JP2000311578A - 電子源アレイと、その製造方法、及び前記電子源アレイまたはその製造方法を用いて形成される画像形成装置 - Google Patents

電子源アレイと、その製造方法、及び前記電子源アレイまたはその製造方法を用いて形成される画像形成装置

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JP2000311578A
JP2000311578A JP12109299A JP12109299A JP2000311578A JP 2000311578 A JP2000311578 A JP 2000311578A JP 12109299 A JP12109299 A JP 12109299A JP 12109299 A JP12109299 A JP 12109299A JP 2000311578 A JP2000311578 A JP 2000311578A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、X−Yアドレス駆動が可能な電子
源アレイを提供し、さらには同一基板上に駆動回路を形
成可能な画像形成装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の電子アレイは、電子放出領域を
電子放出材料とバインダー材料の分散系で構成し、引き
出し電極と、ゲート絶縁層とが基板に溝埋め込まれてい
る構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ、蛍
光表示管、ランプ、電子銃等に用いられ、XYマトリク
ス駆動可能な電子源アレイ及びその製造方法と、これら
を用いて形成される画像生成装置を提供する。
【0002】
【従来の技術】フィールドエミッションディスプレイ
(FED)は自発光型フラットパネルディスプレイへの
応用が期待され、電界放出型電子源の研究、開発が盛ん
に行われている。
【0003】FEDに用いる電子源アレイとしては、図
5に示すC.A.Spindtらのピラミッド型の金属
電子源(USP3,665,241)が良く知られてお
り、その金属電子源は高融点金属材料で形成されている
が、電子源の先端径制御、均一性制御、更には信頼性の
点で大きな問題があった。なお、この図5において、1
0は電子源アレイ、11は表面処理された電子源アレ
イ、12はピラミット型形状の電子源アレイを示す。
【0004】近年(1991年)、飯島らによりカーボ
ンナノチューブ(CNT)が発見された(S.Iim
a、Nature、354、56、1991)。このC
NTは、円筒状に巻いたグラファイト層が入れ子状にな
ったもので、その先端径が約10nm程度であり、耐酸
化性、耐イオン衝撃性が強い点で電子源アレイとしては
非常に優れた特徴を有する材料と考えられている。実
際、CNTからの電界放出実験が、1995年にR.
E.Smalleyら(A.G.Rinzler、Sc
ience、269、1550、19995)とW.
A.de Heerら(W.A.de Heer、Sc
ience、270、1179、1995)の研究グル
ープから報告されている。
【0005】このような電界放出実験に於いては、金属
電極上にCNTをキャスト膜として配置し、引き出し電
極として金属板のメッシュを用い、対向電極であるアノ
ードに電子を集めている。
【0006】一方、特開平10ー12124号公報に開
示されているように、金属の細孔中にCNTを選択的に
成長し、CNTを規則正しく配列することで電流強度の
時間的安定性を改良することも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CNTを用いた電子源アレイは、金属電極上にCNTを
キャスト膜として配置しているため、電子源アレイを分
割することができず、ディスプレイのようなXYアドレ
スが必要な電子源アレイに応用することが困難であっ
た。
【0008】また、特開平10ー12124号公報のよ
うに、金属の細孔中にCNTを選択的に成長することで
電子源アレイの分割は可能となるが、引き出し電極と電
子源アレイと電気的に接続したカソード配線が互いに平
行に配置されているため、従来のCNTと同様にXYア
ドレスができなかった。また、CNTを成長させるため
の加熱処理温度が1150℃程度と高く、支持基板に形
成した駆動回路(CMOS)が劣化し、電子源アレイが
駆動できなくなるという課題があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るものであり、その目的は、X−Yアドレス駆動が可能
な電子源アレイ、及びその製造方法を提供することであ
り、さらには同一基板上に駆動回路を形成可能な画像形
成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1では、電子源アレイを電子放出材料とバイ
ンダー材料で構成することにより、任意のブロックに分
