JP2000302144A - 医薬品及び医療品用ゴム栓の製造方法、該ゴム栓の検査方法及び検査装置 - Google Patents

医薬品及び医療品用ゴム栓の製造方法、該ゴム栓の検査方法及び検査装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電による付着物(異物及び微粒子)による
不適合品を少なくするゴム栓の製造方法及び外観検査検
査方法を提供すること。 【手段】 加硫性ゴム組成物を用いて医薬品及び医療品
用ゴム栓を製造するに際し、成形工程、洗浄・乾燥工程
を経て製造された上記ゴム栓を除電処理することを特徴
とする医薬品及び医療品用ゴム栓の製造方法及び成形工
程、洗浄・乾燥工程を経て製造された上記ゴム栓を除電
処理してから画像処理による最終外観検査をおこなう医
薬品及び医療品用ゴム栓の外観検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品及び医療品
用ゴム栓の製造方法及び該栓の外観検査方法に関し、更
に詳しくは、製造された該ゴム栓を除電処理する医薬品
及び医療品用ゴム栓の製造方法及び該ゴム栓の外観検査
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブチルゴムやジエン系合成ゴ
ム等をゴム成分として製造されたゴム栓が、輸液ボト
ル、バイアルや注射器等の医薬品容器及び注射器や容器
兼用注射器等の医療品用具の口部封止具として使用され
ている。医薬品及び医療品用の各種ゴム栓は、通常、原
料ゴムに加硫剤及びその他の配合剤を添加、混練して得
られる加硫性ゴム組成物を、圧縮成形や射出成形等によ
って所定形状のゴム栓に成形し、一度目の外観検査後、
ゴム栓のトリミング等の分離処理工程、浄水等による洗
浄工程、乾燥工程を順に経て、日本薬局方第13改正の
輸液用ゴム栓の試験法や外国の薬局方試験法に規定の衛
生性試験や不溶性微粒子試験並びに最終外観検査等の各
種試験に全て適合(合格)したもののみが出荷されてい
る。
【0003】本発明が対象とする医薬品及び医療品用ゴ
ム栓は、各種ゴム状重合体を主材料として製造される
が、ゴム状重合体は高分子物質の特性として摩擦により
静電気を帯び易く、摩擦による帯電は種々の問題の原因
となっている。医薬品及び医療品用ゴム栓はその製造過
程において、成形された該ゴム栓がコンベヤーベルト等
で逐次、次工程に移送されるが、移送中に輸送用容器内
で相互に接触することから静電気を帯び、空気中の浮遊
物等が該ゴム栓表面に付着するという問題がある。本発
明では、付着物の内の繊維くず、毛髪等の直径あるいは
長さが50μm以上の肉眼で判別可能なもの(これは以
下に説明する本発明の最終外観検査でも検査される)及
び50μm未満の肉眼では判別できないが、本発明の最
終外観検査で検査されるものを異物と称し、上記以外の
最終外観検査では検査不能で、他の検査法によって検査
される直径あるいは長さが2μm以上のものを微粒子と
称する。
【0004】量の多少によらず微粒子(不溶性の)が混
入した注射剤が人体に投与されると生命に関わる事態を
生じる危険性があることから、各国の薬局方には、注射
剤の容量による注射剤中の不溶性微粒子の大きさ及び個
数の規格限度値が設けられている。日本では薬局方第1
3改正(第一追補)で注射剤の不溶性異物検査法及び注
射剤の不溶性微粒子試験法が、それぞれ一般試験法とし
て規定されており、これらの試験法に上記の規格限度値
が設けられている。
【0005】一方、医薬品及び医療品用ゴム栓に関して
は、前記の日本薬局方の輸液用ゴム栓の試験法において
は、ゴム栓に付着した不溶性微粒子に関する項目は設け
られておらず、従って医薬品及び医療品用ゴム栓に付着
した不溶性微粒子の規格限度値は設定められていない
が、上記の事情に鑑みて本発明の出願人はゴム栓の不溶
性微粒子の検査を独自に実施している。ゴム栓に付着し
た不溶性微粒子を減少させることは、注射剤中の不溶性
微粒子を減少させることにも繋がることから、医薬品メ
ーカー、更には医療機関からも付着微粒子の少ないゴム
栓に対する要求はますます強くなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、医薬品
及び医療品用ゴム栓の製造工程においては、洗浄工程で
該ゴム栓を清浄水等で洗浄すること、洗浄容器からの洗
浄済ゴム栓の取り出し及びこれ以降の工程をクリーンル
ーム内で行う以外には、ゴム栓に付着した異物や微粒子
の除去及びゴム栓への異物や微粒子の付着を防止する有
効な方法はなく、ゴム栓の最終外観検査で異物の付着し
たゴム栓は不適合品として選別されて廃棄処分され、
又、最終外観検査で適合品とされたものも他の微粒子検
査で不適合品とされたものも廃棄処分されているのが実
情である。従って、本発明の目的は表面に付着した異物
や微粒子による不適合品を少なくする医薬品及び医療品
用ゴム栓の製造方法及び外観検査方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、加硫性ゴム組
成物を用いて医薬品及び医療品用ゴム栓を製造するに際
