JP2000303252A - ポリオレフィン繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン繊維及びその製造方法

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JP2000303252A
JP2000303252A JP11114651A JP11465199A JP2000303252A JP 2000303252 A JP2000303252 A JP 2000303252A JP 11114651 A JP11114651 A JP 11114651A JP 11465199 A JP11465199 A JP 11465199A JP 2000303252 A JP2000303252 A JP 2000303252A
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polyolefin
meth
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alkyl
acrylate
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Ken Tsuchibe
研 土部
Yoshishige Shimizu
喜茂 清水
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太繊維や異形断面繊維の形態をとることがで
き、かつ分散染料可染性を有するポリオレフィン繊維を
提供し、またポリオレフィンの溶融紡糸におけるドロー
ダウンを防止し、太繊維や異形断面繊維の形態でも賦型
可能に紡糸性を向上させてポリオレフィン繊維を得る。 【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン(A)及び
アルキル基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アク
リレート系ポリマー(B)からなる混合粉体を均一分散
させて含有するポリオレフィンから形成されてなるポリ
オレフィン繊維、及び、ポリオレフィン繊維のポリオレ
フィンの溶融紡糸に当たり、前記混合粉体をポリオレフ
ィン100重量部に対し0.05〜10重量部の比で添
加し溶融混練した後、溶融紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維の形態的な制
限がなく、かつ染色性の改善されたポリオレフィン繊維
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン繊維は、撥水性、非吸水
性に優れ、低比重で低熱伝導性のため軽くて暖かく、ま
た構成ポリマーの主鎖が炭素と水素のみで構成されてい
るため、耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性に優れてい
る等他の繊維にはない種々の特長を有している。しかし
ながら、通常のポリオレフィン繊維の構成ポリマーのポ
リオレフィンは、結晶性ポリマーであるため、ドローダ
ウンし易く、溶融紡糸により単繊維繊度で50dtex
を超えるような太繊維や高偏平断面繊維等の異形断面繊
維に賦型することが困難であり、ポリオレフィン繊維の
製造上形態的な制限を受けるという問題がある。
【0003】またポリオレフィン繊維は、構成ポリマー
のポリオレフィンが官能基を有しないため、後染めで染
色できず、特に衣料用繊維の用途が制限されるので、過
去長年にわたり染色性の改善が試みられてきた。例えば
特開平4−2099824号公報にて、ポリオレフィン
を海成分とする繊維であって、前記繊維断面において平
均直径が1μm未満の可染性ポリマーを島成分として含
むポリオレフィン系ポリマーアロイからなることを特徴
とする可染性ポリオレフィン系繊維が提案されている。
しかしながら、かかる可染性ポリオレフィン系繊維でも
その染色性は十分満足できるものではなく、また物理的
な力が繊維にかかる場合、海島間に剥離が生じ易いとい
う欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィンの溶融紡糸でのドローダウンを抑止するとともにポ
リオレフィン繊維の染色性を改善すべく検討の結果到達
したものである。即ち、本発明の目的は、太繊維や異形
断面繊維の形態をとることができ、かつ分散染料可染性
を有するポリオレフィン繊維を提供することにあり、ま
たポリオレフィンの溶融紡糸におけるドローダウンを防
止し、太繊維や異形断面繊維の形態でも賦型可能に紡糸
性を向上させてポリオレフィン繊維を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリテトラフ
ルオロエチレン(A)及びアルキル基の炭素数が5〜3
0のアルキル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)か
らなる混合粉体を均一分散させて含有するポリオレフィ
ンから形成されてなるポリオレフィン繊維、及び、ポリ
オレフィンにポリテトラフルオロエチレン(A)及びア
ルキル基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリ
レート系ポリマー(B)からなる混合粉体をポリオレフ
