JP2000302744A - 尿素誘導体の製造法 - Google Patents

尿素誘導体の製造法

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JP2000302744A
JP2000302744A JP11120227A JP12022799A JP2000302744A JP 2000302744 A JP2000302744 A JP 2000302744A JP 11120227 A JP11120227 A JP 11120227A JP 12022799 A JP12022799 A JP 12022799A JP 2000302744 A JP2000302744 A JP 2000302744A
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、カルバメートとアミン化合物を反
応させて、高反応速度及び高選択率で、目的とする尿素
誘導体を製造する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、アリールカルバメート
を、塩基存在下、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニ
ウム塩を共存させて、アミン化合物と反応させて、尿素
誘導体を生成させることを特徴とする尿素誘導体の製造
法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカルバメート(特に
アリールカルバメート)とアミン化合物を反応させて尿
素誘導体を製造する方法に関する。尿素誘導体は、医
薬、農薬、各種ファインケミカルズ、及びこれらの合成
原料として広範な用途を有する有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】カルバメートとアミン化合物を反応させ
て尿素誘導体を製造する方法としては例えば、(1)カ
ルバメートとアルキルアミンを無触媒で反応させる方法
(特開昭62−126161号公報など)、(2)p−
ニトロフェニルカルバメートとアルキルアミンを反応さ
せる方法〔Synthesis,6,423(198
9)など〕、(3)アルキルカルバメートとアミンを高
温下で反応させる方法(特開昭54−145616号公
報など)、(4)カルバメートとアミンを三級アミン又
は無機塩基触媒の存在下で反応させる方法(特開平9−
241243号公報など)が知られている。
【0003】しかしながら、(1)の方法では、芳香族
アミンや立体的にかさ高いアミン等の反応性の低いアミ
ンを用いた場合には反応速度が著しく低下する、(2)
の方法では、原料のカルバメートが非常に反応性の高い
p−ニトロフェニルカルバメートに限られる、(3)の
方法では、反応性の低いアルキルカルバメートを高温下
で反応させているためにイソシアナート誘導体が多量に
副生し、更に非対称尿素誘導体を製造する場合でも対称
尿素誘導体が優先して生成する、(4)の方法では、触
媒活性が低いなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
尿素誘導体の製造法は、原料のカルバメートやアミンが
制限される、副生物が多く生成する、触媒活性が低いな
ど、種々の問題を抱えている。本発明はこのような問題
を有していない尿素誘導体の製造法を提供することを課
題とする。即ち、本発明は、カルバメートとアミン化合
物を反応させて、高反応速度及び高選択率で、目的とす
る尿素誘導体を製造する方法を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、化学構
造式(I)で表されるカルバメートを、
【0006】
【化4】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アラルキル基、
アリール基、又は複素環基を表し、R2はアリール基を
表す。)
【0007】塩基存在下、4級アンモニウム塩又は4級
ホスホニウム塩を共存させて、化学構造式(II)で表さ
れるアミン化合物と反応させて、
【化5】 (式中、R3はアルキル基、アラルキル基、アリール
基、複素環基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アラルキルオキシ基、チオアルコキシ基、スルホ
ニル基、水酸基、又はジ置換アミノ基を表す。R4は、
3がアルキル基の場合、アルキル基、アラルキル基、
アリール基、又は複素環基を表し、R3がアルキル基以
外の前記置換基である場合、水素原子、アルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。)
【0008】化学構造式(III)で表される尿素誘導体
を生成させることを特徴とする尿素誘導体の製造法によ
って解決される。
【化6】 (式中、R1、R3、R4は前記と同様である。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるカルバメート
は前記化学構造式(I)で表される。化学構造式(I)
において、R1は、水素原子、アルキル基(好ましくは
炭素数1〜20のアルキル基)、アラルキル基(好まし
くは炭素数7〜20のアラルキル基)、アリール基(好
ましくは炭素数6〜20のアリール基)、又は複素環基
(好ましくは炭素数1〜15で、N、O、S等のヘテロ
原子を少なくとも1個含む複素環基)を表す。また、R
2はアリール基(好ましくは炭素数6〜20のアリール
基)を表す。
【0010】前記カルバメートにおいて、R1で表され
るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等の炭素数1〜20のアルキル基
(異性体を含む)が好ましく挙げられる。このアルキル
基はその炭素鎖の内部に不飽和結合(炭素−炭素二重結
合等)及び/又はヘテロ原子(N、O、S等)を含んで
いてもよく、その炭素鎖が環構造(前記ヘテロ原子を含
むこともある)を形成していてもよい。但し、その炭素
