JP2000303868A - 隊列走行車両の制御装置 - Google Patents

隊列走行車両の制御装置

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JP2000303868A
JP2000303868A JP11111521A JP11152199A JP2000303868A JP 2000303868 A JP2000303868 A JP 2000303868A JP 11111521 A JP11111521 A JP 11111521A JP 11152199 A JP11152199 A JP 11152199A JP 2000303868 A JP2000303868 A JP 2000303868A
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traveling
platooning
platoon
control
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Atsushi Tabata
淳 田端
Noriki Asahara
則己 浅原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先導車両に後続の車両を追従させる隊列走行
を安定しておこなわせることのできる制御装置を提供す
る。 【解決手段】 単独での走行と先導車両に後続車両が追
従して隊列をなすように制御する隊列走行とが可能であ
り、かつ変速比を制御することのできる隊列走行車両の
制御装置であって、選択されている走行形態が単独走行
と隊列走行とのいずれかを判別する走行形態判別手段
(ステップS2)と、隊列走行が選択されていることを
その走行形態判別手段によって判別された場合に、前記
先導車両の変速比を隊列走行が判別されない場合よりも
大きくなり難く制御する変速比制御手段(ステップS
6)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関や電動
機などの動力源の出力あるいはその動力源に連結された
変速機による変速比を、操作装置を操作することにより
制御して自車両のみで走行する単独走行と、複数台の車
両が直列に並んで隊列を組んで走行するように内燃機関
や変速機を制御して走行する隊列走行とをおこなうこと
のできる車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の車両は、ガソリンエンジンなどの
内燃機関(以下、エンジンと記す)やモータなどの動力
装置を動力源とし、その出力を変速機によって増大もし
くは低下させて駆動輪に伝達し、かつその動力源の出力
や変速機による変速比を、運転者がアクセルペダルやシ
フト装置を操作することにより変更して走行するように
構成されている。一方、最近では、これらの運転者によ
る操作を電気的な手段を介在させて実行するようになっ
てきており、それに伴って運転者がおこなっていた操作
を、いわゆるコンピュータを主体とする制御装置が自動
的に実行するようになってきている。さらに最近では、
自車両の走行状態のみならず、自車両の周囲の状況をデ
ータとして取り込み、そのデータを自車両の制御に利用
できるようになってきている。
【0003】このような技術的背景のもとに、車両の自
動走行制御が研究されている。その一例が特開平7−2
00991号公報に記載されている。この公報に記載さ
れたシステムは、先行車両に後続の車両を追従走行させ
るいわゆる連携運転システムであり、各車両がセンサや
コンピュータ、送受信機などを備えており、先導車両の
運転操作および各車両の走行特性、相対位置などの情報
を常時交換し、それらの情報に基づいて先導車両の制動
や加速あるいは操舵を後続の車両が疑似するように制御
し、各車両を一定の間隔をあけて追従走行させる。この
ような連携運転をおこなう場合、先導車両を運転者が運
転し、後続の車両がこれに追従するように制御するの
で、先導車両と追従車両とに特性の相違があると、意図
した制御を実行できない可能性がある。そのため、上記
の公報に記載されたシステムでは、車両特性の連携走行
制御への適合性を判断し、また各車両の性能特性を連携
走行に適合させ、さらには先導車両の性能特性を追従車
両よりも低下させるなどの制御を実行するように構成し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の連携運転(ある
いは隊列走行)をおこなう車両は、自車両のみの単独で
の走行をおこなうことのできる通常の車両であって、隊
列走行をおこなう場合に上述した各情報の通信やその通
信で得られた情報に基づく走行制御およびその制御に適
する特性の変更を実行するように構成するのが通常であ
る。したがってその車両の基本的な構成は、動力源の出
力を電気的に制御でき、また変速比を電気的に制御する
ことができるなどの通常の車両と同様の構成である。こ
の種の車両では、エンジンや有段式の自動変速機、トル
クコンバータなどの様々な駆動用の装置を備えており、
それぞれの制御の仕方によって車両の走行性能や旋回性
能、制動性能などが大きく変化する。
【0005】しかしながら、上述した公報には、連携走
行する車両の一般的な性能特性の設定の仕方が示されて
いるが、それ以外に、エンジンのための機器や自動変速
機などの具体的な装置に対する制御の内容が示されてい
ない。そのため、実際に車両を隊列走行させるように制
御するためには、駆動力に変化を及ぼす各装置について
の具体的な制御を更に開発する余地があった。
【0006】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、隊列走行をおこなう先導車両を制御し
て安定した隊列走行を可能にする制御装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、単独での走行
と先導車両に後続車両が追従して隊列をなすように制御
する隊列走行とが可能であり、かつ変速比を制御するこ
とのできる隊列走行車両の制御装置おいて、選択されて
いる走行形態が単独走行と隊列走行とのいずれかを判別
する走行形態判別手段と、隊列走行が選択されているこ
とをその走行形態判別手段によって判別された場合に、
前記先導車両の変速比を隊列走行が判別されない場合よ
りも大きくなり難く制御する変速比制御手段とを備えて
いることを特徴とするものである。
【0008】したがって請求項1の発明では、隊列走行
をおこなっている先導車両の変速比が、単独走行をおこ
なう場合に比較して、相対的に大きい変速比に設定され
難くなる。より具体的には、単独走行の場合に低速側の
変速比が設定される場合であっても、隊列走行の場合に
は、中速側もしくは高速側の相対的に小さい変速比が設
定される。そのため、先導車両の駆動力が抑制され、そ
の急激な挙動の変化が防止されるので、後続の追従車両
による追従の遅れが回避され、安定した隊列走行が可能
になる。
【0009】また、請求項2の発明は、単独での走行と
先導車両に後続車両が追従して隊列をなすように制御す
る隊列走行とが可能であり、かつ動力源から駆動輪に到
る動力伝達系統に、流体を介してトルクを伝達する流体
継手とその流体継手の入力部材と出力部材とを機械的に
直接連結するロックアップクラッチとが設けられた隊列
走行車両の制御装置おいて、選択されている走行形態が
単独走行と隊列走行とのいずれかを判別する走行形態判
別手段と、隊列走行が選択されていることをその走行形
態判別手段によって判別された場合に、前記ロックアッ
プクラッチを隊列走行が判別されない場合よりも解放し
難く制御するロックアップクラッチ制御手段とを備えて
いることを特徴とするものである。
【0010】請求項2の発明における流体継手は、トル
クの増幅作用のあるトルクコンバータが顕著な例であ
り、隊列走行の場合には、そのトルクコンバータのロッ
クアップクラッチが解放され難くなり、すなわち完全係
合あるいは半係合の状態に制御され易くなってトルクの
増幅作用が抑制される。そのため、先導車両の駆動トル
クの急激な増大が抑制され、後続の車両が先行の車両に
追従し易くなって、安定した隊列走行が可能になる。
【0011】さらに、請求項3の発明は、単独での走行
と先導車両に後続車両が追従して隊列をなすように制御
する隊列走行とが可能であり、かつアクセル操作に基づ
いて動力源の出力操作をおこなう隊列走行車両の制御装
置おいて、選択されている走行形態が単独走行と隊列走
行とのいずれかを判別する走行形態判別手段と、隊列走
行が選択されていることをその走行形態判別手段によっ
て判別された場合に、前記アクセル操作量に対する動力
源の出力操作量を隊列走行が判別されない場合よりも少
