JP2000302823A - グラフトポリマーの製造方法、該グラフトポリマー、該グラフトポリマーを含むハロゲン化銀写真感光材料又は熱感光性記録材料 - Google Patents

グラフトポリマーの製造方法、該グラフトポリマー、該グラフトポリマーを含むハロゲン化銀写真感光材料又は熱感光性記録材料

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JP2000302823A
JP2000302823A JP11117030A JP11703099A JP2000302823A JP 2000302823 A JP2000302823 A JP 2000302823A JP 11117030 A JP11117030 A JP 11117030A JP 11703099 A JP11703099 A JP 11703099A JP 2000302823 A JP2000302823 A JP 2000302823A
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polymer
graft polymer
carbon atoms
alkyl group
general formula
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JP11117030A
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English (en)
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Hiroki Sasaki
広樹 佐々木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学構造が精密に制御されたグラフトポリマ
ーの新規重合法を提供し、更にカブリ等の特性が改良さ
れたハロゲン化銀写真感光材料又は熱感光性記録材料を
提供する。 【解決手段】 少なくとも下記一般式1で表される繰り
返し単位を有するポリマーの存在下でビニルエステルモ
ノマーをリビングラジカル重合するグラフトポリマーの
製造方法、その方法で製造されたグラフトポリマー、該
ポリマーを含むハロゲン化銀写真感光材料又は熱感光性
記録材料。 【化1】 一般式1において、R1 は水素原子または炭素数1から
6までのアルキル基を表し、R2 は水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1から20までの置換もしくは無置換の、
アルキル基又はアルコキシ基を表す。Lは2価の連結基
を表し、aは0または1を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラフトポリマーの
新規な重合法およびそれにより得られるポリマー、該ポ
リマーを用いた、ハロゲン化銀写真感光材料及び熱現像
感光性記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−189738号公報にはグ
ラフトポリマーをハロゲン化銀写真感光材料に使用する
ことが記載されている。前記ポリマーの製法としては、
放射線グラフト法、連鎖移動法、マクロモノマー法等を
用いる方法が有る。最近、ラジカル重合を利用し重合が
“リビング”的に進行し、分子量を制御でき、かつ、分
子量分布の狭い(Mw/Mn<1.5 )ポリマーを合成できる
重合法が開発されている。しかしリビングラジカル重合
法によるグラフトポリマーの製造法についての報告は、
現在のところにほとんどない。また、リビングラジカル
重合法の一つにいわゆるヨウ素移動重合法があるが、こ
の方法を用いて構造が精密に制御されたグラフトポリマ
ーの製造法についての報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第一
は、化学構造が精密に制御されたグラフトポリマーの新
規重合法を提供することに有り、第二の目的は該ポリマ
ーを用いることにより、種々の特性が改良されたハロゲ
ン化銀写真感光材料又は熱現像感光性記録材料を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の手段に
より達成された。 (1) 少なくとも下記一般式1で表される繰り返し単
位を有するポリマーの存在下でビニルエステルモノマー
をリビングラジカル重合することを特徴とするグラフト
ポリマーの製造方法。
【0005】
【化5】
【0006】一般式1において、R1 は水素原子または
炭素数1から6までのアルキル基を表し、R2 は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1から20までの置換もしく
は無置換のアルキル基、又は炭素数1から20までの置
換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連
結基を表し、aは0または1を表す。 (2) 該リビングラジカル重合の開始剤が2,2´−
アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル又は過
酸化カーボネートであることを特徴とする(1)に記載
のグラフトポリマーの製造方法。 (3) 該リビングラジカル重合の重合温度が30℃以
上80℃以下であることを特徴とする(1)又は(2)
に記載のグラフトポリマーの製造方法。 (4) 該一般式1で表される繰り返し単位を有するポ
リマーのコモノマーとして、少なくとも一種のエチレン
不飽和性モノマ−を使用することを特徴とする(1)〜
(3)のいずれか1に記載のグラフトポリマーの製造方
法。 (5) 該リビングラジカル重合により得られるグラフ
トポリマーが、少なくとも下記一般式2で表されるくり
返し単位を含むポリマーであることを特徴とする(1)
〜(4)のいずれか1に記載のグラフトポリマーの製造
方法。
【0007】
【化6】
【0008】一般式2において、R1 は水素原子または
炭素数1から6までのアルキル基を表し、R2 は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1から20までの置換もしく
は無置換のアルキル基、又は炭素数1から20までの置
換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連
結基を表し、aは0または1を表す。R3 は水素原子ま
たは炭素数1から6までのアルキル基を表し、R4 は炭
素数1から20までのアルキル基を表す。x、yはそれ
ぞれの含率を表し、xの含率は0〜100モル%であり、y
の含率は(100-x)モル%である。 (6) 下記一般式1においてR1 =Hであり、R2
Hであり、ポリマーの重量平均分子量が1000〜100000で
あり、その分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が
1.5 以下であるポリマーの存在下でビニルエステルモノ
マーをリビングラジカル重合することを特徴とする製造
方法により製造されたグラフトポリマー。
【0009】
【化7】
【0010】式中、Lは2価の連結基を表し、aは0ま
たは1を表す。 (7) (6)に記載のポリマーを含有することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。 (8) (6)に記載のポリマーを含有することを特徴
とする熱現像感光性記録材料。 (9) (1)に記載のグラフトポリマーの製造方法に
