JP2000312838A - 磁気分離装置 - Google Patents

磁気分離装置

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JP2000312838A
JP2000312838A JP11122275A JP12227599A JP2000312838A JP 2000312838 A JP2000312838 A JP 2000312838A JP 11122275 A JP11122275 A JP 11122275A JP 12227599 A JP12227599 A JP 12227599A JP 2000312838 A JP2000312838 A JP 2000312838A
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magnetic
filter
fluid
treated
separation
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JP11122275A
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English (en)
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Hisashi Isokami
尚志 磯上
Norihide Saho
典英 佐保
Minoru Morita
穣 森田
Michiyuki Sano
理志 佐野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気分離装置における処理効率の向上を図
る。 【解決手段】 流入口10から流入した被処理流体が磁
場発生手段1のボア部3を通過した後に流出口33から
外部に排出されるように流路が形成され、この流路を被
処理流体が流下する間に、磁場発生手段による磁場を受
ける磁気フィルタ4による磁性物の吸着分離がなされる
ようになっている。そして流入口から流入した被処理流
体の流れ方向を流入方向と直交する方向に変えつつ被処
理流体にその流路断面積の拡大を生じさせる、拡大部
(フィルタ枠12)が流路中に設けられており、この拡
大部を経た後に被処理流体が磁気フィルタによる磁性物
の吸着分離を受けるようにされている。 【効果】 磁気フィルタによる吸着分離に先立て被処理
流体中の磁性物に拡大部において沈降分離を生じさせる
ことができ、これにより磁気フィルタの負荷を軽減さ
れ、磁気分離装置における処理効率を向上させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体からそれに混
入している固形物を磁気力により吸着して分離するため
の磁気分離装置に関し、例えば汚濁水中から固形浮遊物
を磁性凝集体化して吸着除去するなどの場合に好適な磁
気分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気分離については既に多くの技術が知
られている。例えば化学技術誌MOLVol.22, No.12 p4
7-51, (1984) に述べられる例のように、少ない電力で
大きな磁場強度を得られる超電導磁石を磁場発生手段に
用いる構造はその代表的な一つであるが、この他に永久
磁石や通常の電磁磁石などを磁場発生手段に用いること
もある。
【0003】例えば汚濁水の浄化処理に用いられる超電
導磁石タイプの磁気分離装置は一般に、その超電導磁石
に、ボア部が上下に貫通するように設けられており、こ
のボア部を通るように被処理水の流路が形成され、その
流路を流下する間に、超電導磁石による磁場を受ける磁
気フィルタにより被処理水中からそれに含まれる磁性物
である磁性フロック(これは被処理水に磁性物質と凝集
剤を添加することで被処理水中に生成される)を吸着し
て分離するようになっている。その磁気フィルタは、磁
性細線で形成されるのが一般で、超電導磁石が発生する
磁場によって磁化され、その磁性細線の近傍に大きな磁
気勾配が生じる。そして被処理水中の磁性フロックに働
く磁気力は、磁性フロックの磁化と磁場勾配の積に比例
