JP2000311798A - マイクロ波プラズマ装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ装置

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JP2000311798A
JP2000311798A JP11119002A JP11900299A JP2000311798A JP 2000311798 A JP2000311798 A JP 2000311798A JP 11119002 A JP11119002 A JP 11119002A JP 11900299 A JP11900299 A JP 11900299A JP 2000311798 A JP2000311798 A JP 2000311798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、マイクロ波による高真空ポンプ
の動作制御不良を防止視して高真空ポンプによる均一な
排気を実現するマイクロ波プラズマ処理装置を提供する
ことを例示的な目的とする。 【解決手段】 本発明のマイクロ波プラズマ装置は、処
理室に固定されて、マイクロ波源から導入されるマイク
ロ波の高真空ポンプへの侵入を防止するマイクロ波阻止
部材を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波プラズ
マ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製品の高密度化及び高微細
化に伴い、半導体製品の製造工程において、成膜、エッ
チング、アッシング等の処理のためにプラズマ処理装置
が使用される場合がある。例えば、典型的なマイクロ波
プラズマ装置においては、2.45GHz程度のマイク
ロ波がスロット電極を通過し、半導体ウェハやLCD基
板などの被処理体が配置され、ポンプで減圧環境下に維
持された処理室内に導入される。一方、反応ガスも処理
室に導入され、マイクロ波によってプラズマ化され、活
性の強いラジカルとイオンとなり、これが被処理体と反
応して成膜処理やエッチング処理などが行われる。
【0003】従来のマイクロ波プラズマ装置の概略ブロ
ック図を図12に簡略的に示す。マイクロ波プラズマ装
置1は、同図に示すように、被処理体Wを載置している
サセプタ4を収納する処理室2を有している。サセプタ
4にはロッド6が接続され、処理室2の底部には減圧環
境を維持すると共に処理室2の雰囲気が処理室2の外部
に流出するのを防止するベローズ8が設けられている。
処理室2外部には、ロッド6を介してサセプタ4を昇降
させる昇降機構10と、高真空ポンプ12と、処理室2
にマイクロ波を供給するマイクロ波源14とが設けられ
ている。
【0004】図12に示すマイクロ波プラズマ装置1
は、昇降機構10がサセプタ4を上下に昇降することが
できるので、被処理体Wのプロセス速度を調節(即ち、
プロセス条件を確保)できるという特長を有している。
処理室2の底部には、高真空ポンプ12が配管を介さず
に接続されており、処理室に配管を介して油圧ポンプな
どを接続していた構造に比べて処理室2の高真空、高減
圧環境を形成する上では優れている。高真空、高減圧環
境は、高密度プラズマを達成して高品質の処理を行う上
で不可欠である。高真空ポンプ12は、処理室2の底部
近傍に斜方又は側方にほぼ対称に2つ又はそれ以上設け
られており、排気を均一にするように企図されている。
排気を均一にする主たる理由は処理室2内のプラズマ密
度を均一に保つためである。なぜなら、部分的にプラズ
マ密度が集中すれば、部分的に被処理体Wの処理深さが
変化してしまうからである。
【0005】その後、マイクロ波源14から導入された
マイクロ波により図示しない反応ガスがプラズマ化さ
れ、活性の強いラジカルとイオンとなり、これが被処理
体Wと反応して成膜処理やエッチング処理などが行われ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示さ
れるマイクロ波プラズマ装置1においては、被処理体W
が処理される空間(処理空間)からマイクロ波が下部の
高真空ポンプに漏れて動作制御不良を引き起こすという
問題があった。特に、反応ガスがプラズマ化される前に
おいて、大量のマイクロ波が高真空ポンプに侵入すると
制御不良など破壊や損傷を引き起こす場合がある。ま
た、高真空ポンプがかかる動作不良により処理室を均一
に排気できなくなるという問題も有していた。
【0007】そこで、このような課題を解決する新規か
つ有用なマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを
本発明の概括的目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の例示的一態様で
あるマイクロ波プラズマ装置は、被処理体に所定のプラ
ズマ処理を行う処理室と、前記処理室に接続されて当該
処理室に前記所定のプラズマ処理に使用されるマイクロ
波を供給するマイクロ波源と、前記処理室に設けられた
高真空ポンプと、前記処理室に固定されて前記高真空ポ
ンプへの前記マイクロ波の侵入を防止するマイクロ波阻
止部材とを有する。かかるマイクロ波プラズマ装置によ
れば、マイクロ波阻止部材が高真空ポンプへのマイクロ
波の侵入を防止する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、プラ
ズマCVD装置として使用される本発明の例示的なマイ
クロ波プラズマ装置100について説明する。なお、各
図において同一の参照符号は同一部材を表している。こ
こで、図1は、マイクロ波プラズマ装置100の概略ブ
ロック図である。本実施例のマイクロ波プラズマ装置1
00は、半導体ウェハ基板やLCD基板などの被処理体
Wを載置しているサセプタ104を収納する処理室10
