JP2000311515A - ゲル状イオン伝導性電解質用組成物 - Google Patents

ゲル状イオン伝導性電解質用組成物

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JP2000311515A JP11121895A JP12189599A JP2000311515A JP 2000311515 A JP2000311515 A JP 2000311515A JP 11121895 A JP11121895 A JP 11121895A JP 12189599 A JP12189599 A JP 12189599A JP 2000311515 A JP2000311515 A JP 2000311515A
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gel
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Hiroyuki Sonobe
宏幸 園部
Hideaki Uehara
秀秋 上原
Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Satoru Nakazawa
哲 中澤
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン伝導性が高く、機械的強度も高く、耐
電圧が優れ、柔軟性も有するゲル状イオン伝導性電解質
用組成物を提供する。 【解決手段】 (a)熱あるいは光重合性不飽和結合を
分子内に1つ有するモノマー、(b)下記一般式(I)
で表される含硫黄化合物、(c)アルカリ金属塩、
(d)アルカリ金属塩を溶解可能な非水溶媒及び(e)
熱重合又は光重合用触媒を含むゲル状イオン伝導性電解
質用組成物。 【化1】 (式中、2つのX1は、各々独立にビニル基、アクリル
基又はメタクリル基を示し、Y1は炭素数1〜5のアル
キレン基又はフェニレン基を示し、nは1〜1000の
整数である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲル状イオン伝導性
電解質用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、一般に3V以上の
高電圧が得られ、且つ、軽量・高容量であるため、様々
な用途に応用されている。このようなリチウム二次電池
は、正極にコバルト酸リチウム、負極に炭素材料を活物
質に用いたものが多かったが、最近、より高容量化する
ために活物質に関する研究開発が盛んに行われている。
また、電解質の開発も積極的に展開されており、イオン
伝導度や耐電圧などの改善が試みられている。リチウム
イオン二次電池をはじめ、ほとんどのリチウム二次電池
の電解質には有機電界液が使用されている。実際の電池
では、これをポリプロピレン微多孔膜などのセパレータ
に含浸させて、正/負極間のイオン伝導路を確保する。
しかし、リチウム二次電池でしばしば問題となるのが負
極から正極方向に成長するリチウムのデンドライト状析
出による内部ショートであり、有機電界液系では特にこ
のデンドライト析出によるショート事故の制御が困難で
ある。有機電界液自身は流動体であり、本質的にデンド
ライトの成長を抑制することができない。
【0003】また、セパレータを用いた場合、正/負極
間に流れる電流は限定されたイオン伝導路であるセパレ
ータの細孔部に集中するため、結果としてリチウムデン
ドライトの成長がセパレータの細孔部で集中的に促進さ
れる。このような状況を打破するため、固体のポリマ電
解質を利用する電池系が考案され、現在、開発途上にあ
る。このポリマ電解質は、ポリマにアルカリ金属塩を均
一に固溶させたイオン伝導体である。これはセパレータ
フリーの固体電解質として機能し、且つ、電解質全面に
電流が均一に流れるため、リチウムデンドライトとの発
生・成長を抑制することが可能であると言われている。
しかし、そのイオン伝導度は室温で10-5S/cm程度であ
り、有機電解液と比較して2桁以上低い。このイオン伝
導度の低さがポリマ電解質をリチウム二次電池に使用す
る際の障害要因となっており、これを改善する方法が種
々検討されている。
【0004】その一つとして、有機電解液に近いイオン
伝導度を得ることを目的に、ゲル状イオン伝導性電解質
の開発が促進されている。ゲル状イオン伝導性電解質と
は、ポリママトリックスに電解液を含浸させて電解液の
保持をさせたものであり、形態は固体であるが、イオン
伝導は主として電解液相を介して行われる。ゲル状イオ
ン伝導性電解質は、ポリママトリックスの種類によって
2つに大別できる。1つは、例えばポリアクリロニトリ
ルあるいはポリメチルメタクリレートのような1次元直