より製造された該グラフトポリマーが重量平均分子量が
3000〜200000であり、分散度(重量平均分子量/数平均
分子量)が2以下である下記一般式2で表されるくり返
し単位を含むポリマーであることを特徴とするグラフト
ポリマー。
【0011】
【化8】
【0012】一般式2において、R1 は水素原子または
炭素数1から6までのアルキル基を表し、R2 は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1から20までの置換もしく
は無置換のアルキル基、又は炭素数1から20までの置
換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連
結基を表し、aは0または1を表す。R3 は水素原子ま
たは炭素数1から6までのアルキル基を表し、R4 は炭
素数1から20までのアルキル基を表す。x、yはそれ
ぞれの含率を表し、xの含率は0 〜100 モル%であり、
yの含率は(100-x)モル%である。 (10) (9)に記載のポリマーを含有することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (11) (9)に記載のポリマーを含有することを特
徴とする熱現像感光性記録材料。
【0013】
【発明の実施形態】一般式1で表されるポリマーは共重
合可能なエチレン性不飽和モノマー(D)と共重合して
もよい。その場合、−(D)−が繰り返し単位となる。
共重合体中の下記一般式1で表される繰り返し単位の含
率(m)は5〜100モル%が好ましい。コノモマー
(D)の含率(n)は(100−m)モル%である。コ
モノマーとしては複数の異なる種類のモノマーを用いる
ことが出来る。
【0014】そして本発明の製造方法により、少なくと
も上記一般式2で表されるくり返し単位を含むポリマー
の製造が可能となった。
【0015】また、本発明は一般式1のポリマーの重量
平均分子量が1000〜100000であり、その分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)が1.5 以下(好ましくは
1.0以上1.4以下 、更に好ましくは1.0以上
1.3以下)であり、一般式2において、R1 =H、R
2 =Hである(1)記載のポリマーを含有することを特
徴とする、ハロゲン化銀写真感光材料または熱現像感光
性記録材料も含まれる。また、本発明は一般式2で表さ
れるグラフトポリマーの重量平均分子量が3000〜200000
であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2
以下(好ましくは1.0以上1.9以下、更に好ましく
は1.0以上1.8以下)であるポリマーを含有する、
ハロゲン化銀写真感光材料または熱現像感光性記録材料
も含まれる。本明細書では重量平均分子量はMw、数平
均分子量はMnと表示する。
【0016】まず、一般式1について説明する。一般式
1において、R1 は水素原子または炭素数1から6まで
のアルキル基を表す。具体的には水素原子、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる、好ま
しくは水素原子、メチル基であり、更に好ましくは水素
原子である。R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
から20までの置換もしくは無置換のアルキル基、炭素
数1から20までの置換もしくは無置換のアルコキシ基
を表す。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、
臭素原子が挙げられる。炭素数1から20までの置換あ
るいは無置換のアルキル基、炭素数1から20までの置
換あるいは無置換のアルコキシ基としては、具体的には
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル
基、2-エチルヘキシル基、ラウリル基、オクタデシル
基、メトキシ基、t-ブトキシ基等が挙げられるが、好ま
しくは水素原子、臭素原子、メチル基であり、更に好ま
しくは水素原子である。Lは2価の連結基を表す。具体
的には-CONH-、-NHCO-、-COO- 、-COOCH2-等が挙げられ
る。aは0または1を表す。好ましくはaは0である。
【0017】共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを
表すDとしては、具体的に、1-ブテン、イソブテン、ス
チレンとその誘導体(スチレン、ビニルトルエン、p −
t −ブチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t −
ブトキシスチレン、p −アセトキシスチレンなど)、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアク
リレート、メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレ
ート、2-エチルヘキシルメタクリレート、アクリロニト
リル、無水マレイン酸、アクリルアミドなどが挙げられ
るが、好ましくはスチレンとその誘導体であり、更に好
ましくはスチレンである。Dとして2種類以上のエチレ
ン性不飽和モノマーを選んでも良いが、共重合体中の一
般式1で表される繰り返し単位の含率(m)が5〜100
モル%、好ましくは5〜90モル%、更に好ましくは5〜
80モル%であれば、それぞれの機能発現に対して他のコ
モノマーの種類、含率は任意に決めることが可能であ
る。一般式1のポリマーの重量平均分子量は、1000〜10
0000、好ましくは1000〜80000 、更に好ましくは1000〜
50000 である。
【0018】一般式2は、一般式1からなるポリマーを
幹ポリマーとし、ビニルアルコール類および/またはビ
ニルエステル類を枝ポリマーとするグラフトポリマーで
を表す。一般式2において、R1 、R2 、L、aは一般
式1と同義であり、R3 は水素原子または炭素数1から
6までのアルキル基を表し、R4 は炭素数1から20ま
でのアルキル基を表す。ビニルアルコール類としては、
ビニルアルコール、α−メチルビニルアルコール、α−
エチルビニルアルコール、α−プロピルビニルアルコー
ル、α−ブチルビニルアルコール、α−ヘキシルビニル
アルコール等が、ビニルエステル類としては、酢酸ビニ
ル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ルおよびこれらのα置換体が挙げられる。それらの中で
ビニルアルコール、酢酸ビニルが最も好ましい。ビニル
アルコール類の含率xは0〜100 モル%であり、ビニル
エステル類の含率yは(100-x)モル%である。該枝ポ
リマーとしてはビニルアルコール類および/またはビニ
ルエステル類が必須であるが、その他のコモノマーを含
むことはスチレン系モノマーを除いてかまわないが、そ
の含量は好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モ
ル% 以下である。その具体的なコモノマーとしては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸あるいはこれらのアル
キルエステル、アクリロニトリル、テトラフルオロエチ
レン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン等