鎖の内部に窒素原子を含む場合は、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基又は炭素数6
〜14のアリール基が窒素原子上に置換基として他に1
個存在する。
【0011】前記アルキル基は、更に、炭素数1〜15
のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等)、炭素数1〜15のチオアルコキシ
基(チオメトキシ基、チオエトキシ基等)、炭素数6〜
14のアリールオキシ基(フェノキシ基等)、炭素数6
〜14のアリールチオオキシ基(チオフェノキシ基
等)、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基(メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、炭素数
2〜15のアシル基(アセチル基、ベンゾイル基等)、
炭素数2〜15のジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等)、ヘテロ原子(N、O、S
等)を少なくとも1個含む炭素数1〜15の複素環基
(ピリジル基、フリル基等)、ニトロ基、シアノ基、水
酸基、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)などを置換基
として1個以上有していてもよい。
【0012】R1としてのアルキル基が有していてもよ
い、これら置換基は各種異性体を含む。そして、これら
置換基はそのアルキル部分の炭素鎖の内部に不飽和結合
(炭素−炭素二重結合等)及び/又はヘテロ原子(N、
O、S等)を含んでいてもよく、また、そのアルキル部
分が前記アルキル基が有していてもよい置換基を少なく
とも1個有していても、環構造(前記ヘテロ原子を含む
こともある)を形成していてもよい。但し、そのアルキ
ル部分の炭素鎖の内部に窒素原子を含む場合は前記と同
様に窒素原子上に置換基が存在する。
【0013】前記カルバメートにおいて、R1で表され
るアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、
フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の炭素数7〜
20のアラルキル基(異性体を含む)が好ましく挙げら
れる。このアラルキル基はそのアルキル部分の炭素鎖の
内部に不飽和結合(炭素−炭素二重結合等)やヘテロ原
子(N、O、S等)を含んでいてもよい。但し、そのア
ルキル部分の炭素鎖の内部に窒素原子を含む場合は前記
と同様に窒素原子上に置換基が存在する。
【0014】前記アラルキル基は、更に、炭素数1〜1
5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等)や、炭素数7〜15のアラルキル基(ベンジ
ル基、フェネチル基等)や、炭素数6〜14のアリール
基(フェニル基、ナフチル基等)の置換基や、R1とし
てのアルキル基が有していてもよい置換基と同様の置換
基をその芳香環上に1個以上有していてもよい。なお、
これら置換基は各種異性体を含む。そして、これら置換
基はそのアルキル部分の炭素鎖の内部に不飽和結合(炭
素−炭素二重結合等)やヘテロ原子(N、O、S等)を
含んでいてもよく、そのアルキル部分が環構造(前記ヘ
テロ原子を含むこともある)を形成していてもよく、更
にR1としてのアルキル基が有していてもよい置換基を
1個以上有していてもい。但し、そのアルキル部分の炭
素鎖の内部に窒素原子を含む場合は前記と同様に窒素原
子上に置換基が存在する。
【0015】前記カルバメートにおいて、R1で表され
るアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アン
トラニル基等の炭素数6〜14のアリール基(異性体を
含む)が好ましく挙げられる。前記アリール基は、更
に、炭素数1〜15のアルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数7〜15のアラ
ルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜
14のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)や、R
1としてのアルキル基が有していてもよい置換基と同様
の置換基を1個以上有していてもよい。なお、これら置
換基は各種異性体を含む。そして、これら置換基はその
アルキル部分の炭素鎖の内部に不飽和結合(炭素−炭素
二重結合等)やヘテロ原子(N、O、S等)を含んでい
てもよく、そのアルキル部分が環構造(前記ヘテロ原子
を含むこともある)を形成していてもよく、更にR1
してのアルキル基が有していてもよい置換基を1個以上
有していてもよい。但し、そのアルキル部分の炭素鎖の
内部に窒素原子を含む場合は、前記と同様に窒素原子上
に置換基が存在する。
【0016】置換基を有するアリール基としては、例え
ば、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、メトキシ
フェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ニ
トロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、シアノフェニ
ル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。
【0017】前記カルバメートにおいて、R1で表され
る複素環基としては、ピリジル基、ピリダジニル基、キ
ノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基、インドリ
ル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル
基、チアジアゾリル基、イソキサゾリル基、フリル基、
ベンゾフリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル基、