2と、処理室102に接続されている高真空ポンプ10
8と、マイクロ波源110と、アンテナ部材120と、
サセプタ昇降系130と、リフタピン昇降系140と、
反応ガス供給系150と、ビューポート160と、クラ
スターツール170と、マイクロ波阻止部材280とを
有している。なお、プラズマ処理装置100の制御系に
ついては図示が省略されている。
【0010】処理室102は、側壁や底部がアルミニウ
ムなどの導体により構成されて、全体が断面的に凸状に
成形されている。この点で、処理室102の底面積は図
12に示す従来の処理室2の底面積よりも拡大されてい
る。また、処理室102の内部は高真空ポンプ108に
より所定の減圧又は真空密閉空間に維持されることがで
きる。処理室102内には、サセプタ104とその上に
被処理体Wが支持されている。なお、図1においては、
被処理体Wを固定する静電チャックやクランプ機構など
は便宜上省略されている。
【0011】サセプタ104は、処理室102内で被処
理体Wの温度制御を行う。例えば、CVDプロセスであ
れば約450℃に、エッチングプロセスであれば少なく
とも80℃以下に維持される。いずれの場合にしろ、被
処理体Wには不純物としての水分が付着しないような温
度に設定される。温度制御方法は、後述するように、温
度センサとヒータ装置を利用するなど、当業界で知られ
たいずれの方法をも利用することができる。
【0012】選択的に、サセプタ104は、図5及び図
6に示すように、段差193を有するサセプタ192に
置換されてバッフル板(又は整流板)194を段差19
3に載置してもよい。ここで、図5はサセプタ192と
バッフル板194と被処理体Wの関係を示す断面図であ
る。また、図6は、サセプタ192とバッフル板194
と被処理体Wの関係を示す平面図である。
【0013】この場合、サセプタ192はバッフル板1
94と共に昇降することになる。但し、この条件は必ず
しも必要不可欠ではない。例えば、バッフル板194
は、選択的に、後述するプロセスポジションに移動した
サセプタ192と係合するように構成されてもよい。バ
ッフル板194は被処理体Wが存在する処理空間とその
下の排気空間を分離して、主として、処理空間の電位を
確保(即ち、マイクロ波を処理空間に確保)すると共に
真空度(例えば、50mTorr)を維持する機能を有
する。バッフル板194は、例えば、純アルミニウム製
で図6に示すように中空のディスク形状を有する。バッ
フル板194は、例えば、厚さ2mmを有し、径2mm
程度の孔196をランダムに多数(例えば、開口率50
%以上)有する。なお、選択的に、バッフル板194は
メッシュ構造を有していてもよい。必要があれば、バッ
フル板194は排気空間から処理空間への逆流を防止し
たり、処理空間と排気空間の差圧をとったりする機能を
有していてもよい。
【0014】処理室102の側壁には、反応ガス供給系
150の石英パイプ製ガス供給ノズル158が設けら
れ、このノズル158は、ガス供給路156によりマス
フローコントローラ154及び開閉弁152を介して反
応ガス源151に接続されている。例えば、窒化シリコ
ン膜を堆積させようとする場合には、反応ガスとして所
定の混合ガス(即ち、ネオン、キセノン、アルゴン、ヘ
リウム、ラドン、クリプトンのいずれかにN2とH2を
加えたもの)にNH3やSiH4ガスなどを混合したも
のが選択されることができる。なお、反応ガス供給系1
50の配置を変形した例については後述する。
【0015】高真空ポンプ108は、例えば、ターボ分
子ポンプ(TMP)により構成され、圧力調整バルブ1
06を介して処理室102に接続されている。圧力調整
バルブ106はコンダクタンスバルブ、ゲートバルブ又
は高真空バルブなどの名称で当業界では周知である。圧
力調整バルブ106は不使用時に閉口され、使用時に処
理室102の圧力を高真空ポンプ108によって真空引
きされた所定の圧力(例えば、0.1乃至数10mTo
rr)に保つように開口される。
【0016】また、本実施例では、均一な排気を達成す
るために、圧力調整バルブ106の最大開口面積S1
は、図1に示す処理室108の紙面と垂直な平面との断
面積であってプラズマ装置100の構成要素(例えば、
後述する昇降部材132など)により占有されていない
部分の断面積(即ち、処理室102内の最小の雰囲気の
断面積)Sとの関係において、S1<Sが維持されてい
る。
【0017】なお、図1に示すように、本実施例によれ
ば、高真空ポンプ108は処理室102に直接接続され
ている。ここで、「直接接続」とは、配管を介さない
で、という意味であり、圧力調整バルブ106が介在す
ることは問わない。
【0018】高真空ポンプ108は、サセプタ102の
ほぼ直下において処理室102の底部に接続されている
ので、処理室102を均一に排気することができる。こ
れにより、プラズマ密度を均一に保つことができ、部分
的にプラズマ密度が集中して部分的に被処理体Wの処理
深さが変化することを防止することができる。また、図
12に示す従来のプラズマ装置1のように複数の高真空
ポンプを設ける必要がないので装置の大型化と高価格化
を防止することができる。
【0019】次に、図1、図10及び図11を参照し
て、マイクロ波阻止部材280について説明する。マイ
クロ波阻止部材280は、基板282を有し、当該基板
282は圧力調整バルブ106の前にボルト284とナ
ット284で処理室102の内に固定されている。もち
ろん、選択的に、処理室102の外部に基板282を配
置して外部から処理室102に対して基板282を固定
してもよい。
【0020】基板282は、図11に示すように、その
周囲が複数のボルト284により処理室104に固定さ
れており、中央部には多数の孔288がランダムに又は
所定の配置で形成されている。基板282は、湾曲させ
ることにより熱膨張によるひずみを吸収し、パーティク
ル発生を防止する。基盤282は、例えば、パンチング
