JPH10118518A - 磁気分離浄化装置 - Google Patents

磁気分離浄化装置

Info

Publication number
JPH10118518A
JPH10118518A JP27584796A JP27584796A JPH10118518A JP H10118518 A JPH10118518 A JP H10118518A JP 27584796 A JP27584796 A JP 27584796A JP 27584796 A JP27584796 A JP 27584796A JP H10118518 A JPH10118518 A JP H10118518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
water
heavy metal
treated
suspended solids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27584796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Isokami
尚志 磯上
Norihide Saho
典英 佐保
Minoru Morita
穣 森田
Takeo Takagi
武夫 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP27584796A priority Critical patent/JPH10118518A/ja
Publication of JPH10118518A publication Critical patent/JPH10118518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/48Treatment of water, waste water, or sewage with magnetic or electric fields
    • C02F1/488Treatment of water, waste water, or sewage with magnetic or electric fields for separation of magnetic materials, e.g. magnetic flocculation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/52Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities

Landscapes

  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、被分離排水中から浮遊固形物
と重金属とを選択的に除去することにより、各成分の再
利用を可能とする装置を提供することにある。 【解決手段】被処理廃水に、磁性粉及び凝集剤を注入し
て磁性フロックを形成し、前記磁性フロックを磁気分離
器7で除去した後、反応炉で排水中の重金属イオンをフ
ェライト化して、磁性スピネルフェライトを再度磁気分
離器で除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化装置に関し、
特に浮遊固形物及び溶解重金属を含んだ水の浄化装置の
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】排水中の重金属を除去する方法として、
フェライト法を用いた例が、「公害と対策 Vol.13、 N
o.1 p37-p41、 (1977)」に記載されている。以下説明す
る。排水中に溶解している重金属イオンは、硫酸第1鉄
(FeSO4・7H20)を適量加え、アルカリで中和した後、60℃
〜70℃に加熱した状態で空気酸化を行うと、スピネルフ
ェライトの結晶に変化する。このスピネルフェライトの
組成は、重金属イオン(Mイオン)を取り込んだMxFe3-
xO4で表され、強磁性を示す。上記方法で生成した強磁
性のスピネルフェライト粒子を磁石を用いて分離(磁気
分離)すれば、排水中から重金属イオンを取り除くこと
ができる。
【0003】一部の工場、大学、研究所実験室等の排水
には、重金属イオンのみを多量に含む場合があるが、ご
み焼却排煙洗浄排水や、下水等には、通常、溶解重金属
イオンの他に多量の浮遊固形物を含んでいる。このよう
な溶解重金属イオンと浮遊固形物の両者を含む排水の浄
化において、上記論文では、上記方法によって生じたフ
ェライト粉末をよく混合し、磁気分離を行うと、非強磁
性の固形浮遊物も同時に除去される現象が見いだされた
と述べている。
【0004】また、上記のような下水等の浄化を対象と