する。このため上記のように大きな磁場勾配の存在する
空間では磁性フロックが大きな磁気力で吸着される。し
たがって、被処理水中から磁性フロックのみを効率的に
吸着分離することができる。
【0004】このような磁気分離装置では、吸着した磁
性物の堆積により経時的に磁気フィルタの吸着能力や通
水性が低下する。そこで磁気フィルタの再生のために洗
浄を施す必要がある。この洗浄は、従来にあっては被処
理水の通水を停止して行なわれており、したがってその
間は被処理水に対する浄化処理が停止することになる。
このため洗浄再生の運転時間が長くなるほど処理効率が
低下することになる。また磁場発生手段に超電導磁石を
用いている場合には、洗浄のための通電の停止と洗浄後
の通電の再開にかなりの時間を要するため、さらに処理
効率の低下を招くことになる。
【0005】このような磁気フィルタの再生洗浄に伴う
処理効率の低下に対処する技術として、特開平10−1
18424号公報に開示の技術が知られている。この技
術では、磁気フィルタを円盤状に形成すると共に、これ
を回転させることで、磁性物の吸着分離と磁気フィルタ
の再生洗浄とを同時並行的に行なえるようにしている。
すなわち磁気フィルタによる磁性物の吸着処理をなす分
離領域と、磁気フィルタの再生のための洗浄処理をなす
洗浄領域を設け、上記磁気フィルタの回転で磁気フィル
タの一部ずつを上記分離領域と洗浄領域に交互に位置さ
せ、これにより吸着分離と再生洗浄とを同時並行的に行
なえるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記技術の
ように磁気フィルタを回転させる場合には、効率的な吸
着分離をなさせるために、回転する磁気フィルタと被処
理流体との間の相対速度による抵抗に打ち勝つだけの磁
気力を必要とする。このため、磁性の小さな磁性物まで
分離できるように分離能力を高めるには、被処理流体の
流量を減らして流速を小さくするか、あるいは磁気フィ
ルタの回転速度を小さくする必要があった。しかし被処
理流体の流量を減らすことは処理効率の低下を招くし、
一方、磁気フィルタの回転速度を小さくすると、磁気フ
ィルタの有効部分、つまり洗浄により再生されて吸着能
力が高くなっている部分が被処理流体と接触する比率が
低下することになり、十分な吸着能力を確保するには磁
気フィルタを厚くするなどしてその容積を大きくする必
要がある。
【0007】本発明は上記のような事情を背景になされ
たものであり、その目的は、磁気分離装置における処理
効率の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本発明
では、ボア部が上下に貫通するように設けられた磁場発
生手段と、この磁場発生手段が発生する磁場を受けて前
記被処理流体中からそれに含まれる磁性物を吸着して分
離する磁気フィルタと、前記被処理流体を流入させるた
めの流入口と、磁性物の分離がなされた処理済流体を外
部に排出するための流出口を備えており、前記流入口か
ら内部に流入した前記被処理流体が前記ボア部を通過し
た後に前記流出口から外部に排出されるように流路が形
成され、この流路を前記被処理流体が流下する間に、前
記磁気フィルタによる磁性物の吸着分離がなされるよう
になっている磁気分離装置において、前記流入口から流
入した前記被処理流体の流れ方向を流入方向と直交する
方向に変えつつ前記被処理流体にその流路断面積の拡大
を生じさせる、拡大部が前記流路中に設けられており、
この拡大部を経た後に前記被処理流体が前記磁気フィル
タによる磁性物の吸着分離を受けるようになっているこ
とを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を水処理に適用する場合の例について説明する。先ず本
発明による磁気分離装置を組み込んだ水処理システムに
ついて簡単に説明する。図3に水処理システムの概略を
示す。この水処理システムは、河川や湖沼あるいは内海
などの浄化対象水域において例えば赤潮などとなるプラ
ンクトンの大量発生を生じた場合にこれを迅速に除去し
て浄化するなどとして用いるの適しており、例えば船舶
に載せて移動しながら用いる構造とすることができる。