鎖状ポリマをマトリックスポリマとして、有機電解液を
加え、100〜140℃の温度で有機電解液にマトリッ
クスポリマを溶解させ、その後室温に戻すことにより得
られるゲル状イオン伝導性電解質である。もう一つは、
3次元架橋型ポリマをマトリックスポリマとするゲル状
イオン伝導性電解質であり、熱あるいは光反応性の末端
基を持つモノマを溶液と混合し、熱あるいは光重合して
形成した3次元架橋型ポリマをゲル状イオン伝導性電解
質として利用するものである。いずれのゲル状イオン伝
導性電解質も有機電解液の数分の1以上のイオン伝導度
を示す。
【0005】しかしながら、上記従来のゲル状イオン伝
導性電解質では、下記に示す問題点があった。1次元直
鎖ポリマであるポリアクリロニトリルあるいはポリメチ
ルメタクリレートと有機電解液を組み合わせたゲル状イ
オン伝導性電解質は、液体電解質の数分の1以上のイオ
ン伝導度を示す。しかし、80〜100℃付近でゲル状
イオン伝導性電解質が溶解して流動化する傾向にあり、
このようなゲル状イオン伝導性電解質は熱安定性に劣る
という問題点があった。また、熱安定性を向上させるた
めに、1次元直鎖のマトリックスポリマ濃度を大きくす
ると、イオン伝導度が低くなるという問題点があった。
【0006】一方、3次元架橋型ポリマをマトリックス
にするゲル状イオン伝導性電解質は、架橋剤に反応性末
端基を含むグリコール系の化合物を使用したものが盛ん
に研究されている。これらのゲル状イオン伝導性電解質
は、1次元直鎖ポリマをマトリックスにしたゲル状イオ
ン伝導性電解質よりも高い機械強度を有し、高温でも流
動しないものの強度面では十分とは言えず、脆く裂けや
すい性質がある。また、架橋点が酸化分解されやすく耐
電圧が低いため、LiCoO2やLiNiO2等を正極活
物質に用いる4V級ポリマ電池の電解質として利用する
ことが難しいという問題点があった。
【0007】以上のことから、ゲル状イオン伝導性電解
質を実用化する際は、温度変化あるいは外部応力に対す
る形状維持(高い機械的強度)とイオン伝導度の確保お
よび耐電圧の3点を満たすことが必要となる。しかし、
従来の電解質ではいずれかの機能が損なわれるため、上
記3点を共に満たすポリマ材料の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、イオン伝導性が高く、機械的強度も高く、耐電圧が
優れ、柔軟性も有するゲル状イオン伝導性電解質用組成
物を提供するものである。請求項2記載の発明は、請求
項1記載のの発明の効果を奏し、より機械的強度とイオ
ン伝導性に優れたゲル状イオン伝導性電解質用組成物を
提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載の発明の効果を奏し、よりイオン伝導性に優
れたゲル状イオン伝導性電解質用組成物を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)熱ある
いは光重合性不飽和結合を分子内に1つ有するモノマ
ー、(b)下記一般式(I)で表される含硫黄化合物、
【化2】 (式中、2つのX1は、各々独立にビニル基、アクリル
基又はメタクリル基を示し、Y1は炭素数1〜5のアル
キレン基又はフェニレン基を示し、nは1〜1000の
整数である)(c)アルカリ金属塩、(d)アルカリ金
属塩を溶解可能な非水溶媒及び(e)熱重合又は光重合
用触媒を含むゲル状イオン伝導性電解質用組成物に関す
る。
【0010】また、本発明は、(a)成分である熱ある
いは光重合性不飽和結合を分子内に1つ以上含有するモ
ノマーが、アクリロニトリルであることを特徴とする前
記のゲル状イオン伝導性電解質用組成物に関する。ま
た、本発明は、(c)成分であるアルカリ金属塩が、L
iClO4、LiBF4、LiPF6、およびLiN(CF
3SO2)2からなる群から選択された少なくとも1種であ
る前記のゲル状イオン伝導性電解質用組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明における(a)熱あるいは光重合性不飽和結合を
分子内に1つ有するモノマーは、非水溶媒に溶解するこ
とができるものであれば特に制限はないが、例えば、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、ブタジエン、スチレン等を挙げるこ
とができる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上
を組み合わせて使用される。これらのモノマーのうち
で、アクリロニトリルが得られるゲル状イオン伝導性電
解質の強度、イオン伝導性の点で好ましい。
【0012】本発明における(a)熱あるいは光重合性
不飽和結合を分子内に1つ以上含有するモノマー及びま
たはポリマーの配合量は、本発明における(a)成分、