ィン100重量部に対し0.05〜10重量部の比で添
加し溶融混練した後、該ポリオレフィンを溶融紡糸する
ことを特徴とするポリオレフィン繊維の製造方法、にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリオレフィンと
しては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン−
1、ポリメチルテン等の融点が100℃以上のα−オレ
フィンのホモポリマー、コポリマー及びその変形体が挙
げられ、特に繊維成形上ポリプロピレンが好ましいもの
として挙げられる。
【0007】本発明においては、ポリオレフィンにポリ
テトラフルオロエチレン(A)及びアルキル基の炭素数
が5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリマー
(B)からなる混合粉体が含有させることを必須とす
る。
【0008】本発明で用いる混合粉体において、ポリテ
トラフルオロエチレン(A)としては、特に制限はな
く、テトラフルオロエチレンを主成分とする単量体を公
知の方法で重合せしめることにより得られるものであ
り、またポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわな
い範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエ
チレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フ
ッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アク
リレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを
含むことができる。共重合成分の含量は、ポリテトラフ
ルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好
ましい。
【0009】また、混合粉体において、アルキル基の炭
素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリ
マー(B)は、アルキル基の炭素数が5〜30のアルキ
ル(メタ)アクリレートを含む単量体をラジカル重合或
いはイオン重合等により重合せしめることにより得られ
るものである。アルキル基炭素数5〜30のアルキル
(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
オクタデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、特にアルキル基炭素数
12〜30のアルキル(メタ)アクリレート、例えばド
デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アク
リレートが好ましいものとして挙げられる。これらの単
量体は、単独で或いは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0010】アルキル基の炭素数が5〜30のアルキル
(メタ)アクリレート系ポリマー(B)には、アルキル
基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリレート
を主成分としてアルキル基の炭素数が5〜30のアルキ
ル(メタ)アクリレート以外の単量体が共重合されてい
てもよい。
【0011】かかる共重合可能な単量体としては、スチ
レン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−
クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシス
チレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル基炭素数
1〜4のアルキル(メタ)アクリレート系単量体、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル等のビニルエーテル系単量体、酢酸ビニル、酪酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニル系単量体、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン系単量体、ブタジエ
ン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量
体等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上混合し
て用いることができる。
【0012】本発明においてポリオレフィンに含有され
るポリテトラフルオロエチレン(A)とアルキル基の炭
素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリ
マー(B)からなる混合粉体は、繊維形態のポリオレフ
ィン中にて均一に分散して存在し、分散染料に対する可
染性をポリオレフィン繊維に付与するとともに、本発明
のポリオレフィン繊維を得る溶融紡糸でのドローダウン
を防止して紡糸性を向上させる機能を発揮する。
【0013】混合粉体におけるポリテトラフルオロエチ
