JP2001057145A - 冷陰極光源及び薄型画像形成装置 - Google Patents

冷陰極光源及び薄型画像形成装置

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JP2001057145A
JP2001057145A JP23066699A JP23066699A JP2001057145A JP 2001057145 A JP2001057145 A JP 2001057145A JP 23066699 A JP23066699 A JP 23066699A JP 23066699 A JP23066699 A JP 23066699A JP 2001057145 A JP2001057145 A JP 2001057145A
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source array
electron source
electron
light source
film transistor
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Hiroshi Oki
博 大木
Masao Urayama
雅夫 浦山
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Sharp Corp
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Publication date
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出材料の微粒子からなる電子源アレイ
に電流制限機構を付与するために支持基板上の薄膜トラ
ンジスタの形成を可能にした構成を提供すると共に、X
Yマトリクス駆動可能な冷陰極光源及び薄型画像形成装
置を提供する。 【解決手段】 支持基板の凹部に、電子放出材料の微粒
子とバインダー材料の分散系で構成される電子源アレイ
4、薄膜トランジスタ9、カソード配線2を配設し、支
持基板の凸部に集束電極18を配設する。電子源アレイ
4、薄膜トランジスタ9、カソード配線2は、支持基板
に対して垂直方向に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流制限機構を付
与した、XYマトリクス駆動可能な電子源アレイを用い
た冷陰極光源及びその製造方法、並びに薄型画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィールドエミッションディスプレイ
(FED)は自発光型フラットパネルディスプレイへの
応用が期待され、電界放出型電子源の研究、開発が盛ん
に行われている。FEDに用いられる電界放出型電子源
の材料としては、様々のものが知られており、近年、電
子放出材料の微粒子として、カーボンナノチューブ(ca
rbon nanotube)が注目されている。
【0003】カーボンナノチューブは、1991年、飯
島らにより発見された(S.Iijima,Nature,354,56,199
1)。このカーボンナノチューブは、円筒状に巻いたグ
ラファイト層が入れ子状になったもので、その先端径が
約10nm程度であり、耐酸化性、耐イオン衝撃性が強
い点で電子源アレイとしては非常に優れた特徴を有する
材料と考えられている。実際、カーボンナノチューブか
らの電界放出実験が、1995年にR.E. Smalleyら(A.
G. Rinzler, Science, 269, 1550, 1995)とW.A.de Hee
rら(W.A.de Heer, Science, 270, 1179, 1995)の研究
グループから報告されている。これらの電界放出実験に
用いられたカーボンナノチューブは、金属薄板上にキャ
スティングされたものであった。
【0004】カーボンナノチューブを用いた電子放出素
子としては、陽極酸化膜の細孔に選択成長した3極管構
造のものが知られており、画素内の各々の電子源の特性
バラツキを低減し、画素当たりの電流強度の安定性が改
善されている(特開平10−12124号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カーボンナノチューブを用いた3極管構造の電子放出素
