JP2000301846A - 感熱記録型平版印刷版原版及び平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感熱記録型平版印刷版原版及び平版印刷版の製造方法

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JP2000301846A JP11333699A JP11333699A JP2000301846A JP 2000301846 A JP2000301846 A JP 2000301846A JP 11333699 A JP11333699 A JP 11333699A JP 11333699 A JP11333699 A JP 11333699A JP 2000301846 A JP2000301846 A JP 2000301846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱により高感度で画像を形成することがで
きる記録層を有し、赤外線レーザ等を用いて記録するこ
とにより、デジタルデータから直接製版可能であり、露
光後の湿式現像処理を必要としない、感熱記録型平版印
刷版原版及び平版印刷版の製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、(a)金属錯体化合物と、
(b)熱の作用により該金属錯体化合物から生じた金属
に配位可能でかつ親水性の基を分子内に2個以上有し、
さらに主鎖間が架橋されている親水性高分子とを含有す
る記録層を有し、加熱によりキレート反応が生じ、加熱
した領域が疎水性領域となることを特徴とする。この記
録層には、さらに(c)光熱変換物質や(d)熱可塑性
ポリマーを含有することが効果の観点から好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版原版と平
版印刷版の製造方法に関し、特に、赤外線レーザー、サ
ーマルヘッド等の熱により書き込み可能であり、特にコ
ンピュータ等のデジタル信号から直接製版できるいわゆ
るダイレクト製版用可能で、現像処理の不要な感熱記録
型平版印刷版原版と熱により直接画像形成が可能な平版
印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外から赤外に発光領域を持つ
固体レーザ・半導体レーザの発達に伴い、コンピュータ
のディジタルデータから直接製版するシステムとして、
これらの赤外線レーザーを用いるものが注目されてい
る。従来、ディジタル化された画像データーからリスフ
ィルムを介さずに印刷版を直接製版する方法としては、
電子写真法によるもの、青色又は緑色を発光する比
較的小出力のレーザで書き込める高感度フォトポリマー
を用いる方法、銀塩又は銀塩と他のシステムとの複合
系を用いる方法、ヒートモードレーザ露光により酸を
発生させ、その酸を触媒として後加熱により熱硬化画像
を得る方法等が知られている。これらの方法は印刷工程
の合理化上極めて有用ではあるが、プロセスや処理が煩
雑であったり、大がかりな装置を必要とするなどの問題
があり、さらに、印刷版の製造には、露光工程の後に、
支持体表面の上に設けられた記録層を画像状に除去する
ための湿式による現像工程や現像処理された印刷版を水
洗水で水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、ア
ラビアガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後
処理工程が含まれため、上記のような湿式現像処理を必
要とせず、露光後にそのまま印刷に使用できる印刷版用
原版が望まれている。
【0003】画像露光後に現像処理を必要としない印刷
版用原版については、例えば、USP5,258,26
3号に、露光領域で硬化又は不溶化が促進される感光性
親水層と感光性疎水層とを支持体上に積層した平版印刷
プレートが開示されている。しかし、このプレートは感
光層の非露光部が印刷過程で取り除かれる、いわゆる印
刷機上現像タイプの印刷版であり、湿し水や印刷インク
を汚染する欠点を持つ。
【0004】また、特開平7−186562(EP65
2,483)号公報には、熱と酸の作用によりカルボン
酸を発生させるポリマーと赤外線吸収色素とを含有する
平版印刷版用原版が開示されている。この平版印刷版用
原版は、それ自体が疎水性の記録層であり、加熱により
酸を発生させてその部分を親水化させることにより画像
形成をするため、現像工程を必要としないが、親水化さ
せた領域の親水性が不充分なため、印刷時に汚れが生じ
易いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、加熱により、または光熱変換により生じた熱により
高感度で画像を形成することができる記録層を有し、赤
外線を放射するレーザ又はサーマルヘッドを用いて記録
することにより、デジタルデータから直接製版可能であ
り、かつ画像露光後湿式現像処理やこすり等の特別な処
理を必要としない、感熱記録型の平版印刷版原版及びそ
れを用いた平版印刷版の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、樹脂中の親水性官能基が熱により特定の多価金属