なく制御する出力制御手段とを備えていることを特徴と
するものである。
【0012】したがって請求項3の発明では、隊列走行
をおこなっている場合には、先導車両におけるアクセル
操作とそれに基づく出力操作との関係が、単独走行の場
合とは変更される。具体的には、アクセル操作量を大き
くしても出力の増大量が抑制される。そのため、隊列走
行時の先導車両の駆動トルクの変化が緩慢な傾向にな
り、その結果、後続の車両が先行の車両に追従し易くな
って、安定した隊列走行が可能になる。
【0013】そして、請求項4の発明は、単独での走行
と先導車両に後続車両が追従して隊列をなすように制御
する隊列走行とが可能であり、かつアクセル操作に基づ
いて動力源の出力操作をおこなう隊列走行車両の制御装
置おいて、選択されている走行形態が単独走行と隊列走
行とのいずれかを判別する走行形態判別手段と、隊列走
行が選択されていることをその走行形態判別手段によっ
て判別された場合に、前記アクセル操作量の変化に対す
る動力源の出力操作量の時間的変化を隊列走行が判別さ
れない場合よりも小さく制御する出力制御手段とを備え
ていることを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項4の発明では、隊列走行
をおこなっている先導車両のアクセル操作を増大方向に
おこなっても、単独走行の場合ほどは急激に動力源の出
力が増大しない。すなわちアクセル操作に対する動力源
の出力の変化が、時間的に遅れて生じる。そのため、隊
列走行時の先導車両の駆動トルクの変化が緩やかな傾向
になり、その結果、後続の車両が先行の車両に追従し易
くなって、安定した隊列走行が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に示す具体
例に基づいて説明する。この発明で対象とする車両は、
自車両のみで単独走行することのできる機能を基本的な
機能として備え、これに隊列走行のためのシステムを追
加して備えている車両である。その隊列走行とは、図2
に概念図で示してあるように、先導車両V1 に第2番目
以降の車両V2 ,V3 ,V4 が、一定の間隔を維持して
追従して走行する走行形態である。その先導車両V1
は、目的地に向けて道路状況などに応じた運転がおなわ
れ、通常は運転者が乗車している有人車両である。
【0016】これに対して、第2番目以降の車両V2 ,
V3 ,V4 は、レーダ波Rw を前方に向けて照射して前
方の車両を検出し、その前方の車両との間に予め定めた
一定の車間距離を維持しつつ、前方車両と同じ経路をた
どって追従走行するように制御される。そのために、後
続の追従車両V2 ,V3 ,V4 は、レーダ波Rw によっ
て前方の車両を確認するだけでなく、各車両V1 ,V2
,V3 ,V4 との間でそれぞれの走行状態についての
情報をデータ通信によって交換し、得られたデータに基
づいて走行のための制御を実行するようになっている。
そのために、コンピュータを主体とする制御装置や送受
信装置を備えている。したがって第2番目以降の追従車
両V2 ,V3 ,V4 は自動運転をおこなう無人車両とす
ることができる。
【0017】図3は上記の隊列走行に供される車両の制
御系統の一例を模式的に示している。先ず、駆動系統に
ついて説明すると、内燃機関(以下、エンジンと記す)
1にモータ・ジェネレータ(MG)2とトルクコンバー
タ(T/C)3を含む自動変速機(A/T)4とが、順
に連結されている。そのエンジン1は、ガソリンエンジ
ン、ディーゼルエンジン、液化天然ガス(LNG)や液
化石油ガス(LPG)などのガスを燃料としたガスエン
ジンなど、要は、適宜の形態の燃料を燃焼させて機械的
動力を出力する動力装置であり、図に示す例では車両の
前部に前後方向に向けて搭載されている。
【0018】また、図3に示すエンジン1は、混合気の
吸気のためのバルブと燃焼排ガスの排気のためのバルブ
との開閉タイミングを連続的に変更できるように構成さ
れている。すなわち可変バルブタイミング(VVT)機
構を備え、そのバルブタイミングを電気的に制御できる
ように構成されている。
【0019】さらに、このエンジン1は、加減速のため
のアクセル操作量を電気信号に変換し、その電気信号に
基づいて開度が変更される電子スロットルバルブを備え
ている。すなわち人為的なアクセル操作とエンジン1で
の実際のスロットル開度の変更との間に電気的な制御が
介在するエンジン1であり、その電気的な処理の仕方に
よって、アクセル操作とスロットル開度操作との相関関
係を変更できるようになっている。
【0020】図4はその一例としてアクセル開度に対す
るスロットル開度特性を示している。アクセル開度は運
転者によるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量あ
るいは駆動要求量であり、またスロットル開度はエンジ
ン1におけるスロットルバルブの開度である。これらの
各開度は完全に比例した関係には設定されていず、アク
セル開度が大きいほどその増大量に対するスロットル開
度の増大量が大きくなる非線形特性に設定されている。
また、車両が自車両のみで単独で走行する場合のスロッ
トル開度特性と前述した隊列走行をおこなう場合のスロ
ットル開度特性とが用意されており、図4に示すよう
に、隊列走行時のスロットル開度特性は、単独走行時の
ものに比較してスロットル開度が小さくなる特性に設定
されている。
【0021】さらに、図5にはスロットル開度変化特性
が示されている。上述したようにスロットル開度はアク
セル開度が変化することによって変化し、一定の時間的
遅れがあってもそれらの開度の変化の関係は基本的には
一定に維持される。この関係を図5に鎖線と実線とで示
してあり、鎖線で示すアクセル開度の変化に対して一定
の時間遅れをもってスロットル開度が変化する。そのよ
うなスロットル開度変化特性は、車両の単独走行の際に
設定される。これに対して開度が増大するほど、スロッ
トル開度の変化が遅れる特性が設定されている。これを
図5に破線で示してある。すなわちアクセル開度が増大
すると、スロットル開度の時間的な増大割合が小さくな
り、スロットル開度の変化すなわちエンジン1の出力の
増大が緩慢になる。このようなスロットル開度変化特性
は、車両の隊列走行の際に設定される。
【0022】このようなバルブタイミングや電子スロッ
トルバルブの制御に加え、燃料の供給量(燃料噴射量)
などを制御するために、コンピュータを主体としたエン
ジン・コントローラ(E/G−ECU)5が設けられて
いる。
【0023】また、モータ・ジェネレータ2は、永久磁
石型同期モータなどの電動機としての機能と発電機とし
ての機能とを備えた回転動力装置であり、そのロータ
(図示せず)がエンジン1の出力軸もしくはエンジン1
とトルクコンバータ3とを連結している回転軸に直接連
結され、あるいは適宜の歯車機構などの伝動機構を介し
て連結されている。したがってエンジン1によってモー
タ・ジェネレータ2を駆動して発電をおこない、またト
ルクコンバータ3側から入力される動力によってモータ
・ジェネレータ2を駆動して発電をおこない、さらには
モータ・ジェネレータ2に電流を供給してこれを駆動す
ることにより、エンジン1もしくはトルクコンバータ3
に対して動力を伝達するように構成されている。
【0024】そして、このモータ・ジェネレータ2に
は、交流−直流の変換および交流の周波数の変更などの
制御をおこなうインバータ6を介してバッテリ7が接続
されている。さらに、これらインバータ6およびバッテ
リ7を制御するために、コンピュータを主体にして構成
されたモータ・ジェネレータ・コントローラ(MG−E
CU)8が設けられている。
【0025】このモータ・ジェネレータ2によるエネル
ギの回生は、車両の有する走行慣性力によってモータ・
ジェネレータ2を回転させることよりおこなわれるか
ら、その回生量が制動トルクとして現れる。その回生量
すなわち回生制動力の大きさは、モータ・ジェネレータ
・コントローラ8によって制御できる。そしてこのモー
タ・ジェネレータ・コントローラ8には図6に示す減速
度設定スイッチ9が接続されている。このスイッチ9は
いわゆるボリュームに相当するものであって、スライド
ノブ10によって設定値を大小に変更することにより、
回生制動力が大小に変化するようになっている。なお、
回生制動トルクは、回生量の大小によっても変更できる
が、これ以外に回生効率を変更することによっても回生
制動トルクを変更することができるので、上記のスイッ
チ9によって回生量と回生効率とのいずれかを変更する
ように構成することができる。
【0026】トルクコンバータ3は、その入力側のエン
ジン1もしくはモータ・ジェネレータ2から出力側の自