割可能な電子源アレイを提供すると共に、高温度の加熱
処理を不要にしたことで、同一支持基板上に配設された
駆動回路にダメージを与えない構成にする。
【0011】請求項2では、電子源アレイ、引き出し電
極、及びゲート絶縁層を支持基板の溝に埋め込むことに
より、ゲート絶縁層の上方に引き出し電極、集束電極、
及び駆動回路を形成するCMOS等が配設可能な電子源
アレイを提供する。
【0012】請求項3では、電子放出材料とバインダー
材料の分散系に界面活性剤を添加することにより、バイ
ンダー材料中に電子放出材料を均一に分散した高品質な
電子放出領域を有する電子源アレイを提供する。
【0013】請求項4では、分散系を電子放出材料の微
粒子、バインダー材料、界面活性剤、導電材料の微粒子
構造とすることにより、絶縁性のバインダー材料を高抵
抗化すると共に、その抵抗を制御し、バインダー材料に
電流制限機構を付与する。
【0014】請求項5では、バインダー材料を紫外線硬
化樹脂にすることにより、紫外線照射で分割可能な電子
源アレイを提供する。
【0015】請求項6では、バインダー材料を電子線硬
化樹脂にすることにより、電子線照射で分割可能な電子
源アレイを提供する。
【0016】請求項7では、バインダー材料を熱硬化樹
脂にすることにより、赤外領域に波長を有するレーザー
照射で分割可能な電子源アレイを提供する。
【0017】請求項8では、バインダー材料としてフリ
ットガラスを用いることにより、真空中のデカスが少な
い、真空系に有利な電子源アレイを提供する。
【0018】請求項9では、電子放出領域を凸凹形状の
表面にすることにより、電子放出材料の露出面積を増加
し、高い電流密度を有する電子源アレイを提供する。
【0019】請求項10では、引き出し電極を薄膜で形
成し、支持基板に埋め込んだゲート絶縁層で機械的に支
持し、引き出し電極とカソード配線を互いに直交する構
造にすることにより、電子源アレイのXYマトリクス駆
動を可能にすると共に、金属板等で形成したメッシュ電
極を不要にし、部品数を削減可能な電子源アレイを提供
する。
【0020】請求項11では、カーボンナノチューブ、
ダイアモンド、グラファイト等の炭素材料の微粒子から
構成される電子源アレイを提供する。
【0021】請求項12では、ボロンナイトライド、シ
リコン等の半導体材料の微粒子から構成される電子源ア
レイを提供する。
【0022】請求項13では、金、白金等の貴金属の微
粒子から構成される電子源アレイを提供する。
【0023】請求項14では、本発明の電子源アレイの
製造方法を提供する。
【0024】請求項15では、基板の溝をサンドブラス
トで形成することにより、フォトリソ及びエッチング工
程が不要な電子源アレイの製造方法を提供する。
【0025】請求項16では、紫外線照射法で電子源ア
レイを分割する電子源アレイの製造方法を提供する。
【0026】請求項17では、ホログラム法で電子源ア
レイを分割することで、微細な電子源アレイの製造方法
を提供する。
【0027】請求項18では、電子線照射法で電子源ア
レイを分割する電子源アレイの製造方法を提供する。
【0028】請求項19では、赤外領域に波長を有する
レーザー照射法で電子源アレイを分割する電子源アレイ
の製造方法を提供する。
【0029】請求項20では、電子放出領域表面を酸素
プラズマエッチング法で後処理することにより、表面形
状を凸凹にする電子源アレイの製造方法を提供する。
【0030】請求項21では、ゲート絶縁層を平坦化す
ることで、ゲート絶縁層の上方に引き出し電極、集束電
極、及び駆動回路を形成するCMOS等が配設を容易に
する電子源アレイの製造方法を提供する。
【0031】請求項22では、平坦化する工程をCMP
法とすることで、平坦化の制御性と精度を向上する。
【0032】請求項23では、本発明のXYマトリクス
駆動可能な電子源アレイ及びその製造方法を用いて形成
される画像形成装置を提供する。
【0033】
【発明の実施の形態】〈第1実施形態〉図1(a)〜
(c)は本発明の電子源アレイの構造を示す。以下、図
1に従い、本発明の電子源アレイの構成を説明する。
【0034】図1(a)は本発明の電子源アレイの斜視
図である。電子源アレイを機械的に支持する基板1上に
は、電子源アレイと電気的に接続するカソード配線2が
配設されている。また、カソード配線2と電子源から電
子を真空中に引き出す引き出し電極(ゲート電極)3を
絶縁するゲート絶縁層4(点で表示)は支持基板1に形
成された溝に埋め込まれ、これらのゲート絶縁層4と支
持基板1の上層に、カソード配線とは互いに直交した構
成でゲト電極3が配設されている。
【0035】図1(b)、(c)は、図1(a)の断面
線A、Bでのそれぞれの断面図である。ゲート電極3に
平行な断面線Aに於ける断面図を示す図1(b)から明
らかなように、ゲート電極3はカソード配線2が配設さ
れる溝部分でゲート絶縁層4で機械的に保持されると共
に、カソード配線3をそれぞれ電気的に絶縁する溝以外
の部分では支持基板1により機械的に保持されている。
