JP2000310255A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置Info
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- JP2000310255A JP2000310255A JP11122039A JP12203999A JP2000310255A JP 2000310255 A JP2000310255 A JP 2000310255A JP 11122039 A JP11122039 A JP 11122039A JP 12203999 A JP12203999 A JP 12203999A JP 2000310255 A JP2000310255 A JP 2000310255A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 各フローティングワッシャ26、26の摺動
面を、長期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐久性を確
保する。 【解決手段】 プーリ7bの内周面とスリーブ8の外周
面との間部分で、1対のフローティングワッシャ26、
26の両側に位置する部分に、1対のシールリング2
7、27を設ける。そして、これら1対のシールリング
27、27により、上記各フローティングワッシャ2
6、26が存在する空間を密封する。これら各シールリ
ング27、27は、各サポート軸受9a、9aを構成す
る外輪18を嵌合した嵌合部の内径と同一の内径を有す
る上記プーリ7bの内周面に、それぞれ内嵌固定する。
面を、長期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐久性を確
保する。 【解決手段】 プーリ7bの内周面とスリーブ8の外周
面との間部分で、1対のフローティングワッシャ26、
26の両側に位置する部分に、1対のシールリング2
7、27を設ける。そして、これら1対のシールリング
27、27により、上記各フローティングワッシャ2
6、26が存在する空間を密封する。これら各シールリ
ング27、27は、各サポート軸受9a、9aを構成す
る外輪18を嵌合した嵌合部の内径と同一の内径を有す
る上記プーリ7bの内周面に、それぞれ内嵌固定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置は、自動車用の発電機であるオルタネータ
の回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフト
の端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け
渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用す
る。
型プーリ装置は、自動車用の発電機であるオルタネータ
の回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフト
の端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け
渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図14は、この公報に記載されたオルタネータ1
を示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対
の転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。
この回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設
けている。又、この回転軸3の一端部(図15の右端
部)で上記ハウジング2外に突出した部分には、プーリ
7を固定している。エンジンへの組み付け状態では、こ
のプーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクラン
クシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とす
る。
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図14は、この公報に記載されたオルタネータ1
を示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対
の転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。
この回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設
けている。又、この回転軸3の一端部(図15の右端
部)で上記ハウジング2外に突出した部分には、プーリ
7を固定している。エンジンへの組み付け状態では、こ
のプーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクラン
クシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とす
る。
【0003】上記プーリ7として従来一般的には、単に
上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。こ
れに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは
上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動
力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向
にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在と
する、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案さ
れ、一部で使用されている。例えば、特開昭56−10
1353号公報、特開平7−317807号公報、同8
−61443号公報、特公平7−72585号公報、フ
ランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様
な機能を有する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載
されている。又、一部ではこの様な一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置が、実際に使用されている。
上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。こ
れに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは
上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動
力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向
にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在と
する、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案さ
れ、一部で使用されている。例えば、特開昭56−10
1353号公報、特開平7−317807号公報、同8
−61443号公報、特公平7−72585号公報、フ
ランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様
な機能を有する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載
されている。又、一部ではこの様な一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置が、実際に使用されている。
【0004】図16は、このうち特開平8−61443
号公報に記載されている一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置を示している。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
は、上記回転軸3に外嵌固定自在なスリーブ8を有す
る。そして、このスリーブ8の周囲にプーリ7aを、こ
のスリーブ8と同心に配置している。そして、これらス
リーブ8の外周面とプーリ7aの内周面との間に、1対
のサポート軸受9、9と一方向クラッチ10とを設けて
いる。このうちのサポート軸受9、9は、上記プーリ7
aに加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8
とプーリ7aとの相対回転を自在とする。又、上記一方
向クラッチ10は、上記プーリ7aが上記スリーブ8に
対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、
このプーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在
とする。
号公報に記載されている一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置を示している。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
は、上記回転軸3に外嵌固定自在なスリーブ8を有す
る。そして、このスリーブ8の周囲にプーリ7aを、こ
のスリーブ8と同心に配置している。そして、これらス
リーブ8の外周面とプーリ7aの内周面との間に、1対
のサポート軸受9、9と一方向クラッチ10とを設けて
いる。このうちのサポート軸受9、9は、上記プーリ7
aに加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8
とプーリ7aとの相対回転を自在とする。又、上記一方
向クラッチ10は、上記プーリ7aが上記スリーブ8に
対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、
このプーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在
とする。
【0005】この様なオルネータ用一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例え
ば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった
場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフ
トの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記ク
ランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡し
た無端ベルト11の走行速度も細かく変動する事にな
る。一方、この無端ベルト11によりプーリ7aを介し
て回転駆動されるオルタネータ1(図15)の回転軸3
は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ
5及び整流子6(図15)等の慣性質量に基づき、それ
程急激には変動しない。従って、上記プーリ7aを回転
軸3に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの
回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト11とプーリ
7aとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この
プーリ7aと擦れ合う無端ベルト11に、繰り返し異な
る方向の応力が作用して、この無端ベルト11とプーリ
7aとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端
ベルト11の寿命が短くなったりする原因となる。
型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例え
ば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった
場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフ
トの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記ク
ランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡し
た無端ベルト11の走行速度も細かく変動する事にな
る。一方、この無端ベルト11によりプーリ7aを介し
て回転駆動されるオルタネータ1(図15)の回転軸3
は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ
5及び整流子6(図15)等の慣性質量に基づき、それ
程急激には変動しない。従って、上記プーリ7aを回転
軸3に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの
回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト11とプーリ
7aとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この
プーリ7aと擦れ合う無端ベルト11に、繰り返し異な
る方向の応力が作用して、この無端ベルト11とプーリ
7aとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端
ベルト11の寿命が短くなったりする原因となる。
【0006】又、上述の様なプーリ7aの外周面と無端
ベルト11の内周面との摩擦に基づく無端ベルト11の
寿命低下は、走行時に加減速を繰り返す事によっても生
じる。即ち、加速時には無端ベルト11側からプーリ7
a側に駆動力が伝達されるのに対し、減速時には上述の
様に慣性に基づいて回転し続けようとするプーリ7a
に、上記無端ベルト11から制動力が作用する。この制
動力と上記駆動力とは、上記無端ベルト11の内周面に
対して逆方向の摩擦力として作用するので、やはり上記
無端ベルト11の寿命低下の原因となる。特に、トラッ
クの様に排気ブレーキを備えた車両の場合には、アクセ
ルオフ時に於けるクランクシャフトの回転低下の減速度
が著しく、上記制動力に基づいて上記無端ベルト11の
内周面に加わる摩擦力が大きくなる結果、上記寿命低下
が著しい。
ベルト11の内周面との摩擦に基づく無端ベルト11の
寿命低下は、走行時に加減速を繰り返す事によっても生
じる。即ち、加速時には無端ベルト11側からプーリ7
a側に駆動力が伝達されるのに対し、減速時には上述の
様に慣性に基づいて回転し続けようとするプーリ7a
に、上記無端ベルト11から制動力が作用する。この制
動力と上記駆動力とは、上記無端ベルト11の内周面に
対して逆方向の摩擦力として作用するので、やはり上記
無端ベルト11の寿命低下の原因となる。特に、トラッ
クの様に排気ブレーキを備えた車両の場合には、アクセ
ルオフ時に於けるクランクシャフトの回転低下の減速度
が著しく、上記制動力に基づいて上記無端ベルト11の
内周面に加わる摩擦力が大きくなる結果、上記寿命低下
が著しい。
【0007】そこで、上述の様なプーリ7aとして、上
記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事によ
り、上記無端ベルト11の走行速度が一定若しくは上昇
傾向にある場合には、上記プーリ7aから回転軸3への
回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルト11の
走行速度が低下傾向にある場合には、これらプーリ7a
と回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端
ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合には、上記
プーリ7aの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よ
りも遅くして、上記無端ベルト11とプーリ7aとの当
接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、プー
リ7aと無端ベルト11との擦れ合い部に作用する応力
の方向を一定にし、この無端ベルト11とプーリ7aと
の間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルト11の寿
命が低下する事を防止する。
記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事によ
り、上記無端ベルト11の走行速度が一定若しくは上昇
傾向にある場合には、上記プーリ7aから回転軸3への
回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルト11の
走行速度が低下傾向にある場合には、これらプーリ7a
と回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端
ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合には、上記
プーリ7aの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よ
りも遅くして、上記無端ベルト11とプーリ7aとの当
接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、プー
リ7aと無端ベルト11との擦れ合い部に作用する応力
の方向を一定にし、この無端ベルト11とプーリ7aと
の間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルト11の寿
命が低下する事を防止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方向クラッチ内蔵型
プーリ装置の使用時にプーリ7aとスリーブ8とは相対
回転する。特に、オルタネータ1の回転軸3を駆動する
為の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記
プーリ7aとスリーブ8との相対回転速度は、数百r.p.
m.から、著しい場合には数千r.p.m.に達する場合もあ
る。従って、長期間に亙る使用に拘らず、十分な耐久性
を確保する為には、構成各部の摩耗防止を十分に考慮す
る必要がある。
プーリ装置の使用時にプーリ7aとスリーブ8とは相対
回転する。特に、オルタネータ1の回転軸3を駆動する
為の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記
プーリ7aとスリーブ8との相対回転速度は、数百r.p.