キレート化合物との相互作用によってキレート交換して
架橋反応を生起することに着目し、この反応により親水
性官能基を有する樹脂の親水性が失われ、親水性から疎
水性への変化がおこることを見出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、
(a)金属錯体化合物と、(b)熱の作用により該金属
錯体化合物から生じた金属に配位可能でかつ親水性の基
を分子内に2個以上有し、さらに主鎖間が架橋されてい
る親水性高分子と、を含有する記録層を有することを特
徴とする。
【0007】この記録層に、さらに(c)光熱変換物質
を含有すること、及び/又は、(d)熱可塑性ポリマー
を含有することが好ましい態様である。また、本発明の
平版印刷版の製造方法は、支持体上に、(a)金属錯体
化合物と、(b)熱の作用により該金属錯体化合物から
生じた金属に配位可能でかつ親水性の基を分子内に2個
以上有しさらに主鎖間が架橋されている親水性高分子
と、(c)光熱変換物質と、を含有する記録層を有する
感熱記録型平版印刷版原版に、赤外線レーザ光を画像状
に露光することで、表面に疎水性領域を形成することを
特徴とする。
【0008】本発明の平版印刷版原版によれば、(b)
親水性の基を分子内に2個以上有しさらに主鎖間が架橋
されている親水性高分子における、熱により金属錯体化
合物から生じる金属に配位可能な前記親水性の基が、該
(a)金属錯体化合物から放出された金属と、キレート
による架橋反応を起こし、当該領域が疎水性領域、即
ち、親インク性の領域となり、キレート反応を生じない
領域は親水性高分子の表面特性がそのまま保持されて湿
し水が付着する親水性領域となり、現像工程を経ずにそ
のまま印刷に使用しうる平版印刷版が形成される。
【0009】その作用機構は明らかではないが、(a)
金属錯体化合物が、(b)熱の作用により該金属錯体化
合物から生じた金属に配位可能でかつ親水性の基を分子
内に2個以上有しさらに主鎖間が架橋されている親水性
高分子における該2個の親水基との間でキレートによる
架橋反応を起こし、その架橋反応により、親水基が封鎖
されるとともに、架橋構造の形成により吸水性が低下し
て、樹脂の親水性が失われ、加熱された領域のみが疎水
性領域となると考えられる。
【0010】ここで記録層に(c)光熱変換物質を含有
することで、赤外線レーザーなどの光による書き込みが
可能となる。また、この記録層に、さらに(d)熱可塑
性ポリマーを含有することで、熱によるポリマーの溶
融、融着が起こり、疎水化効果が向上する。さらに、親
水性から疎水性への極性変換を増強させるため(a)金
属錯体化合物は、この(d)熱可塑性ポリマー、具体的
な剤型としては、特に熱溶融性疎水性ポリマー粒子中に
含まれていることが好ましい。
【0011】親水性の官能基を有する高分子化合物は、
多価金属カチオンと錯体を形成して、疎水性となる。ま
た、金属錯体化合物は加熱により金属を放出する。本発
明によれば、記録層中に存在する金属錯体化合物が加熱
により金属を放出し、ここで生じた金属が親水性ポリマ
ーとキレート化反応を起こして錯体を形成し、疎水化す
るので、加熱領域のみが疎水性の親インク領域となり、
それ以外は親水性領域となるため、そのまま感熱記録型
無処理刷版を形成できる。この金属錯体化合物による疎
水化反応について、反応機構を下記に模式的に記載す
る。
【0012】
【化1】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平版印刷版原版(以下、適宜、単に原版と称す
る)の記録層に含まれる(a)金属錯体化合物(以下、
適宜、(a)金属錯体と称する)の形態としては、(a
−1)金属ジケテネート類、(a−2)金属アルコキサ
イド類、(a−3)金属カルボン酸塩類、(a−4)ア
ルキル金属類などが挙げられるが、特に(a−1)金属
ジケテネート類が好ましい。
【0014】(a−1)金属ジケテネート類を形成する
キレート部の具体例としては、2,4−ペンタジオネー
ト(アセチルアセトネート)、フルオロペンタジオネー
ト、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタン
ジオネート、ベンゾイルアセトネート、テノイルトリフ
ルオロアセトネートや1,3−ジフェニル−1,3−プ
ロパンジオネートなどや、メチルアセトアセテート、エ
チルアセトアセテート、メタクリルオキシエチルアセト
アセテートやアリルアセトアセテートなどが挙げられ
る。
【0015】また、中心金属としては周期表の第2周期
から第6周期の原子が挙げられ、なかでも第3周期から
第5周期の金属および半導体原子が好ましい。第3周期
金属のAl、Si、Mg、第4周期金属のCa、Ti、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、第5周期
金属のZr、In、Snが特に好ましい。
【0016】(a−1)金属ジケテネート類の具体例と
しては、アルミニウム、鉄(III )、マンガン、コバル
ト、ニッケル、チタン、銅、ジルコニウムのアセチルア
セトネート(ペンタンジオネート)、エチルアセトアセ
トネート(ヘキサンジオネート)、プロピルアセトアセ
