JP2000312786A - 穴かがりミシンの布開き装置 - Google Patents

穴かがりミシンの布開き装置

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JP2000312786A
JP2000312786A JP11124726A JP12472699A JP2000312786A JP 2000312786 A JP2000312786 A JP 2000312786A JP 11124726 A JP11124726 A JP 11124726A JP 12472699 A JP12472699 A JP 12472699A JP 2000312786 A JP2000312786 A JP 2000312786A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布開きの際に被縫製物がずれることなく、か
つ装置の大型化、コスト高を招くこともなく、布受け板
(布保持部材)を移動させる機構の微調整ができ、さらに
は、布受け板の閉じ側における移動規制の微調整を容易
に行うことができる穴かがりミシンの布開き装置を提供
すること。 【解決手段】 開き手段(21)を、布保持部材(11)の
移動方向と直交する前後方向に移動可能に設けられた作
動体(カム板22)と、この作動体(22)に連結されて、
該作動体(22)を前後方向に移動させる駆動部材(駆動
リンク23)と、前記布保持部材(11)に連結されて、
前記作動体(22)の前後移動に連動して、左右方向に移
動する従動体(レール板24)とを備えた構成とし、布切
りメスの上下動経路に対して前記布保持部材(11)が最
接近する位置を、前記駆動部材(23)の移動範囲を規制
することで規制する規制手段(50)を、前記駆動部材
(23)の近傍に設け、該駆動部材(23)の移動ストロー
クを、前記従動体(24)の移動ストロークより長く設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被縫製物に形成し
た切込みを、一対の布保持部材の相互離間方向への移動
により開くようにした穴かがりミシンの布開き装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、穴かがりミシンにおいては、ベ
ッド部に送り台を移動可能に設け、この送り台に、被縫
製物を保持可能とする一対の布保持部材を、布切りメス
の上下動経路を挟んで該上下動経路に接近または離間す
るように移動可能に設け、該一対の布保持部材を前記上
下動経路に対してそれぞれ接近または離間するように移
動させることで、前記一対の布保持部材に保持されて布
切りメスによって切り込みが形成された被縫製物の前記
切込みを開閉するようにしている。
【0003】上記のように被縫製物の切込みを開閉する
布開き装置の一例として、例えば、特許第272277
7号公報に記載のものが知られている。この公報に記載
の布開き装置は、前後方向延びるカッター(布切りメス)
の左右両側に位置し得るように送り台に設けられた一対
の布受け板と、各布受け板に設けられた布押えとを備
え、前記両布受け板に載せられた加工布(被縫製物)に前
記カッターにより前後に延びる切込みを形成し、この切
込みの両側を前記各布押えにより押えた状態で、前記両
布受け板を相互に離れる方向に移動させることにより前
記切込みを開くようにしたものにおいて、それぞれの中
間部が前記送り台に軸支されて両端が揺動する複数のリ
ンク(第1のリンクと第2のリンク)を前後方向に連結し
て構成され後端側および前端側の自由端の揺動ストロー
クが同一となるように設定されたリンク機構を左右一対
設け、各リンク機構における後端側および前端側の前記
自由端に前記各布受け板の前端部および後端部とそれぞ
れ連結する連結部(ピン)を設け、前記リンク機構を作動
させることにより前記布受け板を移動させるようにした
ものである。
【0004】また、前記布受け板の閉じ側(一対の布受
け板が相互に接近する方向)のストッパは前記送り台
に、第1のリンクの前端側に対向して固定されており、
該ストッパに第1のリンクの前端側が当接することで、
第1のリンクの移動を規制するようになっている。一
方、前記布受け板の開き側(一対の布受け板が相互に離
間する方向)のストッパは、前記送り台に、第1のリン
クの後端側に対向して固定されており、該ストッパに第
1のリンクの後端側が当接することで、第1リンクの移
動を規制するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な布開き装置では以下に述べるような課題があった。 リンク機構による揺動運動であるため、布受け板との
連結部である第1のリンクおよび第2のリンクの先端、
つまりピン(連結部)が円弧運動することになり、このた
め、布開きの際、布受け板と布押えが前後運動を伴い、
この結果被縫製物が所定の位置からずれてしまう。 上記のような前後方向の移動量を少なくするために
は、第1および第2のリンクのうちの少なくとも一方の
リンクの長さを大きくとる必要があり、このようにする
と、前後のスペースを大きく必要とし、装置の大型化を
招くことになる。 リンク機構による揺動運動であるため、第2のリンク
の両端部に長孔を形成し、各長孔に角駒を摺動自在に嵌
合したうえで、この角駒にピンを回動自在に挿入してい
るので、構造が複雑になるとともに、角駒と長孔には高
い加工精度が要求されるので、コスト高を招くことにも
なる。 前記リンク機構を構成する第1および第2のリンクに
それぞれ設けられている前後のピンの移動量差は、リン
ク機構を構成する部品の加工精度で決まり、高い部品精
度が要求され、また、リンク機構であるために、前後の
ピンの移動量差の微調節、つまり、布受け板を移動させ
る機構の微調節をすることができない。
【0006】また、前記布受け板の閉じ側のストッパ
が前記送り台に、第1のリンクの前端側に対向して固定
されているので、つまりストッパが布受け板から近いと
ことにある被駆動系側に設けられているので、布受け板
の閉じ側における移動規制の微調整を行うことが困難で
ある。 同様に、ストッパが布受け板から近いとことにある被
駆動系側に設けられているので、布押えや布切りメス等
が邪魔になって、ストッパの位置調整を行い難くく、し
かも、布受け板に被縫製物を載せた状態ではストッパの
位置調整は殆ど不可能である。 同様に、ストッパが布受け板から近いとことにある被
駆動系側に設けられているので、言い換えるとストッパ