し、成形工程、洗浄・乾燥工程を経て製造された上記ゴ
ム栓を除電処理することを特徴とする医薬品及び医療品
用ゴム栓の製造方法及び上記ゴム栓を検査直前に除電処
理してから最終外観検査を行うことを特徴とする医薬品
及び医療品用ゴム栓の検査方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に発明の好ましい実施の形態を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の医薬品及
び医療品用ゴム栓(以下では単にゴム栓と称することが
ある。)の製造に使用される材料は、医薬品用容器や医
療具用ゴム栓の製造に従来から使用されているゴム材料
及びこれを用いたゴム栓と組合わせて使用されているプ
ラスチック材料が使用でき、特に制限されるものではな
い。ゴム材料としては、例えば、ブチルゴム、塩素化ブ
チルゴム、臭素化ブチルゴム、ジビニルベンゼン共重合
ブチルゴムなどのブチル系ゴム、ポリイソプレンゴム
(高〜低シス1,4結合)、ポリブタジエンゴム(高〜
低シス1,4結合)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム
等の共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合ゴム(EPDM)等が挙げられる。プラスチ
ック材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
【0009】又、本発明におけるゴム栓は、上記のゴム
材料と加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、充填剤及び/又
は補強剤、着色剤、老化防止剤などの配合剤を混練して
得られる加硫性ゴム組成物を用い、圧縮成形や射出成形
などのゴム栓の従来公知の成形方法を用いることによっ
て製造される。使用する配合剤は、従来から医薬品用及
び医療具用のゴム栓の製造に使用されているものを使用
することができ、特に制限されない。ゴム工業では、従
来から、架橋剤として硫黄あるいは硫黄供与性化合物、
有機過酸化物及びこれら以外の架橋剤を使用してゴムを
架橋することを加硫、これらの架橋剤を総称して加硫剤
と称しているが、本発明においても同様である。従っ
て、本発明では、加硫剤としては硫黄あるいは硫黄供与
性化合物、有機過酸化物等が用いられる。
【0010】本発明における医薬品及び医療品用ゴム栓
は、加硫性ゴム組成物のみで製造されたもの、その少な
くとも薬品等と接触する面がフッ素樹脂、ポリエチレン
等のプラスチックフィルムでラミネートされたもの、輸
液バッグや輸液ボトル等のプラスチック製口部に融着に
より接合させるための上記ゴム栓とプラスチック部材と
の組立て成形体(ゴム栓体と称される。)等が挙げられ
るが、ゴム栓の形状や構造は特に限定されない。具体的
には、バイアル用ゴム栓(粉末製剤用ゴム栓、液剤用ゴ
ム栓、凍結乾燥製剤用ゴム栓等)、輸液製剤用ゴム栓、
注射器用及び容器兼用注射器のピストンやキャップ等、
ゴム栓とプラスチック部材との組立成形体(例えば、プ
ルトップ式ゴム栓体、上記の輸液バッグ用口部ゴム栓体
等)等が挙げられる。
【0011】上記の如きゴム栓は、混練工程でゴム材料
と加硫剤等の各種配合剤を混練して製造される加硫性ゴ
ム組成物を、成形工程において圧縮成形、射出成形等に
よって所定の形状及び構造のゴム栓に成形(加硫も同時
に行われる)し、ゴム栓の種類によっては、バリ取り、
一連の成形シートからのゴム栓の分離(トリミング)等
を行い、目視による一度目の外観検査を行った後、洗浄
工程及び乾燥工程に運ばれる。洗浄工程では浄水による
洗浄等を行い、洗浄されたゴム栓は洗浄容器から取り出
され、引き続き乾燥される。乾燥は乾燥機を用いる場合
と洗浄されたゴム栓を検査工程へ移送させながら赤外
線、高周波加熱等で乾燥させる場合とがあるが、これら
を総称して本発明では乾燥工程と称する。
【0012】コンベヤーベルト等によって成形工程から
洗浄・乾燥工程に移送されてくるまでに、ゴム栓は輸送
用容器中で相互に接触すること等によって摩擦帯電し、
成形工程や移送経路の空気中の異物や微粒子をその表面
に引き寄せ、付着させる。各ゴム栓が帯びた静電気は、
洗浄工程でゴム栓が水と接触することで除去され、表面
に付着した異物や微粒子はほぼ全て洗い流される。
【0013】洗浄後、帯電が除去され、付着物もほとん
ど除去されたゴム栓は洗浄容器から取り出され、乾燥さ
れる。乾燥機を用いてゴム栓を乾燥する場合には、乾燥
したゴム栓を乾燥機から取り出す過程等で、ゴム栓は相
互に接触して再び帯電し、周囲の空気中の異物や微粒子
がゴム栓表面に付着する。また、ゴム栓の乾燥に乾燥機
を使用しない場合にも、ゴム栓はコンベヤーベルト等で
最終検査工程に運ばれる過程で更に摩擦により帯電し、
周囲の雰囲気中の異物や微粒子が更に付着する。通常、
洗浄容器からゴム栓の取り出し及びこれ以降の工程は全
てクリーンルーム内で行われる。クリーンルームの清浄
度(クリーン度)はクラス10000(M5.5:0.