トネート(ヘプタンジオネート)、テトラメチルヘプタ
ンジオネート、ベンゾイルアセトネート類などが挙げら
れるが、これらの中で特に好ましいものは鉄(III )アセ
チルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナー
ト、チタンアセチルアセトナートである。
【0017】また、(a−2)金属アルコキサイド類と
しては、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラステア
ロイルチタネート、ブチルチタネートダイマー、アルミ
ニウムオキシドイソプロピレート、テトラ−n−ブトキ
シジルコニウム等が挙げられる。 (a−3)金属カルボン酸塩類としては、アルミニウム
オキシドオクテート、アルミニウムオキシドステアレー
ト、オクチル酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニルが
挙げられる。 その他の例として、(a−1)金属ジケテネート類、
(a−3)金属カルボン酸塩類及び(a−4)アルキル
金属類が混合した配位子を有する化合物、例えば、ジプ
ロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジプロ
ポキシチタン−ビス(エチルアセトアセテート)、ジプ
ロポキシチタン−ビス(ラクテート)、トリ−n−ブト
キシチタンモノステアレート、イソプロピルトリステア
ロイルチタネート、アルミニウムジ−ブトキシドモノメ
チルアセトアセテート等も使用しうる。
【0018】(a)金属錯体の使用量は、(b)熱の作
用により該金属錯体から生じた金属に配位可能でかつ親
水性の基を分子内に2個以上有し、さらに主鎖間が架橋
されている親水性高分子に対して5〜300%(重量)
の範囲、より好ましくは10〜200%の範囲である。
使用量が5%より少ない場合は疎水化の程度が不十分と
なり形成される画像に欠陥を生じるおそれがあり、30
0%より多い場合は、過剰の金属錯体が画像形成に悪影
響を及ぼすことがある。
【0019】次に、(b)熱の作用により該金属錯体か
ら生じた金属に配位可能でかつ親水性の基を分子内に2
個以上有し、さらに主鎖間が架橋されている親水性高分
子(以下、適宜、(b)架橋親水性高分子と称する)に
ついて説明する。本発明で使用される(b)架橋親水性
高分子としては、たとえば、水酸基,カルボン酸基,ス
ルホン酸基,リン酸基,ホスホン酸基,もしくはそれら
の塩より選ばれる少なくとも2つの親水性官能基を分子
内に有し、且つ、高分子の主鎖間が架橋された構造を有
する高分子であれば公知のいずれのものを使用すること
ができる。
【0020】本発明に用いるこの親水性高分子は、主鎖
間が架橋されていることが必要であるが、表面が親水性
であり、且つ、記録層が長期間にわたり湿し水により損
なわれないという観点からは、分子間で三次元架橋構造
を有することが耐刷性の観点から好ましい。このような
(b)架橋親水性高分子としては、炭素−炭素結合から
構成され、複数の主鎖間が架橋による網目構造を有する
高分子に、側鎖としてカルボキシル基、スルホン酸基,
リン酸基,ホスホン酸基,またはこれらの塩、水酸基等
の親水性官能基を一種類以上かつ複数個含有する高分子
が好ましく、具体的には、ポリ(メタ)アクリレート
系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキ
シ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ
(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系或いはそ
の複合系等の高分子が例示出来る。
【0021】また、(b)架橋親水性高分子中には、先
の親水性官能基のほかに、アミド基やポリオキシアルキ
レン基などを有していてもよい。またこれらの高分子に
架橋構造を形成するためにアミノ基、グリシジル基、重
合性不飽和二重結合、光架橋性二重結合などの一つを含
んでいることが好ましい。
【0022】本発明に係る(b)架橋親水性高分子の具
体例を以下に例示する。(b)架橋親水性高分子として
は、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ、アミン
塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、3−ビ
ニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、ビ
ニルスルフォン酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、2
−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホ
スホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、アリルアミン若しくはその鉱酸塩等の水
酸基、カルボキシル基あるいはその塩、スルホン酸基あ
るいはその塩、リン酸あるいはその塩、アミド基、アミ
ノ基、エーテル基といった親水性基を有する親水性モノ
マーの中から少なくとも一種を用いて親水性単一重合体