動変速機4に対してトルクを増幅して、もしくは増幅せ
ずに伝達する装置であって、一般的には公知の流体継手
が使用される。流体式のトルクコンバータ3を使用した
場合には、その入力側の回転要素と出力側の回転要素と
を機械的に直接連結する公知の構成のロックアップクラ
ッチ(図示せず)を内蔵させることができる。このロッ
クアップクラッチは完全に係合させることもでき、また
スリップ状態でトルクを伝達する半係合状態に制御する
こともできる。そして、その係合・解放の制御は、エン
ジン回転数や車速、スロットル開度などの車両の走行状
態に基づいて制御される。
【0027】このトルクコンバータ3を含む自動変速機
4は、車両の走行状態に基づいて変速比を設定するよう
に構成された変速機であって、有段式の変速機や変速比
を連続的に変化させることのできる無段変速機を採用す
ることができる。また、この自動変速機4は、手動操作
に基づいて発せられる電気信号を変速比の制御信号とす
ることのできる変速機であってもよい。すなわち手動変
速モードを設定可能な自動変速機である。
【0028】自動変速機4における走行状態に基づいた
変速比の制御、手動操作に基づく変速比の制御、トルク
コンバータ3の制御、ロックアップクラッチの制御など
のために、自動変速機・コントローラ(A/T−EC
U)11が設けられている。この自動変速機・コントロ
ーラ11も前述した各コントローラ5,8と同様にコン
ピュータを主体として構成されている。
【0029】図7にこの自動変速機4の具体的な構成を
示し、また図8にその各変速段を設定するための摩擦係
合装置の係合・解放の作動表を示してある。図7におい
て、トルクコンバータ3は、エンジン1の出力軸(クラ
ンクシャフト)に連結されたフロントカバー20と一体
のポンプインペラ21を備えており、このポンプインペ
ラ21とフロントカバー20との間にポンプインペラ2
1と対向してタービンランナ22が配置されている。こ
れらポンプインペラ21とタービンランナ22との間で
その回転中心側の部分には、一方向クラッチ23によっ
て保持されたステータ24が配置されている。
【0030】さらに、タービンランナ22とフロントカ
バー20との間には、フロントカバー20の内面に向け
て押圧されてフロントカバー20に係合するロックアッ
プクラッチ25が配置され、このロックアップクラッチ
25は、タービンランナ22を取り付けてあるハブに一
体化されている。そしてこのフロントカバー20および
ポンプインペラ21によって形成される密閉容器の内部
に、作動油としてオートマチック・トランスミッション
・フルード(以下、ATFと略記する)が封入されてい
る。
【0031】したがってポンプインペラ21がフロント
カバー20と共に回転してATFの螺旋流を生じさせ、
これがタービンランナ22に作用してタービンランナ2
2を回転させ、このようにして両者の間でトルクを伝達
するようになっている。すなわちポンプインペラ21が
入力要素として機能し、またタービンランナ22が出力
要素として機能する。さらに、ロックアップクラッチ2
5が係合することにより、ATFを介さずにタービンラ
ンナ22に対して直接動力を伝達するようになってい
る。なお、ロックアップクラッチ25を所定の係合圧で
滑らせるスリップ制御をおこなうことも可能である。
【0032】自動変速機4における歯車変速機部は、副
変速部26および主変速部27から構成されている。副
変速部26は、オーバドライブ用の遊星歯車機構28を
備えており、前記トルクコンバータ3におけるタービン
ランナ22と一体となって回転する入力軸30が、遊星
歯車機構28のキャリヤ29に連結されている。この遊
星歯車機構28を構成するキャリヤ29とサンギヤ31
との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 と
が設けられている。
【0033】この一方向クラッチF0 は、サンギヤ31
がキャリヤ29に対して相対的に正回転、つまり、入力
軸30の回転方向に回転した場合に係合するようになっ
ている。そして、副変速部26の出力要素であるリング
ギヤ32が、主変速部27の入力要素である中間軸33
に接続されている。また、サンギヤ31の回転を選択的
に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0034】したがって、副変速部26は、多板クラッ
チC0 もしくは一方向クラッチF0が係合した状態で遊
星歯車機構28の全体が一体となって回転する。このた
め、中間軸33が入力軸30と同速度で回転し、低速段
となる。また、ブレーキB0を係合させてサンギヤ31
の回転を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸30
に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0035】他方、主変速部27は、三組の遊星歯車機
構34,35,36を備えており、三組の遊星歯車機構
34,35,36を構成しているそれぞれの回転要素
が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星
歯車機構34のサンギヤ37と、第2遊星歯車機構35
のサンギヤ38とが互いに一体的に連結されている。ま
た、第1遊星歯車機構34のリングギヤ39と、第2遊
星歯車機構35のキャリヤ40と、第3遊星歯車機構3
6のキャリヤ41とが連結されている。さらに、キャリ
ヤ41に出力軸42が連結されている。さらにまた、第
2遊星歯車機構35のリングギヤ43が、第3遊星歯車
機構36のサンギヤ44に連結されている。
【0036】この主変速部27の歯車列においては、後
進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定
することができる。このような変速段を設定するための
摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下
のように設けられている。先ずクラッチについて述べる
と、リングギヤ43およびサンギヤ44と、中間軸33
との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互
いに連結されたサンギヤ37およびサンギヤ38と、中
間軸33との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0037】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構34のサンギヤ37、および第2遊星歯車機構35の
サンギヤ38の回転を止めるように配置されている。ま
たこれらのサンギヤ37,38とケーシング45との間
には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである
第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方
向クラッチF1 はサンギヤ37,38が逆回転、つまり
入力軸30の回転方向とは反対方向に回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0038】また、第1遊星歯車機構34のキャリヤ4
9とケーシング45との間に、多板ブレーキである第3
ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機
構36はリングギヤ46を備えており、リングギヤ46
の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第
4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けら
れている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチ
F2 は、ケーシング45とリングギヤ46との間に相互
に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッ
チF2 はリングギヤ46が逆回転しようとする際に係合
するように構成されている。さらに、歯車変速機部の入
力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数
センサ)47と、出力軸42の回転数を検出する出力回
転数センサ(車速センサ)48とが設けられている。
【0039】上記のように構成された自動変速機4にお
いては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、
図8の係合作動表に示すように係合・解放することによ