5μm以上の微粒子が353000個/m以下)以上で
ある。
【0014】本発明の特徴は、洗浄・乾燥工程を経て最
終検査工程に運ばれた帯電しているとともに表面に異物
や微粒子が付着したゴム栓を除電処理をし、これらの付
着物を除去することにある。本発明における除電処理
は、イオン化された空気と帯電したゴム栓とを接触さ
せ、帯電物体であるゴム栓の電荷を逆極性のイオン化空
気で中和することで帯電が除去される。その結果、ゴム
栓表面から脱離した異物や微粒子は検査室の空気流によ
って検査室外に流去される。場合によっては、強制的に
吸引により検査室外に排出される。
【0015】ゴム栓の最終検査は、通常、クリーンルー
ムで行なわれるが、清浄度は最低でもクラス10,00
0(M5.5:0.5μm以上の微粒子が353000
個/m3以下)である。また、ゴム栓の最終検査は、一
般的に自動化されており、本発明においては、ゴム栓供
給部、除電処理部及び外観検査部から構成される外観検
査装置を用いて人の手に触れることなく外観検査が行わ
れる。
【0016】ゴム栓供給部は、ゴム栓を外観検査装置の
外観検査部に送り出すための装置であり、例えば、ゴム
栓フィーダー部、ゴム栓自動整列部及びゴム栓調整部と
からなり、ゴム栓フィーダー部には、洗浄・乾燥工程を
経て運ばれたゴム栓が直接、あるいは検査待ちのために
一時的に滞留させてから、連続的又はバッチ式に投入さ
れ、フィーダー部からのゴム栓をゴム栓整列部において
振動やエアーブロー等によって自動的に一列に整列さ
せ、ゴム栓調整部で一列に整列したゴム栓を前のゴム栓
の外観検査が終了すると次のゴム栓が直ちに検査できる
ように、ゴム栓を所定の検査態勢に保持し乃至検査用治
具に取り付けて待機させる。
【0017】外観検査部は、例えば、外観検査部と検査
適合品及び不適合品排出部から構成される。検査部は、
所定位置に設けられた外観検査台に供給されたゴム栓の
外観を撮影するためのデジタルカメラ(CCDカメ
ラ)、画像処理用コンピューター及び画像処理された映
像を表示するディスプレイから構成される。
【0018】ゴム栓の撮影は、ゴム栓の種類によって違
いはあるが、例えば、その表面及び裏面を幾つかの部分
に区分けし、各区分け部分を撮影する。撮影に際して
は、カメラは固定してゴム栓を移動させて撮影する方
法、ゴム栓は固定してカメラを移動させて撮影する方法
及びゴム栓とカメラの両方を移動させて撮影する方法が
あるが、いずれの撮影方法であっても構わない。ゴム栓
の全表面又は全裏面を1台のカメラで撮影することがで
きない場合には複数のカメラを用いて撮影する。又、C
CDカメラの画素配置には、エリア型とライン型があ
り、いずれも使用可能であるが、パターンを記憶させる
ことにより形状の識別が可能であることからエリア型が
好ましい。画素の処理法としては、明度を検出するグレ
ー法と白黒を判別する二値化法とがあり、いずれも使用
可能であるが、後者の方が成形不良箇所や付着物の検出
が容易であり好ましい。
【0019】ゴム栓の外観検査は、撮影されたゴム栓の
画像をコンピューターで処理し、得られた処理画像に基
づき、予めプログラムされた検査適合(合格)要件(ど
の部分にも成形不良や焼き込み異物等の異物混入がな
く、異物の付着がない)を満たすものは適合品として選
別され、不適格品は除去、廃棄される。この外観検査で
は検査不能の付着微粒子の検査は、外観検査で適合品と
して選別されたゴム栓について日本薬局方第13改正の
注射剤の不溶性微粒子の試験法に準じて行われ、この試
験に適合したゴム栓だけが出荷される。
【0020】除電処理部は、除電処理された状態でゴム
栓が外観検査に付されるようにするためのものであり、
ゴム栓の帯電を中和除去し、付着物を除去するための装
置である。従って、外観検査されるゴム栓が除電処理さ
れた状態となっておれば、除電処理部の設置場所は特に
制限されず、例えば、ゴム栓供給部、ゴム栓供給部と外
観検査部の間の任意の箇所あるいはゴム栓供給部と外観
検査部の全域をカバーする箇所等のゴム栓の除電処理が
