JP2000310173A - 内燃機関点火用半導体装置 - Google Patents

内燃機関点火用半導体装置

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JP2000310173A
JP2000310173A JP11121222A JP12122299A JP2000310173A JP 2000310173 A JP2000310173 A JP 2000310173A JP 11121222 A JP11121222 A JP 11121222A JP 12122299 A JP12122299 A JP 12122299A JP 2000310173 A JP2000310173 A JP 2000310173A
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current
collector
constant current
ignition
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JP11121222A
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English (en)
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Shoichi Furuhata
昌一 古畑
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イグナイタ点火回路に用いられる点火用の半導
体装置としてIGBTを用いた場合に、コレクタ電圧の
振動を抑制し、且つ、電流制限領域での一定となるコレ
クタ電流の値を低減する。 【解決手段】電流制限時にコレクタ電圧がゲート電圧よ
り高い場合、コレクタ端子からゲート端子に微小電流に
よる電圧が加わる回路に、高耐圧定電流素子2と低耐圧
定電流素子3をそれぞれ直列接続した定電流回路4を用
いたことで、電流制限動作開始直後のコレクタ電圧の上
昇がゲート端子電圧を高める方向に作用し、そのゲート
電圧の上昇は急激なコレクタ電圧の上昇を抑制する。ま
た、振動によるコレクタ電圧の低下では、コレクタ端子
からゲート電圧を高める作用が低下しコレクタ電圧の低
下が抑制される。また、低耐圧定電流素子2により、コ
レクタ電流が小さく抑制されて、IGBTの発生損失が
低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スイッチング手
段によりイグニッションコイルの一次電流を断続させた
際に二次側に生ずる高電圧により点火プラグに火花を発
生させる自動車等のエンジン点火用イグニッション回路
とそれに用いられるパワー半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5にエンジン点火用イグニッション回
路の従来例を示す。図5において、イグニッションコイ
ル102の一次巻線にバッテリ101によって流れる電
流をバイポーラ・ダーリントントランジスタ103(ス
イッチング手段)によってしゃ断した際、二次巻線に発
生する高電圧によってスパークプラグ(点火プラグ)を
火花放電させ、内燃機関を駆動する。
【0003】更にこの回路の細部について説明すると、
バイポーラ・ダーリントントランジスタ103のエミッ
タ端子側に抵抗106が接続されて電流制限のための主
回路電流検出が行われる。この抵抗106については特
公昭55−3538号公報の図1及びUSP35875
51号のFig3にて公知である。
【0004】また電流制限回路として、バイポーラ・ダ
ーリントントランジスタ103のベースと主回路電流検
出抵抗106の接地側間にバイポーラ・ダーリントント
ランジスタ103のベース電流を分流するためのトラン
ジスタ104が設けられている。そのトランジスタ10
4のベース端子は抵抗111を介して主回路電流検出抵
抗106とバイポーラ・ダーリントントランジスタのエ
ミッタ端子との接続点に接続されている。イグニション
コイル102の一次巻線を流れる負荷電流はバイポーラ
・ダーリントントランジスタ103を通して主回路電流
検出抵抗106に流れる。この電流で生じた主回路電流
検出抵抗106の電圧降下が約0.6V以上になると、
この主回路電流検出抵抗106と接続しているトランジ
スタ104のベース・エミッタ間電圧も約0.6V以上
