JP2000309003A - 天然木材の改質方法および合成木材の製造方法 - Google Patents

天然木材の改質方法および合成木材の製造方法

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JP2000309003A
JP2000309003A JP11120277A JP12027799A JP2000309003A JP 2000309003 A JP2000309003 A JP 2000309003A JP 11120277 A JP11120277 A JP 11120277A JP 12027799 A JP12027799 A JP 12027799A JP 2000309003 A JP2000309003 A JP 2000309003A
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pressure
atm
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impregnated
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Akira Nakanishi
彰 中西
Yasunari Kaneko
泰成 金子
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Almetax Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Almetax Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然木材の難燃性を向上させる。 【解決手段】天然木材であるベイツガに、無機物として
チタニアを含浸させた後に、300 気圧以上の圧力によっ
て、所定時間にわたって加圧処理する。加圧処理された
ベイツガの端部をガスバーナーの炎に30秒にわたって挿
入ても、炎が着火せず、また、着火しても、遅くとも3
秒後には自然消火する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた難燃性を有
するように天然木材を改質する方法、および優れた難燃
性を有する合成木材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然木材、あるいは、天然木材から得ら
れる木屑、木粉等を原材料として製造される合成木材
は、加工性に優れているために、各種建材、家具等に多
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天然木
材あるいは天然木材を原料とした合成木材は、着火しや
すく、また、着火すると容易に燃焼するという問題があ
る。
【0004】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、容易に着火して燃焼しないように
難燃性を付与することができる天然木材の改質方法、お
よび、優れた難燃性を有する合成木材の製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の天然木材の改質方法は、天然木材に無機物を含浸させ
た後に、300 気圧以上の圧力によって所定時間にわたっ
て加圧処理することを特徴とする。
【0006】前記無機物は光触媒性能を有している。前
記無機物はチタニアである。
【0007】前記加圧処理の圧力は、350 〜500 気圧で
ある。請求項5に記載の本発明の合成木材の製造方法
は、天然木材の木屑または木粉を所定形状になるよう
に、バインダーによって結束した状態で、300 気圧以上
の圧力によって、所定時間にわたって加圧処理すること
を特徴とする。
【0008】前記加圧処理の圧力は、350 〜500 気圧で
ある。前記バインダーは、フェノール樹脂である。
【0009】また、請求項8に記載の合成木材の製造方
法は、天然木材の木屑または木粉を、加圧処理して所定
形状の加工材に成形する工程と、成形された加工材に無
機物を含浸させる工程と、無機物が含浸された加工材
を、200 気圧以上の圧力によって、所定時間にわたって
加圧処理する工程と、を包含することを特徴とする。
【0010】前記無機物は光触媒性能を有している。前
記無機物はチタニアである。
【0011】前記無機物はシリカである。前記加圧処理
の圧力は、250 〜350 気圧である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0013】請求項1に記載の本発明の木材の改質方法