m.から、著しい場合には数千r.p.m.に達する場合もあ
る。従って、長期間に亙る使用に拘らず、十分な耐久性
を確保する為には、構成各部の摩耗防止を十分に考慮す
る必要がある。
【0009】前述の図16に示す様に、上記プーリ7a
とスリーブ8との間に設けるサポート軸受9、9とし
て、ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も支承自在な
深溝型の玉軸受を使用すれば、上記プーリ7aと共に回
転する部材と、上記スリーブ8と共に回転する部材と
が、スラスト方向に亙る変位に基づいて強く擦れ合う事
を防止できる。これに対して、近年、オルタネータ1を
駆動する為の無端ベルト11の張力を大きく(強く)す
る傾向があり、上記プーリ7から上記各サポート軸受
9、9に加わるラジアル荷重が大きくなる傾向になって
いる。
とスリーブ8との間に設けるサポート軸受9、9とし
て、ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も支承自在な
深溝型の玉軸受を使用すれば、上記プーリ7aと共に回
転する部材と、上記スリーブ8と共に回転する部材と
が、スラスト方向に亙る変位に基づいて強く擦れ合う事
を防止できる。これに対して、近年、オルタネータ1を
駆動する為の無端ベルト11の張力を大きく(強く)す
る傾向があり、上記プーリ7から上記各サポート軸受
9、9に加わるラジアル荷重が大きくなる傾向になって
いる。
【0010】この様な大きなラジアル荷重に拘らず、サ
ポート軸受の転がり疲れ寿命を確保する為には、このサ
ポート軸受として、ラジアル負荷容量が大きい円筒ころ
軸受を使用する必要がある。ところが、円筒ころ軸受
は、ラジアル負荷容量が大きく、大きなラジアル荷重を
受ける用途でも十分な転がり疲れ寿命を確保できる反
面、スラスト荷重を受ける機能は殆ど持たない。この
為、従来から、特開平11−63170号公報、特開平
8−226462号公報に記載された構造の様に、プー
リとスリーブとの間に円環状のワッシャを設け、このワ
ッシャにより上記スリーブとプーリとの間に働くスラス
ト荷重を支承すると共に、これらスリーブとプーリとの
軸方向に亙る相対変位を防止する事が考えられている。
ポート軸受の転がり疲れ寿命を確保する為には、このサ
ポート軸受として、ラジアル負荷容量が大きい円筒ころ
軸受を使用する必要がある。ところが、円筒ころ軸受
は、ラジアル負荷容量が大きく、大きなラジアル荷重を
受ける用途でも十分な転がり疲れ寿命を確保できる反
面、スラスト荷重を受ける機能は殆ど持たない。この
為、従来から、特開平11−63170号公報、特開平
8−226462号公報に記載された構造の様に、プー
リとスリーブとの間に円環状のワッシャを設け、このワ
ッシャにより上記スリーブとプーリとの間に働くスラス
ト荷重を支承すると共に、これらスリーブとプーリとの
軸方向に亙る相対変位を防止する事が考えられている。
【0011】但し、この様に上記各公報に記載され、従
来から知られている構造の場合には、グリースの封入量
を十分に多くしない限り、長期間に亙る使用に伴い、ワ
ッシャの一部に異常摩耗や焼き付きを生じ、十分な耐久
性を確保できない可能性がある。グリースの封入量は、
コスト低減の為には、少ない方が好ましい。この為、例
えば、上記特開平11−63170号公報に記載された
構造で、グリースの使用量を抑えつつワッシャの耐久性
を確保すべく、このワッシャの側面にグリースを塗布す
る事も考えられるが、この様にグリースを塗布したとし
ても、使用時に上記ワッシャの回転により生じる遠心力
により、このワッシャの側面からグリースが直径方向外
方に向け飛ばされる可能性がある。そして、この様にグ
リースが飛ばされた場合には、上記ワッシャの摺動面を
長期間に亙り十分に潤滑できず、十分な耐久性を確保で
きない可能性がある。
来から知られている構造の場合には、グリースの封入量
を十分に多くしない限り、長期間に亙る使用に伴い、ワ
ッシャの一部に異常摩耗や焼き付きを生じ、十分な耐久
性を確保できない可能性がある。グリースの封入量は、
コスト低減の為には、少ない方が好ましい。この為、例
えば、上記特開平11−63170号公報に記載された
構造で、グリースの使用量を抑えつつワッシャの耐久性
を確保すべく、このワッシャの側面にグリースを塗布す
る事も考えられるが、この様にグリースを塗布したとし
ても、使用時に上記ワッシャの回転により生じる遠心力
により、このワッシャの側面からグリースが直径方向外
方に向け飛ばされる可能性がある。そして、この様にグ
リースが飛ばされた場合には、上記ワッシャの摺動面を
長期間に亙り十分に潤滑できず、十分な耐久性を確保で
きない可能性がある。
【0012】又、上記特開平8−226462号公報に
記載された構造の場合に、ワッシャの耐久性を確保すべ
く、このワッシャの側面にグリースを塗布する事も考え
られる。但し、この場合にも、やはり使用時にこのワッ
シャの側面からグリースが飛ばされる可能性がある。一
方、この公報に記載された構造の場合には、ワッシャを
設けた部分の両側に密封部材を設け、この密封部材によ
り上記ワッシャを設けた空間を外部から密封している。
従って、このワッシャの側面から飛ばされたグリース
が、上記プーリの内周面及びスリーブの外周面の間部分
の空間から外部に漏洩し、このグリースの量が減少する
事はない。但し、この公報に記載された構造の場合に
は、上記密封部材のうち、1個の密封部材は、上記ワッ
シャに隣接して設ける、サポート軸受の外輪を内嵌した
部分の内径よりも相当に大きな内径を有する部分に内嵌
している為、上記密封部材の嵌合部周辺にグリースが飛
ばされると、このグリースが上記ワッシャの側面に再度
供給される事は困難になる。従って、この公報に記載さ
れた構造の場合にも、やはり上記ワッシャの十分な耐久
性を確保できない可能性がある。本発明の一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置は、上述の様な事情に鑑みて発明し
たものである。
記載された構造の場合に、ワッシャの耐久性を確保すべ
く、このワッシャの側面にグリースを塗布する事も考え
られる。但し、この場合にも、やはり使用時にこのワッ
シャの側面からグリースが飛ばされる可能性がある。一
方、この公報に記載された構造の場合には、ワッシャを
設けた部分の両側に密封部材を設け、この密封部材によ
り上記ワッシャを設けた空間を外部から密封している。
従って、このワッシャの側面から飛ばされたグリース
が、上記プーリの内周面及びスリーブの外周面の間部分
の空間から外部に漏洩し、このグリースの量が減少する
事はない。但し、この公報に記載された構造の場合に
は、上記密封部材のうち、1個の密封部材は、上記ワッ
シャに隣接して設ける、サポート軸受の外輪を内嵌した
部分の内径よりも相当に大きな内径を有する部分に内嵌
している為、上記密封部材の嵌合部周辺にグリースが飛
ばされると、このグリースが上記ワッシャの側面に再度
供給される事は困難になる。従って、この公報に記載さ
れた構造の場合にも、やはり上記ワッシャの十分な耐久
性を確保できない可能性がある。本発明の一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置は、上述の様な事情に鑑みて発明し
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の一方向クラッチ
内蔵型プーリ装置は何れも、従来から知られている一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置と同様に、回転軸に外嵌固
定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリー
ブと同心に配置したプーリと、これらスリーブの外周面
の軸方向中間部とプーリの内周面の軸方向中間部との間
に設け、このプーリが上記スリーブに対し所定方向に相
対回転する傾向となる場合にのみプーリとスリーブとの
間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、こ
の一方向クラッチを軸方向両側から挟む状態で、上記ス
リーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプ
ーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブ
とプーリとの相対回転を自在とする1対のサポート軸受
と、上記スリーブとプーリとのうちの少なくとも一方の
部材の周面に、他方の部材に向け突出する状態で支持さ
れた鍔状部と、この鍔状部の側面と対向する側面を有
し、円環状又は欠円環状に形成したワッシャとを備え
る。そして、このワッシャと上記鍔状部とにより上記ス
リーブとプーリとの間に働くスラスト荷重を支承自在と
すると共に、これらスリーブとプーリとの軸方向に亙る
相対変位を防止している。
内蔵型プーリ装置は何れも、従来から知られている一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置と同様に、回転軸に外嵌固
定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリー
ブと同心に配置したプーリと、これらスリーブの外周面
の軸方向中間部とプーリの内周面の軸方向中間部との間
に設け、このプーリが上記スリーブに対し所定方向に相
対回転する傾向となる場合にのみプーリとスリーブとの
間での回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、こ
の一方向クラッチを軸方向両側から挟む状態で、上記ス
リーブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプ
ーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブ
とプーリとの相対回転を自在とする1対のサポート軸受
と、上記スリーブとプーリとのうちの少なくとも一方の
部材の周面に、他方の部材に向け突出する状態で支持さ
れた鍔状部と、この鍔状部の側面と対向する側面を有
し、円環状又は欠円環状に形成したワッシャとを備え
る。そして、このワッシャと上記鍔状部とにより上記ス
リーブとプーリとの間に働くスラスト荷重を支承自在と
すると共に、これらスリーブとプーリとの軸方向に亙る
相対変位を防止している。
【0014】特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プー
リ装置のうち、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置に於いては、上記ワッシャの両側に配置す
る状態で設けられて、このワッシャと上記鍔状部とが存
在する空間を密封する1対の密封部材を備え、これら各
密封部材の一部を、上記各サポート軸受を構成する外輪
を嵌合した嵌合部の内径とほぼ同一の内径を有する上記
プーリの一部内周面に、それぞれ嵌合又は摺接させてい
る。
リ装置のうち、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置に於いては、上記ワッシャの両側に配置す
る状態で設けられて、このワッシャと上記鍔状部とが存
在する空間を密封する1対の密封部材を備え、これら各
密封部材の一部を、上記各サポート軸受を構成する外輪
を嵌合した嵌合部の内径とほぼ同一の内径を有する上記
