JP2000302834A - ポリウレタン弾性体 - Google Patents

ポリウレタン弾性体

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JP2000302834A
JP2000302834A JP11116279A JP11627999A JP2000302834A JP 2000302834 A JP2000302834 A JP 2000302834A JP 11116279 A JP11116279 A JP 11116279A JP 11627999 A JP11627999 A JP 11627999A JP 2000302834 A JP2000302834 A JP 2000302834A
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polyol
polyurethane
polyurethane elastic
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JP11116279A
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Satoshi Nakamura
聡史 仲村
Akira Fujimoto
明 富士本
Toshihiro Tomatsu
寿広 戸松
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性枕木に用いられる弾性体に要求されるよ
うな、圧縮永久歪が少なく、引張強度、引裂強度が高い
等の高度な機械的特性を有すると共に、高い耐候性、耐
薬品性を有し、成形性にも優れるポリウレタン弾性体を
提供する。 【解決手段】 (A)グリセリンを出発物質としてプロ
ピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延
長された末端に水酸基を有する分子量3000〜600
0のグリセリンベースポリオール、(B)トリメチロー
ルプロパンを出発物質としてプロピレンオキサイドまた
はエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基
を有する分子量150〜500のトリメチロールプロパ
ンベースポリオール、および(C)分子量62〜90の
グリコールを含むポリオール成分と、分子内に2つ以上
のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む
イソシアネート成分とを反応させることにより比重が
1.0以上のポリウレタン弾性体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン弾性
体に関し、さらに詳しくは、弾性枕木に用いられる弾性
体に要求されるような、圧縮永久歪が少なく、引張強
度、引裂強度が高い等の高度な機械的特性を有すると共
に、高い耐候性、耐薬品性を有し、成形性にも優れるポ
リウレタン弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】枕木は、レールを固定し走行車輌の軌道
を正確に保持すると共に、レールから伝達される車輌荷
重を広く道床に分散させる役割を果たすものであるが、
近年、振動騒音の軽減と軌道保守の省力化等を求めて、
コンクリート枕木を弾性体で被覆した弾性枕木が使用さ
れるようになってきている。
【0003】この様な弾性枕木の製造方法として、例え
ば、ウレタンエラストマーをコンクリート枕木に一体被
覆成形するウレタン注入一体成形方式(特公昭61−6
0202号公報、特公平4−22170号公報)、コン
クリート枕木に弾性被覆材を接着剤を併用して嵌合する
張り付け方式(実開昭61−79667号公報)、コン
クリート枕木に型枠を取付け型枠内にウレタンエラスト
マー原液を注入し硬化被覆させる流し込み方式(特開平
8−169022号公報)、予め成形した突起付弾性体
の突起部分をコンクリート打設時に埋め込むことにより
弾性体とコンクリート本体を一体化する埋め込み方式等
の方法が従来より用いられている。
【0004】しかしながら、上記弾性枕木の製造法にお
いて、一体成形方式は大がかりな注入設備と金型を要
し、型組、脱型等の作業も煩雑なことから高コストであ
るという問題があった。
【0005】一方、低コスト化のために考案された張り
付け、埋め込み、流し込み等の方法のうち、流し込み方
式においては、使用されるポリウレタン弾性体に作業面
から長い可使時間が要求され、また、使用目的から高度
の機械物性が要求された。このため、架橋剤として4,
4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(MOC
A)を、イソシアネートとしてトリレンジイソシアネー