メタルで構成されている。孔288の径は、透過を許容
するマイクロ波の高調波によって決定することができ
る。例えば、周波数2.45GHzマイクロ波の第5次
高調波(即ち、基本周波数2.45GHzの5倍の周波
数である12.25GHzを有するもの)まで透過を防
止しようとすれば、その波長122.5mmを5で除し
て、(122.5/5/4=)約6mm以下の孔径に設
定すればよい。なお、高調波の次数は5に限定されず、
一般に、所望の数nにまで拡張することができることは
いうまでもない。
【0021】また、一以上のナット286はグラウンド
(GD)されており、これにより基板282の電位を維
持している。グラウンドは基板282の側部をアースし
て行ってもよいので、かならずしもナットにより行う必
要はない。基板282は、上下どちらかに湾曲されてい
ることが好ましい。但し、これは基板282の必要不可
欠の要件ではない。
【0022】マイクロ波阻止部材280は、マイクロ波
とその高調波が高真空ポンプ108に侵入することを防
止している。特に、反応ガスがプラズマ化される前に
は、大量のマイクロ波がマイクロ波源110から処理室
102に導入されるので、マイクロ波阻止材280はか
かるマイクロ波の侵入を防止することによって高真空ポ
ンプ280が制御不能など破壊、損傷することを防止し
ている。一方、マイクロ波阻止部材280は、高真空ポ
ンプ108による真空引きを阻害せず、また、処理室1
04のコンダクタンス(減圧環境)を維持する機能を有
している。マイクロ波280は、後述するバッフル板1
94の有無に拘らず、高真空ポンプ280を保護してい
る。
【0023】マイクロ波源110は、例えば、マグネト
ロンからなり、通常2.45GHzのマイクロ波(例え
ば、5kW)を発生することができる。マイクロ波は、
その後、図示しないモード変換器により伝送形態がT
M、TE又はTEMモードなどに変換される。なお、図
1では、発生したマイクロ波がマグネトロンへ戻る反射
波を吸収するアイソレータや、負荷側とのマッチングを
とるためのEHチューナ又はスタブチューナは省略され
ている。
【0024】アンテナ部材120は、図2により詳細に
示すように、温調板122と、収納部材123と、誘電
板126とを有している。温調板122は、温度制御装
置121に接続され、収納部材123は、遅波材124
と遅波材124に接触するスロット電極125とを収納
している。また、スロット電極125の下部には誘電板
126が配置されている。収納部材123には熱伝導率
が高い材料(例えば、ステンレス)が使用されており、
その温度は温調板122の温度とほぼ同じ温度に設定さ
れる。
【0025】遅波材124には、マイクロ波の波長を短
くするために所定の誘電率を有すると共に熱伝導率が高
い所定の材料が選ばれる。処理室102に導入されるプ
ラズマ密度を均一にするには、スロット電極125に多
くのスリットを形成する必要があり、遅波材124は、
スロット電極125に多くのスリットを形成することを
可能にする機能を有する。遅波材124としては、例え
ば、アルミナ系セラミック、SiN、AlNを使用する
ことができる。例えば、AlNは比誘電率εtが約9で
あり、波長短縮率n=1/(εt)1/2=0.33で
ある。これにより、遅波材124を通過したマイクロ波
の速度は0.33倍となり波長も0.33倍となり、ス
ロット電極125のスリット間隔を短くすることがで
き、より多くのスリットが形成されることを可能にして
いる。
【0026】スロット電極125は、遅波材124にね
じ止めされており、例えば、直径50cm、厚さ1mm
以下の円筒状銅板から構成される。スロット電極125
は、図3に示すように、中心から少し外側へ、例えば、
数cm程度離れた位置から開始されて多数のスリット2
00が渦巻状に次第に周縁部に向けて形成されている。
図3においては、スリット200は、2回渦巻されてい
る。本実施例では、略T字状にわずかに離間させて配置
した一対のスリット202及び204を組とするスリッ
ト対を上述したように配置することによってスリット群
を形成している。各スリット202、204の長さL1
はマイクロ波の管内波長λの略1/2から自由空間波長
の略2.5倍の範囲内に設定されると共に幅は1mm程
度に設定され、スリット渦巻の外輪と内輪との間隔L2
は僅かな調整はあるが管内波長λと略同一の長さに設定
されている。即ち、スリットの長さL1は、次の式で示
される範囲内に設定される。
【0027】
【数1】
【0028】このように各スリット202、204を形
成することにより、処理室102には均一なマイクロ波
の分布を形成することが可能になる。渦巻状スリットの
外側であって円盤状スロット電極125の周縁部にはこ
れに沿って幅数mm程度のマイクロ波電力反射防止用放
射素子206が形成されている。これにより、スロット
電極125のアンテナ効率を上げている。なお、本実施
例のスロット電極125のスリットの模様は単なる例示
であり、任意のスリット形状(例えば、L字状など)を
有する電極をスロット電極として利用することができる
ことはいうまでもない。
【0029】温度制御装置121は、マイクロ熱による
収納部材123及びこの近傍の構成要素の温度変化が所
定の範囲になるように制御する機能を有する。温度制御
装置121は、図示しない温度センサとヒータ装置とを
温調板122に接続し、温調板122に冷却水や冷媒
(アルコール、ガルデン、フロン等)を導入することに
より温調板122の温度を所定の温度に制御する。温調
板122は、例えば、ステンレスなど熱伝導率がよく、
冷却水などが流れる流路を内部に加工しやすい材料が選
択される。温調板122は収納部材123に接触してお
り、収納部材123と遅波材124は熱伝導率が高い。
この結果、温調板122の温度を制御することによって
遅波材124とスロット電極125の温度を制御するこ