若しくは共重合体を合成したものを用いることができ
る。
【0023】これらの(b)架橋親水性高分子を含む記
録層の製造方法について詳細に述べれば、分子内に少な
くとも2つの水酸基、カルボキシル基、アミノ基或いは
その塩、エポキシ基といった官能基を有する親水性高分
子に、これらの官能基を利用して、ビニル基、アリル
基、(メタ)アクリル基等の付加重合性二重結合、或い
はシンナモイル基、シンナミリデン基、シアノシンナミ
リデン基,p−フェニレンジアクリレート基等の環形成
基を導入して不飽和基含有ポリマーを得る。これに、必
要により、該不飽和基と共重合し得る単官能、多官能モ
ノマーと後述の重合開始剤と後述の他の成分とを加え、
適当な溶媒に溶解し、ドープを調整する。これに必要な
併用成分を加えて、以下に説明する支持体上にコーティ
ングし、乾燥後或いは乾燥を兼ねて三次元架橋させ、記
録層を形成することができる。
【0024】また、水酸基、アミノ基、カルボキシル基
といった活性水素を含有する親水性官能基を有する
(b)架橋親水性高分子は、イソシアネート化合物或い
はブロックポリイソシアネート化合物および後述の他の
成分と共に、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなど
の活性水素非含有溶剤中に添加し、ドープを調合し支持
体に塗布し乾燥後或いは乾燥を兼ねて反応させ三次元架
橋させ、記録層を形成することができる。本発明の
(b)親水性高分子の共重合成分として、グリシジル
(メタ)アクリレートなどのグリシジル基、(メタ)ア
クリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーを併用
することができる。グリシジル基を有する親水性バイン
ダーポリマーは、架橋剤として、1,2−エタンジカル
ボン酸、アジピン酸といったα,ω−アルカン若しくは
アルケンジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカル
ボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、1,2−
エタンジアミン、ジエチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、α,ω−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリ
エチレングリコルエーテル等のポリアミン化合物、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、テトラエチレングリコール等のオリゴアルキ
レンまたはポリアルキレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリストール、ソルビト
ール等のポリヒドロキシ化合物を用い、これらとの開環
反応を利用して三次元架橋構造を形成することができ
る。
【0025】官能基としてカルボキシル基、アミノ基を
有する親水性バインダーポリマーは、架橋剤として、エ
チレンまたはプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレンまたはポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル等のポリエポキシ化合物を用いたエポキシ開環反応等
を利用して三次元架橋構造を形成することができる。
(b)架橋親水性高分子が、セルロース誘導体などの多
糖類やポリビニルアルコールあるいはその部分鹸化物、
グリシドールホモ若しくはコポリマー若しくはこれらを
ベースとした高分子である場合、これらが含有する水酸
基を利用し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前
述と同様の方法で三次元架橋構造をもたらすことが出来
る。
【0026】以上述べた中でも、(b)架橋親水性高分
子としては、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ
金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカ
リ金属塩およびアミン酸塩、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノ
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそのハ
ロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそ
のアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸も
しくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオ
キシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩
等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ
基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテ
ル基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれ
る少なくとも一種を用いて合成した親水性ホモもしくは
コポリマー、あるいは、ポリオキシメチレングリコール
またはポリオキシエチレングリコールから構成された親
水性高分子を前記と同様の三次元架橋したものが好まし
い。
【0027】本発明に用い得る(b)架橋親水性高分子
に好適な公知の架橋構造を有する高分子としては、例え
ば、(1)WO98/40212号に記載の金属コロイ
ドを含む架橋されたポリマーよりなる親水層を構成する
高分子、(2)特許登録公報2592225号に記載の
有機親水性ポリマーとシランカップリング剤との縮合物
よりなる親水層を構成する高分子、(3)特開平10−
6468号公報および特開平10−58636号公報に
記載された、架橋された有機ポリマーよりなる親水層を
構成する高分子などを挙げることができ、特に、(3)
の架橋された有機ポリマーよりなる親水層に例示された
親水性高分子が好ましく用いられる。
【0028】本発明の平版印刷版原版の記録層に、前記
の二成分に加えて(c)光熱変換物質を配合すること
で、サーマルヘッドなどによる加熱に加えて、さらに、
赤外線レーザーなどの活性光による書き込みが可能とな
る。この観点から、本発明の平版印刷版用原版には、
(c)光熱変換物質を含有させることが好ましい。本発
明に使用しうる(c)光熱変換物質としては、紫外線、
可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換
し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラ
ック、カーボングラファイト、顔料、フタロシアニン系
顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸
化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。特に、
好ましいのは、波長760nmから1200nmの赤外
線を有効に吸収する染料、顔料、または金属である。
【0029】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0030】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。
【0031】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類と
しては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔
料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン
系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ま
しいものはカーボンブラックである。
【0032】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を
付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリ
ング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔
料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処
理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印
刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最
新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載
されている。
【0033】これらの染料又は顔料は、記録層を構成す
る材料全固形分の0.1〜30重量%の割合で使用する
ことが好ましい。顔料又は染料の添加量が0.1重量%
未満であると感度が低くなり、また30重量%を越える
と印刷時非画像部に汚れが発生する。
【0034】また、本発明の平版印刷版原版の記録層に
は、さらに(d)熱可塑性ポリマーを含有することが好
ましい。この(d)熱可塑性ポリマーを添加すること
で、熱によるポリマーの溶融、融着が起こり、疎水化効
果の向上が期待される。溶融、融着効果を発現しやすく
なるため、(d)熱可塑性ポリマーは微粒子という形態
をとることが好ましい。
【0035】この溶融、融着効果を発現しやすくするた
めには、ポリマーのガラス転移温度が150℃以下、更
に好ましくは120℃以下のものを使用するのがよい。
ガラス転移温度が150℃以上の場合はポリマーの熱融
着が起こりにくく、比較的小出力のレーザーでは強固な
画像を形成するのが困難である。ガラス転移温度の下限
については特に制限はないが、10℃程度以上であるこ
とが好ましい。ガラス転移温度が低すぎる場合は、この
ポリマーの微粒子を含有する塗液を基板に塗布、乾燥し
て記録層を形成する過程で、バインダー樹脂による微粒
子の隔離が不完全な場合微粒子同士の融着が起こり、良