では、まず、各種建材等に使用される天然木材に、無機
物が、その表層部全体にわたって含浸される。無機物を
天然木材に含浸させる方法としては、無機物の水溶液
に、天然木材を適当な時間にわたって浸漬させるイオン
化含浸法が好適である。
【0014】含浸される無機物としては、天然木材に含
浸されて断熱性を発揮し得るものであればよく、光触媒
性能を有するチタニア(二酸化チタン)、シリカ、アル
ミナ(酸化アルミニウム)等が好適に使用される。特
に、チタニア等の光触媒性能を有する無機物は、天然木
材に含浸されることによって、断熱性能のみならず、脱
臭効果、脱脂効果、汚れ防止効果等も発揮するために、
好ましい。
【0015】無機物が含浸された天然木材は、15〜60℃
程度の適当な温度にて加熱されつつ、300 気圧以上の圧
力によって加圧処理されて緻密化される。天然木材を加
圧処理すると、天然木材内の水分および空気が経時的に
除去されて緻密化されるために、密度(比重)が経時的
に大きくなる。しかしながら、適当な時間にわたって天
然木材を加圧処理すると、密度がほぼ一定な状態になり
安定化する。天然木材の加圧処理は、このように、密度
がほぼ一定な状態になるまでの適当な時間にわたって実
施される。加圧処理に要する時間は、天然木材に含浸さ
れた水分量、空隙の割合等によって異なるが、通常、2
時間程度である。
【0016】天然木材を加圧処理する際の圧力は、300
気圧以上とされる。300 気圧よりも小さい圧力では、天
然木材が十分に緻密化されず、従って、十分な難燃性が
得られない。また、圧力が大きくなりすぎると、天然木
材が変形したり、また、亀裂等が生じるおそれがあり、
好ましいものではない。350 〜550 気圧の圧力によって
加圧処理すれば、十分な難燃性が得られるとともに、亀
裂、変形等も発生しない。
【0017】このように、無機物が含浸された天然木材
を、300 気圧以上の圧力によって加圧処理することによ
って、天然木材は、着火し難く、また、着火しても短時
間で自然消火するという優れた難燃性が得られる。
【0018】請求項5に記載の本発明の合成木材の製造
方法では、例えば、資源の有効利用等のために、製材所
から廃棄される天然木材の木屑また木粉が使用される。
使用される天然木材の木屑等は、所定の形状に容易に成
形できるように、最大長さが5mm以下であることが好ま
しい。最大長さが5mm以下の木屑としては、障子、室内
用の柱等、室内用の建具の廃材が好適である。
【0019】木屑等は、所定形状になるようにバインダ
ーにて結束された加工材とされる。バインダーとして
は、フェノール樹脂等が使用される。
【0020】所定形状の加工材は、15〜60℃程度の適当
な温度にて加熱しつつ、300 気圧以上の圧力によって加
圧処理されて緻密化される。加工材の加圧処理は、経時
的に緻密化される加工材の密度(比重)が、ほぼ一定に
なるまで、実施される。加工材の加圧処理に要する時間
は、通常、2時間程度である。
【0021】加圧処理された加工材は、バインダーを硬
化させるために、加熱処理される。バインダーとしてフ
ェノール樹脂を使用した場合には、120 ℃の加熱温度で
2時間程度にわたって加熱処理される。そして、加熱処
理された加工材が、所定の形状に加工されて合成木材と
される。
【0022】加工材を加圧処理する際の圧力は、300 気
圧以上とされる。300 気圧よりも小さい圧力では、加工
材が十分に緻密化されず、従って、十分な難燃性が得ら
れない。また、圧力が大きくなりすぎると、加工材が変
形したり、また、亀裂等が生じるおそれがあり、好まし
いものではない。350 〜550 気圧の圧力によって加圧処
理すれば、十分な難燃性が得られるとともに、亀裂、変
形等も発生しない。
【0023】このように、天然木材の木屑等が所定の形
状に成形された加工材を、300 気圧以上の圧力によって
加圧処理して合成木材とすると、合成木材は、着火し難
く、また、着火しても短時間で自然消火するという優れ
た難燃性が得られる。
【0024】請求項8に記載の本発明の合成木材の製造
方法では、資源を有効利用するために、製材所から廃棄
される天然木材の木屑また木粉が使用される。使用され
る天然木材の木屑等は、所定形状に容易に成形できるよ
うに、最大長さが5mm以下であることが好ましく、ま
た、檜等を含む針葉樹等の木材が好適である。
【0025】木屑等は、例えば、15〜60℃の温度で加熱
しつつ、20気圧の圧力によって加圧されて、所定形状に
