JP2000311859A - フォーカスリングおよびその製造方法 - Google Patents

フォーカスリングおよびその製造方法

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JP2000311859A
JP2000311859A JP11119551A JP11955199A JP2000311859A JP 2000311859 A JP2000311859 A JP 2000311859A JP 11119551 A JP11119551 A JP 11119551A JP 11955199 A JP11955199 A JP 11955199A JP 2000311859 A JP2000311859 A JP 2000311859A
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Atsuo Kawada
敦雄 川田
Hiroshi Mogi
弘 茂木
Toshimi Kobayashi
利美 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素系ガスなど腐食性ガスによるクリーニ
ングを行っても、パーティクルが発生することがないフ
ォーカスリングを提供する。 【解決手段】 プラズマ装置に用いられるフォーカスリ
ングであって、表面に化学気相蒸着法により成膜された
セラミック被膜を有するフォーカスリング。および、プ
ラズマ装置に用いられるフォーカスリングの製造方法に
おいて、円環状の基材に化学気相蒸着法によってセラミ
ック被膜を成膜してフォーカスリングを製造するフォー
カスリングの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス等
の製造に用いられるプラズマ装置用フォーカスリングに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイス等の製造には、半
導体ウエーハに薄膜を成膜したり、エッチングを施す場
合に、プラズマを利用した装置が多用されている。この
ようなプラズマ装置では、製造される半導体デバイスの
特性がウエーハの面内でばらつかないようにするため、
ウエーハ上に供給されるプラズマを均一にする必要があ
る。このため、従来よりウエーハの周囲にフォーカスリ
ングと呼ばれる円環状の部品を配置する工夫がなされて
きた。
【0003】例えば、ウエーハの周囲にアルミナ等の誘
電体からなるフォーカスリングを配置することにより、
ウエーハ上にプラズマを収束させ、ウエーハ周辺部での
プラズマの密度低下を防ぎ、ウエーハ上のプラズマの均
一性を向上させることが行われてきた。また、シリコン
などの導電体から成るフォーカスリングを配置すること
により、プラズマをウエーハの外側まで拡大させ、ウエ
ーハ上のプラズマの均一性を向上させることも行われて
きた。
【0004】ところで、このようなプラズマ装置、特に
プラズマによるCVD(化学気相蒸着法)等の成膜装置
では、半導体デバイスの製造時に装置の内面、特にウエ
ーハに近いフォーカスリング上にも膜が形成される。こ
の不要な膜は、ウエーハを汚染するパーティクルの発生
源となる等好ましくない。そのため定期的にクリーニン
グを行い、フォーカスリング等の装置の内面に形成され
た余分の膜を除去する必要がある。
【0005】このクリーニングの方法としては、クリー
ニング作業の簡便・効率化および装置のスループットの
維持のため、装置内部にエッチングガスを供給して行う
インサイチュクリーニングが主流である。このようなイ
ンサイチュクリーニングであれば、装置を分解してクリ
ーニングするような必要がなく、効率良く簡単にクリー
ニングを行うことができる。ところが近年、このインサ
イチュクリーニングに特に反応性の高く、クリーニング
効率の良い三フッ化窒素や三フッ化塩素等のフッ素系ガ
スが使用されるようになったことから、フォーカスリン
グをはじめとする装置部品の消耗が問題となってきた。
【0006】一般にフッ素系ガスへの耐食性が高い物質
としてはアルミナや窒化アルミニウムが知られている。
そこで、フォーカスリング等のプラズマ装置部品の材料
にアルミナや窒化アルミニウムを用いる場合が多くなっ