プーリの一部内周面に、それぞれ嵌合又は摺接させてい
る。
【0015】又、請求項2に記載した一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置に於いては、上記ワッシャの側面に、グ
リースを保持する為の凹部又は凹溝を形成している。
蔵型プーリ装置に於いては、上記ワッシャの側面に、グ
リースを保持する為の凹部又は凹溝を形成している。
【0016】
【作用】上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置の場合には、スリーブとプーリとの間に
働くスラスト荷重を支承すると共に、これらスリーブと
プーリとの軸方向に亙る相対変位を防止する為のワッシ
ャの摺動面を、長期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐
久性を確保する事ができる。先ず、請求項1に記載した
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、ワッシャ
の両側に配置する状態で設けた、このワッシャと鍔状部
とが存在する空間を密封する1対の密封部材を備える。
この為、上記ワッシャの側面にグリースを塗布すれば、
使用時にこのワッシャの側面からグリースが飛ばされた
としても、このグリースが、上記ワッシャと鍔状部とが
存在する、上記プーリの内周面とスリーブの外周面との
間部分の空間から漏洩する事を防止できる。更に、上記
各密封部材の一部を、各サポート軸受を構成する外輪を
嵌合した嵌合部の内径とほぼ同一の内径を有する上記プ
ーリの一部内周面に、それぞれ嵌合又は摺接させてい
る。この為、使用時に上記各密封部材の一部を嵌合又は
摺接させた部分に迄、上記ワッシャの側面に塗布したグ
リースが飛ばされたとしても、このグリースは再度上記
ワッシャの側面に供給され易くなり、結果的にこのワッ
シャの摺動面に常にグリースが存在する状態にできる。
従って、請求項1に記載した発明によれば、グリースの
使用量を抑えても、上記ワッシャの摺動面を長期間に亙
り十分に潤滑して、十分な耐久性を確保できる。又、請
求項2に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場
合には、グリースをワッシャの側面に形成した凹部又は
凹溝により長期間に亙り保持できる為、グリースの使用
量を抑えても、上記ワッシャの摺動面を長期間に亙り十
分に潤滑して、十分な耐久性を確保できる。
蔵型プーリ装置の場合には、スリーブとプーリとの間に
働くスラスト荷重を支承すると共に、これらスリーブと
プーリとの軸方向に亙る相対変位を防止する為のワッシ
ャの摺動面を、長期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐
久性を確保する事ができる。先ず、請求項1に記載した
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、ワッシャ
の両側に配置する状態で設けた、このワッシャと鍔状部
とが存在する空間を密封する1対の密封部材を備える。
この為、上記ワッシャの側面にグリースを塗布すれば、
使用時にこのワッシャの側面からグリースが飛ばされた
としても、このグリースが、上記ワッシャと鍔状部とが
存在する、上記プーリの内周面とスリーブの外周面との
間部分の空間から漏洩する事を防止できる。更に、上記
各密封部材の一部を、各サポート軸受を構成する外輪を
嵌合した嵌合部の内径とほぼ同一の内径を有する上記プ
ーリの一部内周面に、それぞれ嵌合又は摺接させてい
る。この為、使用時に上記各密封部材の一部を嵌合又は
摺接させた部分に迄、上記ワッシャの側面に塗布したグ
リースが飛ばされたとしても、このグリースは再度上記
ワッシャの側面に供給され易くなり、結果的にこのワッ
シャの摺動面に常にグリースが存在する状態にできる。
従って、請求項1に記載した発明によれば、グリースの
使用量を抑えても、上記ワッシャの摺動面を長期間に亙
り十分に潤滑して、十分な耐久性を確保できる。又、請
求項2に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場
合には、グリースをワッシャの側面に形成した凹部又は
凹溝により長期間に亙り保持できる為、グリースの使用
量を抑えても、上記ワッシャの摺動面を長期間に亙り十
分に潤滑して、十分な耐久性を確保できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1に対応する、本
発明の実施の形態の第1例を示している。スリーブ8
は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータの回転
軸3(図15〜16参照)の端部に外嵌固定して、この
回転軸3と共に回転自在である。この為に図示の例で
は、上記スリーブ8の中間部内周面に雌スプライン部1
2を形成し、この雌スプライン部12と上記回転軸3の
端部外周面に形成した雄スプライン部(図示省略)とを
係合自在としている。尚、上記回転軸3とスリーブ8と
の相対回転を防止する為の構造は、スプラインに代え
て、ねじ、或は非円筒面同士の嵌合、キー係合等として
も良い。
発明の実施の形態の第1例を示している。スリーブ8
は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータの回転
軸3(図15〜16参照)の端部に外嵌固定して、この
回転軸3と共に回転自在である。この為に図示の例で
は、上記スリーブ8の中間部内周面に雌スプライン部1
2を形成し、この雌スプライン部12と上記回転軸3の
端部外周面に形成した雄スプライン部(図示省略)とを
係合自在としている。尚、上記回転軸3とスリーブ8と
の相対回転を防止する為の構造は、スプラインに代え
て、ねじ、或は非円筒面同士の嵌合、キー係合等として
も良い。
【0018】上述の様なスリーブ8の周囲にはプーリ7
bを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、
これらスリーブ8の外周面とプーリ7bの内周面との間
に、それぞれがラジアルころ軸受である1対のサポート
軸受9a、9aと、ローラクラッチである1個の一方向
クラッチ10aとを設けている。このうちの一方向クラ
ッチ10aを構成する為、上記スリーブ8の中間部外周
面に一方向クラッチ用内輪13を、締まり嵌めにより外
嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪13は、軸
受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼
の板材により全体を円筒状に形成し、外周面はカム面1
4としている。
bを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、
これらスリーブ8の外周面とプーリ7bの内周面との間
に、それぞれがラジアルころ軸受である1対のサポート
軸受9a、9aと、ローラクラッチである1個の一方向
クラッチ10aとを設けている。このうちの一方向クラ
ッチ10aを構成する為、上記スリーブ8の中間部外周
面に一方向クラッチ用内輪13を、締まり嵌めにより外
嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪13は、軸
受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼
の板材により全体を円筒状に形成し、外周面はカム面1
4としている。
【0019】又、上記各サポート軸受9a、9aを構成
する為、上記スリーブ8の両端部外周面には、それぞれ
内輪15、15を、締まり嵌めにより外嵌固定してい
る。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM4
15等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪1
5、15は、それぞれ円筒部16の一端縁に外向フラン
ジ状の内輪側鍔部17を形成する事により、断面L字形
で全体を円筒状に形成している。この様な各内輪15、
15は、上記内輪側鍔部17を互いに反対側に位置させ
た状態で上記スリーブ8に外嵌し、それぞれの先端縁を
上記一方向クラッチ用内輪13の軸方向両端縁に突き当
てている。又、上記プーリ7bの外周面は、幅方向に亙
る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端
ベルトの一部を掛け渡し自在としている。
する為、上記スリーブ8の両端部外周面には、それぞれ
内輪15、15を、締まり嵌めにより外嵌固定してい
る。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM4
15等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪1
5、15は、それぞれ円筒部16の一端縁に外向フラン
ジ状の内輪側鍔部17を形成する事により、断面L字形
で全体を円筒状に形成している。この様な各内輪15、
15は、上記内輪側鍔部17を互いに反対側に位置させ
た状態で上記スリーブ8に外嵌し、それぞれの先端縁を
上記一方向クラッチ用内輪13の軸方向両端縁に突き当
てている。又、上記プーリ7bの外周面は、幅方向に亙
る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端
ベルトの一部を掛け渡し自在としている。
【0020】一方、上記プーリ7bの中間部には外輪1
8を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪1
8は、上記一方向クラッチ10aの外輪としてだけでな
く、前記各サポート軸受9a、9aの外輪としても機能
するもので、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はS
CM415等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等によ
り、全体を円筒状に形成している。この様な外輪18
は、軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側
鍔部19a、19bを形成している。尚、これら両外輪
側鍔部19a、19bのうち、一方(図1の左方)の外
輪側鍔部19aは、他の構成各部材と組み合わせる以前
に形成する為、上記外輪18の本体部分と同様の厚さ寸
法を有する。これに対して、他方(図1の右方)の外輪
側鍔部19bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形
成する為、薄肉にしている。
8を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪1
8は、上記一方向クラッチ10aの外輪としてだけでな
く、前記各サポート軸受9a、9aの外輪としても機能
するもので、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はS
CM415等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等によ
り、全体を円筒状に形成している。この様な外輪18
は、軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側
