JP2000306377A - 磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子、該素子を用いたメモリ装置、及び情報読み出し方法 - Google Patents

磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子、該素子を用いたメモリ装置、及び情報読み出し方法

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JP2000306377A
JP2000306377A JP11267469A JP26746999A JP2000306377A JP 2000306377 A JP2000306377 A JP 2000306377A JP 11267469 A JP11267469 A JP 11267469A JP 26746999 A JP26746999 A JP 26746999A JP 2000306377 A JP2000306377 A JP 2000306377A
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magnetic thin
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magnetoresistive element
voltage
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Naoki Nishimura
直樹 西村
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10BELECTRONIC MEMORY DEVICES
    • H10B61/00Magnetic memory devices, e.g. magnetoresistive RAM [MRAM] devices
    • H10B61/20Magnetic memory devices, e.g. magnetoresistive RAM [MRAM] devices comprising components having three or more electrodes, e.g. transistors
    • H10B61/22Magnetic memory devices, e.g. magnetoresistive RAM [MRAM] devices comprising components having three or more electrodes, e.g. transistors of the field-effect transistor [FET] type

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路構成で高集積化が可能であり、安
定に情報を記録/再生することができる磁気薄膜/半導
体ハイブリッド素子を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗素子と、磁気抵抗素子の一端に
直列に接続された抵抗器と、磁気抵抗素子と前記抵抗器
との接続点にゲート電極が接続された電界効果トランジ
スタとを有するを有する構成であり、電界効果トランジ
スタには、定電圧源から負荷抵抗器を介して所定の直流
電圧がドレインに供給される。また、電界効果トランジ
スタのソース電流が流れる電流路が磁気抵抗素子に近接
して配置され、磁気抵抗素子に情報を記録するための書
込み線が該電流路から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗素子と半導
体デバイスとがハイブリッド化された磁気薄膜/半導体
ハイブリッド素子、該素子を用いたメモリ装置、及びそ
の情報読み出し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜磁気ヘッドのように磁気抵抗
効果を応用した様々な素子の開発が進められている。そ
のような素子として、現在使用されているDRAMやE
EPROMと置き換えることが可能な磁気抵抗素子を用
いたメモリ装置(磁性薄膜メモリ)が提案されている。
磁気抵抗素子は磁化状態によって抵抗の大きさが変わる
ため、半導体素子とハイブリッド化することで不揮発性
の固体メモリを実現することができる。
【0003】例えば、特開平6−84347号公報に
は、磁気抵抗素子と電界効果トランジスタ(field effe
ct transistor :以下、FETと称す)等のスイッチン
グ素子とから構成されたメモリ素子を有するメモリ装置
(磁性薄膜メモリ)が提案されている。図17にこのメ
モリ装置の構成を示す。
【0004】図17は従来の磁気薄膜/半導体ハイブリ
ッド素子の応用例であるメモリ装置の構成を示す回路図
である。また、図18は図17に示したメモリ素子の磁
性膜の構成を示す模式図であり、図19は図17に示し
た磁気抵抗素子の磁化状態を示す模式図である。
【0005】図17において、従来のメモリ装置は、磁
性体の磁化の状態によって情報を記録する磁気抵抗素子
1と、情報の記録/再生を行うスイッチング素子2とを
それぞれ有する複数のメモリ素子によって構成されてい
る。スイッチング素子2には、例えば、FETが用いら
れ、各FETのソース電極には書込み線5が接続されて
いる。磁気抵抗素子1の一端は書込み線5に直接接する
ようにそれぞれ配置され、磁気抵抗素子1の他端はそれ
ぞれ接地電位に接続される。
【0006】また、メモリ装置内にはスイッチング素子
2をオン/オフさせる電圧を供給するための複数の選択
線4と、メモリ素子に対して情報の書込み/読み出しを
行うための複数のデータ線3とが格子状に配置され、メ
モリ素子は選択線4及びデータ線3の交点に対応してそ
れぞれ設けられている。メモリ素子を構成するFETの
ゲート電極は図の横一列毎にそれぞれ選択線4に共通に
接続され、FETのドレイン電極は図の縦一列毎にそれ
ぞれデータ線3に共通に接続される。各データ線3には
それぞれ抵抗器6が接続され、抵抗器6を介してデータ
線3に所定の電圧を印加することでメモリ素子に情報を
記録する。
【0007】なお、図17では、各構成要素をそれぞれ
区別するために、磁気抵抗素子1に対して1aa〜1a
c、1ba〜1bcの符号を付与し、スイッチング素子
2に対して2aa〜2ac、2ba〜2bcの符号を付
与し、書込み線5に対して5aa〜5ac、5ba〜5
bcの符号を付与している。また、データ線3に3a〜
3cの符号を付与し、選択線4に4a、4bの符号を付
与している。
【0008】図18に示すように、例えば、磁気抵抗素
子1は、保磁力の大きい磁性層20と保磁力の小さい磁
性層21とがそれぞれ非磁性層22を挟んで数回積層さ
れた、いわゆる巨大磁気抵抗(Giant Magneto Resistan
ce (GMR) Material:以下、GMRと称す)膜によって
構成されている。GMR膜は、保磁力の大きい磁性膜と
保磁力の小さい磁性膜の磁化の向きが同方向のときに抵
抗が小さく、磁化の向きが逆方向のときに抵抗が大きく
なる特性を有している。
【0009】次に、図17に示したメモリ装置に対する
情報の記録/再生方法について説明する。
【0010】例えば、磁気抵抗素子1acに「1」の情
報を記録する場合、まず、データ線3cに+V3の電圧
を印加する。この状態で、選択線4aにV4の電圧を印
加するとスイッチング素子2acがオンし、図19に示
すように、磁気抵抗素子1ac及び書込み線5acに、
紙面の裏側から表方向に向かって比較的大きな電流I1
が流れる。このとき磁気抵抗素子1acには電流I1
よって磁界H1が印加され、磁気抵抗素子1acの記録
に携わる保磁力の小さい磁性層bの磁化の向きが磁界H
1の向きである左方向を向く。
【0011】また、磁気抵抗素子1acに「0」の情報
を記録する場合は、データ線3cに−V3の電圧を印加
する。この状態で、選択線4aにV’4の電圧を印加す
るとスイッチング素子2acがオンし、図19に示すよ
うに、磁気抵抗素子1ac及び書込み線5acに、紙面
の表側から裏方向に向かって電流I1とは逆向きの比較
的大きな電流がI0が流れる。このとき磁気抵抗素子1
acには電流I0によって磁界H0が印加され、磁気抵抗
素子1の記録に携わる保磁力の小さい磁性層bの磁化の
向きが磁界H0の向きである右方向を向く。
【0012】ここで、スイッチング素子2acは、選択