とができる。遅波材124とスロット電極125は、温
調板122などがなければ、マイクロ波源110の電力
(例えば、5kW)を長時間加えることにより、遅波材1
24とスロット電極125での電力ロスから電極自体の
温度が上昇する。この結果、遅波材124とスロット電
極125が熱膨張して変形する。
【0030】例えば、スロット電極125は、熱膨張に
より最適なスリット長さが変化して後述する処理室10
2内における全体のプラズマ密度が低下したり部分的に
プラズマ密度が集中したりする。全体のプラズマ密度が
低下すれば被処理体Wの処理速度が変化する。その結
果、プラズマ処理が時間的に管理して、所定時間(例え
ば、2分)経過すれば処理を停止して被処理体Wを処理
室102から取り出すというように設定した場合、全体
のプラズマ密度が低下すれば所望の処理深さ(エッチン
グ深さや成膜厚さ)が被処理体Wに形成されていない場
合がある。また、部分的にプラズマ密度が集中すれば、
部分的に被処理体Wの処理深さが変化してしまう。この
ようにスロット電極125が温度変化により変形すれば
プラズマ処理の品質が低下する。
【0031】更に、温調板122がなければ、遅波材1
24とスロット電極125の材質が異なり、また、両者
はねじ止めされているから、スロット電極125が反る
ことになる。この場合も同様にプラズマ処理の品質が低
下することが理解されるであろう。
【0032】誘電板126はスロット電極125と処理
室102との間に配置されている。スロット電極125
と誘電板126は、例えば、ロウにより強固にかつ機密
に面接合される。代替的に、焼成されたセラミック製の
誘電板126の裏面に、スクリーン印刷などの手段によ
り銅薄膜を、スリットを含むスロット電極125の形状
にパターン形成して、これを焼き付けるように銅箔のス
ロット電極125を形成してもよい。なお、温調板12
2の機能を誘電板126に持たせてもよい。即ち、誘電
板126の側部周辺に流路を有する温調板を誘電板12
6に一体的に取り付けることによって誘電板126の温
度を制御し、これによって遅波材124とスロット電極
125とを制御することができる。誘電板126は例え
ばオーリングにより処理室102に固定されている。従
って、代替的に、オーリングの温度を制御することによ
り誘電板126、そしてこの結果、遅波材124とスロ
ット電極125の温度を制御するように構成してもよ
い。誘電板126は、窒化アルミニウム(AlN)など
からなり、減圧又は真空環境にある処理室102の圧力
がスロット電極125に印加されてスロット電極125
が変形したり、スロット電極125が処理室102に剥
き出しになってスパッタされたり銅汚染を発生したりす
ることを防止している。必要があれば、誘電板126を
熱伝導率の低い材質で構成することによって、スロット
電極125が処理室102の温度により影響を受けるの
を防止してもよい。
【0033】次に、サセプタ昇降系130について説明
する。サセプタ昇降系130は、昇降部材132と、ベ
ローズ134と、昇降装置136とを有している。昇降
部材132は、例えば、アルミニウムから構成された一
部材として構成される。もちろん、これに限らず選択的
にヒンジ構造その他の機械的構造を採用してもよいが、
潤滑油などの使用により処理室102内の汚染源になら
ないように注意する必要がある。
【0034】昇降部材132は一端がサセプタ104に
接続されており、他端は、昇降装置136に接続されて
いる。昇降部材132は、ほぼ垂直な垂直部132a及
び132cと、ほぼ水平な水平部132b及び132d
を有し、断面は例示的に円形である。昇降装置136に
より昇降されることによりサセプタ104を昇降するも
のである。昇降部材132の昇降装置132との接続部
位は、図1においては132dの端部になっているた
め、昇降装置136は図1に示す右側部に沿って部位1
32dを昇降させる。しかし、処理室102は凸形状を
有して底面積が図12に示す従来の処理室2のそれより
も拡大されているので、高真空ポンプ108の配置を妨
げない限り昇降装置136は処理室102の側部ではな
く下部に配置されてもよい。その場合は、昇降装置13
6は垂直部132cに接続されることになる。また、選
択的に、132dを更に垂直下向きに曲げて、かかる垂
直部と昇降装置136を接続してもよい。
【0035】本実施例は、このように、昇降装置136
を処理室102の底部中央に配置する代わりに高真空ポ
ンプ108を処理室102の底部中央に配置している。
なぜなら、高真空ポンプ108は処理室102の均一な
排気のために処理室108の底部中央に配置されなけれ
ばならないが、昇降装置136は高品質なプラズマ処理
を達成するのに必ずしも処理室108の低部中央に配置
される必要はないからである。その一方、ベローズ13
4は処理室102の底部に設けられ、ベローズ134の
開口方向と昇降部材134(134c)の移動方向は一
致するように構成されている。これにより、ベローズ1
34は処理室102内の減圧環境を維持することができ
ると共に処理室102の雰囲気が外部に流出するのを防
止することができる。かかる条件を満足する限り、例え
ば、昇降部材132の部位132bをサセプタ104の
側部に接続するなどの変形が可能であることが理解され
るであろう。昇降装置136は、機械的手段、電気的手
段、磁気的手段、光学的手段又はこれらの結合など当業
界で周知の方法を使用して昇降部材132をその昇降量
を制御可能に昇降させることができる。昇降量の制御に
おいて、(例えば、フォトダイオードなどの)光センサ
を含む周知のセンサ手段を利用することができることは
いうまでもない。
【0036】サセプタ104は、昇降装置136によ
り、例えば、ホームポジションとプロセスポジションの
間を昇降する。サセプタ104はプラズマ装置100の
オフ時や待機時にホームポジションに配置され、また、
ホームポジションにおいて、サセプタ104は後述する