が挙げられる。本発明の一般式2のポリマーの重量平均
分子量は、3000〜200000、好ましくは3000〜150000、更
に好ましくは3000〜100000である。それぞれの機能発現
に対して任意に選ぶ事ができる。
【0019】次に、幹ポリマーに相当する一般式1の化
合物の製造法について説明する。該化合物は、幹ポリマ
ー前駆体(クロロメチル置換基体)の重合、幹ポリマー
前駆体の置換反応(クロロメチル置換体からヨードメチ
ル置換体への置換反応)の2ステップで合成するのが好
ましい。好ましい第1ステップは、ポリクロロメチルス
チレン単独重合体または共重合体の合成である。これに
は2つの方法が有る。一つはスチレンを公知のイオン重
合(カチオン重合でもアニオン重合でも良い)法により
ポリスチレンをまず合成し、該ポリスチレンをクロロメ
チル化(高分子反応)することにより得る方法。イオン
重合の際、場合に応じてスチレン誘導体を共重合させて
もよい。もう一つはクロロメチルスチレンを直接フリー
ラジカル重合により得る方法である。同様にクロロメチ
ルスチレンを必須成分とし、場合に応じてスチレン誘導
体を共重合させても良い。本発明の場合後者の重合法が
好ましい。後者の場合、TEMPO (2,2,6,6−tetramethyl
piperidinyl-1-oxy)法、ヨウ素移動重合法の2つのリ
ビングラジカル重合法を用いるのがより好ましい。TEMP
O (2,2,6,6 −tetramethylpiperidinyl-1-oxy)法につ
いては、M.K.Georges らによるTrends Polym .Sci
.,2巻66ページ(1994年)を、ヨウ素移動重合法に
ついては、M.Tatemotoによる高分子論文集49巻765
ページ(1992年)の報告を参照できる。本法(TEMPO 法
またはヨウ素移動重合法)によると開始剤系(AIBNなど
のラジカル重合開始剤とTEMPO またはヨウ素誘導体)と
モノマーの量比(およびコモノマー組成比)により一意
的に分子量(分布)およびクロロメチルスチレン含率が
制御されたポリマーが直接製造できる(イオン重合法は
もう1ステップ増える)。さらに、重合がリビング的に
進行する事を利用して、モノマーの添加順序を変える事
により、幹ポリマーをブロックコポリマー化できるとい
う特徴も併せ持っている。幹ポリマーのこのような制御
された一次構造は、それぞれの機能発現に対して任意に
選ぶ事ができる。
【0020】第2ステップは、幹ポリマー置換反応(ポ
リヨードメチルスチレン単独重合体あるいは共重合体の
合成)である。第1ステップで合成されたポリクロロメ
チルスチレン単独重合体あるいは共重合体のクロロメチ
ル基を公知の方法により(例えばヨウ化ナトリウムによ
る置換反応)、ヨードメチル基に変換する。このように
して、まず、幹ポリマーの分子量(分布)およびヨード
メチルスチレン含率が制御された一般式1で表される化
合物を得ることができる。
【0021】次に一般式2で表されるグラフトポリマー
の製造法について説明する。このステップ(第3ステッ
プ)は、ヨウ素移動重合法からなり、一般式1の側鎖の
複数のヨードメチル基を基点としてビニルエステル類モ
ノマーの重合がリビングラジカル的に進行し、各枝鎖の
分子量(分布)が制御された複数の枝ポリマーが生成
し、グラフトポリマーが調製される。本発明のグラフト
ポリマーの製造法並びに該ポリマーの特性の最大の特徴
はここにある。ポリヨードメチルスチレン単独重合体あ
るいは共重合体と酢酸ビニルなどのビニルエステル類モ
ノマーの存在下、公知のラジカル開始剤(例えば2, 2´
−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))を用いて重合
を行う。幹ポリマー中のヨードメチル基と酢酸ビニルな
どのビニルエステル類を主体とするビニルモノマーとの
量比により枝ポリマーの重合度を一意的に制御できる。
【0022】第1、3ステップで用いるラジカル開始剤
としては、2, 2´−アゾビスイソブチロニトリル、過酸
化ベンゾイル、過酸化カーボネートなど公知のラジカル
重合開始剤が使用できる。またヨウ素移動重合法の場
合、アゾ系の開始剤添加系では、熱以外に放射線、電子
線などの開始系も利用することもできる。開始剤の添加
量は特に制限が無いが、それぞれの重合法に適した範囲
の添加量が有り、その中で当業者が適宜選択できる。ま
た開始剤の添加方法についても制限が無く、一括添加や
分割添加など適宜選択できる。重合温度は使用する開始
剤とモノマーの種類により適当な温度を採用するが、第
1ステップでは、通常30〜130 ℃の範囲、第3ステップ
では30〜80℃の範囲で選ばれる。
【0023】第1ステップの重合に用いる好ましいモノ
マーの例としては、クロロメチルスチレンとスチレン誘
導体である。コモノマーとしてのスチレン誘導体として
は、スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチ
レン、クロロスチレン、p−メトキシスチレン、4−ア
セトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレンなどが
挙げられるが、これらに限定されるわけではない。それ
らの中でもスチレンが最も好ましい。またこれらスチレ
ン誘導体を2種類以上を共存させ、共重合することも可
能である。
【0024】第3ステップの重合に用いるビニルエステ
ルは、ラジカル重合可能なビニルエステルであれば使用
できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル
などが挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最も重合性お
よびエステル結合の安定性が良く好ましい。またこれら
ビニルエステルと共重合可能なモノマーを共存させ、共
重合することも可能である。例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸あるいはこれらのアルキルエステル、アクリロ
ニトリル、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。コモノ
マーによっては重合性が悪化する場合があるため、コモ
ノマーの含量は、好ましくは10モル%以下、更に好まし
くは5モル%以下である。本発明の第1,3ステップの
ラジカル重合は、ラジカル開始剤の存在下、塊状重合
法、溶液重合法、パール重合法、乳化重合法などいずれ
の方法でも行うことができるが、第1ステップは塊状重
合、第3ステップは溶液重合法が最も好ましい。本発明
の第1,3ステップの反応終了後はポリマーを貧溶媒に
より析出分離などの操作により取り出し、さらにヘキサ
ンなどの貧溶媒で洗浄したり、あるいはポリマーを溶剤
例えばアセトンに溶解し、ヘキサン中で再沈殿すること
により精製することが望ましい。
【0025】上記のようにして得られたグラフトポリマ
ーは、更にの側鎖のビニルエステル類を常法によりケン
化することにより枝ポリマーとしてポリビニルアルコー
ルユニットを有するグラフトポリマーも得ることでき
る。ケン化温度は通常10〜70℃の範囲から選ばれる。ケ
ン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ性触媒が好ましく、該触媒の使用量はケン化度の
大小および水分量等により適宜決められるがビニルエス
テル単位に対しモル比で0.001 以上、好ましくは0.002
以上用いることが望ましい。一方、アルカリ量が多くな