ト(TDI)を使用したポリウレタン弾性体が使用され
てきた。しかし、これらの物質は何れも特定化学物質に
指定されており、取り扱いに注意を要する。また、MO
CAは塩素系の化合物であるため焼却時にダイオキシン
を発生する可能性が高いと言う点で問題があった。
【0006】そこで、弾性枕木製造のうちの流し込み方
式に適するポリウレタン弾性体として、圧縮永久歪が少
なく、引張強度、引裂強度が高い等の弾性枕木に用いら
れる弾性体に要求される高度な機械的特性を有すると共
に、高い耐候性、耐薬品性を有し、成形性のよいポリウ
レタン弾性体であって、好ましくは特定化学物質や塩素
系の化合物を含まないポリウレタン弾性体の開発が望ま
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、弾性枕木に用いられる弾性体に
要求されるような、圧縮永久歪が少なく、引張強度、引
裂強度が高い等の高度な機械的特性を有すると共に、高
い耐候性、耐薬品性を有し、成形性にも優れるポリウレ
タン弾性体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するためにポリウレタン弾性体の成形原料につい
て鋭意研究を行った結果、イソシアネート成分と組み合
わせるポリオール成分を特殊な組成とすると、これらの
成分を混合した直後のポリウレタン原液は粘度が低いこ
とから成形の際の作業性がよく、また、前記ポリウレタ
ン原液が反応硬化して得られるポリウレタン弾性体の機
械的強度は、弾性枕木に用いられる弾性体として十分に
実用に耐え得る程度に優れていることを見出し、本発明
を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、下記(A)、(B)、
および(C)のポリオールを含むポリオール成分と、分
子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシ
アネートを含むイソシアネート成分とを反応させること
により得られる比重が1.0以上のポリウレタン弾性体
を提供するものである。
【0010】(A)グリセリンを出発物質としてプロピ
レンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長
された末端に水酸基を有する分子量3000〜6000
のグリセリンベースポリオール; (B)トリメチロールプロパンを出発物質としてプロピ
レンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長
された末端に水酸基を有する分子量150〜500のト
リメチロールプロパンベースポリオール; (C)分子量62〜90のグリコール。
【0011】本発明のポリウレタン弾性体の反応原料の
一つであるポリオール成分における(A)グリセリンベ
ースポリオールと(B)トリメチロールプロパンベース
ポリオールの含有比率(A)/(B)は、具体的には、
重量比率で3〜100程度である。
【0012】また、本発明のポリウレタン弾性体に用い
る前記ポリオール成分におけるグリコールの含有量とし
て、具体的には、上記(A)〜(C)のポリオールおよ
びポリイソシアネートの合計量に対して0.5〜10重
量%程度の量を挙げることができる。
【0013】さらに、本発明のポリウレタン弾性体のも
う一つの反応原料であるイソシアネート成分が含有する
ポリイソシアネートとして、好ましくは、カルボジイミ
ド反応により変性されていてもよい4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートと、グリセリンまたはグリコ
ールを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/ま
たはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸
基を有するポリオールとを反応させることにより得られ
る、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを挙
げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタン弾性体は、上記(A)、(B)、
および(C)のポリオールを含むポリオール成分と、分
子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシ
アネートを含むイソシアネート成分とを反応させること
により得られる比重が1.0以上のポリウレタン弾性体
である。まず、本発明のポリウレタン弾性体の反応原料
を構成するポリオール成分、イソシアネート成分をその
順に説明する。
【0015】(1)ポリオール成分 本発明のポリウレタン弾性体の反応原料を構成するポリ