テトラヒドロチエニル基、N−置換ピペリジニル基等の
ヘテロ原子(N、O、S等)を少なくとも1個含む炭素
数1〜15の複素環基(異性体を含む)が好ましく挙げ
られる。
【0018】前記複素環基は、更に、R1としてのアル
キル基、アラルキル基、アリール基が有していてもよい
置換基と同様の置換基を1個以上有していてもよい。こ
れら置換基は異性体を含む。また、前記と同様にそのア
ルキル部分の炭素鎖の内部に不飽和結合やヘテロ原子を
含んでいてもよく、環構造を形成していてもよく、更に
1としてのアルキル基が有していてもよい置換基を1
個以上有していてもよい。但し、そのアルキル部分の炭
素鎖の内部に窒素原子を含む場合は前記と同様に窒素原
子上に置換基が存在する。
【0019】R2で表されるアリール基としては、フェ
ニル基、ナフチル基、アントラニル基等の炭素数6〜1
4のアリール基(異性体を含む)が好ましく挙げられ
る。これらアリール基は、更に、炭素数1〜15のアル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)や、R1としてのアリール基と同様の置換基を1個
以上有していてもよい。
【0020】前記カルバメートとしては、例えば、下記
の化合物が挙げられる。即ち、R1が水素原子であるカ
ルバメートとしては、フェニル カルバメートなどが挙
げられる。
【0021】R1がアルキル基であるカルバメートとし
ては、フェニル N−メチルカルバメート、フェニル
N−エチルカルバメート、フェニル N−プロピルカル
バメート、フェニル N−ブチルカルバメート、フェニ
ル N−シクロヘキシルカルバメートなどが挙げられ
る。更に、4−ニトロフェニル N−シクロヘキシルカ
ルバメート、4−フェノキシフェニル N−シクロヘキ
シルカルバメート、4−アセチルフェニル N−シクロ
ヘキシルカルバメートなども挙げられる。
【0022】R1がアラルキル基であるカルバメートと
しては、フェニル N−ベンジルカルバメート、フェニ
ル N−1−フェネチルカルバメートなどが挙げられ
る。
【0023】R1がアリール基であるカルバメートとし
ては、フェニル N−フェニルカルバメート、フェニル
N−(4−メチルフェニル)カルバメート、フェニル
N−(2−クロロフェニル)カルバメート、フェニル
N−(4−ニトロフェニル)カルバメート、フェニル
N−(4−シアノフェニル)カルバメート、フェニル
N−(4−メトキシフェニル)カルバメート、1−ナ
フチル N−(4−クロロフェニル)カルバメート、1
−ナフチル N−(4−メトキシフェニル)カルバメー
トなどが挙げられる。
【0024】更に、4−メチルフェニル N−フェニル
カルバメート、4−フルオロフェニル N−フェニルカ
ルバメート、4−クロロフェニル N−フェニルカルバ
メート、4−ニトロフェニル N−フェニルカルバメー
ト、4−メトキシフェニルN−フェニルカルバメートな
ども、R1がアリール基であるカルバメートとして挙げ
られる。
【0025】R1が複素環基であるカルバメートとして
は、フェニル N−(2−ピリジル)カルバメート、フ
ェニル N−(4−ピリダジニル)カルバメート、フェ
ニルN−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)カルバメ
ートなどが挙げられ、更に4−ニトロフェニル N−
(4−ピリジル)カルバメートなども挙げられる。
【0026】本発明で使用されるアミン化合物は前記化
学構造式(II)で表される。化学構造式(II)におい
て、R3は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20の
アルキル基)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜2
0のアラルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜20のアリール基)、複素環基(好ましくは炭素数3
〜15で、N、O、S等のヘテロ原子を少なくとも1個
含む複素環基)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10
のアシル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜1
5のアルコキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭
素数6〜15のアリールオキシ基)、アラルキルオキシ
基(好ましくは炭素数7〜16のアラルキルオキシ
基)、チオアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15の
チオアルコキシ基)、スルホニル基(好ましくは炭素数
1〜15のスルホニル基)、水酸基、又はジ置換アミノ
基を表す。
【0027】このジ置換アミノ基を構成する置換基とし
ては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキ
ル基)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜20のア
ラルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20
のアリール基)、複素環基(好ましくは炭素数3〜15
で、N、O、S等のヘテロ原子を少なくとも1個含む複
素環基)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10のアシ
ル基)、又はスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15
のスルホニル基)が挙げられる。
【0028】前記アミン化合物において、R3で表され
るアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基と
しては、前記のR1で表わされるアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、複素環基と同様のものが挙げられ