成形された加工材とされる。この場合、加圧処理と同時
に、15〜60℃程度の適当な温度にて加熱することが、加
工材に含浸されている水分を除去する上で好ましい。
【0026】所定形状に成形された加工材には、その表
層部全体にわたって、無機物が含浸される。無機物を加
工材に含浸させる方法としては、無機物の水溶液に、加
工材を、15〜60℃程度の温度に加熱しつつ、10気圧程度
の適当な圧力にて加圧した状態で、適当な時間にわたっ
て浸漬させるイオン化含浸法が好適である。
【0027】含浸される無機物としては、加工材に含浸
された際に断熱性を発揮し得るものであればよく、光触
媒性能を有するチタニア(二酸化チタン)、シリカ、ア
ルミナ(酸化アルミニウム)等が好適に使用される。特
に、チタニア等の光触媒性能を有する無機物は、加工材
に含浸されることによって、断熱性のみならず、脱臭効
果、脱脂効果、汚れ防止効果等も発揮するために好まし
い。
【0028】無機物が含浸された加工材は、15〜60℃程
度の適当な温度にて加熱しつつ、200 気圧以上の圧力に
よって加圧処理されて緻密化される。このような加圧処
理によって、加工材は水分および空気が除去されて緻密
化される。加工材の加圧処理は、加工材の密度がほぼ一
定な状態になるまで実施される。加圧処理に要する時間
は、通常、2時間程度である。
【0029】加工材を加圧処理する際の圧力は、200 気
圧以上とされる。200 気圧よりも小さい圧力では、加工
材が十分に緻密化されず、従って、十分な難燃性が得ら
れない。また、加圧処理する際の圧力が大きくなりすぎ
ると、加工材の変形、亀裂等が生じるおそれがあり、好
ましいものではない。加工材は、250 〜350 気圧の圧力
によって加圧処理すれば、十分な難燃性が得られるとと
もに、亀裂、変形等も発生しない。
【0030】このように、木屑、木粉等を加圧して所定
形状に成形された加工材に無機物が含浸させて、200 気
圧以上の圧力によって加圧処理することによって得られ
る合成木材は、着火し難く、また、着火しても短時間で
自然消火するという優れた難燃性が得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0032】<実施例1>天然木材として、断面が10mm
×20mmの長方形状をした長さが100mm のベイツガ(乾燥
比重は約0.44g/cm3 )を15本準備した。そして、各ベ
イツガの表層部全体にわたって、チタニア(TiO2 、二酸
化チタン) を、イオン化含浸法によって含浸させるため
に、30%の硫酸チタン溶液に12時間にわたってそれぞれ
浸漬した。その後、各ベイツガを中性化するために、25
%アンモニア水に12時間にわたってそれぞれ浸漬した。
アンモニア水から取り出された各ベイツガは、それぞれ
に付着している硫酸イオンおよびアンモニウムイオンを
除去するために、それぞれ洗浄した。これにより、各ベ
イツガ内には、5重量%程度のチタニアが生成された。
洗浄された各ベイツガを1週間にわたって放置して乾燥
させたところ、各ベイツガは、天然状態のベイツガと同
様に、それぞれ、10%程度の含水率となり、各ベイツガ
の平均比重は、約0.51g/cm3 であった。
【0033】次いで、チタニアが含浸された1本のベイ
ツガを、ゴム袋内に挿入した状態で、オートクレーブ内
にて、15〜60℃程度の温度で、300 気圧にて2時間にわ
たってそれぞれ加圧処理した。加圧処理された15本のベ
イツガの密度は、0.80g/cm 3 であった。
【0034】このようにして改質処理されたベイツガの
難燃性を調べるために、ガスバーナーの炎に、ベイツガ
を所定時間にわたって挿入した後に、ベイツガを炎から
引き出して、炎が着火するか、また、着火した場合には
自然に消火されるまでに要する時間を計測した。ガスバ
ーナーの炎は、内側の赤い部分が5cm、その回りの青い
部分が5cmになるように形成して、炎における赤い部分
と青い部分との境界部分に、改質処理されたベイツガの
一方の端部を、水平に対して45°に傾斜させた状態で30
秒間にわたってそれぞれ挿入した。300 気圧にて加圧処
理されたベイツガには、炎が着火したが、3秒後には自
然消火した。
【0035】同様に、オートクレーブ内の圧力をそれぞ
れ、350 気圧、400 気圧、500 気圧、550 気圧、700 気
圧、800 気圧としたこと以外は、それぞれ、前述の条件
と同様の条件で、チタニアが含浸されたベイツガを加圧
処理したところ、各気圧にて加圧処理された各ベイツガ
の密度は、それぞれ、0.88g/cm3 、0.90g/cm3 、0.