線4aに所定の電圧が印加されたときのみオンするた
め、データ線3cに共通に接続された他の磁気抵抗素子
1bcには電流が流れない。また、所定の電圧が印加さ
れたデータ線3c以外のデータ線3には電流が流れない
ため、選択線4aに共通に接続された他の磁気抵抗素子
1aa、1abにも電流は流れない。
【0013】保磁力の大きい磁性層aの磁化の向きは、
通常、図の右方向を向くように初期化されているため、
磁気抵抗素子1acの抵抗値は、「1」が記録された状
態では大きく、「0」が記録された状態では小さくな
る。
【0014】一方、磁気抵抗素子1acに記録された情
報を再生する場合、データ線3cに再生用の一定電流を
3を流し、スイッチング素子2acがオンするように
選択線4aに適当な電圧を印加する。これにより書込み
線5ac及び磁気抵抗素子1acに電流が流れるため、
このときに発生する点α(スイッチング素子2acのド
レイン電圧)と点β(接地電位)の電位差Vαβを測定
する。
【0015】上述したように、磁気抵抗素子1acは、
その磁化の状態によって抵抗値が異なるため、電位差V
αβも異なり、電位差Vαβを測定することにより磁気
抵抗素子1の磁化の状態を判別することが可能である。
このことにより磁気抵抗素子に記録された情報を読み出
すことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
メモリ素子(磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子)で
は、選択したスイッチング素子(例えば、FET)のソ
ース電極またはドレイン電極に接続された磁気抵抗素子
の抵抗値の変化によって生じる電圧差を検出することで
記録された情報を判別している。
【0017】しかしながら、この電圧差はドレイン電流
Iと磁気抵抗素子の抵抗差ΔRの積I・ΔRに比例する
ため、抵抗差ΔRが小さい磁気抵抗素子では、情報を判
別するために必要な電圧差を得ることが困難であった。
【0018】また、抵抗差ΔRが小さい磁気抵抗素子で
は、情報を判別するために必要な電圧差を得るためにド
レイン電流を大きくする必要があるが、ドレイン電流を
大きくするとメモリ素子の消費電力が大きくなるという
問題が発生する。
【0019】さらに、抵抗差ΔRが大きいと言われる磁
気抵抗素子であっても、一般に、抵抗差によって得られ
る電位差は小さいため、センス回路によって増幅する必
要があり、回路構成が複雑になるという問題点がある。
【0020】例えば、図20に示すようなメモリ素子を
構成し、FETのドレイン電極に定電流源I1を接続し
てその電流値を変え、ドレイン電極(A点)と接地電位
(B点)間の電圧VABを測定する場合を考える。なお、
定電圧源V1の出力電圧は5Vで一定とする。
【0021】このときの測定結果を図21及び図22に
示す。図21は抵抗値が10Ωと11Ω(抵抗変化率1
0%)の2値となるスピン散乱膜から成る磁気抵抗素子
を用いた場合の、定電流源の出力電流Iに対する電圧V
ABの関係を示すグラフである。また、図22は抵抗値が
4.0KΩと4.8KΩ(抵抗変化率20%)の2値と
なるスピントンネル膜から成る磁気抵抗素子を用いた場
合の、定電流源の出力電流Iに対する電圧VABの関係を
示すグラフである。
【0022】図21に示すように、スピン散乱膜から成
る磁気抵抗素子を用いた場合、例えば、定電流源の出力
電流Iを3mAとした時の磁気抵抗素子の抵抗差による
電圧VABの差は3mVである。このように小さい電圧を
メモリ内部で安定に検出することは困難であり、この検
出電圧をメモリの外部に数V単位の電圧に変換して出力
するためには増幅を行う必要がある。
【0023】一方、図22に示すように、スピントンネ
ル膜から成る磁気抵抗素子を用いた場合、定電流源の出
力電流Iを0.689mとしたときの電圧VABはΔR×
I=0.8KΩ×0.689mA=551mVであり、
メモリの外部に数V単位の電圧を出力するためには、や
はりセンス回路によって増幅する必要がある。
【0024】ところで、定電流源の出力電流Iを0.6
90mAにすると、ソース電位が増加するためゲート−
ソース間電圧は、5V−(0.690mA×4.8K
Ω)=1.688Vとなる。この値はFETのしきい値
電圧以下であるため、FETがオンせずにソース−ドレ
イン間に電流が流れない。したがって、定電流源の出力
電流Iを0.690mA以上に設定することができな
い。このため、ドレインに流す電流を増加させることで
情報を精度良く検出することは不可能である。これは、
図17に示したような従来の構成では、FETをスイッ
チング素子としてのみ用い、増幅作用を持たせていない
ためである。
【0025】さらに、従来の磁気薄膜/半導体ハイブリ
ッド素子では、磁気抵抗素子に接して設けられた書込み
線により磁界を発生させて記録する場合に、磁気抵抗素
子の抵抗値を測定するための電流路と記録電流路が同じ
であるため、記録時に流す電流が磁気抵抗素子にも流れ
てしまう。そのため書き込み線の電流が不足し、書込み
線から効率的に磁界を発生させることができないため、
安定して記録を行うことができなかった。
【0026】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、簡単な
回路構成で高集積化が可能であり、安定に情報を書き込
み、読み出すことのできる磁気薄膜/半導体ハイブリッ
ド素子、及び該素子を用いたメモリ装置を提供すること
を目的とする。
【0027】また、本発明の更なる目的は、安定に情報
を書き込むことができ、高感度で情報を読み出すことが
できる磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子、及び該素子
を用いたメモリ装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子は、磁気抵
抗素子と、前記磁気抵抗素子の一端に直列に接続された
抵抗器と、前記磁気抵抗素子と前記抵抗器との接続点に
ゲート電極が接続された電界効果トランジスタと、を有
する構成である。
【0029】このとき、前記磁気抵抗素子は、小さい保
磁力を持つ第1の磁性層と、非磁性層と、前記第1の磁
性層よりも大きい保持力を持つ第2の磁性層とが順次積
層されて構成されたものでもよい。
【0030】また、前記磁気抵抗素子に情報を記録する
ための書込み線を、さらに有する構成であってもよく、
前記電界効果トランジスタのソース電流が流れる電流路
が前記磁気抵抗素子に近接して配置され、前記書込み線
が該電流路から構成されていてもよい。
【0031】さらに、前記抵抗器が電界効果トランジス
タから構成されていてもよく、前記抵抗器が磁気抵抗素
子から構成されていてもよい。
【0032】一方、本発明のメモリ装置は、上述した磁
気薄膜/半導体ハイブリッド素子と、前記磁気抵抗素子
に前記抵抗器を介して所定の電圧を供給する第1の電圧
源と、前記電界効果トランジスタのソース電極とドレイ
ン電極間に一定の電圧を供給する第2の電圧源と、を有
する構成であり、前記電界効果トランジスタのソース電
極と前記第2の電圧源との間に接続された負荷抵抗器
を、さらに有する構成である。
【0033】また、上述した磁気薄膜/半導体ハイブリ
ッド素子と、前記磁気抵抗素子に前記抵抗器を介して所
定の電圧を供給する電圧源と、前記電界効果トランジス
タのソース電極とドレイン電極間に所定の一定電流を流
すための電流源と、を有する構成である。
【0034】さらに、マトリックス状に配置された複数
個の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子と、前記複数個
の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子のうち、同一行に
配置された磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子が備える
抵抗器を互いに接続する複数の選択線と、前記選択線を
介して所望の行の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子の
磁気抵抗素子に選択的に電圧を供給する第1の電圧源
と、前記磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子から情報を
読み出すために設けられ、同一列の磁気薄膜/半導体ハ
イブリッド素子が備える電界効果トランジスタのソース
電極を互いに接続する複数のデータ線と、前記データ線