鍔部19a、19bを形成している。尚、これら両外輪
側鍔部19a、19bのうち、一方(図1の左方)の外
輪側鍔部19aは、他の構成各部材と組み合わせる以前
に形成する為、上記外輪18の本体部分と同様の厚さ寸
法を有する。これに対して、他方(図1の右方)の外輪
側鍔部19bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形
成する為、薄肉にしている。
【0021】そして、上記一方向クラッチ10aは、上
記外輪18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪
13の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪
18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪13の
外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した
クラッチ用保持器20と、それぞれが複数ずつのローラ
21及び図示しないばねとを設けている。又、クラッチ
用保持器20は、その内周面に形成した各突片22、2
2を上記一方向クラッチ用内輪13のカム面14を構成
する凹部23に係合させて、この一方向クラッチ用内輪
13に対する相対回転を阻止している。この状態で上記
各ばねは、上記各ローラ21を円周方向に関して同方向
に押圧している。尚、上記各突片22、22の軸方向片
面を前記各内輪15、15の端縁に対向させて、上記ク
ラッチ用保持器20が軸方向にずれ動く事を防止してい
る。
記外輪18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪
13の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪
18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪13の
外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した
クラッチ用保持器20と、それぞれが複数ずつのローラ
21及び図示しないばねとを設けている。又、クラッチ
用保持器20は、その内周面に形成した各突片22、2
2を上記一方向クラッチ用内輪13のカム面14を構成
する凹部23に係合させて、この一方向クラッチ用内輪
13に対する相対回転を阻止している。この状態で上記
各ばねは、上記各ローラ21を円周方向に関して同方向
に押圧している。尚、上記各突片22、22の軸方向片
面を前記各内輪15、15の端縁に対向させて、上記ク
ラッチ用保持器20が軸方向にずれ動く事を防止してい
る。
【0022】この様な一方向クラッチ10aを構成す
る、上記各ローラ21は、上記一方向クラッチ用内輪1
3と上記外輪18とが所定方向に相対回転する場合に
は、これら一方向クラッチ用内輪13の外周面と外輪1
8の内周面との間の隙間のうち、直径方向に亙る幅が狭
くなった部分に食い込み、これら一方向クラッチ用内輪
13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせる。こ
れに対して、上記一方向クラッチ用内輪13と上記外輪
18とが逆方向に相対回転する場合には、上記各ローラ
21が、上記隙間のうちの幅が広くなった部分に移動し
て当該部分で転動自在となり、これら一方向クラッチ用
内輪13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせな
い。尚、この様なローラクラッチ10aの構成及び作用
は、従来から広く知られており、本発明の要旨でもない
為、詳細な説明は省略する。
る、上記各ローラ21は、上記一方向クラッチ用内輪1
3と上記外輪18とが所定方向に相対回転する場合に
は、これら一方向クラッチ用内輪13の外周面と外輪1
8の内周面との間の隙間のうち、直径方向に亙る幅が狭
くなった部分に食い込み、これら一方向クラッチ用内輪
13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせる。こ
れに対して、上記一方向クラッチ用内輪13と上記外輪
18とが逆方向に相対回転する場合には、上記各ローラ
21が、上記隙間のうちの幅が広くなった部分に移動し
て当該部分で転動自在となり、これら一方向クラッチ用
内輪13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせな
い。尚、この様なローラクラッチ10aの構成及び作用
は、従来から広く知られており、本発明の要旨でもない
為、詳細な説明は省略する。
【0023】又、上記各サポート軸受9a、9aは、前
記各内輪15、15と上記外輪18の軸方向両端部寄り
部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪15、
15の外周面と上記外輪18の軸方向両端部寄り部分の
内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に
形成された軸受用保持器24、24と、この軸受用保持
器24、24により転動自在に保持された複数のころ2
5、25とを配置して、ラジアル円筒ころ軸受を構成し
ている。
記各内輪15、15と上記外輪18の軸方向両端部寄り
部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪15、
15の外周面と上記外輪18の軸方向両端部寄り部分の
内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に
形成された軸受用保持器24、24と、この軸受用保持
器24、24により転動自在に保持された複数のころ2
5、25とを配置して、ラジアル円筒ころ軸受を構成し
ている。
【0024】又、本発明の場合には、前記各外輪側鍔部
19a、19bの外側面と前記各内輪側鍔部17、17
の内側面との間に、それぞれフローティングワッシャ2
6、26を、これら各外輪側鍔部19a、19bと内輪
側鍔部17、17とに対する相対回転を自在に装着して
いる。即ち、これら各フローティングワッシャ26、2
6は、両側面を、上記各外輪側鍔部19a、19bの外
側面と上記各内輪側鍔部17、17の内側面とにそれぞ
れ対向させて、これら両側面を摺動面としている。これ
ら各フローティングワッシャ26、26は、銅等の自己
潤滑性を有する金属、タフトライド処理した金属、或は
含油メタル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポ
リアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレ
ン樹脂等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円環状に形
成している。この様なフローティングワッシャ26、2
6には、予め両側面にグリースを塗布しておく。そし
て、これら各フローティングワッシャ26、26を、上
記各外輪側鍔部19a、19bと各内輪側鍔部17、1
7との間に、緩く挟持している。又、このフローティン
グワッシャ26、26は、前記各内輪15、15の外周
面、又は上記プーリ7bの内周面により案内(ラジアル
方向の変位を防止)している。そして、これら各フロー
ティングワッシャ26、26と上記各外輪側鍔部19
a、19b及び各内輪側鍔部17、17とにより、前記
スリーブ8と上記プーリ7bとの間に働くスラスト荷重
を支承自在とすると共に、これらスリーブ8とプーリ7
bとの軸方向に亙る相対変位を防止している。
19a、19bの外側面と前記各内輪側鍔部17、17
の内側面との間に、それぞれフローティングワッシャ2
6、26を、これら各外輪側鍔部19a、19bと内輪
側鍔部17、17とに対する相対回転を自在に装着して
いる。即ち、これら各フローティングワッシャ26、2
6は、両側面を、上記各外輪側鍔部19a、19bの外
側面と上記各内輪側鍔部17、17の内側面とにそれぞ
れ対向させて、これら両側面を摺動面としている。これ
ら各フローティングワッシャ26、26は、銅等の自己
潤滑性を有する金属、タフトライド処理した金属、或は
含油メタル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポ
リアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレ
ン樹脂等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円環状に形
成している。この様なフローティングワッシャ26、2
6には、予め両側面にグリースを塗布しておく。そし
て、これら各フローティングワッシャ26、26を、上
記各外輪側鍔部19a、19bと各内輪側鍔部17、1
7との間に、緩く挟持している。又、このフローティン
グワッシャ26、26は、前記各内輪15、15の外周
面、又は上記プーリ7bの内周面により案内(ラジアル
方向の変位を防止)している。そして、これら各フロー
ティングワッシャ26、26と上記各外輪側鍔部19
a、19b及び各内輪側鍔部17、17とにより、前記
スリーブ8と上記プーリ7bとの間に働くスラスト荷重
を支承自在とすると共に、これらスリーブ8とプーリ7
bとの軸方向に亙る相対変位を防止している。
【0025】特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プー
リ装置の場合には、上記スリーブ8及びプーリ7bの両
端部で、上記各フローティングワッシャ26、26の両
側に位置する部分に、密封部材である、シールリング2
7、27を、それぞれ設けている。即ち、これら各シー
ルリング27、27は、鋼板等の金属板を断面L字形で
全体を円環状に形成した芯金28と、ゴムの如きエラス
トマー等の弾性材29とから成る。そして、上記各芯金
28を構成する円筒部30を、上記プーリ7bの両端部
で、前記1対のサポート軸受9a、9a及び一方向クラ
ッチ10aを構成する外輪18を嵌合した嵌合部の内径
と同一の内径を有する内周面に、それぞれ締り嵌めによ
り内嵌固定している。そして、上記各芯金28を構成す
る円輪部31の内側面を、前記内輪側鍔部17、17の
外側面に、それぞれ近接対向させると共に、上記弾性材
29にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップ32、3
2の先端縁を、上記スリーブ8の両端部外周面に摺接さ
せている。そして、上記各シールリング27、27によ
り、上記一方向クラッチ10a及び上記各サポート軸受
9a、9a及び上記各フローティングワッシャ26、2
6を設けた内部空間33を外部から遮断している。
リ装置の場合には、上記スリーブ8及びプーリ7bの両
端部で、上記各フローティングワッシャ26、26の両
側に位置する部分に、密封部材である、シールリング2
7、27を、それぞれ設けている。即ち、これら各シー
ルリング27、27は、鋼板等の金属板を断面L字形で
全体を円環状に形成した芯金28と、ゴムの如きエラス
トマー等の弾性材29とから成る。そして、上記各芯金
28を構成する円筒部30を、上記プーリ7bの両端部
で、前記1対のサポート軸受9a、9a及び一方向クラ
ッチ10aを構成する外輪18を嵌合した嵌合部の内径
と同一の内径を有する内周面に、それぞれ締り嵌めによ