りすぎると残存アルカリをポリマー中より除去すること
が困難となり、ポリマーが着色するなど好ましくなく、
モル比で0.2以下にすることが望ましい。なお該ポリビ
ニルエステル類にカルボキシル基やそのエステル基等ア
ルカリ触媒と反応し、アルカリを消費する成分が共重合
されている場合は、その分量を加えた量のアルカリ触媒
を使用する必要が有る。ビニルエステル単位のケン化度
は使用目的に応じて変えられる。ケン化反応後析出した
本発明のグラフトポリマーは例えば、メタノールで洗浄
するなど公知の方法で精製し、残存アルカリ、酢酸アル
カリ金属塩等の不純物を除去して乾燥することにより通
常淡黄色から黄色粉末として得ることができる。上述し
た方法により、幹ポリマーと枝ポリマーの両方の分子量
と、枝数がより精密に制御されたグラフトポリマーが製
造できる。
【0026】一般式1で表される繰り返し単位を有する
ポリマ−の具体例(MP-1〜MP-9)と本発明の一般式
2で表される繰り返し単位を有するグラフトポリマー
(GP-1〜GP-9)の具体例を以下に示すが、勿論これらに
限定されるものではない。ただし具体例中のカッコの横
の数字は組成比を示し、モル比で表される。また具体例
中のbはブロックポリマーとして結合していることを示
している。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】本発明のポリマー(グラフトポリマー)を
ハロゲン化銀写真感光材料に適用する場合、該写真感光
材料に適用されている従来のポリマーと同様な用途に用
いることができるが、特にバインダーあるいは分散用ポ
リマーとして用いるのが好ましい。本発明のポリマーを
例えば分散用ポリマーとして用いる場合、2種類の方法
がある。一つは油溶性化合物(被分散物)とケン化度の
少ない本発明のポリマーを低沸点溶剤またはジブチルフ
タレートのような高沸点オイルとともに溶解させて乳化
分散する方法で、もう一つは水不溶性化合物(被分散
物)を水存在下ケン化度の高い本発明のポリマーをもち
いて固体分散する方法が有る。被分散物の例としては、
色素像形成カプラー、混色防止剤、色素供与レドックス
化合物、ステイン防止剤、カブリ防止剤、紫外線吸収
剤、褪色防止剤、造核剤、色素画像安定剤、ハロゲン化
銀溶剤、漂白促進剤、フィルター用色素およびこれらの
前駆体、染料、顔料などが有り、これらの化合物の記載
例としては、リサーチディスクロージャーNo.17643、N
o.18716、No.307105などの記載が挙げられる。勿論上で
述べたように本発明の適用が分散用ポリマーに限定され
るわけではない。上述の2つの分散方法については公知
の方法を用いることができる。後者のような分散法を実
施するのに用いられる固体分散装置およびその技術につ
いては、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』(梶
内俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、p357
〜p403)、『化学工学の進歩 第24集』(社団法人 化
学工学会東海支部 編、1990、槙書店、p184〜p18
5)、等に詳しい。
【0032】高圧ホモジナイザーについては、一般に
は、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で通過する際に生
じる『剪断力』、(b) 分散質が高圧下から常圧に解放さ
れる際に生じる『キャビテーション力』、等の分散力に
よって微細な粒子への分散が行われると考えられてい
る。この種の分散装置としては、古くはゴーリンホモジ
ナイザーが挙げられるが、この装置では高圧で送られた
被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高速流に変換され、
その勢いで周囲の壁面に衝突し、その衝撃力で乳化・分
散が行われる。使用圧力は一般には100 〜600kg/cm2
流速は数m 〜30m/秒の範囲であり、分散効率を上げるた
めに高流速部を鋸刃状にして衝突回数を増やすなどの工
夫を施したものも考案されている。これに対して、近年
更に高圧、高流速での分散が可能となる装置が開発され
てきており、その代表例としてはマイクロフルイダイザ
ー(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コ
ーポレーション社)、ナノマイザー(特殊機化工業
(株))などが挙げられる。
【0033】本発明に適した分散装置としては、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き),HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)等が挙げられる。
【0034】そして、本発明のポリマーを分散剤として
使用する場合、本発明のポリマーを複数種類用いても良
い。また、場合により低分子界面活性剤を併用してもよ
いが、表面張力の低下による塗布性の悪化や、親水性コ
ロイド層中に添加した場合の保存時の拡散移動、および
場合によっては写真性能への悪影響を加味して、その使
用量に関して十分注意する必要が有るが、該低分子界面
活性剤の使用量は、本発明のポリマーの1/2以下、好
ましくは1/5以下、更に好ましくは1/10以下が良
い。本発明のポリマーの使用量は被分散物に対して1wt%
〜100wt%が好ましく、2wt%〜30wt%が特に好ましい。
【0035】ハロゲン化銀および有機酸銀を用いた熱現
像感光性記録材料において、カブリ防止剤を被分散物と
した分散例(固体分散の例)について説明する。該熱現
像感光性記録材料におけるカブリ防止剤以外の固体分散
できる被分散物としては、有機酸銀、色調剤、還元剤、
発色剤、色調改良、イラジエーション防止の観点から添
加されている各種染料や顔料などがある。熱現像感光性
記録材料のシステムや該記録材料の内容については、特
公平3−10391号、特公平6−52387号、特開
平5−341432号、特開平6−194781号、特
開平6−301141号、特開平7−13295号、特
開平10-221808 号,特開平10-288823 号,特開平10-339
934 号,米国特許5380635号などを参照できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもので
はない。 実施例1 グラフトポリマー(GP-2)の合成 (第1ステップ;幹ポリマー前駆体の合成)反応容器
に、スチレン166.64g、クロロメチルスチレン61.05g、
ヨードアセトニトリル11.13g、2, 2´−アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)22.27g、トルエン100ml を加えよ
く攪拌し、溶解させた。この溶液を110 ℃、15時間攪拌
した後、トルエン300mlを加え室温まで冷却し、メタノ
ール中へ投入してポリマーを析出させ、乾燥させた後、
アセトン−メタノール系で2回再沈殿操作を繰り返して
精製した。このようにして得られた幹ポリマーの分子量
(分布)をテトラヒドロフラン(THF)を溶離液とするゲ
ルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC) (本体ト
ーソー製HLC-8020(カラム;トーソー製TSK GMHXL ,G4
000HXL,G2000HXL))にて測定した。その結果、重量平
均分子量(Mw)は、3300であり、分散度(Mw/Mn)は1.
