JP2000312549A - 魚釣り用リールの構成部材 - Google Patents

魚釣り用リールの構成部材

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JP2000312549A
JP2000312549A JP11124115A JP12411599A JP2000312549A JP 2000312549 A JP2000312549 A JP 2000312549A JP 11124115 A JP11124115 A JP 11124115A JP 12411599 A JP12411599 A JP 12411599A JP 2000312549 A JP2000312549 A JP 2000312549A
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fishing
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Mamoru Koike
守 小池
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、リールを構成する部材として満足
できる耐食性および強度を有し、軽量で良好な成形性を
有する魚釣り用リールの構成部材を提供することを目的
とする。 【解決手段】 Mg合金で構成された部材本体と、この
部材本体上に高電圧陽極酸化処理により形成された防食
層とを具備することを特徴とする。または、Mg合金で
構成された部材本体上に陽極酸化処理または化成処理に
より形成された防食層と、この防食層上に含浸処理によ
り形成された寸法変化のない封孔層とを具備することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピニングリール
のリール本体(ボディ、カバー、ロータ、フレーム)や
ハンドル等の魚釣り用リールの構成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚釣り用リールを構成する部材に
は、高強度、軽量および成形性の面より、マグネシウム
材料を用いることが検討され、実施されている。
【0003】しかし、魚釣り用リールは、他の技術分野
の製品とは異なり、海水や水が付着し易い厳しい環境の
下で使用されるので、耐食性の面で充分な配慮が必要と
なる。
【0004】このような点を考慮して、マグネシウム合
金(Mg合金)により形成された魚釣り用リールの構成
部材を陽極酸化処理して防食層を形成した後、所望の耐
食性および装飾性を得るために、電着塗装や吹き付け塗
装等の樹脂塗装を施すことが、特開平9―168352
号において知られている。
【0005】しかし、このようにMg合金に陽極酸化処
理と電着又は吹き付けによる樹脂塗装とを施すことによ
り、厳しい環境下にある釣り場における使用でも、所望
の耐食性が得られるものの、表面の皮膜層の寸法を高精
度にバラツキなく形成することは困難である。
【0006】そのため、高強度で軽量であるという特性
に着目してMg合金を使用しても、精密なリールの構成
部材を得ることが出来ず、かつ、メタリック感の外観を
得るためにはメタリック塗装の上塗りを行う必要があ
る。そうした場合には、表面の皮膜層の寸法を高精度に
管理することが更に困難となり、また処理工程も複雑化
してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に鑑
みてなされたものであり、魚釣り用リールを構成する部
材として、厳しい環境下でも満足し得る耐食性および強
度を有する魚釣り用リールの構成部材を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マグネシ
ウム系材料が持つ高強度、超軽量、良好な成形性等の特
性に着目するとともに、その表面に高電圧陽極酸化処理
を施して防食層を形成することにより、或いは陽極酸化
処理による防食層上に更に封孔層を設けることにより、
海水や水が付着し易く、岩等により釣り具に傷を付け易
い厳しい環境の岩場等の釣り場においても充分な耐食性
を発揮させることができることを見出し、本発明をする