ている。このアルミナや窒化アルミニウムから成るフォ
ーカスリングを作製するにあたっては、一般にアルミナ
や窒化アルミニウムの粒子を高温で焼結させる方法がと
られており、実用上耐えられる強度を保つために、これ
らの粒子にシリカやイットリアなどの助剤が添加されて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような焼
結法で作られたアルミナや窒化アルミニウムから成るプ
ラズマ装置部品、特にフォーカスリングは、三フッ化窒
素や三フッ化塩素等のフッ素系ガスによるクリーニング
を行うと、大きな消耗は起こらないものの、粒子の境界
に僅かに存在する助剤部分が腐食し、やがて粒子が脱落
するようになることが分かってきた。この脱落粒子はパ
ーティクルの一種として半導体デバイスに混入し、製造
歩留りを低下させる等の問題となる。
【0008】一方、この助剤部分からの腐食を防ぐため
に、助剤を添加しないか、あるいは添加量を低減してし
まうと、今度はフォーカスリング等の装置部品の強度が
保てなくなり、実用に耐えられないものとなってしま
う。このように、従来はプラズマ装置にフッ素系ガスに
よるインサイチュクリーニングを施すと、フォーカスリ
ング等からパーティクルが発生し、それが半導体デバイ
スの製造歩留りを低下させ、問題であった。
【0009】本発明は上記の問題を鑑みてなされたもの
で、フッ素系ガスなど腐食性ガスによるクリーニングを
行っても、パーティクルが発生することがないフォーカ
スリングを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、プラズマ装置
に用いられるフォーカスリングであって、表面に化学気
相蒸着法により成膜されたセラミック被膜を有すること
を特徴とするフォーカスリングである。このように、表
面に化学気相蒸着法により成膜されたセラミック被膜を
有するフォーカスリングであれば、三フッ化窒素や三フ
ッ化塩素等のフッ素系ガスによるクリーニングに対する
耐食性が大きいので、表面が腐食されてパーティクルが
発生することを低減することができる。
【0011】この場合、請求項2に記載したように、前
記セラミック被膜は窒化アルミニウムから成ることが好
ましい。このように、セラミック被膜が窒化アルミニウ
ムから成るものであれば、パーティクルを防止する効果
はより大きなものとなる。
【0012】また請求項3に記載したように、前記セラ
ミック被膜中の酸素濃度は3重量%以下であることが好
ましい。このように、セラミック被膜中の酸素濃度が3
重量%以下であれば、パーティクルを防止する効果はさ
らに大きなものとなる。
【0013】そして請求項4に記載したように、前記フ
ォーカスリングの基材は、シリコン、カーボン、窒化ア
ルミニウム、窒化ホウ素、アルミナあるいはこれらの複
合物のいずれかから成ることが好ましい。このように、
フォーカスリングの基材が上記のような物質から成るも
のであれば、フォーカスリングとしての特性に優れると
ともに、セラミック被膜との密着性、熱膨張係数の適合
性もよく、フォーカスリングとしての寿命も長くなる。
【0014】また、請求項5に記載したように、前記セ
ラミック被膜の表面は、化学気相蒸着法により堆積させ
たままの状態であることが好ましい。このように、セラ
ミック被膜の表面が、化学気相蒸着法により堆積させた
ままの状態であれば耐食性が向上し、よりパーティクル
が発生しにくくなる。
【0015】さらに、請求項6に記載したように、前記
セラミック被膜の厚さは1〜100μmであることが好
ましい。このように、セラミック被膜の厚さが1μm以
上であればパーティクルを防止する効果を十分にあげる
ことができ、100μm以下であれば被膜の耐久性も十
分で、内部応力も低減できるからである。
【0016】そして、本発明の請求項7に記載した発明
は、プラズマ装置に用いられるフォーカスリングの製造
方法において、円環状の基材に化学気相蒸着法によって
セラミック被膜を成膜してフォーカスリングを製造する
ことを特徴とするフォーカスリングの製造方法である。
【0017】このように、円環状の基材に化学気相蒸着
法によってセラミック被膜を成膜するフォーカスリング
の製造方法は、三フッ化窒素や三フッ化塩素等のフッ素
