JP2000312093A - 制震遮音性を有する電磁波シールド材 - Google Patents

制震遮音性を有する電磁波シールド材

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JP2000312093A JP11118844A JP11884499A JP2000312093A JP 2000312093 A JP2000312093 A JP 2000312093A JP 11118844 A JP11118844 A JP 11118844A JP 11884499 A JP11884499 A JP 11884499A JP 2000312093 A JP2000312093 A JP 2000312093A
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一 大関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一枚の材料で制震遮音と電磁波のシールドを
同時に図ることのできるシールド材を提供する。 【解決手段】 合成ゴム又は合成樹脂により改質したア
スファルトと高比重充填剤とを混練して構成した制震遮
音層と、この制震遮音層の一方の側面に貼着した合成繊
維不繊布又は紙から成る保護層と、前記制震遮音層の他
側面に貼着した薄い低炭素鋼板から成る電磁波シールド
層との三層から成る重合構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工場や事務所、
住宅等において部屋内の制震遮音を図ったり、電磁波を
シールドしたりする際に用いて好適な制震遮音性を有す
る電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工場や事務所、一般住宅等におい
て各種電化製品や電子機器等の普及がめざましく、これ
らの各種電子機器等は振動、騒音、或は電磁波を出すこ
とから、これらのものが人体に及ぼす影響が問題となっ
ている。これらの振動、騒音、電磁波等は、建物の中か
らばかりでなく、外からも例えば高速道路を走る自動車
からの低周波振動、騒音、或は高圧電線からの電磁波と
なって建物内部へ侵入している。
【0003】従来、工場や事務所、住宅等において屋内
の制震遮音を図るための材料としては、合成ゴムや合成
樹脂、或はアスファルト等のバインダーに砂鉄、スラ
グ、鉄粉等高比重充填剤を混合させて基材とし、この基
材の両面に保護層を形成させたものが公知である。ま
た、電磁波シールド材は、電磁波を反射或は吸収させる
もので、耐酸化性の金属箔や金属板、導電性織布シート
等が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は上記制震遮音材
や電磁波シールド材を必要に応じて一方或は両方を用い
壁部や床部、屋根、天井等に別々に貼り付け或は敷設し
ていたが、上述したような各種電化製品や電子機器等の
目覚しい普及から、部屋の制震遮音と電磁波のシールド
を同時に図る必要性が益々高まっていおり、制震遮音材
と電磁波シールド材を別々に部屋の壁部や床面、屋根、
天井等に張り付けたり、敷設することは、手間がかかり
煩雑であると共に施工コストが高くつくという問題があ
った。
【0005】この発明の目的は、一枚の材料で制震遮音
と電磁波のシールドを同時に図ることのできるシールド
材を提供せんとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためにこの発明は、合成ゴム又は合成樹脂により改質し
たアスファルトと高比重充填剤とを混練して構成した制
震遮音層と、この制震遮音層の一方の側面に貼着した合
成繊維不繊布又は紙から成る保護層と、前記制震遮音層
の他側面に貼着した薄い低炭素鋼板から成る電磁波シー
ルド層とで構成したことを特徴とする。
【0007】その際にこの発明は、合成ゴム又は合成樹
脂とアスファルトの混合比を重量比で8:92〜35:
65の範囲とすることが望ましく、アスファルトと高比
重充填剤との混合比は重量比で10:90〜50:50
の範囲とすることが望ましい。
【0008】さらにこの発明は、低炭素鋼板を、重量比
で0.1%以下の炭素を含むものとすることが望まし
く、その厚さは0.1mm以下とすることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図面はこの発明に係る制震遮音性
を有する電磁波シールド材の一実施の形態を示し、図1
において中央部分を形成しているのが制震遮音層1であ
る。この制震遮音層1は、大きな比重を持つ砂鉄、スラ
グ、鉄粉等の比重が4.0〜5.5で、粒径が2mm以
下のものを適宜組み合わせて混合させたもの、或は単体
のものと、改質アスファルトを重量比で50:50に混
合させたものであり、その一側面には、合成繊維等の不
織布から成る保護層2が貼着されている。制震遮音層1
の他側面には、低炭素鋼板が貼着され電磁波シールド層
が形成されている。このようにしてこの発明に係る制震
遮音性を有する電磁波シールド材は、中央部の制震遮音
層1と、その両側面を覆う一側面側の保護層と、他側面
を覆う電磁波シールド層との三層からなる三重構造とな
っている。
【0010】制震遮音層1を構成する改質アスファルト
は、スチレン・ブタジェン・スチレンゴム(SBS)、
スチレン・イソプレン・スチレンゴム(SIS)スチレ
ン・エチレン・スチレンゴム(SEBS)等の熱可塑性
合成ゴムとアスファルトを混合したもの、又はアタクチ
ックポリエチレン(APP)等のアスファルトと混合性
の良い熱可塑性合成樹脂とアスファルトを混合したもの
を用いた。
【0011】また、改質アスファルトと高比重充填剤と
の配合比は以上の実施の形態のものは、重量比で50:
50であったが、これは重量比で10:90の間で任意
に選択できるものである。
【0012】さらに、電磁波シールド層として用いる低
炭素鋼板は、炭素の含有量が0.1%重量比以下が望ま
しく、0.1%以上になると電磁波シールド効果を低下
する。さらに厚さは0.1mm以下のものが望ましく、
これ以上厚くすると、施工作業において剛性が大とな
り、施工下地への馴染み性が悪く、各層相互の接着性が
不良になる。また、切断加工性に悪くなる。この電磁波
シールド層は電磁波シールド性を必要とされることか
ら、他に銅箔、ニッケル板等も使用できるが、コストが
高く実用的ではない。さらに制震遮音層の加熱、加圧、
加工時において平滑で均一の厚さのものをスムーズに製
造する上で上記低炭素板が最適なものであった。
【0013】次に、製造方法であるが、以上の合成ゴム
又は合成樹脂とアスファルトの混合物と高比重充填剤と
をワーナーミキサーを用いて100〜150℃の温度で
高比重充填剤が均一に分散するように混練し、これを二
本のカレンダーロール間を通して所定の厚さにシート化