クラスターツール170からゲートバルブ179を介し
て被処理体Wの受け渡しを行うが、選択的に、サセプタ
104にはゲートバルブ170と連絡するために、受け
渡しポジションが設定されてもよい。サセプタ104の
昇降距離は図示しない昇降装置136の制御装置又はプ
ラズマ装置100の制御装置によって制御することがで
きるし、後述するビューポート160からも目視するこ
とができる。
【0037】次に、リフタピン昇降系140について説
明する。リフタピン昇降系140は、昇降部材142
と、ベローズ144と、昇降装置146を含んでいる。
昇降部材142は、例えばアルミニウムから構成され、
例えば正三角形の頂点に配置された垂直に延びる3本の
リフタピンに接続されている。かかるリフタピンは、サ
セプタ104内部を貫通して被処理体Wを支持してサセ
プタ104上で昇降させることができる。被処理体Wの
昇降は、被処理体Wを後述するクラスターツール170
から処理室102に導入する際に、及び、プロセス後の
被処理体Wをクラスターツール170に導出する際に行
われる。本実施例では、リフタピン昇降系140に使用
されるベローズ144も処理室102の底部に設けら
れ、ベローズ144の開口方向と昇降部材142の移動
方向は一致するように構成されている。これにより、ベ
ローズ144は処理室102内の減圧環境を維持するこ
とができると共に処理室102の雰囲気が外部に流出す
るのを防止することができる。
【0038】昇降装置146は、サセプタ104が所定
位置(例えば、ホームポジション)にあるときにのみリ
フタピンの昇降を許容するよう構成されてもよい。ま
た、リフタピンの昇降距離は図示しない昇降装置146
の制御装置又はプラズマ装置100の制御装置によって
制御することができるし、後述するビューポート160
からも目視することができる。
【0039】反応ガス供給系150は、上述したよう
に、処理室102の側壁にノズル158を設けて側部か
ら反応ガス(処理ガス)を供給する構造であるため、処
理ガスが被処理体Wの上面を横切ったり、あるいは、ノ
ズル158をサセプタ104の中心に関する点対称の位
置に設けたとしても、被処理体W上面で反応ガスの密度
が均一でなく均一なプラズマ密度を確保できないおそれ
がある。これを解決するためにサセプタ104の上方に
電界を乱さないようなガラス管製のシャワーヘッド構造
を設置することも考えられるが、従来のシャワーヘッド
では、ヘッド構造内でプラズマが発生する恐れがあり実
用的ではない。そこで、本発明者らはかかる問題を解決
するような新規なシャワー板220を考案した。
【0040】以下、図7及び図8を参照して、代替的な
シャワー板220について説明する。図7は、シャワー
板220の拡大断面図である。図8は、図7に示すシャ
ワー板220のノズル222の拡大断面図である。シャ
ワー板220は誘電板226に取り付けられる。ここ
で、誘電板250は、図2に示す誘電板126に代替す
るものであり、例えば、厚さ30mmを有し、窒化アル
ミニウム(AlN)により構成される板形状を有する。
誘電板250は、それぞれガス供給路156に接続され
るガス導入口252と254とを有している。この場
合、図1に示すノズル158は取り除かれ、ガス供給路
156からガス導入口252及び254に反応ガスが導
入されることになる。一対のガス導入口252及び25
4が設けられているのは、シャワー板220のノズル2
22に取り付けられた噴出部材230から均一な密度で
反応ガスを処理室102に導入するためである。従っ
て、均一なガス導入密度が確保される限り、誘電板25
0に設けられるガス導入口の位置及び数は限定されな
い。好ましくは、ガス導入口252及び254の配置は
対称性を有する。誘電板250は、シャワー板220の
ノズル222上部に円筒形の凹部256を有する。
【0041】シャワー板220は、例えば、厚さ6mm
の薄板形状を有して、AlNから構成される。シャワー
板220は、所定の均一な配置で多数の(例えば、10
個以上、20個、40個などの)ノズル222を形成し
ている。図7に示すように、各ノズル222には噴射部
材230が取り付けられている。噴射部材230は、ね
じ(232及び234)とナット236から構成されて
いる。噴出部材230は、選択的に、シャワー部材22
0と全部又は部分的に一体的に構成されてもよい。
【0042】ねじは、ねじ頭部232とねじ胴部234
から構成されている。ねじ頭部232は約2mmの高さ
を有し、その内部には一対の噴射流路239がシャワー
板220の下面226に対して±45度の角度でそれぞ
れ形成されている。各噴射流路239は、後述する流路
238から分岐しており、例えば、0.1mm径を有す
る。噴射流路239は反応ガスの均一な噴射を達成する
ためにこのように傾斜されており、この目的が達成され
る限り、その角度及び個数は問わない。なお、本発明者
らの実験によれば、シャワー板220の下面226に対
して90度に(即ち、垂直に)設定された一の噴射流路
239は処理室102内において均一な噴射を成功裡に
達成しなかったので図8に示すように傾斜していること
が好ましい。流路238は、例えば、1mm径を有し、
誘電板250とシャワー板220との間に形成された空
隙部240に接続されている。ナット236は、ねじ胴
部234の端部と係合し、誘電板250の凹部256に
収納される。
【0043】空隙部240は、プラズマが発生を抑制す
る薄い空間である。プラズマの発生を抑制するのに必要
な厚さは、圧力によって変化し、例えば、圧力10To
rrの下では厚さは約0.5mmに設定される。また、
この場合、シャワー板220下の処理室102の処理空
間は約50mTorrに設定される。このように空隙部
240と処理空間との間に圧力差を設けて反応ガスを所
定の速度で導入している。
【0044】本実施例のシャワー板220によれば、反