92g/cm3 、0.93g/cm3 、0.94g/cm3 、0.94g/cm
3 であった。そして、加圧処理された各ベイツガに対し
て同様の難燃性試験をそれぞれ実施したところ、350 気
圧、400 気圧、500 気圧の圧力にてそれぞれ加圧処理さ
れた各ベイツガには、それぞれ炎が着火しなかった。ま
た、550 気圧の圧力にて加圧処理されたベイツガには炎
が着火したものの、1秒後に自然消火した。700 気圧お
よび800気圧の圧力にてそれぞれ加圧処理された各ベイ
ツガにも、それぞれ炎が着火したものの、2秒後には、
それぞれ自然消火した。結果を表1に示す。
【0036】比較のために、チタニアが含浸されたベイ
ツガを加圧処理しなかった場合(平均密度0.51g/c
m3 )において、同様の難燃性試験を実施したところ、
このベイツガには炎が着火し、自然消火するために、15
秒の時間を要した。また、チタニアが含浸されたベイツ
ガの加圧処理する際のオートクレーブ内の圧力を、それ
ぞれ、10気圧、50気圧、100 気圧としたこと以外は、そ
れぞれ、前述の条件と同様の条件で、チタニアが含浸さ
れたベイツガを加圧処理した。各気圧にて加圧処理され
た各ベイツガの密度は、それぞれ、0.60g/cm3 、0.65
g/cm3 、0.70g/cm3 であった。そして、各ベイツガ
に対して、同様の難燃性試験を実施したところ、各ベイ
ツガに着火した炎が自然消火するため時間は、それぞ
れ、11秒、9秒を要した。結果を表1に併記する。
【0037】
【表1】
【0038】<実施例2>資源の有効利用のために、障
子、柱等の室内にて使用される木材の木屑を、フルイに
よって最大長さが5mm以下のものを選別した。選別され
た木屑は、密度が約0.6 g/cm3 であり、約11%の水分
を含んでいた。得られた木屑を、5重量%のフェノール
樹脂溶液とともに、混合機を用いて十分に混練して、直
径10mm、長さ100mm の円柱状に成形した。得られた加工
材の密度は、約0.60g/cm3 であった。
【0039】この加工材を、内径25mm、長さ150mm のゴ
ム袋内に充填して、オートクレーブ内にて、15〜60℃程
度の温度で、300 気圧にて2時間にわたって加圧処理し
た。その後、フェノール樹脂を硬化させるために、120
℃の温度で2時間にわたって加熱処理した。加熱処理が
終了すると、加工材が冷却した後に、所定の形状に加工
して合成木材とした。このようにして、15本の合成木材
を製造したところ、それらの平均密度は、0.90g/cm3
であった。
【0040】得られた1本の合成木材に対して、実施例
1と同様の難燃性試験を実施したところ、合成木材には
炎が着火したものの、3秒後には自然消火した。結果を
表2に示す。
【0041】同様に、オートクレーブ内の圧力をそれぞ
れ350 気圧、400 気圧、500 気圧、550 気圧、700 気
圧、800 気圧としたこと以外は、それぞれ、前述の条件
と同様の条件で、加工材をそれぞれ加圧処理したとこ
ろ、各気圧にてそれぞれ加圧処理された合成木材の密度
は、0.94g/cm3 、0.96g/cm3 、0.97g/cm3 、0.98
g/cm3 、1.00g/cm3 、1.10g/cm3 であった。そし
て、各合成木材に対して、実施例1と同様の難燃性試験
をそれぞれ実施したところ、350 気圧、400 気圧、500
気圧にてそれぞれ加圧処理された各合成木材には、それ
ぞれ炎は着火しなかった。また、550 気圧および700 気
圧にてそれぞれ加圧処理された各合成木材には炎が着火
したものの、3秒後に自然消火した。さらに、800 気圧
にて加圧処理された合成木材にも炎がそれぞれ着火した
ものの、2秒後に自然消火した。結果を表2に併記す
る。
【0042】比較のために、オートクレーブ内の圧力
を、それぞれ、10気圧、50気圧、100気圧としたこと以
外は、それぞれ、前述の条件と同様の条件で、加工材を
それぞれ加圧処理したところ、各気圧にてそれぞれ加圧
処理された合成木材の密度は、それぞれ、0.65g/c
m3 、0.71g/cm3 、0.76g/cm3 であった。そして、
加圧処理された各合成木材に対して難燃性試験をそれぞ
れ実施したところ、各合成木材には炎が着火し、10気圧
にて加圧処理された合成木材は自然消火しなかった。ま
た、50気圧、100 気圧にてそれぞれ加圧処理された各合
成木材にも炎がそれぞれ着火し、着火した炎が自然消火
するために、それぞれ、21秒、16秒を要した。結果を表
2に併記する。
【0043】
【表2】
【0044】<実施例3>檜の木屑を含む針葉樹の木屑
を、フルイによって最大長さが5mm以下のものを選別し
た。選別された木屑は、密度が約0.75g/cm3 であり、