子は、陽極酸化膜の細孔中にカーボンナノチューブを選
択成長するため、1000〜1200℃程度の高温度の
熱処理を必要とし、同一基板上にTFT等のトランジス
タを配設できないばかりでなく、融点が低い材料からな
る金属配線の配設ができず、素子の構成、製造方法が限
定されてしまうという課題があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るものであり、その目的は、電子放出材料の微粒子から
なる電子源アレイに電流制限機構を付与するために、支
持基板上の薄膜トランジスタの形成を可能にした構成を
提供すると共に、XYマトリクス駆動可能な冷陰極光源
及び薄型画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による冷陰極光源は、ゲート電極と、ゲート
電極への電圧印加により電子を放出する電子源アレイと
を備えるバックプレートを有する冷陰極光源において、
バックプレートは凹部を有し、凹部に微粒子状の電子放
出材料を含む電子源アレイと、ゲート電極と、電子源ア
レイとゲート電極を絶縁するゲート絶縁層と、電子源ア
レイに接続された薄膜トランジスタとを備えることを特
徴とする。
【0008】このように、バックプレートの凹部に薄膜
トランジスタを埋め込み、バックプレートに薄膜トラン
ジスタの配設を可能にすることにより、電子源アレイに
電流制限機構を付与できるばかりでなく、薄膜トランジ
スタを駆動回路として用いたXYマトリクス駆動可能な
冷陰極光源を形成することができる。ここで、電子源ア
レイと電気的に接続するカソード配線をバックプレート
の凹部に配設することができる。そのカソード配線をラ
イン状に分割することにより、線光源からなる冷陰極光
源を形成することができる。
【0009】薄膜トランジスタが電子源アレイ及びカソ
ード配線と導電性プラグで電気的に接続され、バックプ
レートの支持基板方向から順にカソード配線、薄膜トラ
ンジスタ、電子源アレイと三次元的に配設されている構
造とするのが好ましい。電子源アレイ、薄膜トランジス
タ、カソード配線を支持基板に対して垂直方向に配設す
ることにより、実効的な電子放出領域の面積を縮小て、
高精細な冷陰極光源を得ることができる。
【0010】電子放出材料は、カーボンナノチューブ、
ダイアモンド、ダイアモンドライクカーボン、グラファ
イト等の炭素系材料の微粒子とすることができる。こう
して、プロセス過程での薄膜トランジスタ及び電子源ア
レイの劣化を防止した冷陰極光源を製造することができ
る。従来のカーボンナノチューブを用いた冷陰極は、カ
ーボンナノチューブを電極材料表面にキャストする方法
か、支持基板上にカーボンナノチューブを選択成長させ
る方法で作製されていた。カーボンナノチューブをキャ
ストする場合、単純に表面に付着しているだけであるた
め付着力が弱く、素子としては信頼性を持って使用でき
ない。一方、カーボンナノチューブを選択成長させる場
合、成長温度が1000〜1200℃と高く、素子基板
上に配設した薄膜トランジスタを破壊するばかりでな
く、ガラス等の支持基板にさえダメージを与える。本発
明では、微粒子をバインダーに分散することで、カソー
ド電極に対する付着力の向上、プロセス温度の低減を図
った。
【0011】電子放出材料は、また、ボロンナイトライ
ド、シリコン等の半導体材料の微粒子、あるいは金、白
金等の貴金属材料の微粒子とすることができる。電子源
アレイは電子放出材料とバインダー材料の分散系で構成
することができ、バインダー材料は紫外線硬化樹脂、電
子線硬化樹脂、熱硬化樹脂のいずれかとすることができ
る。電子放出材料の微粒子を分散する分散媒を紫外線硬
化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂とすることで、任
意の形状、面積の電子源アレイを形成できる共に、電子
源アレイの微細化が可能になる。
【0012】バックプレートの凹部上面又は側面に対し
て放出された電子を集束するための集束電極を配設する
のが好ましい。支持基板の凸部に集束電極を配設するこ
とにより、支持基板の凹部で放出された電子を効率良く
アノードに集束することが可能になる。
【0013】電子源アレイは、電子源アレイと電気的に
接続するカソード配線と電子を引き出すためのゲート電