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、Mg合金で構成され
た部材本体と、この部材本体上に高電圧陽極酸化処理に
より形成された防食層とを具備することを特徴とする魚
釣り用リールの構成部材を提供する。
【0010】また、本発明は、Mg合金で構成された部
材本体と、この部材本体上に陽極酸化処理または化成処
理により形成された防食層と、この防食層上に含浸処理
により形成された寸法変化のない封孔層とを具備するこ
とを特徴とする魚釣り用リールの構成部材を提供する。
【0011】上記魚釣り用リールの構成部材において、
前記封孔層を、有機物またはセラミックスにより構成す
ることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の魚釣り用リールの構成部
材は、Mg合金で構成された部材本体と、前記部材本体
上に形成された防食層とを具備することを特徴としてい
る。本発明において、Mg合金としては、Al、Zn、
Mn等を合金元素とする合金を挙げることができる。
【0013】また、部材本体としては、魚釣り用リール
のリール本体、カバー、ロータ、ハンドル等や両軸受け
リールのフレーム、外側板等を挙げることができる。部
材本体は、Mg合金を用いたダイキャスト法やチクソモ
ールド法により成型されていることが好ましい。
【0014】ダイキャスト法としては、通常行われてい
るコールドチャンバ法またはホットチャンバ法を採用す
ることができる。特に、製造サイクルが速いことから、
ホットチャンバ法を用いることが好ましい。
【0015】なお、部材本体の表面を調整するために、
グラインデイング、ショットブラスト、バレル研磨等の
機械的表面処理や、溶剤洗浄、アルカリ洗浄、酸洗等の
化学的表面処理を部材本体に施してもよい。
【0016】本発明において、防食層を形成する方法と
しては、クロム酸処理、重クロメート処理、リン酸亜鉛
処理、マンガン系処理、ノンクロム・マンガン処理、錫
酸塩処理等の化成処理、塗装、陽極酸化処理等を挙げる
ことができる。特に、陽極酸化処理としては、緻密な陽
極酸化皮膜を形成することができるHAE陽極酸化処
理、Dow17陽極酸化処理を用いることができる。
【0017】これらの陽極酸化処理は、緻密で硬いMg
Oと、複合酸化物構造であるスピネル構造を有する陽極
酸化皮膜を形成するので、魚釣り用リールの構成部材に
非常に優れた耐食性を付与することができる。
【0018】更に優れた陽極酸化法として、高電圧陽極
酸化処理(例えばMAGOXID処理)がある。この高
電圧陽極酸化処理は、有機水溶性電解液(例えば、硫
酸、リン酸、アルミン酸等)内で、高電圧(例えば20
0V以上)で行う陽極酸化法である。
【0019】この方法の特徴は、Dow17法やHAE
法のような従来の陽極酸化法と比較して、皮膜組成でス
ピネルに対しMgO成分が多いため、耐食性、耐摩耗
性、および密着性が良好である。そのため、素材まで達
するような傷が入りにくく、異種金属との接触腐食が生
じにくい。
【0020】即ち、電気化学的腐食試験(DINSS5
0918)および中性塩水噴霧試験(DIN5002
1)を行ったところ、高電圧陽極酸化法によると、Do
w17法やHAE法のような従来の陽極酸化法に比べ、
はるかに優れた耐食性を示し、また、磨耗試験(ラバー
試験)および密着性試験(打抜き試験)を行ったとこ
ろ、高電圧陽極酸化法は、Dow17法やHAE法のよ
うな従来の陽極酸化法に比べ、はるかに優れた耐摩耗性
および密着性を示した。
【0021】また、陽極酸化による防食層は、白色に発
色するMgO成分が多いため、処理後の外観が美しい白
色となり、メタリック塗装等の上塗りをすることなく、
封孔処理を行うだけで高品位の外観となる。更に、ベー
スが白色であるため、染料や顔料により様々な色彩に染
色することが可能である。
【0022】陽極酸化処理により形成する皮膜(防食
層)の厚さは、安定した性能(硬くて緻密である)を示
す5〜20μmであることが好ましい。これは、皮膜の
厚さが5μm未満であると皮膜の硬さが充分ではなく、
20μmを超えると皮膜の成長過程においてクラックが
発生する恐れがあるからである。
【0023】部材本体上に形成する陽極酸化皮膜は、異
種金属部品が接するかもしくは近接する部分の厚さを他