(b)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成分の
総量中3.5〜80重量%とすることが好ましく、10
〜60重量%とすることがより好ましく、15〜40重
量%とすることが特に好ましい。モノマーあるいはポリ
マーの割合が3.5重量%未満では、ゲル化が十分でな
く流動するため、フィルムの形状を維持できず固体とし
ての機能が失われ、機械的強度が低下する傾向がある。
また、80重量%を超えると、イオン伝導度が低下する
傾向がある。
【0013】本発明における(b)下記一般式(I)
【化3】 (式中、2つのX1は、各々独立にビニル基、アクリル
基又はメタクリル基を示し、Y1は炭素数1〜5のアル
キレン基又はフェニレン基を示し、nは1〜1000の
整数である)で表される含硫黄化合物は、チオエーテル
系の骨格を含んでいれば特に制限はないが、例えば、モ
ノチオエチレンジ(メタ)アクリレート、複数のチオエ
チレン基を含むポリチオエチレンジ(メタ)アクリレー
ト、モノチオプロピレンジ(メタ)アクリレート、複数
のチオプロピレン基を含むポリチオプロピレンジ(メ
タ)アクリレート、モノチオフェニレンジ(メタ)アク
リレート、複数のチオフェニレン基を含むポリチオフェ
ニレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら
は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0014】本発明における(b)一般式(I)で表さ
れる含硫黄化合物の配合量は、本発明における(a)成
分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成
分の総量中0.5〜50重量%とすることが好ましく、
3〜40重量%とすることがより好ましく、5〜30重
量%とすることが特に好ましい。(b)成分の割合が1
重量%未満では、ゲル化が十分でなく流動するため、フ
ィルムの形状を維持できず固体としての機能が失われ、
機械的強度が低下する傾向がある。また、50重量%を
超えると、ゲルが脆くなって可とう性が低下する傾向が
ある。
【0015】本発明における(c)アルカリ金属塩は、
特に制限はないが、実用的な観点から、例えば、LiC
lO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF
3SO3、LiC29SO3、LiN(CF3SO2)2等のリ
チウム化合物が好ましい。これらのリチウム化合物は、
単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられ、これら
の塩のうちで特に好ましい塩はLiClO4、LiB
4、LiPF6およびLiN(CF3SO2)2である。
【0016】本発明における(c)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び
(e)成分の総量中1〜40重量%とすることが好まし
く、3〜30重量%とすることがより好ましく、5〜2
0重量%とすることが特に好ましい。(c)成分の配合
量が1重量%未満あるいは40重量%以上では、イオン
伝導度が低下する傾向がある。
【0017】本発明における(d)アルカリ金属塩を溶
解可溶な非水溶媒は、化学的に安定で非水系であれば特
に制限はないが、例えば、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネ
ート化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン、ポリエチレンオキシド等のエーテル化合
物、プチロラクトン、プロピルラクトン等のラクトン化
合物などが挙げられる。これらの非水溶剤は単独で又は
2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0018】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び
(e)成分の総量中10〜95重量%とすることが好ま
しく、20〜90重量%とすることがより好ましく、3
0〜85重量%とすることが特に好ましい。(d)成分
の割合が10重量%未満では、イオン伝導率が低下する
傾向がある。また、95重量%を超えると、機械的強度
が低下する傾向がある。
【0019】また、本発明における(e)熱重合又は光
重合触媒は、公知のものが使用できる。熱重合を行う場
合の熱重合用触媒としては、例えば過酸化ベンゾイル及
びその誘導体、ヒドロペルオキシド及びその誘導体、ク
ミルペルオキシド及びその誘導体等のジアルキル(アリ
ル)ペルオキシド類、ジアセチルペルオキシド及びその
誘導体等のジアシルペルオキシド類、ペルオキシケター