極配線の交点付近に分割されて配置することができる。
電子源アレイをカソード配線とゲート電極の交点に配設
することにより、XYアドレス可能な冷陰極光源を実現
することができる。
【0014】本発明による冷陰極光源の製造方法は、支
持基板にカソード配線を埋め込む工程と、カソード配線
に対して垂直方向に凸部を形成する工程と、凸部と凸部
の間の凹部に薄膜トランジスタのソース及びドレインを
形成する工程と、ソース及びドレイン上にチャネルを形
成する工程と、チャネル上に薄膜トランジスタのゲート
絶縁膜を形成する工程と、薄膜トランジスタのゲート絶
縁膜上に薄膜トランジスタのゲート電極及びソース・ド
レインを形成する工程と、カソード配線上に電子源アレ
イを形成する工程と、電子源アレイを後処理する工程
と、電子源アレイ上に電子源アレイのゲート絶縁膜を形
成する工程と、電子源アレイのゲート絶縁膜を平坦化す
る工程と、平坦化したゲート絶縁膜上に電子源アレイの
ゲート電極材料を堆積する工程と、ゲート電極材料に開
口部を形成する工程と、開口部下層のゲート絶縁膜を除
去する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】また、本発明による冷陰極光源の製造方法
は、支持基板にカソード配線を埋め込む工程と、カソー
ド配線上に絶縁膜を堆積してコンタクトホールを形成す
る工程と、コンタクトホールに導電性材料を埋め込む工
程と、薄膜トランジスタのソース及びドレインを形成す
る工程と、薄膜トランジスタのチャネル、ゲート絶縁層
を形成する工程と、ゲート絶縁層を平坦化する工程と、
薄膜トランジスタのゲート電極及びドレイン側の引き出
し電極を形成する工程と、ドレイン側の引き出し電極上
に電子源アレイを形成する工程と、電子源アレイを後処
理する工程と、電子源アレイ上にゲート絶縁膜を堆積す
る工程と、電子源アレイのゲート絶縁膜を平坦化する工
程と、平坦化したゲート絶縁膜上に電子源アレイのゲー
ト電極材料を堆積する工程と、ゲート電極材料に開口部
を形成する工程と、開口部下層のゲート絶縁膜を除去す
る工程とを含むことを特徴とする。
【0016】このような冷陰極光源の製造方法による
と、電子源アレイ、薄膜トランジスタ、カソード配線を
支持基板に対して垂直方向に配設した冷陰極光源を製造
することができる。本発明による冷陰極光源は、液晶の
バックライト、各種光源に利用可能であると共に薄型画
像形成装置に適用可能である。また、本発明による薄型
画像形成装置は、コンピューター、テレビジョン等のフ
ラットパネルディスプレイに利用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 <第1実施形態>図1は、本発明の第1実施形態の電流
制限機構を付与した冷陰極光源の構造を示す概略図であ
る。この冷陰極光源はXYマトリクス駆動可能であり、
薄型画像形成装置に使用可能である。また、図2(a)
は図1における断面線Aでの断面図、図2(b)は図1
における断面線Bでの断面図である。図1及び図2を参
照して、本発明の冷陰極光源及び薄型画像形成装置の構
成を説明する。
【0018】支持基板1上には、カソード配線2が支持
基板1に埋め込まれた構成で配設されている。支持基板
1の凹部3には、カソード配線2と電気的に接続された
電子源アレイ4、電子源アレイのゲート絶縁層5及びゲ
ート電極6が配設されている。電子源アレイ4を構成す
る電子放出材料の微粒子は、炭素系、半導体系あるいは
貴金属系のいずれかの材料で構成する。炭素系材料とし
てはカーボンナノチューブ、ダイヤモンドあるいはグラ
ファイトが、半導体系材料としてはボロンナイトライド
あるいはシリコンが、貴金属系材料としては金あるいは
白金が好ましく、いずれの材料も粒径5μm以下の微粒
子とする。
【0019】ゲート電極6は、ゲート電極開口部7が円
形に抜けた円環状の形状を有し、更にその下部には空孔
8がある。ゲート電極6のゲート電極開口部7の内側が
電子放出領域となっている。電子は、ゲート電極6に電
圧を印加することで引き出され、空孔8を通過して放出
される。空孔8から放出された電子は集束電極18で集
束され、蛍光体17に衝突する。集束電極18は、電子
源アレイから放出された電子が広がることを抑制し、ク
ロストークを防止するものである。集束電極18は、基