このような水処理システムによる浄化処理の概略は以下
の通りである。
【0010】先ず、対象水域21から被処理水を、大き
なゴミを取るためのフィルタ22を通してポンプ23で
原水貯槽24に原水として汲み上げる。原水貯槽24を
出た被処理水(原水)は、シーディング剤調整装置25
から供給される四酸化鉄等の磁性粉とポリ塩化アルミニ
ウム等の凝集剤が添加された後に撹絆槽26で撹絆を受
ける。これにより原水に含まれている固形物が磁性フロ
ック化する。こうして得られた磁性フロックを含んだ被
処理水(前処理水)は、磁気分離装置27にその流入口
10から導入され、その内部で後述するような浄化処理
を受ける。浄化処理を経て得られた処理済水は、磁気分
離装置27の流出口33から取り出され、直接的に対象
水域21に返送されるか、または処理済水槽16に一旦
溜めた後に対象水域21に返送される。
【0011】磁気分離装置27においてその磁気フィル
タ4により被処理水から吸着分離された磁性フロック
は、磁気フィルタ4の再生洗浄により回収され、汚泥用
配管15を通じて汚泥濃縮タンク14に貯えられる。磁
気フィルタ4の洗浄は、ボンベ17から供給される空気
によるバブル洗浄、あるいは処理済水槽16から供給さ
れる洗浄用水や汚泥濃縮タンク14の上澄み液から供給
される洗浄用水の注入でなされる。濃縮汚泥タンク14
では、回収された磁性フロックが濃縮される。その際に
生じる上澄み液は、前述のようにフィルタの洗浄用水と
して利用するか、原水貯槽24に返送される。濃縮され
た磁性フロックは、例えばミキサーが用いられる粉砕機
18で粉砕され後、磁選機19により磁性粉の分離回収
を受ける。回収された磁性粉は、シーディング剤調整装
置25に返送されて再利用される。磁性粉が回収された
後のフロックは汚泥となり、遠心脱水機20で含水率を
低下させられた後に汚泥取り出し口28から取り出され
る。取り出された汚泥は、焼却あるいはコンポスト化な
どの汚泥処理過程に送られる。遠心脱水機20で分離し
た水は、対象水域21に戻されるか、または原水貯槽2
4に返送される。
【0012】図1と図2に第1の実施形態による磁気分
離装置の構成を示す。これらの図に見られるように、磁
気分離装置は磁場発生手段として超電導磁石1を備え、
またこの超電導磁石1による磁場を受けて磁気分離に機
能する磁気フィルタ4を備えている。超電導磁石1に
は、その内部を上下(被処理水の流れ方向)に貫通する
ようにしてボア部3が設けられており、このボア部3は
磁気分離装置における被処理水の流路の一部をなしてい
る。つまり磁気分離装置における被処理水の流路は、後
述の流入口10から内部に流入した被処理流体がボア部
3を通過した後に後述の流出口33から外部に排出され
るように形成されている。
【0013】超電導磁石1は、外部と真空断熱するため
に真空容器2の中に設置され、極低温に冷却されて超電
導状態を保つ。極低温に冷却するためには、液体ヘリウ
ムや液体窒素等の冷媒で冷却しても良いが、冷凍機31
により冷却すれば、操作が容易であり、さらに真空容器
2の内部に冷媒槽を設ける必要がなくなるため、磁気フ
ィルタ4と超電導磁石1との距離を小さくすることがで
きる。また超電導磁石1は、支持体30により真空容器
2の内部において上部フランジより吊り下げて支持され
ている。このようにすることで、超電導磁石1と真空容
器2の上部フランジとの間に十分な間隔を取ることが可
能となり、真空容器2から超電導磁石1に侵入する伝導
熱は支持体30を介して伝わるだけになり、したがって
極低温の超電導磁石1に侵入する伝導伝熱量を極力小さ
くすることができる。
【0014】冷凍機31は、例えば2段のGifford-McMa
hon 型冷凍機であり、2段目の温度ステージと超電導磁
石1とを熱的に接触させることによって超電導磁石1を
極低温の超電導状態に保つ。また冷凍機31の第1段と
熱接触させることにより冷却したアルミニウムあるいは
銅等の良熱伝導部材で構成した熱シールド34で超電導
磁石1を取り囲むことによって、真空容器2の壁から超
電導磁石1に侵入する輻射熱を低減する。この場合、真
空容器2の内部空間に適宜な断熱材を挿入すれば、輻射