オール成分は、上記(A)のグリセリンベースポリオー
ル、(B)のトリメチロールプロパンベースポリオー
ル、および(C)のグリコールを含有するものである。
【0016】(A)グリセリンベースポリオール 本発明に用いるポリオール成分が含有するグリセリンベ
ースポリオールは、グリセリンを出発物質としてプロピ
レンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長
された末端に水酸基を有するグリセリンベースのポリオ
ールであり、その分子量は3000〜6000、好まし
くは3000〜5000である。
【0017】(B)トリメチロールプロパンベースポリ
オール 本発明に用いるトリメチロールプロパンベースポリオー
ルは、トリメチロールプロパンを出発物質としてプロピ
レンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長
された末端に水酸基を有するトリメチロールプロパンを
ベースとするポリオールであり、その分子量は150〜
500、好ましくは180〜400である。
【0018】(C)グリコール 本発明に用いるグリコールは、62〜90の分子量を有
するグリコールである。また、本発明に用いるグリコー
ル分子が有する2個の水酸基の分子内での位置は特に制
限されない。この様なグリコールとして、より具体的に
は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
【0019】上記(A)〜(C)の各ポリオールは、何
れも従来公知の方法により得られるものである。本発明
に用いるポリオール成分は、上記(A)グリセリンベー
スポリオール、(B)トリメチロールプロパンベースポ
リオール、および(C)グリコールを含有する。各ポリ
オールの含有量については、特に制限されるものではな
いが、ポリオール成分における(A)グリセリンベース
ポリオールと(B)トリメチロールプロパンベースポリ
オールの含有比率(A)/(B)は、好ましくは、重量
比率で3〜100程度、より好ましくは10〜50程度
である。
【0020】また、ポリオール成分におけるグリコール
の含有量として、好ましくは、(A)〜(C)のポリオ
ールおよび後述のイソシアネート成分中のポリイソシア
ネートを合計した量に対して0.5〜10重量%程度、
より好ましくは、2〜7重量%程度の量を挙げることが
できる。
【0021】本発明に用いるポリオール成分は、上記ポ
リオール以外に、ポリウレタン弾性体を製造する際に通
常用いられるポリオール成分が含有する各種成分の適当
量を含有することができる。この様な成分として、例え
ば、反応を促進させるための触媒、難燃剤、脱水剤、可
塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤等が挙げられる。
【0022】また、上記触媒として、具体的には、3級
アミン、イミダゾール、有機錫化合物、有機鉛化合物、
有機カリウム塩、有機ナトリウム塩、DBU(1,8−
ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7)塩等が
挙げられる。さらに、上記難燃剤としては、リン酸エス
テル類、水酸化アルミニウム、メラミン等が、脱水剤と
しては、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオ
ライト等が、可塑剤としては、フタル酸エステル類、脂
肪酸エステル類等が、耐候剤としては、ポリウレタン弾
性体に通常用いられる紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
止剤等を構成する成分と同様の化合物等が、消泡剤とし
ては、ジメチルシロキサン、ポリアミノアミド、酸性ポ
リエステル、ノニフェノール等がそれぞれ挙げられる。
【0023】(2)イソシアネート成分 本発明のポリウレタン弾性体の反応原料を構成するイソ
シアネート成分は、分子内に2つ以上のイソシアネート
基を有するポリイソシアネートを含有するものである。
上記ポリイソシアネートとして、具体的には、ポリウレ
タン弾性体を製造する際に通常用いられるポリイソシア
ネートを特に制限なく挙げることができる。
【0024】この様なポリイソシアネートとして、より
具体的には、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメ
リック4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(ポリメリックMDI)、トリイジンジイソシアネー
ト、ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げ
られる。これらのうちで、本発明に好ましく用いられる
ポリイソシアネートとして、特定化学物質に分類されな