した高勾配磁気分離の例が、「水処理技術 Vol.22、 N
o.6、 p475-p491、 (1981)」に示されている。高勾配磁
気分離は、ソレノイド電磁石のボア内に排水の流路を設
置し、磁場空間内の流路内にステンレススチールウール
等の曲率半径の極めて小さな磁性媒体(高勾配電磁フィ
ルター)を設置する。電磁石により外部磁場を印加する
と、誘導磁化により磁性媒体近傍の磁場分布が不均一と
なり、高い磁場勾配が発生する。排水中の磁性粒子は、
この電磁フィルター部を通過する際、強力な磁気力で吸
引され除去される。磁気力は、磁場の強さ(H)と、磁
場勾配(dH/dx)との積に比例するため、磁場勾配の大
きな高勾配磁気分離法は、通常の磁石のみを用いた磁気
分離法と比べて発生磁気力が大きく、磁化率の小さな粒
子や微細な粒子の除去や、処理速度の増大に適してい
る。
【0005】本論文によると、フェライト法によって排
水中から重金属イオンを取り除く場合、排水中に浮遊固
形物やリン等が多量に含まれる場合は、フェライト生成
粒子が微細になるため、通常の磁気分離装置では除去不
可能であり、高性能の高勾配磁気分離装置の研究が望ま
れると述べている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によって除去
されるスラッジは、重金属を含んだフェライト粒子と浮
遊固形物の両者を含んでおり、例えば該スラッジ内の有
機物を肥料等として再利用しようとした場合、重金属の
再溶出の危険があるため、スラッジ内から重金属のみを
取り除く必要がある。つまり、スラッジ内の有機物、窒
素、リン等を容易に再利用することができない。また、
逆に重金属イオンによるスピネルフェライトのみを選別
して再利用することも困難である。さらに、通常の排水
中に含まれる重金属イオンは浮遊固形物に比して微量で
あるため、フェライト法により変化した強磁性スピネル
フェライトのみの磁性粒子で浮遊固形物を吸着、除去す
ることは困難であり、このため前処理段階でマグネタイ
ト(Fe3O4)等の磁性粒子を加える方法が考えられるが、
この場合は被除去物に重金属イオンがフェライト化した
粒子とマグネタイトが含まれることにより、マグネタイ
ト自身がスピネルフェライトの一種であることを考える
と、マグネタイトのみを回収することは不可能であり、
マグネタイトの再利用も不可能である。さらに、従来方
法は、上記で述べたように、高価な高性能の高勾配磁気
分離装置が必要不可欠である。
【0007】本発明の目的は、水中の重金属とSS(浮
遊固形物)とを分離しつつ水質を浄化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、重金属イ
オンと浮遊固形物とを別々に除去する行程を設け、除去
した重金属イオンを含むスラッジの後処理と、除去した
浮遊固形物を含むスラッジとの後処理を別々に行うこと
により解決できる。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の具体的実施の形態を説明す
る前に発明の考え方につき説明する。下水道のような溶
解重金属イオンを含んだ被処理排水は、フェライト化反
応させて磁気分離を行う際、浮遊固形物、リン、有機物
等を含んでいるため、重金属フェライト粒子と同時に浮
遊固形物もある程度除去することができるが、このた
め、スラッジから重金属と有機物等を分離しにくくな
る。また、浮遊固形物濃度が高い被処理水をフェライト
化反応させると、反応後に生成される磁性スピネルフェ
ライト粒子の粒径は小さくなってしまう。このため、こ
れを除去するためには、大きな磁気力を持った磁気分離
装置を用いるか、比較的大きな粒径の磁性体を加えて凝
集剤で磁性凝集体を形成させるかしなければならない。
前者は、磁場強度を大きくするか、あるいは高磁場発生
可能な高性能の高勾配磁気分離装置を開発する必要があ
り、コストが高くなる上、装置スペースも大きな物にな
る。後者は、磁性粉及び凝集剤を余分に加える必要があ
るためランニングコストが高くなる。したがって、本発
明において、重金属除去手段の上流側に浮遊固形物除去
手段を設け、浮遊固形物を除去した後に重金属を除去す
るほうが都合がよい。すなわち、重金属は水に溶解して
おり、浮遊固形物は溶解していない。両者を個別に分離
しつつ水質をよくするためには、重金属を水に溶解させ
たまま、浮遊固形物を取り除き、その後溶解重金属を析
出させて水と分離させることによって両者を分離しつつ
水中から取り除くことができる。以降、この考え方に基
づく実施の形態をいくつか説明する。
【0010】以下、本発明の一実施の形態を図1により
説明する。被浄化水源例えば総合下水1の原水は大きな
ゴミを取るためのフィルタ2を通してポンプ3で原水貯