ル類、ペルオキシエステル類、ペルオキシカルボナート
類等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリルなどが挙げられる。
【0020】また、光重合を行う場合の光重合用触媒と
しては、ジメチルアミノ安息香酸類、ベンゾフェノン及
びその誘導体、ベンジルメチルケタール等のベンジル及
びその誘導体、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の
アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等
のベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシイソブチルフェノ
ン等のブチルフェノン誘導体、チオキサントン及びその
誘導体、アジド基を有する化合物、クマリン誘導体、フ
ェニルケトン誘導体などが挙げられる。これらの(e)
成分は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】本発明における(e)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び
(e)成分の総量中0.005〜10重量%とすること
が好ましく、0.01〜5重量%とすることがより好ま
しく、0.02〜1重量%とすることが特に好ましい。
(d)成分の割合が0.005重量%未満では、ゲル化
が十分でなく流動するため、フィルムの形状を維持でき
ず固体としての機能が失われ、機械的強度が低下する傾
向がある。また、10重量%を超えると、機械的強度が
低下する傾向がある。
【0022】また、本発明のゲル状イオン伝導性電解質
用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要
に応じて、ポリマーを添加してもよい。そのような、ポ
リマーとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイドを単独で重合または共重合したポリマの
末端又は側鎖に不飽和結合あるいは光または熱反応性基
を含むもの、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、スチ
レン及びその誘導体等を単独で重合または共重合したポ
リマの末端又は側鎖に不飽和結合あるいは光または熱反
応性基を含むもの、ポリエステル、ポリフェニレンオキ
シド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ポキシアミド、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等の熱可
塑性ポリマの末端又は側鎖に不飽和結合あるいは光また
は熱反応性基を含むもの等を挙げることができる。
【0023】本発明のゲル状イオン伝導性電解質用組成
物を用いたゲル状イオン伝導性電解質の製法の一例を記
すと、上記(a)成分、(b)成分、(c)成分、
(d)成分及び(e)成分を所定割合で配合し、例えば
電極の形状に合わせた型内で各成分を重合させるか、あ
るいは部分重合して必要な粘度とした後、所望の形状に
コーティングあるいは成形加工した後、熱または光で重
合してゲル状イオン伝導性電解質を作製できる。
【0024】本発明のゲル状イオン伝導性電解質を用い
た電池を得る方法の一つを例示する。例えば、まず、フ
ィルム状に加工した本発明のゲル状イオン伝導性電解質
を、通常の電解液型リチウムイオン二次電池で用いる正
極集電体(電気を集める物質、アルミニウム箔が用いら
れることが多い)シート上に正極材料(バインダ用の樹
脂を含むLiCoO2やLiNiO2等)をキャスティン
グした正極シート及び負極集電体(銅箔が用いられるこ
とが多い)シート上に負極材料(バインダ用の樹脂を含
む黒鉛等)をキャスティングした負極シートで挟み、熱
または加圧することによって正極シートと本発明のゲル
状イオン伝導性電解質と負極シートを密着させて電池の
電池反応を起こす部分を作製する。その後、得られた電
池反応を起こす部分を大気中の湿気や酸素や窒素等と隔
離するために例えばアルミニウム製の絶縁された入れ物
等で密封するが、この際、正極シート及び負極シートに
形成された電極を通じて充電及び放電が可能なように、
電極部分はアルミニウム製の絶縁された入れ物の外部に
露出させておく。こうして得られた本発明のゲル状イオ
ン伝導性電解質を用いた電池は充電と放電を交互に行う
とが可能な二次電池となる。
【0025】本発明のゲル状イオン伝導性電解質は、負
極に黒鉛等の層間化合物を用いたリチウムイオン二次電
池、負極にリチウム金属を用いたリチウム二次電池、リ
チウム一次電池、電気二重層キャパシタ、酵素センサ用