板凸部のゲート電極の上層に絶縁層を介してライン状に
形成され、そのラインの末端でグラウンド(0V)に接
続されている。
【0020】一方、薄膜トランジスタ9はカソード配線
2又はゲート電極(配線)6の端部、及び電子源アレイ
4の近傍に配設され、それぞれ駆動回路及び電流制限回
路として用いられる。一つの例として、図2(a)の薄
膜トランジスタ9を説明すると、ソース・ドレイン10
が支持基板1上に形成され、チャネル11及びゲート絶
縁層12が配設されると共に、ゲート電極13及びソー
ス・ドレイン10の引き出し電極14が配設されてい
る。この引き出し電極14はデバイス設計に従い、配線
されている。薄膜トランジスタは電子源と共に、支持基
板1上の凹部3に配設され、電子源アレイ4のゲート絶
縁層5中に埋め込まれている構成を有する。電子源アレ
イ4と薄膜トランジスタ9は、ソース又はドレインで接
続される。
【0021】このような電子源アレイ4と薄膜トランジ
スタ9を形成したバックプレート15に対面するように
配置されたフェイスプレート16は、アノード電極とし
て用いられ、蛍光体17が被着されている。第1実施形
態における冷陰極光源及び薄型画像形成装置は、このよ
うなバックプレート15とフェイスプレート16が真空
雰囲気を介して組み合わされることで構成される。
【0022】このようにして形成された冷陰極光源は、
カソード配線を0V、ゲート電極を20〜30V、アノ
ード電極を5kVに設定すると、10000cd/m2
以上の輝度が得られた。また、カソード配線2とゲート
電極(配線)6を用いて、任意の場所の電子源アレイ4
をアドレスしたところ、アドレスした電子源アレイから
の電子放出が確認でき、対面するフェイスプレート16
に被着した蛍光体17が発光した。
【0023】カソード電圧、アノード電圧及びゲート電
圧を一定にし、アノード電流(絵ミッション電流)の時
間変化を測定して電子源アレイの電流強度の時間的安定
性を評価したところ、薄膜トランジスタ9を配設した電
子源アレイの電流強度の時間的安定性は、薄膜トランジ
スタを付設しない電子源アレイと比較すると、約50〜
100倍に改善されることを確認した。
【0024】次に、図7により、本実施形態の冷陰極光
源及び薄型画像形成装置の製造方法を説明する。まず、
支持基板1に金属配線(カソード配線)2を形成する。
この時、カソード配線2は平坦化することが好ましい。
CMP(化学的・機械的研磨)法を用いると、容易に金
属材料は研磨され、平坦化できる。カソード配線2を形
成した後、絶縁性材料で凸部を形成する。印刷法を用い
ると、このような凸部を形成することが可能である。引
き続き、絶縁材料で形成した凸部と凸部の間の凹部3に
薄膜トランジスタのソース及びドレイン10を形成する
と共に、チャネル部11を形成すると、図7(a)に示
すような工程断面図が得られる。このような工程は、液
晶のTFTプロセスを参照すれば、容易に形成できる。
【0025】次に、薄膜トランジスタのゲート絶縁層1
2を形成すると、図7(b)に示すような工程断面図が
得られる。次に、ゲート絶縁層12のソース及びドレイ
ンとコンタクトを取るためのホールを形成し、金属材料
でこのホールを埋め込む。更に、この金属材料を薄膜ト
ランジスタのゲート電極13、及びソース・ドレイン1
0の引き出し電極14の形状にパターニングすると、図
7(c)のような工程断面図が得られる。
【0026】次に、カソード配線2上の絶縁層をエッチ
ング除去し、電子放出材料の微粒子とバインダー材料か
らなる分散系を塗布し、図7(d)のように、所望の形
状、位置に電子源アレイ4を形成する。電子放出材料の
微粒子としては、カーボンナノチューブ、ダイヤモン
ド、グラファイト、ボロンナイトライド、シリコン、
金、白金等の粒径5μm以下の微粒子を用いる。これら
の微粒子を分散するバインダー材料としては、紫外線硬
化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂等が通常の半導体
プロセスで用いられるフォトリソグラフィ及びエッチン
グを用いた加工技術が不要な点で好ましい。更に、電子
放出材料の微粒子とバインダー材料の分散系を形成する
際、界面活性剤を0.05〜0.5wt%程度添加する
と、電子放出材料の微粒子が安定に分散し、電子放出領
域の微粒子の均一性が向上する。