槽4にいったん蓄えられる。この原水に、シーディング
剤調整装置5から四三酸化鉄(Fe3O4)等の磁性粉と硫酸
アルミニウム水溶液、ポリ塩化アルミニウム、塩化鉄、
硫酸第2鉄系化合物等の凝集剤を加え、撹絆槽6で撹絆
し、浮遊固形物を取り込んだ磁性凝集体を含む前処理水
を製造する。前処理水は浮遊固形物除去用磁気分離器7
aで磁性凝集体を分離捕捉し、浮遊固形物を含んだ磁性
凝集体を除去された原水は、反応炉槽11に入る。
【0011】浮遊固形物除去用磁気分離器7aにおける
動作は以下の通りである。空心コイル9に直流電源装置
10から直流電流を流す。直流電流に比例した磁場が、
円筒状の磁気分離容器内に発生し、吸着マトリックス8
を磁化する。このため吸着マトリックス細線近傍で磁束
が乱れ、局部的に高磁場勾配となる部分が多数発生す
る。磁性凝集体を含んだ前処理水を下方から上向流で送
水すると、原水中の磁性凝集体は吸着マトリックス表面
に、浮遊固形物を含んだまま大きな磁気力で捕捉され
る。
【0012】反応炉槽11では、容器25から硫酸鉄(F
eSO4)等の第1鉄塩と容器26から水酸化ナトリウム(Na
OH)等のアルカリを投入し、ヒータ36で反応炉槽11
内を60〜70℃に加熱した後、ブロア44からの空気で撹
拌、酸化させる。この処理により、被処理水中に含まれ
る重金属イオン(Mイオン)は、スピネルフェライト(M
xFe3-xO4)化し、強磁性体となる。
【0013】重金属が変化した強磁性スピネルフェライ
トを含む被処理水を、磁気分離器7bの下方から送水す
ると、強磁性スピネルフェライトのみが磁力によって捕
捉され、浄化水を得ることができる。重金属除去用磁気
分離器7bの構造及び作用は、浮遊固形物除去用磁気分
離器7aの構造及び作用と同様である。以上の操作によ
り得られた浄化処理水は、処理水槽13にいったん蓄え
られ、例えば硫酸や塩酸等の酸の入った容器42から、
処理水槽13に設置されたpH測定計の測定値をもとに注
入量調整弁43で制御されて注入される酸によって中和
された後、総合下水1に戻される。
【0014】浮遊固形物除去用磁気分離器7a及び重金
属除去用磁気分離器7bともに、磁性凝集体、磁性スピ
ネルフェライト等の磁性体が、一定量吸着マトリックス
8、14に捕捉された後、処理水槽13中の処理水を逆
洗水として、弁を通じて注入することにより吸着マトリ
ックスの逆洗が行われる。この時、空気タンク12、1
5から空気を供給しエヤーバブリングを行いながら吸着
マトリックス表面に付着した磁性凝集体、磁性スピネル
フェライトを洗浄除去し、磁性凝集体を含んだ洗浄排水
を逆洗処理水槽16に、磁性スピネルフェライトを含ん
だ洗浄排水を逆洗処理水槽17に蓄える。
【0015】以上の処理系の時間的流れは以下のように
なる。反応炉槽11でフェライト化反応が進行する間、
撹拌槽6で前処理反応を行う。両反応が終了した時点
で、弁39、40を同時に開けて反応炉槽11内の反応
によりスピネルフェライトを含んだ被処理水を重金属分
離用磁気分離器7bを通して処理水槽13に蓄える。そ
の後弁39、40を閉じて、弁37、38を開けること
により、撹拌槽6に蓄えられていた前処理水を浮遊固形
物除去用磁気分離器7aを通して、反応炉槽11に再び
蓄える。その後弁37、38を閉じて弁45を開けるこ
とにより、撹拌槽6内に新たな被処理水を注入する。以
上の処理を繰り返すことにより、バッチ式連続運転を行
う。この場合、原水貯槽4、撹拌槽6、反応炉槽11の
容積は、ほぼ同一としておけば良い。なお、磁気分離器
7a、7bの逆洗は、撹拌槽6内で撹拌、前処理を行っ
ている間に行えばよい。
【0016】逆洗処理水槽16内の洗浄排水は遠心分離
機18で、磁性粉を含んだ比重の大きい磁性凝集体と洗
浄用水を分離し、更に磁性凝集体内に含まれた水分を分
離し、磁性凝集体の含水量を大幅に低減し、その容積を
大幅に減少させる。分離された水は貯水池1に戻される
か、叉は逆洗時の洗浄用水として使用されても良い。容
積が大幅に減少した磁性凝集体は小容量のスラッジタン
ク19に貯蔵できる。また、分離された水に異臭成分を
含む場合、活性炭充填容器やオゾン発生器を内蔵した脱
臭器20を設け異臭成分を除去する事ができる。
【0017】スラッジタンク19は例えばバーナー等の
加熱により、磁性凝集体は熱分解し、分解過程で生じる
加熱ガスは、例えば活性炭等を充填した脱臭器21を通
り大気に放出される。粉砕機22で微粒子に粉砕された
後、純度の高い磁性粒子が、例えば永久磁石等の磁場を
利用した磁性粉分離器23で回収され、再利用される。
また、磁性粉を除去した後の分離物は堆肥処理槽24で
堆肥化され、肥料として利用される。
【0018】一方、重金属除去用磁気分離器7bで分離