応ガスはプラズマを発生せずに処理空間に均一且つ流量
制御良く導入される。流量制御は、空隙部240と処理
空間との間に圧力差、噴射流路239の数、角度、大き
さなどにより行うことができる。例えば、ノズル222
に詰め物をしてその詰め物の表面を介して反応ガスを噴
射することも考えられる。しかし、かかる構造では詰め
物とノズルとの間隔を制御するのが困難で、詰め物が取
れたり、詰め物が完全にノズルを塞いだりするため、正
確な流量制御が難しい。従って、本実施例のシャワー板
220は、このような構造に比べて優れている。
【0045】次に、ビューポート(覗窓)160につい
て図4を参照して説明する。ここで、図4は、本実施例
のビューポート160の構造と処理室102への取付を
説明するための概略斜視図である。ビューポート160
は、処理室102の壁に取り付けられて被処理体Wの様
子を観察測定するためのガラス等からなる窓である。従
来は、ビューポート160の開口を処理室102の内部
からパンチングメタルによりねじ止めすることによって
形成していた。パンチングメタルは、処理室102の内
面に接触して内部電位を均一に保つ等の効果を有する。
しかし、パンチングメタルを処理室102の内部からね
じ止めすることは煩雑であった。
【0046】そこで、本実施例では、図4に示すよう
に、ビューポート160は処理室102に設けられた開
口103Aに嵌合可能で、パンチングメタル162と取
付部164とを有する。取付部164は金属製で、一対
の針金状の垂直部165と一対の止め部166とを有
し、図3に示す矢印方向に(即ち、互いに広がるよう
に)弾性的に付勢されている。取付時には、止め部16
6を矢印に抗する方向に押圧しながら開口103Aに嵌
めこみ、指を離す。これにより、パンチングメタル16
2は、取付部164の弾性力により開口103A内で固
定され、処理室102の内面103Bに接触し電磁シー
ルド的効果を発揮する。
【0047】なお、ビューポート160は止め部166
の上部から開口103Aに対してシールされるが、図3
においては、シール部材やガラス部材などは省略されて
いる。取付部164はそれ自身で弾性力を有する必要は
なく、また、止め部166も必ずしも必要ない。更に、
垂直部165は円筒形上として構成されてもよく、様々
な変形が可能であることが理解されるであろう。いずれ
にしても本実施例のビューポート160はパンチングメ
タル162を処理室102の内部からねじ止めする必要
がないので従来よりも取付作業が容易であるという特長
を有する。
【0048】次に、本実施例のクラスターツール170
について、図9を参照して説明する。上述したように、
被処理体Wの温度制御はサセプタ104によって行うこ
とができる(なお、以下、サセプタ104は特に断らな
い限りサセプタのその他の変形例を総括しているものと
する)。しかし、CVD処理において、例えば、被処理
体Wを常温からサセプタ104により450℃まで加熱
するには昇温時間がかかり、不便且つ不経済である。そ
こで、本実施例のクラスターツール170は、被処理体
Wを処理室102に導入する前に被処理体Wを加熱して
おき、プロセスの迅速な開始を達成しようとするもので
ある。同様に、プロセス終了後に450℃から常温に戻
すには時間がかかるため、本実施例のクラスターツール
170は、被処理体Wを処理室102から導出した後に
被処理体Wを冷却し、次段のプロセス(イオン注入やエ
ッチングなど)の迅速な開始を達成しようとするもので
ある。
【0049】図9に簡略的に示すように、本発明のクラ
スターツール170は、搬送部172と、予備加熱部1
74と、予備冷却部176と、その他のロードロック
(L/L)室178とを有している。なお、図9では、
処理室102と同様の2つの処理室102A、102B
を示しているが、その数は所望の数に変更することがで
きる。予備加熱部174や予備冷却部176は、ロード
ロック室(処理室を待機中に開放しないで被処理体の取
り入れと取り出しを可能にする真空室)内に形成されて
いる。
【0050】搬送部172は、被処理体Wを支持する搬
送アームと、搬送アームを回転する回転機構とを含んで
いる。予備加熱部174は、ランプなどのヒーターを有
して被処理体Wがいずれかの処理室102A又は102
Bに導入される前に、処理温度付近までこれを加熱す
る。また、予備冷却部174は、冷媒により冷却されて
いる冷却室を有して処理室102A又は102Bから導
入された被処理体Wを次段の装置(イオン注入装置やエ
ッチャーなど)に搬送する前に常温まで冷却する。な
お、好ましくは、クラスターツール170は、図示しな
い回転角検出センサと、温度センサと、一又は複数の制
御部と、制御プログラムを格納しているメモリとを更に
有して搬送部172の回転制御、予備加熱部174及び
予備冷却部176の温度制御を行う。かかるセンサ、制
御方法及び制御プログラムは当業界で周知のいかなるも
のをも適用することができるので、ここでは詳しい説明
は省略する。また、制御部は、プラズマ装置100の図
示しない制御部が兼ねてもよい。搬送部172の搬送ア
ームは被処理体Wを図1に示すゲートバルブ179を介
して処理室102に導入する。
【0051】次に、以上のように構成された本実施例の
マイクロ波プラズマ処理装置100の動作について説明
する。まず、図9に示す搬送部172の搬送アームが被
処理体Wを処理室102に導入する。ここで、処理室1
02(図9においてはいずれかの処理室102A又は1
02B。以下、単に「処理室102」という。)では被
処理体にプラズマCVD処理を施すとすると、クラスタ
ーツール170の図示しない制御部が処理室102に導
入する前に被処理体Wを450℃付近まで加熱するよう
に搬送部172に命令する。
【0052】これに応答して、搬送部172は予備加熱
部174に被処理体Wを導入して加熱する。クラスター
ツール170の図示しない温度センサが被処理体Wの温