の部分に比べて厚くすることが好ましい。例えば、異種
金属部品が接する部分以外の部分の厚さを5〜20μm
に設定し、異種金属部品が接する部分の厚さを10〜2
0μmに設定する。
【0024】なお、陽極酸化処理の際の接点は、腐食す
る恐れのない部分に設計することが好ましい。これは、
各部材の接合箇所における陽極酸化皮膜の厚さが薄くな
るからである。
【0025】本発明において、封孔層は、有機物やセラ
ミックスにより形成されていることが好ましい。封孔方
法としては、含浸や拡散処理、ゾルゲル処理を用いるこ
とが好ましい。これらの処理は、小さな孔を塞ぎ、小さ
な凹部を埋めることが出来るので、寸法の変化を無視す
ることが出来る。
【0026】封孔層を構成する有機物としては、エポキ
シ系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂塗料を挙げるこ
とができる。この中でも、エポシキ系やアクリル系塗料
は、陽極酸化皮膜との密着性が良好であり、塗膜が緻密
であるので好ましい。
【0027】封孔方法としての樹脂の含浸は、樹脂溶液
を収容し、その中に被処理部材が浸漬された容器を真空
炉内に配置し、真空炉内を減圧(例えば5mmHg)に
した後、加圧(例えば5〜6kgf/cm)して、被
処理部材に樹脂を含浸させ、次いで80℃で乾燥するこ
とにより行うことが出来る。
【0028】封孔層を構成するセラミックスとしては、
シリカ、酸化チタン等を挙げることが出来る。これらの
中でも、低分子量のポリシラザンによる含浸処理は、低
温で、シリカによって小孔や凹部を埋めることが出来、
未封孔の部分が殆どない状態となるので、高い耐食性を
得ることが可能である。例えば、封孔方法としてのセラ
ミックスの含浸は、低分子量のポリシラザンに被処理部
材を浸漬し、毛細管現象を利用して含浸させた後、約2
00℃で乾燥することにより行うことが出来る。
【0029】本発明の魚釣り用リールの構成部材におい
ては、必要に応じて封孔層上に塗装を施してもよい。ま
た、封孔層の形成の際に装飾性を持たせ、封孔層に装飾
性を発揮させてもよい。
【0030】以下、本発明の実施例を図面を参照して具
体的に説明する。
【0031】(実施例1)図1は、本発明の魚釣り用ス
ピニングリールの構成部材を示す概略図である。図中1
はリール本体(部材本体)を示す。リール本体1の側面
には、サイドカバー2が取り付けられている。また、リ
ール本体1には、その回転軸(図示せず)にロータ3が
固定されている。ロータ3には、そのスプール軸(図示
せず)にスプール4がリール本体1に対して進退可能に
取り付けられている。
【0032】ロータ3には、2つの突出腕部3aが設け
られており、その突出腕部3aの先端には、それぞれベ
ール支持板5が回動自在に取り付けられている。ベール
支持板5には、釣り糸案内部材であるベール6が取り付
けられている。また、リール本体1の側部には、リール
本体1内の歯車輪列機構(図示せず)を介してロータ3
を回転させるためのハンドルノブ7が取り付けられてい
る。
【0033】従って、上記構成を有する魚釣り用スピニ
ングリールは、ハンドルノブ7を回転させることにより
連動してロータ3が回転し、これによりスプール4がリ
ール本体1に対して往復運動して進退するように構成さ
れている。
【0034】リール本体1は、Alを3.5〜9.7重
量%で含有するMg合金をチクソモールド法により成型
されている。このリール本体1は、図2に示すように、
部材本体11上に防食層12が設けられ、さらに防食層
12に封孔層13が含浸された構造を有している。
【0035】防食層12は、ノンクロム・マンガン処理
液中に部材本体11を投入し、化成処理を施すことによ
り形成されている。また、封孔層13は、低分子量のポ
リシラザンによる含浸処理により形成されている。この
封孔層13は、防食層12を構成する化成皮膜の孔12
a内や凹部内にシリカが充填された状態で形成されてい
る。また、この封孔層13は、含浸処理により形成され
ているので、寸法変化がない。
【0036】このように構成されている魚釣り用リール
の構成部材(リール本体)について、その重量を調べた
ところ、30gであった。また、魚釣り用リールの構成
部材について、塩水噴霧試験により耐食性を調べたとこ
ろ、目視において腐食している箇所は見られず、従来の