し、蓄積した逆洗処理水槽17中の強磁性スピネルフェ
ライトは、例えば永久磁石等の磁場を利用した磁性体分
離器25で回収される。回収された磁性スピネルフェラ
イトは、強磁性であることから、電波吸収体、磁性流体
等に利用することができる。
【0019】また、磁気分離器7a、7bを構成する空
心コイルを超電導コイルにすることにより、コイル発生
磁場が大きくなり、かつコイルを小型、軽量化できる。
発生磁場が大きくなることにより、吸着マトリックス
8、14に捕捉する磁性凝集体、磁性スピネルフェライ
トの吸着力が大きくなり、前処理水を高速で流しても、
磁性凝集体を捕捉できることになり、処理速度を大きく
して、高速浄化が可能となる。更には、コイルの消費電
力が大幅に低減され、給電設備が小型、軽量化される。
この超電導コイルは液体ヘリウムや液体窒素冷媒で冷却
されても、機械式、電子式の冷凍機で冷却されても、同
様な効果が生じる。
【0020】本実施の形態によると、浮遊固形物除去用
磁気分離器7aと重金属除去用磁気分離器7bの構造、
すなわち磁場強度や、フィルタ形状、寸法等をそれぞれ
別々に最適に設計することが可能である。したがって、
一方を上記示したような超電導磁石を利用した高勾配磁
気分離構造にして、他方を永久磁石を利用したドラムあ
るいはディスク式構造にすることもできる。
【0021】ところで、下水の処理においても極力ラン
ニングコストを低減させる必要がある。上記した実施の
形態(以下に説明する実施の形態についても同様)にお
いて、ランニングコストを上昇させる一要因は、非処理
水をフェライト化反応させる際に加熱処理(60〜70℃)
するためのエネルギーである。このエネルギーを削減す
る実施の形態を説明する。
【0022】元々下水は家庭排水が主であるため水温は
30℃前後である。これを60〜70℃にするにはやはりそ
れなりのコストがかかってしまう。そこで、本実施の形
態では、嫌気性の微生物を用いて下水原水の温度を上昇
させることとする。まず、下水管から導入された非処理
水を下水マス(沈殿槽)に導く。この下水マスは、非処
理水中に酸素が導入されないように、上部が覆われてお
り、かつゆっくりとした流速で移動させるようになって
いる。このようにすることで、元々存在していた嫌気性
の微生物が活動を始めるので水温が徐々に上昇してい
く。嫌気性微生物が不足気味の時は、人為的に非処理水
に投入してもよい。また、非処理水は下水であるので嫌
気性の微生物が好む有機物は多量に含まれているが、こ
れもやはり不足気味の時は人為的に投入してもよい。
【0023】嫌気性の微生物が活動するとメタンなどの
ガスが発生するがこのガスも有効利用する。すなわち、
汚水マスは外部の空気とは略遮断されており発生したガ
スを回収することは容易に実現できる。この発生ガスを
図示しないタンクに一時的に溜めておき、このガスを反
応路槽11に設けられたバーナーに供給し反応路槽11
内の非処理水を加熱する。
【0024】ガスの発生量や非処理原水の微生物の活動
(分解反応)による加熱量は微生物の働きにより異なる
が、この実施の形態によれば、多少なりとも、反応総理
11内部の加熱エネルギーを節約することができるとい
う効果がある。また、浮遊固形物等に含まれる有機物を
分解してくれるため除去物質量が低減でき、沈殿効果と
も相まって総合的に磁気分離機で処理するための浮遊固
形物を減少させることができるという効果もある。
【0025】上記のように、前段に浮遊固形物除去用磁
気分離器7a、後段に重金属除去用磁気分離器7bを備
えることによって、選択的に被除去物を除去することが
可能となり、各被除去物の再利用が容易になる。
【0026】図2に、本発明の他の実施の形態を示す。
本実施の形態が上記実施の形態と異なる点は、浮遊固形
物除去用磁気分離器7aと重金属除去用磁気分離器7b
とを一組の装置によって行っている点である。
【0027】空心磁石9のボア内に、浮遊固形物を除去
するための流路と重金属を除去するための流路の両者が
設置してある。上記実施の形態同様、磁性粉及び凝集剤
を添加して撹拌することによって浮遊固形物を取り込ん
だ磁性凝集体を含んだ排水を磁気分離器7の下方から送
水する。浮遊固形物除去用吸着マトリックス8で浮遊固
形物を含んだ磁性凝集体が捕捉された後、第1反応炉槽
11aに蓄えられる。この時同時に磁性スピネルフェラ
イトを含んだ排水が反応炉槽11bから磁気分離器7の
重金属除去用流路に注入される。排水中の磁性スピネル
フェライトは、重金属除去用吸着マトリックス14によ
って捕捉され、浄化水は処理水槽13に蓄えられる。こ
の一連の処理が終了すると、弁37、38及び弁39、
40を閉じ、弁48を開けて第1反応炉槽11aから第
2反応炉槽11bに排水を移動させる。第1反応炉槽1