系ガスによるクリーニングを繰り返し行ってもパーティ
クルの発生がほとんどないフォーカスリングを簡単かつ
低コストで製造することができる。
【0018】以下、本発明をさらに詳述するが本発明は
これに限定されるものではない。本発明は、プラズマ装
置に用いられるフォーカスリングにおいて、その表面に
化学気相蒸着法によりセラミック被膜を成膜することに
より、パーティクルの発生等を防ぐという発想に基づく
ものである。
【0019】従来のアルミナや窒化アルミニウムから成
るフォーカスリングは焼結法により作製されており、強
度を保つために、粒子間にフッ素系ガスに腐食されやす
い助剤部分を有していることが欠点であった。
【0020】そこで、本発明ではフォーカスリングの基
材に化学気相蒸着法でセラミック被膜を成膜することと
した。すなわち、化学気相蒸着法で成膜されたセラミッ
ク被膜は、一般に高純度、高密度であり、焼結法による
アルミナや窒化アルミニウムから成るセラミックと異な
り粒子間にフッ素系ガスに腐食されやすい助剤部分がな
い。従って、フッ素系ガスによるクリーニングを行って
も焼結法で製造されたフォーカスリングに見られる助剤
の腐食による粒子の脱落という現象が起こらない。その
ため、パーティクルの発生、寿命の低下あるいはその他
の不都合が生じることを防止することができるのであ
る。本発明は、さらに他の諸条件を精査されて、完成に
至ったものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明するが本発明はこれに限定される
ものではない。ここで、図1は本発明にかかるフォーカ
スリングの一例を示した図であり、(a)はその平面図
であり、(b)はその縦断面図である。図1(a)
(b)に示すように、本発明のフォーカスリング1は、
円環状の基材2の表面に化学気相蒸着法によってセラミ
ック被膜3を成膜した構造となっている。
【0022】このセラミック被膜3は、特に限定される
ものではなく化学気相蒸着法により成膜されたセラミッ
クであれば、焼結助剤のようなものを用いないので、フ
ッ素系ガスに対する耐食性は高いが、さらにこのセラミ
ック被膜を窒化アルミニウムとすると、被膜自体の耐食
性が一層向上し、粒子の脱落によるパーティクルの発生
等がさらに起こりにくくなる。
【0023】また、このセラミック被膜3は、その酸素
濃度が3重量%以下であることが好ましい。これは、セ
ラミック被膜3中に酸素が大量に存在すると、フッ素系
ガスにより、フッ化物の微粉が生成しパーティクルにな
ることがあるが、酸素濃度を3重量%以下にするとほと
んど生成しなくなるからである。このセラミック被膜中
の酸素濃度を所望の値にするためには、化学気相蒸着法
でセラミック被膜を成膜する際に、雰囲気中の酸素濃度
を調整することで容易に調整が可能である。
【0024】ここで、セラミック被膜3が成膜されるフ
ォーカスリングの基材2自体は、化学気相蒸着法により
作られたものでなくとも良く、従来の焼結法によって作
られたものであっても良い。さらにアルミナ、窒化アル
ミニウム等のセラミックでなくとも良く、十分な強度と
耐熱性を有し、所望の電気的特性を有するものであれ
ば、適用することが可能である。
【0025】この場合、フォーカスリングの基材2の材
料が、表面に成膜されるセラミック被膜と近い熱膨張率
をもつ材料、特にシリコン、カーボン、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、アルミナあるいはこれらの複合物のい
ずれかであると、フォーカスリングとしての諸特性に優
れるとともにプラズマ装置内で使用した場合のヒートサ
イクルによる被膜の剥離やクラックの発生が起こりにく
くなり、寿命を向上させることができるため、上記のよ
うな材料から成ることが一層好ましい。
【0026】そして、基材の表面に化学気相蒸着法によ
りセラミック被膜3を成膜した後は、目的に応じ研削や
研磨等の加工を加えてもよいが、このような加工を加え
ず化学気相蒸着法により堆積させたままの状態であるこ
とが好ましい。これは、セラミック被膜3の表面は、研
削・研磨等の加工が加わると歪み層が生成しフッ素系ガ
スにより腐食されやすくなることがあるためである。そ
こで、成膜直後のまま加工を行わない状態(アズデポジ