好に粒子の分散した記録層を形成できないおそれがあ
る。
【0036】本発明への使用に好適な(d)熱可塑性ポ
リマーの具体的な例としては、例えば、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ
(メタ)アクリル酸エチル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニルカルバゾールなど、また
はそれらの共重合体が挙げられ、ポリエチレンが最も好
適に使用される。(d)熱可塑性ポリマーの分子量は
5,000〜1,000,000の範囲から選択すること
ができる。この(d)熱可塑性ポリマーが微粒子の形態
をとる場合、その粒径は0.01μm〜50μmが好ま
しく、より好適には0.05μm〜10μmの範囲、そ
して最も好適には0.05μm〜2μmの範囲である。
ポリマー粒子が大きくなればなるほど、熱記録材料の解
像力は小さくなり、逆に小さくなりすぎると、親水性、
疎水性のディスクリミネーションが低下し画像形成性が
悪化する傾向にある。
【0037】このようなポリマー粒子は水性コーテイン
グ液中に分散体として存在することが安定性の観点から
好ましく、このようなポリマー粒子の水性分散液は、米
国特許第3,476,937号に開示されている方法によ
り製造できる。熱可塑性重合体の水性分散液を製造する
ために特に適する他の方法としては、(1)疎水性の熱
可塑性重合体を水非混和性有機溶媒の中に溶解させ、
(2)このようにして得られた溶液を水または水性媒体
中に分散させ、そして、(3)有機溶媒を蒸発により除
去する工程を含む方法が挙げられる。
【0038】記録層中に含有される疎水性の熱可塑性ポ
リマー微粒子の配合量は、好適には1重量%〜80重量
%の範囲、より好適には5重量%〜55重量%の範囲、
そして最も好適には10重量%〜40重量%の範囲であ
る。配合量が少なすぎる場合には、露光部分における疎
水性の向上性の観点から、このポリマーを添加する効果
が不充分であり、一方、疎水性の熱可塑性ポリマー微粒
子の配合量が多すぎると、非露光部である親水性層に影
響を与え、非画像領域中でのインキ受容性が生じ、非画
像部の汚れが発生するおそれがでてくる。
【0039】このような(d)熱可塑性ポリマー微粒子
を配合した記録層によれば、画像を形成しようとするパ
ターン領域を直接加熱するか、光を熱に転換させること
ができるようなパターンの領域を含有するオリジナルと
接触させながら露光することにより、記録層中の画像様
の加熱或いは露光領域において、疎水性の熱可塑性ポリ
マー微粒子が軟化または融解し、加熱終了後に露光領域
で凝固し、それによりこれらの領域における疎水性が向
上する。
【0040】本発明では、上述の2つの必須成分、及び
好ましい配合成分のほか、必要に応じて、本発明の効果
を行わない限りにおいて、種々の公知の添加剤を配合し
てもよい。例えば、記録層の機械的強度および多孔性を
増加させるために、コロイド状シリカを配合することが
できる。使用されるコロイド状シリカは、例えば平均粒
子径が40nm以下のものが用いられ、具体的には、例
えば20nmの平均粒子寸法を有するコロイド状シリカ
の市販の水性分散液の形態のものをそのまま記録層の塗
布液に配合して使用することができる。さらに、コロイ
ド状シリカより大きい粒子径を有する不活性粒子、例え
ば J. Colloid and Interface Sci.、26巻、196
8、62〜69頁に記載されている如きステベル(Stoeb
er)に従い製造されたシリカ、またはアルミナ粒子、ま
たは二酸化チタンもしくは他の重金属酸化物の粒子であ
って、少なくとも100nmの平均直径を有する粒子も
同様に用いることができる。これらの微粒子を記録層の
配合することにより、層の表面には顕微鏡的寸法の均一
な平らでない凹凸が形成され、それらは背景部(非画像
領域即ち、親水性領域)において湿し水のための貯蔵場
所として作用する。
【0041】その他、本発明における記録層には、印刷
条件に対する安定性を広げるため、特開昭62−251
740号公報や特開平3−208514号公報に記載さ
れているような非イオン界面活性剤、特開昭59−12
1044号公報、特開平4−13149号公報に記載さ
れているような両性界面活性剤を添加することができ
る。また、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するため
に、例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル
酸のオリゴマー及びポリマー等の可塑剤を配合すること
もできる。
【0042】本発明の平版印刷版用原版は、通常上記各
成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すること
により製造することができる。ここで使用する溶媒とし
ては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、
水等を挙げることができるがこれに限定されるものでは
ない。
【0043】これらの溶媒は単独又は混合して使用され
る。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度