1aでは第1鉄塩とアルカリが加えられ、加熱とともに
空気酸化が行われ、第2反応炉槽11bでは空気酸化反
応の続きが行われる。
【0028】前記一組の磁気分離装置の例を図3に示
す。通常、下水等の排水中に含まれる重金属濃度は、浮
遊固形物濃度と比較してはるかに少ないため、捕捉マト
リックス全量は、重金属除去用マトリックス14の方が
浮遊固形物除去用マトリックス8より少なくて済む。ま
た、重金属のスピネルフェライトは強磁性を示すため、
ある程度大きな流速でも磁気分離で捕捉可能である。し
たがって、浮遊固形物除去用流路の断面積より重金属除
去用流路の断面積の方を小さくすることができる。例え
ば、図3に示すように、同心円筒流路を設けて外部を浮
遊固形物除去用流路、内部を重金属処理用流路とするこ
とができる。また、本構造により、反応炉槽11a、1
1bで加熱された重金属除去用被処理水と、浮遊固形物
除去用被処理水が、同時に磁気分離器内を流れるため、
本磁気分離器は熱交換器となり、浮遊固形物を除去され
た被処理水はある程度昇温されるので、反応炉槽での加
熱時間短縮及びヒータ加熱量の低減に効果がある。した
がって、熱交換量を大きくするために、重金属除去用マ
トリックス14と浮遊固形物除去用マトリックス8とは
一体構造としたほうが良く、温度効率を高めるために、
前記マトリックス8、14は例えば積層構造とするなど
して軸方向に分割した構造として軸方向熱伝導率を小さ
くした方が効果がある。また、本実施の形態では、逆洗
の容易さを考慮して、浮遊固形物除去用被処理水も重金
属除去用被処理水も同方向(下方)から注入する構造を
示したが、一方を上方から注入して対向流とした方が交
換熱量は大きくできる。
【0029】本実施の形態により、一組の磁気分離器7
で浮遊固形物及び重金属の両者が除去可能であるため、
省スペースに優れている。
【0030】図4及び図5に、本発明の他の実施の形態
を示す。図4は本実施の形態を示す浄化装置のフローで
あり、図5は図4中の磁気分離器7を拡大詳細図であ
る。
【0031】本実施の形態でも、浮遊固形物除去と重金
属除去のために一組の磁気分離器7を利用しているが、
磁気分離器7の構造が前記実施の形態の場合と異なって
いる。磁気分離器7の構造を図5を用いて説明する。
【0032】磁気分離器の磁石は、2対一組となってお
り、2個のソレノイド電磁石は、軸を同一として互いに
同じ方向に磁場を発生する構造となっている。この構造
により、2個の電磁石は、互いに磁場の影響を及ぼし合
い、2個の電磁石の周囲には、それぞれ1個単体のみで
発生させうる磁場より高い磁場を発生させることができ
る。このようにして発生した高い磁場内に磁性体で構成
した吸着マトリックスを設置することにより、電磁石1
個単体を利用した場合の吸着マトリックスにおける吸引
磁気力より大きな吸引磁気力を発生させることができ
る。
【0033】被処理水は、2対電磁石間の空間に流路入
口26から送水され、浮遊固形物除去用磁気分離器7a
を通過して流路出口27から排水される。磁性粉及び凝
集剤を注入することによって形成される、浮遊固形物を
取り込んだ磁性凝集体は、磁気分離器7aの浮遊固形物
除去用吸着マトリックス8で吸着される。さらに、排水
は、反応槽炉11で溶存する重金属イオンを磁性スピネ
ルフェライトと化し、流路入口28から重金属除去用磁
気分離器7bに入り、流路出口29から排水される。こ
の際、被処理水中の磁性スピネルフェライトは、磁気分
離器7bの重金属除去用吸着マトリックス14で吸着さ
れる。電磁石9のボア内には磁性体で構成された被処理
水の流路を設けたボールピース33が設置されており、
これは、ボア内の磁場が均一化するとともに磁石の起磁
力が高める働きをする。前記吸着マトリックス8、14
は、複数の吸着マトリックスからなる吸着マトリックス
群で構成され、磁気分離器7a、7bの電磁石9の端部
近く、すなわち流路出口27、29付近に設置される。
この場所は、電磁石に近い位置であるため吸着マトリッ
クス8、14の磁気吸着能力に必要十分な大きな磁場が
発生しているほか、吸着マトリックス群を容易に移動さ
せることができる。この際、吸着マトリックス群を通過
するトータルの磁束密度がほとんど変化しないように、
移動させれば、磁性体で構成された吸着マトリックスで
あっても、ほとんど磁気力を受けることは無い。例え
ば、図に示したように、棒状吸着マトリックス群を往復
運動させて移動させる場合、吸着マトリックス群両端
に、ダミー磁性体30を設置して、移動の際に大きな磁
束密度変化を生じないようにする必要がある。
【0034】浄化運転を続けて、一定量吸着マトリック
スに磁性凝集体あるいは磁性スピネルフェライトが吸着
したとき、吸着マトリックスを移動させて新しい吸着マ
トリックスを流路内に設置する。これと同時に、今まで