熱をより一層低減することが可能である。
【0015】超電導磁石1への電流供給は、電源29か
ら電流リード32を通じて行なわれる。この電流リード
32は、高温超電導材で形成し、冷凍機31で冷却でき
るように構成すれば、ジュール発熱を抑えることができ
る。このようにすることで、超電導磁石1に侵入する熱
量をさらに一層減らすことができる。なお電流リード3
2を脱着式にして、永久電流スイッチを設けるようにし
ても良い。
【0016】磁気フィルタ4は、例えば430ステンレ
スなどの磁性体を用いた磁性細線構造で形成されてお
り、全体としてドーナツ形となるようにされている。ま
た磁気フィルタ4は、フィルタ枠12に納められ、超電
導磁石1の下側(上流側)に位置するように配されてい
る。フィルタ枠12は、磁気フィルタ4のドーナツ形状
に対応して短くて平たい円筒状に形成されている。この
フィルタ枠12の内部には分離領域4aと洗浄領域4b
が設けられている。分離領域4aは、磁気フィルタ4に
よる磁性フロックの吸着分離処理をなすための領域で、
超電導磁石1による例えば0.6〜1T程度の高磁場が
作用する部位である超電導磁石1の下側に磁気フィルタ
4が臨んでその強い磁場を十分に受ける位置に設けられ
ている。一方、洗浄領域4bは、磁性フロックを吸着し
た磁気フィルタ4を再生するための洗浄処理をなす領域
であり、磁気フィルタ4に吸着されている磁性フロック
を分離させやすいように、超電導磁石1による磁場の影
響が及ばない程度に超電導磁石1から離れた位置に設け
られている。そして駆動装置5により磁気フィルタ4が
超電導磁石1のボア部3の中心軸と平行な回転軸を中心
に回転させられる、この回転に伴って磁気フィルタ4が
その一部ずつを前記分離領域4aと洗浄領域4bに交互
に位置させるようにされている。
【0017】またフィルタ枠12には被処理水を磁気分
離装置に導入するための流入口10が接続されている。
流入口10は、その中心軸が超電導磁石1のボア部3の
中心軸に対し位置を異ならせる、つまりずらせるように
配されている。したがって流入口10から流入した被処
理水は、平たい円筒状のフィルタ枠12が与える流路の
面積が流入口10に比べて格段に大きいために、先ずフ
ィルタ枠12の内部でその流れ方向を流入方向と直交す
る方向(図の例では横方向)に変えつつその流路断面積
の急激な拡大を生じて流速を激減させる。つまりフィル
タ枠12が被処理水の流路に流速激減のための拡大部を
与えている。フィルタ枠12の内部で横方向に広がった
被処理水は、最終的にはその大部分が分離領域4aを通
ることで磁性フロックの吸着分離処理を受けて処理済水
となった後にボア部3に流入し、さらに流出口33から
外部に排出されるが、その過程で一部が洗浄領域4bに
入り込む。
【0018】洗浄領域4bに入り込んだ被処理水は、最
終的には大部分が分離領域4aに流れて行き、そこで磁
気フィルタ4による磁性フロックの吸着分離処理を受け
るものの、それまでの間に大きめの磁性フロックなどの
ように沈降しやすい磁性フロックを沈降させる。すなわ
ち上記のように洗浄領域4bでは磁場の影響を受けない
か、または受けても小さいことから、磁気フィルタ4に
よる磁性フロックの吸着は生じない。このため沈降しや
すい磁性フロックは、洗浄領域4bでの洗浄処理により
磁気フィルタ4から剥離された磁性フロックが汚泥排出
口6に向けて沈降するのと同様にして沈降する。これら
の磁性フロックは、汚泥排出口6から汚泥用配管15を
通って排出される少量の水とともに排出される。この結
果、洗浄領域4bを経た被処理水は、最終的に分離領域
4aへ流れて行くまでに磁性フロックの量を減らすこと
になる。このため、分離領域4aにおける磁気フィルタ
4の負荷量が軽減される。そしてこのことで、分離領域
4aにおける磁気フィルタ4による磁性フロックの吸着
分離をより効率的に生じさせることができるようにな
り、したがって全体として処理効率を高めることができ
る。
【0019】ここで、磁気フィルタ4の回転速度は非常
にゆっくりであるため、回転により磁気フィルタ4から
磁性フロックが剥がし落とされるようなことはない。ま
た磁気フィルタ4の回転方向が分離領域4aから見て流