り、前進5段・後進1段の変速段を設定することができ
る。なお、図8おいて○印は摩擦係合装置が係合するこ
とを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置
が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解
放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置
が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示
し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示してい
る。
【0040】また、上記の自動変速機4は、図示しない
シフトレバーを手動で操作することにより、図9に示す
各種のシフトポジションを設定することが可能である。
すなわち、P(パーキング)ポジション、R(リバー
ス)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D
(ドライブ)ポジション、M(マニュアル)ポジション
を設定することができる。ここで、Dポジションおよび
Mポジションが前進走行のためポジションであり、Dポ
ジションが設定されている状態では、車速やアクセル開
度などの車両の走行状態を示すデータに基づいて変速段
が判断され、かつ設定されるように構成されている。こ
れは、通常の自動変速機と同様の変速制御であり、例え
ば、車速とアクセル開度とをパラメータとして変速段領
域を設定した変速マップに基づいて変速段が判断され
る。
【0041】その変速マップとしては、通常の走行(ノ
ーマルモード)で使用されるマップ、駆動力を大きくし
た走行(パワーモード)で使用されるマップ、燃費を重
視した走行(エコノミーモード)で使用されるマップな
ど、複数種類のマップを予め記憶して使用することがで
きる。なお、その選択は、図示しないパターンセレクト
スイッチによっておこなうことができる。
【0042】また、この発明に係る上記の車両では、図
10に一例を示すように、単独で走行する場合の変速線
と隊列を組んで走行する場合の変速線とを異ならせるよ
うに構成されている。これは、マップの切り換えによっ
ておこなうこともでき、あるいは入力されたデータ(ア
クセル開度あるいは車速)を補正して、変速マップ上の
走行状態を低アクセル開度側もしくは高車速側に変更す
ることによっておこなってもよい。なお、図10には、
第4速と第5速との間の変速線を、隊列走行時に高スロ
ットル側および低車速側に移動させ、大きい変速比を設
定し難くした例、すなわち相対的に小さい変速比の領域
を大きくした例を示してある。
【0043】また、Mポジションについて説明すると、
Mポジションは、Dポジションに対するP,R,Nの各
ポジションの配列方向とは直交する方向に配置されてお
り、シフトレバーをこのMポジションに移動させること
により、Mポジションスイッチがオン状態となって手動
変速モードが設定されるようになっている。具体的に
は、Mポジションに対して前記P,R,Nの各ポジショ
ンの配列方向と平行な方向に、アップシフト用のプラス
(+)ポジションとダウンシフト用のマイナス(−)ポ
ジションとが配置され、これらの各プラスポジションと
マイナスポジションとに変速用のスイッチ(図示せず)
が配置されている。
【0044】前記Mポジションスイッチがオンとなるこ
とにより、これらの変速用スイッチがアクティブになる
ように構成されている。そして、プラススイッチが1回
オン動作されて信号を出力するごとに、その時点の変速
段に対して1段高車速側の変速段を設定する変速信号が
自動変速機・コントローラ11から出力され、また反対
にマイナススイッチが1回オン動作されて信号を出力す
るごとに、その時点の変速段に対して1段低車速側の変
速段を設定する変速信号が自動変速機・コントローラ1
1から出力されるようになっている。
【0045】車両の走行状態に基づく制御は前記ロック
アップクラッチ25についても実行するように構成され
ている。すなわちロックアップクラッチ25は、トルク
コンバータ3における入力部材であるフロントカバー2
0と出力部材であるタービンランナ21とを機械的に直
接連結する装置であるから、ロックアップクラッチ25
が係合すると、これらの入出力部材の相対的な滑りによ
る動力伝達の損失が回避される反面、入力側のトルク変
動(もしくは振動)をそのまま出力側に伝達して騒音や
乗り心地を悪化させることがある。そのため、エンジン
1の出力トルクの変動が比較的少ない高車速および低ス
ロットル開度の状態でロックアップクラッチ25を係合
させるように構成されている。
【0046】その制御は、一例として、マップに基づい
ておこなうことができ、その例を図11に示してある。
そのマップは、車速とアクセル開度をパラメータとして
ロックアップクラッチ25の係合(完全係合および半係
合)領域と解放領域とを設定したマップであり、図11
での右側の領域がロックアップクラッチ25の係合領域
とされている。この発明に係る上記の車両は、図11に
実線で示す単独走行時用のロックアップマップと鎖線で
示す隊列走行時用のロックアップマップとを備えてい
る。その隊列走行時用のマップでは、ロックアップクラ
ッチ25の係合領域が、単独走行時用のマップに比較し
て低車速側でかつ高アクセル開度側に拡大して設定され
ている。したがって隊列走行時には、ロックアップクラ
ッチ25の係合領域が大きくなってロックアップクラッ
チ25が解放し難くなっている。言い換えれば、完全係
合や半係合などの係合状態となり易くなっている。な
お、このマップの切り換えは、自動変速機・コントロー
ラ11によっておこなわれる。
【0047】そして、自動変速機4の出力軸42がプロ
ペラシャフト50およびデファレンシャル51を介して
後輪52に連結され、後輪52を駆動輪とするようにな
っている。したがってエンジン1から後輪52にトルク
を伝達するように構成された上記のモータ・ジェネレー
タ2およびトルクコンバータ3ならびに自動変速機4な
どがこの発明における動力伝達系統を構成している。
【0048】上記の各コントローラ5,8,11が、前
述した隊列走行のための制御を実行する隊列走行制御装
置53にデータ通信可能に接続されている。この隊列走
行制御装置53は、前記の各コントローラ5,8,11
と同様にコンピュータを主体としたものであって、各コ
ントローラ5,8,11に制御信号を出力し、上記のエ
ンジン1およびモータ・ジェネレータ2ならびに自動変
速機4の制御内容を隊列走行に適する制御内容とするよ
うに構成されている。具体的には後述する。
【0049】隊列走行をおこなう場合、前方車両との相
対位置関係や走行している道路環境、さらには今後走行
が予定されている道路環境などを知ることが有利であ
り、そのために上記の車両は、ナビゲーションシステム
およびオートクルーズシステム、ならびにレーダクルー
ズシステムを備えている。ナビゲーションシステムは、
電子データ化した地図情報と、人工衛星を利用したGP
S(グローバルポジショニングシステム)や自律航法な
どによる現在位置検出システムとを備え、地図情報上に
自車両の現在位置をあてはめて自車両の現在位置をディ
スプレー上に表示し、また、予め入力された目的地まで
のルートを併せて表示し、さらには交差点などの道路情
報を音声などで出力するように構成されている。したが
ってこのナビゲーションシステムによって現在位置の道
路状況や前方の走行予定路の道路状況を検出することが
できる。このナビゲーションシステムの主たる構成部材
であるコントローラ(ナビ−ECU)54が上記の隊列
走行制御装置53にデータ通信可能に接続されている。
【0050】オートクルーズシステムは、車速を設定値
に維持するためのシステムであり、アクティブ状態で入
力された設定車速と検出された実車速とを比較し、実車
速が設定車速に一致するように信号を出力して、主にス
ロットル開度を制御するようになっている。このオート
クルーズシステムの主たる構成部材であるコントローラ
(オートクルーズ−ECU)55が上記の隊列走行制御
装置53にデータ通信可能に接続されている。
【0051】さらにレーダクルーズシステムは、前記レ
ーダ波Rwを照射するとともに前方の車両から反射した
レーダ波Rw を受信して、前方の車両の有無、相対距離
(車間距離)、相対速度、左右方向の相対位置のズレな
どを検出するように構成されている。また、前記のオー
トクルーズシステムと同様に、検出信号に基づいて車速
の制御ための信号を出力するように構成することができ
る。このレーダクルーズシステムの主たる構成部材であ
るコントローラ(レーダクルーズ−ECU)56が上記