い、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カ
ルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート等が挙げられる。
【0025】さらに、本発明においては、上記ポリイソ
シアネートと、グリセリンまたはグリコールを出発物質
としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオ
キサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有するポリ
オールとを反応させることにより得られる、末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマーを用いることが可能
であり、好ましい。上記プレポリマーの製造に使用され
るポリイソシアネートとして、具体的には、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変
性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙
げられる。
【0026】また、上記プレポリマー製造のために用い
るポリオールの分子量は、好ましくは1000〜600
0程度であり、より好ましくは3000〜5000程度
である。この様なポリオールと上記カルボジイミド反応
により変性されていてもよい4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートとにより得られるプレポリマーのN
CO%(プレポリマー分子中に占めるイソシアネート
(NCO)基の重量の割合を百分率で示した値;具体的
には、「100×42.02/プレポリマーのイソシア
ネート当量」で求められる。)は、好ましくは5〜25
%程度であり、より好ましくは10〜20%程度であ
る。
【0027】上記プレポリマーの製造は、通常、ポリイ
ソシアネートとポリオールを用いて末端にイソシアネー
ト基を有するプレポリマーを製造するのと同様の方法で
行うことができる。
【0028】本発明に用いるイソシアネート成分は、上
記ポリイソシアネート以外に、ポリウレタン弾性体を製
造する際に通常用いられるイソシアネート成分が含有す
る各種成分の適当量を含有することができる。この様な
成分として、例えば、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候
剤、染料、顔料、消泡剤等が挙げられる。これら各種成
分の具体例については、上記ポリオール成分で説明した
のと同様のものが挙げられる。
【0029】次に、上記ポリオール成分とイソシアネー
ト成分を反応させて得られる本発明のポリウレタン弾性
体について説明する。
【0030】(3)ポリウレタン弾性体 本発明のポリウレタン弾性体は、上記ポリオール成分と
イソシアネート成分を反応させることにより得られる。
反応に用いるポリオール成分とイソシアネート成分の割
合としては、NCOインデックス(ポリオール当量に対
するポリイソシアネート当量の比(NCO/OH)を1
00倍した値)で、80〜120程度であることが好ま
しく、より好ましくは90〜110程度である。
【0031】また、本発明のポリウレタン弾性体を得る
反応において、上記ポリオール成分とイソシアネート成
分とともに、これら以外の成分として、必要に応じて上
述した様な触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染
料、顔料、消泡剤等の各種成分を用いることも可能であ
る。これら各種成分の具体例については、上記(1)で
説明したのと同様である。
【0032】本発明のポリウレタン弾性体の原料成分は
上記に説明した通りであるが、本発明においては原料成
分に特定化合物であるMOCAやTDIを含まないこと
が取り扱いの面から好ましい。さらに、MOCAの様な
塩素系化合物を含有しないことが、焼却時のダイオキシ
ンの発生等を考慮すれば好ましい。
【0033】上記ポリオール成分とイソシアネート成分
を用いて本発明のポリウレタン弾性体を得る反応は、具
体的には、上記ポリオール成分とイソシアネート成分と
必要に応じて添加される上記各種成分とを混合して、反
応・硬化させることにより行うことができる。この際の
反応・硬化は、加温条件下で行われてもよいが、常温、
常圧で行うことが可能であり、本発明のポリウレタン弾
性体においては、これが一般的である。ここで、本明細
書において、常温とは、概ね5〜30℃の範囲をいい、
常圧とは大気圧を意味する。また、本発明のポリウレタ
ン弾性体を得る際の、上記硬化に要する時間は、用いる
原料成分の組成等により異なるが、概ね6〜24時間で
ある。