を介して所望の列の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子
の電界効果トランジスタに選択的に電圧を供給する第2
の電圧源と、を有する構成である。
【0035】また、本発明の情報読み出し方法は、上述
したメモリ装置のうち、特定の磁気薄膜/半導体ハイブ
リッド素子に記録された情報を読み出すための情報読み
出し方法であって、前記第1の電圧源によって該磁気薄
膜/半導体ハイブリッド素子が備える抵抗器に接続され
た選択線に所定の一定電圧を選択的に供給する工程と、
前記第2の電圧源によって該磁気薄膜/半導体ハイブリ
ッド素子が備える電界効果トランジスタのソース電極に
接続されたデータ線に所定の一定電圧を選択的に供給す
る工程と、前記電圧を印加したデータ線を通して該磁気
薄膜/半導体ハイブリッド素子が備える電界効果トラン
ジスタのオン/オフを検出することで該磁気薄膜/半導
体ハイブリッド素子に記録された情報を読み出す工程
と、を有する方法である。
【0036】上記のように構成された磁気薄膜/半導体
ハイブリッド素子は、磁気抵抗素子の抵抗値が小さいと
きに電界効果トランジスタのゲートに印加される電圧が
電界効果トランジスタのしきい値電圧よりも小さくなる
ように抵抗器の値を設定し、かつ磁気抵抗素子の抵抗値
が大きいときに電界効果トランジスタのゲートに印加さ
れる電圧が電界効果トランジスタのしきい値電圧よりも
大きくなるように抵抗器の値を設定すれば、磁気抵抗素
子の抵抗が小さいときには電界効果トランジスタがオフ
してソース、ドレイン間に電流が流れず、磁気抵抗素子
の抵抗が大きいときには電界効果トランジスタがオンし
てソース、ドレイン間に電流が流れるようになる。
【0037】したがって、電界効果トランジスタのドレ
インの電位、あるいは電界効果トランジスタのドレイン
電流を測定し、電界効果トランジスタのオン、オフ状態
を検出することで、磁気抵抗素子の磁化状態を判別する
ことができる。
【0038】また、電界効果トランジスタのソース電流
が流れる電流路を磁気抵抗素子に近接して配置し、その
電流路を書込み線として用いることで、磁気抵抗素子に
情報を記録するための専用の書込み線を設ける必要がな
くなる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。
【0040】(第1実施例)図1は本発明のメモリ素子
(磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子)の第1実施例の
構成を示す回路図である。
【0041】図1において、本実施例の磁気薄膜/半導
体ハイブリッド素子は、定電圧源V1と接地電位GND
間に直列に接続された磁気抵抗素子R1及び抵抗器R2
と、磁気抵抗素子R1及び抵抗器R2の接続部位にゲー
ト電極が接続されたMOS(metal oxide semiconducto
r)型電界効果トランジスタ(以下、MOSFETと称
す)M1と、MOSFETM1の負荷となる抵抗器R3
と、抵抗器R3を介してMOSFETM1のドレイン電
極に所定の直流電圧を印加する定電圧源V2とによって
構成されている。なお、MOSFETM1のソース電極
は接地電位GNDと接続されている。
【0042】磁気抵抗素子R1は、例えば、AMR(An
isotropic Magneto Resistance)膜、あるいはGMR膜
が用いられ、磁化の状態によって抵抗値が異なる素子で
ある。また、抵抗器R2及びR3は一定の抵抗値を有す
る素子である。
【0043】AMR膜を用いた磁気抵抗素子は、NiF
e、Coなどの磁性膜に流す電流方向と磁化方向の角度
によって抵抗値が異なる素子である。また、GMR膜を
用いた磁気抵抗素子は、非磁性膜を保磁力の異なる2つ
の磁性膜で挟んだ構造であり、2つの磁性膜の磁化方向
によって抵抗値が異なる素子である。
【0044】このような構成において、図1に示したM
OSFETM1のゲート電極には、式(1)に示すよう
なゲート電圧Vgが印加される。
【0045】
【数1】 ここで、r1は磁気抵抗素子R1の抵抗値、r2は抵抗
器R2の抵抗値、E1は定電圧源V1の出力電圧であ
る。
【0046】磁気抵抗素子R1の抵抗値が、その磁化状
態によって、r1min、r1max(r1min<r
1max)の2つの値をとる場合、抵抗値がr1min
のときのMOSFETM1のゲート電圧をVg1とし、
抵抗値がr1maxのときのMOSFETM1のゲート
電圧をVg2とすると、Vg1及びVg2は、それぞれ
式(2)、式(3)に示すようになる。
【0047】
【数2】 このとき、MOSFETM1のしきい値電圧Vthが、
Vg1とVg2の間にあるようにr1及びr2の値をそ
れぞれ設定すれば、
【0048】
【数3】 となり、磁気抵抗素子R1の抵抗がr1minのときに
はMOSFETM1がオフしてソース−ドレイン間に電
流が流れず、磁気抵抗素子R1の抵抗がr1maxのと
きにはMOSFETM1がオンしてソース−ドレイン間
に電流が流れるようになる。
【0049】したがって、MOSFETM1のドレイン
電極と接地電位間の電位差、あるいはMOSFETM1
のドレイン電流を測定することで、磁気抵抗素子R1の
磁化状態を検出することができる。
【0050】すなわち、本実施例の構成によれば、MO
SFETM1のオン/オフによって磁気抵抗素子R1の
磁化状態を検出することができるため、磁気抵抗素子R
1の磁化状態を高感度に検出することができる。
【0051】例えば、本実施例の磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子をハードディスクの磁界センサーとして用
いれば高感度な磁界センサーとなり、メモリ素子として
用いれば、記録された情報を高感度に検出できる固体メ
モリを実現することができる。
【0052】なお、本実施例の効果は図1に示した回路
構成に限定されるものではなく、例えば、MOSFET
の代わりに、接合(junction)型電界効果トランジスタ
(JFET)、MES(metal semiconductor)型電界
効果トランジスタ(MESFET)、酸化膜以外の絶縁
体を有するMIS(metal insulator semiconductor)
型電界効果トランジスタ(MISFET)を用いてもよ
い。但し、微細化工程の制御の安定性等の点からMOS
FETを用いるのが最も望ましい。
【0053】また、磁気抵抗素子R1の他端には、接地
電位ではなく定電圧源を接続してもよく、定電圧源V
1、V2は磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子の外部か
ら供給してもよい。
【0054】また、図1に示した磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子では、R1を磁気抵抗素子、R2を抵抗器
としたが、R1を抵抗器、R2を磁気抵抗素子とした構
成でもよい。
【0055】さらに、本実施例では、MOSFETM1
のドレインに負荷である抵抗器R3を介して定電圧を供
給し、ドレイン電極の電位を測定することで磁気抵抗素
子R1の抵抗値の変化を検出したが、このような方法に
限らず、例えば、ドレイン電流をさらに増幅するセンス
回路を用いてもよく、ドレイン電極に定電流源を接続
し、ドレイン電極とソース電極間に所定の一定電流を流
すことができるようにして、ドレイン電極の電位を測定
することで磁気抵抗素子R1の抵抗値の変化を検出して
もよい。
【0056】(第2実施例)次に本発明の第2実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0057】本実施例では、第1実施例の磁気薄膜/半
導体ハイブリッド素子に、磁気抵抗素子の抵抗値を電気
的あるいは電磁気的に変化させる情報記録手段を付加し
た構成である。このような情報記録手段を設けること
で、記録された情報を高感度に検出することが可能で、
高集積化が可能なメモリ素子を構成することができる。
図2は図1に示した磁気抵抗素子に情報を記録する情報
記録手段の一例を示す模式図である。
【0058】図2(a)、(b)に示すように、情報記
録手段は、例えば、磁気抵抗素子10の近傍に配置され
る書込み線14によって構成される。書込み線14には
電流を流すための電圧源あるいは電流源が接続される。
なお、図2(a)、(b)は、磁気抵抗素子10として
小さい保磁力を有する第1の磁性層11、及び第1の磁
性層11よりも大きな保持力を有する第2の磁性層12