22 であった(Mnは数平均分子量を表す)。収量218g。
【0037】(第2ステップ;幹ポリマー(MP-2)(ポ
リ(スチレン)−co−(ヨードメチルスチレン))の合
成)反応容器に、130ml の乾燥させたアセトンに29.5g
のよく乾燥させたNaIを加えよく攪拌させた。攪拌しな
がら上記で得られた幹ポリマー(ポリクロロメチルスチ
レン誘導体)55g のアセトン溶液をゆっくり加えた。こ
の混合物を50℃、1時間攪拌した後室温まで冷却し、濾
過した。濾液のアセトンを減圧留去し、残さに酢酸エチ
ル150ml と水100ml を加え、水層を酢酸エチルで抽出し
た後、酢酸エチル層を少量のチオ硫酸ナトリウムを含む
水で洗った後、酢酸エチル層を硫酸マグネシウム上で乾
燥させた。酢酸エチルを減圧留去し、得た褐色オイルを
30mlのアセトンに溶解させ、ヘキサンを加えて冷却し
た。褐色アモルファス固体を冷却したフィルターですば
やく濾取した。IR、1H−NMRにて置換反応の同定を行
い、ほぼ100%置換されている事を確認した。収量55.3
g。
【0038】(第3ステップ;グラフトポリマー(GP-
2)の合成)側鎖置換幹ポリマー(MP-2)(ポリ(スチ
レン)−co−(ヨードメチルスチレン))13.2g 、酢酸
ビニル(以下VAc と略記)172.18g、2, 2´−アゾビス
イソブチロニトリル6.57g および酢酸エチル50mlを反応
容器に加え溶解させた。内部を十分に窒素置換した後、
外温を65℃にあげ、内温が60℃に達したところで、8時
間重合させた。8時間後の酢酸ビニルの重合率は82.5%
であった。重合率はポリマーの重量測定から間接的に求
めた。8時間後に容器を冷却し、酢酸エチルを500ml 加
えた。減圧下に残留するVAc を酢酸エチルとともに系外
へ追い出す操作を酢酸エチルを追加しながら行い、PVAc
の酢酸エチル溶液を得た。次にこのPVAcのメタノール溶
液をヘキサン中へ投入してポリマーを析出させ、乾燥さ
せた後、アセトン−ヘキサン系で2回再沈殿操作を繰り
返して精製した。このようにして得られたグラフトポリ
マー(GP-2前駆体)の分子量(分布)をテトラヒドロフ
ラン(THF )を溶離液とするゲルパ−ミエ−ションクロ
マトグラフィ−(GPC) (本体トーソー製HLC-8020(カラ
ム;トーソー製TSK GMHXL ,G4000HXL,G2000HXL))に
て測定した。その結果、重量平均分子量(Mw)は、5.3
×10 4 であり、分散度(Mw/Mn)は1.70であった。GP-2
前駆体を常法によりケン化してグラフトポリマーGP-2を
得た。ケン化度は98.0% であった(水/ジメチルスルホ
キシド(4/1:容積比) の混合溶液に溶解して測定し
た。)。ケン化した本発明のポリマーGP-2は白濁した水
分散液を与えたため、ケン化後の分子量は測定しなかっ
た。次に、この本発明のグラフトポリマー(GP-2)を用
いて以下のようにしてハロゲン化銀および有機酸銀を用
いた熱現像感光性記録材料(H-1 )を作製した。
【0039】実施例2 (熱現像感光性記録材料(H-1)の作製) 《PET支持体の作成》テレフタル酸とエチレングリコ−
ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/ テ
トラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPET
を得た。これをペレット化した後130 ℃で5時間乾燥し
た後、300 ℃で溶融後T 型ダイから押し出したあと急冷
し、熱固定後の膜厚が175 μm になるような厚みの未延
伸フィルムを作成した。これを、周速の異なるロ−ルを
用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を
実施した、この時の温度はそれぞれ、110 ℃、130 ℃で
あった。この後、240 ℃で20秒間熱固定後これと同じ温
度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部
をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2
で巻き取り、厚み175 μm のロ−ルを得た。
【0040】《表面コロナ処理》ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を
室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧
の読み取り値から、支持体には0.375kV ・ A ・ 分/m2
処理がなされていることがわかった。この時の処理周波
数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアラン
スは1.6mm であった。
【0041】《下塗り支持体の作成》 (下塗り塗布液A の調製)ポリエステル共重合体水分散物
ペスレジンA-515GB(30% 、高松油脂 (株)製)200mlにポ
リスチレン微粒子(平均粒径0.2 μm)50g、界面活性剤
I(1wt%)20mlを添加し、これに蒸留水を加えて1000mlと
して下塗り塗布液A とした。 (下塗り塗布液Bの調製)蒸留水680ml にスチレン−ブタ
ジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン/イタコ
ン酸=47/50/3(重量比)、濃度30wt% 、)200ml、ポリス
チレン微粒子(平均粒径2.5 μm)0.1g を添加し、更に
蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液Bとした。 (下塗り塗布液Cの調製)イナートゼラチン10g を蒸留水
500ml に溶解し、そこに特開昭61−20033 号明細書記載
の酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子の水分散物(4
0wt%)40gを添加して、これに蒸留水を加えて1000mlにし
て下塗り塗布液Cとした。 (下塗り支持体の作成)上記コロナ放電処理を施した
後、下塗り塗布液A をバーコーターでウエット塗布量が
5ml/m2になる様に塗布して180 ℃で5分間乾燥した。乾
燥膜厚は約0.3 μmであった。次いでこの裏面(バック
面)にコロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液Bをバー
コーターでウエット塗布量が5ml/m2、乾燥膜厚が約0.3
μmになる様に塗布して180℃で5 分間乾燥し、更にこ
の上に下塗り塗布液C をバーコーターでウエット塗布量
が3ml/m2、乾燥膜厚が約0.03μmになる様に塗布して18
0 ℃で5 分間乾燥して下塗り支持体を作成した。
【0042】《有機酸銀分散物の調製》ヘンケル社製ベ
ヘン酸(製品名Edenor C22-85R)44.0g 、蒸留水730ml
、tert- ブタノール60mlを79℃で撹拌しながら1N-NaOH
水溶液117ml を55分かけて添加し240 分反応させた。
次いで、硝酸銀19.2g の水溶液112.5ml を45秒かけて添
加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温した。その
後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度
が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形
分は、乾燥させないでウエットケーキとして取り扱い、
乾燥固形分100 g相当のウエットケーキに対し、ポリビ
ニルアルコール(商品名:PVA-205)7.4 gおよび水を添
加し、全体量を385gとしてからホモミキサーにて予備
分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:
マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイクロ
フルイデックス・インターナショナル・コーポレーショ
ン製、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧
力を1750kg/m2 に調節して、三回処理し、ベヘン酸
銀分散物Bを得た。こうして得たベヘン酸銀分散物に含
まれるベヘン酸銀粒子は平均短径0.04μm 、平均長径0.