【0034】この様にして得られる本発明のポリウレタ
ン弾性体は、比重が1.0以上であって、さらに、圧縮
永久歪が少なく、引張強度、引裂強度が高い等の高度な
機械的特性を有すると共に、高い耐候性、耐薬品性を有
する弾性体である。
【0035】また、本発明のポリウレタン弾性体を製造
する際には、通常のポリウレタン弾性体に用いられる成
形法が特に制限されずに適用されるが、本発明のポリウ
レタン弾性体の製造に際しては、上記混合後の原料成分
の粘度が低いことから成形法として注形成形を採ること
が好ましい。言い換えれば、本発明のポリウレタン弾性
体は、注形成形により製造することが必要とされるポリ
ウレタン弾性体として好適である。
【0036】本発明のポリウレタン弾性体を注形成形す
る際に用いる、混合装置や注入装置としては、ポリウレ
タン弾性体の製造に通常用いられる混合装置、注入装置
が特に制限なく挙げられる。また、注形用の型について
は、上述の様に原料成分の反応・硬化に加熱、加圧等を
必要としないことから、例えば、樹脂型やFRP型等の
簡易型が適用可能であり、これによって製造装置全体の
簡素化が図れる。また、型内での原料成分の反応・硬化
が常温で行われるため、成形収縮が少なく、型の設計も
容易である。
【0037】本発明のポリウレタン弾性体の用途は特に
限定されないが、本発明のポリウレタン弾性体の原料成
分混合物の粘度が低く、得られるポリウレタン弾性体は
高度な機械特性を有することから、流し込み成形法によ
り成形される、コンクリート枕木に弾性体が被覆された
弾性枕木に用いる弾性体としての用途に特に好適であ
る。以下に、本発明のポリウレタン弾性体を用いて流し
込み成形法により弾性枕木を製造する場合について、具
体的に説明する。なお、流し込み成形法による弾性枕木
の製造に関しては、特開平8−169022号公報に詳
しく記載されているものであり、以下に用いた方法は、
これに準ずる方法である。
【0038】コンクリート製の枕木を、被覆を施す面を
上面にして前記面が水平となるように固定した後、この
面が池の底になるように周囲に適当な素材の型枠等を用
いて堤を形成する。また、部分支承型弾性枕木を製造す
る場合には、ポリエチレンフォーム、ポリスチレン等を
中抜き材兼型枠として使用することができる。次いで、
本発明のポリウレタン弾性体の各原料成分を混合した混
合液を、堤内に硬化後の厚みが10〜25mmとなるよ
うに注入して、堤内で反応・硬化させる。この際、混合
から硬化開始までの時間を、注入する混合液の温度、触
媒の種類、量等を調節することにより、10〜30分に
調整することが望ましい。前記時間は注入時の作業性を
考慮した時間であり、長い方が好ましいが、前記時間を
長く調整するとそれに伴い硬化に要する時間も長くなっ
てしまうことから、本発明においては上記範囲が適当と
いえる。硬化は、何も手を加えずに6〜24時間程度放
置することで完了する。
【0039】硬化完了後、堤を取り去ることにより、上
記面が本発明のポリウレタン弾性体で被覆された弾性枕
木が得られる。また、上記堤としてポリエチレンフォー
ム、ポリスチレン等の中抜き材を用いた場合には、上記
同様に堤を取り去ることにより本発明のポリウレタン弾
性体で被覆された弾性枕木が得られるが、堤をそのまま
残すことにより、コンクリート製枕木と前記中抜き材お
よび本発明のポリウレタン弾性体が一体化された部分支
承型弾性枕木とすることができる。
【0040】上記弾性枕木の作製において、ポリウレタ
ン弾性体の各原料成分、すなわち上記ポリオール成分と
イソシアネート成分、さらに必要に応じて任意に添加さ
れる成分を混合する方法としては、得られる混合液の粘
度が低いことからハンドドリル等で手動混合してもよい
し、自動で混合と注入が行える自動計量の混合注入機を
使用してもよい。また、注入機のミキサーとしては電動
式、スタティック式等が使用できる。ここで、本発明の
ポリウレタン弾性体の原料成分においては、ポリオール
成分とポリイソシアネート成分の相溶性がよいため、ス
タティックミキサーのような簡易的な混合装置でも混合
が可能となる。
【0041】この様にして本発明のポリウレタン弾性体
を用いて弾性枕木を作製すれば、簡単な装置で、且つ簡
便な操作で、弾性枕木を得ることができる。また、流し
込みでコンクリート枕木本体とポリウレタン弾性体が一
体接着されるため接着は強固なものとなる。さらに、本
発明のポリウレタン弾性体が、引張強度、引裂強度が高
い等の優れた機械的特性を有すると共に、高い耐候性、
耐薬品性を有することにより、得られる弾性枕木は、耐
久性に優れるものである。
【0042】また、この様な弾性枕木を作製する際に、
上述した通りポリエチレンフォームやポリスチレン等の
他材料と本発明のポリウレタン弾性体を複合して使用し
てコンクリート枕木を被覆することにより、部分支承型
の弾性枕木を得ることも可能であるが、この場合には、