一方、カソード配線2に平行な断面線Bに於ける断面図
を示す図1(c)を見ると、ゲート電極3はゲート絶縁
層上で電気的に分離され、カソード配線2に直交するよ
うに配設されている。
【0036】電子源アレイ5は、図1(b)、(c)に
示すように、カソード配線上に正方形(または、長方
形)の形状で、カソード配線2とゲート電極3の交差部
に配置されている。
【0037】この電子源アレイ5において、それぞれの
電子源アレイ5の上方のゲート絶縁層及びゲート電極は
除去され、空孔6が形成されており、ゲート電極3で引
き出された電子はこの空孔6を通過してアノードに集め
ることができた。また、空孔6で露出された電子放出領
域7の表面には、無数の電子放出材料が存在し、この表
面を凸凹形状にすることで表面に存在する電子放出材料
の密度が増加でき、アノードに集められた電子、即ちエ
ミッション電流が飛躍的に増加した。また、前記凸凹形
状を更に強調すると、針状の集合体を形成できた。一
方、ゲート電極の開口径8は空孔6よりも小さいため、
ゲート電極に流れる電流が多くなることが懸念される
が、ゲート電流はエミッション電流と比較して小さく、
問題となるレベルではなかった。
【0038】ここで、図2(a)〜(f)を用いて、本
実施形態の電子源アレイの製造方法を説明する。
【0039】まず、電子源アレイを形成する支持基板1
にライン状の溝9を形成した。この溝9はドライエッチ
ングで形成できる。溝9の幅は50μm〜500μm、
深さは0.5μm〜50μm程度の間で適宜形成され
る。本実施形態に於いては、支持基板1として対角5イ
ンチのガラス基板を用い、溝9の幅を200μm、溝の
ピッチを300μmとし、溝の深さを5μmとした。さ
らに、この溝9の底部に金属配線2を形成した。この金
属配線2は印刷配線技術を用いて形成することが好まし
い。金属配線材料を堆積してフォトリソ、エッチングで
形成することも可能であるが、実験を行ったところ、溝
9の中にフォトリソを行うことが難しく、溝9の内部に
形成されたレジスト形状が劣化していた。本実施形態に
於いては、印刷技術を用い、幅:100μm、膜厚:1
μmの銅配線を形成した(図2(a))。
【0040】次に、電子放出材料とバインダー材料の分
散系からなる電子源アレイ10を形成した。電子放出材
料とバインダー材料は以下のように形成した。
【0041】この電子放出材料の微粒子としては、電子
放出する材料の微粒子であればどれでも構わず、例え
ば、単結晶ダイアモンド、グラファイト等の炭素材料の
微粒子、ボロンナイトライド、シリコン等の半導体材料
の微粒子、金、白金等の貴金属材料の微粒子が挙げられ
る。
【0042】一方、バインダー材料としては、その単量
体が光、電子、熱等で重合可能なものであればどれでも
構わず、例えば、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱
硬化樹脂等が挙げられる。
【0043】本実施形態に於いては、電子放出材料とし
てカーボンナノチューブ(マルチウォールドカーボンナ
ノチューブ、純度:50%)の微粒子を用い、バインダ
ー材料として紫外線硬化樹脂(アクリル系樹脂)を用い
た。紫外線硬化樹脂としては、粘度が低いものが分散を
容易にする点で好ましい。また、分散の安定性、均一性
の点で界面活性剤を微量添加することが好ましい。
【0044】本実施形態に於いては、カーボンナノチュ
ーブ:バインダー:界面活性剤を49:50:1の混合
比で混合し、分散系とした。この際、バインダーが絶縁
体であるため、金属配線材料2と導通が取れなくなるこ
とが考えられるが、実験結果によれば、導通が取れなく
なることはなかった。この理由として、繊維状のカーボ
ンナノチューブがお互いランダムにどこかの点で接触
し、マクロ的には、導通が取れていると考えられる。し
かし、この場合、カーボンナノチューブの混合量を減少
すると、導電性が劣化することが実験的に明らかになっ
ており、注意が必要である。
【0045】繊維状の形態ではないその他の電子放出材
料の場合、念のため、金属微粒子を分散系に添加し、バ
インダーの導電性を取ることが好ましい。もちろん、カ
ーボンナノチューブに対しても、金属微粒子を添加して
導電性を向上しても構わない。
【0046】このように調製した分散系をスピナーで塗
布した。膜厚は1μmであった。紫外線を照射すること
により、所定形状の電子源アレイ10を形成した。本実
施形態では、縦横が100μmの正方形の電子源アレイ
10を形成した(図2(b))。
【0047】本実施形態においては、典型的な例として
紫外線硬化樹脂を用いたが、電子線硬化樹脂、熱硬化樹
脂においても、紫外線硬化樹脂と同様に分散系の形成、
スピナーによる塗布、所定形状の電子源アレイ10の形
成が可能であることを実験的に確認した。また、高温の
熱処理が一切不要であるため、CMOSから形成される
駆動回路、論理回路、または、保護回路等を同一基板上
に形成しても構わない。