入口10とは違う方向であるため、流入する被処理水に
よって磁気フィルタ4から磁性フロックが剥がし落とさ
れることもない。さらに磁気フィルタ4の回転を断続的
に行なうようにすれば、洗浄部4bでバブル洗浄を行な
ってもその際に発生する気泡が分離領域4aに侵入する
のを防止することができる。すなわちバブル洗浄の気泡
が分離領域4aに侵入すると、この気泡により分離領域
4aにおける磁気フィルタ4から磁性フロックを剥がし
落とされ、そのために処理済水に磁性フロックが再び混
入することになるが、このような現象を防止することが
できる。
【0020】また断続的に回転を行う場合には、超電導
磁石1に通電する電流値を回転中のみ若干低下させる
と、回転中の磁場変動によるクエンチを防止できる。ま
た超電導磁石に通電する電流値を洗浄中のみ低下させる
と、洗浄を行いやすくなる。このように電流値を低下さ
せたる場合には、磁場強度が低下して磁性フロックの十
分な吸着分離がなされずに浄化レベルが低下するのを防
止するために、電流値の低下に応じて通水流量を低下さ
せるようにするのが好ましい。また洗浄中は、汚泥排出
口6から汚泥用配管15で引き抜く水量を増加させるこ
とで、分離領域4aに流入する被処理水の流量を減らす
ことも可能である。
【0021】上記のようにフィルタ枠12に接続する流
入口10は、その中心軸が超電導磁石1のボア部3の中
心軸に対しずらされている。この構造は、上記のように
フィルタ枠12を拡大部として機能させる他に、他の利
点も与える。それは分離領域4aにおいてヨーク部材7
をフィルタ枠12に取り付けることができることであ
る。ヨーク部材7は、例えば鉄のような強磁性体で形成
されており、超電導磁石1からの磁場がフィルタ枠12
の外部まで及ぶのを防止するのに機能すると共に、分離
領域4aにおける磁路の形成を強める、つまり超電導磁
石1からの磁束線を分離領域4aに向けて伸びさせるよ
うに機能する。このため分離領域4aには均一で大きな
磁場を得ることができ、したがって超電導磁石1の効率
を高めることができる。
【0022】本実施形態における他の特徴は、真空容器
2の側面と上面にもヨーク部材7と同様なヨーク部材8
やヨーク部材9を設置していることである。このこと
で、より効率よく磁気回路を形成することができ、した
がって小さな起磁力で済ませることが可能となる。また
ヨーク部材9を設置したことで、超電導磁石1の下側に
ある磁気フィルタ4およびヨーク部材7と超電導磁石1
との間に働く磁気力に超電導磁石1に働く重力を加えた
力が、超電導磁石1の上側にあるヨーク部材9と超電導
磁石1との間に働く磁気力と釣り合うように設計すれ
ば、支持体30の必要応力を小さなもので済ませること
ができる。その結果、コスト低減を図れると共に、支持
体30の断面積を小さくすることで、支持体30を介し
て超電導磁石1に侵入する伝導伝熱量をより小さくする
ことが可能となる。
【0023】本実施形態におけるさらに他の特徴は、支
持体30、電流リード32、および冷凍機31の取付な
どを全て真空容器2の上部フランジから行なうようにし
ていることである。このため、製作し易くなり、またメ
ンテナンスの負担を軽減できる。
【0024】図4に第2の実施形態による磁気分離装置
の構成を示す。本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、磁気フィルタ4を超電導磁石1の上下に設けている
ことである。このようにすることで、吸着分離能力を増
強させることができ、磁気フィルタ4をより低速で回転
させたり、あるいは磁気フィルタ4を断続的に回転させ
る場合の停止時間を長くしたりすることができる。つま
り磁気フィルタ4の回転速度を落としたり、回転停止時
間を長くしても、磁気フィルタ4が破かして吸着能力や
通水性を失う現象を効果的に避けることができる。この
結果、磁気フィルタ4に吸着されている磁性フロックが
磁気フィルタ4の回転により剥がれ落ちる危険性をさら
に小さくすることが可能となる。
【0025】本実施形態のように磁気フィルタ4を超電
導磁石1の上下に設けるについては、上下の各磁気フィ
ルタ4と超電導磁石1との間隔をできるだけ小さくする
のが望ましい。そのためには、熱シールド34の内部に
