JP2000301126A - 移動式有害有機塩素系物質処理設備 - Google Patents

移動式有害有機塩素系物質処理設備

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JP2000301126A
JP2000301126A JP11107116A JP10711699A JP2000301126A JP 2000301126 A JP2000301126 A JP 2000301126A JP 11107116 A JP11107116 A JP 11107116A JP 10711699 A JP10711699 A JP 10711699A JP 2000301126 A JP2000301126 A JP 2000301126A
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harmful organic
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water tank
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Kunio Murata
邦夫 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCBやダイオキシン等の有害有機塩素系物
質を処理施設に移送することなく現場にて処理して無害
化することが可能であるとともに、有害有機塩素系物質
の分解処理を正確且つ確実に管理できて移送途中で不法
に投棄されたり十分に無害化されずに廃棄されることを
防止でき、有害有機塩素系物質が製品や容器に付着或い
は収容されている場合でも処理することができる移動式
有害有機塩素系物質処理設備を提供すること。 【解決手段】 有害有機塩素系物質の無害化処理を行う
処理装置が車両上に搭載されてなる処理設備において、
処理装置に投入された被処理物質の種類及び濃度をリア
ルタイムで測定記録して処理済を確認できる測定記録装
置及び記録確認用の出力装置や、有害有機塩素系物質が
付着或いは収容されていた製品や容器を収納して洗浄す
る気密性の洗浄室を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動式有害有機塩素
系物質処理設備に関し、より詳しくはPCBやダイオキ
シン等の有害有機塩素系物質を処理施設に移送すること
なく現場にて処理して無害化することが可能であるとと
もに、有害有機塩素系物質の分解処理を正確且つ確実に
管理できて移送途中で不法に投棄されたり十分に無害化
されずに廃棄されることを防止でき、有害有機塩素系物
質が製品や容器に付着或いは収容されている場合でも処
理することができる移動式有害有機塩素系物質処理設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB(ポリ塩化ビフェニール)は、耐
熱、耐薬品性、絶縁性に優れていることから、トランス
やコンデンサ等の絶縁体、熱処理用の熱媒体、ペンキや
印刷インクの添加剤などに広く使用されていたが、カネ
ミ油症事件等によりその有害性が明らかになったことか
ら、我が国では1972年にその製造が中止された。し
かしながら、製造中止までにPCBは5万9千トン製造
されており、全国13万カ所に及ぶ保管所には、コンデ
ンサや変圧器等が残されている。その量は希釈されたP
CBや容器、それらを清掃するときに使用した布などの
廃棄物を含めると約120万トンに及ぶ。現時点ではそ
れらの管理体制が懸念されており、周囲環境への流出に
よる汚染が深刻な問題となっている。一方、ダイオキシ
ン(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン)は、主に産業廃棄
物や一般廃棄物の焼却によって排出され、その毒性はD
DTやパラチオンの1000倍以上という他に例を見な
い有毒物質であり、欧米諸国では1980年代から政府
主導のもと積極的な発生源抑制対策が進められてきた
が、我が国では世界で最大量のゴミを焼却するにも関わ
らず、近年まで明確な法的基準値すらなく、汚染対策は
皆無の状態であった。そのため、我が国は欧米諸国に比
べて大気汚染濃度は数倍から数十倍も高く、人体汚染濃
度も高い傾向にあるなど世界的にもダイオキシンの重度
の汚染国となっている。上記した実情に鑑みて、PCB
やダイオキシン等の有害有機塩素系物質の処理方法の研
究が官民一体となってすすめられており、各地に専用の
処理施設が今後建設されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、専用の
処理施設にて有害有機塩素系物質を処理する方法では、
保管現場や汚染場所から処理施設まで有害有機塩素系物
質を運搬車にて移送する必要があるため、移送途中に回
収した有害物質が漏れ出す危険性があった。また、処理
施設においても有害物質が漏れ出す危険性があり、近く
に民家や水源、農場などがある場合にはこれらが汚染さ
れる恐れがあった。そのために、処理施設の建設にあた
り周辺住民の同意が得られにくく処理場の確保が非常に
困難であった。
【0004】そこで、車両上に有害有機塩素系物質の処
理装置を搭載することにより、車両上にて有害有機塩素
系物質の分解処理を行うことができる処理車も創出され
ている。このような処理車によれば、排出現場にて有害
有機塩素系物質を分解して無害化することができるた
め、上記した移送途中の有害物質の漏れや処理場の確保
の問題が発生することがなく、この点で優れたものであ
った。しかしながら、車両に有害有機塩素系物質を回収
して運搬する方法には、移送途中に不法に投棄された
り、地震による車両の転倒によって回収した有害有機塩
素系物質が漏れだしてしまう恐れがあるという問題が存
在していた。また、PCB等の有害有機塩素系物質は、
トランス等の製品の状態として、或いは容器に収容され
た状態で保管されている場合が多いが、従来の処理車で
はこれら製品や容器に付着した有害有機塩素系物質につ
いては確実に処理することができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
もつ課題を解決するためになされたものであって、請求