【0048】次に、ゲート絶縁材料4で基板の溝9を埋
め込んだ。ゲート絶縁材料としては、O3−TEOS、
PE−TEOS、BPSG、SOG等が好ましい。O3
−TEOS、PE−TEOSを堆積し、CMP(化学的
・機械的研磨)法で平坦化することは、制御性、精度の
点で好ましく、一方、BPSG、または、SOGを堆積
し、リフローして平坦化することはコストの点で好まし
い。どのゲート絶縁材料を用い、平坦化するかは、適
宜、当業者により決定されるべきことである。本実施形
態に於いては、埋め込む溝の体積が幅:200μm、深
さ:5μm、長さ90mmと大きいことから、SOGを
塗布して溝を埋め込み、エッチバック法で平坦化を行っ
た(図2(c))。
【0049】次に、ゲート電極材料3を堆積した。本実
施形態に於いては、ゲート金属材料としてモリブデンを
用い、EB蒸着法で0.5μm堆積してゲート電極を形
成した(図2(d))。
【0050】本実施形態においては、平坦化されたゲー
ト絶縁膜上にゲート電極のみを形成しているが、さらに
上方に電子ビームを集束するための集束電極を形成して
も構わない。
【0051】次に、電子源アレイ5を形成する領域のゲ
ート電極にホール8の形成、及びゲート電極配線のパタ
ーニングを行った。ホール8及び配線の形成はフォトリ
ソ及びドライエッチングで容易に形成した(図2
(e))。ホール8の直径は1μm、ピッチは5μmで
あり、ゲート電極配線のライン幅は200μm、ピッチ
は300μmとした。
【0052】最後に、ホール8の下方にあるゲート絶縁
層をエッチング除去し、空孔6を形成した。空孔6の形
成はゲート電極配線をエッチングマスクとし、2μm相
当をドライエッチングで、1μm相当をウエットエッチ
ングでゲート絶縁層を除去して電子放出領域7を形成し
た(図3(f))。
【0053】本実施形態において、ドライエッチングと
ウエットエッチングを組み合わせて空孔6を形成したの
は、空孔のピッチが5μmであるためで、空孔のピッチ
が例えば、10μm程度あれば、ウエットエッチングだ
けを用いることができる。ドライエッチングとウエット
エッチングをどのように組み合わせるかは、ゲート電極
と電子源間のゲート絶縁層の膜厚、及び空孔間のピッチ
で決定することが好ましい。
【0054】以上のような製造方法により、100μm
角の電子源アレイに約400個の電子放出領域を形成で
き、1μmのゲート電極の開口部から電子を放出するこ
とを実験で確認した。この時の、アノード電圧は1K
V、ゲート電圧は300V、エミッション電流は5μA
程度であった。
【0055】また、対角5インチのガラス基板にこのよ
うな電子源アレイを320×240個配設したところ、
電子源アレイと電気的に接続した金属配線(カソード配
線)2とゲート電極3との選択により任意の電子源アレ
イが選択可能であり、この電子源アレイと対向するアノ
ード電極に蛍光体を配置すると、任意の電子源アレイか
ら放出された電子の衝突により、蛍光体が発光した。 〈第2実施形態〉本実施形態では、電子源アレイの表面
を凸凹形状にする製造方法を図3(a)〜(c)を用い
て説明する。
【0056】支持基板1に金属配線2及び電子源アレイ
10を形成する方法は図2(a)と同様に行うことで、
図3(a)に示す断面工程図が得られた。
【0057】次に、電子源アレイ10の表面を凸凹形状
にした。電子源アレイの表面を凸凹にするためには、電
子放出材料とバインダー材料のエッチングレートの違い
を利用すれば容易であった。本実施形態に於いては、O
2プラズマエッチング法を用いた。
【0058】通常のRIE装置で第1の実施形態で製造
した電子源アレイをO2プラズマエッチングすると、バ
インダー材料であるアクリル系樹脂のエッチングレート
はカーボンナノチューブのエッチングレートよりも著し
く速いため、表面処理された電子源アレイの表面11は
図3(b)のように、凸凹になった。この形状はSEM
を用いた断面形状の観察で実験的に確認した。
【0059】最後に、第1の実施形態の図2(c)〜
(f)に従い、ゲート絶縁層4の埋め込み、ゲート電極
3の形成、空孔6の形成を行うことで本実施形態の電子
源アレイ(図3(c))を製造できた。
【0060】第1の実施形態と同様に、アノード電圧を
1KV、ゲート電圧を300Vにすると、エミッション
電流は第1の実施形態の少なくとも1.5倍以上である
ことを実験的に確認した。 〈第3実施形態〉本実施形態では、電子源アレイが微細
化可能な製造方法を図4(a)〜(c)を用いて説明す
る。
【0061】支持基板1に金属配線2及び電子源アレイ
10を形成する方法は第2の実施形態と同様、第1の実
施形態に従った(図4(a))。
【0062】次に、電子源アレイ10を微細化にするた
めに、電子放出材料とバインダー材料の分散系を塗布
後、ホログラム法を用い、電子源アレイのパターンを形
成した。ホログラムは市販の装置をそのまま用いて形成
した。露光後、電子源アレイをSEM観察すると、図4
(b)のように、ピラミッド型形状の電子源アレイ12