【0027】このように形成した電子源アレイは、バイ
ンダー表面に露出する電子放出材料の微粒子の密度を向
上し、電子源の電流密度を向上するために、酸素プラズ
マエッチング又はウエットエッチング等でバインダー表
面をエッチングすることが好ましい。次に、電子源アレ
イ4のゲート絶縁層5を堆積する。このゲート絶縁層を
平坦化することが好ましく、平坦化すると、図7(e)
のような工程断面図が得られる。
【0028】次に、絶縁層上に電子源アレイ4のゲート
電極6を堆積し、ゲート電極開口部7を電子源アレイの
上方に形成する。この開口部はフォトリソグラフィーと
ドライエッチングで容易に形成でき、工程断面図として
は図7(f)が得られる。最後に、ゲート電極開口部7
の下方の絶縁膜をエッチング除去する。ゲート電極開口
部7のピッチがゆるい場合、ウエットエッチングで簡便
に除去できる。ピッチが厳しい場合、ドライエッチング
とウエットエッチングを組み合わせることが好ましく、
この場合、図7(g)のように、空孔8の側壁のサイド
エッチングが抑制できる。更に、支持基板の凸部の上面
又は側面に集束電極を形成する。集束電極は、金属材料
を回転斜め蒸着することで容易に形成できる。
【0029】このようにして製造した冷陰極光源及び薄
型画像形成装置の製造過程で検査を行った所、電子放出
材料からなる分散系の剥離は見られず、更に電気的な試
験によれば、薄膜トランジスタの電気的特性の劣化も見
られなかった。
【0030】<第2実施形態>図3は、本発明の第2実
施形態の冷陰極光源の構造を示す概略図である。この冷
陰極光源は線光源として利用可能であり、この光源の全
面にシャッターを配設すれば、薄型画像形成装置に使用
可能である。また、図4(a)は図3における断面線A
での断面図、図4(b)は図3における断面線Bでの断
面図である。図3及び図4を参照して、本実施形態の冷
陰極光源及び薄型画像形成装置の構成を説明する。
【0031】支持基板1上には、カソード配線2が配設
されている。支持基板1の凹部3には、カソード配線2
と電気的に接続された電子源アレイ4、電子源アレイの
ゲート絶縁層5及びゲート電極6が配設されている。電
子源アレイ4を構成する電子放出材料の微粒子は、炭素
系、半導体系あるいは貴金属系のいずれかの材料で構成
する。炭素系材料としてはカーボンナノチューブ、ダイ
ヤモンドあるいはグラファイトが、半導体系材料として
はボロンナイトライドあるいはシリコンが、貴金属系材
料としては金あるいは白金が好ましく、いずれの材料も
粒径5μm以下の微粒子とする。
【0032】ゲート電極6は、ゲート電極開口部7が円
形に抜けた円環状の形状を有し、更にその下部には空孔
8がある。ゲート電極6のゲート電極開口部7の内側が
電子放出領域となっている。電子は、ゲート電極6に電
圧を印加することで引き出され、空孔8を通過して放出
される。空孔8から放出された電子は集束電極18で集
束され、蛍光体17に衝突する。集束電極18は、基板
凸部のゲート電極の上層に絶縁層を介してライン状に形
成され、そのラインの末端でグラウンド(0V)に接続
されている。
【0033】一方、薄膜トランジスタ9はカソード配線
2又はゲート電極(配線)6の端部、及び電子源アレイ
4の近傍に配設され、それぞれ駆動回路及び電流制限回
路として用いられる。一つの例として、図4(a)の薄
膜トランジスタ9を説明すると、ソース・ドレイン10
が支持基板1上に形成され、チャネル11及びゲート絶
縁層12が配設されると共に、ゲート電極13及びソー
ス・ドレイン10の引き出し電極14が配設されてい
る。この引き出し電極14はデバイス設計に従い、配線
されている。薄膜トランジスタは電子源と共に、支持基
板1上の凹部3に配設され、電子源アレイ4のゲート絶
縁層5中に埋め込まれている構成を有する。電子源アレ
イ4と薄膜トランジスタ9は、ソース又はドレインで接
続される。
【0034】このような電子源アレイ4と薄膜トランジ
スタ9を形成したバックプレート15に対面するように
配置されたフェイスプレート16は、アノード電極とし
て用いられ、蛍光体17が被着されている。第2実施形
態における冷陰極光源及び薄型画像形成装置は、このよ
うなバックプレート15とフェイスプレート16が真空
雰囲気を介して組み合わされることで構成される。
【0035】第1実施形態と構成が異なる点は、カソー