レン(A)とアルキル基の炭素数が5〜30のアルキル
(メタ)アクリレート系ポリマー(B)との比は、アル
キル基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリレ
ート系ポリマー(B)/ポリテトラフルオロエチレン
(A)の重量比で0.2以上であるが好ましく、0.5
以上であることがより好ましい。重量比が0.2未満で
は混合粉体中のポリテトラフルオロエチレンの割合が多
くなり過ぎポリオレフィンに対する混合粉体の分散性が
低下する恐れがある。
【0014】本発明における混合粉体は、粒子径0.0
5〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性
分散液とアルキル基の炭素数が5〜30のアルキル(メ
タ)アクリレート系ポリマー粒子水性分散液とを混合し
て凝固又はスプレードライする方法により混合粉体とし
て得られる。また、粒子径0.05〜1.0μmのポリ
テトラフルオロエチレン粒子水性分散液とアルキル基炭
素数5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリマ
ー粒子水性分散液とを混合した分散液中で、更にビニル
系単量体と共重合可能な単量体を添加して重合した後に
凝固又はスプレードライする方法によっても混合粉体と
して得られる。ビニル系単量体としては、前述したアル
キル基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アクリレ
ート及びそれらと共重合可能な単量体が用いられ、特に
ビニル系単量体がメチルメタクリレートであることが好
ましい。
【0015】前記ポリテトラフルオロエチレン粒子水性
分散液は、テトラフルオロエチレンを主成分とする単量
体を公知の乳化重合法により重合させる等により得ら
れ、またフルオンAD−1、フルオンAD−936(旭
ICIフロロポリマー社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンD−2(ダイキン工業社製)、テフロン30J
(三井デュポンフロロケミカル社製)等として入手し得
る。また、アルキル基炭素数5〜30のアルキル(メ
タ)アクリレート系ポリマー粒子水性分散液は、アルキ
ル基炭素数5〜30のアルキル(メタ)アクリレートを
含む単量体を公知の乳化重合法或いはミニエマルション
重合法等により重合させる等により得ることができる。
【0016】本発明においては、ポリテトラフルオロエ
チレン(A)とアルキル基の炭素数が5〜30のアルキ
ル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)からなる混合
粉体は、ポリオレフィン100重量部に対して、0.0
5〜10重量部の比で含有することが好ましい。含有量
が0.05重量部未満では、溶融紡糸による繊維賦型の
際のドローダウン防止効果が不十分であるだけでなく、
分散染料可染性が十分ではなく、10重量部を超えると
分散性の低下により可染性に斑が生じる恐れがある。
【0017】また、本発明においては、ポリテトラフル
オロエチレン(A)とアルキル基の炭素数が5〜30の
アルキル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)からな
る混合粉体を含むポリオレフィンには、必要に応じて公
知の滑剤、加工助剤、耐衝撃改質剤、充填剤、離形剤、
発泡剤、顔料、紫外線吸収剤、防曇剤、抗菌剤、帯電防
止剤、界面活性剤、難燃剤等が加えられていてもよい。
【0018】本発明のポリオレフィン繊維は、ポリテト
ラフルオロエチレン(A)及びアルキル基の炭素数が5
〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリマー
(B)からなる混合粉体を均一分散状態に含有するポリ
オレフィンから形成されており、以下の方法により製造
される。
【0019】即ち、ポリオレフィンにポリテトラフルオ
ロエチレン(A)及びアルキル基の炭素数が5〜30の
アルキル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)からな
る混合粉体をポリオレフィン100重量部に対し0.0
5〜10重量部の比で添加し、溶融押出機等で溶融混練
して混合粉体をポリオレフィンに分散させた後、この混
合粉体を含有するポリオレフィンを溶融紡糸することに
より本発明のポリオレフィン繊維を製造することができ
る。また、混合粉体をポリオレフィンへ添加する際、混
合粉体を高含有量にポリオレフィンに添加してマスター
バッチを作り、ポリオレフィンで所定の混合粉体含有量
になるように希釈する方法を採ることもできる。
【0020】本発明の製造方法における溶融紡糸法とし
ては、特に制限はなく、ポリオレフィン繊維の製造にお
ける通常の溶融紡糸条件が用いられる。本発明の製造方
法においては、ポリオレフィンがポリテトラフルオロエ
チレン(A)及びアルキル基の炭素数が5〜30のアル
キル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)からなる混
合粉体を含有することにより、分散染料による可染性を
発揮し染色性が改善されるとともに、溶融紡糸の際通常
のポリオレフィンにみられるドローダウンが防止され、
吐出量がスムースで繊維の表面状態が改良され、特にド
