2に対する回転が規制されて位置決
めすることができる。また、車輪支持体6がトレーリン
グアーム2に対し前方へ回転しようとするときは、弾性
ブッシュ5bが緩衝し、同後方へ回転しようとするとき
は弾性ブッシュ5aが緩衝する。従って、弾性ブッシュ
5a,5bの弾性係数の調整により、車輪8の車体に対
する前後方向の支持剛性を横剛性に係りなく調整するこ
とができる。
【0067】図7は軸支持部材4の第2の構成例を示す
断面図である。図7において、軸支持部材4は、結合軸
であるトーションバー20の両端部側に離間して一対備
えられたボールベアリング部材13b,13cで構成さ
れ、それぞれ車輪支持体6のハウジング部6b,6cに
圧入されている。トーションバー20はトレーリングア
ーム2内の軸挿通孔12aを貫通し、両側がトレーリン
グアーム2から突出し、このトーションバー20の一端
に固定された支持プレート22がハウジング部6bにボ
ルト22a,22bにより締結固定されている。トーシ
ョンバー20の他端には、ロックナット23が締結さ
れ、トーションバー20の他端とボールベアリング部材
13b,13cのインナーレース及びトレーリングアー
ム2とが一体的に構成され、車体支持体6側に対し相対
回転できるようになっている。
【0068】つまり、トレーリングアーム2の両側に回
転支持部分である一対のボールベアリング部材13b,
13cを配置することによって一対のボールベアリング
部材13b,13c間のスパンを広く取ることができる
ため、キャンバ角方向の支持剛性を第1の構成例よりも
高めることができる。
【0069】さらに、車輪8からの入力により、車輪支
持体6がトレーリングアーム2に対し、相対回転したと
きは、トーションバー20が捩じれるため、緩衝するこ
とができる。従って、前記弾性ブッシュ部材5と同様に
トーションバー20がサスペンションの前後剛性の調整
手段ともなるため、別途に前後剛性の調整手段等を設け
る必要がなく、構成のコンパクト化に供する。なお、結
合軸をトーションバー20にて構成した場合の他の利点
については後述する。
【0070】又、この第2構成例では、一対の軸支持部
材をボールベアリング部材13b,13cにて構成した
が、取付けスパンを十分に確保すれば、滑りブッシュを
用いても実用上十分なキャンバ剛性やブッシュの耐久性
を得ることができる。
【0071】図8〜図11は本発明の第2実施形態を示
し、図8はリアサスペンション装置の要部側面図、図9
(A)はリアサスペンション装置の車両側面視(S/
V)での要部構成図、図9(B)は車両後面視(R/
V)での要部構成図、図9(C)は車両平面視(P/
V)での要部構成図、図10は突起乗り越し時の状態を
示す要部側面図、図11は弾性ブッシュ部材の各回転方
向に対するブッシュ反力の特性を示す図である。
【0072】この第2実施形態にあって前記第1実施形
態と同一構成の箇所は重複説明を回避するためその説明
を省略し、異なる構成箇所のみを説明する。尚、図面に
は第1実施形態と同一部分には同一符号を付してある。
【0073】即ち、図8〜図10において、前記第1実
施形態では、結合軸7の軸線L1が車両平面視でホイー
ルセンタWCを通るよう配置されていたが、この第2実
施形態ではホイールセンタWCよりも後方にオフセット
した位置に配置されている。
【0074】また、ショックアブソーバ10は、車体側
であるホイールハウス(図示せず)と車輪支持体6との
間に設けられ、車輪支持体6に作用するよう構成されて
いる。そして、ショックアブソーバ10は、その取付け
軸線L3が空間的に結合軸7の軸線L1よりも車両前側
になるよう配置されている。
【0075】さらに、弾性ブッシュ部材5は、トレーリ
ングアーム2に一体に設けられ、一定の間隔をおいて配
置された一対のストッパ30と、この一対のストッパ3
0間に挿通されたボルト31aと、このボルト31aを
締結するナット31bと、ボルト31aの一対のストッ
パ30間の箇所に固定された弾性ブッシュ32とを有
し、この弾性ブッシュ32の外周に車輪支持体6の連結
部33が固定されている。32a,32bは、ストッパ
用のゴムである。車輪支持体6とトレーリングアーム2
間が相対的回転すると、弾性ブッシュ32はその弾性力
に抗してボルト31の軸方向に移動し、この弾性ブッシ
ュ32の移動が一対のストッパ30によって規制される
ものである。そして、この弾性ブッシュ32と一対のス
トッパ30との間は、前側(制動側)のクリアランスC
fが狭く、後側(ハーシュネス側)のクリアランスCr
が広く設定されている。
【0076】次に、上記構成の作用を説明する。この第
2実施形態でも基本的には前記第1実施形態と略同様の
作用効果を有する。
【0077】一方、この第2実施形態では、軸線L1が
車両平面視ではホイールセンタWCよりも後方にオフセ
ットした位置に配置されているため、次のような効果が
ある。つまり、図10に示すように、突起乗り越し時の
上下方向入力をFz、オフセット量をsとすると、突起
乗り越し時には車輪支持体6に軸線L1周りにワインド
アップ方向の回転モーメントM1(=s・Fz)が発生
し、この回転モーメントM1(=s・Fz)によって車
輪支持体6が積極的に車両後方へと移動される。これに