Al製リール構成部材と同等の耐食性を有し、非常に優
れた耐食性を示すことが分かった。
【0037】このように非常に優れた耐食性を示したの
は、封孔層13が化成皮膜との密着性に優れ、しかも緻
密であるシリカから構成されており、しかも、シリカが
化成皮膜の孔12aや凹部に充填されているからである
と考えられる。
【0038】また、外観は、化成皮膜のシルバー色と、
封孔層のシリカの透明性及び光沢との調和により、金属
そのままの品位ある外観となった。
【0039】(実施例2)本実施例は、防食層を高電圧
陽極酸化処理により形成し、封孔層をアクリル樹脂の含
浸により形成したことを除いて、実施例1と同様であ
る。
【0040】すなわち、防食層12は、有機水溶液電解
液等により調整された処理液中に接点をとった部材本体
11を投入し、一定時間電気を流す条件で高電圧陽極酸
化処理を施すことにより形成されている。また、封孔層
13は、アクリル樹脂を用いた含浸処理を施すことによ
り形成されている。この封孔層13は、防食層12を構
成する陽極酸化皮膜の孔12a内や凹部内に樹脂が充填
された状態で形成されている。また、この封孔層13は
含浸処理により形成されているので、寸法変化がない。
【0041】このように構成されている魚釣り用スピニ
ングリールの構成部材(リール本体)について、その重
量を調べたところ、30gであった。また、魚釣り用リ
ールの構成部材について、塩水噴霧試験により耐食性を
調べたところ、目視において腐食している箇所は見られ
ず、従来のAl製リール構成部材と同等の耐食性を有
し、非常に優れた耐食性を示すことが分かった。
【0042】このように非常に優れた耐食性を示したの
は、防食層12が緻密なMgO成分が多いスピネル構造
を有する陽極酸化皮膜で構成されており、封孔層13が
陽極酸化皮膜との密着性に優れ、しかも緻密であるアク
リル樹脂から構成されており、しかも、アクリル樹脂が
陽極酸化皮膜の孔12aや凹部に充填されているからで
あると考えられる。
【0043】また、外観は、陽極酸化皮膜の白色と、封
孔層のアクリル樹脂の光沢との調和により、美しいつや
のある白色系の品位ある外観となった。
【0044】以上の実施例1および2においては、魚釣
り用リールの構成部材がリール本体(ボディ)である場
合について説明しているが、本発明は魚釣り用リールの
構成部材がカバー、ロータ、ハンドルや、両軸受けリー
ルのフレーム、外側板である場合にも適用することがで
きる。
【0045】(比較例1)Siを9.6〜12.0重量
%で含有するAl合金をダイキャスト法により成型して
リール本体を作製した。このリール本体の重量を調べた
ところ、50gであり、Mg系材料を用いた本発明のリ
ール本体よりも60%の重量増加となった。
【0046】(比較例2)Alを3.5〜9.7重量%
で含有するMg合金をホットチャンバを用いたダイキャ
スト法により成型してリール本体を作製した。次いで、
このリール本体にクロム酸処理、重クロメート処理、錫
酸塩処理等の化成処理を施して防食膜を形成した。
【0047】このようにして得られたリール本体につい
て、実施例と同様にして耐食性を調べたところ、目視に
おいてクロム酸処理品で4%、重クロメート処理品で2
%、錫酸塩処理品で4%程度の腐食面積となり、釣り場
のように過酷な環境で使用するために実質的に使用可能
と判断されるものの、より充分な耐食性が得られるには
至らなかった。
【0048】(実施例3)図3は、本発明の魚釣り用リ
ールの構成部材がスピニングリールのハンドルである場
合を示す概略図である。図3中21はリール本体1を貫
通し、リール本体1内の巻取駆動部材Bに連結するシャ
フトを示す。シャフト21の一方の端部には、ハンドル
スタンド17が取り付けられている。シャフト21の他
方の端部には、シャフト21が露出しないようにキャッ
プ22が取り付けられている。シャフト21とハンドル
スタンド17との間には、キャップ22と対向する位置
にキャップ16が取り付けられている。
【0049】ハンドルスタンド17には、ハンドルスト
ッパ15を介してハンドルアーム14が取り付けられて
いる。具体的には、ハンドルスタンド17とハンドルア
ーム14は、ハンドルスタンドリベット18をかしめる
ことにより折りたたみ可能に連結され、公知のようにハ
