JP2000306705A - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体の製造方法

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JP2000306705A
JP2000306705A JP11114487A JP11448799A JP2000306705A JP 2000306705 A JP2000306705 A JP 2000306705A JP 11114487 A JP11114487 A JP 11114487A JP 11448799 A JP11448799 A JP 11448799A JP 2000306705 A JP2000306705 A JP 2000306705A
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butyl carbitol
hpc
water
voltage non
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JP11114487A
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Toyoshige Sakaguchi
豊重 坂口
Akinori Tanaka
顕則 田中
Kazuo Koe
和郎 向江
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃電流耐量の優れた電圧非直線抵抗体を提供
でする。 【解決手段】電圧非直線抵抗体の絶縁処理層を形成する
ためのガラスペーストのバインダとして、溶剤としてブ
チルカルビトールを20〜60wt.%、結合剤としてヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC)を2〜4wt.%、ガ
ラスフリットの沈降防止剤としてポリエチレングリコー
ル(PEG)を0.5〜2wt.%加えたバインダを用いる
ことにより、均一な厚さの絶縁処理層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝撃電流耐量の優れ
た電圧非直線抵抗体の製造方法に係り、特に焼結体側面
の絶縁処理剤であるガラス粉末をペースト状にするため
のバインダに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、これ
に希土類元素、コバルト(Co),カリウム(K),ク
ロム(Cr)などを酸化物などの形で添加混合し、通常
のセラミック製造方法により得られる電圧非直線抵抗体
はアレスタ、バリスタなどに広く用いられている。
【0003】図1は電圧非直線抵抗体の模式断面図であ
る。図1において3は絶縁処理層である。この絶縁処理
層は、ガラス粉末とバインダを混練してペースト状にし
たものを塗布、焼付して形成される。バインダとして
は、溶剤に酢酸イソアミルを用いたものなどが使用され
る。また、特開平3−91201号公報に開示されてい
るようにニトロセロースをブチルカルビトールで溶かし
たものなども使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
溶剤に酢酸イソアミルを用いたバインダやニトロセロー
スをブチルカルビトールで溶かしたバインダは以下に述
べるような問題がある。
【0005】まず、溶剤に揮発性の高い酢酸イソアミル
を使用しているものは、乾燥速度が早く、塗布している
途中にも溶剤が蒸発してしまいガラスペーストの粘度が
変化する。このためにガラスペーストを均一な厚さに塗
布することが困難である。結果として絶縁処理層は焼付
ムラが生じており衝撃電流耐量が低くなることがある。
また、揮発性の高い酢酸イソアミルは、作業安全上も注
意を要する。さらに、市販のために価格的にも割高であ
る。
【0006】一方、ニトロセロースをブチルカルビトー
ルで溶かしたバインダは、溶剤のブチルカルビトールの
揮発性が、酢酸イソアミルとは逆に非常に低いために乾
燥速度が遅すぎて、乾燥工程に入るまでの間に塗布した
ペーストが垂れてしまうという、いわゆる塗布ダレが生
じる。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、衝撃電流耐量の優れた電圧非直線抵抗体を製造す
るための、廉価で安全性が優れ且つ作業性の優れたバイ
ンダを用いて絶縁処理層を形成する、電圧非直線抵抗体
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題解決のため本
発明の電圧非直線抵抗体の製造方法は、電圧非直線抵抗
体の絶縁処理層が、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル(以下ブチルカルビトールと記す)が20〜60
wt.%、ヒドロキシプロピルセルロース(以下HPCと記
す)が2〜4wt.%、ポリエチレングリコール(以下PE
Gと記す)が0.5〜2wt.%で、残部が水から成るバイ
ンダを用いてガラスペーストを塗布,乾燥するものとす
る。
【0009】ブチルカルビトール、HPC、PEGの選