約10.5%の水分を含んでいた。そして、選別された木屑
を、ゴム型内に充填して、オートクレーブにおいて、15
〜60℃の温度で加熱しつつ、20気圧の圧力で加圧して、
直径10mm、長さ100mm の円柱状に加工した。同様にし
て、15本の円柱状の加工材を形成した。得られた15本の
加工材の密度は、平均で約0.85g/cm3 であった。
【0045】次に、得られた各加工材を、それぞれ、オ
ートクレーブ中において、30%の硫酸チタン溶液に、15
〜60℃の温度で加熱しつつ、10気圧の圧力で加圧して、
30分にわたって浸漬した。その後、オートクレーブ内に
おいて、25重量%のアンモニア水に、15〜60℃の温度で
加熱しつつ、10気圧の圧力で加圧して、30分にわたって
浸漬した。そして、得られた各加工材をそれぞれ洗浄し
て、約4日にわたって放置したところ、各加工材はほぼ
一定の重量になり、各加工材の平均比重は0.94であっ
た。このことから、各加工材内には、それぞれ、10重量
%程度のチタニアが含浸されていると考えられる。
【0046】チタニアが含浸された各加工材を、それぞ
れゴム袋内に挿入した状態で、オートクレーブ内にて、
15〜60℃の温度で、200 気圧にて2時間にわたって加圧
処理することにより合成材を得た。得られた合成材の密
度は、1.22g/cm3 であった。
【0047】得られた合成木材に対して、実施例1と同
様の難燃性試験を実施したところ、合成木材には、炎が
着火したものの、2秒後には自然消火した。
【0048】同様に、オートクレーブ内の圧力をそれぞ
れ、250 気圧、300 気圧、350 気圧、400 気圧、450 気
圧としたこと以外は、それぞれ、前述の条件と同様の条
件で、加工材をそれぞれ加圧処理したところ、各気圧に
てそれぞの加圧処理された各合成木材の密度は、1.24g
/cm3 、1.25g/cm3 、1.26g/cm3 、1.26g/cm3
1.26g/cm3 であった。そして、加圧処理された各合成
木材に対して、実施例1と同様の難燃性試験をそれぞれ
実施したところ、250 気圧、300 気圧、350 気圧にてそ
れぞれ加圧処理された合成木材には、それぞれ炎が着火
しなかった。また、400 気圧および450 気圧にてそれぞ
れ加圧処理された合成木材には炎が着火したものの、0.
5 秒後にそれぞれ自然消火した。結果を表3に示す。
【0049】比較のために、オートクレーブ内の圧力
を、それぞれ、50気圧、100 気圧、150 気圧としたこと
以外は、それぞれ、前述の条件と同様の条件で、加工材
をそれぞれ加圧処理したところ、それぞれの気圧にて加
圧処理された各合成木材の密度は、1.01g/cm3 、1.06
g/cm3 、1.19g/cm3 であった。そして、得られた各
合成木材に対して難燃性試験をそれぞれ実施したとこ
ろ、各合成木材には炎が着火し、着火した炎が自然消火
するために、それぞれ、8.0 秒、6.5 秒、5.5 秒を要し
た。結果を表3に併記する。
【0050】
【表3】
【0051】<実施例4>檜の木屑を含む針葉樹の木屑
を、フルイによって最大長さが5mm以下の大きさのもの
を選別した。選別された木屑は、密度が約0.73g/cm3
であった。得られた木屑を、ゴム型内に充填して、オー
トクレーブにおいて、15〜60℃の温度で加熱しつつ、20
気圧の圧力で加圧して、直径10mm、長さ100mm の円柱状
に加工した。同様にして、15本の円柱状の加工材を形成
した。得られた15本の加工材の密度は、平均で約0.85g
/cm3 であった。
【0052】次に、得られた各加工材を、それぞれ、オ
ートクレーブ内において、29〜30重量%のコロイダルシ
リカの溶液に、15〜60℃の温度で加熱しつつ、10気圧の
圧力で加圧して、30分にわたって浸漬した。そして、得
られた各加工材をそれぞれ洗浄して、約4日にわたって
放置したところ、各加工材はほぼ一定の重量になり、加
工材の平均比重は0.96であった。このことから、各加工
材内には、それぞれ、13重量%程度のシリカが含浸され
ていると考えられる。
【0053】シリカが含浸された各加工材を、それぞれ
ゴム袋内に挿入して、オートクレーブ内にて、15〜60℃
の温度で、200 気圧にて2時間にわたって加圧処理する
ことによって合成木材を得た。得られた合成木材の密度
は、1.24g/cm3 であった。得られた合成木材に対し
て、実施例1と同様の難燃性試験を実施したところ、合
成木材には炎が着火したものの、1.5 秒後には自然消火
した。結果を表4に示す。
【0054】同様に、オートクレーブ内の圧力をそれぞ
れ、250 気圧、300 気圧、350 気圧、400 気圧、450 気