となり、トランジスタ104が動作してバイポーラ・ダ
ーリントントランジスタ103のベース電流の一部をト
ランジスタ104に分流する。このトランジスタ104
への分流によりバイポーラ・ダーリントントランジスタ
103のベース電流が減少すると負荷電流であるコレク
タ電流も減少する方向に働くが、イグニッションコイル
102は大きなインダクタンスを持つ負荷のため、負荷
電流は流れ続けようとしてバイポーラ・ダーリントント
ランジスタ103のコレクタ・エミッタ間電圧を上昇さ
せ、結果として、負荷電流(=コレクタ電流)は一定の
値となり主回路電流検出抵抗106の電圧降下は一定に
保たれる(所謂電流制限動作が働く)。
【0005】ところで、抵抗111とコンデンサ112
は前述特許に開示されていないが、公知技術であるとこ
ろの電流制限時の電流発振抑制用である。また、抵抗1
07,108とトランジスタ105とから成る駆動回路
109は、バッテリ101の電圧を駆動回路電源とし、
トランジスタ105がオフ状態である時にバイポーラ・
ダーリントントランジスタ103に抵抗108と107
で制限されたベース電流が流れるようにしたものであ
る。但し、駆動回路はこれに限らない。
【0006】更に、バイポーラ・ダーリントントランジ
スタ103のコレクタ端子とベース端子間にツェナダイ
オード110を接続している。このツェナーダイオード
110の働きを次に説明する。バイポーラ・ダーリント
ントランジスタ103のベース電流が除去されオフ状態
に移行した時、イグニッションコイル102からバイポ
ーラ・ダーリントントランジスタ103に過電圧が加わ
る。この時、バイポーラ・ダーリントントランジスタの
主端子間耐圧より低めに耐圧が設定されたツェナダイオ
ード110により、ツェナダイオード110に逆電流が
流れる。この逆電流は一部がバイポーラ・ダーリントン
トランジスタ103のベース電流となり、バイポーラ・
ダーリントントランジスタ103のコレクタ・エミッタ
間電圧は略ツェナダイオード110の耐圧にクランプさ
れる。これによりバイポーラ・ダーリントントランジス
タ103は過電圧から保護される。またこのときイグニ
ッションコイルから放出される電荷のほとんどはバイポ
ーラ・ダーリントントランジスタ103のコレクタ電流
として放出される。このツェナダイオード110につい
てはUSP4030469号にて公知である。またMO
Sゲート構造トランジスタに対するツェナダイオードの
製造方法の例がUSP5115369号に開示されてい
る。
【0007】尚、前記ツェナダイオード110の代わり
にコンデンサを用いた例が実公昭55−48132号公
報に開示されており、イグニッションコイルと直列に接
続されたトランジスタの保護用として示されている。
【0008】図5の回路でバイポーラ・ダーリントント
ランジスタ103が電流制限動作する前後のコレクタ・
エミッタ間電圧とコレクタ電流波形を図6に示す。 図
6の波形において、紙面向かって左側の位置でコレクタ
・エミッタ間電圧が16Vより急激に降下し約1Vにな
るタイミングは、バイポーラ・ダーリントントランジス
タ103に図示されていないベース電流が供給された時
期と一致している。その後コレクタ電流は電源電圧とイ
グニッションコイルのインダクタンスにより決まる変化
量(単位時間当たりのコレクタ電流変化量dic/dt
=電源電圧値/イグニッションコイルインダクタンス
値)で推移するが、前記従来の技術で述べた動作によ
り、コレクタ電流が一定値となる電流制限動作に至る。
またコレクタ電流を制限している間のコレクタ・エミッ
タ間電圧値は、電源電圧値から主回路の抵抗成分(主に
イグニッションコイル抵抗)による電圧降下を差し引い
た値となる。
【0009】以上は、イグニッションコイル電流を制御
する素子にバイポーラ・ダーリントントランジスタを適
用した場合であるが、例えば、図5の駆動回路109の
トランジスタ105と抵抗108を除去し、直接5V系
論理素子で広い温度範囲(−40〜150℃)で前述の
機能を達成しようとした場合、バイポーラ・ダーリント
ントランジスタの電流増幅率特性にも依存するが、20
〜50mAの通電能力を有する大容量の5V系論理素子
が必要となる。
【0010】トータルシステムの小型化のために前述の
5V系論理素子による駆動電流を1桁以上小さな値にす
るためには、イグニッションコイル電流を制御する素子
に、電圧駆動型のMOSゲート構造トランジスタを採用
すれば容易に達成できる。
【0011】現状のMOSゲート構造トランジスタ(パ