ット状態)とすることで、このような腐食を防止しパー
ティクルの発生を低減することができる。
【0027】さらに、化学気相蒸着法により成膜される
セラミック被膜3の厚さは、1〜100μmとすること
ができる。これは、1μm以上とすれば被膜が薄過ぎて
被膜に微小孔が発生するようなこともなく、フッ素系ガ
スに対する耐食性が十分となるし、100μm以下とす
れば、厚さとしては十分で、被膜が厚過ぎて、被膜の内
部応力のためにクラックが発生するようなこともなく、
フォーカスリングの寿命も十分なものとなるからであ
る。
【0028】そして、このような本発明のフォーカスリ
ングを製造する方法の一例としては、例えば、まず所定
形状の円環状基材を窒化アルミニウムを焼結させること
により作製する。次に、この基材を化学気相蒸着装置の
反応容器内に配置し、反応容器内を減圧して、基材を加
熱してからアンモニアガスと三塩化アルミニウムガスを
それぞれ所定の圧力になるように反応容器内に供給す
る。この時、雰囲気内の酸素濃度を低く抑える。そし
て、窒化アルミニウムの被膜が1μm以上100μm以
下の任意の厚さに堆積するまで反応を行った後、研削・
研磨等の加工を行わず成膜直後のままの状態として、完
成されたフォーカスリングを得ることができる。
【0029】以下、上記本発明のフォーカスリングをプ
ラズマ装置に具体的に適用した一例を図面に基づき説明
する。ここで、図2は、本発明のフォーカスリングを適
用したプラズマ装置の一例を示した概要図である。
【0030】図2に示すように、このプラズマ装置11
における反応室12は、気密に閉塞自在な円筒形状の反
応容器13内に形成され、該反応容器13自体は接地さ
れている。前記反応室12内の底部には、セラミック等
の絶縁支持板14が設けられており、この絶縁支持板1
4の上部に、被処理体、例えば半導体ウエーハWを載置
するための下部電極を構成する略円筒状のサセプタ15
が収容されている。
【0031】前記サセプタ15の上面中央部には、ウエ
ーハWと略同形の静電チャック16が設けられている。
この静電チャック16は、円盤状の絶縁誘電体内に導電
体電極を有する構造となっており、導電体電極に高電圧
を印加することによって、この静電チャック16上面に
載置されたウエーハWは、クーロン力によってその位置
で吸着保持されるようになっている。
【0032】そして、前記サセプタ15の上端周辺部に
は、静電チャック16上に載置されたウエーハWを囲む
ように、本発明のフォーカスリング1が配置される。こ
のフォーカスリング1は、例えばプラズマを引き寄せな
い絶縁誘電性の基材から成り、その表面には化学気相蒸
着法によりセラミック被膜が形成されている。そのた
め、プラズマによって発生した反応性イオンをその内側
のウエーハW上に効果的に収束させることが可能なよう
になっている。
【0033】前記サセプタ15の上方には、このサセプ
タ15と平行に対向して、これより例えば15〜20m
m程度離間させた位置に、上部電極17が反応容器13
の上部内壁に固着されており、反応容器13と導通して
接地されている。この上部電極17は、前記サセプタ1
5との対向面に、多数の拡散孔が穿設された電極板18
を有し、上部電極17全体の内部は中空構造となってい
る。
【0034】前記上部電極17の中央にはガス導入口1
9が設けられている。このガス導入口19には、ガス供
給量を制御できるマスフローコントローラ20を介して
反応ガス源21及びエッチングガス源22が接続され、
例えば半導体ウエーハにエピタキシャル層を成膜する場
合には、反応ガス源21から反応ガスとして四塩化ケ素
ガス等が導入され、クリーニングを行う場合には、エッ
チングガス源22からエッチングガスとして三フッ化窒
素等が導入されるようになっている。そして、反応ガス
又はエッチングガスは、ガス導入口19及び上部電極1
7の中空部を通って、電極板18の拡散孔からウエーハ
Wに向けて均一に供給されるようになっている。
【0035】反応容器13の側壁下方には排気口23が
設けられている。さらにこの排気口23には、不図示の
真空ポンプが接続されており、この真空ポンプにより反
応室12内は、所定の減圧雰囲気、例えば0.01To
rr〜10Torrまでの任意の減圧度にまで減圧でき
るようにされている。
【0036】下部電極を構成するサセプタ15には、高