る。そして、このアルキル基は、前記のR1で表わされ
るアルキル基と同様に、その炭素鎖の内部に不飽和結合
(炭素−炭素二重結合等)やヘテロ原子(N、O、S
等)を含んでいてもよく、環構造(前記ヘテロ原子を含
むこともある)を形成していてもよい。また、このアラ
ルキル基は、前記のR1で表わされるアラルキル基と同
様に、そのアルキル部分の炭素鎖に不飽和結合(炭素−
炭素二重結合等)やヘテロ原子(N、O、S等)を含ん
でいてもよい。
【0029】更に、R3で表されるアルキル基、アラル
キル基、アリール基は、R1で表わされるアルキル基、
アラルキル基、アリール基、複素環基が有すると同様の
置換基を1個以上有していてもよい。そして、この置換
基は、前記のR1と同様に、そのアルキル部分の炭素鎖
に不飽和結合(炭素−炭素二重結合等)やヘテロ原子
(N、O、S等)を含んでいてもよく、環構造(前記ヘ
テロ原子を含むこともある)を形成していてもよく、更
にR1としてのアルキル基が有していてもよい置換基を
1個以上有していてもよい。
【0030】また、前記アミン化合物において、R3
表されるアシル基としては、アセチル基、プロピオニル
基、ベンゾイル基等の炭素数2〜15のアシル基が、R
3で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜15
のアルコキシ基が、R3で表されるアリールオキシ基と
しては、フェノキシ基等の炭素数6〜15のアリールオ
キシ基が、R3で表されるアラルキルオキシ基として
は、ベンジルオキシ基等の炭素数7〜16のアラルキル
オキシ基が、R3で表されるチオアルコキシ基として
は、チオメトキシ基、チオエトキシ基等の炭素数1〜1
5のチオアルコキシ基が、R3で表されるジ置換アミノ
基としては、ジメチルアミノ基等の炭素数2〜20のジ
置換アミノ基がそれぞれ好ましく挙げられる。
【0031】前記アミン化合物において、R4は、R3
アルキル基の場合、アルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、又は複素環基を表し、R3がアルキル基以外の前
記置換基である場合、R4は、水素原子、アルキル基、
アラルキル基、アリール基、又は複素環基を表すが、ア
ルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基は前記
のR3と同様のものである。
【0032】前記アミン化合物としては、例えば、下記
の化合物が具体的に挙げられる。即ち、R3がアルキル
基で、R4がアルキル基であるものとしては、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブ
チルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルエチ
ルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチ
ルプロピルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン等
が挙げられる。更に、ピロリジン、3−ピロリン、ピロ
ール、ピラゾール、ピペリジン、モルホリン等も挙げら
れる。
【0033】R3がアラルキル基で、R4がアルキル基で
あるものとしては、N−メチル ベンジルアミン、N−
メチル フェネチルアミン、N−メチル フェニルプロ
ピルアミン、N−メチル フェニルヘキシルアミン、N
−エチル ベンジルアミン、N−エチル フェネチルア
ミン、N−エチル フェニルプロピルアミン、N−エチ
ル フェニルヘキシルアミン等が挙げられる。
【0034】R3がアラルキル基で、R4がアラルキル基
であるものとしては、ジベンジルアミン、ジフェネチル
アミン、N−ベンジルフェネチルアミン等が挙げられ
る。R3がアラルキル基で、R4が水素原子であるものと
しては、ベンジルアミン、フェネチルアミン、フェニル
ブチルアミン、フェニルヘキシルアミン等が挙げられ
る。
【0035】R3がアリール基で、R4がアルキル基であ
るものとしては、N−メチルアニリン、N−エチルアニ
リン、N−ブチルアニリン、N−オクチルアニリン、N
−デシルアニリン等が挙げられる。更に、インドール等
も挙げられる。R3がアリール基で、R4がアリール基で
あるものとしては、ジフェニルアミン、ジナフチルアミ
ン等が挙げられる。更に、カルバゾール等も挙げられ
る。
【0036】R3がアリール基で、R4が水素原子である
ものとしては、アニリン、2−トルイジン、4−トルイ
ジン、2,4−ジメチルアニリン、2−エチルアニリ
ン、4−エチルアニリン、2,4−ジエチルアニリン、
4−トリフルオロアニリン、2−アニシジン、4−アニ
シジン、4−エトキシアニリン、2−フルオロアニリ
ン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、4−
クロロアニリン、2−ブロモアニリン、4−ブロモアニ
リン、4−メチルチオアニリン、4−ジエチルアミノア
ニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−メトキ
シ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニ
リン、2−シアノ−4−メチル−6−ニトロアニリン、
2−アミノジフェニル、2−アミノジフェニルエーテ
ル、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン等が挙げ
られる。
【0037】R3が複素環基で、R4がアルキル基である
ものとしては、N−メチル(2−アミノピリジン)、N
−メチル(4−アミノピリジン)、N−メチル(2−ア
ミノフラン)、N−メチル(2−アミノピラン)、N−
メチル(2−アミノピロール)、N−メチル(2−アミ
ノチオフェン)、N−エチル(2−アミノピリジン)、
N−エチル(4−アミノピリジン)、N−エチル(2−
アミノフラン)、N−エチル(2−アミノピラン)、N