より、突起乗り越し時に発生する、車輪8の前後方向の
入力が小さくなり、突起乗り越しショックが低減され
る。又、この第2実施形態では、結合軸7の軸線L1が
ホイールセンタWCより下側で、且つ、後側に配置され
た場合を示したが、結合軸7の軸線L1がホイールセン
タWCより上側で、且つ、前側に配置された場合にも同
様の効果がある。
【0078】更に、この第2実施形態では、ショックア
ブソーバ10が車輪支持体6に作用するよう配置されて
いるため、次のような効果がある。つまり、車輪8がバ
ウンド方向に運動する際に、ショックアブソーバ10に
圧縮方向の減衰力が発生し、車輪支持体6に軸線L1周
りにワインドダウン方向の回転モーメントが伝達され
る。この回転モーメントによって、車輪支持体6にはワ
インドダウン方向の角度変化が発生し、軸線L1が内上
がり傾斜であれば車輪8にトーイン効果が得られる。即
ち、バウンド速度に応じたバウンド側トーイン効果が得
られる。
【0079】この効果は、通常のサスペンションのリン
ク配置で設定されるロールステアのようなバウンド変位
に応じたトー角変化よりも、車両運動の位相において速
い位相で発生するので(ロール速度はロール角よりも9
0度位相進み)、通常のロールステア効果よりも車両の
操縦応答の安定化効果が大きい。又、この第2実施形態
では、軸線L1が、車両後面視で車両内側上がりの傾斜
であることを前提として、ショックアブソーバ10の取
付け軸線L3が軸線L1より車両前側に配置されている
が、軸線L1が車両後面視で車両内側下がりの傾斜であ
る場合には、図12のようにショックアブソーバ10の
取付け軸線L3が軸線L1より車両後側になるよう配置
することにより、同様の効果が得られる。
【0080】また、弾性ブッシュ32と一対のストッパ
30との間は、前側(制動側)のクリアランスCfが狭
く、後側(ハーシュネス側)のクリアランスCrが広く
設定されているので、弾性ブッシュ部材5のブッシュ反
力特性は図11に示すような特性となる。つまり、制動
時のワインドアップ角度変化を押さえつつ、突起乗り越
し時の後側へのホイールセンタWCの移動を許容するこ
とができる。従って、制動時、特にショックアブソーバ
10が作動するような領域での制動力の素早い応答が得
られ、且つ、突起乗り越し時のショックを小さくするこ
とができる。
【0081】さらに、この第2実施形態のようなサスペ
ンション装置において、図7に示すような構成を適用し
た場合には、次のような効果がある。つまり、この第2
実施形態のようにホイールセンタWCに対し結合軸7の
軸線L1を後方にオフセットする場合には、トレーリン
グアーム2と車輪支持体6との間に設けられる弾性ブッ
シュ部材5やトーションバー20にプリロードがかかる
ことになる。その場合、弾性ブッシュ部材5を使用する
と、ブッシュのクリープによるへたりが発生したり、ブ
ッシュ剛性を十分に低下させることができなくなる。図
7に示す構成では、上記プリロードをトーションバー2
0で受けるため、クリープ等を起こすことがなく耐久性
に優れ、又、十分に前後剛性を低下させることができ
る。
【0082】図12及び図13は、本発明の第3実施形
態を示し、図12はサスペンション装置の斜視図、図1
3は突起乗り越し時の状態を示す要部側面図である。
【0083】図12及び図13において、ラテラルリン
ク40とコントロールリンク41によって車両横方向の
自由度を規定したタイプのトーションビーム式サスペン
ションであり、トーションビーム42の両側にはサスペ
ンションアームである一対のパナールロッド44の一端
が固定されていると共に、トーションビーム42の両端
にはそれぞれ車輪支持体6が軸支持部材4を介して回転
可能に連結されている。軸支持部材4の軸の軸線L1は
車輪支持体6のホイールセンタ軸L2よりも下側に配置
されている。
【0084】また、ショックアブソーバ10は車輪支持
体6に作用するよう設けられ、このショックアブソーバ
10の取付け軸線L3が、空間的に軸線L1より車両後
側になるよう配置されている。
【0085】次に、上記構成の作用を説明する。図13
に示すように、突起乗り越し時の上下方向入力をFzと
すると、突起乗り越し時には車輪支持体6に軸線L1周
りにワインドアップ方向の回転モーメントM2が伝達さ
れ、この回転モーメントM2によって車輪支持体6が積
極的に車両後方へと移動される。これにより、突起乗り
越し時に発生する、車輪8の前後方向の入力が小さくな
り、突起乗り越しショックが低減される。
【0086】この第3実施形態では、軸支持部材4の軸
の軸線L1が車輪支持体6のホイールセンタWCよりも
下側に配置され、且つ、ショックアブソーバ10が車輪
支持体6側に作用するよう設けられると共に、このショ
ックアブソーバ10の取付け軸線L3が、空間的に軸線
L1より車両後側になるように配置された場合を示した
が、軸線L1が車輪支持体6のホイールセンタL2より
も上側に配置され、且つ、ショックアブソーバ10が車
輪支持体6側に作用するよう設けられると共に、このシ
ョックアブソーバ10の取付け軸線L3が、空間的に軸
線L1より車両前側になるように配置された場合にも、
同様の効果が得られる。
【0087】尚、前記各実施形態によれば、本発明を各