と、それらに挟まれる非磁性層13とから成るGMR膜
を用いた例を示している。
【0059】このような構成において、磁気抵抗素子1
0には書込み線14に電流を流すことによって情報を記
録する。書込み線14に電流を流すと、その書込み電流
の大きさに比例する磁界が発生し、発生した磁界によっ
て磁気抵抗素子の磁性層が磁化される。その際、書込み
電流の流れる方向を変えれば発生する磁界の向きも変わ
るため、記録したい情報に応じて磁気抵抗素子10の磁
化方向を変えることができる。
【0060】例えば、書込み線14に対して紙面の裏側
から表に向かう方向の書込み電流を流せば、磁気抵抗素
子10は図の右向きに磁化され、紙面の表側から裏に向
かう方向の書込み電流を流せば、磁気抵抗素子10は図
の左向きに磁化される。
【0061】書込み電流によって発生させる磁界の大き
さは、磁気抵抗素子10の情報を記録する磁性層(メモ
リ層)の保磁力よりも大きくなるように設定する。例え
ば、第1の磁性層11をメモリ層とし、第2の磁性層1
2を、第1の磁性層11のよりも保磁力が大きく、あら
かじめ所定の方向に磁化されたピン層とすれば、図2
(a)、(b)に示すように第1の磁性層11の磁化の
向きを変えることで“0”、“1”のデジタル情報を記
録することができる。
【0062】なお、書込み線14の磁界発生効率を高め
るためには、磁気抵抗素子10と書込み線14との間に
絶縁膜を設けることが望ましい。また、図2(a)、
(b)では書込み線14が1本のみの場合を示している
が、書込み線を2本以上設け、これらの合成磁界によっ
て磁界強度を強めたり、同じ選択線に共通に接続された
複数の磁気抵抗素子の中から特定の磁気抵抗素子にのみ
記録を行うようにしてもよい。
【0063】このようにして情報が記録された磁気抵抗
素子10は、記録された情報に応じて抵抗値が異なって
いるため、第1実施例で示したメモリ素子に用いること
で、記録された情報を高感度に読み出すことができる。
また、このときMOSFETのドレイン電極には定電圧
源V2の電圧がそのまま出力されるため、センス回路に
よる増幅の必要がない回路を構成することができる。し
たがって、回路構成が簡単になるため、コストが低減さ
れ、1チップあたりの記録容量が増大するため集積度が
向上する。
【0064】また、磁気抵抗素子10の磁性膜は一旦磁
化されるとその磁化配向を保つため、上記の構成のメモ
リ素子を用いたメモリ装置は不揮発性のメモリ装置とな
る。なお、本実施例では、磁気抵抗素子10がメモリ層
/ピン層で構成されている例を示したが、保磁力の小さ
い層を検出層とし、保磁力の大きい層をメモリ層とする
検出層/メモリ層の構成にしてもよい。この場合、情報
はメモリ層に記録し、読み出しは検出層の磁化を反転さ
せることで2つの磁化状態を作り出してもよい。
【0065】(第3実施例)次に本発明の第3実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0066】本実施例では、図1に示した磁気薄膜/半
導体ハイブリッド素子を用いたメモリ装置について説明
する。
【0067】図3は図1に示した磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子を有するメモリ装置の一構成例を示す回路
図である。
【0068】図3に示すように、本実施例のメモリ装置
は、図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子か
ら成る多数のメモリ素子がマトリクス状に配置された構
成である。
【0069】メモリ素子を構成する各MOSFETのゲ
ート電極は、抵抗器R2(図1参照)を介して図の横一
列毎にそれぞれ選択線S(S1、S2、S3、…)に共
通に接続され、各MOSFETのドレイン電極は図の縦
一列毎にそれぞれデータ線D(D1、D2、D3、…)
に共通に接続されている。
【0070】なお、図3では、構成要素をそれぞれ区別
するために、各磁気抵抗素子に対してR11〜19の符
号を付与し、各MOSFETに対してM11〜M19の
符号を付与している。また、各データ線には、D1〜D
3の符号を付与し、各選択線にはS1〜S3の符号を付
与している。
【0071】このような構成において、多数のメモリ素
子の中から特定のメモリ素子の情報を読み出す場合、例
えば、磁気抵抗素子R15に記録された情報を読み出す
には、定電圧源V1、V2の出力電圧E1及びE2を、
磁気抵抗素子R15を有するメモリ素子の選択線S2及
びデータ線D2にそれぞれ印加する。このようにするこ
とで、磁気抵抗素子R15以外は選択されないため、磁
気抵抗素子R15に記録された情報のみを読み出すこと
ができる。
【0072】本実施例の構成によれば、MOSFET
は、磁気抵抗素子の磁化状態を検出する際の信号増幅を
行うと共に、多数あるメモリ素子の中から特定の1つを
選択するためにも使用される。
【0073】(第4実施例)次に本発明の第4実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0074】図1に示したような磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子をメモリ装置に用いる場合、磁気抵抗素子
には第1実施例で述べたようにAMR膜またはGMR膜
が用いられる。
【0075】AMR膜を用いた磁気抵抗素子は、磁性膜
の磁化方向と磁性膜に流す電流方向とが垂直な場合と平
行な場合とで抵抗値が異なる素子であり、抵抗変化率、
すなわち(r1max−r1min)/r1minは2
〜3%程度である(r1min<r1max: r1m
in、r1maxは磁気抵抗素子R1の抵抗値)。
【0076】一方、GMR膜を用いた磁気抵抗素子には
スピントンネル型及びスピン散乱型と呼ばれる2種類の
素子があり、その種類の違いによって抵抗の絶対値が異
なっている。
【0077】スピン散乱型の磁気抵抗素子の抵抗値は2
0Ω程度であり、磁化方向の違いによる抵抗変化率は5
〜10%程度である。また、スピントンネル型の磁気抵
抗素子の抵抗値は数KΩであり、抵抗変化率は10〜3
0%程度である。
【0078】したがって、磁気抵抗素子の抵抗値の変化
を検出するためには、抵抗変化率が大きいGMR膜から
成る磁気抵抗素子を用いることが望ましい。
【0079】次に、上記スピン散乱型の磁気抵抗素子及
びスピントンネル型の磁気抵抗素子について説明する。
【0080】GMR膜は前述したように、保磁力の異な
る2つの磁性層とそれらに挟まれた非磁性層とによって
構成される。ここで、2つの磁性層のうちの一方は保磁
力の小さく、他方は保磁力の大きい磁性層である。以
下、保磁力の小さい磁性層を第1の磁性層と称し、保磁
力の大きい磁性層を第2の磁性層と称する。
【0081】まず、スピン散乱型の磁気抵抗素子につい
て説明する。
【0082】スピン散乱型の磁気抵抗素子の場合、非磁
性層は第1の磁性層及び第2の磁性層よりも電気伝導率
が高い導電体がよく、好ましくは、Cuを主成分とした
ものがよい。この場合、第1の磁性層及び第2の磁性層
とフェルミエネルギー準位が近く密着性もよくなるた
め、磁化方向が変わるときに界面で抵抗が生じ易く大き
な抵抗変化を得るのに好都合である。なお、非磁性層の
厚さは5オングストローム以上60オングストローム以
下であることが望ましい。
【0083】また、第1の磁性層及び第2の磁性層に
は、Ni、Fe、Co、あるいはCo、Feを主成分と
するアモルファス合金を用いることが望ましく、例え
ば、NiFe、NiFeCo、FeCo、CoFeBな
どを用いるとよい。
【0084】ここで、NiFeの元素組成は、Nix
100-xとした場合、xが35以上86以下であること
が望ましい。また、NiFeCoの元素組成は、Nix
(Fe1 00-yCoy100-xとした場合、xが10以上7
0以下、yが30以上90以下であることが望ましく、
さらにyが60以上85以下であることが望ましい。ま
た、Co84Fe97、Co72Fe820等の組成を持つ
CoFeB等のアモルファス磁性体を用いてもよい。
【0085】第1の磁性層及び第2の磁性層の厚さは、
抵抗値が効率よく変化するように設定することが必要で
ある。具体的には、第1の磁性層の厚さは、電子の平均
自由工程よりも大幅に厚くなるとフォノン散乱を受けて
磁気抵抗効果が薄れるため、少なくとも200オングス
トローム以下であることが望ましい。さらに望ましくは
150オングストローム以下がよい。