ワーMOSFET及びIGBT)を図5のバイポーラ・
ダーリントントランジスタに置き換えた場合、図7に示
すように電流制限開始時にドレイン電圧が急激に上昇す
る過程において、ドレイン・ソース間電圧が電源電圧以
上の高い電圧となり、しかも減衰波形ではあるが大きく
振動するという現象が生ずる。図7は振動現象を示す電
圧波形と電流波形である。同図は250V耐圧、5V駆
動MOSFETでイグニッションコイル電流を制御した
場合のドレイン電圧とドレイン電流(イグニッションコ
イル電流)波形である。そこで、図5の抵抗111とコ
ンデンサ112容量値の最適化や、図5に示すトランジ
スタ104のベース信号に対する出力信号との割合(ゲ
インあるいは増幅率)を低下させる方策などが考えられ
るが、これらではコレクタ電流が一定となった時点で導
入される電流発振を抑制するためには効果はあるが、前
記の振動現象を防止することには役に立たない。
【0012】そして、図7に示すドレイン電圧波形の振
動は、次の課題を生ずる。 (1)イグニッションコイルの高圧側(二次巻線)に、
振動するコレクタ電圧に比例した電圧が誘起し、予定外
のタイミングでスパーク・プラグに火花が飛ぶ恐れが生
ずる。 (2)イグニッションシステムの動作状況を監視するた
めにドレイン電圧をモニタする回路を付加する場合、電
流制限開始直後のドレイン電圧の振動は弊害になる。 (3)このドレイン電圧波形の振動は、電流制限動作全
期間の波形振動につながる恐れがある。
【0013】一方、バイポーラ・ダーリントントランジ
スタにおいて、MOSゲート構造トランジスタのように
電流制限開始直後のコレクタ電圧振動現象が極微量にお
さまる理由は、横軸がコレクタ電圧、縦軸がコレクタ電
流で表される出力特性がMOSゲート構造トランジスタ
と大幅に異なる点にある。図8は、現在自動車点火回路
に実用化されているバイポーラ・ダーリントントランジ
スタの出力特性であり、このトランジスタを用いた動作
波形図が図6である。一方、図9が、図7の波形をもた
らすMOSゲート構造トランジスタ(ここではMOSF
ET)の出力特性図である。勿論、IGBTでもMOS
FETと類似した出力特性となる。図8と図9の特性を
比較して大幅に異なる点は、コレクタ電圧が約2V以上
でのコレクタ電圧の増加によるコレクタ電流の変化量で
ある。バイポーラ・ダーリントントランジスタの変化量
の方が大きいことが判る。
【0014】バイポーラ・ダーリントントランジスタで
コレクタ電圧振動が少ないメカニズムは、次のように説
明することができる。前記従来の技術の項にても説明し
たが、抵抗106の電圧がコレクタ電流(イグニッショ
ンコイル電流でもある)の増加に比例して増加すると、
やがてはトランジスタ104にベース電流が流れトラン
ジスタ104のコレクタ・エミッタ間は導通を開始す
る。
【0015】この時、抵抗108と107を介してダー
リントントランジスタ103のベース電流として流れて
いた電流は、トランジスタ104の導通開始によりトラ
ンジスタ104のコレクタ電流としてその一部が分流す
る。抵抗106の両端電圧が更に増加しようとすると、
その電圧はトランジスタ104のベース電流を増加させ
トランジスタ103のベース電流を低減する方向に動作
する。最終的に抵抗106の両端電圧は、トランジスタ
104のベース・エミッタ間電圧特性に略集約され、そ
の結果としてトランジスタ103のコレクタ電流は一定
値を保つ。一方トランジスタ104にベース電流が流れ
始めてから、トランジスタ103のコレクタ電流が一定
になる迄の時間差は当然発生する。従って、トランジス
タ103のベース電流は、前記時間差の中でバッテリ1
01電圧と抵抗108と107で略決まる値から序々に
減少する。
【0016】この序々に減少するベース電流と図8に示
す特性のバイポーラ・ダーリントントランジスタの出力
特性から、図6の動作波形の中の電流制限動作が開始す
る前の、ゆるやかなコレクタ電圧の上昇が理解できる。
このゆるやかなコレクタ電圧の上昇は、電流制限動作開
始直前のコレクタ電流の変化を緩慢とさせる。コレクタ
電圧とコレクタ電流のゆるやかな変化が、コレクタ電圧
の振動抑制に寄与しているわけである。
【0017】また、図8のようにコレクタ電圧が約2V
以上でのコレクタ電流の変化が大きい場合、仮に前記時
間差がゼロでバッテリ101電圧と抵抗108と107
で略決まるベース電流値からあるベース電流値に、トラ
ンジスタ103のベース電流がステップ的に変化したと