ンドルストッパ15を移動操作することにより、ハンド
ルアーム14を巻取状態と収納状態に起伏可能に支持し
ている。また、ハンドルアーム14の先端には、ハンド
ルノブ7が取り付けられている。具体的には、ハンドル
アーム14とハンドルノブ7は、ハンドルノブリベット
19をハンドルアーム14にかしめることにより回転自
在に抜け止め連結されている。なお、ハンドルスタンド
リベット18およびハンドルノブリベット19をかしめ
る際にハンドルアーム14の防食層に傷付けることを防
止するために、ハンドルアーム14とハンドルスタンド
リベット18との間、ハンドルアーム14とハンドルノ
ブリベット19との間に、それぞれワッシャー20a,
20bを介在させている。
【0050】図3に示す構成を有するスピニングリール
において、ハンドルアーム14、ハンドルストッパ1
5、およびハンドルスタンド17は、その本体がMg合
金で構成され、その上に防食層が形成されたものであ
る。Mg合金で構成されるこれらの部材と接するもしく
は近接する(例えば1mm以内)金属部材は、Mg合金
との電極電位差が1V以下であることが望ましい。この
ような材料としては、Al合金(0.7〜0.9V)や
Zn合金(0.5〜0.9V)等が挙げられる。したが
って、本実施例では、ハンドルアーム14、ハンドルス
トッパ15、およびハンドルスタンド17に近接する部
材、すなわちキャップ16、ハンドルスタンドリベット
18およびハンドルノブリベット19の材料はAl合金
としている。
【0051】本発明のリールの構成部材は、Mg合金で
構成された部材上に防食層が形成されてなるものであ
る。上記構成のようにかしめ部分がある場合には、リベ
ット18,19やワッシャー20a,20bと構成部材
(ここではハンドルアーム14)のMg合金部分とが直
接接触することがある。このような場合には、上述した
ようにMg合金と接触する部材の材料はMg合金との間
の電極電位差が1V以下であるものを用いるように選定
する。したがって、リベット18,19やワッシャー2
0a,20bの材料としては、Mg合金との間の電極電
位差が1V以下であるAl合金やZn合金が望ましい。
さらに望ましくは、これらの部材18,19,20a,
20bにAl合金製の部材に絶縁層としてアルマイト処
理被膜を設けたものや、ポリアミド、ポリプロピレン、
ポリエチレン、フッ素樹脂等の樹脂製のものを用いるこ
とである。
【0052】図3に示す構成において、シャフト21に
ついては、Mg合金で構成される部材と接するもしくは
近接するので、Al合金もしくはZn合金で構成するこ
とが望ましいが、強度的な問題でステンレス鋼で構成し
ている。ステンレス鋼は、Mg合金との間の電極電位差
が1.1〜1.3Vであり1Vを超える。この場合に
は、シャフト21がMg合金で構成された部材と接する
部分(図3におけるA部)をシーリング材で封止する
か、ステンレス鋼製シャフトに化成処理を施して表面に
絶縁層を形成することが好ましい。ここで用いるシーリ
ング材としては、シリコーン系、ウレタン系、アクリル
系、エポキシ系の樹脂、グリース、オイル等を挙げるこ
とができる。また、化成処理としては、クロム酸処理、
錫酸処理等を挙げることができる。
【0053】上述した構成を採ることにより、Mg合金
で構成された部材の電気化学的腐食を防止することがで
きる。本実施例においても実施例1と同様の優れた耐食
性、すなわち海水や水が付着し易い厳しい環境の釣り場
においても実用可能な耐食性が得られる。
【0054】なお、Mg合金からなる魚釣り用リールの
構成部材が異種の金属からなる部材と組合せて使用され
る場合、例えばステンレス製のビスを用いたり、銅合金
製のドライブギアを配置する場合、異種金属との間で接
触腐食が生ずる恐れがある。
【0055】このような場合、高電圧陽極酸化処理(M
AGOXID処理)は、AlとMgとを同時に陽極酸化
することが可能であるため、Mg合金からなる部材にA
l合金からなる部材をインサートして、高電圧陽極酸化
処理することにより、異種金属との間の接触腐食を防止
することが出来る。それらの例を、図4〜図7に示す。
【0056】すなわち、図4は、スピニングリールを示
し、Mg合金からなるリール本体1に取り付けるビスと
してステンレス製のビス30を用いている。このビス3