が多数存在し、そのピラミッドの大きさを1μm以下に
することができた。
【0063】製造した電子源アレイに、アノード電圧を
1KV、ゲート電圧を300Vを印加すると、エミッシ
ョン電流は第1の実施形態の少なくとも2倍以上である
ことを実験的に確認した。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を有する。
【0065】請求項1及び2では、任意のブロックに分
割可能な電子源アレイを提供し、CMOSから形成され
る駆動回路、論理回路、保護回路等が配設可能した。
【0066】請求項3では、均一に分散した高品質、高
密度な電子放出領域を有する電子源アレイを提供した。
【0067】請求項4では、絶縁性のバインダー材料を
高抵抗化すると共に、その抵抗を制御し、バインダー材
料に電流制限機構を付与した電子源アレイを提供した。
【0068】請求項5〜7では、バインダー材料を紫外
線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂を用いて、任
意のパターンを有する電子源アレイを提供できた。
【0069】請求項8では、真空中でのデガスが少な
い、真空系のデバイスに対して有利なバインダー材料を
提供した。
【0070】請求項9では、エミッション電流を向上し
た電子源アレイを提供できた。
【0071】請求項10では、電子源アレイのXYマト
リクス駆動を可能にし、金属板等で形成したメッシュ電
極を不要にした。
【0072】請求項11〜13では、カーボンナノチュ
ーブ、ダイアモンド、グラファイト等の炭素材料の微粒
子、ボロンナイトライド、シリコン等の半導体材料の微
粒子、金、白金等の貴金属の微粒子から構成される電子
源アレイを提供できた。
【0073】請求項14では、本発明の電子源アレイを
製造できた。
【0074】請求項15では、基板を直接研磨するた
め、フォトリソ及びエッチング工程が不要になるため、
工程が簡略化できると共に、真空装置が不要になるた
め、基板面積に製造方法が限定されるようなことがなく
なる。
【0075】請求項16、18、及び19では、電子源
アレイを分割可能な製造方法を提供できた。
【0076】請求項17では、微細化した電子源アレイ
を製造できた。
【0077】請求項20では、表面形状を凸凹にする電
子源アレイを製造できた。
【0078】請求項21では、ゲート絶縁層を平坦化す
ることで、ゲート絶縁層の上方に引き出し電極、集束電
極、及び各種回路を形成できると共に、請求項22で
は、平坦化する工程をCMP法とすることで、平坦化の
制御性と精度を向上した。
【0079】請求項23では、本発明のXYマトリクス
駆動可能な電子源アレイ及びその製造方法を用いて形成
される画像形成装置を提供した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子源アレイの斜視図(a)であ
り、(b)は(a)の断面線Aでの電子源アレイの断面
図、(c)は(a)の断面線Bでの電子源アレイの断面
図である。
【図2】(a)〜(f)は第1の実施形態に於ける工程
断面図である。
【図3】(a)〜(c)は第2の実施形態に於ける工程
断面図である。
【図4】(a)〜(c)は第3の実施形態に於ける工程
断面図である。
【図5】従来の電子源アレイの斜視図である。
【符号の説明】
1 支持基板 2 カソード配線 3 引き出し電極(ゲート電極) 4 ゲート絶縁層 5 電子源アレイ 6 空孔 7 電子放出領域 8 ゲート電極の開口部 9 ライン状の溝 10 電子源アレイ 11 表面処理された電子源アレイ 12 ピラミッド型形状の電子源アレイ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート絶縁層上に形成した引き出し電極
    によって電子を引き出し放出する機能を有する電子源ア
    レイにおいて、 電子放出領域が電子放出材料とバインダー材料の分散系
    で構成されることを特徴とする電子源アレイ。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記電子放出領域と、前記ゲ
    ート絶縁層とが基板溝に埋め込まれていることを特徴と
    する請求項1に記載の電子源アレイ。
  3. 【請求項3】 前記分散系に界面活性剤を含有すること
    を特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の電子源ア
    レイ。
  4. 【請求項4】 前記分散系に導電材料の微粒子を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電
    子源アレイ。
  5. 【請求項5】 前記バインダー材料が紫外線硬化樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    電子源アレイ。