しても、電流制限開始直後のコレクタ電圧の振動は次に
述べる理由で極めて少ないことが予測できる。すなわ
ち、電流制限開始直後のコレクタ電圧の飛び上がり(発
振)は、少なくともイグニッションコイル電流の変化
が、時間に対し増加の変化から減少の変化に移らないと
発生しない。このコレクタ電流の時間に対する変化が減
少方向に転じ、あるベース電流の下でコレクタ電圧が上
昇しようとした場合、図8のような出力特性のトランジ
スタではコレクタ電流も比較的大きく増加するように働
く。これは減少しようとするコレクタ電流を増加させる
方向に働き、換言すればトランジスタ自体が、コレクタ
電流の減少に対してコレクタ電圧が上昇するという、所
謂、負帰還機能を持つことを意味する。この負帰還機能
によりイグニッションコイル電流が増加から減少に移り
にくくし、コレクタ電圧の振動を抑制している。
【0018】一方、図9のようなMOSゲート構造トラ
ンジスタではコレクタ電圧が約2V以上でのコレクタ電
流の変化が極めて小さいため、コレクタ電圧の増大によ
るコレクタ電流の増加は極めて小さい。従って、前記の
負帰還機能が極めて弱くそのためコレクタ電圧の振動は
抑制されないことになる。
【0019】このコレクタ電圧の振動を抑制するため
に、高電圧定電流素子をトランジスタ303のコレクタ
とゲート間に接続することが、特開平9−280147
号公報に開示されている。つぎに、特開平9−2801
47号公報に開示された内容を説明する。
【0020】図10は、特開平9−280147号公報
に開示された従来の回路構成を示す図である。この回路
構成では、コレクタ端子電圧によりゲート端子電圧を高
める回路として、抵抗309と定電流回路14を構成す
る高耐圧定電流素子308の直列接続したものをコレク
タとゲート間に接続している。この高耐圧定電流素子3
08は、デプレッション構造のMOSFET及びIGB
Tを用い、また図10のIGBT303の一部に作り込
まれる。また、高耐圧定電流素子308の耐圧をIGB
T303の耐圧よりも低く設定してツェナダイオード3
12の機能を兼用させる場合もある。あるいは、高耐圧
定電流素子308は、シリーズ電源のような回路として
もよい。
【0021】さて、高耐圧定電流素子308の定電流の
値と抵抗309の値により、コレクタ端子からゲート端
子に向かって流れる微小電流の増加を抑制し一定電流と
するコレクタ電圧が設定される。このコレクタ電圧より
小さい場合には、コレクタ電圧に比例して微小電流が増
加する。ゲート電圧は図10のトランジスタ304がオ
ン状態のため、抵抗309と抵抗306の分圧で決ま
り、コレクタ電圧Vc の増大と共にゲート電圧も増大
し、従って、コレクタ電流も増大することとなる。この
ためIGBT303の出力特性が図8のコレクタ電圧の
振動が抑制されるバイポーラ・ダーリントントランジス
タの出力特性と類似してくる。その結果、コレクタ電圧
の振動が抑制され、且つ、一定のコレクタ電流が維持さ
れる。抵抗Rの値を大きくすれば、微小電流Iが飽和す
るコレクタ電圧Vc を高くでき、コレクタ電圧の振動を
抑制する効果を高めることができる。また、この微小電
流の電流値が大きくなるとイグニッションコイルに蓄え
られたエネルギーが電流で消費される量が大きくなり、
スパーク電圧が確保できなくなる場合が生ずる。一方、
小さすぎると出力特性がバイポーラ・ダーリントントラ
ンジスタ特性からMOSFET特性に近づきコレクタ電
圧波形が振動するようになる。一方、IGBT303を
オフさせ、イグニッションコイル電流を遮断し、イグニ
ッションコイルに蓄えられたエネルギーでスパークプラ
グを放電させるためにはイグニッションコイルに発生す
る電圧を数百Vに維持する必要がある。そのためにはイ
グニッションコイル電流をできる限り小さくする必要が
あり、高耐圧定電流素子に流れる定電流値は高圧でも数
mAと小さくする必要がある。つまり、このIGBT3
03の出力特性をバイポーラ・ダーリントントランジス
タの出力特性とするために抵抗309をゲート・コレク
タ間に挿入し、スパーク電圧確保のために、高耐圧定電
流素子308を抵抗309と直列に接続している。ま
た、抵抗309あるいは高耐圧定電流素子308の一方
での構成も考えられる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】図11は、IGBTを
バイポーラトランジスタの出力特性にするための高耐圧
定電流素子の電圧・電流特性を示す。太線がその電圧・