【0086】しかしながら、薄すぎると抵抗値が小さく
なって信号出力が小さくなり、磁化を保持することがで
きなくなるため、20オングストローム以上が望まし
く、さらには80オングストローム以上が望ましい。
【0087】次に、スピントンネル型の磁気抵抗素子に
ついて説明する。
【0088】スピントンネル型の磁気抵抗素子は、非磁
性層に薄い絶縁膜を用いている。そして、電流を膜面に
対して垂直方向に流し、第1の磁性層から第2の磁性層
へ電子のトンネル現象が起きるようにする。非磁性層
は、例えば、酸化アルミニウムAlOx、窒化アルミニ
ウムAlNx、酸化シリコンSiOx、窒化シリコンS
iOx等が用いられる。なお、非磁性膜は、その全部が
絶縁膜であってもよく、その一部が絶縁膜であってもよ
い。例えば、Al膜の一部を空気中で酸化させてAl2
3層を形成するとよい。
【0089】また、非磁性層は数10オングストローム
程度の均一な層であって、その絶縁部の厚さは5オング
ストローム以上30オングストローム以下であることが
望ましい。これは、5オングストローム未満であると第
1の磁性層と第2の磁性層が電気的にショートする可能
性があるからであり、30オングストロームより厚いと
電子のトンネル現象が発生し難くなるからである。
【0090】さらに望ましくは、5オングストローム以
上25オングストローム以下がよく、より望ましくは5
オングストローム以上18オングストローム以下がよ
い。
【0091】また、第1の磁性層と第2の磁性層は、ス
ピン分極率の高い磁性材料を用いることが望ましい。具
体的には、フェルミ面における上下スピンの偏極量が大
きいFeを第1の成分として選定し、Coを第2の成分
として選定したものが望ましい。具体的にはFe、C
o、Niを主成分とした材料から成ることが望ましく、
例えば、Fe、Co、FeCo、NiFe、NiFeC
oなどがよい。
【0092】このとき、NiFeの元素組成は、NiF
100-xとした場合、xが0以上82以下であることが
望ましい。より具体的には、Fe、Co、Ni82
20、Ni72Fe28、Ni51Fe49、Ni42Fe58、N
25Fe75、Ni9Fe91などが挙げられる。
【0093】また、第1の磁性層及び第2の磁性層の厚
さは、100オングストローム以上で5000オングス
トローム以下であることが望ましい。
【0094】以上説明したスピン散乱型の磁気抵抗素
子、及びスピントンネル型の磁気抵抗素子では、第1の
磁性層にNiFe、NiFeCo、Feを用いた場合、
その保磁力を弱くするためにCoの組成は第2磁性層よ
りも少ない方が望ましい。また、第2磁性層は、その保
磁力を強くするためにCoを主成分とする材料が望まし
い。
【0095】なお、第1の磁性層の膜厚を第2の磁性層
よりも薄くすることで保磁力に差をつけてもよく、Fe
Mn、IrMn、NiOなどの反強磁性膜を第2の磁性
層に設けることで第2の磁性層の保磁力を大きくしても
よい。
【0096】さらに、第2実施例で述べた「メモリ層/
ピン層」のタイプの磁気抵抗膜の保磁力は、第1の磁性
層で5Oe以上50Oe以下が望ましく、第2の磁性層
で50Oe以上10KOe以下が望ましい。
【0097】また、「検出層/メモリ層」のタイプで
は、第1の磁性層で5Oe以上20Oe以下、第2の磁
性層で10Oe以上50Oe以下の範囲であって、第1
の磁性層と第2の磁性層の保磁力差が少なくとも5Oe
以上であることが望ましい。
【0098】(第5実施例)次に本発明の第5実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0099】図4はMOSFETのゲート−ソース間電
圧とドレイン電流の関係を示すグラフであり、図5はM
OSFETのドレイン−ソース間電圧とドレイン電流の
関係を示すグラフである。なお、図5はゲート−ソース
間電圧を1.5Vから1.9Vまで0.1Vおきに変え
たときの様子を示したものである。また、MOSFET
のしきい値電圧Vthは1.69Vとする。
【0100】このような特性のMOSFETM1を用い
て図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子を作
成して評価を行った。なお、磁気抵抗素子R1には、抵
抗値が10Ω、11Ωの2値となる(抵抗変化率=10
%)、NiFe(10nm)/Cu(5nm)/Co
(10nm)から成るスピン散乱型を用いている。ま
た、磁気抵抗素子R1にはSiN膜を介してAlからな
る書込み線を設け、図2(a)、(b)に示したように
2値の記録を行った。なお、抵抗器R2の抵抗値は20
Ωとした。
【0101】図6は図1に示した磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子の定電圧源V1の出力電圧に対するドレイ
ン電流Iの関係を示すグラフである。なお、図6に示し
たグラフは定電圧源V2の出力電圧が5Vのときの様子
を示している。
【0102】図6に示すように、磁気抵抗素子R1の抵
抗値によって、MOSFETがオンする電圧が変動する
ことが分かる。また、MOSFETがオンする電圧の差
ΔVgは108mVであるため、電圧変化率ΔVg/V
gは7%となり、磁気抵抗素子の抵抗値の変化でMOS
FETをオン/オフさせるのに十分な電圧差を有してい
ることが分かる。
【0103】図7は図1に示した磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子の定電圧源V2の出力電圧に対するドレイ
ン電流Iの関係を示すグラフである。なお、図7に示し
たグラフは定電圧源V1の出力電圧が5Vのときの様子
を示している。
【0104】図7に示すように、磁気抵抗素子R1の抵
抗が10Ωのとき、ドレイン電流Iは0であるが、磁気
抵抗素子R1の抵抗が11Ωのとき、MOSFETM1
には定電圧源V2の出力電圧に比例したドレイン電流I
が流れる。
【0105】図8は図1に示した磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子の定電圧源V2の出力電圧に対するMOS
FETのドレイン電極と接地電位間の電圧の関係を示す
図であり、磁気抵抗素子の抵抗値の違いによる特性を示
すグラフである。
【0106】図8に示すように、MOSFETのドレイ
ン電極(A点)と接地電位間の電圧VAは、磁気抵抗素
子R1の抵抗値が10Ωのときは0Vであるが、磁気抵
抗素子R1の抵抗値が11Ωのときには定電圧源V2の
出力電圧がそのまま出力され。例えば、定電圧源V2の
出力電圧を3Vに設定すれば、VAとして0Vと3Vの
2値の電圧が出力される。
【0107】したがって、本発明の磁気薄膜/半導体ハ
イブリッド素子からは、センス回路によって増幅する必
要のないアナログ−デジタル(A/D)変換可能な出力
電圧を得ることができる。
【0108】(第6実施例)次に本発明の第6実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0109】図3に示したメモリ装置では図示していな
いが、例えば、定電圧源V1と抵抗器間、あるいは磁気
抵抗素子と接地電位間には配線抵抗が存在し、これらの
配線抵抗の影響が顕著に現れる場合がある。
【0110】そのため、図9に示すように磁気抵抗素子
Raと接地電位間に抵抗器Rbを挿入し、抵抗器Rd
(=5KΩ)と定電圧源V1の間に抵抗器Rcを挿入し
て配線抵抗の影響について検証を行った。なお、抵抗器
Rb、Rc、R3は、それぞれ1KΩとした。また、M
OSFETは第5実施例と同様のものを使用し、磁気抵
抗素子RaにはNiFeCo(50nm)/Al2
3(1.2nm)/Co(30nm)から成り、抵抗値
が4.0KΩと4.8KΩ(抵抗変化率=20%)の2
値となるスピントンネル型を用いた。さらに、磁気抵抗
素子にはSiN膜を介してAlからなる書込み線を設
け、図2(a)、(b)に示したように2値の記録を行
った。
【0111】図10は図9に示した磁気薄膜/半導体ハ
イブリッド素子の定電圧源V1の出力電圧に対するMO
SFETのドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を
示すグラフである。なお、図10に示したグラフは定電
圧源V2の出力電圧が5Vで一定なときの様子を示して
いる。
【0112】図10に示すように、定電圧源V1の出力
電圧が低い場合、ドレイン電極の電位VAは5Vである
が、定電圧源V1の出力電圧を高くするとVAは0Vと
なる。この変化が起きるしきい値電圧は、R1=4.8