が機構の内部にあるため、送り台のカバーを取り外して
の、調整作業となり手間がかかる。 また、前記布受け板の開き側のストッパも、布受け板
から近いとことにある被駆動系側に設けられているの
で、送り台のカバーを取り外しての、調整作業となり手
間がかかる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、布開きの際に被縫製物がずれることなく、かつ装置
の大型化、コスト高を招くこともなく、布受け板(布保
持部材)を移動させる機構の微調整ができ、さらには、
布受け板の閉じ側における移動規制の微調整を容易に行
うことができる穴かがりミシンの布開き装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図1に示すように、被縫製物を保持可能とし
互いに布切りメス(7)の上下動経路を挟んで該上下動経
路に接近または離間するように左右方向に移動可能に設
けられた一対の布保持部材(布受け板11)と、前記一対
の布保持部材(11)を前記上下動経路に対してそれぞれ
接近または離間するように左右方向に移動させること
で、前記一対の布保持部材(11)に保持されて布切りメ
ス(7)によって切り込みが形成された被縫製物の前記切
込みを開閉する一対の布開き手段(21)とを備え、前記
布開き手段(21)を、前記布保持部材(11)の移動方向
と直交する前後方向に移動可能に設けられた作動体(カ
ム板22)と、この作動体(22)に連結されて、該作動
体(22)を前後方向に移動させる駆動部材(駆動リンク
23)と、前記布保持部材(11)に連結されて、前記作
動体(22)の前後移動に連動して、左右方向に移動する
従動体(レール板24)とを備えた構成としたものであ
る。
【0009】前記布保持部材は、例えば、板状に形成さ
れ、被縫製物を縦横に送る送り台に左右方向に移動自在
に設けられる。前記作動体は、例えば、前後に長尺な板
材で形成され、送り台に前後方向に移動可能に設けられ
る。また、作動体の端部には前記従動板に摺動自在に当
接する傾斜面が形成され、この傾斜面上を従動体が相対
的に移動することで、該従動体は作動体の前後移動に連
動して、左右方向に移動する。
【0010】前記従動体は、例えば、左右に長尺な板材
で形成され、送り台に左右方向に移動可能に設けられ
る。また、従動体には、前記作動体に形成された傾斜面
上を転動可能なコロを設けるのが望ましい。このように
すると、作動体の前後移動に連動して従動体が滑らかに
左右に移動する。前記駆動体は、例えば、中央部を送り
台に回動可能に軸支された駆動リンクで形成する。そし
て、この駆動リンクの一端部を前記作動体に連結し、他
端部をエアシリンダ等の駆動源に連結する。前記布保持
部材と従動体とを連結するには、例えば、布保持部材に
穴を形成する一方で、従動体にピンを設け、このピンを
前記穴に挿入すればよい。
【0011】請求項1の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、駆動部材によって作動体が前後方向に移動す
ると、この作動体の前後移動に連動して、従動体が左右
方向に移動し、これによって、該従動体に連結された布
保持部材が左右方向に移動する。つまり、布保持部材は
従動体の左右方向の移動に伴って、左右方向にのみ移動
し、従来のような前後運動を伴わないので、布開きの際
に被縫製物がずれることがない。
【0012】また、従来のリンク機構と異なり、布保持
部材が前後運動を伴わず被縫製物にずれが生じないの
で、従来のようなリンクの長さを大きくとるといったこ
とが必要なく、よって、前後のスペースは従来に比して
少なくなり、装置の大型化を招くことがない。さらに、
作動体の前後移動に連動して従動体が左右方向に移動
し、これによって布保持部材が左右方向に移動するの
で、つまり、機構が直線運動によって構成されているの
で、従来と異なり、リンクに長孔を形成したり、この長
穴に角駒を摺動自在に嵌合するといった複雑な構造を必
要としない。よって、構造が簡単であり、コスト高を招
くこともない。
【0013】請求項2の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図2に示すように、請求項1において、前記
従動体(24,24)を前後に離間して複数設け、これら
従動体(24,24)に、各従動体(24)と前記作動体(2
2)との位置関係を調節する調節部材(40)をそれぞれ
設けたものである。
【0014】前記調整部材は、例えば、前記従動体に取
付け位置を調整可能に取付けられたコロ板と、このコロ
板に取付けられて、前記作動体に形成された傾斜面を転
動するコロとから構成する。
【0015】請求項2の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、各従動体と作動体の位置関係をそれぞれの調
節部材によって調節することで、複数の従動体の位置を
調節し、これによって、従動体に連結されている布保持
部材を移動させる機構の調整を行うことができる。ま
た、各従動体の位置を調節部材によって調節できるの
で、従動体等には高い部品精度は必要ない。
【0016】請求項3の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図3に示すように、請求項1または2におい
て、前記従動体(24,24)を前記作動体(22)の移動
方向に離間して複数設け、これら従動体(24,24)
に、これらを連結するようにして作動部材(布開き板4
5)を固定し、この作動部材(45)に前記布保持部材(1
1)を連結したものである。
【0017】請求項3の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、複数の従動体を作動部材によって連結し、こ
の作動部材に前記布保持部材を連結したので、複数の従
動体に作動部材を介して容易に布保持部材を連結するこ
とができる。
【0018】請求項4の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図4に示すように、請求項1〜3のいずれか
において、前記布切りメス(7)の上下動経路に対して前
記布保持部材(11)が最接近する位置と、最離間する位
置とのうち、少なくとも最接近する位置を、前記駆動部
材(23)の移動範囲を規制することで規制する規制手段
(50)を、前記駆動部材(23)の近傍に設け、該駆動部
材(23)の移動ストロークを、前記従動体(24)の移動