流し込みでコンクリート枕木本体とポリウレタン弾性体
および上記他材料とを一体接着するため、上記ポリエチ
レンフォームやポリスチレン等の他材料とも強固に接着
するものである。また、この場合には、ポリエチレンフ
ォームやポリスチレン等を型として使用できるので、通
常用いられる型が不用となるというメリットもある。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0044】
【実施例1〜15、比較例1〜6】下記表1および表2
に示される組成に基づいて、ポリオール(A)〜
(C)、触媒、脱水剤、可塑剤を撹拌混合した。得られ
た混合液(ポリオール成分)と、表1および表2に示さ
れるイソシアネート成分を表1、表2に示される所定の
配合比率に基づいて、合計で500gになるように混合
し、撹拌して反応液を得た。撹拌はガラス棒等を使用
し、混合不良がないよう十分にかき混ぜる方法により行
った。得られた反応液の400gを、120×120×
25mmの型に流し込み、一晩放置した後、脱型し実施
例1〜15のポリウレタン成形品を得た。
【0045】上記実施例と同様にして表3に示される組
成により比較例1〜6のポリウレタン成形品を得た。た
だし、表3中に示す比較例1〜6の作製に用いたポリオ
ール(A)'、(B)'、(C)'は、それぞれ本発明に
用いるポリオール(A)、(B)、(C)に対応するグ
リセリンベースポリオール、トリメチロールプロパンベ
ースポリオール、グリコールであるが、分子量等におい
て本発明に用いるポリオールの範囲に含まれないポリオ
ールをも含むものである。例えば、後述の表4を見れば
明らかな様に、グリセリンベースポリオール3、グリセ
リンベースポリオール4およびグリコール3は本発明に
用いるポリオールの範囲外のポリオールである。
【0046】なお、表1〜表3において使用した原料の
詳細を、ポリオールについては表4にその他原料成分に
ついては表5に示す。
【0047】<本発明のポリウレタン弾性体の評価>上
記各実施例および比較例で得られた脱型後のポリウレタ
ン成形品を、室温で3日間放置した後、以下の方法によ
り、各物性測定試験における所定の寸法、形状に切り出
し、各種物性を測定した。結果を、実施例については表
1および表2の最下欄に、比較例については表3の最下
欄にそれぞれ示す。
【0048】(1)比重 上記各ポリウレタン成形品について、JIS Z 88
07(固体比重測定方法)に記載の体積からの測定方法
により、比重を求めた。
【0049】(2)ばね定数 上記ポリウレタン成形品を、100×100×25mm
のサンプル寸法に切り出した。万能試験機(オートグラ
フDSS2000型、島津製作所製)によりこのサンプ
ルを5mm/分の速度で圧縮し、圧縮の荷重が400k
gになったところで除荷するという操作を3回繰り返し
行った。3回目の荷重時に荷重100〜400kgにお
ける変位を測定し、ばね定数を算出した。
【0050】(3)圧縮永久歪 上記ポリウレタン成形品を、30×30×25mmのサ
ンプル寸法に切り出し、JIS K 6301に準じた
方法で圧縮永久歪を測定した。すなわち、圧縮治具(日
清紡績(株)製)を用いて、前記サンプルを厚みが75
%になるように圧縮し、70℃で30時間放置した後、
圧縮を開放した。開放の30分後サンプルの厚さを測定
して試験後の厚み(T2)とした。サンプルの試験前の
厚み(T1=25mm)および試験後の厚み(T2)か
ら以下の式により圧縮永久歪を計算した。
【0051】
【数1】圧縮永久歪(%)=100×(T1−T2)/
T1×0.25 T1;試験前の厚み(mm) T2;試験後の厚み(mm)
【0052】(4)引張強度 上記ポリウレタン成形品の引張強度をJIS K 63
01に準じた方法で測定した。すなわち、上記ポリウレ
タン成形品の表層部分を厚さ3mmになるようにスライ
スし、ダンベルカッター(ダンベル3号)で打ち抜い
た。打ち抜いたサンプルを引張試験機にセットして、5
00mm/分の速度で引張試験を行った。前記試験にお
いて、サンプルが破断した時の荷重を測定し、これをサ
ンプルの断面積で除した値を引張強度として求めた。
【0053】(5)引張伸び 上記(4)の引張強度測定と同時に引張伸びをJIS
K 6301に準じた方法で測定した。すなわち、上記
サンプルに20mm(L1)の標線を引いたものを引張
試験に供し、引張試験時に標線の間隔をノギス等でサン
プル破断時まで測定した。試験前の標線間隔(L1=2
0mm)と破断時の標線間隔(L2)を用いて、以下の
式により引張伸びを算出した。
【0054】
【数2】引張伸び(%)=100×(L2−L1)/L
1 L1;試験前標線間隔(mm) L2;破断時標線間隔(mm)
【0055】(6)引裂強度 上記ポリウレタン成形品の引裂強度をJIS K 63