電流特性である。電圧が小さい領域では電流は電圧に概
略比例するように流れる。そして、電圧がある値を超え
ると電流制限領域に入り、電流はほぼ一定の電流I11に
なる。図示しないが、さらに、電圧を上昇させると素子
耐圧に達した電圧でアバランシェに突入して、電流は急
激に上昇する。比較のために、低耐圧定電流素子の電圧
・電流特性を点線で示す。同図に示すように、電圧に概
略比例して流れる電流の比例係数は、低耐圧定電流素子
の比例係数Bと比べて高耐圧定電流素子の比例係数Aは
小さい。
【0023】特開平9−280147号公報に開示され
ているように、高耐圧定電流素子のみを用いた場合で、
電流制限時のコレクタ電圧がゲート電圧よりも高いと
き、コレクタ電圧の振動を抑制できる。しかし、高耐圧
定電流素子は電圧に比例して流れる電流領域が広いた
め、IGBT303のゲート電圧を上昇させる範囲が、
低耐圧定電流素子の場合と比べて大きくなり、そのた
め、IGBT303のコレクタ電流が増大し、発生損失
が増加する。
【0024】この発明の目的は、前記の課題を解決し
て、コレクタ電圧の振動を抑制し、且つ、電流制限領域
での一定となるコレクタ電流の値を低減することができ
る内燃機関点火用半導体装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、イグニッションコイルの一次巻線に直流電源とス
イッチング手段を接続し、イグニッションコイルの二次
巻線の一方端に点火プラグを接続し、該スイッチング手
段の開閉によるイグニッションコイルの一次電流の変化
により二次巻線に生ずる高電圧を点火プラグに供給する
ものであって、スイッチング手段がMOSゲート構造ト
ランジスタであり、一次巻線のコイル電流をある一定値
に制限するために、少なくともコイル電流検出部とMO
Sゲート構造トランジスタのゲート電圧を降下させる回
路とを備え、MOSゲート構造トランジスタの電圧値の
高い側の主端子の電圧が、ゲート端子電圧よりも高い場
合に、主端子からゲート端子に流入する電流で生じた電
圧をゲート端子に加える電流供給回路を備えた内燃機関
点火用半導体装置において、前記の電流供給回路が、少
なくとも複数個の定電流素子を直列接続して構成する。
【0026】前記電流供給回路が、定格電圧が異なる定
電流素子を直列接続して構成するとよい。前記電流供給
回路が、200V以上で1000V以下の定格電圧を有
する高耐圧定電流素子と、5V以上で50V以下の定格
電圧を有する低耐圧定電流素子とを直列接続して構成す
るとよい。
【0027】前記電流供給回路が、定格電圧が同一の定
電流素子を直列接続して構成するとよい。前記電流供給
回路が、5V以上で50V以下の低耐圧定電流素子を複
数個直列接続して構成するとよい。前記低耐圧定電流素
子の電流制限領域の電流値が前記高耐圧定電流素子の電
流制限領域の電流値より小さいと効果的である。
【0028】前記定電流素子が、デプレッション形IG
BT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)もしくは
デプレッション形MOSFET(MOS型電界効果トラ
ンジスタ)であるとよい。
【0029】前記のようにすることで、前記MOSゲー
ト構造トランジスタの出力特性をバイポーラトランジス
タのようにすることができて、且つ、電流制限領域のコ
レクタ電圧によるコレクタ電流が変化する範囲を小さく
できる。さらに、前記MOSゲート構造トランジスタの
電流制限時のコレクタ電圧の振動を抑制できて、且つ、
発生損失を小さくすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1実施例の
要部回路構成を示す図である。従来の回路である図10
との違いは、図10の定電流回路14の高耐圧定電流素
子308の代わりに、高耐圧定電流素子2と低耐圧定電
流素子3を直列接続し、定電流回路4を構成している点
である。その他は、図10と同じである。ここで使用す
る高耐圧定電流素子2は200V以上で1000V以下
の電圧定格を有する高耐圧デプレッション形IGBTで
あり、低耐圧定電流素子3は5V以上で50V以下の電
圧定格を有する低耐圧デプレッション形MOSFETで
ある。
【0031】高耐圧定電流素子2の定格電圧を200V
以上としたのは、イグナイタを動作させるときに必要な
電圧である。また、この電圧は実用的には1000V程
度が最大値である。低耐圧定電流素子3の定格電圧を5
0V以下としたのは、自動車のエンジンを駆動するバッ