ローダウンが防止されることにより紡糸性も極めて良好
なるものであり、任意の広範囲の形状の紡糸孔を用いる
ことができ、通常の単繊維繊度或いは円形断面の繊維の
みならず、単繊維繊度で50dtex以上もの太繊維や
扁平断面繊維等の異形断面繊維を容易に得ることができ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、参考例、実施例中の部は重量部を、また%は
重量%を示す。また、参考例、実施例中の各特性値の測
定は下記の方法に拠った。
【0022】(固形分濃度)粒子水性分散液を170℃
で30分乾燥して求めた。 (粒子径分布、重量平均粒子径)粒子水性分散液を水で
希釈したものを試料液として、動的光散乱法(大塚電子
(株)製ELS800使用、温度25℃、散乱角90
度)により測定した。
【0023】(紡糸性)溶融紡糸における紡糸状況及び
紡糸安定性を下記のように評価した。 ×:紡糸不可 △:紡糸可能であるが、安定せず ○:紡糸可能で、かつ安定
【0024】(染色性)染色後の繊維を目視で判定し下
記の5段階に分け評価した。 ×:着色なし ×〜△:一部が淡色に着色 △:全体が淡色に着色 △〜○:一部が濃色に着色 ○:全体が濃色に着色
【0025】(参考例)〔混合粉体の製造例〕 ポリテトラフルオロエチレン系粒子水性分散液として、
旭ICIフロロポリマー社製フルオンAD−936を用
いた。このポリテトラフルオロエチレン系粒子水性分散
液は、固形分濃度が63.0%であり、ポリテトラフル
オロエチレン100部に対してポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル5部を含むものであり、含まれる粒
子は粒子径分布が単一のピークを示し、重量平均粒子径
が290nmであった。このポリテトラフルオロエチレ
ン系粒子水性分散液833部に蒸留水1167部を添加
し、固形分濃度26.2%のポリテトラフルオロエチレ
ン粒子水性分散液(a)を得た。分散液(a)は25%
のポリテトラフルオロエチレン粒子と1.2%のポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルを含むものであ
る。
【0026】一方、アルキル基炭素数5〜30のアルキ
ル(メタ)アクリレート系ポリマー粒子水性分散液とし
て、)ドデシルメタクリレート75部とメチルメタクリ
レート25部の混合液にアゾビスジメチルバレロニトリ
ル0.1部を溶解させ、これにドシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム2.0部と蒸留水300部の混合液を添加
し、ホモミキサーにて10000rpmで4分間攪拌し
た後、ホモジナイザーに300kg/cmの圧力で2
回通し、安定なドデシルメタクリレート/メチルメタク
リレート分散液を得た。この分散液を攪拌機、コンデン
サー、熱電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコ
に仕込み、窒素気流下で内温を80℃にて3時間攪拌し
てラジカル重合させ、ドデシルメタクリレート/メチル
メタタクリレート共重合体粒子水性分散液(b)を得
た。得られた分散液(b)は、固形分濃度が25.1%
であり、含まれる粒子は粒子径分布が単一のピークを示
し、重量平均粒子径が198nmであった。
【0027】次いで、分散液(a)160部(ポリテト
ラフルオロエチレン40部)と分散液(b)159.4
部(ドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート共
重合体40部)とを、攪拌機、コンデンサー、熱電対、
窒素導入口、滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに
仕込み、窒素気流下に室温で1時間攪拌した。その後、
系内を80℃に昇温し、硫酸鉄0.001部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリッ
ト塩24部、蒸留水10部の混合液を加えた後、メチル
メタクリレート20部とターシャリーブチルパーオキシ
ド0.1部の混合液を30分かけて滴下し、滴下終了
後、内温を80℃で1時間保持してラジカル重合を完了
させた。一連の操作を通じて固形分の分離は見られず、
均一な粒子分散液を得た。得られた粒子分散液は、固形
分濃度が28.5%で、含まれる粒子は粒子径分布が比
較的ブロードで、重量平均粒子径が248nmであっ
た。
【0028】この粒子分散液349.7部を塩化カルシ
ウム5部を含む75℃の熱水600部に投入し、固形分
を分離させ、濾過、乾燥して混合粉体97部を得た。得
られた混合粉体を220℃でプレス成形機により短冊状
に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたものを無
染色のまま透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリテ
トラフルオロエチレンは暗部として観測されるが、10
μmを越える凝集物は観察されなかった。
【0029】(実施例1〜5、比較例1〜3)メルトフ
ローレート(MFR)50及び15の直鎖状ホモポリプ
ロピレンペレット(日本ポリケム社製ノバテックPP)
を用い、こられホモポリプロピレンペレットに参考例で