行える箇所に配置される。具体的には、例えば、フィー
ダー部、ゴム栓整列部、あるいはゴム栓調整部にあるゴ
ム栓が除電処理される箇所等が挙げられる。ゴム栓はこ
れらの箇所の1箇所又は2箇所あるいは全箇所で除電処
理することができる。又、必要により、外観検査で適合
品となったゴム栓を除電処理するために、更に除電処理
部を適合品排出部等に配置することもできる。ゴム栓除
電処理部は、除電処理を行う箇所毎に複数設けることも
できるし、又、すべての除電処理箇所をカバー可能なよ
うに1箇所に設けることもできる。
【0021】本発明の除電処理部で使用する除電処理装
置は、非接触で静電気の除去が可能な装置であれば特に
制限されない。各種の除電装置のなかでは、コロナ放電
でイオン化された空気を使用する装置が好ましい。コロ
ナ放電を用いる装置は、コロナ放電を起こさせる高電圧
の印加方式によって、交流の高電圧を用いる方式、
正と負の一対の電極に、正と負の直流高電圧を一定時間
間隔で、交互に別々に印加する方式(Pulsed DCシステ
ム)、正と負の電極に、正と負の直流高電圧を常時、
別々に印加する方式(DCシステム)等があるが、いず
れの方式による除電装置も使用でき、特に制限されな
い。印加電圧は、通常、1〜10KV程度であり、イオ
ン化する空気の量、除電対象物の大きさや量、帯電量等
によって適宜好ましい電圧が選定される。又、印加方式
以外に、除電対象物の存在する雰囲気の空気をイオン化
する標準型、イオン化した空気を除電対象物に吹き付け
る(ブローする)送風型等があるが、送風型が除電効率
の点から好ましい。
【0022】除電処理によりゴム栓の帯電は除去され、
ゴム栓から脱離した異物や微粒子は、クリーンルーム内
の空気排出口からクリーンルーム内の空気に随伴されて
検査室から排出されるので、これらを集塵する特別な付
帯設備は特に必要としないが、必要により、吸引等によ
る集塵装置を設置することができる。送風型除電機を用
い、例えば、整列したゴム栓から、例えば、30cm程
度の距離(水平方向、垂直方向のいずれでもよい)に除
電機を設置し、供給空気速度を2〜4m/secとして
イオン化空気をゴム栓にブローすれば、ゴム栓に付着し
た異物は、その付着のほぼ全量が除去され、最終外観検
査で異物付着による不適合品となるゴム栓を実質的に0
とすることが可能となる。また最終外観検査で適合品に
選別されたゴム栓では、日本薬局方第13改正(第一追
補)の注射剤の不溶性微粒子の検査法に準じて測定した
不溶性微粒子の個数は半分以下と減少する。
【0023】本発明においては、ゴム栓の除電処理は、
上記のように最終外観検査前に実施することが好ましい
が、最終外観検査の前及び後にそれぞれ少なくとも1
回、少なくとも2回以上除電処理することはさらに効果
的である。
【0024】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1、比較例1 ブチルゴムをゴム材料とするバイアル用汎用ゴム栓(天
面部(フランジ)の外径(笠径)が19mm、笠厚が
3.2mm、足径が13mm、足高が5mm、全高が
8.2mm)を圧縮成形によって1万個製造し、洗浄工
程で清浄水等で洗浄を行った。清浄度クラス1000の
クリーンルーム内で洗浄後のゴム栓を洗浄容器から取り
出し、ゴム栓を2分して、それぞれ検査室までコンベア
ーベルトで2m移送させながら高周波加熱により60〜
70℃で乾燥させた。洗浄後のゴム栓の取り出しから以
下の検査までの工程はクリーンルーム内で行った。
【0025】図1に概略図を示す外観検査装置を用いて
上記のゴム栓の全てを検査した。ゴム栓の半分は除電処
理し、残りは除電処理しなかった。除電処理装置は、市
販の送風型除電器(印加電圧交流5KV)を使用し、ゴ
ム検体調整部から水平距離で30cmの位置に設置し
た。空気の供給速度は3m/secとした。
【0026】又、検査終了後の除電処理有り及び無しの
2種のゴム栓から、それぞれ10個のゴム栓を採取し、
日本薬局方第13改正(第一追補)の一般試験法64.