−エチル(2−アミノピロール)、N−エチル(2−ア
ミノチオフェン)等が挙げられる。
【0038】R3が複素環基で、R4が水素原子であるも
のとしては、2−アミノピリジン、4−アミノピリジ
ン、2−アミノピリミジン、9−アミノアクリジン、4
−アミノアンチピリン、3−アミノ−5,6−ジメチル
−1,2,4−トリアジン、2−アミノキノリン、5−
アミノイミダゾール、7−アミノ−4−メチルクマリ
ン、3−アミノ−5−メチルイソオキサゾール、3−ア
ミノ−5−メチルピラゾール、3−アミノ−1−フェニ
ル−2−ピラゾリン−5−オン、8−アミノキナリジ
ン、α−アミノ−γ−ブチロラクトン、α−アミノ−ε
−カプロラクタム、5−アミノ−1H−テトラゾール、
2−アミノチアゾール、2−アミノチアゾリン、2−ア
ミノベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0039】R3がアシル基で、R4が水素原子であるも
のとしては、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミ
ド、アクリルアミド、ニコチンアミド、シアノアセトア
ミド等が挙げられる。R3がスルホニル基で、R4が水素
原子であるものとしては、メタンスルホンアミド、ベン
ゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等が
挙げられる。
【0040】本発明で使用される塩基としては、塩基性
のアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物が挙げられ
る。塩基性のアルカリ金属化合物としては、アルカリ金
属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸
塩、リン酸水素塩等の無機の塩基性アルカリ金属化合物
や、アルカリ金属のカルボン酸塩、アルコキシド、アリ
ールオキシド等の有機の塩基性アルカリ金属化合物など
が挙げられる。塩基性のアルカリ土類金属化合物も同様
の無機又は有機の塩基性アルカリ土類金属化合物が挙げ
られる。これら塩基は単独で使用しても複数で使用して
もよい。
【0041】無機の塩基性アルカリ金属化合物のうち、
アルカリ金属の酸化物としては、酸化ナトリウム、酸化
カリウム等が挙げられ、アルカリ金属の水酸化物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ
る。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等が挙げられ、アルカリ金属の炭酸水素塩
としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が
挙げられる。また、アルカリ金属のリン酸塩としては、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられ、アル
カリ金属のリン酸水素塩としては、リン酸水素ナトリウ
ム、リン酸水素カリウム等が挙げられる。
【0042】有機の塩基性アルカリ金属化合物のうち、
アルカリ金属のカルボン酸塩としては、ギ酸ナトリウ
ム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プ
ロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、酪酸ナ
トリウム、酪酸カリウム、イソ酪酸ナトリウム、イソ酪
酸カリウム、ピバリン酸ナトリウム、ピバリン酸カリウ
ム、吉草酸ナトリウム、吉草酸カリウム、イソ吉草酸ナ
トリウム、イソ吉草酸カリウム、カプロン酸ナトリウ
ム、カプロン酸カリウム、ヘプタン酸ナトリウム、ヘプ
タン酸カリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カ
リウム、ウンデシレン酸ナトリウム、ウンデシレン酸カ
リウム等の炭素数1〜12のアルカリ金属のカルボン酸
塩が挙げられる。
【0043】また、アルカリ金属のアルコキシドとして
は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナ
トリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド等の炭素
数1〜12のアルカリ金属のアルコキシドが挙げられ、
アルカリ金属のアリールオキシドとしては、ナトリウム
フェノキシド等の炭素数6〜12のアルカリ金属のアリ
ールオキシドが挙げられる。
【0044】塩基の中では、アルカリ金属の炭酸塩(特
に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、炭酸水素塩(特
に、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、カルボ
ン酸塩(特に、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム)が好ま
しい。
【0045】本発明では、4級アンモニウム塩又は4級
ホスホニウム塩を共存させて反応が行われる。4級アン
モニウム塩、4級ホスホニウム塩はそれぞれ単独で使用
しても複数で使用してもよく、また両者を単独又は複数
で混合して使用してもよい。4級アンモニウム塩として
は、アルキル基、アラルキル基、アリール基等の有機置
換基が窒素原子上に結合している有機4級アンモニウム
塩が使用される。このアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基は、前記のR1と同様のアルキル基、アラルキル
基、アリール基であり、前記のR1が有すると同様の置
換基を有していてもよい。有機4級アンモニウム塩とし
ては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラ
アラルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0046】また、4級ホスホニウム塩としては、アル
キル基、アラルキル基、アリール基等の有機置換基がリ