周波電源24が接続されており、この高周波電源24か
ら供給された電力により、下部電極であるサセプタ15
と接地された上部電極17との間でプラズマが発生する
のである。
【0037】以下、上記のように構成されたプラズマ装
置11により、半導体ウエーハ表面に薄膜エピタキシャ
ル層を成膜する場合について説明する。まず、半導体ウ
エーハWが静電チャック16上に載置され、静電チャッ
ク16により吸着保持される。反応室12内は排気口2
3より真空ポンプにより排気されることにより減圧雰囲
気にされる。そして、反応室12内が所定の圧力に減圧
されると、マスフローコントローラ20によって流量が
制御されつつ、反応ガス源21から反応ガスである四塩
化ケイ素ガスが、ガス導入口19を通じて上部電極17
の中空部へと導入され、さらに電極板18の拡散孔を通
じて、ウエーハW上に供給される。そして、高周波電源
24からサセプタ15に対して高周波電力が供給される
と、上部電極17とサセプタ15との間にプラズマが発
生し、反応室12内に導入された反応ガスがイオン化し
て、半導体ウエーハW上に蒸着し、ウエーハW表面にエ
ピタキシャル層が成長していく。
【0038】この場合、誘電体であるフォーカスリング
1は、ウエーハWの周辺に逃散しようとするプラズマを
再びウエーハW上に収束させる作用があるため、プラズ
マは効率良く均一にウエーハW上に供給されることにな
り、成膜工程の成膜効率及び膜厚均一性を維持すること
ができる。
【0039】上記成膜工程を何回か繰り返すと、反応室
12内のフォーカスリング1その他の部品にもシリコン
膜が形成され、パーティクルの発生原因となる。特に、
ウエーハWに近いフォーカスリング1に不要なシリコン
膜が形成されるとパーティクルによりウエーハが汚染さ
れる原因となるため、クリーニングを行う。このクリー
ニングは、スループットの維持のため装置11内にエッ
チングガスを供給するインサイチュクリーニングによっ
て行う。まず、マスフローコントローラ20によりその
流量が制御されつつ、エッチングガス源22からエッチ
ングガスが、ガス導入口19を通じて装置11の各部に
供給され、形成された膜を除去する。同時に不要なガス
は排気口23よりプラズマ装置11外に排出される。
【0040】このクリーニングに際して、本発明のフォ
ーカスリング1は、反応性が高く、クリーニング効果の
高い三フッ化窒素ガスや三フッ化塩素ガス等のフッ素系
のガスをクリーニングガスとして使用した場合において
も、その表面に化学気相蒸着法により成膜されたセラミ
ック被膜を有しているため、腐食によるパーティクルが
発生することがほとんどない。したがって、パーティク
ルにより半導体ウエーハWを汚染されることを防ぐこと
ができ、効率良くクリーニングを行うことによって、装
置のスループットを維持することができる。
【0041】このプラズマ装置11を継続して使用する
にあたっては、半導体ウエーハへの成膜工程と、フッ素
系ガスによるクリーニングが繰り返し実施されることに
なるが、本発明のフォーカスリング1はこのような実施
にも十分な耐久性を有し、パーティクルの発生を抑える
ことができるため、デバイス製造の歩留りを向上させる
ことができるのである。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。 (実施例)外径250mm、内径203mm、厚さ2m
mの円環状のフォーカスリングの基材を、焼結窒化アル
ミニウムにより作製した。この基材を、内径300mm
の化学気相蒸着装置の反応容器の中心部に載置した。反
応容器内を減圧にし800℃に加熱してからアンモニア
ガスと三塩化アルミニウムガスをそれぞれ500cc/
分、100cc/分で供給し、圧力1Torrで1時間
反応を行った。なお雰囲気内の酸素濃度は検出限界以下
にまで極めて低く抑えられた。この結果、焼結窒化アル
ミニウムからなる円環状の基材上に、厚さ30μmの化
学気相蒸着法による窒化アルミニウム被膜が形成され、
研削・研磨等を行わず被膜を堆積したままの状態でフォ
ーカスリングが完成された。
【0043】この化学気相蒸着による窒化アルミニウム
の被膜を設けたフォーカスリングを、図2に示すような
プラズマ装置に設置し、半導体ウエーハへのプラズマ化