するが、合成繊維等の不織布を保護材とする方のロール
の温度は100℃以下とし、低炭素鋼板側のロール温度
は150℃前後の温度として成型すると、保護材や低炭
素鋼板との接着もよく平滑な表面仕上げの制震遮音性を
有する電磁波シールド材が得られる。
【0014】尚、保護層を形成するものは、以上の実施
の形態のものは、合成繊維製等の不織布であったが、こ
れを紙製としても良い。
【0015】図2は以上のようにして製造した制震遮音
性を有する電磁波シールド材4の形態を示し、図面に示
されたものは、主として壁面に張り付ける際に用いるも
ので、厚さ2mm、幅910mmのものをロール状に巻
いてある。これを壁面に張り付ける際には、適宜長さに
切断して下地の上に釘止め等によって固定する。
【0016】図3は主として床面に敷設する場合の制震
遮音性のある電磁波シールド材5の形態を示し、厚さは
4mm、8mm、及び10mm等に選定し、サイズは4
50mm×910mm、910mm×9mmというよう
に選定して板状のものとし、これを床仕上材の下側に敷
設して用いるものである。
【0017】以上のようにして製造した厚さ2.6mm
のシールド材と、高比重充填剤を炭酸カルシウム粉に変
えた比較材料とを間仕切材として使用した場合の遮音等
級を測定した結果を次表に示す。
【0018】
【表1】
【0019】次に、比較材料として上記した低炭素鋼板
をアルミニウム、鉄及び銅箔に変えたものを作成し、K
EC法に準拠して電磁波のシールド効果について測定し
たところ、次表のような結果が得られた。
【0020】
【表2】
【0021】上記の測定結果から明らかなごとく、アル
ミニウム、鉄等の金属シートよりも電磁波のシールド効
果が大きく、単価の高い銅箔に近い電磁波シールド性が
得られた。
【0022】
【発明の効果】この発明は以上のように構成したので、
薄肉シート状のものとしたり、或はさまざまな材厚やサ
イズの板状のものとして、これを工場や事務所、或は一
般住宅等の部屋の壁部や床面、或は天井や屋根等に貼り
つけたり、敷設したりすることにより、1回の工程で部
屋の制震遮音性を図り同時に電磁波をシールドさせるこ
とができるので、部屋内の人間が振動や騒音或は電磁波
による影響を受けるのを可及的に防止することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る制震遮音性を有する電磁波シー
ルド材の一部拡大断面図である。
【図2】この発明に係る制震遮音性を有する電磁波シー
ルド材の製品形態を示す斜視図である。
【図3】この発明に係る制震遮音性を有する電磁波シー
ルド材の他の製品形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 制震遮音層 2 保護層 3 電磁波シールド層 4 制震遮音性を有する電磁波シールド材 5 制震遮音性を有する電磁波シールド材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月27日(1999.4.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】図3は主として床面に敷設する場合の制震
遮音性のある電磁波シールド材5の形態を示し、厚さは
4mm、8mm、及び10mm等に選定し、サイズは4
50mm×910mm、910mm×910mmという
ように選定して板状のものとし、これを床仕上材の下側
に敷設して用いるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】以上のようにして製造した厚さ2.6mm
のシールド材と、高比重充填剤を炭酸カルシウム粉に変
えた比較材料とを間仕切材として使用した場合の音圧レ
ベル差を測定した結果を次表に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/98 E04B 1/98 H G10K 11/16 G10K 11/16 J 11/162 A Fターム(参考) 2E001 DG01 DH01 GA03 GA12 GA28 HB02 HD11 JA06 JB02 JD08 JD09 4F100 AA37C AB07C AK01A AK01B AK04 AK04J AK12 AK12J AK28 AK28J AK73 AL01 AM00A AN02A BA03 BA07 BA10B BA10C CA23A DG10B DG15B EJ19 GB08 JA13A JA20C JD08 JD08C JH01 JH01A JH02 JH02A JL02 YY00A YY00C 5D061 AA04 AA06 AA16 AA23 BB01 BB21 GG01 GG06 5E321 AA41 AA44 BB21 BB32 BB44 CC16 GG05 GH05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成ゴム又は合成樹脂により改質したア
    スファルトと高比重充填剤とを混練して構成した制震遮
    音層と、この制震遮音層の一方の側面に貼着した合成繊
    維不繊布又は紙から成る保護層と、前記制震遮音層の他
    側面に貼着した薄い低炭素鋼板から成る電磁波シールド
    層とで構成したことを特徴とする、制震遮音性を有する
    電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】 合成ゴム又は合成樹脂とアスファルトの
    混合比が重量比で8:92〜35:65の範囲であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の制震遮音性を有する
    電磁波シールド材。
  3. 【請求項3】 アスファルトと高比重充填剤との混合比
    が重量比で10:90〜50:50の範囲であることを
    特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の制震遮
    音性を有する電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】 低炭素鋼板は、重量比で0.1%以下の
    炭素を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至
    3のいずれかに記載の制震遮音性を有する電磁波シール
    ド材。
  5. 【請求項5】 低炭素鋼板は、厚さが0.1mm以下で
    あることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記
    載の制震遮音性を有する電磁波シールド材。
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