の隊列走行制御装置53にデータ通信可能に接続されて
いる。
【0052】さらに上記の各車両は、車両相互の間で情
報の交換をおこなうための送受信機を備えている。その
交換される情報は、アクセル開度に対するスロットル開
度の特性、変速段、変速パターン、制動の有無、図6に
示す減速度設定スイッチ9で設定されている減速度レベ
ルなどの車両の走行に関する情報である。これらの情報
すなわち他車信号が隊列走行制御装置53に入力されて
いる。
【0053】また、上記の各車両は、その運行を制御す
るセンター(図示せず)との間で情報を交換することが
可能であり、これは上記の送受信機を介しておこなうこ
とができる。そしてそのセンターからの信号が隊列走行
制御装置53に入力されている。
【0054】ここで、隊列走行制御装置53に入力され
ている信号を例示すれば、図12のとおりである。すな
わち前記ナビ−ECU54からの信号、変速パターンを
選択するパターンセレクトスイッチからの信号、エンジ
ン回転数NE の検出信号、車両加速度センサからの信
号、エンジン水温の検出信号、イグニッションスイッチ
からの信号、バッテリの充電状態(SOC)の検出信
号、エンジン1におけるクランクの位置(角度)の検出
信号、デフォッガの動作状態を示す信号、エアコンの動
作状態を示す信号、車速信号、自動変速機(AT)の油
温の検出信号、自動変速機4で設定されているシフトポ
ジションの検出信号、サイドブレーキの動作状態を示す
信号、フットブレーキスイッチアッパスイッチからの信
号、フットブレーキスイッチロアスイッチからの信号、
排ガス用浄化触媒の温度を示す信号、アクセル開度を示
す信号、オートクルーズスイッチからの信号、Mポジシ
ョンスイッチからの信号、マイナススイッチからの信
号、プライススイッチからの信号、レーダクルーズスイ
ッチからの信号、フューエルリッドに設けてあるスイッ
チからの信号、自動変速機4の入力回転数(タービン回
転数)センサからの検出信号、発進の際の変速段を最低
速変速比より小さい変速比に設定するためのスノーモー
ドスイッチからの信号、隊列走行する他の車両からの信
号、センターからの信号などが、隊列走行制御装置53
に入力されている。
【0055】一方、制御のための出力信号として、パタ
ーンセレクトスイッチインジケータのための信号、モー
タ(MO)用コントローラへの信号、点火時期を制御す
るための点火信号、エンジン1での燃料噴射を制御する
ための噴射信号、モータ・ジェネレータ・コントローラ
8に対する信号、減速度を制御するための減速装置に対
する制御信号、自動変速機4における所定のソレノイド
に対する制御信号、自動変速機4のライン圧を制御する
ための制御信号、ABS(アンチ・ロック・ブレーキ・
システム)におけるアクチュエータの制御信号、駆動力
源を示すインジケータのための信号、エアコンの制御の
ための信号、警報音のための信号、電子スロットルバル
ブを制御するための信号、スノーモードが設定されてい
ることを示すインジケータのための信号、可変バルブタ
イミング装置に対する信号、システムの動作状態を表示
するインジケータに対する信号、設定減速度を表示する
インジケータのための信号、エアコンプレッサを動力源
に連結するクラッチに対する信号、自動変速機4の油圧
を発生させる電動オイルポンプの制御のための信号など
が、隊列走行制御装置53から出力されている。
【0056】ここで、各インジケータの一例を図示すれ
ば、図13のとおりである。これらの表示は、メータパ
ネルの内部やインストルメントパネル、あるいはセンタ
ーコンソールの適宜の位置などに設けられ、システムイ
ンジケータの一種であるITSインジケータ60は、隊
列走行が選択された場合に「隊列走行」の文字表示をお
こなうようになっている。また、手動操作に基づいて変
速比を設定するマニュアルポジションインジケータ61
は設定されている変速段を数字で表示するようになって
いる。前記減速度設定スイッチ9によって設定された減
速度を表示する設定減速度インジケータ62は、矢印の
長さによって設定減速度の大きさを表示するようになっ
ている。さらに、パターンセレクトスイッチインジケー
タ63は、パターンセレクトスイッチによって選択され
たシフトパターンをP(パワー)、N(ノーマル)、E
(エコノミー)などの文字で表示するようになってい
る。そして、スノーモードインジケータ64は、スノー
モードが選択された場合に「SNOW」の文字表示をお
こなうようになっている。
【0057】この発明に係る上記の車両は、通常の車両
と同様に単独での走行が可能であり、これに加えて図2
に示す隊列走行が可能であって、それぞれの走行形態に
おいて動力源と変速のための装置とを異なって制御する
ように構成されている。図1はその制御の一例を示すフ
ローチャートであって、先ず、信号の読み込みを含む入
力信号の処理がおこなわれる(ステップS1)。ついで
隊列走行が可能か否かおよび隊列走行が選択されている
か否かが判断される(ステップS2)。隊列走行では、
前述したように、隊列に参加する車両相互の間で情報の
交換をおこない、また前方車両に一定の間隔をあけて追
従して走行するから、これらの機能を果たすための機器
が正常に機能していることが必要であり、ステップS2
ではその機器のフェールの判断を含め、隊列走行が選択
されているか否かを判断する。なお、隊列走行の選択
は、車両に設けられている選択スイッチ(図示せず)に
よっておこなうことができる。
【0058】隊列走行が可能でありかつ隊列走行が選択
されていることによりステップS2で肯定判断された場
合には、隊列走行制御の処理をおこなう(ステップS
3)。その隊列走行制御の処理の一例を挙げると、前方
車両との相対位置を検出するためのレーダクルーズシス
テムをアクティブにし、また車両間通信のための送受信
機をオン状態とし、さらに追従車両においては無人運転
を可能にするために自動操舵システム(図示せず)をア
クティブにする。
【0059】ついでスロットル開度Bを設定する(ステ
ップS4)。これは、スロットル開度特性として図4に
符号Bを付して示す隊列走行時のための特性を設定する
制御である。なお、このスロットル特性Bは、前述した
ように、アクセル開度に対してスロットル開度を小さく
抑制する制御を実行するためのものであり、したがって
先導車両V1 にあっては、運転者がアクセルペダルを大
きく踏み込んでも、実際に設定されるスロットル開度が
相対的に小さく抑制される。そのため、先導車両V1 の
駆動トルクの増大が抑制されてその挙動が緩やかにな
り、その結果、追従車両V2 ,V3 ,V4 による追従走
行が容易になる。
【0060】また、スロットル開度変化特性としてB特
性が設定される(ステップS5)。このスロットル開度
変化特性Bは、図5に破線Bで示すスロットル開度の変
化特性であり、スロットル開度の時間あたりの変化量が
少なくなる特性、すなわちスロットル開度の変化が緩慢
になる特性である。したがって先導車両V1 にあって
は、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んでも、実
際にスロットル開度がゆっくり増大することになり、そ
のため、先導車両V1 の駆動トルクの増大が緩慢になっ
て先導車両V1 の挙動が緩やかになり、その結果、追従
車両V2 ,V3 ,V4 による追従走行が容易になる。
【0061】さらに、変速パターンとして図10に符号
Bを付した鎖線で示すパターンを設定する(ステップS
6)。この変速パターンは一例として第5速の変速段領
域を低車速側および高アクセル開度側に拡大したパター
ンであり、したがって小さい変速比が設定され易くな
り、換言すれば大きい変速比が設定され難くなる。その
ため、隊列走行時の先導車両V1 でこの変速パターンが
設定されることにより、先導車両V1 の運転者がアクセ
ルペダルを踏み込んでもダウンシフトが生じたり、それ
に伴って加速力が増大したりし難くなり、その結果、先
導車両V1 の加速性能が抑制されて追従車両V2 ,V3
,V4 が先導車両V1 に追従しやすくなる。
【0062】そして、ロックアップパターンとして図1
1に符号Bを付した鎖線で示すパターンが設定される
(ステップS7)。このロックアップパターンは、ロッ
クアップクラッチ25の係合領域を高アクセル開度側お
よび低車速側に拡大したパターンであり、したがってロ
ックアップクラッチ25を係合させて走行している状態
でアクセルペダルを踏み込んでもロックアップクラッチ
25が解放し難くなる。そのため、隊列走行時に先導車
両V1 でこのロックアップパターンBが設定されること
により、先導車両V1 の運転者がアクセルペダルを踏み
込んでもロックアップクラッチ25が係合したままとな
り、その結果、トルクコンバータ3でのトルクの増幅作