り内嵌固定している。そして、上記各芯金28を構成す
る円輪部31の内側面を、前記内輪側鍔部17、17の
外側面に、それぞれ近接対向させると共に、上記弾性材
29にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップ32、3
2の先端縁を、上記スリーブ8の両端部外周面に摺接さ
せている。そして、上記各シールリング27、27によ
り、上記一方向クラッチ10a及び上記各サポート軸受
9a、9a及び上記各フローティングワッシャ26、2
6を設けた内部空間33を外部から遮断している。
【0026】上述の様に構成する本発明の一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置の場合には、上記1対のサポート軸
受9a、9aとして、大きなラジアル負荷容量を有する
円筒ころ軸受を使用するので、プーリ7bに掛け渡す無
端ベルト11(図16)の張力を大きくしても、十分な
転がり疲れ寿命を確保できる。又、回転軸3(図15、
16)に外嵌したスリーブ8と、上記無端ベルト11を
掛け渡したプーリ7bとの間にスラスト荷重が加わり、
このプーリ7bと上記スリーブ8とが軸方向にずれる傾
向になった場合でも、上記各内輪側鍔部17、17の内
側面と上記各外輪側鍔部19a、19bの外側面との間
に緩く挟持したフローティングワッシャ26、26のう
ちの何れかとこのフローティングワッシャ2bを挟持す
る内輪側鍔部17及び外輪側鍔部19a(19b)と
が、上記スラスト荷重を支承すると共に、これらスリー
ブ8とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止す
る。
チ内蔵型プーリ装置の場合には、上記1対のサポート軸
受9a、9aとして、大きなラジアル負荷容量を有する
円筒ころ軸受を使用するので、プーリ7bに掛け渡す無
端ベルト11(図16)の張力を大きくしても、十分な
転がり疲れ寿命を確保できる。又、回転軸3(図15、
16)に外嵌したスリーブ8と、上記無端ベルト11を
掛け渡したプーリ7bとの間にスラスト荷重が加わり、
このプーリ7bと上記スリーブ8とが軸方向にずれる傾
向になった場合でも、上記各内輪側鍔部17、17の内
側面と上記各外輪側鍔部19a、19bの外側面との間
に緩く挟持したフローティングワッシャ26、26のう
ちの何れかとこのフローティングワッシャ2bを挟持す
る内輪側鍔部17及び外輪側鍔部19a(19b)と
が、上記スラスト荷重を支承すると共に、これらスリー
ブ8とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止す
る。
【0027】この状態では、上記各外輪側鍔部19a、
19bの外側面及び上記内輪側鍔部17、17の内側面
と、上記各フローティングワッシャ26、26の両側面
とが擦れ合う。本発明の場合には、これら各フローティ
ングワッシャ26、26の両側面に予めグリースを塗布
して、このグリースにより上記各フローティングワッシ
ャ26、26の摺動面である上記両側面を潤滑し、これ
ら各フローティングワッシャ26、26に異常摩耗や焼
き付きが生じる事を防止している。
19bの外側面及び上記内輪側鍔部17、17の内側面
と、上記各フローティングワッシャ26、26の両側面
とが擦れ合う。本発明の場合には、これら各フローティ
ングワッシャ26、26の両側面に予めグリースを塗布
して、このグリースにより上記各フローティングワッシ
ャ26、26の摺動面である上記両側面を潤滑し、これ
ら各フローティングワッシャ26、26に異常摩耗や焼
き付きが生じる事を防止している。
【0028】特に、本発明の場合には、これら各フロー
ティングワッシャ26、26の両側に配置する状態で、
これら各フローティングワッシャ26、26と上記各内
輪側鍔部17、17及び各外輪側鍔部19a、19bと
が存在する内部空間33を密封する密封部材である、1
対のシールリング27、27を設けている。従って、上
記各フローティングワッシャ26、26の両側面に塗布
したグリースが、使用時に作用する遠心力によりこれら
各フローティングワッシャ26、26の両側面から外径
側に振り飛ばされたとしても、このグリースが、上記各
フローティングワッシャ26、26が存在する、上記内
部空間33から漏洩する事を防止できる。更に、上記各
シールリング27、27の芯金28を構成する円筒部3
0を、各サポート軸受9a、9aを構成する外輪18を
嵌合した嵌合部の内径と同一の内径を有する上記プーリ
7bの両端部内周面に、それぞれ内嵌している。この
為、使用時に上記各シールリング27、27を内嵌した
部分に迄、上記各フローティングワッシャ26、26の
両側面に塗布したグリースが振り飛ばされたとしても、
このグリースは再度上記各フローティングワッシャ2
6、26の側面に供給され易くなり、結果的にこれら各
フローティングワッシャ26、26の摺動面に常にグリ
ースが存在する状態にできる。従って、本発明によれ
ば、グリースの使用量を抑えても、上記各フローティン
グワッシャ26、26の摺動面を長期間に亙り十分に潤
滑して、十分な耐久性を確保できる。更に、本発明によ
れば、上記各フローティングワッシャ26、26の摺動
面にグリースが十分に供給されるので、摺動部で発生す
る摩擦熱を低く抑える事ができる為、前記一方向クラッ
チ10aや上記各サポート軸受9a、9aの潤滑の為、
上記内部空間33内に封入したグリースが劣化する事を
防止できる。尚、上記各シールリング27、27は、互
いに同一の寸法及び形状を有するものを使用する必要は
ない。又、各シールリングを嵌合固定する部分を、上記
プーリ7bの内周面でなく、上記スリーブ8の外周面と
しても良い。但し、その場合には、各シールリングの弾
性材に設ける複数本のシールリップの先端縁を、上記外
輪18の嵌合部とほぼ同一の内径を有する上記プーリ7
bの一部内周面に摺接させる。
ティングワッシャ26、26の両側に配置する状態で、
これら各フローティングワッシャ26、26と上記各内
輪側鍔部17、17及び各外輪側鍔部19a、19bと
が存在する内部空間33を密封する密封部材である、1
対のシールリング27、27を設けている。従って、上
記各フローティングワッシャ26、26の両側面に塗布
したグリースが、使用時に作用する遠心力によりこれら
各フローティングワッシャ26、26の両側面から外径
側に振り飛ばされたとしても、このグリースが、上記各
フローティングワッシャ26、26が存在する、上記内
部空間33から漏洩する事を防止できる。更に、上記各
シールリング27、27の芯金28を構成する円筒部3
0を、各サポート軸受9a、9aを構成する外輪18を
嵌合した嵌合部の内径と同一の内径を有する上記プーリ
7bの両端部内周面に、それぞれ内嵌している。この
為、使用時に上記各シールリング27、27を内嵌した
部分に迄、上記各フローティングワッシャ26、26の
両側面に塗布したグリースが振り飛ばされたとしても、
このグリースは再度上記各フローティングワッシャ2
6、26の側面に供給され易くなり、結果的にこれら各
フローティングワッシャ26、26の摺動面に常にグリ
ースが存在する状態にできる。従って、本発明によれ
ば、グリースの使用量を抑えても、上記各フローティン
グワッシャ26、26の摺動面を長期間に亙り十分に潤
滑して、十分な耐久性を確保できる。更に、本発明によ
れば、上記各フローティングワッシャ26、26の摺動
面にグリースが十分に供給されるので、摺動部で発生す
る摩擦熱を低く抑える事ができる為、前記一方向クラッ
チ10aや上記各サポート軸受9a、9aの潤滑の為、
上記内部空間33内に封入したグリースが劣化する事を
防止できる。尚、上記各シールリング27、27は、互
いに同一の寸法及び形状を有するものを使用する必要は
ない。又、各シールリングを嵌合固定する部分を、上記
プーリ7bの内周面でなく、上記スリーブ8の外周面と
しても良い。但し、その場合には、各シールリングの弾
性材に設ける複数本のシールリップの先端縁を、上記外
輪18の嵌合部とほぼ同一の内径を有する上記プーリ7
bの一部内周面に摺接させる。
【0029】次に、図2は、やはり請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の
場合には、上述した第1例の場合と異なり、一方向クラ
ッチ10a及び1対のサポート軸受9a、9a及び1対
のフローティングワッシャ26、26が存在する内部空
間33を外部から遮断する為の1対の密封部材を、上記
内部空間33の一端部(図2の右端部)を塞ぐシールリ
ング27と、上記内部空間33の他端部(図2の左端
部)を塞ぐカバー34とにより構成している。このカバ
ー34は、合成樹脂を射出成形する事により構成したも
ので、円板部35と、この円板部35の外周縁から連続
する状態で設けた内径側円筒部36と、この内径側円筒
部36の一端縁から直径方向外方に向け連続する状態で
設けた円輪部37と、この円輪部37の外周縁から上記
内径側円筒部36と同方向に向け折れ曲った外径側円筒
部38とにより構成している。
る、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の
場合には、上述した第1例の場合と異なり、一方向クラ
ッチ10a及び1対のサポート軸受9a、9a及び1対
のフローティングワッシャ26、26が存在する内部空
間33を外部から遮断する為の1対の密封部材を、上記
内部空間33の一端部(図2の右端部)を塞ぐシールリ
ング27と、上記内部空間33の他端部(図2の左端
部)を塞ぐカバー34とにより構成している。このカバ
ー34は、合成樹脂を射出成形する事により構成したも
ので、円板部35と、この円板部35の外周縁から連続
する状態で設けた内径側円筒部36と、この内径側円筒
部36の一端縁から直径方向外方に向け連続する状態で
設けた円輪部37と、この円輪部37の外周縁から上記
内径側円筒部36と同方向に向け折れ曲った外径側円筒
部38とにより構成している。
【0030】この様なカバー34は、この外径側円筒部
38の外径を弾性的に縮めた状態で、プーリ7bの他端
部内周面に装着している。又、上記外径側円筒部38の
一部外周面から全周に亙り突出する状態で設けた突部3
9と、上記プーリ7bの他端部内周面に全周に亙り形成
した凹溝40とを係合させて、上記カバー34の上記プ
ーリ7bからの脱落防止を図っている。又、上記外径側
円筒部38の外周面で上記突部39から外れた部分に全
周に亙り形成した凹溝41内に、Oリング42を装着
し、このOリング42を上記凹溝41の底面と上記プー
リ7bの一部内周面との間で弾性的に圧縮する事によ
り、上記内部空間33の他端部を外部から遮断してい
る。
38の外径を弾性的に縮めた状態で、プーリ7bの他端
部内周面に装着している。又、上記外径側円筒部38の
一部外周面から全周に亙り突出する状態で設けた突部3
9と、上記プーリ7bの他端部内周面に全周に亙り形成
した凹溝40とを係合させて、上記カバー34の上記プ
ーリ7bからの脱落防止を図っている。又、上記外径側
円筒部38の外周面で上記突部39から外れた部分に全
周に亙り形成した凹溝41内に、Oリング42を装着
し、このOリング42を上記凹溝41の底面と上記プー
リ7bの一部内周面との間で弾性的に圧縮する事によ
り、上記内部空間33の他端部を外部から遮断してい
る。
【0031】上述の様に構成する本例の場合には、1対
の密封部材のうち、一方の密封部材として、カバー34
を使用している為、互いに相対回転する部材同士が摺動
し合う摺接部がない密封構造を実現できるので、一方の