テリーの電圧が12V〜24V(将来42V)程度であ
り、この電圧に対して余裕を見た電圧である。また、こ
のバッテリーの電圧は5V程度が実用レベルの最小値で
ある。
【0032】図2は、図1の定電流回路の電流・電圧特
性を示す。図中の太線がこの定電流回路4の電圧・電流
特性である。電圧が低い場合は、定電流回路4の電流は
高耐圧定電流素子2の電流I3 (高耐圧デプレッション
形IGBTのコレクタ電流)となり、この電流I3 は、
電圧の上昇と共に増大する。この電流I3 が低耐圧定電
流素子3の電流制限領域の電流I2 (低耐圧デプレッシ
ョン形MOSFETの電流制限領域のドレイン電流)に
達した段階で、電流I2 となり、一定電流となる。さら
に、電圧を上昇させると低耐圧定電流素子3がアバラン
シェを起こし、定電流回路4の電流は高耐圧定電流素子
2の電流I1 (高耐圧デプレッション形IGBTのコレ
クタ電流)に移行する。
【0033】図3は、図1の定電流回路を接続したIG
BT1の出力特性を示す。IGBT1のコレクタ・エミ
ッタ間電圧VCEが小さな領域では、コレクタ電流IC
(太線全体を指す)は、急激に上昇する(IC1) 。IG
BT1のゲートバイアス電圧で決まるコレクタ電流に達
した段階でコレクタ電流IC は一定になる(IC2) 。さ
らにコレクタ・エミッタ間電圧VCEを上昇させると、定
電流回路4からの電流によりIGBT1のゲート電圧が
上昇して、コレクタ電流IC は増加する(IC3)。さら
にコレクタ・エミッタ間電圧VCEを上昇させると、定電
流回路4からの電流(I2)は一定となり、コレクタ電流
IC は一定となる(IC4) 。
【0034】このコレクタ電流IC が一定となる電流値
(IC4) は、従来の定電流回路14で用いた高耐圧定電
流素子308を用いた場合(点線の波形)に比べると大
幅に小さくすることができる。そのため、IGBT1の
発生損失を大幅に低減できる。また、電流制限時のコレ
クタ電圧の振動は従来回路と同様に抑制される。
【0035】さらに、コレクタ・エミッタ間電圧VCEを
上昇させると、低耐圧定電流素子3がアバランシェを起
こして、定電流回路4からの一定電流はI2 からI1 に
移行する。そのため、高耐圧定電流素子308で構成さ
れた従来の定電流回路14を用いた場合と同じように、
コレクタ電流IC は大きな電流値(IC5) となる。
【0036】そのため、本実施例は低耐圧定電流素子が
アバランシェを起こす電圧(定格電圧)よりも小さな電
圧範囲でIGBT1の発生損失を大幅に低減できる。こ
こでは、低耐圧定電流素子3が一個の場合を示したが、
複数個にしても勿論よい。その場合は、IGBT1の発
生損失を低減できる電圧範囲が、その個数に応じて高い
方向に拡がる。
【0037】図4は、この発明の第2実施例の要部回路
構成を示す図である。図1との違いは、定電流回路5を
複数個の低耐圧定電流素子3のみを直列接続して構成し
た点である。この低耐圧定電流素子3は、定格電圧が5
V以上で50V以下の低耐圧デプレッション形MOSF
ETである。この場合の定電流回路5の電圧、電流特性
は、電圧が全低耐圧定電流素子3が定格電圧を超えるま
では、図3の点線6で示すように低いコレクタ電流IC4
に抑制される。そのため、第1実施例の定電流回路4で
は、電圧が低耐圧定電流素子3の定格電圧を超えた領域
で、定電流回路4の電流が高耐圧定電流素子2の電流I
1 によるコレクタ電流(IC5) に移行して、増大する
が、第2実施例では、高い電圧まで、定電流回路5の電
流が図3の電流(I2)の状態で推移するために、IGB
T1のコレクタ電流IC はIC4のままで増大しない。そ
のために、第1実施例よりもIGBT1の発生損失を低
減することができる。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、定電流回路を高耐圧
定電流素子と低耐圧定電流素子を直列に接続する構成と
することで、イグニッションシステムの動作状況を監視
するために、MOSゲート構造トランジスタ(IGBT
1)のドレイン電圧をモニタする回路を付加する場合に
弊害となる電流制限開始直後のドレイン電圧の振動を防
止できる。
【0039】また、低耐圧定電流素子を接続すること
で、IGBT1の電流制限領域のコレクタ電流を小さく
抑制できて、IGBT1の発生損失を低減できる。ま
た、低耐圧定電流素子のみを複数個直列接続して、定電