用が生じないために、先導車両V1 の加速性能が抑制さ
れ、その挙動が緩やかになる。そのため、追従車両V2
,V3 ,V4 による先導車両V1 への追従走行が容易
になる。
【0063】一方、隊列走行をおこなうことができない
状況にあり、あるいは隊列走行が選択されていないこと
により、ステップS2で否定判断された場合には、単独
走行制御の処理がおこなわれる(ステップS8)。これ
は、前述した隊列走行のための制御を解除して通常の車
両としての走行をおこなうための制御を設定する。例え
ば前述したレーダクルーズシステムをオフとし、また車
両間通信のための送受信機をオフ状態とし、さらに追従
車両においては無人運転を可能にするための自動操舵シ
ステム(図示せず)をオフ状態すなわち手動操舵可能な
状態にする。
【0064】ついでスロットル開度Aを設定する(ステ
ップS9)。これは、スロットル開度特性として図4に
符号Aを付して示す単独走行時のための特性を設定する
制御である。なお、このスロットル特性Aは、通常の車
両で設定されている特性と同様に、ある程度、加速性に
主眼をおいて設定される特性であり、隊列走行時に選択
される特性Bよりもスロットル開度が大きくなる。その
ため、単独走行時には必要十分な加速性が得られ、ドラ
イバビリティが損なわれることがない。
【0065】また、スロットル開度変化特性としてA特
性が設定される(ステップS10)。このスロットル開
度変化特性Aは、図5に破線Aで示す時間あたりの変化
量の大きいスロットル開度の変化特性である。これは通
常の車両で設定されている特性と同様に、ある程度加速
性に主眼をおいて設定される特性であり、したがってア
クセルペダルを踏み込むことにより、スロットル開度が
特に時間的に遅れることなく増大し、それに伴ってエン
ジン1の出力が増大するので、単独走行時には必要十分
な加速性が得られ、ドライバビリティが損なわれること
がない。
【0066】さらに、変速パターンとして図10に符号
Aを付した実線で示すパターンを設定する(ステップS
11)。この変速パターンは、燃費とドライブビリティ
とのバランスを考慮して設定される変速パターンであ
り、通常の車両で設定されるものと同じである。したが
って例えば第5速で走行している際にアクセルペダルを
踏み込むと、走行状態が変速マップ上で変速線を横切っ
て変化し、その結果、第4速へのダウンシフトが生じ
る。すなわち変速比が大きくなるので、その分、駆動ト
ルクが増大し、アクセルペダルを踏み込むことによる加
速要求に即した加速力を得ることができる。そのため、
単独走行時には必要十分な加速性が得られ、ドライバビ
リティが損なわれることがない。
【0067】そして、ロックアップパターンとして図1
1に符号Aを付した実線で示すパターンが設定される
(ステップS12)。このロックアップパターンは、ロ
ックアップクラッチ25の係合領域を、燃費とドライブ
ビリティとのバランスを考慮して設定されたパターンで
あり、通常の車両で設定されるものと同じである。した
がって例えば第5速もしくは第4速を設定して所定の車
速で走行している際にアクセルペダルを踏み込むと、走
行状態がマップ上でロックアップクラッチ25の解放領
域に入り、その結果、ロックアップクラッチ25が解放
される。それに伴ってトルクコンバータ3でポンプイン
ペラ21とタービンランナ22との相対回転が生じ、タ
ービンランナ22には増幅されたトルクが発生する。す
なわちトルクコンバータ3が本来のトルク増幅作用を果
たし、その結果、駆動トルクが増大するので、アクセル
ペダルを踏み込むことによる加速要求に即した加速力を
得ることができる。そのため、単独走行時には必要十分
な加速性が得られ、ドライバビリティが損なわれること
がない。
【0068】なお、図1に示す制御例では、スロットル
開度特性およびスロットル開度変化特性、変速パターン
およびロックアップパターンの全てを、単独走行時と隊
列走行時とで異ならせることとしたが、これらのいずれ
か一つのみを単独走行時と隊列走行時とで異ならせるよ
うに構成してもよい。
【0069】ここで上記の具体例とこの発明の関係を説
明すると、図1におけるステップS2の機能的手段が、
この発明における走行形態判別手段に相当し、またステ
ップS6の機能的手段が、請求項1の発明における変速
比制御手段に相当する。また図1に示すステップS7の
機能的手段が、請求項2の発明におけるロックアップク
ラッチ制御手段に相当し、さらにステップS4の機能的
手段が、請求項3の発明における出力制御手段に相当す
る。そして図1におけるステップS5の機能的手段が、
請求項4の発明における出力制御手段に相当する。
【0070】つぎに隊列走行する場合の追従車両の制御
について説明する。3台以上の車両が隊列を組んで走行
する場合、追従車両は前方に位置する車両を先導車両と
して追従走行するから、2番目の車両とそれ以降の車両
との特性が一致していることを好ましい。以下に述べる
例は、そのような制御を実行するように構成されてい
る。
【0071】先ず、駆動系統の構成について説明する
と、図14は単独走行と隊列走行とが可能な車両の駆動
系統を模式的に示しており、内燃機関(以下、エンジン
と記す)70の出力側にダンパー71が連結され、この
ダンパー71に続けて第1クラッチC1 と第2クラッチ
C2 とが互いに直列に連結かつ配置されている。なお、
これらのクラッチC1 ,C2 は一例として油圧によって
係合・解放の制御をおこなうことのできる多板クラッチ
である。これらのクラッチC1 ,C2 を挟んでダンパー
71とは反対側にモータ・ジェネレータ73が配置さ
れ、そのロータが第2クラッチC2 の出力側の部材に連
結されている。
【0072】さらに、モータ・ジェネレータ73を挟ん
でクラッチC1 ,C2 とは反対側に、ラビニョ型遊星歯
車機構からなる副変速部74が設けられている。すなわ
ち第1サンギヤ75が第1クラッチC1 の出力側の部材
に連結され、その第1サンギヤ75がロングピニオン7
6に噛合するとともに、このロングピニオン76にリン
グギヤ77が噛合している。さらに、第2サンギヤ78
がモータ・ジェネレータ73のロータもしくは第2クラ
ッチC2 の出力側の部材に連結されており、この第2サ
ンギヤ78が、前記ロングピニオン76に噛合しかつロ
ングピニオン76と共にキャリヤ80に保持されたショ
ートピニオン81に噛合している。そのキャリヤ80を
選択的に固定するブレーキB1 が設けられている。
【0073】この副変速部74に続けてベルト式無段変
速機(CVT)からなる主変速部82が設けられてい
る。すなわちこの主変速部82は、共に溝幅を変更可能
な駆動プーリー83と従動プーリー84とにベルト85
を巻き掛け、これらのプーリー83,84の溝幅を互い
に反対方向に変化させることにより、ベルト85の巻き
掛け半径が連続的に変化し、変速比が無段階に変化する
ように構成されている。そして、その駆動プーリー83
が前記リングギヤ77に連結され、また従動プーリー8
4が、カウンタギヤ対86およびカウンタ軸87を介し
てフロントデファレンシャル88に連結されている。
【0074】一方、エンジン70のクランクシャフトに
はスタータ用のモータ89と、第2のモータ・ジェネレ
ータ90とが連結されている。この第2モータ・ジェネ
レータ90は、図示しないクラッチによってエンジン7
0に対して選択的に連結されるように構成されており、
エンジン70によって駆動されて生じた電力をバッテリ
91に充電し、またエアコン用コンプレッサや電動オイ
ルポンプなどの補機類(図示せず)に電力を供給するよ
うに構成されている。なお、そのバッテリ91は、第2
クラッチC2 に連結されたモータ・ジェネレータ(以
下、第1モータ・ジェネレータと記す)73によって発
電した電力を充電し、またその第1モータ・ジェネレー
タ73に対して電力を供給するように構成されている。
【0075】図14に示す駆動系統を制御する手段とし
て、上述した具体例で述べた各コントローラと同様のコ
ンピュータを主体としたコントローラが設けられてい
る。すなわち、エンジン1を制御するコントローラ、各
モータ・ジェネレータ73,90およびバッテリ91を
制御するコントローラ、各クラッチC1 ,C2 を含む副
変速部74を制御するコントローラ、主変速部82を制
御するコントローラ、隊列走行を制御するための制御装
置が設けられている。さらにその隊列制御のためのコン
トローラには、前述したナビゲーションシステムのコン
トローラ、オートクルーズシステムのコントローラ、レ
ーダクルーズシステムのコントローラ、先導車両などの
他の車両からの情報、コントロールセンターからの信号
などが入力されている。
【0076】上記の副変速部74を構成しているラビニ