ストロークより長く設定したものである。
【0019】請求項4の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、前記規制手段が駆動部材の近傍に設けられて
おり、該駆動部材の移動ストロークが従動体の移動スト
ロークより長いので、少なくとも、布保持部材の閉じ側
(前記布切りメスの上下動経路に対して前記布保持部材
が最接近する位置)における移動規制の微調整を容易に
行うことができる。また、規制手段が布保持部材から遠
いところにある駆動部材の近傍に設けられているので、
移動規制の調整作業を、布切りメス等が邪魔になること
なく、しかも、被縫製物を布保持部材に載せたままで容
易に行うことができる。
【0020】請求項5の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図4に示すように、請求項4において、前記
規制手段(50,51)が、前記駆動部材(23)の移動範
囲を調節可能に構成されているものである。
【0021】請求項5の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、駆動部材の移動範囲を調節することができる
ので、布保持部材の閉じ側(前記布切りメスの上下動経
路に対して前記布保持部材が最接近する位置)と、開き
側(前記布切りメスの上下動経路に対して前記布保持部
材が最離間する位置)との位置を容易に変更調節するこ
とができる。したがって、布保持部材に保持されている
被縫製物の布開き量の微調整を行うことができる。
【0022】請求項6の穴かがりミシンの布開き装置
は、例えば図4に示すように、請求項5において、前記
規制手段(50,51)が、ミシン機枠の外側から、駆動
部材(23)の移動範囲を調節操作可能に構成されている
ものである。
【0023】ミシン機枠の外側から調節操作可能とは、
例えば、ミシン機枠の一部を構成するベッド上に送り台
が設けられ、この送り台に布開き装置が設けられている
場合において、送り台の外側から調節操作可能であると
いうことである。
【0024】請求項6の穴かがりミシンの布開き装置に
おいては、ミシン機枠の外側から、駆動部材の移動範囲
を調節操作可能であるので、送り台のカバーを装着した
ままの状態で布保持部材の移動規制の微調整を行うこと
ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の穴
かがりミシンの布開き装置(以下、布開き装置と略称す
る。)の実施の形態について説明する。まず、図8を参
照して穴かがりミシンの概略構成について簡単に説明す
る。ミシン機枠1は、略矩形箱状をなすベッド部2に、
その奥方上部から前方に延びるアーム部3が設けられて
なるもので、ベッド部2の下部にはボトムカバー4が取
付けられている。アーム部3の先端部には、縫針5が取
付けられた針棒6が上下動可能に設けられており、一
方、ベッド部2には針棒6の直下に位置して、該針棒6
の上下動に同期して作動することにより縫針5と協働し
て被縫製物に縫目を形成するルーバー(図示せず)が設け
られている。
【0026】また、前記アーム部3には、布切りメス7
が上下動可能に設けられており、前記ベッド部2にはメ
ス受け台(図示せず)が設けられている。そして、前記布
切りメス7では、被縫製物に鳩目穴状の切り込みを形成
できるようになっている。図8において符号8で示すも
のは布押えであり、この布押え8によって、被縫製物を
送り台10上に設けられた布受け板(布保持部材)11に
押え付け、この状態で、鳩目穴の形状に応じて送り台1
0を移動させて鳩目穴の周縁に順次かがり縫いを施すよ
うになっている。なお、送り台10はその下方およびベ
ッド部2内に設けられた送り台移動手段12によって移
動するようになっている。
【0027】前記布押え8を作動させる機構について説
明すると、図9に示すように、布押え8を先端に備えた
アーム部13は軸13aを介して布受け板11に回動自
在に軸支されており、その基端部には、前記布受け板1
1に形成された孔11aを通して該布受け板11の裏側
に延出する⊂状の受けアーム部14が形成されている。
そして、送り台10にはリンク15が左右に延びる軸1
6を介して回動自在に設けられており、その一方の端部
に取付けられたピン17が前記受けアーム部14と連結
されている。この場合、受けアーム部14はピン17に
対して左右方向に摺動自在である。また、リンク15の
他方の端部に取付けられたピン18は、送り台10に設
けられたエアシリンダからなる押え用駆動体19のロッ
ド19aにジョイント20を介して連結されている。そ
して、上記構成の機構では、ロッド19aを伸ばすと、
布押え8が下方に回動し、この布押え8によって被縫製
物が布受け板11に押さえ付けられるようになってい
る。
【0028】(第1実施形態例)次に、本発明に係る布開
き装置の第1例について図1を参照して説明する。図1
は布開き装置を示す平面図である。この図に示すよう
に、前記送り台10には、布切りメス7の上下動経路を
挟んで左右両側に、一対の布受け板(布保持部材)11,
11が前記上下動経路に接近または離間するように左右
方向(矢印A・B方向)に移動可能に設けられているが、
図1においては、右側の布受け板11は、布開き手段2
1を示すために省略してある。この布開き手段21は、
前記布切りメス7の上下動経路を挟んで左右両側にそれ
ぞれ設けられており、前記一対の布受け板11,11を
それぞれ左右方向に移動させることで、該布受け板1
1,11に保持されて布切りメス7によって切り込みが
形成された被縫製物の前記切込みを開閉するようになっ
ている。
【0029】前記布開き手段21は、送り台10に左右
対称にして設けられているので、ここでは、右側の布開
き手段21ついて説明し、左側の布開き手段21につい
ての説明は省略する。すなわち、右側の布開き手段21
は、前記布受け板11の移動方向(図1において矢印A
・B方向)と直交する前後方向(図1において矢印C・D
方向)に移動可能に設けられたカム板(作動体)22と、
このカム板22に連結されて、該カム板22を前後方向
に移動させる駆動リンク(駆動部材)23と、前記布受け
板11に連結されて、前記カム板22の前後移動に連動
して、左右方向に移動するレール板(従動体)24,24
とを備えている。
【0030】前記布受け板11には前後に二つの穴11
b,11bが形成され、該穴11b,11bに、前記レー
ル板24,24の先端部に設けられた布開き受けピン2