おいてその高さ方向の中間部あたりで支持体30aによ
り超電導磁石1を支持すると共に、真空容器2の内部に
おいて同じくそのその高さ方向の中間部あたりで支持体
30bにより熱シールド34を支持する構造とする。す
なわちこのような構造とすることで、真空断熱間隔を小
さく保ちながら伝熱距離の長い支持構造とすることがで
き、したがって上下の各磁気フィルタ4と超電導磁石1
との間隔をできるだけ小さくすることができる。これに
用いる支持体30aや30bには、熱伝導率の小さなも
のが適しており、そのようなものとしては、例えばカー
ボン製のワイヤをエポキシ等の樹脂で固めたものを挙げ
ることができる。
【0026】図5に第3の実施形態による磁気分離装置
の構成を示す。本実施形態では第1の実施形態とは逆に
一つだけの磁気フィルタ4を超電導磁石1の上側(下流
側)に設けている。そしてこれに応じて、超電導磁石1
の下側にはフィルタ枠12に類似した平たい円筒状の拡
大部40を設け、この拡大部40に流入口10と汚泥排
出口6を接続してある。流入口10の中心軸が超電導磁
石1のボア部3の中心軸に対し位置を異ならせているこ
とは第1の実施形態と同様であり、したがって流入口1
0から流入する被処理水は、第1の実施形態において拡
大部として機能していたフィルタ枠12におけると同様
に、拡大部40の内部でその流れ方向を流入方向と直交
する方向に変えつつその流路断面積の急激な拡大を生じ
て流速を激減させる。そして被処理水は、拡大部40の
内部を緩やかに流れた後にボア部3に流入し、ボア部3
を通過して磁気フィルタ4の分離領域4aに到り、その
間に沈降しやすい磁性フロックを沈降させることで、磁
気フィルタ4に対する負荷を軽減させる。
【0027】本実施形態のように磁気フィルタ4を超電
導磁石1の上側に設ける構造は、被処理水の流入による
影響が直接に磁気フィルタ4に及ぼすのを避けることが
できる。また磁気フィルタ4が上側のみにあるために、
超電導磁石1にかかる磁気力は上向きであり、この力を
超電導磁石1の重力と釣り合わせることで、支持体30
は小さくすることができる。なお本実施形態では超電導
磁石1の支持構造を第2の実施形態におけるそれと同様
にしてあるが、これは適宜に変更することができる。
【0028】図6に第4の実施形態による磁気分離装置
の構成を示す。本実施形態では、ボア部3の長さにほぼ
等しい厚みにした磁気フィルタ4をボア部3の内部に設
置しており、これに応じて、超電導磁石1の下側に第3
の実施形態におけると同様な拡大部50を設け、この拡
大部50に流入口10と汚泥排出口6を接続してある。
そして流入口10の中心軸が超電導磁石1のボア部3の
中心軸に対し位置を異ならせていることも第3の実施形
態と同様である。
【0029】本実施形態においては、流入口10に設け
てある被処理水流入弁36と流出口33に設けてある浄
化済水流出弁37を開けながら磁気フィルタ4による磁
性フロックの分離運転を行う。この分離運転においては
磁気フィルタ4の一部、つまりボア部3の長さにほぼ等
しい厚みがある磁気フィルタ4の内、超電導磁石1によ
る磁場を十分に受ける部分だけが実効部4eとして吸着
分離に機能する。分離運転中は汚泥出口弁38は微量で
流出するように開いており、重力沈降により汚泥排出口
6に堆積して濃縮した汚泥は汚泥出口弁38を通って汚
泥排出管15に流れていく。
【0030】本実施形態における磁気フィルタ4の再生
洗浄は、被処理水流入弁36を閉じることで被処理水の
流入を停止させて行なう。再生洗浄に際しては、磁気フ
ィルタ4を下降させてその実効部4eを超電導磁石1に
よる磁場が及ばない位置まで移動させる。このようにし
ても磁気フィルタ4の厚みがボア部3の長さ程度である
ために、磁気フィルタ4の全体が超電導磁石1による磁
場から外れることはない。このため洗浄中に超電導磁石
1の通電を停止する必要がない。
【0031】上記の各実施形態では磁気分離装置を水処
理システムに利用する場合を例にとって説明したが、本
発明による磁気分離装置は、他の固液分離システム、例
えば廃水や汚泥などから有害物などを取り除く固液分離
システムや、何らかの液状物に含まれる有用な物質を取