ョ型遊星歯車機構に関する共線図を図15に示し、また
各変速状態を設定するためのクラッチおよびブレーキの
係合・解放状態を図16に作動表として示してある。先
ず、ニュートラル(N)状態について説明すると、この
状態では第1モータ・ジェネレータ73を停止させ、か
つエンジン70を動力伝達系統から遮断する状態である
から、各クラッチC1,C2 を解放する。また、前進段
もしくは後進段を設定するための予備的状態としてブレ
ーキB1 を係合させておく。
【0077】発進時の第1速は、上記のニュートラル状
態で第1モータ・ジェネレータ73を駆動し、リングギ
ヤ77すなわち出力部材にトルクを発生させる。これは
副変速部74の第2サンギヤ78を駆動し、キャリヤ8
0を固定した状態であるから、リングギヤ77は第2サ
ンギヤ78よりも低速で同方向に回転し、したがってト
ルクが増幅されて出力される。またその場合、バッテリ
91の充電容量が不足する場合には、モータ89によっ
てエンジン70を回転させてこれを起動し、かつエンジ
ン70によって第2モータ・ジェネレータ90を駆動し
て発電をおこなう。こうすることにより、バッテリ91
の充電状態(SOC)に関係なく第1モータ・ジェネレ
ータ73によって発進することができる。また、停車時
のクリープトルクを第1モータ・ジェネレータ73によ
って発生させることができる。
【0078】このように発進時の第1速は、ブレーキB
1 を係合させた状態で第2サンギヤ78からトルクを入
力することにより設定することができるので、第1モー
タ・ジェネレータ73に替えてエンジン70によって発
進することができる。すなわち、ブレーキB1 を係合し
た状態で第2クラッチC2 をスリップ状態から次第に係
合させると、第2サンギヤ78に次第にトルクが入力さ
れ、それに伴ってリングギヤ77に発生するトルクが次
第に増大するので、滑らかに発進することができる。
【0079】第1モータ・ジェネレータ73で発進後に
エンジン70の回転数を第1モータ・ジェネレータ73
の回転数に同期するまで増大させ、その状態で第1クラ
ッチC1 を次第に係合させるとともにブレーキB1 を次
第に解放することにより、第1サンギヤ75と第2サン
ギヤ78とが同速度で回転するようになり、その結果、
副変速部74の全体が一体となって回転する第2速とな
る。その場合、第1モータ・ジェネレータ73に対する
電流の供給を停止すれば、エンジン走行となり、また第
1モータ・ジェネレータ73に電流を供給してトルクを
発生させれば、第1モータ・ジェネレータ73によるト
ルクが駆動トルクに加わるので、いわゆるトルクアシス
トすることができる。
【0080】さらに、減速時には、第1クラッチC1 を
解放してエンジン70を動力伝達系統から遮断すること
により、回生エネルギによって第1モータ・ジェネレー
タ73のみを駆動できるので、効率よくエネルギの回生
をおこなうことができる。
【0081】また一方、後進段について説明すると、ニ
ュートラル状態で第1モータ・ジェネレータ73を反転
させることにより、低速状態での後進段が設定される。
すなわちキャリヤ80をブレーキB1 によって固定した
状態で第2サンギヤ78を反転させると、出力部材であ
るリングギヤ77が逆回転し、後進段となる。その場
合、第2サンギヤ78とリングギヤ77との歯数の比
(ρ1 )に基づいて変速比が決まるので、リングギヤ7
7の回転数が低くなる。この低速の後進段では、第1サ
ンギヤ75が正回転するから、エンジン70を駆動させ
た状態で第1クラッチC1 をスリップ状態から次第に係
合させれば、第1サンギヤ75を入力要素として後進段
が設定される。このようにして設定される後進段では、
第1サンギヤ75とリングギヤ77との歯数の比(ρ2
)に基づいて変速比が決まるから、出力部材であるリ
ングギヤ77の回転数が上記の低速状態の後進段よりも
高くなる。すなわち高速状態の後進段が設定される。
【0082】なお、上記の説明から明らかなように、後
進段では第1モータ・ジェネレータ73によって後進方
向の駆動トルクを発生させることができるので、後進時
のクリープトルクを第1モータ・ジェネレータ73によ
って発生させることができる。
【0083】図14に示す駆動装置においても各シフト
ポジションを図示しないシフトレバーによって選択する
ように構成されており、そのシフトポジションは図17
に示すように配列されている。ここに示す例は、前述し
た図9に示すシフトポジションにBポジションを付加し
た構成であって、P、N、R、Dの各ポジションに続け
てBポジションが配置されている。このBポジションは
前記無段変速機からなる主変速部82によって走行状態
に応じた変速比を連続的に設定するためのシフトポジシ
ョンである。
【0084】また、Mポジションに対してプラス(+)
およびマイナス(−)のポジションが設定されている。
これは、前述した図9に示す構成と同じであるが、図1
7に示すシフト装置は無段変速機を対象とした装置であ
るから、プライススイッチあるいはマイナススイッチが
1回オン動作させられるごとに、予め設定した所定の変
速比幅の他の変速比に変速するようになっている。
【0085】また、上述した副変速部74および無段変
速機からなる主変速部82を備えたハイブリッド駆動シ
ステムを備えた車両における隊列走行制御装置53Aに
は、これらのシステムに応じた信号が入力され、また出
力するようになっている。その例を図18に示してあ
る。この図18に示す例は、前述した図12に示す信号
の一部を入れ替えたものであり、具体的には、自動変速
機の油温に替えて無段変速機(CVT)油温が入力さ
れ、また出力信号として前記第1モータ・ジェネレータ
(MG)73のコントローラに対する信号、第2モータ
・ジェネレータ(MG)90に対する信号、CVTソレ
ノイドに対する信号が追加され、かつ自動変速機のライ
ン圧コントロールソレノイドに替えてCVTライン圧コ
ントロールソレノイドに対する信号が出力されている。
なお、各インジケータなどの他の構成は、前述した具体
例と同様に構成することができるので、既に述べた図を
参照することとしてその説明を省略する。
【0086】隊列走行する場合の追従車両は、前方の車
両と同等もしくは近似した駆動特性であることが好まし
い。そこで図14に示す駆動システムを有し、かつ単独
走行と隊列走行とが可能な車両においては、図19に示
す制御が実行される。先ず、入力信号の読み込みなどの
入力信号の処理(ステップS21)が実行され、ついで
隊列走行が可能か否かおよび隊列走行が選択されている
か否かが判断される(ステップS22)。これは前述し
た図1におけるステップS2の判断過程と同様の判断で
ある。
【0087】隊列走行が可能でありかつ隊列走行が選択
されていることによりステップS22で肯定判断された
場合には、隊列走行制御の処理をおこなう(ステップS
23)。このステップS23では、前述した図1に示す
制御でのステップS3と同様の制御を実行する。つい
で、前方車両で設定されている走行特性(もしくは駆動
特性)をモニターする(ステップS24)。そのモニタ
ーする内容を例示すれば、前方車両でのスノーモードの
設定の有無、変速パターン(パワーモード、ノーマルモ
ード、エコノミーモード)の種別、電子スロットルの特
性、登坂路および降坂路でアップシフトを制限する登降
坂制御の実行の有無、旋回時の変速制限の内容とするコ
ーナリング制御の設定内容などである。
【0088】このようにしてモニターした前方車両の走
行特性に自車両の走行特性を合わせる制御(後続車統一
制御)を実施する(ステップS25)。したがってこの
場合、各車両の個別に設定されていた単独走行のための
特性は一時的にキャンセルされる。
【0089】なお、隊列走行をおこなうことができず、
あるいは隊列走行が選択されていないことにより、ステ
ップS22で否定判断された場合には、単独走行制御の
処理をおこなう(ステップS26)。このステップS2
6では、前述した図1に示すすステップS8と同様の処
理をおこなう。
【0090】したがって図19に示す制御をおこなうこ
とにより、隊列走行する各車両の走行特性が、先導車両
の走行特性に一致もしくは近似させられる。その結果、
隊列の中に追従遅れを生じる車両が混在しないので、安
定した隊列走行をおこなうことができる。
【0091】なお、図19に示す制御例では、前方車両
の走行特性に後続車両の走行特性を一致させることとし
たが、これに替えて、走行特性が最も低レベルの車両を
検出し、その車両の走行特性の他の車両の走行特性を一
致させることとしてもよい。このようにすれば、隊列の
全体の走行特性が低下するが、前方車両に追従できない
車両が発生することを確実に防止することができる。
【0092】なお、上述した各具体例では、内燃機関と