8 μm 、変動係数30% の針状粒子であった。粒子サイズ
の測定は、Malvern Instruments Ltd.製MasterSizerX
にて行った。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクシ
ョンチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節
することで所望の分散温度に設定した。
【0043】《還元剤の25%分散物の調製》1,1-ビス(2-
ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチル
ヘキサン100gとクラレ(株)製変性ポバールMP203 の20
% 水溶液80g に水220gを添加し良く混合してスラリーと
した。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ1000g用意し
てスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス( 株) 製)にて3時
間分散し還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散
物に含まれる還元剤粒子は平均粒径0.65μm であった。
【0044】《メルカプト化合物の20% 分散物の調製》
3-メルカプト-4- フェニル-5- ヘプチル-1、2 、4-トリ
アゾール80g とクラレ(株) 製変性ポバールMP203 の20
% 水溶液40g に水280gを添加し良く混合してスラリーと
した。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ800 g用意し
てスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス(株) 製)にて15時
間分散しメルカプト分散物を得た。こうして得たメルカ
プト化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平
均粒径0.54μm であった。
【0045】《有機ポリハロゲン化合物の30%分散物の
調製》トリブロモメチルフェニルスルホン48g と3-トリ
ブロモメチルスルホニル-4-フェニル-5- トリデシル-1,
2,4- トリアゾール48g と本発明のグラフトポリマー(G
P- 2 )10% 水溶液96g に水176gを添加し良く混合して
スラリーとした。平均直径0.5mm のジルコニアビーズ80
0 g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機
(1 /4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)
製)にて5 時間分散し有機ポリハロゲン化合物分散物を
得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれ
るポリハロゲン化合物粒子は平均粒径0.70μm であっ
た。 《フタラジン化合物のメタノール溶液の調製》6-イソプ
ロピルフタラジン26gをメタノール100ml に溶解して使
用した。 《顔料の20%分散物の調製》C.I. Pigment Blue 60を64g
と花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良
く混合してスラリーとした。平均直径0.5mm のジルコニ
アビーズ800 g用意してスラリーと一緒にベッセルに入
れ、分散機(1/4 Gサンドグラインダーミル:アイメッ
クス(株)製)にて25時間分散し顔料分散物を得た。こ
うして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.
21μm であった。
【0046】《ハロゲン化銀粒子1の調製》蒸留水1421
ccに1wt%臭化カリウム溶液6.7cc を加え、さらに1N硝酸
を8.2cc 、フタル化ゼラチン21.8g を添加した液をチタ
ンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、35
℃に液温を保ち、硝酸銀37.04gに蒸留水を加え159cc に
希釈した溶液a1と臭化カリウム32.6g を蒸留水にて容量
200cc に希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブル
ジェット法でpAg を8.1 に維持しながら、溶液a1の全量
を一定流量で1分間かけて添加した。(溶液b1は、コン
トロールドダブルジェット法にて添加)その後3.5%の過
酸化水素水溶液を30cc添加し、さらにベンゾイミダゾー
ルの3wt %水溶液を36cc添加した。その後、再び溶液a1
を蒸留水希釈して317.5cc にした溶液a2と、溶液b1に対
して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六
塩化イリジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2
倍の400cc まで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、やはり
コントロールドダブルジェット法にて、pAg を8.1 に維
持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけて全量添加
した。 (溶液b2は、コントロールドダブルジェット法で
添加)その後2-メルカプト-5- メチルベンゾイミダゾー
ルの0.5%メタノール溶液を50cc添加し、さらに硝酸銀で
pAg を7.5 に上げてから1N硫酸を用いてpHを3.8 に調整
し攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオン
ゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加し
て、pH6.0 、pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散物を作
成した。
【0047】できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子
は、平均球相当径0.031 μm 、球相当径の変動係数11%
の純臭化銀粒子である。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を
用い1000個の粒子の平均から求めた。該粒子の[100] 面
比率は、クベルカムンク法を用いて85%と求められた。
該乳剤を攪拌しながら50℃に昇温し、N,N ' −ジヒドロ
キシ-N'',N''−ジエチルメラミンの0.5wt%メタノール溶
液を5cc とフェノキシエタノールの3.5wt%メタノール溶
液5cc を加え、1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウムを銀1モルに対して3 ×10-5モル加えた。さらに2
分後分光増感色素Iの固体分散物(ゼラチン水溶液)を
銀1モルあたり、5 ×10-3モル加え、さらに2分後テル
ル化合物を銀1モルあたり5 ×10-5モル加えて50分間熟
成した。熟成終了間際に、2-メルカプト-5- メチルベン
ゾイミダゾールを銀1モルあたり1×10-3モル添加して
温度を下げ、化学増感を終了しハロゲン化銀粒子1を作
成した。
【0048】《乳剤層塗布液の調製》 (乳剤層塗布液No.1)上記で得た有機酸銀分散物100g、
ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の20wt
% 水溶液5gを混合し40℃に保った中へ、上記25% 還元剤
分散物25.4g、顔料C.I. Pigment Blue 60の5%水分散物
を4.8g、有機ポリハロゲン化物30% 分散物11.5g 、メル
カプト化合物20% 分散物3.5gを添加した。その後、40℃
に保温したUF精製したSBR ラテックス40wt% を110 gを
添加して十分攪拌した後、フタラジン化合物のメタノー
ル液を6ml を添加し有機酸銀含有液を得た。また、ハロ
ゲン化銀粒子1を5gとハロゲン化銀粒子2を5g事前によ
く混合し塗布直前にスタチックミキサーで有機酸銀含有
液と混合し乳剤層塗布液を調製しそのままコーティング
ダイへ塗布銀量1.4g/m2 となるように送液した。
【0049】該乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘
度計で測定して、40℃で85[mPa・ s]であった。レオメト
リックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペ
クトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断
速度が0.1 、1 、10、100 、1000[1/秒] においてそれ
ぞれ1500、220 、70、40、20[mPa・s]であった。なお、U
F精製したSBRラテックスは以下のように得た。下記のSB
Rラテックスを蒸留水で10倍に希釈したものをUF-精製用