定理由は以下の通りてある。バインダに要求される性能
として次の点が上げられる。 ・適度な乾燥速度であること ・付着強度が高いこと(塗布・乾燥後に次工程の焼付処
理までのハンドリングなどで塗膜が剥がれ落ちないこと ・電圧非直線抵抗体の電気的初期特性に悪影響を与えな
いこと ・塗膜にクラック,気泡などが生じないこと ・安価であること ・危険性が低いこと(毒性,引火,爆発性が低いこと) 以上の要求性能から、水溶性のバインダが適当である。
水と結合剤のみで基本的な性能は備えているが、溶媒が
水のみでは乾燥が早すぎる。そこで揮発性の低い有機溶
媒を加えた混合溶媒で乾燥速度を適度に調整する必要が
ある。
【0010】この目的にはブチルカルビトールの方が、
酢酸イソアミルに比較して毒性,引火,爆発性が低く、
且つ揮発性が低く適している。 溶媒としてブチルカル
ビトールを使うには、結合剤は水にも有機溶媒にも溶解
するものでなければならない。従って、エチルセロース
(EC)、ニトロセルロース(NC)、ポリビニールア
ルコール(PVA)、メチルセルロース(MC)、HP
C、PEGなどの結合剤の中で、水にも有機溶媒にも溶
解し結合力の大きなHPCが適している。
【0011】PEGも水と有機溶媒の双方に溶解する。
PEGはセラミックス製造においては一般にセラミック
成形用の潤滑剤や可塑剤として使用されるものである
が、本発明ではガラスフリットの沈殿を抑制すること、
および塗膜に可塑性を付与することを目的として配合し
た。また、ブチルカルビトール、HPC、PEGの添加
量は、後述の実験により決定した。
【0012】
【本発明の実施の形態】以下、本発明に至った実験の詳
細について説明する。酸化亜鉛(ZnO)粉末に酸化プ
ラセオジム(Pr6 11)、酸化コバルト(Co
3 4 )、炭酸カリウム(K2 CO3 )、酸化クロム
(Cr3 4 )などの副成分を所定量添加した原料をボ
ールミルで十分湿式混合する。この原料スラリーにポリ
ビニールアルコール(PVA)などのバインダを加えた
後、噴霧乾燥器で造粒する。次いで直径38mm,厚さ3
4mmの円柱状に成形し、この成形体を1100〜130
0℃の温度範囲で大気中で焼成した後、両端面を研磨し
直径30mm、厚さ25mmの焼結体を得た。
【0013】一方、次の方法で本発明の主眼であるバイ
ンダを調製した。HPCを水に溶かすには、あらかじめ
有機溶媒に湿潤させておき、水を加えて溶解する有機溶
媒湿潤法で調製した。
【0014】HPC粉末を直接、水で溶解しようとする
と、ままこ(いわゆる、だま)が発生して均一に溶解す
るまでに長時間を要する。溶解方法としては、HPCは
熱水には溶けないので熱水に均一に分散してから冷却し
て溶解する熱水法と、有機溶媒湿潤法などがある。しか
し、熱水法は作業が煩雑なこと、本発明におけるバイン
ダは、有機溶媒のブチルカルビトールを配合しているこ
とから、有機溶媒湿潤法を選択した。
【0015】具体的にはまず、所定量のブチルカルビト
ール液中に、攪拌しながら所定量のHPC粉末をままこ
を作らないように少量ずつ加え、更に攪拌しながら水を
所定量の約半分加える。次いで、PEGの所定量を加え
る。HPCとPEGが全量溶解したら残りの水を加えバ
インダを完成させる。
【0016】次に、硼珪酸系ガラス粉末にZrO2 ・S
iO2 (ジルコン)粉末を0〜60wt.%の範囲で加えて
十分混合した複合系ガラスフリットに、上で調製したバ
インダを25wt.%加えて十分混練しガラスペーストを得
た。
【0017】このガラスペーストを前記の直径30mm,
厚さ25mmの焼結体の側面に30mg/cm2 の量となるよ
うに筆塗りした後、これを大気中で温度700℃で20
分間熱処理し絶縁処理層を形成した。そのときの温度の
昇降速度は40℃/分であり、絶縁処理層の厚さは50
μm である。次いで焼結体の上下両端面をサンドブラス
トした後、直径28mmのAlの溶射電極を設けることに
より図1の電圧非直線抵抗体を得る。
【0018】以上のようにして得られた本発明による電
圧非直線抵抗体についての、先に得られたガラスペース
トの乾燥速度,ガラスペースト中のガラスフリットの沈
降速度、焼結体へ塗布された塗膜の強度、筆塗りのしや
すさである塗布性を評価した結果と、衝撃電流耐量の評
価した結果とを従来例と比較して表1に示す。なお、表
1のバインダ配合割合における残部は水である。また、
比較例1は溶剤に酢酸アミルを用いたバインダを使用し
たもの、比較例2はニトロセロースをブチルカルビトー
ルで溶かしたバインダを用いたものである。
【0019】
【表1】 ここで衝撃電流耐量は、パルス幅0.4μs の衝撃電流
を40kAから10kAステップで印加し、沿面フラッシュ
オーバーを起こす前の最大の電流値である。一方、乾燥
速度、沈降速度、付着強度、塗布性は次のような定性
的、感覚的な方法で評価し、良のものに○印、不良のも
のに×印を付した。
【0020】乾燥速度は塗布性とも関連するが、塗布作
業から有機溶媒を飛ばす乾燥作業に入るまでの、1試料
当たり約3分間の塗膜の乾き具合を目視観察した。乾燥
が早すぎると、塗布作業中にもガラスペーストの粘度が
変化して均一に塗布するのが困難となり、結局、塗布性
不良と判定される。逆に乾燥が遅すぎると塗布ダレが生