5,25を挿入することにより、布受け板11とレール
板24,24とが連結されている。前記レール板24は
左右に長尺なものであり、その左右両端部にはそれぞれ
左右方向に長い長穴24a,24aが形成されており、
該長穴24a,24aに段ねじ26,26を挿通し、該段
ねじ26,26を送り台10にねじ込むことにより、レ
ール板24は送り台10に左右方向に直線移動可能に取
付けられている。また、前記各レール板24の右端部下
面には、コロ27が段ねじ28によって回転可能に取付
けられている。
【0031】前記カム板22は前後(矢印C・D方向)に
長尺なものであり、その前後端部にはそれぞれ前後に長
い長穴22a,22aが形成されており、該長穴22a,
22aに段ねじ29,29を挿通し、該段ねじ29,29
を送り台10にねじ込むことにより、カム板22は送り
台10に前後方向に直線移動可能に取付けられている。
また、前記カム板22はレール板24,24の下側に配
置されており、該カム板22の前後端部には、それぞれ
傾斜面30,30が形成されている。これら傾斜面30,
30は後方に向かうにしたがって漸次左方に傾斜するも
ので、該傾斜面30,30には以下のようにして前記コ
ロ27,27が当接するようになっている。
【0032】すなわち、前記送り台10には、前記レー
ル板24,24より前方位置において、ばね31,31が
ねじ段32,32によって取付けられており、該ばね3
1,31は、レール板24,24に設けられたピン33,
33に当接されている。そして、該ピン33,33はば
ね31,31によって、左方(矢印A方向)に付勢され、
これによって、レール板24,24が左方に付勢されて
いる。したがって、レール板24,24に取付けられた
コロ27,27は、前記ばね31,31の付勢力によっ
て、前記傾斜面30,30にカム板22を左方に付勢し
た状態で当接している。
【0033】そして、前記カム板22が前後に移動する
と、コロ27,27が傾斜面30,30を相対的に転動し
て、左右方向に移動し、これに伴ってレール板24,2
4が左右に移動するようになっている。すなわち、レー
ル板24,24は、カム板24,24の前後の移動に連動
して、左右に移動するようになっている。
【0034】前記駆動リンク23は、前記レール板2
4,24間でかつ前記カム板22の右方に配置されてお
り、その中央部を段ねじ34によって送り台10に取付
けることで、段ねじ34を支点として回動自在に送り台
10に取付けられている。前記駆動リンク23の一端部
には長穴23aが形成されており、この長穴23aに段
ねじ35を挿入して、該段ねじ35を前記カム板22の
中央部にねじ込むことによって、駆動リンク23の一端
部は、カム板22の中央部に回動かつ摺動自在に連結さ
れている。
【0035】一方、前記駆動リンク23の他端部は、エ
アーシリンダ36のピストンロッド36aにナックル3
7を介して回転可能に連結されている。このエアーシリ
ンダ36は、送り台10の右縁部に、前後に向けて配置
されたもので、その後端部はピン38を介して送り台1
0に回転可能に取付けられている。なお、前記エアーシ
リンダ36は、図示しないコンプレッサ等のエアー供給
源に、図示しない電磁弁とエアーホースを介して接続さ
れ、制御装置によってピストンロッド36aが動作する
ようになっている。
【0036】そして、駆動リンク23はエアーシリンダ
36のピストンロッド36aによって段ねじ34を支点
として回動し、該駆動リンク23の回動によって、カム
板22が前後に直線移動し、このカム板22の前後の直
線移動によってレール板24,24が傾斜面30,30お
よびコロ27,27を介して、左右に直線移動するよう
になっている。また、前記駆動リンク23の移動ストロ
ーク、すなわち、駆動リンク23の端部の前後方向への
移動ストロークは、レール板24,24の左右方向への
移動ストロークより長くなるように設定されている。例
えば、駆動リンク23の移動ストローク:レール板の左
右方向への移動ストローク=5:1に設定されている。
【0037】次に上記構成の布開き手段21による布開
き動作について説明する。まず、エアーシリンダ36の
ピストンロッド36aが引込み位置にあり、この状態に
おいて、前記カム板22は、図1に示す状態より前方側
に位置して、コロ27,27は傾斜面30,30の下側に
位置し、レール板24,24が閉じ側(布切りメスの上下
動経路に対して布受け板11が最接近する位置)に位置
している。
【0038】上記の初期状態からエアーシリンダ36を
作動させて、そのピストンロッド36aを図1に示す状
態まで伸ばす。すると、駆動リンク23が段ネジ34を
支点として時計回りに回転し、これによって、該駆動リ
ンク23の一端部(左端部)が後方(矢印D方向)に移動す
る。駆動リンク23の一端部が後方に移動すると、カム
板22が後方に直線移動し、これによって、前記レール
板24,24に取付けられているコロ27,27がばね3
1,31の付勢力によって傾斜面30,30を相対的に転
動しながら上る。コロ27,27が傾斜面30,30を上
ると、レール板24,24が右方(矢印B方向)に直線移
動し、該レール板24,24に布開き受けピン25,25
によって連結されている布受け板11が右方に移動す
る。なお、前記送り台10の左側の布受け板11は同様
にして、左方に移動する。したがって、布受け板11,
11に保持されている被縫製物の切込みが開かれる。な
お、被縫製物の切込みを閉じる際には、上記布開き手段
21を逆方向に作動させることで行う。
【0039】このように、本例の布開き装置において
は、駆動リンク23によってカム板22が前後方向に移
動すると、このカム板22の前後移動に連動して、レー
ル板24,24が左右方向に移動し、これによって、該
レール板24,24に連結された布受け板11が左右方
向に移動する。つまり、布受け板11はレール板24,
24の左右方向の移動に伴って、左右方向にのみ移動
し、従来のような前後運動を伴わないので、布開きの際
に被縫製物がずれることがない。
【0040】また、従来のリンク機構と異なり、布受け
板11が前後運動を伴わず被縫製物にずれが生じないの
で、従来のようなリンクの長さを大きくとるといったこ
とが必要なく、よって、前後のスペースは従来に比して
少なくなり、装置の大型化を招くことがない。さらに、
カム板22の前後移動に連動してレール板22,22が
左右方向に移動し、これによって布受け板11が左右方
向に移動するので、つまり、機構が直線運動によって構