得た混合粉体を表1に示す割合でそれぞれ添加し、二軸
押出機にて230℃で溶融混練してポリマーアロイ化し
た後、孔径1mm、孔数20ケのノズル1、孔径2m
m、孔数20ケのノズル2及びスリット幅0.25m
m、長さ12.5mmのスリット数10ケのノズル3に
て、紡糸温度255℃、紡糸速度50〜900m/分で
溶融紡糸し、延伸温度第1ゾーン80℃、第2ゾーン1
30℃、第3ゾーン120℃、延伸速度300〜150
00m/分、延伸倍率5倍で延伸してポリプロピレン延
伸糸を得た。
【0030】得られたポリプロピレン延伸糸を、分散染
料(チバガイギー社製テラシールブルー)1%owfを
含む染浴に常圧100℃で20分間浸漬して染色し、そ
の後洗浄剤1%を含む浴に70℃で20分間保持した
後、水洗、乾燥した。ポリプロピレン延伸糸を得る際の
紡糸性、得られた延伸糸の繊度及び染色性を表1に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例6〜8、比較例4〜6)MFR
0.6の高密度ポリエチレン及びMFR1.9の低密度
ポリエチレン(グランドポリマー社製ハイゼックス30
00B及びミソラン50)を用い、これらポリエチレン
に参考例で得た混合粉体を表2に示す割合でそれぞれ添
加し、二軸押出機にて230℃で溶融混練してポリマー
アロイ化した後、孔径1mm、孔数20ケのノズル1、
孔径2mm、孔数20ケのノズル2及びスリット幅0.
25mm、長さ12.5mmのスリット数10ケのノズ
ル3にて、紡糸温度210℃、紡糸速度50〜900m
/分で溶融紡糸し、延伸温度第1ゾーン80℃、第2ゾ
ーン100℃、第3ゾーン100℃、延伸速度300〜
15000m/分、延伸倍率5倍で延伸してポリエチレ
ン延伸糸を得た。更に得られたポリエチレン延伸糸を、
実施例1〜5と同様にして染色した。ポリエチレン延伸
糸を得る際の紡糸性、得られた延伸糸の繊度及び染色性
を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン繊維は、太繊維
や異形断面繊維の形態をとることができ、かつ分散染料
可染性を有するものであり、従来の資材用途を更に広げ
ることに加え、衣料用途等にも広く用いられる。また本
発明の製造方法によれば、溶融紡糸におけるドローダウ
ンを防止して太繊維や異形断面繊維の形態でも賦型可能
に紡糸性を向上させて分散染料可染性のポリオレフィン
繊維を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB031 BB051 BB121 BB141 BB171 BD152 BG043 BG053 FD010 FD050 FD090 FD100 FD130 FD160 FD170 FD180 FD310 FD320 GK01 4L035 AA05 AA09 BB31 BB88 BB89 BB91 EE20 HH05 HH10 LA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレン(A)及び
    アルキル基の炭素数が5〜30のアルキル(メタ)アク
    リレート系ポリマー(B)からなる混合粉体を均一分散
    させて含有するポリオレフィンから形成されてなるポリ
    オレフィン繊維。
  2. 【請求項2】 混合粉体が、アルキル基の炭素数が5〜
    30のアルキル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)
    /ポリテトラフルオロエチレン(A)の重量比が0.2
    以上の混合粉体である請求項1記載のポリオレフィン繊
    維。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンが、ポリテトラフルオロ
    エチレン(A)及びアルキル(メタ)アクリレート系ポ
    リマー(B)からなる混合粉体をポリオレフィン100
    重量部に対し0.05〜10重量部の比で含有するポリ
    オレフィンである請求項1又は請求項2記載のポリオレ
    フィン繊維。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンにポリテトラフルオロエ
    チレン(A)及びアルキル基の炭素数が5〜30のアル
    キル(メタ)アクリレート系ポリマー(B)からなる混
    合粉体をポリオレフィン100重量部に対し0.05〜
    10重量部の比で添加し溶融混練した後、該ポリオレフ
    ィンを溶融紡糸することを特徴とするポリオレフィン繊
    維の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015232187A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 三菱レイヨン株式会社 ポリオレフィン系繊維及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015232187A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 三菱レイヨン株式会社 ポリオレフィン系繊維及びその製造方法

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