モジュール、FS03-FC-FUY03A1(ダイセン・メンブレン・
システム(株))を用いてイオン伝導度が 1.5mS/cm にな
るまで希釈精製したものを用いた。この時ラテックス濃
度は40% であった。 (SBRラテックス:-St(68)-Bu(29)-AA(3)- のラテック
ス)平均粒径0.1 μm 、濃度45% 、イオン伝導度4.2mS/
cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度
計CM-30S使用しラテックス原液(40%)を25℃にて測
定)、pH8.2
【0050】《乳剤面中間層塗布液の調製》 (中間層塗布液)ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ
(株)製)の10wt% 水溶液772g、メチルメタクリレート
/スチレン/2- エチルヘキシルアクリレート/ヒドロキ
シエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合
重量比59/9/26/5/1)ラテックス27.5% 液226gにエアロゾ
ールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%水溶液を
2ml 、ベンジルアルコール4g、2,2,4-トリメチル-1,3-
ペンタンジオールモノイソブチレート1gとベンゾイシチ
アゾリノン10mgを加えて中間層塗布液とし、5ml/m2にな
るようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度は
B 型粘度計40℃で21[mPa・s]であった。
【0051】《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》 (保護層第1層塗布液No.1)イナートゼラチン80gを水に
溶解し、フタル酸の10% メタノール溶液を138 ml、1Nの
硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド
社製) の5wt%水溶液を5ml、フェノキシエタノール1gを
加え、総量1000g になるように水を加えて塗布液とし、
10ml/m2 になるようにコーティングダイへ送液した。塗
布液の粘度はB 型粘度計40℃で17[mPa・ s]であった。
【0052】《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》 (保護層第2層塗布液)イナートゼラチン100 gを水に
溶解し、N-パーフルオロオクチルスルフォニル- N-プロ
ピルアラニンカリウム塩の5%溶液を20ml、エアロゾール
OT(アメリカンサイアナミド社製) の5wt%溶液を16ml、
ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4 .0μm)2
5 g、1Nの硫酸を44ml、ベンゾイシチアゾリノン10mgに
総量1555g となるよう水を添加して、4wt%のクロムみょ
うばんと0.67wt% のフタル酸を含有する水溶液445ml を
塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保
護層塗布液とし、10ml/m2 になるようにコーティングダ
イへ送液した。塗布液の粘度はB 型粘度計40℃で9[mPa
・s]であった。
【0053】《バック面塗布液の調製》 (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液の調製)塩基プ
レカーサー化合物64g 、および花王(株)製界面活性剤
デモールN10gを蒸留水246ml と混合し、混合液をサンド
ミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アミメック
ス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2 μ
mの、塩基プレカーサーの固体微粒子分散液を得た。 (染料固体微粒子分散液の調製)シアニン染料化合物9.
6gおよび p- アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
5 .8g を蒸留水305ml と混合し、混合液をサンドミル
(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アミメックス
(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2 μm
の染料固体微粒子分散液を得た。 (ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラチン16.5g 、
ポリアクリルアミド 9.6g 、上記塩基プレカーサーの固
体微粒子分散液 70g、上記染料の固体微粒子分散液56g
、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ
6.5 μm) 1. 5g、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム
2.2g、着色染料化合物の1%水溶液0.2g、H2O を844ml 混
合しハレーション防止層塗布液を調製した。 (保護層塗布液の調製)容器を40℃に保温しゼラチン50
g 、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2g、N,N ´
−エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド) 2.4
g、t-オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸
ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg 、C8F17S
O3K を32mg、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO3Na
を64 mg 、H2O を950ml 混合して保護層塗布液とした。
【0054】
【化13】
【0055】《熱現像感光材料の作製》上記下塗りを施
した支持体にハレーション防止層塗布液を固体微粒子染
料の固形分塗布量が0.04g/m2となるり、保護層塗布液を
ゼラチン塗布量が1g/m2 となるように同時重層塗布し、
乾燥しハレーション防止バック層を作成した後、バック
面と反対の面に下塗面から乳剤層、中間層、保護層第1
層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて
同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。な
お、バック面塗布後巻き取らずに乳剤面を塗布した。塗
布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と
支持体との間隔を0.18mm に、減圧室の圧力を大気圧に
対して392Pa 低く設定した。引き続くチリングゾーンで
は、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風を平均風速は
7m/ 秒で30秒間吹き当てて、塗布液を冷却した後、つる
まき式の浮上方式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、
湿球温度が18℃の乾燥風を、穴からの吹き出し風速20m/
秒で、200秒間吹き当てて、塗布液中の溶剤の揮発を行
った。
【0056】実施例3−6 (熱現像感光性記録材料
(H-2 〜H-5 )の作製) 実施例1と同様の方法で重合を行い、それぞれグラフト
ポリマー(GP-3、5,6,9 )を得た。これらのポリマ
ーの諸物性を実施例1のグラフトポリマーGP-2を含めて
表1に示す。そしてグラフトポリマーGP-2の代わりに各
々等重量のグラフトポリマー(GP-3、5 、6 、9 )に変
更する以外は実施例2と全く同じ方法で、を用いて、各
々の熱現像感光性記録材料(H-2 〜5 )を作製した。
【0057】
【表1】
【0058】比較例1−2 英国特許第1,096,912 号とBr.Polym .J.,20巻345
ページ(1988年)を参考にポリ酢酸ビニル(平均重合度
約100 )を有するマクロモノマー1(MM-1)を合成し、
これとスチレンとの共重合(幹ポリマー部分に相当)を
行い前駆体グラフトポリマー(C-1 、C-2 )を合成し
た。このスチレンとの共重合において、幹ポリマー部分
の重合度が約30になるように連鎖移動剤(メルカプトエ
タノール)を適量添加して調製した。さらに、前駆体グ
ラフトポリマーを常法によりケン化してポリビニルアル
コールを枝ポリマーとする比較用のグラフトポリマー
(CG-1、CG-2)を合成した。ケン化度はそれぞれ97.6%
、98.4% であった。これらのポリマーの物性を表1に
合わせて示す。そしてグラフトポリマーGP-2の代わりに
各々等重量のグラフトポリマー(CG-1、CG-2)に変更す
る以外は実施例2と全く同じ方法で、各々の熱現像感光
性記録材料(I-1〜2 )を作製した。