注射剤の不溶性微粒子試験法に準じて、光遮蔽型自動微
粒子測定装置(リオン社製自動微粒子計測器(RION
KL−01))を用いて不溶性微粒子の個数を測定し
た(測定レンジ:2μm以上、5μm以上、10μm以
上、20μm以上、30μm以上)。測定のために、各
ゴム栓10個をピンセットを用いて500ml用特注硬
質ガラス製バイアルに入れ、0.4μm及び0.2μm
のフィルターを通した無塵水を300mlを加えシーロ
ンフィルム(富士フィルム社製)でシールした後、手で
ゴム栓がおよそ1秒間に2回転する速度で20秒間振と
うした。1時間静置後、内容液の採取量を10mlとし
て3回測定し、その平均値を求めた。以上の検査結果及
び試験結果を表1及び表2に示す。
【0027】表 1
【0028】表 2
【0029】表1の結果から除電処理により付着物不適
合品の割合が0.04%と除電処理なしの0.2%より
著しく減少する。この例では検査したゴム栓は各500
0個であり、不適合品は実施例で2個、比較例では10
個である。現実の医薬品及び医療品用ゴム栓の製造にお
ける製造個数はゴム栓の種類によって差異があり、数万
〜数十万程度である。例えば製造個数が5万のときには
除電処理すると不適合品は20個、除電処理なしでは1
00個、製造個数が10万ではそれぞれ40個と200
個となり、製造個数が増加するほど本発明の効果は顕著
となる。又、表2に示す微粒子の個数も除電処理により
著しく減少していることが分かる。
【0030】
【発明の効果】以上の本発明によれば、ゴム栓に付着し
た異物や微粒子を極めて効果的に除去することができ、
表面に異物や微粒子が実質的に付着していない医薬品及
び医療品用ゴム栓体が供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の外観検査装置の一例を説明する概略
平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AB05 BA02 CA01 EA02 EB03 EC03 EC10 FA09 GA08 HB01 HC03 4F213 AA45 AH57 AH63 AP11 AP20 AQ01 AQ03 WA04 WB01 WW02 WW38 WW39

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫性ゴム組成物を用いて医薬品及び医
    療品用ゴム栓を製造するに際し、成形工程、洗浄・乾燥
    工程を経て製造された上記ゴム栓を除電処理することを
    特徴とする医薬品及び医療品用ゴム栓の製造方法。
  2. 【請求項2】 除電処理を最終検査直前又は最終検査前
    後に行う請求項1に記載の医薬品及び医療品用ゴム栓の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 加硫性ゴム組成物を用い、成形工程、洗
    浄・乾燥工程を経て製造された医薬品及び医療品用ゴム
    栓を、検査直前に除電処理してから画像処理による外観
    検査を行うことを特徴とする医薬品及び医療品用ゴム栓
    の検査方法。
  4. 【請求項4】 画像処理による医薬品及び医療品用ゴム
    栓の最終外観検査を行う装置であって、該装置はゴム栓
    供給部、ゴム栓除電処理部及びゴム栓外観検査部から構
    成され、ゴム栓除電処理部は、ゴム栓供給部又はゴム栓
    供給部とゴム栓外観検査部の間で又はこれらの全てで上
    記ゴム栓の除電処理が可能な位置に配置され、ゴム栓除
    電処理部で除電処理された上記ゴム栓の外観を検査する
    ように形成されたことを特徴とする医薬品及び医療品用
    ゴム栓の外観検査装置。
  5. 【請求項5】 更に、検査適合品の除電処理を行うゴム
    栓除電処理部を設けた請求項4に記載の医薬品及び医療
    品用ゴム栓の外観検査装置。
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JP4827732B2 (ja) * 2003-07-08 2011-11-30 アセプティック テクノロジーズ ソシエテ アノニム 無菌環境下でバイアルを製造する方法および装置

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