ン原子上に結合している有機4級ホスホニウム塩が使用
される。このアルキル基、アラルキル基、アリール基
は、前記のR1と同様の炭素数を有するアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基であり、これらが有すると同様
の置換基を有していてもよい。有機4級ホスホニウム塩
としては、例えば、テトラアルキルホスホニウム塩、テ
トラアラルキルホスホニウム塩、テトラアリールホスホ
ニウム塩等が挙げられる。
【0047】4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩
において、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチ
オンの対アニオンとしては、例えば、F-、Cl-、Br
-、I-等のハロゲンイオン、OH-、AcO-(アセテー
トイオン)、p−TsO-(p−トルエンスルホネート
イオン)、SO4 2-、BF4 -、PF6 -等が挙げられる。
対イオンは反応中に安定なものであれば特に制限されな
い。
【0048】4級アンモニウム塩としては、例えば、以
下のものが具体的に挙げられる。即ち、テトラアルキル
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムク
ロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブ
チルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウ
ムクロリド、テトラドデシルアンモニウムクロリド、テ
トラキス(2−クロロエチル)アンモニウムクロリド、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、1,1−ジ
メチルピペリジニウムクロリド等のテトラアルキルアン
モニウムクロリドが挙げられる。
【0049】テトラアラルキルアンモニウム塩として
は、テトラベンジルアンモニウムクロリド、テトラフェ
ネチルアンモニウムクロリド等のテトラアラルキルアン
モニウムクロリドが挙げられる。
【0050】その他、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、
4−メチルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、
ベンジルジメチルデシルアンモニウムクロリド、(9−
アントラセニルメチル)トリメチルアンモニウムクロリ
ド等のアルキル基とアラルキル基を有するものや、フェ
ニルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチ
ルナフチルアンモニウムクロリド等のアルキル基とアリ
ール基を有するものが挙げられる。
【0051】4級ホスホニウム塩としては、例えば、以
下のものが具体的に挙げられる。即ち、テトラアルキル
ホスホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウムク
ロリド、テトラエチルホスホニウムクロリド、テトラブ
チルホスホニウムクロリド、トリブチルメチルホスホニ
ウムクロリド等のテトラアルキルホスホニウムクロリド
が挙げられる。
【0052】テトラアラルキルホスホニウム塩として
は、テトラベンジルホスホニウムクロリド等のテトラア
ラルキルホスホニウムクロリドが挙げられる。テトラア
リールホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホ
ニウムクロリド、テトラ(フェネチルアンモニウムクロ
リド等のテトラアリールホスホニウムクロリドが挙げら
れる。
【0053】その他、ベンジルトリエチルホスホニウム
クロリド、(4−メチルベンジル)トリブチルホスホニ
ウムクロリド等のアルキル基とアラルキル基を有するも
のや、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、4
−メチルベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、
ペンタメチルベンジルトリフェニルホスホニウムクロリ
ド、4−フルオロベンジルトリフェニルホスホニウムク
ロリド、4−クロロベンジルトリフェニルホスホニウム
クロリド、ジフェニルメチルトリフェニルホスホニウム
クロリド、1−ナフチルメチルトリフェニルホスホニウ
ムクロリド、2−ナフチルメチルトリフェニルホスホニ
ウムクロリド等のアラルキル基とアリール基を有するも
のや、
【0054】メチルトリフェニルホスホニウムクロリ
ド、ブチルトリフェニルホスホニウムクロリド等のアル
キル基とアリール基や、ベンジルメチルジフェニルホス
ホニウムクロリド等のアルキル基とアラルキル基とアリ
ール基を有するものが挙げられる。更に、これらホスホ
ニウムクロリドに対応するホスホニウムブロミドやホス
ホニウムヨージドも挙げることができる。
【0055】前記カルバメートとアミン化合物の反応
は、例えば、反応器に所定量のカルバメート、アミン化
合物、塩基、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム
塩を仕込み、必要に応じて反応溶媒を加えて行われる。
反応温度は原料化合物や反応溶媒により選択されるが、
0〜200℃、更には10〜150℃、特に20〜14
0℃の範囲であることが好ましい。反応圧力は特に制限
されず、加圧、常圧、減圧のいずれでもよい。なお、反
応は攪拌下で行うことが好ましいが、特に制限されるも
のではない。
【0056】前記反応において、原料のカルバメートと
アミン化合物は、カルバメート1モルに対して、アミン
化合物が0.1〜20モル、更には0.5〜5モル、特
に0.8〜2モルの割合で使用することが好ましい。ま
た、塩基は、カルバメート1モルに対して、0.000
1〜0.5モル、更には0.001〜0.1モルの割合
で使用することが好ましい。4級アンモニウム塩又は4
級ホスホニウム塩は、塩基に対して0.1〜50倍モ