KΩのときとR1=4.0KΩのときでは、400mV
程度の差があり、磁気抵抗素子の抵抗値の変化でMOS
FETをオン/オフさせるのに十分な電圧差を有してい
る。
【0113】図11は図9に示した磁気薄膜/半導体ハ
イブリッド素子の定電圧源V2の出力電圧に対するMO
SFETのドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を
示すグラフであり、図12は図9に示した磁気薄膜/半
導体ハイブリッド素子の定電圧源V2の出力電圧に対す
るMOSFETのドレイン電流の関係を示すグラフであ
る。なお、図11及び図12に示したグラフはそれぞれ
定電圧源V1の出力電圧が3.7Vで一定なときの様子
を示している。
【0114】図11及び図12に示すように、定電圧源
V1の出力電圧を、磁気抵抗素子の抵抗値によって決ま
る2つのしきい値電圧(図9のMOSFETがオンする
電圧)の中間の電圧(=3.7V)に設定することによ
り、R1=4.8KΩのとき、VAは定電圧源V2の出
力電圧とともに増加し、R1=4.0KΩのとき、VA
は定電圧源V2の出力電圧に関係なく0Vとなる。
【0115】したがって、例えば、定電圧源V2の出力
電圧を3Vで一定にすれば、VAには0Vと3Vの2値
が出力され、センス回路によって増幅する必要のないア
ナログ−デジタル(A/D)変換可能な出力電圧を得る
ことができる。
【0116】(第7実施例)図13は本発明のメモリ素
子(磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子)の第7実施例
の構成を示す回路図である。
【0117】本実施例の磁気薄膜/半導体ハイブリッド
素子は、第1実施例で示したMOSFETM1のソース
電流(=ドレイン電流)が流れる電流路が磁気抵抗素子
R1に近接して配置され、この電流路を磁気抵抗素子R
1に情報を書き込むための書き込み線24として用いる
点が第1実施例と異なっている。その他の構成、及び情
報の読み出し原理は第1実施例と同様であるため、その
説明は省略する。なお、図13では図1に示した第1実
施例の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子と同一の部材
に同一の符号を付している。
【0118】本実施例のように、書込み線24がMOS
FETM1のソース電流が流れる電流路から構成されて
いる場合でも、磁気抵抗素子R1への情報の書き込み原
理は、図2(a)、(b)で説明した第2実施例と同様
である。すなわち、MOSFETM1をオンにさせ、書
込み線24に所定の電流を流すことで、その書込み電流
の大きさに比例する磁界を発生させ、発生した磁界によ
って磁気抵抗素子R1の磁性層を所望の方交に磁化して
情報を記録する。このように、MOSFETM1のソー
ス電流が流れる電流路を磁気抵抗素子R1に情報を書込
むための書込み線として用いることで、専用の書込み線
を設ける必要がなくなり、メモリ素子の回路構成が簡単
になる。
【0119】(第8実施例)次に本発明の第8実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0120】本実施例では、図13に示した磁気薄膜/
半導体ハイブリッド素子を用いたメモリ装置について説
明する。
【0121】図14は図13に示した磁気薄膜/半導体
ハイブリッド素子を有するメモリ装置の一構成例を示す
回路図である。
【0122】図14に示すように、本実施例のメモリ装
置は、図13に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子からなる多数のメモリ素子がマトリクス状に配置され
た構成である。
【0123】メモリ素子を構成する各MOSFETのゲ
ート電極は、抵抗器R2(図13参照)を介して図の横
一列毎にそれぞれ選択線S(S1、S2、S3、…)に
共通に接続され、各MOSFETのドレイン電極は図の
縦一列毎にそれぞれデータ線D(D1、D2、D3、
…)に共通に接続されている。
【0124】なお、図14では、図3に示した第3実施
例と同様に、構成要素をそれぞれ区別するために、各磁
気抵抗素子に対してR11〜R19の符号を付与し、各
MOSFETに対してM11〜M19の符号を付与して
いる。また、各データ線には、D1〜D3の符号を付与
し、各選択線にはS1〜S3の符号を付与している。こ
のような構成において、多数のメモリ素子の中から特定
のメモリ素子の情報を読み出す場合、例えば、磁気抵抗
素子R15に記録された情報を読み出すには、定電圧源
V1、V2の出力電圧E1及びE2を、磁気抵抗素子R
15を有するメモリ素子の選択線S2及びデータ線D2
にそれぞれ印加する。このようにすることで、磁気抵抗
素子R1以外は選択されないため、磁気抵抗素子R15
に記録された情報のみを読み出すことができる。
【0125】一方、多数のメモリ素子の中から特定のメ
モリ素子に情報を記録する場合、例えば、磁気抵抗素子
R15に情報を記録するためには、まず、MOSFET
M15がオンになるようにMOSFETM15のゲート
電極に高電圧を印加する。次いで、MOSFETM15
に定電圧源V2の出力電圧E2を印加し、書込み線24
にMOSFETM15のソース電流を流して発生する磁
界により磁気抵抗素子R15に記録を行う。このように
することで、MOSFETM15以外にはソース電流が
流れず、目的の磁気抵抗素子R15にのみ記録を行うこ
とができる。
【0126】したがって、MOSFETを、情報を読み
出すための選択素子として用いると共に、情報の記録に
必要な書込み電流を供給するための選択素子としても用
いることで、書込み電流を供給するための専用の選択素
子が不要になるため、メモリ装置の回路構成を簡単にす
ることができる。
【0127】(第9実施例)次に本発明の第9実施例に
ついて図面を参照して説明する。
【0128】本実施例では、図13に示した磁気薄膜/
半導体ハイブリッド素子のデバイス構造について説明す
る。
【0129】図15は図13に示した回路のデバイス構
造の一例を示す斜視図である。
【0130】図15において、MOSFETM1は、p
型半導体Si基板23表面に、それぞれn型半導体領域
からなるドレイン領域25、及びソース領域27が形成
され、それらの間(p型半導体Si基板23上)にゲー
ト電極26が配置された構成である。ゲート電極26に
は、抵抗器R2と磁気抵抗素子R1が接続され、抵抗器
R2の他端は選択線S(図14参照)に接続され、磁気
抵抗素子R1の他端はアース(接地電位)電極線Gに接
続されている。また、ソース領域27には、ソース電極
を介して書込み線24が接続され、この書込み線24の
他端はアース電極線Gに接続されている。書込み線24
は、磁気抵抗素子R1の上部に近接して設けられてい
る。ドレイン領域25には、ドレイン電極を介してデー
タ線Dが接続されている。選択線Sとデータ線Dには、
それぞれ不図示の定電圧源V1、V2が接続されてい
る。
【0131】このような構成において、情報を記録する
場合は、MOSFETM1を磁気抵抗素子R1の磁化状
態によらずにオンさせる。このため、定電圧源V1の電
圧E1を情報の読み出し時よりも高く設定し、常にゲー
ト電位VgがMOSFETM1のしきい値電圧Vthよ
りも高くなるように設定しておく。MOSFETM1が
ON状態にあるとき、書込み線24には第2の定電圧源
V2よりMOSFETM1を介して書込み電流が供給さ
れ、それにより発生する磁界が磁気抵抗素子R1に印加
される。磁気抵抗素子R1は長手方向に磁化されてお
り、書込み線24から発生する磁界が磁気抵抗素子R1
の磁化の向きに沿って印加される。
【0132】磁化方向を変える場合は、ドレイン電流の
向きを変えればよく、このためには定電圧源V2の電圧
E2をマイナス電位にするか、もしくは書込み線24に
接続されているアース電極線Gをアースではなく正電位
にして、MOSFETM1のソース電極からドレイン電
極に電流が流れるようにする。MOSFETM1は、ド
レイン電流の向きが逆向きになっても同様の電流電圧特
性を有するように、ソース領域とドレイン領域が対称に
形成されたものを用いるのがよい。また、情報を書込む
ための書込み電流は、読み出し時に流す検出電流よりも
大きな電流にする必要があるため、定電圧源V2の絶対
値を情報の読み出し時の電位よりも高く設定する、もし
くは定電流回路をMOSFETM1のドレイン電極に接
続して記録に必要な電流が流れるようにする。