度が450℃付近まで加熱されたことを検出すると、か
かる検出結果に応答してクラスターツール170の図示
しない制御部は搬送部172に被処理体Wを予備加熱部
174から導出してゲートバルブ179から処理室10
2に導入する。被処理体Wを支持した搬送部172の搬
送アームがサセプタ104の上部に到着すると、リフタ
ピン昇降系140の昇降装置146が昇降部材142を
上昇させてサセプタ104から(例えば、3本の)図示
しないリフタピンを突出させて被処理体Wを支持する。
この結果、被処理体Wの支持は、搬送アームからリフタ
ピンに移行するので、搬送部172は搬送アームをゲー
トバルブ179より帰還させる。搬送部172は搬送ア
ームをその後図示しないホームポジションに移動させて
もよい。
【0053】一方、昇降装置146は、その後、昇降部
材142を下降させて図示しないリフタピンをサセプタ
104の中に戻し、これによって被処理体Wをサセプタ
104の所定の載置位置に配置する。ベローズ144は
昇降動作中処理室104の減圧環境を維持すると共に処
理室104内の雰囲気が外部に流出するのを防止するこ
とができる。サセプタ104はその後被処理体Wを45
0℃まで加熱するが、既に被処理体Wは予熱されている
のでプロセス準備が完了するまでの時間は短くて済む。
【0054】次に、高真空ポンプ108が圧力調整バル
ブ106を介して処理室104の圧力を、例えば、50
mTorrに維持する。高真空ポンプ108は、サセプ
タ104の直下に処理室102の底部中央に配置されて
いるために、均一な排気を行うことができる。
【0055】また、サセプタ昇降系130の昇降装置1
36が昇降部材134を上昇させて予め設定されたプロ
セス条件を満足するプロセスポジションにサセプタ10
4と被処理体Wをホームポジションから移動させる。ベ
ローズ134は昇降動作中処理室104の減圧環境を維
持すると共に処理室104内の雰囲気が外部に流出する
のを防止することができる。
【0056】次いで、ノズル158から、例えば、ヘリ
ウム、窒素及び水素の混合ガスにNH3を更に混合した
一以上の反応ガスを反応ガス源151からマスフローコ
ントローラ154及び開閉弁152を介して流量制御し
つつ反応室104に導入する。
【0057】図7のシャワー板220が使用される場合
には、反応室104内を所定の処理圧力、例えば、50
mTorrに維持してガス供給路156からガス導入口
252を介して、例えば、ヘリウム、窒素及び水素の混
合ガスにNH3を更に混合した一以上の反応ガスを反応
ガス源151からマスフローコントローラ154及び開
閉弁152を介して流量制御しつつ誘電板250に導入
する。その後、反応ガスは、図8に示す空隙部240を
通って凹部256から噴出部材230の流路238及び
239を介して処理室104に導入される。反応ガスは
空隙部240ではプラズマ化せずに流量制御良く安定か
つ均一な密度で処理室104に導入される。
【0058】処理室104の処理空間の温度は450℃
程度になるようにより調整される。一方、マイクロ波源
110からのマイクロ波を図示しない矩形導波管や同軸
導波管などを介してアンテナ部材120の遅波材124
に、例えば、TEMモードなどで導入する。遅波材12
4を通過したマイクロ波はその波長が短縮されてスロッ
ト電極125に入射し、スリット200から処理室10
4に誘電板126を介して導入される。遅波材124と
スロット電極125は温度制御されているので、熱膨張
などによる変形はなく、スロット電極125は最適なス
リット長さを維持することができる。これによってマイ
クロ波は、均一に(即ち、部分的集中なしに)かつ全体
として所望の密度で(即ち、密度の低下なしに)処理室
125に導入されることができる。
【0059】その後、マイクロ波がマイクロ波源110
から導入される。特に、マイクロ波が反応ガスをプラズ
マ化する前には大量のマイクロ波及びその高調波が処理
室104に導入されるが、マイクロ波阻止部材280が
高真空ポンプ108を適当に保護する。この結果、高真
空ポンプ108は破壊や損傷から保護されると共に処理
室104の排気を均一且つ安定して行うことができる。
【0060】その後マイクロ波は、反応ガスをプラズマ
化してプラズマCVD処理を行う。図5及び図6に示す
バッフル板194が使用される場合には、バッフル板1
94は処理空間の電位及び真空度を維持して処理空間か
らマイクロ波が逃げるのを防止する。これにより、所望
のプロセス速度を維持することができる。
【0061】継続的な使用により、温調板122の温度
が所望の設定温度よりも高くなれば温度制御装置121
は温調板122を冷却する。同様に、処理開始時や過冷
却により温調板121の温度が設定温度よりも低くなれ
ば温度制御装置121は温調板122を加熱する。
【0062】CVD処理は、例えば、予め設定された所
定時間だけ行われてその後、被処理体Wは上述したのと
逆の手順によりゲートバルブ179から処理室104の
外へクラスターツール170の搬送部172により導出
される。導出時に昇降装置136は、昇降部材132を
下降させてサセプタ104と被処理体Wを搬送部172
との接続位置に戻す。
【0063】処理室104には所望の密度のマイクロ波
が均一に供給されるので被処理体Wには所望の厚さの膜
が均一に形成されることになる。また、反応室104の
温度は水分などがウェハWに混入することのない温度に
維持されるので所望の成膜品質を維持することができ
る。処理室104から導出された被処理体Wはまず予備
冷却部176に導入されて常温まで短時間で冷却され
る。次いで、必要があれば、搬送部172は、被処理体
Wを次段のイオン注入装置などに搬送する。
【0064】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が
可能である。例えば、本発明のマイクロ波プラズマ処理
装置100は電子サイクロトロン共鳴の利用を妨げるも