ド配線2が支持基板1の凹部3内に平行方向に配設され
ていることであり、これにより、ラインをアドレスし、
アドレスしたラインに対応して電子放出する。実験的な
検証によると、第1実施形態と同様に、カソード配線、
ゲート電極、アノード電極に電位をかけると、アドレス
したラインから電子放出し、蛍光体17が発光すること
が確認できた。
【0036】<第3実施形態>図5及び図6は、第3実
施形態の冷陰極光源の構造を示す概略図である。本実施
形態の冷陰極光源は画素ピッチを縮小した、即ち、高精
細な冷陰極光源及び薄型画像形成装置として利用可能で
ある。図5は第1実施形態に対応する断面図であり、図
5(a)は図1の断面線Aに対応する断面図、図5
(b)は図1の断面線Bに対応する断面図である。ま
た、図6は第2実施形態に対応する断面図であり、図6
(a)は図3の断面線Aに対応する断面図、図6(b)
は図3の断面線Bに対応する断面図である。図5及び図
6を参照して、本発明の冷陰極光源及び薄型画像形成装
置の構成を説明する。
【0037】基本的な構成は第1実施形態あるいは第2
実施形態と変わりがない。第1実施形態あるいは第2実
施形態と構成が異なる点は、電子源アレイ4と、薄膜ト
ランジスタ9と、カソード配線2が支持基板1に対して
垂直方向に配設されていることである。図5(a)ある
いは図6(a)に示すように、電子源アレイ4は薄膜ト
ランジスタ9のドレインからの引き出し電極14と直接
電気的に接続され、薄膜トランジスタ9のソースは導電
性プラグを介してカソード配線2に電気的に接続され
る。このような構成を取ることにより、第1実施形態あ
るいは第2実施形態の冷陰極光源及び薄膜画像形成装置
に対して面積が1/4以下に縮小可能となる。
【0038】次に、図8を用いて、本実施形態の冷陰極
光源及び薄型画像形成装置の製造方法を説明する。ま
ず、支持基板1に金属配線(カソード配線)2を形成
し、絶縁材料を堆積する。この絶縁材料を平坦化し、カ
ソード配線2と薄膜トランジスタのソース形成部10に
コンタクトホール19を形成し、導電性材料でこのコン
タクトホール19を埋め込む。引き続き、薄膜トランジ
スタのソース及びドレイン10を形成すると共に、チャ
ネル部11を形成すると、図8(a)に示すような工程
断面図が得られる。
【0039】次に、薄膜トランジスタのゲート絶縁層1
2を形成し、図8(b)の工程断面図を得る。次に、ゲ
ート絶縁層12のドレインとコンタクトを取るためのホ
ールを形成し、金属材料でこのホールを埋め込む。更
に、この金属材料を薄膜トランジスタのゲート電極13
及びドレイン10の引き出し電極14の形状にパターニ
ングすると、図8(c)のような工程断面図が得られ
る。このドレインの引き出し電極14は形成する電子源
アレイの形状、面積に予め合わせ込んでおくことが好ま
しい。
【0040】次に、電子放出材料の微粒子とバインダー
材料からなる分散系を塗布し、図8(d)のように、ド
レインの引き出し電極14の形状、位置に合わせて電子
源アレイ4を形成する。次に、電子源アレイ4のゲート
絶縁層5を堆積する。このゲート絶縁層を平坦化するこ
とが好ましく、平坦化すると、図8(e)のような工程
断面図が得られる。
【0041】次に、絶縁層上に電子源アレイ4のゲート
電極6を堆積し、ゲート電極開口部7を電子源アレイの
上方に形成する。この開口部はフォトリソグラフィーと
ドライエッチングで容易に形成でき、工程断面図として
は、図8(f)が得られる。最後に、ゲート電極開口部
7の下方の絶縁膜をエッチング除去する。このようにす
ると、図8(g)のような工程断面図が得られ、更に、
支持基板の凸部の上面又は側面に金属材料を回転斜め蒸
着することで集束電極を形成する。
【0042】<第4実施形態>図9は、本発明による薄
型画像形成装置の装置全体図である。この薄型画像形成
装置は、図1にて説明したのと同様なXYマトリクス駆
動可能な冷陰極光源を用い、それにコントローラで制御
されるデータ側ドライバス20とキャン側ドライバ21
を接続したものである。なお、図9では、図1に示した
フェイスプレートが図示省略されている。
【0043】この薄型画像形成装置は、表示のための画
像データがコントローラ19に入力され、水平ライン分
の画像データがコントローラ19からデータ側ドライバ
20に出力され、ゲート電極ライン6に印加される。ま