ル、更には0.2〜20倍モルの割合で使用することが
好ましい。
【0057】前記反応においては反応溶媒を単独又は複
数で使用することもできる。特に、反応液全体が固化す
るような場合には、操作性をよくするために反応溶媒を
使用することが好ましい。反応溶媒は、原料のカルバメ
ートやアミン化合物、触媒、前記4級塩、及び原料に対
応して生成する目的の尿誘導体に対して不活性であるか
又は反応性の低いものであれば、特に制限されるもので
はない。反応溶媒の使用量は、カルバメート1重量部に
対して0〜50重量部、更には0〜30重量部、特に0
〜20重量部であることが好ましい。
【0058】前記反応溶媒としては、水、脂肪族アルコ
ール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シ
クロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタ
ノール、アリルアルコール、クロロエタノール、メトキ
シエタノール、シアノエタノール等の好ましくは炭素数
1〜15の脂肪族アルコール;異性体を含む)、芳香脂
肪族アルコール(ベンジルアルコール、フェネチルアル
コール等の好ましくは炭素数7〜16の芳香脂肪族アル
コール;異性体を含む)、芳香族アルコール(フェノー
ル、クレゾール等の好ましくは炭素数6〜15の芳香族
アルコール;異性体を含む)が挙げられる。これらのア
ルコール(脂肪族アルコール、芳香脂肪族アルコール、
芳香族アルコール)においては、上記のように、そのア
ルキル部分が不飽和結合(炭素−炭素二重結合等)を含
んでいてもよく、ハロゲン原子(F、Cl、Br、
I)、アルコキシ基、シアノ基、アルキル基などを置換
基として有していてもよい。
【0059】更に、反応溶媒として、脂肪族炭化水素
(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エー
テル、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、シクロドデカン、リグロイン、デカリン、潤滑油
等)、脂肪族ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロ
プロパン、1,4−ジクロロブタン等)、脂肪族エーテ
ル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−
n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチ
ルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル等)、脂肪族ケト
ン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等)、脂肪族ニトリル(アセトニトリル、プロピ
オニトリル、アジポニトリル等)、脂肪族アミド(N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブ
チルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、
メチルナフタレン等)、芳香族ハロゲン化炭化水素(ク
ロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロナフタレ
ン等)、芳香族エーテル(アニソール、ジフェニルエー
テル等)、芳香族ニトリル(ベンゾニトリル等)、ニト
ロ化合物(ニトロメタン、ニトロベンゼン等)や、N−
メチルピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、
ジメチルスルホキシドなども挙げられる。
【0060】反応溶媒の中では前記アルコール(脂肪族
アルコール、芳香脂肪族アルコール、芳香族アルコー
ル)が好ましいが、中でも脂肪族アルコール(特に、メ
タノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル
−2−プロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノ
ール)や芳香脂肪族アルコール(特にベンジルアルコー
ル)が更に好ましい。
【0061】反応終了後、生成した尿素誘導体は、必要
ならば適当な有機溶媒を加えた後に、反応液を希塩酸等
の酸性水溶液又は水で洗浄して、塩基、前記4級塩及び
残存するアミン化合物を除去し、次いで濃縮して溶媒や
副生したアリールヒドロキシ化合物(R2OHに相当す
る)を除去することにより分離される。分離されたカル
バメートは、必要に応じて、再結晶、蒸留、昇華、カラ
ムクロマトグラフィーなどにより更に精製される。
【0062】生成した尿素誘導体が反応溶媒に難溶であ
って、かつ原料のカルバメートやアミン化合物、塩基、
前記4級塩、及び副生したアリールヒドロキシ化合物が
反応溶媒に易溶である場合には、尿素誘導体が析出した
反応液を濾過又は遠心分離するのみで高純度の尿素誘導
体を分離できる。このとき、反応溶媒を使用していない
か又は反応溶媒の使用量が少ないことで操作性が悪い場
合は、適当な溶媒を加えた後に同様の分離操作を行うこ
とが好ましい。また、塩基や前記4級塩が反応溶媒に難
溶の場合は、生成した尿素誘導体と共に濾過又は遠心分
離でこれらを分離した後に、分離した沈殿を、塩基や前
記4級塩を溶解することのできる溶媒で洗浄することに
より、高純度の尿素誘導体を分離できる。
【0063】なお、前記のように反応液から尿素誘導体
を固体で分離した際に得られる母液は、必要に応じて副
生したアリールヒドロキシ化合物と分離の際に加えた溶
媒を蒸留で除いた後、原料のカルバメートやアミン化合
物及び必要ならば反応溶媒を加えることによって、繰り
返して反応に使用できる。
【0064】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。なお、分析は高速液体クロマトグラフィ
ーにより、尿素誘導体の収率は原料のカルバメートに対
して求めた。