【0133】以上の構成により、書込み電流の配線経路
を新たに設ける必要がなくなるため、デバイス構造を簡
単にすることができる。さらに、書込み電流が1ビット
ごとに独立して流れるため、隣接する磁気薄膜/半導体
ハイブリッド素子に誤記録されることがなく、安定した
情報の記録が行われる。
【0134】また、このようにして記録された磁気抵抗
素子の磁化状態は、第1実施例と同様に、MOSFET
M1のON/OFFによって検出できるため、記録され
た情報を高感度に検出することができる。更に、情報を
読み出す時は定電圧源V2の電圧E2がそのまま出力さ
れるため、センス回路による増幅の必要がなく、回路が
簡略化できてコストを低減できるばかりでなく、チップ
当たりの記録容量が大きくなり、集積度を向上させるこ
とができる。また、磁気抵抗素子の磁化は一旦記録すれ
ば配向状態を保つため、不揮発性メモリとして用いるこ
とができる。
【0135】なお、以上の説明では、メモリ層/ピン層
の構成の例を示したが、保持力の低い層を検出層、保持
力の高い層をメモリ層とする検出層/メモリ層の構成に
して情報はメモリ層に記録し、読み出しは検出層の磁化
反転によって平行、反平行の磁化状態を作ってその際の
抵抗変化を検出することで行ってもよい。
【0136】また、書込み線24と磁気抵抗素子R1の
磁気抵抗膜との距離は、近接する端面同士が0.005
μm以上、0.2μm以下であることが望ましく、より
望ましくは0.01μm以上0.1μm以下がよい。こ
れは、書込み線24と磁気抵抗素子R1の距離が近すぎ
ると短絡する可能性があり、あまり遠すぎると磁気抵抗
素子R1に十分な磁界を印加できないためである。ま
た、書込み線24の断面形状は、縦幅が横幅に対して
0.5以上5以下の長さの比がよく、より望ましくは1
以上、3以下がよい。これは、書込み線24の断面形状
が横に長すぎると十分な磁界を発生することが難しく、
縦に長すぎると製造し難くなるからである。なお、図1
3〜図15では、磁気抵抗素子R1、書込み線24の一
端を接地電位に接続しているが、上述したように定電圧
源に接続してもよい。
【0137】(第10実施例)次に本発明の磁気薄膜/
半導体ハイブリッド素子の第10実施例について、図1
6を用いて説明する。
【0138】図16は図13に示した回路のデバイス構
造の他の例を示す斜視図である。
【0139】本実施例の磁気薄膜/半導体ハイブリッド
素子の回路構成は第7実施例と同様であり、そのデバイ
ス構造が第9実施例と異なっている。したがって、磁気
抵抗素子への情報の読み出し原理及び情報の書き込み原
理は第7実施例と同様であるため、その説明は省略す
る。
【0140】本実施例は、図13に示したメモリ素子
を、基板30上に絶縁膜を介してSiエピタキシャル層
(Siエピ層)32を設けた、いわゆるSOI(Silico
n On Insulator)基板上に作成している。SOI基板
は、通常のSi集積回路を形成するバルクSi基板では
到達しえない数々の優位点を持っている。例えば、
(1)誘電体分離が容易で、高集積化が可能、(2)放
射線耐性に優れている。(3)浮遊容量が低減され、素
子動作の高速化が可能、(4)ウエル形成工程を省略で
きる、(5)ラッチアップを防止できる、(6)薄膜化
による完全空乏型電界効果トランジスタが形成可能、等
の優位点が得られる。
【0141】SOI基板上には図15に示したデバイス
構造のメモリ素子を形成してもよく、配線部をSiエピ
層32に埋め込んで設けてもよい。例えば、図16に示
すようにソース領域からアース電極線Gに至る書込み線
24を含む配線部を、Siエピ層32中にドーピングに
より良導領域を形成することで設けてもよく、アース電
極線GをSiエピ層32に設けてもよい。Siエピ層3
2に設けた良導領域の周囲には、Siエピ層32との導
通を防ぐために絶縁領域を設けるのが望ましい。
【0142】このようにSOI基板のSiエピ層32に
書込み線24を設けると、書込み線24を基板上に設け
る必要がなくなるため、製造工程を簡略化することがで
きる。また、Siエピ層32を平坦性良く形成できるた
め、Siエピ層32上に積層される磁気抵抗膜と書込み
線24との距離を均一に保つことができる。書込み線2
4と磁気抵抗膜の距離のバラツキは、磁気抵抗膜にかか
る磁界の大きさに影響するため、SOI基板のエピ層3
2に書込み線24を設けることで、不良率の少ないメモ
リ装置を実現することができる。
【0143】なお、第7実施例〜第10実施例で説明し
たメモリ装置においても、第4実施例で説明したような
スピン依存散乱型あるいはスピントンネル型の磁気抵抗
素子が用いられる。また、このような磁気抵抗素子を構
成する第1磁性層、第2磁性層及び非磁性層の材料に関
しても、第4実施例と同様のものが用いられる。
【0144】なお、上記各実施例で用いられる抵抗器
は、一定の抵抗値を持つ素子であるならばどのようなも
のであってもよく、例えば、MOSFETを用いて抵抗
器を形成してもよい。この例として、MOSFETのゲ
ート電極とドレイン電極を接続してなる電極を一端の電
極とし、ソース電極を他端の電極とした抵抗器が挙げら
れる。また、抵抗器として、メモリ素子に用いられる磁
気抵抗素子とは別の、一定の抵抗値を有する磁気抵抗素
子を用いてもよい。このようにすることで、抵抗器をM
OSFETあるいは磁気抵抗素子と同一の製造工程で形
成することができるため、製造工程を簡略化することが
できる。
【0145】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0146】磁気抵抗素子と、磁気抵抗素子の一端に直
列に接続された抵抗器と、磁気抵抗素子と抵抗器との接
続点にゲート電極が接続された電界効果トランジスタと
を有することで、電界効果トランジスタのオン、オフ状
態によって磁気抵抗素子の磁化状態を検出することがで
きるため、磁気抵抗素子の磁化状態を高感度に検出する
ことができる。
【0147】したがって、本発明の磁気薄膜/半導体ハ
イブリッド素子をメモリ素子として用いることで、記録
された情報を高感度に読み出すことができる。また、こ
のときMOSFETのドレイン電極には第2の電圧源の
電圧がそのまま出力されるため、センス回路による増幅
の必要がない回路を構成することができる。したがっ
て、回路構成が簡単になるため、コストが低減され、1
チップあたりの記録容量が増大するため集積度が向上す
る。また、磁気抵抗素子の磁性膜は一旦磁化されるとそ
の磁化配向を保つため、上記の構成のメモリ素子を用い
たメモリ装置は不揮発性のメモリ装置となる。
【0148】また、電界効果トランジスタのソース電流
が流れる電流路を磁気抵抗素子に近接して配置し、その
電流路を書込み線として用いることで、磁気抵抗素子に
情報を記録するための専用の書込み線を設ける必要がな
くなり、デバイス構造を簡単にすることができる。さら
に、書込み電流が1ビットごとに独立して流れるため、
隣接する磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子に誤記録さ
れることがなく、安定した情報の記録が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメモリ素子(磁気薄膜/半導体ハイブ
リッド素子)の第1実施例の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示した磁気抵抗素子に情報を記録する情
報記録手段の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子を有するメモリ装置の一構成例を示す回路図である。
【図4】MOSFETのゲート−ソース間電圧とドレイ
ン電流の関係を示すグラフである。
【図5】MOSFETのドレイン−ソース間電圧とドレ
イン電流の関係を示すグラフである。
【図6】図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子の定電圧源V1の出力電圧に対するドレイン電流Iの
関係を示すグラフである。
【図7】図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子の定電圧源V2の出力電圧に対するドレイン電流Iの
関係を示すグラフである。
【図8】図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子の定電圧源V2の出力電圧に対するMOSFETのド
レイン電極と接地電位間の電圧の関係を示す図であり、