吸着動作を行っていた吸着マトリックスは、電磁石の磁
場空間外にある容器内に格納される。新しい吸着マトリ
ックスで吸着動作を行っている間に、この容器内に逆洗
水入口31から逆洗水が注入され、古い吸着マトリック
スの逆洗が行われ、逆洗排水は、逆洗排水出口32から
排出される。この作業により、磁場及び送水を停止する
ことなく逆洗作業が行え、連続浄化運転が可能である。
また、連続運転が可能であるため、電磁石に永久電流モ
ードの超電導磁石を用いれば、運転消費電力が極力少な
くて済む。
【0035】本実施の形態では、棒状の吸着マトリック
ス群が往復運動する例を示したが、上記に示したよう
に、吸着マトリックス群を通過するトータルの磁束密度
の変化がほとんど無いように移動させることができる構
造であれば、効果は同様であり、例えば円盤状の吸着マ
トリックスが回転運動する場合でも効果は同様である。
【0036】上記のように、連続運転可能な磁気分離器
7を用いることにより、システム全体を連続処理するこ
とが可能である。図4に示した実施の形態では、撹拌槽
6を滞留槽とせずに、流水中に撹拌が進行する構造をと
り、反応炉槽11を複数台バッチ運転することによっ
て、システム全体を連続処理可能としている。
【0037】図6に、本発明のさらに他の実施の形態を
示す。図4の実施の形態との違いは、反応炉槽11を滞
留槽としないで、温度制御された流路内流水中でフェラ
イト反応が進行する構造となっているため連続運転が可
能である。さらに、フェライト化反応後の被処理水と、
浮遊固形物除去直後の被処理水との間に熱交換器46を
設けることによって、被処理水は反応路槽11に入る前
に反応温度(60〜70℃)に近い温度になっているため、
ヒータによる加熱量の低減及び加熱時間の短縮に効果が
ある。
【0038】上記実施の形態において、浮遊固形物を磁
性凝集体に取り込むための凝集剤として塩化鉄等の第1
鉄塩を使用した場合、フェライト化の前処理剤となる第
1鉄塩と同種のものとすれば、貯蔵タンクも1つで済
み、トータルコストも低減できる。
【0039】また、以上の実施の形態において、溶解リ
ンは、浮遊固形物の除去過程で凝集剤と化学反応してリ
ン酸塩の形となって取り除くことが可能であるが、浮遊
固形物除去用磁気分離器の上流側に、例えば石灰や塩化
第2鉄等の沈降剤を注入してリン酸塩の形にして溶解リ
ンを除去するような装置を取り付ければ、浮遊固形物除
去装置で除去したスラッジにリンを含まないためこれら
のリサイクルに適しているだけでなく、取り除いたリン
自体も容易に再利用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上本発明によれば、非処理水である下
水中の浮遊固形物と重金属とを分離して除去することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の磁気分離装置のフロー
を説明する図。
【図2】本発明の他の実施の形態の磁気分離装置のフロ
ーを説明する図。
【図3】図2に示す実施の形態の磁気分離部の構造例を
説明する図。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の磁気分離装置
のフローを説明する図。
【図5】図4に示す実施の形態の磁気分離部の構造例を
説明する図。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態の磁気分離装置
のフローを説明する図。
【符号の説明】
1……下水、3……ポンプ、5……シーディング剤調整
装置、6……撹拌槽、7a……浮遊固形物除去用磁気分
離器、7b……重金属除去用磁気分離器、8、14……
吸着マトリックス、9……電磁石、10……電源、11
……反応炉槽、13……浄化処理水槽、16、17……
逆洗排水槽、18……遠心分離器、19……スラッジタ
ンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/28 C02F 3/28 Z (72)発明者 高木 武夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被除去物質を含む原水に、添加剤を投入す
    ることにより直接的あるいは間接的に被除去物質に磁性
    を持たせ、磁気的な力で磁性を帯びた前記被除去物質を
    吸引することによって被除去物質を除去する磁気分離器
    を備えた浄化装置において、前記磁気分離器として、浮
    遊固形物吸引用と溶解イオン吸引用の両者を有すること
    を特徴とする浄化装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記溶解イオン吸引手