成されているので、従来と異なり、リンクに長孔を形成
したり、この長穴に角駒を摺動自在に嵌合するといった
複雑な構造を必要としない。よって、構造が簡単であ
り、コスト高を招くこともない。
【0041】(第2実施形態例)図2は本発明に係る布開
き装置の第2例を示す平面図である。図2に示す布開き
装置が、図1に示す布開き装置と異なる点は、前記レー
ル板24,24に、各レール板24と前記カム板22と
の位置関係を調節する調節部材40をそれぞれ設けた点
であるので、この点について説明し、他の共通部分には
同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】前記調整部材40は以下のように構成され
ている。各レール板24の右端部下面には、コロ板41
が止めねじ42,42によって取付位置を調節可能に取
付けられている。つまり、各レール板24には、二つの
長穴(図示略)が形成されており、各長穴に止めねじ42
を挿通して、該止めねじ42をコロ板41にねじ込むこ
とで、コロ板41はレール板24に固定されている。し
たがって、止めねじ42を緩めて、コロ板41をレール
板24に対して長穴の分だけ若干移動させることで、コ
ロ板41の位置を調節したうえで、止めねじ42を締め
付けることで、位置調節されたコロ板41をレール板2
4に固定することができる。そして、前記コロ板41
に、前記コロ27が段ねじ28によって回転可能に取付
けられている。したがって、コロ板41の取付け位置を
調節することで、コロ27の位置を調節し、これによっ
て、各レール板24と前記カム板22との位置関係を調
節するようになっている。
【0043】前記コロ板41の調節位置は、前記送り台
10上に設けられた左右の布受け板11,11(図2にお
いては右側の布受け板11が省略されている。)が平行
となる、言い換えれば、前後に配置されたレール板2
4,24の先端部に設けられて、該レール板24,24を
布受け板11に連結するための布開き受けピン25,2
5の左右方向の位置が等しくなる位置である。つまり、
前記カム板22の前後に形成された傾斜面30,30
に、レール板24,24に設けられた前後2個のコロ2
7,27が当接した際における、2本のレール板24,2
4の左右の位置を、前記コロ27,27の位置を調節す
ることで、レール板24,24の先端部に設けられた布
開き受けピン25,25の左右方向の位置が等しくなる
ように調節できるようになっており、これによって、各
レール板24とカム板22との位置関係を調節するので
ある。
【0044】本例の布開き装置においては、上記第1例
の布開き装置と同様の作用効果を得ることができる外、
前記レール板24,24に調節部材40,40を設けたの
で、前後2本のレール板24,24と、カム板22との
位置関係を、該レール板24,24の先端部に設けられ
た布開き受けピン25,25の左右方向の位置が等しく
なる位置に調節することができ、これによって、布開き
受けピン25,25によってレール板24,24に連結さ
れている布受け板11を移動させる機構の調整を行うこ
とができる。また、レール板24,24の位置を調節部
材40,40によって調節できるので、レール板24,2
4等に高い部品精度を必要とせず、コスト低下を図るこ
とができる。
【0045】(第3実施形態例)図3は本発明に係る布開
き装置の第3例を示す平面図である。図3に示す布開き
装置が、図2に示す布開き装置と異なる点は、前記レー
ル板24,24に、これらを連結するようにして布開き
板(作動部材)45を固定し、この布開き板45に前記布
受け板11を連結した点であるので、この点について説
明し、他の共通部分には同一符号を付してその説明を省
略する。
【0046】すなわち、前記布開き板45は、平面視に
おいて略二等辺三角形状をなすものであり、その底辺の
長さが、前記前後のレール板24,24間の距離とほぼ
等しく設定されている。また、前記布開き板45の底辺
角部にはそれぞれ、2個の穴が形成されており、該穴に
ねじ46を挿入して、レール板24,24の先端部にね
じ込むことによって、該レール板24,24に、これら
を連結するようにして布開き板45が固定されている。
【0047】また、布開き板45の底辺角部にはそれぞ
れ長穴が形成されており、該長穴に前記レール板24を
送り台10に取付ける段ねじ26の頭部が露出してい
る。さらに、前記布開き板45の底辺角部には、それぞ
れ布開き受けピン25,25が設けられており、該布開
き受けピン25,25を布受け板11に形成された穴1
1b,11bに挿入することによって、布受け板11が
布開き板45に連結されている。つまり、布受け板11
は、布開き板45を介して前後2本のレール板24,2
4に連結されている。
【0048】また、前記布開き板45の頂部には、ばね
47の一端部が係止されており、該ばね47の他端部に
は、送り台10に取付けられたばね掛け48に係止され
ている。前記ばね47は、図1および図2に示すばね3
1の代わりをなすもので、引張り状態で設けられ、該ば
ね47の付勢力によって、布開き板45を矢印A方向に
付勢し、これによって、レール板24,24に取付けら
れたコロ27,27は、前記傾斜面30,30にカム板2
2を左方に付勢した状態で当接している。
【0049】本例の布開き装置においては、上記第2例
の布開き装置と同様の作用効果を得ることができる外、
前記2本のレール板24,24を布開き板45によって
連結し、この布開き板45に布開き受けピン25,25
を設けたので、該布開き受けピン25,25は常に左右
方向において等しい位置に位置することになり、よっ
て、前記布受け板11に形成された穴11b,11bに
布開き受けピン25,25を容易に挿入することができ
る。したがって、2本のレール板24,24に布開き板
45を介して布受け板11を容易に連結することができ
る。
【0050】(第4実施形態例)図4〜図6は本発明に係
る布開き装置の第4例を示すもので、図4は平面図、図
5は図4におけるY矢視図、図6は図4におけるX矢視
図である。図4〜図6に示す布開き装置が、図3に示す
布開き装置と異なる点は、前記布切りメス7の上下動経
路に対して前記布受け板11が最接近する位置と、最離
間する位置の双方を前記駆動リンク23の移動範囲を規
制することで規制する規制手段50,51を、駆動リン
ク23の近傍に設けた点であるので、この点について説
明し、他の共通部分には同一符号を付してその説明を省
略する。
【0051】前記規制手段51は、縫製時の布受け板1