モータ・ジェネレータとを動力源としたハイブリッド車
を対象とした例を挙げたが、この発明は上記の各具体例
に限定されないのであって、内燃機関のみあるいは電動
機のみを動力源とした車両の隊列走行を制御する装置に
適用することができる。また、隊列の先導車両は運転者
が運転することになるが、これに追従する車両は、無人
車両であってもよく、あるいは運転者が搭乗してもよ
い。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、隊列走行をおこなっている先導車両の変速比
が、単独走行をおこなう場合に比較して、相対的に大き
い変速比に設定され難くなり、そのため、先導車両の駆
動力が抑制され、その急激な挙動の変化が防止されるの
で、後続の追従車両による追従の遅れが回避され、安定
した隊列走行が可能になる。
【0094】また、請求項2の発明によれば、隊列走行
の場合には、トルクコンバータなどの流体継手における
ロックアップクラッチが解放され難くなり、すなわち完
全係合あるいは半係合の状態に制御され易くなって流体
継手でのトルクの増幅作用が抑制され、そのため、先導
車両の駆動トルクの急激な増大が抑制され、後続の車両
が先行の車両に追従し易くなることにより、安定した隊
列走行が可能になる。
【0095】さらに、請求項3の発明によれば、隊列走
行をおこなっている場合には、先導車両におけるアクセ
ル操作量を大きくしてもその出力の増大量が抑制される
ため、隊列走行時の先導車両の駆動トルクの変化が小さ
く、もしくは緩やかな傾向になり、その結果、後続の車
両が先行の車両に追従し易くなって、安定した隊列走行
が可能になる。
【0096】そして、請求項4の発明によれば、隊列走
行をおこなっている先導車両のアクセル操作に対する動
力源の出力の変化が、時間的に遅れて生じ、そのため、
隊列走行時の先導車両の駆動トルクの変化が緩慢な傾向
になり、その結果、後続の車両が先行の車両に追従し易
くなって、安定した隊列走行が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御例を示すフロ
ーチャートである。
【図2】 複数台の車両による隊列走行の概念図であ
る。
【図3】 単独走行と隊列走行とが可能な車両の駆動系
統およびその制御系統の一例を示すブロック図である。
【図4】 単独走行時と隊列走行時とのそれぞれで設定
されるスロットル開度特性の一例を示す線図である。
【図5】 単独走行時と隊列走行時とのそれぞれで設定
されるスロットル開度変化特性の一例を示す線図であ
る。
【図6】 減速度設定スイッチの一例を示す図である。
【図7】 隊列走行する車両における自動変速機の一例
を示すスケルトン図である。
【図8】 その自動変速機の各変速段を設定するための
摩擦係合装置の係合作動表を示す図表である。
【図9】 その自動変速機におけるシフトレバーポジシ
ョンの配列を示す図である。
【図10】 単独走行時と隊列走行時とのそれぞれで選
択される変速マップの一部を例示する線図である。
【図11】 単独走行時と隊列走行時とのそれぞれで選
択されるロックアップマップの一例を示す線図である。
【図12】 隊列走行制御装置に入力される信号および
出力される信号の例を示すブロック図である。
【図13】 インジケータの一例を示す図である。
【図14】 単独走行および隊列走行が可能な車両の駆
動系統を示すブロック図である。
【図15】 その副変速部を構成するラビニョ型遊星歯
車機構についての共線図である。
【図16】 その副変速部で各変速段を設定するための
係合作動表の一例を示す図表である。
【図17】 そのシフトレバーポジションの配列の一例
を示す図である。
【図18】 その隊列走行制御装置に入力される信号お
よび出力される信号の例を示すブロック図である。
【図19】 隊列走行する複数台の車両の走行特性を統
一するための制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
V1 …先導車両、 V2 ,V3 ,V4 …追従車両、
1,70…エンジン、2…モータ・ジェネレータ、 3
…トルクコンバータ、 4…自動変速機、 5…エンジ
ン・コントローラ、 8…モータ・ジェネレータ・コン
トローラ、 11…自動変速機・コントローラ、 5
3,53A…隊列走行制御装置、 56…レーダクルー
ズ・コントローラ、 74…副変速部、 82…主変速
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F16H 59:60 Fターム(参考) 3D041 AA41 AB01 AC01 AC02 AC09 AC15 AC18 AC20 AD02 AD10 AD31 AD46 AD51 AE04 AE31 AE37 3D044 AA25 AB00 AC05 AC07 AC16 AC22 AC26 AC39 AC59 AD04 AD14 AD17 AE04 3G093 AA05 AA06 AA07 AA16 AB00 AB01 BA23 DA01 DA05 DA06 DB00 DB01 DB05 DB11 DB16 EA09 EB01 EB03 EC02 FA10 FB01 FB02 3J052 AA04 BB01 BB17 EA02 FA01 FB31 GB06 GC13 GC23 GD00 HA01 HA11 LA01 5H180 AA01 CC14 LL01 LL04 LL09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独での走行と先導車両に後続車両が追
    従して隊列をなすように制御する隊列走行とが可能であ
    り、かつ変速比を制御することのできる隊列走行車両の
    制御装置おいて、 選択されている走行形態が単独走行と隊列走行とのいず
    れかを判別する走行形態判別手段と、 隊列走行が選択されていることをその走行形態判別手段
    によって判別された場合に、前記先導車両の変速比を隊
    列走行が判別されない場合よりも大きくなり難く制御す
    る変速比制御手段とを備えていることを特徴とする隊列
    走行車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 単独での走行と先導車両に後続車両が追
    従して隊列をなすように制御する隊列走行とが可能であ
    り、かつ動力源から駆動輪に到る動力伝達系統に、流体
    を介してトルクを伝達する流体継手とその流体継手の入
    力部材と出力部材とを機械的に直接連結するロックアッ
    プクラッチとが設けられた隊列走行車両の制御装置おい
    て、 選択されている走行形態が単独走行と隊列走行とのいず
    れかを判別する走行形態判別手段と、 隊列走行が選択されていることをその走行形態判別手段
    によって判別された場合に、前記ロックアップクラッチ
    を隊列走行が判別されない場合よりも解放し難く制御す
    るロックアップクラッチ制御手段とを備えていることを
    特徴とする隊列走行車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 単独での走行と先導車両に後続車両が追
    従して隊列をなすように制御する隊列走行とが可能であ
    り、かつアクセル操作に基づいて動力源の出力操作をお
    こなう隊列走行車両の制御装置おいて、 選択されている走行形態が単独走行と隊列走行とのいず
    れかを判別する走行形態判別手段と、 隊列走行が選択されていることをその走行形態判別手段
    によって判別された場合に、前記アクセル操作量に対す
    る動力源の出力操作量を隊列走行が判別されない場合よ
    りも少なく制御する出力制御手段とを備えていることを
    特徴とする隊列走行車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 単独での走行と先導車両に後続車両が追
    従して隊列をなすように制御する隊列走行とが可能であ
    り、かつアクセル操作に基づいて動力源の出力操作をお
    こなう隊列走行車両の制御装置おいて、 選択されている走行形態が単独走行と隊列走行とのいず
    れかを判別する走行形態判別手段と、 隊列走行が選択されていることをその走行形態判別手段
    によって判別された場合に、前記アクセル操作量の変化
    に対する動力源の出力操作量の時間的変化を隊列走行が
    判別されない場合よりも少なく制御する出力制御手段と
    を備えていることを特徴とする隊列走行車両の制御装
    置。
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