01に準じた方法で測定した。すなわち、上記ポリウレ
タン成形品の表層部分を厚さ3mmになるようにスライ
スし、ダンベルカッター(B型)で打ち抜いた。打ち抜
いたサンプルを引張試験機にセットして、500mm/
分の速度でサンプルが破断するまで引っ張った。サンプ
ルが破断した時の荷重を測定し、これをサンプルの厚み
で除した値を引裂強度として求めた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】これらの結果から、比較例のポリウレタン
弾性体が、圧縮永久歪、引張特性、引裂強度の全ての特
性に優れているものがないのに比べ、本発明のポリウレ
タン弾性体はいずれも、圧縮永久歪が少なく、引張強
度、引張伸び等の引張特性に優れ、かつ、引裂強度が高
い等、これらの全ての特性について優れていることがわ
かる。
【0062】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性体は、弾性枕
木に用いられる弾性体に要求されるような、圧縮永久歪
が少なく、引張強度、引裂強度が高い等の高度な機械的
特性を有すると共に、高い耐候性、耐薬品性を有し、原
料成分混合物の粘性が低いことから成形性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸松 寿広 東京都中央区日本橋人形町2−31−11日清 紡績株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA05 BA07 BA08 CA04 CA05 CB03 CB04 CC08 DA01 DB04 DB05 DG03 DG04 DG10 DG14 HA07 HA11 HC12 HC64 HC67 HC71 QA02 QA05 QB01 QB14 QB15 QD03 RA10 RA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、および(C)のポ
    リオールを含むポリオール成分と、分子内に2つ以上の
    イソシアネート基を有するポリイソシアネートを含むイ
    ソシアネート成分とを反応させることにより得られる比
    重が1.0以上のポリウレタン弾性体: (A)グリセリンを出発物質としてプロピレンオキサイ
    ドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に
    水酸基を有する分子量3000〜6000のグリセリン
    ベースポリオール; (B)トリメチロールプロパンを出発物質としてプロピ
    レンオキサイドまたはエチレンオキサイドにより鎖延長
    された末端に水酸基を有する分子量150〜500のト
    リメチロールプロパンベースポリオール; (C)分子量62〜90のグリコール。
  2. 【請求項2】 ポリオール成分における(A)グリセリ
    ンベースポリオールと(B)トリメチロールプロパンベ
    ースポリオールの含有重量比率(A)/(B)が、3〜
    100である請求項1記載のポリウレタン弾性体。
  3. 【請求項3】 ポリオール成分におけるグリコールの含
    有量が、前記(A)〜(C)のポリオールおよびポリイ
    ソシアネートの合計量に対して0.5〜10重量%であ
    る請求項1記載のポリウレタン弾性体。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネートが、カルボジイミド
    反応により変性されていてもよい4,4’−ジフェニル
    メタンジイソシアネートと、グリセリンまたはグリコー
    ルを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/また
    はエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基
    を有するポリオールとを反応させることにより得られ
    る、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009520057A (ja) * 2005-12-16 2009-05-21 ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ならびに調製方法

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JP2009520057A (ja) * 2005-12-16 2009-05-21 ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ならびに調製方法

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