1の位置決めを行うもので、以下のように構成されてい
る。すなわち、前記送り台10にはねじ穴52が形成さ
れており、このねじ穴52にはストッパねじ53が螺合
されており、ナット54で固定されている。そして、前
記ストッパねじ53の先端部に、前記駆動リンク23の
先端部が当接することで、駆動リンク23の時計方向へ
の回転を規制するようになっている。
【0052】上記のような規制手段51では、駆動リン
ク23の先端部が当接することで、カム板22の後方
(矢印D方向)への移動が規制され、これによって、レー
ル板24,24、布開き板45の右方(開き側)への移動
が規制されるので、この布開き板45に連結されている
前記布受け板11の開き側への移動が規制される。した
がって、前記ストッパねじ53の位置調節を行うこと
で、布受け板11の開き側への移動規制(位置規制)を行
うことができる。また、前記規制手段51は、布受け板
11から遠いところにある駆動リンク23の近傍でかつ
送り台10の前端部に設けられているので、布受け板1
1の開き側への移動規制の調整作業を、布切りメス7等
が邪魔になることなく、しかも、被縫製物を布受け板1
1に載せたままで容易に行うことができる。
【0053】前記規制手段50は、初期位置での布受け
板11の位置決めを行うもので、以下のように構成され
ている。すなわち、前記送り台10の側面には、駆動リ
ンク23とエアーシリンダ36およびナックル37との
連結部付近に、駆動リンク23の端部の前後の移動量よ
り十分に長い長穴55が形成されている。また、前記送
り台10の長穴55が形成された部分の内側面には、布
開きストッパ板56が配置されており、この布開きスト
ッパ板56には、前記長穴55を貫通して止ねじ57,
57がねじ込まれている。そして、布開きストッパ56
は、止ねじ57,57を締め付けることで、送り台10
に固定され、止ねじ57,57を緩めることで、前後に
移動可能となっている。なお、前記止ねじ57,57と
送り台10との間には長穴55の目隠しとなるストッパ
カバー58が挟まれて、該止ねじ57,57によって固
定されている。
【0054】また、前記布開きストッパ板56には、長
穴60が形成されている。この長穴60は、前記長穴5
5より短く、かつ、前記駆動リンク23の端部の前後の
移動量よりは長いものであり、該長穴60には駆動リン
ク23の端部に延出形成された延出部23aが挿入され
ている。なお、この延出部23aは前記ストッパカバー
58に接触しない範囲で前記長穴55にも入り込んでい
る。前記布開きストッパ板56の前端部はL型に曲げら
れており、この部分にはねじ穴61が形成されている。
一方、送り台10の側面の前部端面62には穴63が形
成されており、この穴63には調節ねじ64が挿通さ
れ、該調節ねじ64は前記ねじ穴61に螺合している。
したがって、前記止ねじ57,57を緩めたうえで、調
節ねじ64を回すことで、布開きストッパ板56は前後
に移動するようになっている。
【0055】そして、上記構成の規制手段50では、前
記エアシリンダ36のピストンロッド36aが引き込ま
れて、駆動リンク23が反時計回りに回転し、その延出
部23aが矢印D方向に移動して、布開きストッパ板5
6の長穴60の端面に当接することで、駆動リンク23
の移動範囲を規制し、これによって、布受け板11の閉
じ側の位置を規制するようになっている。すなわち、駆
動リンク23の延出部23aが前記長穴60の端面に当
接することで、カム板22の前方(矢印C方向)への移動
が規制され、これによって、レール板24,24、布開
き板45の左方(閉じ側)への移動が規制されるので、こ
の布開き板45に連結されている前記布受け板11の閉
じ側への移動が規制される。したがって、前記布開きス
トッパ板56の位置を、調節ねじ64によって調節する
ことで、布受け板11の閉じ側への移動規制(位置規制)
を行うことができる。
【0056】上記構成の規制手段50,51を備えた布
開き手段21による布開き動作は、基本的には、上記第
1例の布開き手段21によるものと同様であるが、以下
に簡単に説明する。まず、エアーシリンダ36のピスト
ンロッド36aが引込み位置にあり、レール板24,2
4が閉じ側(布切りメスの上下動経路に対して布受け板
11が最接近する位置)に位置している。
【0057】上記の初期状態からエアーシリンダ36を
作動させて、そのピストンロッド36aを図4に示す状
態まで伸ばすと、駆動リンク23が時計回りに回転し、
これによって、該駆動リンク23の一端部が後方(矢印
D方向)に移動する。駆動リンク23の一端部が後方に
移動すると、カム板22が後方に直線移動し、これによ
って、前記レール板24,24が右方(矢印B方向)に直
線移動し、該レール板24,24に布開き受けピン25,
25によって連結されている布受け板11が右方に移動
し、これに伴って布受け板11に保持されている被縫製
物の切込みが開いていく。
【0058】そして、前記駆動リンク23の延出部23
aが前記規制手段51のストッパねじ53の先端部に当
接すると、駆動リンク23の作動が停止し、これによっ
て、布受け板11の移動も停止し、布開き動作が終了す
る。一方、被縫製物の切込みを閉じる際には、駆動リン
ク23の延出部23aがストッパねじ53に当接してい
る状態から、上記布開き手段21を逆方向に作動させる
ことで行うことで、被縫製物の切込みが閉じていく。そ
して、駆動リンク23の延出部23aが前記規制手段5
0の布開きストッパ板56の長穴60の端部に当接する
ことで、駆動リンク23の作動が停止し、これによっ
て、布受け板11の移動も停止し、布閉じ動作が終了す
る。
【0059】また、前記規制手段50によって、布開き
量を調整するには以下のようにして行う。まず、前記エ
アシリンダ36のピストンロッド36aを引き込み状態
としておき、駆動リンク23の延出部23aを、布開き
ストッパ板56の長穴60の端面に当接させておく。次
に、この状態で前記止ねじ57,57を緩め、調節ねじ
64を回すと、布開きストッパ板56が前後に移動し、
その長穴60の端面に当接している駆動リンク23の延
出部23aが前後に移動し、これによって、駆動リンク
23が段ねじ34を支点として回動する。
【0060】この場合、調節ねじ64を右に回すと、布
開きストッパ板56が前方(矢印C方向)に移動し、これ
によって、駆動リンク23が時計回りに回転してカム板
22が後方(矢印D方向)に移動し、布開き板45が右方
(矢印B方向)に移動する。布開き板45が右方に移動す