のではないため、所定の磁場を発生させるコイルなどを
有してもよい。また、本実施例のマイクロ波プラズマ処
理装置100はプラズマCVD装置として説明されてい
るが、マイクロ波プラズマ処理装置100は被処理体W
をエッチングしたりクリーニングしたりする場合にも使
用することができることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】本発明の例示的一態様であるマイクロ波
プラズマ装置によれば、マイクロ波阻止部材が高真空ポ
ンプへのマイクロ波の侵入を防止する。これにより高真
空ポンプの動作が安定するので、高真空ポンプの破壊や
損傷を防止することができる。また、均一な排気を達成
することができるので高品質のプロセスを被処理体に施
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の例示的一態様としてのマイクロ波
プラズマ処理装置の構造を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に適
用可能なアンテナ部材の構造を説明するための概略ブロ
ック図である。
【図3】 図2に示すアンテナ部材のスロット電極の例
示的なスリット構造を説明するための概略ブロック図で
ある。
【図4】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に適
用可能なビューポートの構造を説明するための概略斜視
図である。
【図5】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置のサ
セプタに適用可能なバッフル板の概略断面図である。
【図6】 図5に示すバッフル板、サセプタ及び被処理
体の関係を示す平面図である。
【図7】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に適
用可能な誘電板とシャワー板の概略断面図である。
【図8】 図7に示すシャワー板のノズル付近の拡大断
面図である。
【図9】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に適
用可能なクラスターツールの概略平面図である。
【図10】 図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置に
適用可能な例示的なマイクロ波阻止部材の構造を示す概
略断面図である。
【図11】 図10に示すマイクロ波阻止部材の概略平
面図である。
【図12】 従来のプラズマ装置の部分的構造を説明す
るための概略ブロック図である。
【符号の説明】
100 プラズマ装置 102 処理室 102A 処理室 102B 処理室 103A 処理室開口 103B 処理室内面 104 サセプタ 108 高真空ポンプ 110 マイクロ波源 120 アンテナ部材 130 サセプタ昇降系 132 昇降部材 134 ベローズ 136 昇降装置 140 リフタピン昇降系 142 昇降部材 144 ベローズ 146 昇降装置 150 反応ガス供給系 160 ビューポート 162 パンチングメタル 164 取付部 166 止め部 170 クラスターツール 172 搬送部 174 予備加熱部 176 予備冷却部 178 ロードロック室 192 サセプタ 194 バッフル板 196 孔 200 スリット 220 シャワー板 222 ノズル 230 噴出部材 240 空隙部 250 誘電板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/31 H01L 21/302 B (72)発明者 川上 聡 山梨県韮崎市穂坂町三ッ沢650番地東京エ レクトロン株式会社総合研究所内 (72)発明者 湯浅 光博 山梨県韮崎市穂坂町三ッ沢650番地東京エ レクトロン株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA13 AA16 AA17 AA18 BA40 EA11 FA01 KA45 KA49 LA15 4K057 DA02 DD01 DG02 DM13 DM29 DM36 DM39 DM40 DN01 5F004 AA06 BB14 BC08 BD01 BD03 BD04 CA05 5F045 AA09 AD11 BB20 DP03 EB08 EB09 EF05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体に所定のプラズマ処理を行う処
    理室と、 前記処理室に接続されて当該処理室に前記所定のプラズ
    マ処理に使用されるマイクロ波を供給するマイクロ波源
    と、 前記処理室に設けられた高真空ポンプと、 前記処理室に固定されて前記高真空ポンプへの前記マイ
    クロ波の侵入を防止するマイクロ波阻止部材とを有する
    プラズマ装置。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波阻止部材は、基板と当該
    基板に設けられた多数の孔を有し、当該孔の大きさは、
    所望の数nに対して前記マイクロ波の第n次高調波の透
    過を防止するように決定される請求項1記載のプラズマ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波阻止部材は、グラウンド
    されて前記マイクロ波阻止部材を前記処理室に固定する
    固定部材をさらに有する請求項1記載のプラズマ装置。
  4. 【請求項4】 前記マイクロ波阻止部材は湾曲形状を有
    する請求項1記載のプラズマ装置。
  5. 【請求項5】 前記マイクロ波阻止部材は前記処理室の
    減圧環境を維持する請求項1記載のプラズマ装置。
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