た、コントローラ19はスキャン側ドライバ21に対し
て垂直方向にスキャンが行われるように制御し、スキャ
ン側ドライバ21はカソード電極ライン2に対して順次
走査電圧を印加する。以上のようにして、本発明の薄型
画像形成装置は画像データを表示する。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、電子放出材料の微粒子
からなる電子源アレイに電流制限機構を付与するための
薄膜トランジスタが支持基板上に形成されたXYマトリ
クス駆動可能な冷陰極光源及び薄型画像形成装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の冷陰極光源及び薄型画像形成装
置の斜視図。
【図2】(a)は図1の断面線Aでの断面図、(b)は
図1の断面線Bでの断面図。
【図3】第2実施形態の冷陰極光源及び薄型画像形成装
置の斜視図。
【図4】(a)は図3の断面線Aでの断面図、(b)は
図3の断面線Bでの断面図。
【図5】第3実施形態の冷陰極光源の構造を示す、第1
実施形態に対応する断面図。
【図6】第3実施形態の冷陰極光源の構造を示す、第2
実施形態に対応する断面図。
【図7】第1実施形態の工程断面図。
【図8】第3実施形態の工程断面図。
【図9】本発明による薄型画像形成装置の装置全体図。
【符号の説明】
1 支持基板 2 カソード配線 3 支持基板の凹部 4 電子源アレイ(電子放出材料とバインダー材料の
分散系) 5 電子源アレイのゲート絶縁層 6 電子源アレイのゲート電極(配線) 7 ゲート電極開口部 8 空孔 9 薄膜トランジスタ 10 薄膜トランジスタのソース及びドレイン 11 薄膜トランジスタのチャネル 12 薄膜トランジスタのゲート絶縁層 13 薄膜トランジスタのゲート電極 14 薄膜トランジスタのソース又はドレインの引き出
し電極 15 冷陰極光源及び薄型画像形成装置のバックプレー
ト 16 冷陰極光源及び薄型画像形成装置のフェイスプレ
ート 17 フェイスプレートに被着した蛍光体 18 集束電極 19 コントローラ 20 データ側ドライバ 21 スキャン側ドライバ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート電極と、前記ゲート電極への電圧
    印加により電子を放出する電子源アレイとを備えるバッ
    クプレートを有する冷陰極光源において、 前記バックプレートは凹部を有し、前記凹部に微粒子状
    の電子放出材料を含む前記電子源アレイと、前記ゲート
    電極と、前記電子源アレイとゲート電極を絶縁するゲー
    ト絶縁層と、前記電子源アレイに接続された薄膜トラン
    ジスタとを備えることを特徴とする冷陰極光源。
  2. 【請求項2】 前記電子源アレイと電気的に接続するカ
    ソード配線が前記バックプレートの凹部に配設されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の冷陰極光源。
  3. 【請求項3】 前記薄膜トランジスタが前記電子源アレ
    イ及び前記カソード配線と導電性プラグで電気的に接続
    され、前記バックプレートの支持基板方向から順に前記
    カソード配線、前記薄膜トランジスタ、前記電子源アレ
    イと三次元的に配設されていることを特徴とする請求項
    2記載の冷陰極光源。
  4. 【請求項4】 前記電子放出材料がカーボンナノチュー
    ブ、ダイアモンド、ダイアモンドライクカーボン又はグ
    ラファイトの微粒子であることを特徴とする請求項1,
    2又は3記載の冷陰極光源。
  5. 【請求項5】 前記電子放出材料がボロンナイトライド
    又はシリコンの微粒子であることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の冷陰極光源。
  6. 【請求項6】 前記電子放出材料が金又は白金の微粒子
    であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の冷陰
    極光源。
  7. 【請求項7】 前記電子源アレイが電子放出材料とバイ
    ンダー材料の分散系で構成されていることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1項記載の冷陰極光源。