圧としたこと以外は、それぞれ、前述の条件と同様の条
件で、加工材をそれぞれ加圧処理したところ、各気圧に
おいて加圧処理された合成木材の密度は、1.26g/c
m3 、1.28g/cm3 、1.30g/cm3 、1.30g/cm3 、1.3
0g/cm3 であった。そして、加圧処理された各合成木
材に対して、実施例1と同様の難燃性試験をそれぞれ実
施したところ、250 気圧、300 気圧、350 気圧にてそれ
ぞれ加圧処理された各合成木材には、それぞれ炎が着火
しなかった。また、400 気圧および450 気圧にてそれぞ
れ加圧処理された各合成木材には炎がそれぞれ着火した
ものの、1.0 秒後にそれぞれ自然消火した。結果を表4
に示す。
【0055】比較のために、オートクレーブ内の圧力
を、それぞれ、50気圧、100 気圧、150 気圧としたこと
以外は、それぞれ、前述の条件と同様の条件で、加工材
をそれぞれ加圧処理して合成木材としたところ、各気圧
において加圧処理された各合成木材の密度は、1.02g/
cm3 、1.07g/cm3 、1.21g/cm3 であった。そして、
得られた各合成木材に対して難燃性試験をそれぞれ実施
したところ、各合成木材には炎がそれぞれ着火し、着火
した炎が自然消火するために、それぞれ、9.0 秒、6.0
秒、5.0 秒を要した。結果を表4に併記する。
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明の天然木材の改質方法は、このよ
うに、天然木材に無機質を含浸させて300 気圧以上の圧
力によって加圧処理するようになっているために、天然
木材の難燃性が著しく向上する。また、本発明の合成木
材の製造方法は、木屑等をバインダーによって結合し
て、300 気圧以上の圧力によって加圧処理するようにな
っているために、難燃性に優れた合成木材が得られる。
さらに、本発明の合成木材の製造方法では、木屑等を加
圧して成形した後に、200 気圧以上の圧力によって加圧
処理するようになっているために、難燃性に優れた合成
木材が得られる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然木材に無機物を含浸させた後に、30
    0 気圧以上の圧力によって所定時間にわたって加圧処理
    することを特徴とする天然木材の改質方法。
  2. 【請求項2】 前記無機物は光触媒性能を有している請
    求項1に記載の天然木材の改質方法。
  3. 【請求項3】 前記無機物はチタニアである請求項2に
    記載の天然木材の改質方法。
  4. 【請求項4】 前記加圧処理の圧力は、350 〜500 気圧
    である請求項1に記載の天然木材の改質方法。
  5. 【請求項5】 天然木材の木屑または木粉を所定形状に
    なるように、バインダーによって結束した状態で、300
    気圧以上の圧力によって、所定時間にわたって加圧処理
    することを特徴とする合成木材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加圧処理の圧力は、350 〜500 気圧
    である請求項5に記載の合成木材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記バインダーは、フェノール樹脂であ
    る請求項5に記載の合成木材の製造方法。
  8. 【請求項8】 天然木材の木屑または木粉を、加圧処理
    して所定形状の加工材に成形する工程と、 成形された加工材に無機物を含浸させる工程と、 無機物が含浸された加工材を、200 気圧以上の圧力によ
    って、所定時間にわたって加圧処理する工程と、 を包含することを特徴とする合成木材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記無機物は光触媒性能を有している請
    求項8に記載の合成木材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記無機物はチタニアである請求項8
    に記載の合成木材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記無機物はシリカである請求項8に
    記載の合成木材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記加圧処理の圧力は、250 〜350 気
    圧である請求項8に記載の合成木材の製造方法。
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