    段が、溶解重金属イオン吸引手段であり、前記浮遊固形
    物吸引手段部は、前記溶解重金属イオン吸引手段部の上
    流側にある浄化装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記浮遊固形物吸引手
    段である磁気分離器と前記溶解イオン吸引手段である磁
    気分離器を同一の一組の磁場発生装置で構成した浄化装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記磁場発生装置がス
    プリット型電磁石で構成され、対となる電磁石の一方が
    浮遊固形物吸引手段用、もう一方が溶解イオン吸引手段
    用である浄化装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記浮遊固形物吸引手
    段中に用いる凝集剤のうちの少なくとも一部と、前記溶
    解イオン吸引手段中に用いる添加剤のうちの少なくとも
    一部を、同種のものとした浄化装置。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記浮遊固形物吸引手
    段の上流に、溶解リン除去手段を設けた浄化装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記溶解イオン吸引手
    段のために加熱を伴う前処理手段を有し、該前処理後の
    被処理水と、前記浮遊固形物吸引手段通過後の被処理水
    との間で、熱交換を行うための熱交換器を設けた浄化装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7において、2対1組のスプリット
    型電磁石のそれぞれのボア内を通過する被処理排水流路
    がそれぞれ独立しており、前記スプリット型電磁石の磁
    石間に、前記被処理排水流路の入口を設置し、流路出口
    側の電磁石端部に、移動可能な吸着マトリックスを設置
    した磁気分離器。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記原水を嫌気性に
    し、発生ガスを前記処理時に行う加熱処理に用いる浄化
    装置。
JP27584796A 1996-10-18 1996-10-18 磁気分離浄化装置 Pending JPH10118518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27584796A JPH10118518A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 磁気分離浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27584796A JPH10118518A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 磁気分離浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10118518A true JPH10118518A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17561271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27584796A Pending JPH10118518A (ja) 1996-10-18 1996-10-18 磁気分離浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10118518A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000254544A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 磁気分離装置、磁気分離方法および原水中の固形物の処理方法
WO2016147708A1 (ja) * 2015-03-13 2016-09-22 富士電機株式会社 スクラバ排水の処理方法及びスクラバ排水の処理装置
CN111807544A (zh) * 2020-07-02 2020-10-23 海南发控智慧环境建设集团有限公司 一种河道水体净化装置
CN115340218A (zh) * 2022-09-05 2022-11-15 同方水务集团有限公司 一种臭氧与生物活性炭组合处理工业废水的装置及方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000254544A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 磁気分離装置、磁気分離方法および原水中の固形物の処理方法