じて、これもまた塗布性不良と判定される。
【0021】沈降速度は、ガラスペーストを十分に混練
した後、透明容器に入れて、48時間放置後のガラスフ
リットとバインダの分離比率、すなわち、容器中のガラ
スペースト全量に対するガラスフリットが沈殿した量を
その高さで測定することにより評価した。当然のことな
がら沈降速度が遅くガラスフリットの沈殿量の少ない方
が評価良となる。
【0022】塗膜の付着強度については、塗乾燥後に塗
布面を手指でつかんでも剥がれ落ちることなく持ち運べ
るか否かで評価した。表1においてブチルカルビトール
量が10wt.%の試料 No.1は、ブチルカルビトール量が
少なすぎるため乾燥速度が早く、塗布性不良である。そ
して塗布性が悪いために不均一な塗膜すなわち不均一な
絶縁処理層となり、衝撃電流耐量が低い。ブチルカルビ
トール量が70wt.%の試料 No.7は乾燥速度が遅すぎる
ために塗布ダレが生じる。試料 No.8は結合剤であるH
PC量が少ない(1wt.%)ために付着強度が弱い。試料
No.11は結合材のHPC量が多く(5wt.%)付着強度
は十分だが、ガラスペーストの粘度が高いため塗布性が
悪い。
【0023】PEG量が0wt.%の試料 No.12は沈降速
度が早い。試料 No.16はPEG量が多い(3wt.%)た
めに粘度が高く同様に塗布性が悪い。比較例1は、乾燥
速度が早く塗布性が悪い。また、試料 No.17は沈降速
度が早いため常にガラスペーストを攪拌しておかなけれ
ばならない。比較例2は、試料 No.7と同様に乾燥速度
が遅すぎるために塗布ダレが生じる。
【0024】結局、試料 No.2〜6、9、10、13〜
15が、ガラスペーストの評価として乾燥速度、塗布
性、沈降速度、塗膜の付着強度が良好であり、比較例よ
り衝撃電流耐量が優れている。衝撃電流耐量が70kA以
上であるものに、総合評価良として最後の欄に○印を付
した。結局、乾燥速度、塗布性、沈降速度、付着強度の
いずれかが不良のものは総合評価良とはならなかった。
【0025】以上から、バインダ配合割合としては、ブ
チルカルビトール20〜60wt.%、HPC2〜4wt.%、
PEG0.5〜2wt.%、残部を水とした範囲にすれば、
大きい衝撃電流耐量を持つ電圧非直線抵抗体が得られる
ことがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が20
〜60wt.%、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
が2〜4wt.%、ポリエチレングリコール(PEG)が
0.5〜2wt.%で、残部が水から成るバインダを用いて
ガラスペーストを塗布,焼付することにより、廉価で安
全性も優れ且つ乾燥速度を適度に調整できるため、均一
な厚さの絶縁処理層を形成することができる。そして衝
撃電流耐量の優れた電圧非直線抵抗体が得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電圧非直線抵抗体の構成を示す模式断
面図
【符号の説明】
1 電極 2 焼結体 3 絶縁処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向江 和郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5E034 CA09 CB01 CC07 DA03 DB14 DB17 DE12 EA07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし電圧非直線性を有す
    る焼結体の少なくとも側面に、ガラス粉末とバインダを
    混練してペースト状にしたものを塗布、焼付して絶縁処
    理する電圧非直線抵抗体の製造方法において、ジエチレ
    ングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトー
    ル)が20〜60wt.%、ヒドロキシプロピルセルロース
    (HPC)が2〜4wt.%、ポリエチレングリコール(P
    EG)が0.5〜2wt.%で、残部が水から成るバインダ
    を用いることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方
    法。
JP11114487A 1999-04-22 1999-04-22 電圧非直線抵抗体の製造方法 Pending JP2000306705A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010129817A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Murata Mfg Co Ltd 非線形抵抗変化素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010129817A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Murata Mfg Co Ltd 非線形抵抗変化素子

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