ると、これに連結されている布受け板11が右方に移動
する。このときの布受け板11の位置が、閉じ側への規
制位置であるので、この位置と、開き側の規制位置との
間隔が短くなるので、布受け板11の開き側への移動量
が小さくなって、この結果、布開き量が小さくなる。
【0061】一方、前記調節ねじ64を左に回すと、布
開きストッパ板56が後方(矢印D方向)に移動し、これ
によって、駆動リンク23が反時計回りに回転してカム
板22が前方(矢印C方向)に移動し、布開き板45が左
方(矢印A方向)に移動する。布開き板45が左方に移動
すると、これに連結されている布受け板11が左方に移
動する。このときの布受け板11の位置が、閉じ側への
規制位置であるので、この位置と、開き側の規制位置と
の間隔が長くなるので、布受け板11の開き側への移動
量が大きくなって、この結果、布開き量が大きくなる。
【0062】上記のようにして、布開き量を調整したな
らば、前記止ねじ57,57を締め付けて、布開きスト
ッパ板56を送り台10に固定する。このように、前記
規制手段50では、布開き量を容易に調整することがで
きる。また、前記規制手段50が駆動リンク23の近傍
に設けられており、該駆動リンク23の移動ストローク
がレール板24,24の移動ストロークより長いので、
前記調整ねじ64を回転させることで、布受け板11の
閉じ側(前記布切りメスの上下動経路に対して前記布保
持部材が最接近する位置)における移動規制の微調整を
容易に行うことができる。
【0063】さらに、前記規制手段50は、布受け板1
1から遠いところにある駆動リンク23の近傍でかつ送
り台10の右縁部に設けられているので、布受け板11
の閉じ側への移動規制の調整作業を、布切りメス7等が
邪魔になることなく、しかも、被縫製物を布受け板11
に載せたままで容易に行うことができる。また、前記規
制手段50,51はいずれも、ミシン機枠の外側から、
駆動リンク23の移動範囲を調節操作可能に構成されて
いるので、送り台10のカバーを装着したままの状態で
布受け板11の移動規制の調節を行うことができる。な
お、本例の布開き装置においても、上記第3例の布開き
装置と同様の作用効果を得ることができるのは言うまで
もない。
【0064】(第5実施形態例)図7は本発明に係る布開
き装置の第5例を示す平面図である。図7に示す布開き
装置が、図1に示す布開き装置と異なる点は、前記カム
板22に延出腕70を形成した点であるので、この点に
ついて説明し、他の共通分には同一符号を付してその説
明を省略する。
【0065】すなわち、本例の布開き装置においては、
図1に示す第1例の布開き装置に備えている駆動リンク
23が備えられておらず、この替わりに、カム板22に
延出腕70が形成されている。この延出腕(駆動部材)7
0はカム板22の中央部より若干前側に、右方に延出す
るように形成されたもので、その先端部は、前記エアシ
リンダ36のピストンロッド36aの先端部にナックル
37を介して回動自在に連結されている。したがって、
前記カム板22はピストンロッド36aを前後に伸縮さ
せることで、延出腕70を介して前後に移動し、これに
よって、前記布受け板11がレール板24,24を介し
て左右に移動するようになっている。
【0066】上記のように、本例の布開き装置では、第
1例の布開き装置と同様の作用効果を得ることができる
外、駆動リンク23やこれを送り台10に取り付けるた
めの段ねじ34等が不用であるので、部品点数を少なく
することができるとともに、布開き手段21の機構が、
第1例のものに比して簡単になるという利点がある。
【0067】なお、上記の五つの例では、布受け板11
にレール板24,24を連結し、該レール板24,24を
左右に移動させることで、布受け板11を左右に移動さ
せるようにしたが、本発明では前記レール板24,24
に替えてLMガイドを使用してもよく、また、レール板
24,24に替えて軸を使用し、送り台10にこの軸を
移動自在に支持する穴を設け、この穴にブッシュ等を介
して前記軸を左右に移動自在に挿通するようにしてもよ
い。
【0068】また、前記第1例、第2例、第3例および
第5例の布開き装置に、第4例の布開き装置に設けたよ
うな規制手段50,51を設けてもよいのは勿論のこと
である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の穴かがりミシンの布開き装置によれば、開き手段を、
布保持部材の移動方向と直交する前後方向に移動可能に
設けられた作動体と、この作動体に連結されて、該作動
体を前後方向に移動させる駆動部材と、前記布保持部材
に連結されて、前記作動体の前後移動に連動して、左右
方向に移動する従動体とを備えているので、駆動部材に
よって作動体が前後方向に移動することで、この作動体
の前後移動に連動して、従動体が左右方向に移動し、こ
れによって、該従動体に連結された布保持部材が左右方
向に移動する。このように、布保持部材は従動体の左右
方向の移動に伴って、左右方向にのみ移動し、従来のよ
うな前後運動を伴わないので、布開きの際に被縫製物が
ずれることがない。
【0070】また、上記のように、布保持部材が前後運
動を伴わず被縫製物にずれが生じないので、従来のよう
なリンクの長さを大きくとるといったことが必要なく、
よって、前後のスペースは従来に比して少なくなり、装
置の大型化を招くことがない。さらに、作動体の前後移
動に連動して従動体が左右方向に移動し、これによって
布保持部材が左右方向に移動するので、つまり、機構が
直線運動によって構成されているので、従来と異なり、
リンクに長孔を形成したり、この長穴に角駒を摺動自在
に嵌合するといった複雑な構造を必要としない。よっ
て、構造が簡単であり、コスト高を招くこともない。
【0071】請求項2の穴かがりミシンの布開き装置に
よれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは
勿論のこと、前記従動体を前後に離間して複数設け、こ
れら従動体に、各従動体と前記作動体との位置関係を調
節する調節部材をそれぞれ設けたので、各従動体と作動
体の位置関係をそれぞれの調節部材によって調節するこ
とで、複数の従動体の位置を調節し、これによって、従
動体に連結されている布保持部材を移動させる機構の調
整を行うことができる。また、各従動体の位置を調節部
材によって調節できるので、該従動体に高い部品精度を
必要とせず、この点においても、コスト高を招くことも
ない。
【0072】請求項3の穴かがりミシンの布開き装置に