電極材料等に用いることができる。また、本発明のゲル
状イオン伝導性電解質を用いた電池は、携帯電話、PH
S、ノート型パソコン、携帯端末等の小型電子機器の主
電源またはバックアップ用電源として用いることがで
き、さらに、据え置き型ロードレベリング用電源、停電
時のバックアップ用電源、電気自動車用電池等に広く用
いることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例によって説明する。
【0027】合成例1 1,2−エタンジチオール(アルドリッチ社製)100
重量部と塩化メタクリロイル300重量部とピリジン4
00重量部を混合し、80℃で6時間撹拌した。反応終
了後、反応溶液を減圧蒸留により精製して、下記式の化
合物2を得た。化合物2は、1H−NMR、IR、MS
より同定した。
【化4】
【0028】合成例2 1,2−メルカプトエチルスルフィド(アルドリッチ社
製)100重量部と塩化メタクリロイル250重量部と
ピリジン400重量部を混合し、80℃で6時間撹拌し
た。反応終了後、反応溶液を減圧蒸留により精製して、
下記式の化合物3を得た。化合物3は、1H−NMR、
IR、MSより同定した。
【化5】
【0029】実施例1 アルゴンで満たされたグローブボックス(酸素濃度30
ppm、水濃度20ppm)内でアクリロニトリル、S,S′
−チオジ−4,1−フェニレンビスチオメタクリレート
(アルドリッチ社製)(化合物1)、LiClO4、ア
ゾビスイソブチロニトリル、プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネートを表1の割合で配合して混合物1
を得た。得られた混合物1を10cm×10cmのステンレ
ス製容器に流し込み、蓋をした後80℃で3時間加熱し
てゲル状イオン伝導性電解質を得た。得られたゲル状イ
オン伝導性電解質のイオン伝導度、機械的強度、熱安定
性を評価した結果を表2に示す。
【0030】実施例2 アルゴンで満たされたグローブボックス(酸素濃度30
ppm、水濃度20ppm)内でアクリロニトリル、合成例1
に従って作製した化合物2、LiN(CF3SO2)2、ベ
ンゾフェノン、ジメチルカーボネート、エチレカカーボ
ネートを表1の割合で配合して混合物2を得た。得られ
た混合物2を10cm×10cmのガラス製の透明なバット
に流し込み、やはりガラス製の透明な蓋(厚み1mm)を
して、紫外線照射装置(ウシオ電気(株)社製)を用いて
1J/cm2の量の紫外光を照射してゲル状イオン伝導性電
解質を得た。得られたゲル状イオン伝導性電解質のイオ
ン伝導度、機械的強度、熱安定性を評価した結果を表2
に示す。
【0031】実施例3 アルゴンで満たされたグローブボックス(酸素濃度30
ppm、水濃度20ppm)内でメチルメタクリレート、合成
例2に従って作製した化合物3、LiPF6、2,2−
ジエトキシアセトフェノン、ジエチルカーボネート、プ
ロピレンカーボネート表1の割合で配合して混合物3を
得た。得られた混合物3を10cm×10cmのガラス製の
透明なバットに流し込み、やはりガラス製の透明な蓋
(厚み1mm)をして、紫外線照射装置(ウシオ電気(株)
社製)を用いて1J/cm2の量の紫外光を照射してゲル状
イオン伝導性電解質を得た。得られたゲル状イオン伝導
性電解質のイオン伝導度、機械的強度、熱安定性を評価
した結果を表2に示す。
【0032】実施例4 アルゴンで満たされたグローブボックス(酸素濃度30
ppm、水濃度20ppm)内でメポリエチレングリコールジ
アクリレート(重量平均分子量2000)、合成例2に
従って作製した化合物3、LiClO4、アゾビスイソ
ブチロニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネートを表1の割合で配合して混合物4を得た。得
られた混合物4を10cm×10cmのバットに流し込み、
蓋をした後80℃で30分間加熱してゲル状イオン伝導
性電解質を得た。得られたゲル状イオン伝導性電解質の
イオン伝導度、機械的強度、熱安定性を評価した結果を
表2に示す。
【0033】比較例1 プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合
溶媒にLiClO4を溶かした電解液を調製した。次い
でこの電解液にポリアクリロニトリル(重量平均分子
量:200000)の粉末を添加し、撹拌により良く分
散させた(配合を表1に示した)。この溶液をステンレ
ス製バットに流し込み、蓋をした後に120℃で加熱し
てポリアクリロニトリルを溶解した。この溶液を室温で
6時間放置することにより、ゲル状イオン伝導性電解質
を得た。得られたゲル状イオン伝導性電解質のイオン伝
導度、機械的強度、熱安定性を評価した結果を表2に示
す。