0が取付けられるリール本体1の部分には、図5に示す
ように、Al合金からなるインサート31が設けられて
いる。このインサート31は、 Mg合金からなるリー
ル本体1の成形の際に挿入される。
【0057】このように、Al合金からなるインサート
31を設けた状態でリール本体1を高電圧陽極酸化処理
することにより、 Mg合金とAl合金とを同時に陽極
酸化することが出来、その結果、ステンレス製のビス3
0をインサート31に取り付けた場合でも、異種金属間
の接触腐食を防止することが出来る。
【0058】図6は、両軸リールを示し、リール本体4
0を構成するフレーム41内に、ドライブギア42が配
置されている。この場合、Mg合金からなるフレーム4
1に対し、ドライブギア42は銅合金製である。図7に
示すように、このドライブギア42に近接するフレーム
41の部分、すなわちリアフレームの部分に、Al合金
からなるインサート43がドライブギア42に対向して
配置されている。
【0059】このように、Al合金からなるインサート
43を配置した状態でフレーム41を高電圧陽極酸化処
理することにより、 Mg合金とAl合金とを同時に陽
極酸化することが出来、その結果、 Mg合金からなる
フレーム41内に銅合金製のドライブギア42が配置さ
れた場合でも、異種金属間の接触腐食を防止することが
出来る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣り用
リールの構成部材は、Mg合金で構成された部材本体
と、前記部材本体上に形成された、高電圧陽極酸化処理
による防食層とを具備するので、海水や水が付着し易い
厳しい環境の釣り場においても実用可能な耐食性が得ら
れる。なお、防食層を陽極酸化処理や化成処理により形
成し、またその防食層上に寸法変化のない封孔層をさら
に設けることにより、より充分な耐食性を発揮するとと
もに、防食層の色と封孔層の透明性、光沢とが調和し
て、美しい高品位の外観も得ることとなる。その結果、
強度が高く、超軽量で、高品位の外観であり、長期間に
わたって魚釣り操作性のよい魚釣り用リールを得ること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる構成部材を有する魚釣り用リー
ルの一例を示す図。
【図2】本発明の魚釣り用リールの構成部材の断面を示
す図。
【図3】本発明にかかる構成部材を有する魚釣り用リー
ルの他の例を示す図。
【図4】本発明にかかる構成部材を有する魚釣り用リー
ルの一例を示す図。
【図5】異種金属間の接触腐食の防止を説明するため
の、図4の一部を示す図。
【図6】本発明にかかる構成部材を有する魚釣り用リー
ルの他の例を示す図。
【図7】異種金属間の接触腐食の防止を説明するため
の、図6の一部を示す図。
【符号の説明】
1,40…リール本体、2…サイドカバー、3…ロー
タ、3a…突出腕部、4…スプール、5…ベール支持
板、6…ベール、7…ハンドルノブ、11…部材本体、
12…防食層、12a…孔、13…封孔層、21…シャ
フト、14…ハンドルアーム、15…ハンドルストッ
パ、16,22…キャップ、17…ハンドルスタンド、
18…ハンドルスタンドリベット、19…ハンドルノブ
リベット、20a,20b…ワッシャー、30…ビス、
31,43…インサート、41…フレーム、42…ドラ
イブギア。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mg合金で構成された部材本体と、この部
    材本体上に高電圧陽極酸化処理により形成された防食層
    とを具備することを特徴とする魚釣り用リールの構成部
    材。
  2. 【請求項2】Mg合金で構成された部材本体と、この部
    材本体上に陽極酸化処理または化成処理により形成され
    た防食層と、この防食層上に含浸処理により形成された
    寸法変化のない封孔層とを具備することを特徴とする魚
    釣り用リールの構成部材。
  3. 【請求項3】前記封孔層は、有機物またはセラミックス
    により構成されていることを特徴とする請求項2に記載
    の魚釣り用リールの構成部材。
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