密封部材としてシールリング27を使用した前述の第1
例の場合よりも、上記内部空間33の密封性を向上する
事ができる。又、本例の場合には、上記円板部35の内
側面とスリーブ8の端面との間、上記内径側円筒部36
の内周面と上記スリーブ8の他端部外周面との間、上記
円輪部37の内側面とサポート軸受9aを構成する内輪
15の内輪側鍔部17の外側面との間に、それぞれ微小
な隙間のみを介在させている。従って、上記一方の密封
部材としてカバー34を使用するにも拘らず、上記内部
空間33内に存在させるグリースの量を少なく抑える事
ができる。このグリースは、使用時に作用する遠心力に
より、上記微小な隙間を通じてスリーブ8の内径側に漏
れ出す事はない。その他の構成及び作用に就いては、前
述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一
符号を付して重複する説明を省略する。
の密封部材のうち、一方の密封部材として、カバー34
を使用している為、互いに相対回転する部材同士が摺動
し合う摺接部がない密封構造を実現できるので、一方の
密封部材としてシールリング27を使用した前述の第1
例の場合よりも、上記内部空間33の密封性を向上する
事ができる。又、本例の場合には、上記円板部35の内
側面とスリーブ8の端面との間、上記内径側円筒部36
の内周面と上記スリーブ8の他端部外周面との間、上記
円輪部37の内側面とサポート軸受9aを構成する内輪
15の内輪側鍔部17の外側面との間に、それぞれ微小
な隙間のみを介在させている。従って、上記一方の密封
部材としてカバー34を使用するにも拘らず、上記内部
空間33内に存在させるグリースの量を少なく抑える事
ができる。このグリースは、使用時に作用する遠心力に
より、上記微小な隙間を通じてスリーブ8の内径側に漏
れ出す事はない。その他の構成及び作用に就いては、前
述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一
符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】次に、図3は、やはり請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の
場合には、1対のサポート軸受9a、9aを構成する内
輪15a、15aを、内輪側鍔部17(図1、2)を持
たない、単なる円筒状に構成している。一方、スリーブ
8の両端部外周面で上記各内輪15a、15aから露出
した部分に係止溝43、43を、それぞれ全周に亙って
形成している。そして、これら各係止溝43、43に、
それぞれがC型止め輪と呼ばれる、欠円環状の係止ワッ
シャ44、44を係止している。本例の場合には、これ
ら各係止ワッシャ44、44の内側面と外輪側鍔部19
a、19bの外側面とを対向させる事により、これら各
係止ワッシャ44、44と外輪側鍔部19a、19bと
により上記スリーブ8とプーリ7bとの間に働くスラス
ト荷重を支承自在とすると共に、これらスリーブ8とプ
ーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止している。そ
して、本例の場合には、上記スリーブ8及びプーリ7b
の両端部で、上記各係止ワッシャ44、44の両側に位
置する部分に、それぞれシールリング27、27を設け
ている。
る、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の
場合には、1対のサポート軸受9a、9aを構成する内
輪15a、15aを、内輪側鍔部17(図1、2)を持
たない、単なる円筒状に構成している。一方、スリーブ
8の両端部外周面で上記各内輪15a、15aから露出
した部分に係止溝43、43を、それぞれ全周に亙って
形成している。そして、これら各係止溝43、43に、
それぞれがC型止め輪と呼ばれる、欠円環状の係止ワッ
シャ44、44を係止している。本例の場合には、これ
ら各係止ワッシャ44、44の内側面と外輪側鍔部19
a、19bの外側面とを対向させる事により、これら各
係止ワッシャ44、44と外輪側鍔部19a、19bと
により上記スリーブ8とプーリ7bとの間に働くスラス
ト荷重を支承自在とすると共に、これらスリーブ8とプ
ーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止している。そ
して、本例の場合には、上記スリーブ8及びプーリ7b
の両端部で、上記各係止ワッシャ44、44の両側に位
置する部分に、それぞれシールリング27、27を設け
ている。
【0033】又、本例の変形例として、プーリ7bの両
端部内周面に形成した係止溝に、欠円環状の係止ワッシ
ャを装着する事もできる。この場合には、サポート軸受
9a、9aとして、前述の第1〜2例に使用した様な内
輪側鍔部17、17を有する内輪15、15(図1〜
2)を使用し、これら各内輪側鍔部17、17の外側面
と上記各係止ワッシャの内側面とを対向させる。その他
の構成及び作用に就いては、前述した第1例の場合と同
様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する
説明を省略する。
端部内周面に形成した係止溝に、欠円環状の係止ワッシ
ャを装着する事もできる。この場合には、サポート軸受
9a、9aとして、前述の第1〜2例に使用した様な内
輪側鍔部17、17を有する内輪15、15(図1〜
2)を使用し、これら各内輪側鍔部17、17の外側面
と上記各係止ワッシャの内側面とを対向させる。その他
の構成及び作用に就いては、前述した第1例の場合と同
様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する
説明を省略する。
【0034】次に、図4は、やはり請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の
場合には、前述の第1〜3例の場合と異なり、プーリ7
bの他端部(図4の左端部)内周面に、係止溝43aを
全周に亙り形成している。そして、この係止溝43a
に、欠円環状に形成した係止ワッシャ49の外周縁部を
係止している。そして、この様な係止ワッシャ49の内
側面と、スリーブ8の他端部外周面に外嵌固定した内輪
15を構成する内輪側鍔部17の外側面とを対向させて
いる。これと共に、この内輪側鍔部17の内側面と、上
記プーリ7bに内嵌固定した外輪18を構成する一方の
外輪側鍔部19aの外側面とを対向させている。
る、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の
場合には、前述の第1〜3例の場合と異なり、プーリ7
bの他端部(図4の左端部)内周面に、係止溝43aを
全周に亙り形成している。そして、この係止溝43a
に、欠円環状に形成した係止ワッシャ49の外周縁部を
係止している。そして、この様な係止ワッシャ49の内
側面と、スリーブ8の他端部外周面に外嵌固定した内輪
15を構成する内輪側鍔部17の外側面とを対向させて
いる。これと共に、この内輪側鍔部17の内側面と、上
記プーリ7bに内嵌固定した外輪18を構成する一方の
外輪側鍔部19aの外側面とを対向させている。
【0035】上述の様に構成する本例の場合、上記プー
リ7bとスリーブ8との間にスラスト荷重が加わり、こ
のプーリ7bが上記スリーブ8に対して図4の右方向に
ずれる傾向となった場合には、上記係止ワッシャ49の
内側面と上記内輪側鍔部17の外側面とが当接し、上記
スラスト荷重を支承すると共に、上記プーリ7bとスリ
ーブ8との軸方向に亙る相対変位を防止する事ができ
る。逆に、上記プーリ7bが上記スリーブ8に対して図
4の左方向にずれる傾向となった場合には、上記内輪側
鍔部17の内側面と上記一方の外輪側鍔部19aの外側
面とが当接し、上記スラスト荷重を支承すると共に、上
記プーリ7bとスリーブ8との軸方向に亙る相対変位を
防止する事ができる。従って、本例の場合には、上記プ
ーリ7b及びスリーブ8の一端部(図4の右端部)に
は、上記係止ワッシャ49を設ける事を必要としない。
リ7bとスリーブ8との間にスラスト荷重が加わり、こ
のプーリ7bが上記スリーブ8に対して図4の右方向に
ずれる傾向となった場合には、上記係止ワッシャ49の
内側面と上記内輪側鍔部17の外側面とが当接し、上記
スラスト荷重を支承すると共に、上記プーリ7bとスリ
ーブ8との軸方向に亙る相対変位を防止する事ができ
る。逆に、上記プーリ7bが上記スリーブ8に対して図
4の左方向にずれる傾向となった場合には、上記内輪側
鍔部17の内側面と上記一方の外輪側鍔部19aの外側
面とが当接し、上記スラスト荷重を支承すると共に、上
記プーリ7bとスリーブ8との軸方向に亙る相対変位を
防止する事ができる。従って、本例の場合には、上記プ
ーリ7b及びスリーブ8の一端部(図4の右端部)に
は、上記係止ワッシャ49を設ける事を必要としない。
【0036】尚、図示の例の場合、上記スリーブ8の両
端部に外嵌固定する1対の内輪15、15は、互いに同
一寸法のものを使用している。従って、上記外輪18を
構成する他方の外輪側鍔部19bの厚さ寸法が、上記一
方の外輪側鍔部19aの厚さ寸法よりも小さくなる事に
基づき、上記他方の外輪側鍔部19bの外側面とこの外
側面と対向する、内輪側鍔部17の内側面との間に、比
較的大きな隙間が形成される様に設計する事を容易にで
きる。この様に比較的大きな隙間を形成する事ができれ
ば、上記プーリ7bが上記スリーブ8に対して図4の左
方向にずれる傾向となった場合でも、上記他方の外輪側
鍔部19bと内輪側鍔部17とが当接しない様にする事
ができる。その他の構成及び作用に就いては、前述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して、重複する説明を省略する。
端部に外嵌固定する1対の内輪15、15は、互いに同
一寸法のものを使用している。従って、上記外輪18を
構成する他方の外輪側鍔部19bの厚さ寸法が、上記一
方の外輪側鍔部19aの厚さ寸法よりも小さくなる事に
基づき、上記他方の外輪側鍔部19bの外側面とこの外
側面と対向する、内輪側鍔部17の内側面との間に、比
較的大きな隙間が形成される様に設計する事を容易にで
きる。この様に比較的大きな隙間を形成する事ができれ
ば、上記プーリ7bが上記スリーブ8に対して図4の左
方向にずれる傾向となった場合でも、上記他方の外輪側
鍔部19bと内輪側鍔部17とが当接しない様にする事
ができる。その他の構成及び作用に就いては、前述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して、重複する説明を省略する。
【0037】次に、図5〜7は、請求項2に対応する、
本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合
には、前述の第1〜4例の場合と異なり、密封部材であ
る、1対のシールリング27a、27aを、1対のワッ
シャの内側に設けている。即ち、本例の場合、上記1対
のシールリング27a、27aを、外輪18の軸方向両
端部内周面と各サポート軸受9a、9aを構成する内輪
15、15の中間部外周面との間に、それぞれ配置して
いる。これら各シールリング27a、27aは、それぞ
れ鋼板等の金属板を円環状に形成した芯金28aと、ゴ
ムの如きエラストマー等の弾性材29とにより構成して
いる。この様な上記各シールリング27a、27aは、
上記各弾性材29の外径を弾性的に縮めた状態で、上記