種トーションビーム式サスペンションに適用した場合を
示したが、これ以外のサスペンションにも適用可能であ
り、例えば第2従来例のようなセミトレーリング式サス
ペンションにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、リアサスペンシ
ョン装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、(A)は車両側
面視(S/V)での要部構成図、(B)は車両後面視
(R/V)での要部構成図、(C)は車両平面視(P/
V)での要部構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、(A)は制動力
入力状態を示す要部斜視図、(B)は車両後面視(R/
V)での制動力入力時の分力方向を示す構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、(A)は車両平
面視(P/V)での横力入力状態を示す構成図、(B)
は横力入力状態を示す要部斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、回転支持部の第
1構成例を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、弾性ブッシュ部
材の取付け構成例を示す側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示し、回転支持部の第
2構成例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、リアサスペンシ
ョン装置の要部側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、(A)はリアサ
スペンション装置の車側面視(S/V)での要部構成
図、(B)は車両後面視(R/V)での要部構成図、
(C)は車両平面視(P/V)での要部構成図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示し、突起乗り越し
時の状態を示す要部側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示し、弾性ブッシュ
部材の各回転方向に対するブッシュ反力の特性を示す図
である。
【図12】本発明の第3実施形態を示し、リアサスペン
ション装置の斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示し、突起乗り越し
時の状態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
2 トレーリングアーム(サスペンションアーム) 4 軸支持部材 5 弾性ブッシュ部材(第2の緩衝体) 6 車輪支持体 7 結合軸 8 車輪 10 ショックアブソーバ 13 ボールベアリング(回転支持部分) 20 トーションバー(結合軸) 30 ストッパ 32 弾性ブッシュ 42 トーションビーム(サスペンションアーム) L1 回転支持部の軸の軸線 L2 ホイールセンタ L3 ショックアブソーバの取付け軸線

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略車両前後方向に延設されて前端が第1
    の緩衝体を介して車体側に上下回転自在に支持されたサ
    スペンションアームと、 該サスペンションアームの後端側に支持され、車輪を回
    転自在に支持する車輪支持体とを備え、 前記車輪支持体は、前記サスペンションアームに対し前
    記車輪の回転中心となるホイールセンタから上下方向に
    オフセットされて略車両横方向に伸びた結合軸を介して
    回転可能に連結され、 前記車輪支持体とサスペンションアームとの間に、車輪
    支持体の前記回転を規制緩衝する第2の緩衝体を設けた
    ことを特徴とするリアサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリアサスペンション装置
    であって、 前記結合軸は、前記ホイールセンタより下方に配置され
    たことを特徴とするリアサスペンション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のリアサスペ
    ンション装置であって、 前記結合軸は、車両平面視では、その軸線が前記車輪の
    ホイールセンタを通ることを特徴とするリアサスペンシ
    ョン装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載のリアサスペン
    ション装置であって、 前記結合軸は、車両後面視では、車両内側上がりに傾斜
    配置されたことを特徴とするリアサスペンション装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリアサスペンション装置
    であって、 前記結合軸は、車両平面視では、車両外側で後方に指向
    するように傾斜配置されたことを特徴とするリアサスペ