よれば、請求項1または2と同様の効果を得ることがで
きるのは勿論のこと、前記従動体を前記作動体の移動方
向に離間して複数設け、これら従動体に、これらを連結
するようにして作動部材を固定し、この作動部材に前記
布保持部材を連結したので、複数の従動体に作動部材を
介して容易に布保持部材を連結することができる。
【0073】請求項4の穴かがりミシンの布開き装置に
よれば、請求項1〜3のいずれかと同様の効果を得るこ
とができるのは勿論のこと、前記布切りメスの上下動経
路に対して前記布保持部材が最接近する位置と、最離間
する位置とのうち、少なくとも最接近する位置を、前記
駆動部材の移動範囲を規制することで規制する規制手段
を、前記駆動部材の近傍に設け、該駆動部材の移動スト
ロークを、前記従動体の移動ストロークより長く設定し
たので、少なくとも、布保持部材の閉じ側(前記布切り
メスの上下動経路に対して前記布保持部材が最接近する
位置)における移動規制の微調整を容易に行うことがで
きる。また、規制手段が布保持部材から遠いところにあ
る駆動部材の近傍に設けられているので、移動規制の調
整作業を、布切りメス等が邪魔になることなく、しか
も、被縫製物を布保持部材に載せたままで容易に行うこ
とができる。
【0074】請求項5の穴かがりミシンの布開き装置に
よれば、請求項4と同様の効果を得ることができるのは
勿論のこと、前記規制手段が、前記駆動部材の移動範囲
を調節可能に構成されているので、布保持部材の閉じ側
(前記布切りメスの上下動経路に対して前記布保持部材
が最接近する位置)と、開き側(前記布切りメスの上下動
経路に対して前記布保持部材が最離間する位置)との位
置を容易に変更調節することができる。したがって、布
保持部材に保持されている被縫製物の布開き量の微調整
を容易に行うことができる。
【0075】請求項6の穴かがりミシンの布開き装置に
よれば、請求項5と同様の効果を得ることができるのは
勿論のこと、前記規制手段が、ミシン機枠の外側から、
駆動部材の移動範囲を調節操作可能に構成されているの
で、送り台のカバーを装着したままの状態で布保持部材
の移動規制の微調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穴かがりミシンの布開き装置の第1例
を示す平面図である。
【図2】本発明の穴かがりミシンの布開き装置の第2例
を示す平面図である。
【図3】本発明の穴かがりミシンの布開き装置の第3例
を示す平面図である。
【図4】本発明の穴かがりミシンの布開き装置の第4例
を示す平面図である。
【図5】図4におけるY矢視図である。
【図6】図4におけるX矢視図である。
【図7】本発明の穴かがりミシンの布開き装置の第5例
を示す平面図である。
【図8】本発明に係る布開き装置を備えた穴かがりミシ
ンを示すもので、該ミシンの側面図である。
【図9】同、布押え作動機構を示す側面図である。
【符号の説明】
7 布切りメス 11 布受け板(布保持部材) 21 布開き手段 22 カム板(作動体) 23 駆動リンク(駆動部材) 24 レール板(従動体) 25 布開き受けピン 27 コロ 30 傾斜面 40 調整部材 45 布開き板(作動部材) 50,51 規制手段 56 布開きストッパ板 70 延出腕(駆動部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物を保持可能とし互いに布切りメ
    スの上下動経路を挟んで該上下動経路に接近または離間
    するように左右方向に移動可能に設けられた一対の布保
    持部材と、 前記一対の布保持部材を前記上下動経路に対してそれぞ
    れ接近または離間するように左右方向に移動させること
    で、前記一対の布保持部材に保持されて布切りメスによ
    って切り込みが形成された被縫製物の前記切込みを開閉
    する一対の布開き手段とを備え、 前記布開き手段は、 前記布保持部材の移動方向と直交する前後方向に移動可
    能に設けられた作動体と、 この作動体に連結されて、該作動体を前後方向に移動さ
    せる駆動部材と、 前記布保持部材に連結されて、前記作動体の前後移動に
    連動して、左右方向に移動する従動体とを備えたことを
    特徴とする穴かがりミシンの布開き装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の穴かがりミシンの布開き
    装置において、 前記従動体が前後に離間して複数設けられ、 これら従動体には、各従動体と前記作動体との位置関係
    を調節する調節部材がそれぞれ設けられていることを特
    徴とする穴かがりミシンの布開き装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の穴かがりミシン
    の布開き装置において、 前記従動体が前記作動体の移動方向に離間して複数設け
    られ、これら従動体には、これらを連結するようにして
    作動部材が固定され、この作動部材に前記布保持部材が
    連結されていることを特徴とする穴かがりミシンの布開
    き装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の穴かが
    りミシンの布開き装置において、 前記布切りメスの上下動経路に対して前記布保持部材が
    最接近する位置と、最離間する位置とのうち、少なくと
    も最接近する位置を、前記駆動部材の移動範囲を規制す
    ることで規制する規制手段が、前記駆動部材の近傍に設
    けられ、 該駆動部材の移動ストロークが、前記従動体の移動スト
    ロークより長く設定されていることを特徴とする穴かが
    りミシンの布開き装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の穴かがりミシンの布開き
    装置において、 前記規制手段は、前記駆動部材の移動範囲を調節可能に
    構成されていることを特徴とする穴かがりミシンの布開
    き装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の穴かがりミシンの布開き
    装置において、 前記規制手段は、ミシン機枠の外側から、駆動部材の移
    動可能な移動範囲を調節操作可能に構成されていること
    を特徴とする穴かがりミシンの布開き装置。
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