磁気抵抗素子の抵抗値の違いによる特性を示すグラフで
ある。
【図9】図1に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
子に配線抵抗の影響を考慮した構成を示す回路図であ
る。
【図10】図9に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド
素子の定電圧源V1の出力電圧に対するMOSFETの
ドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を示すグラフ
である。
【図11】図9に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド
素子の定電圧源V2の出力電圧に対するMOSFETの
ドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を示すグラフ
である。
【図12】図9に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッド
素子の定電圧源V2の出力電圧に対するMOSFETの
ドレイン電流の関係を示すグラフである。
【図13】本発明のメモリ素子(磁気薄膜/半導体ハイ
ブリッド素子)の第7実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図14】図13に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッ
ド素子を有するメモリ装置の一構成例を示す回路図であ
る。
【図15】図13に示した回路のデバイス構造の一例を
示す斜視図である。
【図16】図13に示した回路のデバイス構造の他の例
を示す斜視図である。
【図17】従来の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子の
応用例であるメモリ装置の構成を示す回路図である。
【図18】図17に示したメモリ装置の磁性膜の構成を
示す模式図である。
【図19】図17に示した磁気抵抗素子の磁化状態を示
す模式図である。
【図20】図17に示した磁気薄膜/半導体ハイブリッ
ド素子の評価に用いた回路の構成を示す回路図である。
【図21】図20に示した磁気抵抗素子にスピン散乱膜
を用いた場合の定電流源の出力電流に対するMOSFE
Tのドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を示すグ
ラフである。
【図22】図20に示した磁気抵抗素子にスピントンネ
ル膜を用いた場合の定電流源の出力電流に対するMOS
FETのドレイン電極と接地電位間の電位差の関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
10 磁気抵抗素子 11 第1の磁性層 12 第2の磁性層 13 非磁性層 14、24 書込み線 23 P型半導体Si基板 25 ドレイン領域 26 ゲート電極 27 ソース領域 30 基板 31 絶縁膜 32 Siエピ層 D1〜D3 データ線 I1 定電流源 M1、M11〜M19 MOSFET R1、Ra、R11〜R19 磁気抵抗素子 R2、R3、R21〜R29、Rd 抵抗器 Rb、Rc 配線抵抗 S1〜S3 選択線 V1、V2 定電圧源

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗素子と、 前記磁気抵抗素子の一端に直列に接続された抵抗器と、 前記磁気抵抗素子と前記抵抗器との接続点にゲート電極
    が接続された電界効果トランジスタと、を有する磁気薄
    膜/半導体ハイブリッド素子。
  2. 【請求項2】 前記磁気抵抗素子は、 小さい保磁力を持つ第1の磁性層と、 非磁性層と、 前記第1の磁性層よりも大きい保持力を持つ第2の磁性
    層とが順次積層されて成る請求項1記載の磁気薄膜/半
    導体ハイブリッド素子。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗素子に情報を記録するため
    の書込み線を、さらに有する請求項1記載の磁気薄膜/
    半導体ハイブリッド素子。
  4. 【請求項4】 前記電界効果トランジスタのソース電流
    が流れる電流路が前記磁気抵抗素子に近接して配置さ
    れ、 前記書込み線が該電流路から成る請求項3記載の磁気薄
    膜/半導体ハイブリッド素子。
  5. 【請求項5】 前記抵抗器が電界効果トランジスタから
    成る請求項1記載の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素
    子。
  6. 【請求項6】 前記抵抗器が磁気抵抗素子から成る請求
    項1記載の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の磁
    気薄膜/半導体ハイブリッド素子と、 前記磁気抵抗素子に前記抵抗器を介して所定の電圧を供
    給する第1の電圧源と、 前記電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極
    間に一定の電圧を供給する第2の電圧源と、を有するメ
    モリ装置。
  8. 【請求項8】 前記電界効果トランジスタのソース電極
    と前記第2の電圧源との間に接続された負荷抵抗器を、
    さらに有する請求項7記載のメモリ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の磁
    気薄膜/半導体ハイブリッド素子と、 前記磁気抵抗素子に前記抵抗器を介して所定の電圧を供
    給する電圧源と、 前記電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極
    間に所定の一定電流を流すための電流源と、を有するメ
    モリ装置。
  10. 【請求項10】 マトリックス状に配置された複数個の
    請求項1乃至6のいずれか1項記載の磁気薄膜/半導体
    ハイブリッド素子と、 前記複数個の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子のう
    ち、同一行に配置された磁気薄膜/半導体ハイブリッド
    素子が備える抵抗器を互いに接続する複数の選択線と、 前記選択線を介して所望の行の磁気薄膜/半導体ハイブ
    リッド素子の磁気抵抗素子に選択的に電圧を供給する第
    1の電圧源と、 前記磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子から情報を読み
    出すために設けられ、同一列の磁気薄膜/半導体ハイブ
    リッド素子が備える電界効果トランジスタのソース電極
    を互いに接続する複数のデータ線と、 前記データ線を介して所望の列の磁気薄膜/半導体ハイ
    ブリッド素子の電界効果トランジスタに選択的に電圧を
    供給する第2の電圧源と、を有するメモリ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載されたメモリ装置の
    うち、特定の磁気薄膜/半導体ハイブリッド素子に記録
    された情報を読み出すための情報読み出し方法であっ
    て、 前記第1の電圧源によって該磁気薄膜/半導体ハイブリ
    ッド素子が備える抵抗器に接続された選択線に所定の一
    定電圧を選択的に供給する工程と、 前記第2の電圧源によって該磁気薄膜/半導体ハイブリ
    ッド素子が備える電界効果トランジスタのソース電極に
    接続されたデータ線に所定の一定電圧を選択的に供給す
    る工程と、 前記電圧を印加したデータ線を通して該磁気薄膜/半導
    体ハイブリッド素子が備える電界効果トランジスタのオ
    ン/オフを検出することで該磁気薄膜/半導体ハイブリ
    ッド素子に記録された情報を読み出す工程と、を有する
    情報読み出し方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006140224A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Toshiba Corp 半導体メモリ素子及び半導体記憶装置

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