    ンション装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項3記載のリアサスペン
    ション装置であって、 前記結合軸は、車両後面視では、車両内側下がりに傾斜
    配置され、且つ、車両平面視では、車両外側前方に指向
    するように傾斜配置されたことを特徴とするリアサスペ
    ンション装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6記載のリアサスペン
    ション装置であって、 前記結合軸は、車両平面視では、その軸線を前記車輪の
    ホイールセンタよりも車両後方側に配置し、且つ、車両
    後面視では、その軸線を前記ホイールセンタよりも車両
    下方側に配置したことを特徴とするリアサスペンション
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6記載のリアサスペン
    ション装置であって、 前記結合軸は、車両平面視では、その軸線が前記車輪の
    ホイールセンタよりも車両前方側に配置され、且つ、車
    両後面視では、その軸線を前記ホイールセンタよりも車
    両上方側に配置したことを特徴とするリアサスペンショ
    ン装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項5、請求項7、請求項
    8記載のリアサスペンション装置であって、 前記結合軸は、車両後面視では、車両内側上りに傾斜配
    置されると共に、前記車輪支持体と車体側との間にショ
    ックアブソーバを設け、このショックアブソーバの取付
    け軸線を前記結合軸よりも車両前方側に配置したことを
    特徴とするリアサスペンション装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項3、請求項6〜請求
    項8記載のリアサスペンション装置であって、 前記結合軸は、車両後面視では、車両内側下りに傾斜配
    置されると共に、前記車輪支持体と車体側との間にショ
    ックアブソーバを設け、このショックアブソーバの取付
    け軸線を前記結合軸よりも車両後方側に配置したことを
    特徴とするリアサスペンション装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項7、請求項9、請求
    項10記載のリアサスペンション装置であって、 前記結合軸は、車両後面視では、前記ホイールセンタよ
    り車両下側に配置されると共に、前記車輪支持体と車体
    側との間にショックアブソーバを設け、このショックア
    ブソーバの取付け軸線を前記結合軸よりも車両後方側に
    配置したことを特徴とするリアサスペンション装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項6、請求項8〜請求
    項10記載のリアサスペンション装置であって、 前記軸は、車両後面視では、前記ホイールセンタより車
    両上側に配置されると共に、前記車輪支持体と車体側と
    の間にショックアブソーバを設け、このショックアブソ
    ーバの取付け軸線を前記結合軸よりも車両前方側に配置
    したことを特徴とするリアサスペンション装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項12記載のリアサス
    ペンション装置であって、 前記結合軸は、前記車輪支持体と前記サスペンションア
    ームとの間の軸方向相対変位を許容しない軸支持部材で
    支持されたことを特徴とするリアサスペンション装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜請求項13記載のリアサス
    ペンション装置であって、 前記軸支持部材は、前記結合軸の両端部側に離間して一
    対配置されたことを特徴とするリアサスペンション装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項14記載のリアサス
    ペンション装置であって、 前記車輪支持体と前記サスペンションアームとの間の第
    2緩衝体は、前記結合軸を中心とする回転力を受ける弾
    性ブッシュと、この弾性ブッシュの変動を制動側、ハー
    シュネス側で規制する一対のストッパとからなり、前記
    弾性ブッシュと前記ストッパとの間における制動側のク
    リアランスが狭く、ハーシュネス側のクリアランスが広
    く設定されたことを特徴とするリアサスペンション装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜請求項15記載のリアサス
    ペンション装置であって、 前記結合軸は、前記サスペンションアームと前記車輪支
    持体との相対的回転によって捩じられて前記第2の緩衝
    体を兼ねるトーションバーにて構成されたことを特徴と
    するリアサスペンション装置。
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