外輪18の両端部内周面に内嵌支持している。
本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合
には、前述の第1〜4例の場合と異なり、密封部材であ
る、1対のシールリング27a、27aを、1対のワッ
シャの内側に設けている。即ち、本例の場合、上記1対
のシールリング27a、27aを、外輪18の軸方向両
端部内周面と各サポート軸受9a、9aを構成する内輪
15、15の中間部外周面との間に、それぞれ配置して
いる。これら各シールリング27a、27aは、それぞ
れ鋼板等の金属板を円環状に形成した芯金28aと、ゴ
ムの如きエラストマー等の弾性材29とにより構成して
いる。この様な上記各シールリング27a、27aは、
上記各弾性材29の外径を弾性的に縮めた状態で、上記
外輪18の両端部内周面に内嵌支持している。
【0038】そして、各弾性材29にそれぞれ複数本ず
つ設けたシールリップの先端縁を、上記各内輪15、1
5の中間部外周面、並びに上記外輪18を構成する各外
輪側鍔部19a、19bの内側面に摺接若しくは当接さ
せている。尚、上記各シールリング27a、27aの芯
金28aの片側面で、上記各サポート軸受9a、9aを
構成する軸受用保持器24の端面に対向する部分は、上
記弾性材29により覆われない様にして、仮にこの軸受
用保持器24の端面と上記芯金28aの片側面とが摺接
した場合でも、摺動抵抗を低く抑えられる様にしてい
る。
つ設けたシールリップの先端縁を、上記各内輪15、1
5の中間部外周面、並びに上記外輪18を構成する各外
輪側鍔部19a、19bの内側面に摺接若しくは当接さ
せている。尚、上記各シールリング27a、27aの芯
金28aの片側面で、上記各サポート軸受9a、9aを
構成する軸受用保持器24の端面に対向する部分は、上
記弾性材29により覆われない様にして、仮にこの軸受
用保持器24の端面と上記芯金28aの片側面とが摺接
した場合でも、摺動抵抗を低く抑えられる様にしてい
る。
【0039】そして、それぞれが円環状である、1対の
フローティングワッシャ26a、26aを、上記各シー
ルリング27a、27aを設けた位置よりもプーリ7b
及びスリーブ8の軸方向外側で、上記各外輪側鍔部19
a、19bの外側面と上記各内輪15、15を構成する
内輪側鍔部17、17の内側面との間に、緩く挟持して
いる。そして、これら各フローティングワッシャ26
a、26aと各外輪側鍔部19a、19b及び各内輪側
鍔部17、17とにより上記スリーブ8とプーリ7bと
の間に働くスラスト荷重を支承すると共に、これらスリ
ーブ8とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止し
ている。従って、本例の場合には、上述した第1〜4例
の場合と異なり、上記各フローティングワッシャ26
a、26aの側面に予め塗布したグリースが使用時に生
じる遠心力により飛ばされた場合には、このグリースが
外部に漏洩する事を上記各シールリング27a、27a
により防止する事はできない。
フローティングワッシャ26a、26aを、上記各シー
ルリング27a、27aを設けた位置よりもプーリ7b
及びスリーブ8の軸方向外側で、上記各外輪側鍔部19
a、19bの外側面と上記各内輪15、15を構成する
内輪側鍔部17、17の内側面との間に、緩く挟持して
いる。そして、これら各フローティングワッシャ26
a、26aと各外輪側鍔部19a、19b及び各内輪側
鍔部17、17とにより上記スリーブ8とプーリ7bと
の間に働くスラスト荷重を支承すると共に、これらスリ
ーブ8とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止し
ている。従って、本例の場合には、上述した第1〜4例
の場合と異なり、上記各フローティングワッシャ26
a、26aの側面に予め塗布したグリースが使用時に生
じる遠心力により飛ばされた場合には、このグリースが
外部に漏洩する事を上記各シールリング27a、27a
により防止する事はできない。
【0040】但し、本例の場合には、図6、7に詳示す
る様に、上記各フローティングワッシャ26a、26a
の両側面に、それぞれが半球状である凹部45、45
を、それぞれ複数個ずつ形成している。そして、これら
各凹部45、45により、上記各フローティングワッシ
ャ26a、26aの両側面に予め塗布したグリースを保
持自在としている。この様な各凹部45、45は、プレ
スのコイニング加工により、上記各フローティングワッ
シャ26a、26aの両側面同士の間で互いに対向する
位置に、それぞれ同時に形成し、板材からプレス加工に
より上記各凹部45、45を形成する事ができる様にし
ている。従って、これら各フローティングワッシャ26
a、26aがコイニング加工時に曲げ荷重を受けても、
これら各フローティングワッシャ26a、26aには圧
縮応力が生じるのみで、コイニング加工を施した以外の
部分が変形する事がない。
る様に、上記各フローティングワッシャ26a、26a
の両側面に、それぞれが半球状である凹部45、45
を、それぞれ複数個ずつ形成している。そして、これら
各凹部45、45により、上記各フローティングワッシ
ャ26a、26aの両側面に予め塗布したグリースを保
持自在としている。この様な各凹部45、45は、プレ
スのコイニング加工により、上記各フローティングワッ
シャ26a、26aの両側面同士の間で互いに対向する
位置に、それぞれ同時に形成し、板材からプレス加工に
より上記各凹部45、45を形成する事ができる様にし
ている。従って、これら各フローティングワッシャ26
a、26aがコイニング加工時に曲げ荷重を受けても、
これら各フローティングワッシャ26a、26aには圧
縮応力が生じるのみで、コイニング加工を施した以外の
部分が変形する事がない。
【0041】上述の様に本例の一方向クラッチ内蔵型プ
ーリ装置によれば、各フローティングワッシャ26a、
26aの両側面に、それぞれ複数個ずつのグリースを保
持する為の凹部45、45を形成している。この為、使
用時に加わる遠心力に拘らず、グリースをこれら各凹部
45、45により長期間に亙り保持する事ができ、上記
各フローティングワッシャ26a、26aの摺動面を長
期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐久性を確保する事
ができる。その他の構成及び作用に就いては、前述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して、重複する説明を省略する。
ーリ装置によれば、各フローティングワッシャ26a、
26aの両側面に、それぞれ複数個ずつのグリースを保
持する為の凹部45、45を形成している。この為、使
用時に加わる遠心力に拘らず、グリースをこれら各凹部
45、45により長期間に亙り保持する事ができ、上記
各フローティングワッシャ26a、26aの摺動面を長
期間に亙り十分に潤滑して、十分な耐久性を確保する事
ができる。その他の構成及び作用に就いては、前述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して、重複する説明を省略する。
【0042】尚、本例の変形例として、1対のシールリ
ングを、前述の第1例の場合と同様に、各サポート軸受
9a、9aを構成する内輪15、15の外側に設けて、
各フローティングワッシャ26a、26aに塗布したグ
リースが外部に漏洩するのを防止する事もできる。又、
本例の場合には上記各フローティングワッシャ26a、
26aに設ける凹部45、45を、コイニング加工によ
り形成する為、これら各フローティングワッシャ26
a、26aは、銅等の自己潤滑性を有する金属、タフト
ライド処理した金属、或は含油メタル等の潤滑油を含浸
させた金属材により造るが、ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の摩擦係数の低
い合成樹脂により造る場合には、上記各凹部45、45
を上記各フローティングワッシャ26a、26aの射出
成形時に同時に形成する。
ングを、前述の第1例の場合と同様に、各サポート軸受
9a、9aを構成する内輪15、15の外側に設けて、
各フローティングワッシャ26a、26aに塗布したグ
リースが外部に漏洩するのを防止する事もできる。又、
本例の場合には上記各フローティングワッシャ26a、
26aに設ける凹部45、45を、コイニング加工によ
り形成する為、これら各フローティングワッシャ26
a、26aは、銅等の自己潤滑性を有する金属、タフト
ライド処理した金属、或は含油メタル等の潤滑油を含浸
させた金属材により造るが、ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の摩擦係数の低
い合成樹脂により造る場合には、上記各凹部45、45
を上記各フローティングワッシャ26a、26aの射出
成形時に同時に形成する。
【0043】次に、図8〜10は、やはり請求項2に対
応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本
例の場合には、前述した第3例の場合と同様に、スリー
ブ8の両端部外周面に係止した、1対の欠円環状の係止
ワッシャ44a、44aと各外輪側鍔部19a、19b
とにより、上記スリーブ8とプーリ7bとの間に働くス
ラスト荷重を支承自在とすると共に、これらスリーブ8
とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止してい
る。特に、本例の場合には、図9、10に詳示する様
に、上記各係止ワッシャ44a、44aの側面のうち、
外輪18を構成する各外輪側鍔部19a、19bの外側
面と対向する側面に、グリースを保持する為の凹溝46
を全周に亙り、或は不連続部にまで達しない様に、円周
方向の一部に形成している。この様な凹溝46は、プレ
スのコイニング加工により形成している。その他の構成
及び作用に就いては、前述した第3例又は上述した第5
例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付し
て、重複する説明を省略する。
応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本
例の場合には、前述した第3例の場合と同様に、スリー
ブ8の両端部外周面に係止した、1対の欠円環状の係止
ワッシャ44a、44aと各外輪側鍔部19a、19b
とにより、上記スリーブ8とプーリ7bとの間に働くス
ラスト荷重を支承自在とすると共に、これらスリーブ8
とプーリ7bとの軸方向に亙る相対変位を防止してい
る。特に、本例の場合には、図9、10に詳示する様
に、上記各係止ワッシャ44a、44aの側面のうち、
外輪18を構成する各外輪側鍔部19a、19bの外側
面と対向する側面に、グリースを保持する為の凹溝46
を全周に亙り、或は不連続部にまで達しない様に、円周
方向の一部に形成している。この様な凹溝46は、プレ
スのコイニング加工により形成している。その他の構成
及び作用に就いては、前述した第3例又は上述した第5
例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付し
て、重複する説明を省略する。
【0044】次に、図11〜12は、やはり請求項2に
対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。
本例の場合には、ワッシャを、円環状に形成したフロー