  8. 【請求項8】 前記バックプレートの凹部上面又は側面
    に対して放出された電子を集束するための集束電極が配
    設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項記載の冷陰極光源。
  9. 【請求項9】 前記電子源アレイが前記電子源アレイと
    電気的に接続するカソード配線と電子を引き出すための
    ゲート電極配線の交点付近に分割されて配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の冷
    陰極光源。
  10. 【請求項10】 支持基板にカソード配線を埋め込む工
    程と、前記カソード配線に対して垂直方向に凸部を形成
    する工程と、前記凸部と凸部の間の凹部に薄膜トランジ
    スタのソース及びドレインを形成する工程と、前記ソー
    ス及びドレイン上にチャネルを形成する工程と、前記チ
    ャネル上に薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を形成する
    工程と、前記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜上に薄膜
    トランジスタのゲート電極及びソース・ドレインを形成
    する工程と、前記カソード配線上に電子源アレイを形成
    する工程と、前記電子源アレイを後処理する工程と、前
    記電子源アレイ上に電子源アレイのゲート絶縁膜を形成
    する工程と、前記電子源アレイのゲート絶縁膜を平坦化
    する工程と、前記平坦化したゲート絶縁膜上に電子源ア
    レイのゲート電極材料を堆積する工程と、前記ゲート電
    極材料に開口部を形成する工程と、前記開口部下層のゲ
    ート絶縁膜を除去する工程とを含むことを特徴とする冷
    陰極光源の製造方法。
  11. 【請求項11】 支持基板にカソード配線を埋め込む工
    程と、前記カソード配線上に絶縁膜を堆積してコンタク
    トホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに導
    電性材料を埋め込む工程と、薄膜トランジスタのソース
    及びドレインを形成する工程と、前記薄膜トランジスタ
    のチャネル、ゲート絶縁層を形成する工程と、前記ゲー
    ト絶縁層を平坦化する工程と、前記薄膜トランジスタの
    ゲート電極及びドレイン側の引き出し電極を形成する工
    程と、前記ドレイン側の引き出し電極上に電子源アレイ
    を形成する工程と、前記電子源アレイを後処理する工程
    と、前記電子源アレイ上にゲート絶縁膜を堆積する工程
    と、前記電子源アレイのゲート絶縁膜を平坦化する工程
    と、前記平坦化したゲート絶縁膜上に電子源アレイのゲ
    ート電極材料を堆積する工程と、前記ゲート電極材料に
    開口部を形成する工程と、前記開口部下層のゲート絶縁
    膜を除去する工程とを含むことを特徴とする冷陰極光源
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6808854B2 (en) 2001-04-27 2004-10-26 Canon Kabushiki Kaisha Polyhydroxyalkanoates having in its side chain phenylsulfinyl structure and/or phenyl sulfonyl structure and production process therefor; charge control agent, toner binder and toner containing same; and image forming method and image forming apparatus using the toner
CN115000108A (zh) * 2022-06-06 2022-09-02 中山大学 一种高压tft驱动的可寻址平板x射线源及其制备方法

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