学気相蒸着法による薄膜エピタキシャル層の成膜とフッ
素系ガスによるクリーニングを繰り返したところ、この
セラミック被膜を設けたフォーカスリングを用いた時の
シリコン半導体デバイスの製造歩留りは、従来の被膜を
設けない焼結窒化アルミニウムのフォーカスリングを用
いた時の製造歩留りに比べ約2倍であった。
【0044】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフォーカ
スリングでは、化学気相蒸着法で製造されたセラミック
被膜を有することにより、フッ素系ガスなどの腐食性ガ
スによるクリーニングを繰り返し行ってもパーティクル
の発生がほとんどなく、半導体デバイスの製造歩留りが
向上するという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォーカスリングの一例を示す図であ
り、(a)はその平面図であり、(b)はその縦断面図
である。
【図2】本発明のフォーカスリングを適用したプラズマ
装置の一例を示した概要図である。
【符号の説明】
1…フォーカスリング、 2…基材、 3…セラミック
被膜、11…プラズマ装置、 12…反応室、 13…
反応容器、14…絶縁支持板、 15…サセプタ(下部
電極)、 16…静電チャック、17…上部電極、 1
8…電極板、 19…ガス導入口、20…マスフローコ
ントローラ、 21…反応ガス源、22…エッチングガ
ス源、 23…排気口、 24…高周波電源、W…半導
体ウエーハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 利美 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 5F004 AA13 BA04 BA19 BB18 BB21 BB22 BB28 BD04 DA17 DB01 5F045 AA08 AB02 AC02 AC03 AE17 AE19 BB15 EM03 EM09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ装置に用いられるフォーカスリ
    ングであって、表面に化学気相蒸着法により成膜された
    セラミック被膜を有することを特徴とするフォーカスリ
    ング。
  2. 【請求項2】 前記セラミック被膜は窒化アルミニウム
    から成ることを特徴とする請求項1に記載のフォーカス
    リング。
  3. 【請求項3】 前記セラミック被膜中の酸素濃度は3重
    量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のフォーカスリング。
  4. 【請求項4】 前記フォーカスリングの基材は、シリコ
    ン、カーボン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミ
    ナあるいはこれらの複合物のいずれかから成ることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載
    のフォーカスリング。
  5. 【請求項5】 前記セラミック被膜の表面は、化学気相
    蒸着法により堆積させたままの状態であることを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のフ
    ォーカスリング。
  6. 【請求項6】 前記セラミック被膜の厚さは1〜100
    μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5の
    いずれか1項に記載のフォーカスリング。
  7. 【請求項7】 プラズマ装置に用いられるフォーカスリ
    ングの製造方法において、円環状の基材に化学気相蒸着
    法によってセラミック被膜を成膜してフォーカスリング
    を製造することを特徴とするフォーカスリングの製造方
    法。
JP11119551A 1999-04-27 1999-04-27 フォーカスリングおよびその製造方法 Pending JP2000311859A (ja)

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