ティングワッシャ26b、又は欠円環状に形成した係止
ワッシャ44bとしている。そして、各フローティング
ワッシャ26b(又は係止ワッシャ44b)の両側面
(又は片側面)の円周方向複数個所に、それぞれが直径
方向に長い凹部47、47を形成している。そして、こ
れら各凹部47、47にグリースを保持自在としてい
る。その他の構成及び作用に就いては、前述した第5例
又は上述した第6例の場合と同様である。
対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。
本例の場合には、ワッシャを、円環状に形成したフロー
ティングワッシャ26b、又は欠円環状に形成した係止
ワッシャ44bとしている。そして、各フローティング
ワッシャ26b(又は係止ワッシャ44b)の両側面
(又は片側面)の円周方向複数個所に、それぞれが直径
方向に長い凹部47、47を形成している。そして、こ
れら各凹部47、47にグリースを保持自在としてい
る。その他の構成及び作用に就いては、前述した第5例
又は上述した第6例の場合と同様である。
【0045】次に、図13〜14は、やはり請求項2に
対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。
本例の場合にも、ワッシャを、円輪状に形成したフロー
ティングワッシャ26c、又は欠円環状に形成した係止
ワッシャ44cとしている。そして、各フローティング
ワッシャ26c(又は係止ワッシャ44c)の両側面
(又は片側面)に2本のスリット48、48(又は凹
溝)を、それぞれ全周に亙り、或は円周方向の一部に形
成している。これら各スリット48、48(又は凹溝)
は、上記各フローティングワッシャ26c(又は係止ワ
ッシャ44c)の中心に対し偏心している。従って、こ
れら各スリット48、48(又は凹溝)に保持したグリ
ースにより、上記各フローティングワッシャ26c(又
は係止ワッシャ44c)と摺動する部材の側面を、直径
方向に亙り広い範囲に亙り潤滑する事ができる。その他
の構成及び作用に就いては、前述した第5例又は第6例
の場合と同様である。
対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。
本例の場合にも、ワッシャを、円輪状に形成したフロー
ティングワッシャ26c、又は欠円環状に形成した係止
ワッシャ44cとしている。そして、各フローティング
ワッシャ26c(又は係止ワッシャ44c)の両側面
(又は片側面)に2本のスリット48、48(又は凹
溝)を、それぞれ全周に亙り、或は円周方向の一部に形
成している。これら各スリット48、48(又は凹溝)
は、上記各フローティングワッシャ26c(又は係止ワ
ッシャ44c)の中心に対し偏心している。従って、こ
れら各スリット48、48(又は凹溝)に保持したグリ
ースにより、上記各フローティングワッシャ26c(又
は係止ワッシャ44c)と摺動する部材の側面を、直径
方向に亙り広い範囲に亙り潤滑する事ができる。その他
の構成及び作用に就いては、前述した第5例又は第6例
の場合と同様である。
【0046】
【発明の効果】本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置は、以上に述べた通り構成され作用する為、スリーブ
とプーリとの間に働くスラスト荷重を支承自在とすると
共に、これらスリーブとプーリとの軸方向に亙る相対変
位を防止する為のワッシャの摺動面を、長期間に亙り十
分に潤滑して、十分な耐久性を確保する事ができる。
置は、以上に述べた通り構成され作用する為、スリーブ
とプーリとの間に働くスラスト荷重を支承自在とすると
共に、これらスリーブとプーリとの軸方向に亙る相対変
位を防止する為のワッシャの摺動面を、長期間に亙り十
分に潤滑して、十分な耐久性を確保する事ができる。
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
図。
【図2】同第2例を示す半部断面図。
【図3】同第3例を示す半部断面図。
【図4】同第4例を示す半部断面図。
【図5】同第5例を示す半部断面図。
【図6】第5例に使用するフローティングワッシャを示
す断面図。
す断面図。
【図7】同じく側面図。
【図8】本発明の実施の形態の第6例を示す半部断面
図。
図。
【図9】第6例に使用する係止ワッシャを示す断面図。
【図10】同じく側面図。
【図11】本発明の実施の形態の第7例に使用するフロ
ーティングワッシャ(係止ワッシャ)を示す断面図。
ーティングワッシャ(係止ワッシャ)を示す断面図。
【図12】同じく側面図。
【図13】本発明の実施の形態の第8例に使用するフロ
ーティングワッシャ(係止ワッシャ)を示す断面図。
ーティングワッシャ(係止ワッシャ)を示す断面図。
【図14】同じく側面図。
【図15】従来から知られているオルタネータの1例を
示す断面図。
示す断面図。
【図16】従来構造の1例を示す部分断面図。
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a、7b プーリ 8 スリーブ 9、9a サポート軸受 10、10a 一方向クラッチ 11 無端ベルト 12 雌スプライン部 13 一方向クラッチ用内輪 14 カム面 15、15a 内輪 16 円筒部 17 内輪側鍔部 18 外輪 19a、19b 外輪側鍔部 20 クラッチ用保持器 21 ローラ 22 突片 23 凹部 24 軸受用保持器 25 ころ 26、26a、26b、26c フローティングワッシ
ャ 27、27a シールリング 28、28a 芯金 29 弾性材 30 円筒部 31 円輪部 32 シールリップ 33 内部空間 34 カバー 35 円板部 36 内径側円筒部 37 円輪部 38 外径側円筒部 39 突部 40 凹溝 41 凹溝 42 Oリング 43、43a 係止溝 44、44a、44b、44c 係止ワッシャ 45 凹部 46 凹溝 47 凹部 48 スリット 49 係止ワッシャ
ャ 27、27a シールリング 28、28a 芯金 29 弾性材 30 円筒部 31 円輪部 32 シールリップ 33 内部空間 34 カバー 35 円板部 36 内径側円筒部 37 円輪部 38 外径側円筒部 39 突部 40 凹溝 41 凹溝 42 Oリング 43、43a 係止溝 44、44a、44b、44c 係止ワッシャ 45 凹部 46 凹溝 47 凹部 48 スリット 49 係止ワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相田 博 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J031 AC01 BA00 BA07 BA08 BA09 CA03
Claims (2)
- 【請求項1】 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、こ
のスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置したプー
リと、これらスリーブの外周面の軸方向中間部とプーリ
の内周面の軸方向中間部との間に設け、このプーリが上
記スリーブに対し所定方向に相対回転する傾向となる場
合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自
在とする一方向クラッチと、この一方向クラッチを軸方
向両側から挟む状態で、上記スリーブの外周面とプーリ
の内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷
重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を
自在とする1対のサポート軸受と、上記スリーブとプー
リとのうちの少なくとも一方の部材の周面に、他方の部
材に向け突出する状態で支持された鍔状部と、この鍔状
部の側面と対向する側面を有し、円環状又は欠円環状に
形成したワッシャとを備え、このワッシャと上記鍔状部
とにより上記スリーブとプーリとの間に働くスラスト荷
重を支承自在とすると共に、これらスリーブとプーリと
の軸方向に亙る相対変位を防止した一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置に於いて、上記ワッシャの両側に配置する
状態で設けられて、このワッシャと上記鍔状部とが存在
する空間を密封する1対の密封部材を備え、これら各密
封部材の一部を、上記各サポート軸受を構成する外輪を
嵌合した嵌合部の内径とほぼ同一の内径を有する上記プ
ーリの一部内周面に、それぞれ嵌合又は摺接させた事を
特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。 - 【請求項2】 回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、こ
のスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置したプー
リと、これらスリーブの外周面の軸方向中間部とプーリ
の内周面の軸方向中間部との間に設け、このプーリが上
記スリーブに対し所定方向に相対回転する傾向となる場
合にのみプーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自
在とする一方向クラッチと、この一方向クラッチを軸方
向両側から挟む状態で、上記スリーブの外周面とプーリ
の内周面との間に設け、このプーリに加わるラジアル荷
重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を
自在とする1対のサポート軸受と、上記スリーブとプー
リとのうちの少なくとも一方の部材の周面に、他方の部
材に向け突出する状態で支持された鍔状部と、この鍔状
部の側面と対向する側面を有し、円環状又は欠円環状に
形成したワッシャとを備え、このワッシャと上記鍔状部
とにより上記スリーブとプーリとの間に働くスラスト荷
重を支承すると共に、これらスリーブとプーリとの軸方
向に亙る相対変位を防止した一方向クラッチ内蔵型プー
リ装置に於いて、上記ワッシャの側面に、グリースを保
持する為の凹部又は凹溝を形成した事を特徴とする一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11122039A JP2000310255A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11122039A JP2000310255A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000310255A true JP2000310255A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14826098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11122039A Pending JP2000310255A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000310255A (ja) |
-
1999
- 1999-04-28 JP JP11122039A patent/JP2000310255A/ja active Pending
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