  6. 【請求項6】 前記バインダー材料が電子線硬化樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    電子源アレイ。
  7. 【請求項7】 前記バインダー材料が熱硬化樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子
    源アレイ。
  8. 【請求項8】 前記バインダー材料がフリットガラスで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    電子源アレイ。
  9. 【請求項9】 前記電子放出領域の表面が凸凹形状であ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電
    子源アレイ。
  10. 【請求項10】 前記引き出し電極が1μm以下の薄膜
    で形成され、前記ゲート絶縁層で機械的に支持され、前
    記溝に対して直交するように配設された構造を特徴とす
    る請求項1〜9のいずれかに記載の電子源アレイ。
  11. 【請求項11】 前記電子放出材料がカーボンナノチュ
    ーブ、ダイアモンド、グラファイト等の炭素材料の微粒
    子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
    記載の電子源アレイ。
  12. 【請求項12】 前記電子放出材料がボロンナイトライ
    ド、シリコン等の半導体材料の微粒子であることを特徴
    とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子源アレ
    イ。
  13. 【請求項13】 前記電子放出材料が金、白金等の貴金
    属材料の微粒子であることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれかに記載の電子源アレイ。
  14. 【請求項14】 基板に溝を形成する工程と、前記溝に
    第1の配線を形成する工程と、前記第1の配線に電子放
    出材料と単量体の分散系を塗布する工程と、前記単量体
    を重合して電子放出領域を形成する工程と、前記電子放
    出領域を後処理する工程と、ゲート絶縁層材料を堆積す
    る工程と、引き出し電極材料を堆積する工程と、前記引
    き出し電極をパターニングする工程と、前記引き出し電
    極をマスクとして前記ゲート絶縁層を除去してホールを
    形成する工程を含むことを特徴とする電子源アレイの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記基板に溝を形成する工程がサンド
    ブラスト法であることを特徴とする請求項14に記載の
    電子源アレイの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記単量体を重合する工程が紫外線照
    射法であることを特徴とする請求項14又は15に記載
    の電子源アレイの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記単量体を重合する工程がホログラ
    ム法であることを特徴とする請求項14又は15に記載
    の電子源アレイの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記単量体を重合する工程が電子線照
    射法であることを特徴とする請求項14又は15に記載
    の電子源アレイの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記単量体を重合する工程が赤外領域
    に波長を有するレーザー照射法であることを特徴とする
    請求項14又は15に記載の電子源アレイの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記電子放出領域を後処理する工程が
    酸素プラズマエッチング法であることを特徴とする請求
    項14〜19のいずれかに記載の電子源アレイの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記ゲート絶縁層堆積後に平坦化する
    工程を含むことを特徴とする請求項14〜20のいずれ
    かに記載の電子源の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記ゲート絶縁層を平坦化する工程が
    CMP法であることを特徴とする請求項14〜21のい
    ずれかに記載の電子源の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれかに記載の電
    子源アレイまたはその製造方法を用いて形成される画像
    形成装置。
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