流回路を構成することで、前記と同様の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の要部回路構成を示す
図。
【図2】定電流回路の電流と電圧の関係を示す図
【図3】定電流回路を接続したIGBT1の出力特性図
【図4】この発明の第2実施例の要部回路構成を示す図
【図5】エンジン点火用イグニッション回路の従来例を
示す図
【図6】バイポーラ・ダーリントントランジスタ103
が電流制限動作する前後のコレクタ・エミッタ間電圧と
コレクタ電流波形を示す図
【図7】MOSFETの振動現象を示す電圧波形と電流
波形図
【図8】現在自動車点火回路に実用化されているバイポ
ーラ・ダーリントントランジスタの出力特性図
【図9】図7の波形をもたらすMOSゲート構造トラン
ジスタの出力特性図
【図10】従来の回路構成を示す図
【図11】IGBTをバイポーラトランジスタの出力特
性にするための高耐圧定電流素子の電圧・電流特性を示
す図
【符号の説明】
1 IGBT 2 高耐圧定電流素子(高耐圧デプレッション形IGB
T) 3 低耐圧定電流素子(低耐圧デプレッション形MOS
FET) 4、5、14 定電流回路 101、301 バッテリ 102、302 イグニッションコイル 103 バイポーラ・ダーリントントラン
ジスタ 303 IGBT 308 高耐圧定電流素子 104、105、304 トランジスタ 109、307 駆動回路 110、312 ツェナダイオード 112、311 コンデンサ 313 ダイオード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イグニッションコイルの一次巻線に直流電
    源とスイッチング手段を接続し、イグニッションコイル
    の二次巻線の一方端に点火プラグを接続し、該スイッチ
    ング手段の開閉によるイグニッションコイルの一次電流
    の変化により二次巻線に生ずる高電圧を点火プラグに供
    給するものであって、スイッチング手段がMOSゲート
    構造トランジスタであり、一次巻線のコイル電流をある
    一定値に制限するために、少なくともコイル電流検出部
    とMOSゲート構造トランジスタのゲート電圧を降下さ
    せる回路とを備え、MOSゲート構造トランジスタの電
    圧値の高い側の主端子の電圧が、ゲート端子電圧よりも
    高い場合に、主端子からゲート端子に流入する電流で生
    じた電圧をゲート端子に加える電流供給回路を備えた内
    燃機関点火用半導体装置において、 前記の電流供給回路が、少なくとも複数個の定電流素子
    を直列接続して構成することを特徴とする内燃機関点火
    用半導体装置。
  2. 【請求項2】前記電流供給回路が、定格電圧が異なる定
    電流素子を直列接続して構成することを特徴とする請求
    項1に記載の内燃機関点火用半導体装置。
  3. 【請求項3】前記電流供給回路が、200V以上で10
    00V以下の定格電圧を有する高耐圧定電流素子と、5
    V以上で50V以下の定格電圧を有する低耐圧定電流素
    子とを直列接続して構成することを特徴とする請求項1
    または2に記載の内燃機関点火用半導体装置。
  4. 【請求項4】前記電流供給回路が、定格電圧が同一の定
    電流素子を直列接続して構成することを特徴とする請求
    項1に記載の内燃機関点火用半導体装置。
  5. 【請求項5】前記電流供給回路が、5V以上で50V以
    下の低耐圧定電流素子を複数個直列接続して構成するこ
    とを特徴とする請求項1または4に記載の内燃機関点火
    用半導体装置。
  6. 【請求項6】前記低耐圧定電流素子の電流制限領域の電
    流値が前記高耐圧定電流素子の電流制限領域の電流値よ
    り小さいことを特徴とする請求項2または3に記載の内
    燃機関点火用半導体装置。
  7. 【請求項7】前記定電流素子が、デプレッション形IG
    BT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)もしくは
    デプレッション形MOSFET(MOSゲート型電界効
    果トランジスタ)であることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれか一つに記載の内燃機関点火用半導体装
    置。
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