WO2016147708A1 (ja) * 2015-03-13 2016-09-22 富士電機株式会社 スクラバ排水の処理方法及びスクラバ排水の処理装置
JPWO2016147708A1 (ja) * 2015-03-13 2017-09-07 富士電機株式会社 スクラバ排水の処理方法及びスクラバ排水の処理装置
KR20170125795A (ko) * 2015-03-13 2017-11-15 후지 덴키 가부시키가이샤 스크러버 배수의 처리방법 및 스크러버 배수의 처리장치
US10618827B2 (en) 2015-03-13 2020-04-14 Fuji Electric Co., Ltd. Scrubber wastewater treatment method and scrubber wastewater treatment device
CN111807544A (zh) * 2020-07-02 2020-10-23 海南发控智慧环境建设集团有限公司 一种河道水体净化装置
CN111807544B (zh) * 2020-07-02 2022-11-22 海南发控智慧环境建设集团有限公司 一种河道水体净化装置
CN115340218A (zh) * 2022-09-05 2022-11-15 同方水务集团有限公司 一种臭氧与生物活性炭组合处理工业废水的装置及方法
CN115340218B (zh) * 2022-09-05 2024-01-16 同方水务集团有限公司 一种臭氧与生物活性炭组合处理工业废水的装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zaidi et al. Magnetic field application and its potential in water and wastewater treatment systems
US6099738A (en) Method and system for removing solutes from a fluid using magnetically conditioned coagulation
Ambashta et al. Water purification using magnetic assistance: a review
US5944986A (en) Liquid purification apparatus
Yadollahpour et al. Electromagnetic fields for the treatments of wastewater: a review of applications and future opportunities
CN102923866A (zh) 一种利用变化磁场进行污水强化处理的装置及其污水处理方法
CN101935129B (zh) 一种利用超导高梯度磁场的转炉浊环水处理方法
KR100926008B1 (ko) 자화플록의 부착 및 탈착 능력이 강화된 자석을 이용한 수처리 장치
KR100926000B1 (ko) 자석 교반기를 이용한 수처리 장치 및 방법
JPH10118518A (ja) 磁気分離浄化装置
JP3927368B2 (ja) 水処理装置
JP5774290B2 (ja) 無電解ニッケルめっき廃液の処理方法
de Latour et al. High‐Gradient Magnetic Separation A Water‐Treatment Alternative
CN201842729U (zh) 一种利用超导高梯度磁场的转炉浊环水处理装置
Mitchell et al. High Gradient Magnetic Filtration of Magnetic and Non-Magnetic Contaminants from Water
JP2008094660A (ja) 石炭灰による人工ゼオライト製造方法およびその装置
JP4088018B2 (ja) 浄化装置
KR101256949B1 (ko) 인체에 유익한 n극이 활성화된 자화처리기
CN111875148A (zh) 一种热轧废水处理工艺
JP2005111342A (ja) 汚泥処理装置
JP3580117B2 (ja) 磁気分離装置
CN209554978U (zh) 一种高梯度磁分离水处理装置
JPH10118424A (ja) 磁気分離装置
CN214780942U (zh) 一种采用高梯度磁分离技术处理污水的设备
CN201722191U (zh) 车载式锰污水处理设备