は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥
後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によ
って異なるが、平版印刷版用原版についていえば一般的
に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法と
しては、種々の方法を用いることができるが、例えば、
バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン
塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗
布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0044】本発明に使用される支持体は寸度的に安定
な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチ
ック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、ア
ルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例
えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオ
ン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属
がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチッ
クフィルム等を挙げることができる。好ましくは、例え
ばポリエチレンテレフタレートフィルム、酢酸セルロー
スフィルム、およびポリオレフィン(例えばポリエチレ
ン)コーテイング紙が挙げられ、支持体を例えばコポリ
(塩化ビニリデン/メタクリル酸メチル/イタコン酸)の
ラテックスおよびシリカを含有する第一の下塗り層でコ
ーテイングして親水性層と連続する下塗り層と支持体と
の接着性を改良することができる。本発明においては、
記録層を構成する高分子が親水性高分子であるため、支
持体表面を親水性とする必要はない。
【0045】以上のようにして、本発明の平版印刷版用
原版を作成することができる。この平版印刷版用原版
は、感熱型の記録層を有するため、サーマルヘッドなど
の熱により記録を行うが、記録層中に(c)光熱変換物
質を配合することにより、光による書き込みが可能とな
る。この光による記録は、適当なパターンを形成したフ
ィルターを介して全面露光を行う方法をとることもでき
るが、波長760nmから1200nmの赤外線を放射
する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光する方
法が好ましい。このレーザー露光によれば、コンピュー
ターのデジタル定法から直接所望の画像様の記録が可能
となる。
【0046】本発明においては、記録後に記録層上に親
インク性の疎水領域(画像部)と湿し水を保持する親水
領域(非画像部)が形成されるため、記録後の記録層の
溶解、現像処理を行う必要がなく、レーザ照後すぐに印
刷機に印刷版を装着し印刷を行うことができる。
【0047】本発明の平版印刷版原版を用いて平版印刷
版を製造する場合の、代表的な方法としては、支持体上
に、(a)金属錯体化合物と、(b)熱の作用により該
金属錯体から生じた金属に配位可能でかつ親水性の基を
分子内に2個以上有しさらに主鎖間が架橋されている親
水性高分子と、(c)光熱変換物質と、を含有する記録
層を有する感熱記録型平版印刷版原版に、赤外線レーザ
光を画像状に露光する方法が挙げられる。このような処
理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等に
かけられて、多数枚の印刷に用いられる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】(実施例1) 〔親水性ポリマーの製造例〕ポリアクリル酸(分子量25
000和光純薬製)18.0gをジメチルアセトアミドに溶解し
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以
下、MOIと略記する)5.5gとジブチル錫ジラウレー
ト0.1gを添加し3時間反応した。次いで水酸化ナト
リウムでカルボキシル基の80当量%を部分中和し、ア
セトンを加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄して精製し
親水性ポリマー(P−1)を得た。
【0050】〔金属錯体分散液の作成〕金属錯体である
アセチルアセトンアルミ錯体(アルミキレートA,川研
ファインケミカル社製)4.0g、ポリビニルアルコール
(PVA-405、クラレ(株)製)10重量%水溶液6.0g、水 2
0g,ガラスビーズ 10gをペントシェイカーを使用して1
5分間攪拌し、金属錯体分散液を作成した。
【0051】〔印刷原版の作成〕次に上記の組成からな