り出す固液分離システムにもに利用することができる。
また上記の各実施形態では被処理水中に強磁性の粒子を
添加して磁性フロックを形成させる例について説明した
が、超電導磁石による高磁場であれば、常磁性体や反磁
性の粒子を添加して形成させた磁性フロックでも吸着分
離することが可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、被
処理流体の流路中に拡大部を設け、この拡大部において
被処理流体の流れ方向を流入方向と直交する方向に変え
つつ被処理流体の流速を緩やかにした後に磁気フィルタ
による磁性物の吸着分離を受けさせるようにしているの
で、磁気フィルタによる吸着分離に先立て被処理流体中
の磁性物に沈降分離を生じさせることができ、これによ
り磁気フィルタの負荷を軽減がされ、磁気分離装置にお
ける処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による磁気分離装置の模式化し
た側面図である。
【図2】第1の実施形態による図1の磁気分離装置の模
式化した部分平面図である。
【図3】本発明による磁気分離装置を適用する水処理シ
ステムの構成図である。
【図4】第2の実施形態による磁気分離装置の模式化し
た側面図である。
【図5】第3の実施形態による磁気分離装置の模式化し
た側面図である。
【図6】第4の実施形態による磁気分離装置の模式化し
た側面図である。
【符号の説明】
1 超電導磁石(磁場発生手段) 3 ボア部 4 磁気フィルタ 4a 分離領域 4b 洗浄領域 7 ヨーク部材 12 フィルタ枠 10 流入口 33 流出口 40 拡大部 50 拡大部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 穣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐野 理志 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボア部が上下に貫通するように設けられ
    た磁場発生手段と、この磁場発生手段が発生する磁場を
    受けて前記被処理流体中からそれに含まれる磁性物を吸
    着して分離する磁気フィルタと、前記被処理流体を流入
    させるための流入口と、磁性物の分離がなされた処理済
    流体を外部に排出するための流出口を備えており、前記
    流入口から内部に流入した前記被処理流体が前記ボア部
    を通過した後に前記流出口から外部に排出されるように
    流路が形成され、この流路を前記被処理流体が流下する
    間に、前記磁気フィルタによる磁性物の吸着分離がなさ
    れるようになっている磁気分離装置において、前記流入
    口から流入した前記被処理流体の流れ方向を流入方向と
    直交する方向に変えつつ前記被処理流体にその流路断面
    積の拡大を生じさせる、拡大部が前記流路中に設けられ
    ており、この拡大部を経た後に前記被処理流体が前記磁
    気フィルタによる磁性物の吸着分離を受けるようになっ
    ていることを特徴とする磁気分離装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気フィルタによる磁性物の吸着処
    理をなす分離領域と、磁性物を吸着した前記磁気フィル
    タの再生のための洗浄処理をなす洗浄領域が前記フィル
    タ枠内に設けられると共に、前記磁気フィルタが、前記
    ボア部の中心軸と平行な回転軸を中心に回転すること
    で、その一部ずつを前記分離領域と洗浄領域に交互に位
    置させるようにされている請求項1に記載の磁気分離装
    置。
  3. 【請求項3】 前記磁気フィルタを納めてあるフィルタ
    枠が拡大部を形成している請求項2に記載の磁気分離装
    置。
  4. 【請求項4】 磁路形成を強めるためのヨーク部材を前
    記フィルタ枠の外面に前記分離領域と対応させて設けた
    請求項3に記載の磁気分離装置。
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