【0034】比較例2 実施例1の架橋剤S,S′−チオジ−4,1−フェニレ
ンビスチオメタクリレートの代わりに、トリエチレング
リコールジメタクリレートを用いた以外は、実施例1と
同様にしてゲル状イオン伝導性電解質を作製した(配合
を表1に示した)。得られたゲル状イオン伝導性電解質
のイオン伝導度、機械的強度、熱安定性を評価した結果
を表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】ゲル状イオン伝導性電解質の評価方法を以
下に示す。 〈イオン伝導度〉イオン伝導度の測定は、25℃におい
てゲル状イオン伝導性電解質をステンレス鋼電極で挟み
込むことで電気化学セルを構成し、電極間に交流を印加
して抵抗成分を測定する交流インピーダンス法を用いて
行い、コール・コールプロットの実数インピーダンス切
片から計算した。
【0038】〈機械強度〉2cm×2cm、厚さ500μm
のゲル状イオン伝導性電解質を、折り曲げた時の状態を
以下のように評価した。 ○…180度折り曲げても割れは生じず、形状を元に戻
す弾性を有する。 △…90度折り曲げても割れは生じないが、それ以上折
り曲げると割れる。 ×…45度折り曲げても割れは生じないが、それ以上折
り曲げると割れる。
【0039】〈熱安定性〉ダイナミックメカニカルアナ
ライザーにより、5mm×5mm×5mmの大きさに切り出し
たゲル状イオン伝導性電解質の温度変化に対する膜厚変
化を評価した。ここで25℃時のゲル状イオン伝導性電
解質の膜厚を100%として、この膜厚が50%まで収
縮した時の温度を溶解温度とした。
【0040】表2に示されるように、実施例1〜4のゲ
ル状イオン伝導性電解質は、25℃において3.0×1
-3S/cm以上高いイオン伝導度を有し、機械的強度及び
熱安定性にも優れていることが分かる。これに対し、比
較例1のゲル状イオン伝導性電解質は、実施例1〜4の
ゲル状イオン伝導性電解質と比べてイオン伝導度が若干
低く、熱安定性も悪いことが分かる。また、比較例2の
ゲル状イオン伝導性電解質は、実施例1〜4のゲル状イ
オン伝導性電解質と比べてイオン伝導度が若干低く、機
械強度もわずかに劣っていることが分かる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載のゲル状イオン伝導性電解
質用組成物は、イオン伝導性が高く、機械的強度も高
く、耐電圧が優れ、柔軟性も有するものである。請求項
2記載のゲル状イオン伝導性電解質用組成物は、請求項
1記載のの発明の効果を奏し、より機械的強度とイオン
伝導性に優れたものである。請求項3記載のゲル状イオ
ン伝導性電解質用組成物は、請求項1又は2記載の発明
の効果を奏し、よりイオン伝導性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野倉 仁 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 中澤 哲 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 Fターム(参考) 5G301 CA16 CA30 CD01 5H024 AA02 AA12 EE09 FF15 FF16 FF17 FF19 FF23 5H029 AJ02 AJ11 AK03 AL07 AL12 AM03 AM04 AM07 AM16 EJ12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱あるいは光重合性不飽和結合を
    分子内に1つ有するモノマー、(b)下記一般式(I)
    で表される含硫黄化合物、 【化1】 (式中、2つのX1は、各々独立にビニル基、アクリル
    基又はメタクリル基を示し、Y1は炭素数1〜5のアル
    キレン基又はフェニレン基を示し、nは1〜1000の
    整数である)(c)アルカリ金属塩、(d)アルカリ金
    属塩を溶解可能な非水溶媒及び(e)熱重合又は光重合
    用触媒を含むゲル状イオン伝導性電解質用組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分である熱あるいは光重合性不
    飽和結合を分子内に1つ以上含有するモノマーが、アク
    リロニトリルであることを特徴とする請求項1記載のゲ
    ル状イオン伝導性電解質用組成物。
  3. 【請求項3】 (c)成分であるアルカリ金属塩が、L
    iClO4、LiBF4、LiPF6、およびLiN(CF
    3SO2)2からなる群から選択された少なくとも1種であ
    る請求項1又は2記載のゲル状イオン伝導性電解質用組
    成物。
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