る記録層塗布液を調製した. (記録層塗布液) 親水性ポリマー(P-1)10wt%水溶液 20.0g 水溶性トリアジン開始剤A(下記に構造式を示す) 0.1g ポリエチレングリコールジアリレート 2.0g (A600,東亜合成(株)社製) 水分散性カーボンブラック(御国色素(株)製) 0.4g アセチルアセトンアルミ錯体分散液 10.0g ポリメチルメタクリレート(粒子直径90nm)20wt%分散液 2.5g (安定化剤としてポリメチルメタクリレートに対して 1wt%のポリビニルアルコールを含む)
【0052】
【化2】
【0053】次にこの記録層塗布液をワイヤーバー14
を用いて200μm厚のポリエチレンテレフタレート支持
体上に塗布し、100℃で1分乾燥した後、UV光で全面露
光(1000カウント:アイロタリープリンター,アイ
グラフィック社製)することにより、架橋した高分子か
らなる記録層を有する感熱記録型平版印刷版原版を得
た。記録層の膜厚は3.7μmであった。
【0054】(実施例2〜5)
【0055】金属錯体として、アセチルアセトンアルミ
錯体に代えて下記の化合物を使用して分散液を調製した
以外は、実施例1と同様の方法にて感熱性平版印刷版原
版を作成した. 実施例2:アルミニウムトリス(エチルアセトアセテー
ト)(ALCH-TR:商品名、川研ファインケミカル社製) 実施例3:アルミニウムモノ−アセチルアセトナート
ビス−(エチルアセトアセテート)(アルミキレート
D:商品名、川研ファインケミカル社製) 実施例4:テトラ-n-ブトキシジルコニウム(日本曹達
社製) 実施例5:ジプロポキシ-ビス-アセチルアセトナートチ
タン(チタンボード50:商品名、日本曹達社製)
【0056】印刷性能評価 実施例1〜6で得られた平版印刷版原版を波長830nmの
赤外線を発するLDレーザで像様に露光した。露光後得ら
れた版を現像することなくそのまま印刷機(ハイデルSO
R-M:ハイデルベルグ社製)に取り付けて印刷を行っ
た。2000枚印刷を行ったが、配合した金属錯体の種類に
関わらず、いずれも鮮明な印刷物が得られ、且つ、非画
像部には汚れは見られなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の平版印刷版原版によれば、熱に
より、または光熱変換により生じた熱により高感度で画
像を形成することができ、赤外線レーザ又はサーマルヘ
ッドを用ることにより、デジタルデータから直接製版可
能であり、かつ画像露光後湿式現像処理やこすり等の特
別な処理を必要としないという優れた効果を奏する。ま
た、本発明の平版印刷版用の製造方法によれば、デジタ
ルデータから直接製版可能であり、画像露光後湿式現像
処理やこすり等の特別な処理を必要とせず、優れた特性
の平版印刷版を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 521 G03F 7/033 7/033 B41M 5/26 S Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 AC08 AD01 AD03 BH03 CA28 CB08 CB54 CC20 EA04 EA10 FA01 FA03 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 CA12 CA20 DA02 EA04 JA02 2H111 HA14 HA18 HA23 HA35 2H114 AA04 AA22 AA24 BA05 DA03 DA08 DA25 DA26 DA56 DA73 DA78 EA01 EA02 FA16 GA34 GA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、(a)金属錯体化合物と、
    (b)熱の作用により該金属錯体化合物から生じた金属
    に配位可能でかつ親水性の基を分子内に2個以上有し、
    さらに主鎖間が架橋されている親水性高分子と、を含有
    する記録層を有する、感熱記録型平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】 前記記録層に、さらに(c)光熱変換物
    質を含有することを特徴とする請求項1に記載の感熱記
    録型平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】 前記記録層に、さらに(d)熱可塑性ポ
    リマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の感
    熱記録型平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】 支持体上に、(a)金属錯体化合物と、
    (b)熱の作用により該金属錯体化合物から生じた金属
    に配位可能でかつ親水性の基を分子内に2個以上有しさ
    らに主鎖間が架橋されている親水性高分子と、(c)光
    熱変換物質と、を含有する記録層を有する感熱記録型平
    版印刷版原版に、赤外線レーザ光を画像状に露光するこ
    とで、表面に疎水性領域を形成することを特徴とする平
    版印刷版の製造方法。
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