【0059】
【化14】
【0060】各感材(H-1 〜H-5 およびI-1 〜I-2 )に
ついて上記評価を以下のように実施し、その結果を表2
に示す。
【0061】(写真性能の評価)それぞれの感材に対
し、647nmKr レーザー感光計(最大出力500mW)で法線に
対して30度の斜度で写真材料を露光した後、写真材料を
120 ℃で15秒間処理(現像) し、得られた画像の評価を
濃度計により行った。測定の結果は、Dmin、感度(Dmin
より1.0 高い濃度を与える露光量の比の逆数) で評価し
た。感度については写真材料H-1 の感度を100 とした。
また、濃度1となる領域の画像色調を下記の基準で目視
にて評価した。 ◎・・・冷黒調。 ○・・・微かに暖調であるが気にならない。 △・・・暖調であるが実用的に許容される。 ×・・・著しく暖調であり不可。
【0062】(強制経時保存性の評価)それぞれの感材
を30.5cm×25.4cmに裁断し角を内径0.5cmのラウンドコ
ーナーとし、25℃-50%RHの条件下1日放置し、写真材料
それぞれ10枚ずつを防湿材料でできた袋の中に密閉し、
さらに35.1cm×26.9cm×3.0cm の化粧箱に入れ、50℃で
5日間経時した(強制経時)。この試料と比較用に保存
温度を4℃とした以外は強制経時と同様にした試料とを
写真性の評価と同じ処理を行い、カブリ部分の濃度を測
定した。経時保存性はカブリ増加として評価した。 (カブリ増加)=(強制経時試料のカブリ)−(比較試料
のカブリ) カブリ増加が低いほど経時保存性が良好である。
【0063】(光照射画像保存性評価)写真性評価と同
様に露光現像した感光材料を、直射日光のあたるガラス
窓の内側に張り付け1月間放置した後の画像の様子を下
記の基準で目視評価した。 ◎・・・ほとんど変化がない。 ○・・・微かに色調変化があるが気にならない。 △・・・画像部変色があるが実用的に許容される。 ×・・・Dminが変色し濃度が上がり不可。
【0064】(暗熱画像保存性評価)写真性評価と同様
に露光現像した感光材料を、遮光した条件下40℃で1月
間放置した後の画像の様子を下記の基準で目視評価し
た。 ◎・・・ほとんど変化がない。 ○・・・微かに色調変化があるが気にならない。 △・・・画像部変色があるが実用的に許容される。 ×・・・Dminが変色し濃度が上がり不可。
【0065】
【表2】
【0066】まず、表1の結果により、本発明のグラフ
トポリマーは幹ポリマーと枝ポリマーの鎖長がほぼ制御
されている事が分かる。一方マクロモノマーを用いた比
較例のグラフトポリマーは分子量分布がかなり広いもの
が生成してしまい、鎖長が完全に制御されているとは言
えない。それらを用いて調製された熱現像感光材料の性
能は、表2にまとめられている。
【0067】
【発明の効果】本発明のグラフトポリマーは同様な分子
量を有する比較例のグラフトポリマーに比べて、感度が
高く、カブリが少ない。さらに経時後のカブリの上昇も
少ない。また本発明のグラフトポリマーは予想外にも光
照射画像保存性と暗熱画像保存性が良好であることが分
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H023 DB02 2H123 BA00 BA14 4J026 AA17 AC25 AC33 BA11 BA20 BA25 BA27 BA31 BB01 BB03 CA06 DA02 DA08 DA12 DA20 DB02 DB09 DB12 DB15 DB32 EA04 EA05 EA08 FA03 GA02 GA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式1で表される繰り
    返し単位を有するポリマーの存在下でビニルエステルモ
    ノマーをリビングラジカル重合することを特徴とするグ
    ラフトポリマーの製造方法。 【化1】 一般式1において、R1 は水素原子または炭素数1から
    6までのアルキル基を表し、R2 は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1から20までの置換もしくは無置換のア
    ルキル基、又は炭素数1から20までの置換もしくは無
    置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連結基を表し、
    aは0または1を表す。
  2. 【請求項2】 該リビングラジカル重合の開始剤が2,
    2´−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル
    又は過酸化カーボネートであることを特徴とする請求項
    1に記載のグラフトポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 該リビングラジカル重合の重合温度が3
    0℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載のグラフトポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 該一般式1で表される繰り返し単位を有
    するポリマーのコモノマーとして、少なくとも一種のエ
    チレン不飽和性モノマ−を使用することを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1に記載のグラフトポリマーの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 該リビングラジカル重合により得られる
    グラフトポリマーが、少なくとも下記一般式2で表され
    るくり返し単位を含むポリマーであることを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれか1に記載のグラフトポリ
    マーの製造方法。 【化2】 一般式2において、R1 は水素原子または炭素数1から
    6までのアルキル基を表し、R2 は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1から20までの置換もしくは無置換のア
    ルキル基、又は炭素数1から20までの置換もしくは無
    置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連結基を表し、
    aは0または1を表す。R3 は水素原子または炭素数1
    から6までのアルキル基を表し、R4 は炭素数1から2
    0までのアルキル基を表す。x、yはそれぞれの含率を
    表し、xの含率は0 〜100 モル%であり、yの含率は
    (100-x)モル%である。
  6. 【請求項6】 下記一般式1においてR1 =Hであり、
    2 =Hであり、ポリマーの重量平均分子量が1000〜10
    0000であり、その分散度(重量平均分子量/数平均分子
    量)が1.5以下であるポリマーの存在下でビニルエステ
    ルモノマーをリビングラジカル重合することを特徴とす
    る製造方法により製造されたグラフトポリマー。 【化3】 式中、Lは2価の連結基を表し、aは0または1を表
    す。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のポリマーを含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のポリマーを含有するこ
    とを特徴とする熱現像感光性記録材料。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のグラフトポリマーの製
    造方法により製造された該グラフトポリマーが重量平均
    分子量が3000〜200000であり、分散度(重量平均分子量
    /数平均分子量)が2以下である下記一般式2で表され
    るくり返し単位を含むポリマーであることを特徴とする
    グラフトポリマー。 【化4】 一般式2において、R1 は水素原子または炭素数1から
    6までのアルキル基を表し、R2 は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1から20までの置換もしくは無置換のア
    ルキル基、又は炭素数1から20までの置換もしくは無
    置換のアルコキシ基を表す。Lは2価の連結基を表し、
    aは0または1を表す。R3 は水素原子または炭素数1
    から6までのアルキル基を表し、R4 は炭素数1から2
    0までのアルキル基を表す。x、yはそれぞれの含率を
    表し、xの含率は0 〜100 モル%であり、yの含率は
    (100-x)モル%である。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のポリマーを含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のポリマーを含有する
    ことを特徴とする熱現像感光性記録材料。
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