【0065】実施例1 10ml容ガラス製反応器に、フェニル N−ベンジル
カルバメート(5mmol)、アニリン(6mmo
l)、炭酸水素ナトリウム(0.015mmol)、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(0.015m
mol)、2−プロパノール(6ml)を仕込み、バス
温60℃で1時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を
分析したところ、フェニル N−ベンジルカルバメート
の転化率は55.6%で、N−ベンジル−N’−フェニ
ルウレアの収率は55.2%(選択率99.3%)であ
った。
【0066】比較例1 テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドを加えなかっ
たほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その
結果、フェニル N−ベンジルカルバメートの転化率は
41.4%で、N−ベンジル−N’−フェニルウレアの
収率は40.3%(選択率97.3%)であった。
【0067】実施例2、3 テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドの仕込み量を
表1記載のように変えたほかは、実施例1と同様に反応
と分析を行った。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例4〜9 テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドを表2記載の
4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩(0.01
5mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と
分析を行った。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】実施例10 100ml容ガラス製反応器に、フェニル N−ベンジ
ルカルバメート(50mmol)、アニリン(60mm
ol)、炭酸水素ナトリウム(0.15mmol)、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(0.15mm
ol)、2−プロパノール(60ml)を仕込み、バス
温80℃で4時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を
濃縮して結晶を析出させ、次いで、濾過、ジイソプロピ
ルエーテル洗浄及び減圧乾燥することにより、純度9
9.5%のN−ベンジル−N’−フェニルウレアを収率
85.8%で得た。
【0072】実施例11〜15 フェニル N−ベンジルカルバメートをフェニル N−
フェニルカルバメート(5mmol)に代え、アニリン
を表3記載のアミン(6mmol)に代えたほかは、実
施例1と同様に反応と分析を行った。結果を表3に示
す。
【0073】比較例2〜6 テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドをそれぞれ加
えなかったほかは、実施例11〜15と同様に反応と分
析を行った。結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】本発明により、前述のような、従来の尿
素誘導体の製造法が抱える、原料のカルバメートやアミ
ンが制限される、副生物が多く生成する、触媒活性が低
いなどの種々の問題を有していない尿素誘導体の製造法
を提供することができる。即ち、本発明により、カルバ
メートとアミン化合物を温和な条件下で反応させて、好
ましくない副反応を進めることなく、目的とする尿素誘
導体を高反応速度及び高選択率で極めて容易に製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 275/28 C07C 275/28 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC57 BA02 BA06 BA29 BA30 BA32 BA35 BA51 BA53 BA69 BB14 BB31 4H039 CA71 CD10 CD40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学構造式(I)で表されるカルバメー
    トを、 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アラルキル基、
    アリール基、又は複素環基を表し、R2はアリール基を
    表す。) 塩基存在下、4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム
    塩を共存させて、化学構造式(II)で表されるアミン化
    合物と反応させて、 【化2】 (式中、R3はアルキル基、アラルキル基、アリール
    基、複素環基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アラルキルオキシ基、チオアルコキシ基、スルホ
    ニル基、水酸基、又はジ置換アミノ基を表す。R4は、
    3がアルキル基の場合、アルキル基、アラルキル基、
    アリール基、又は複素環基を表し、R3がアルキル基以
    外の前記置換基である場合、水素原子、アルキル基、ア
    ラルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。) 化学構造式(III)で表される尿素誘導体を生成させる
    ことを特徴とする尿素誘導体の製造法。 【化3】 (式中、R1、R3、R4は前記と同様である。)
  2. 【請求項2】 反応溶媒としてアルコールを使用する、
    請求項1記載の尿素誘導体の製造法。
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