項1に係る発明は、有害有機塩素系物質の無害化処理を
行う処理装置が車両上に搭載されてなる処理設備であっ
て、前記処理装置に投入された被処理物質の種類及び濃
度をリアルタイムで測定記録して処理済を確認できる測
定記録装置及び記録確認用の出力装置が備えられてなる
ことを特徴とする移動式有害有機塩素系物質処理設備に
関する。請求項2に係る発明は、有害有機塩素系物質の
無害化処理を行う処理装置が車両上に搭載されてなる処
理設備であって、前記処理装置として有害有機塩素系物
質が付着或いは収容されていた製品や容器を収納して洗
浄する気密性の洗浄室が備えられ、該洗浄室における洗
浄後の液を有害有機塩素系物質の分解槽に供給するよう
に構成されてなることを特徴とする移動式有害有機塩素
系物質処理設備に関する。
【0006】請求項3に係る発明は、前記処理装置が、
被処理物質である有害有機塩素系物質をその内部に取り
入れて分解する水槽と、該水槽に導入される空気に遠赤
外線を作用させるとともに空気中にマイナスイオンを発
生させる活性エアー発生装置と、金属イオン水溶液が貯
留されてなる薬液槽と、前記活性エアー発生装置から発
生する活性空気を微細気泡として前記金属イオン水溶液
と共に前記水槽内に吐出する微細気泡発生装置と、前記
水槽上部に設けられ微細気泡によって曝気された気体中
の有害物質を活性炭により吸着・分解する吸着塔とから
なることを特徴とする請求項1又は2記載の移動式有害
有機塩素系物質処理設備に関する。請求項4に係る発明
は、前記金属イオン水溶液中に超微細活性炭素粉が分散
されてなることを特徴とする請求項3記載の移動式有害
有機塩素系物質処理設備に関する。請求項5に係る発明
は、車両上に防震ゴムが敷設され、該防震ゴム上に前記
処理装置が載設されてなるとともに、車両の左右側部に
はアウトリガーが備えられてなることを特徴とする請求
項1乃至4いずれかに記載の移動式有害有機塩素系物質
処理設備に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る移動式有害有
機塩素系物質処理設備(以下、処理設備と称す)の好適
な実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る処
理設備は、有害有機塩素系物質の無害化処理を行う処理
装置が車両上に搭載されてなる処理設備において、処理
装置に投入された被処理物質の種類及び濃度をリアルタ
イムで測定記録して処理済を確認できる測定記録装置及
び記録確認用の出力装置が備えられていること、もしく
は、処理装置として有害有機塩素系物質が付着或いは収
容されていた製品や容器を収納して洗浄する気密性の洗
浄室が備えられていることを最大の特徴とするものであ
る。
【0008】従って、本発明においては、車両に搭載さ
れる有害有機塩素系物質の無害化処理装置の構成は特に
限定されるものではなく、公知の処理装置が適宜好適に
使用可能であり、例えば、800℃以上で連続運転可能
な高温焼却装置、活性炭による吸着装置、アルカリ触媒
分解法(BCD法)を使用する分解装置、化学抽出分解
法(DMI/NaOH法)を使用した分解装置、t−B
uOK法を使用する分解装置、触媒水素化脱塩素化法を
使用する分解装置、超臨界水酸化法を使用する装置、金
属ナトリウム法を使用する分解装置、溶融触媒抽出法
(CEP法)を使用した分解装置、エコロジック法(気
相水素還元法)を使用する装置、熱水分解処理技術によ
る酸化分解装置、溶媒和電子法を使用した分解装置、紫
外線照射と微生物分解の組み合わせによる分解装置、P
CB光分解技術を使用した紫外線照射分解装置、光触媒
(チタン系金属酸化物)を使用した分解装置等を、使用
可能な処理装置として挙げることができる。但し、本発
明においては、以下に説明する処理装置を使用すること
が設備コストや処理コスト等の観点から最も好ましい。
【0009】図1は本発明に係る処理設備の一実施例を
示す透視斜視図、図2は本発明に係る処理設備の一実施
例を示す正面図、図3は本発明に係る処理設備の一実施
例を示す処理系統図である。尚、図1及び図2において
は一部構成の図示が省略されている。図示例に係る処理
設備は、1台の台車車両(1)の車台上に、水槽
(2)、活性エアー発生装置(3)、薬液槽(4)、微
細気泡発生装置(5)、吸着塔(6)、測定記録装置
(7)、循環ポンプ(8)、定量ポンプ(9)、吸入ス
トレーナー(10)、気密洗浄室(12)、吸入ポンプ
(17)、発電機、コンプレーッサー等の各種装置が搭
載されてなるものである。
【0010】水槽(2)は被処理物質であるPCBやダ
イオキシンなどの有害有機塩素系物質が含まれた汚濁水
や集塵灰等をその内部(水中)に取り入れて分解するた
めのものであり、その内部に貯留された処理液中には微
細気泡発生装置(5)及び吸入ストレーナー(10)が
配設されている。また、この水槽(2)は気密性容器で
あり、配管が接続された部分以外は密閉されている。そ
して、吸入ポンプ(17)の駆動によって外部から水や
処理液を取り入れることが可能とされている。
【0011】活性エアー発生装置(3)は、大気中から
取り入れた空気に遠赤外線を作用させるとともに空気中
にマイナスイオンを発生させ、その空気を水槽(2)に
導入するための装置であり、その空気取入口は水槽
(2)内の水面上方に開口し、吐出口は微細気泡発生装
置(5)と接続されている。図4は活性エアー発生装置
(3)の概略構成を示す図であり、大気中から取り入れ
た空気に電子を与えマイナスイオン化するための永久磁
石(31)及び帯電層(32)と、遠赤外線の作用で分
解能力を高めるための遠赤外線物質からなる不織布層
(33)とから構成されている。
【0012】活性エアー発生装置(3)内に取り入れら
れた空気は、2つの永久磁石(31)がつくる強力な磁
束線の中を横切ることによって電場が発生し、さらに帯
電層(32)から発生する電子を受け取ることによっ
て、多量の電子を含んでマイナスイオン化される。そし
て、更に遠赤外線物質からなる不織布層(33)を通過
することによって、遠赤外線を受けて、分子内振動を引
き起こし二重結合を切断する作用を備えた電磁波を吸収
する。この活性化された空気が微細気泡となって水槽
(2)内に放出されると、そのエネルギーが次々と水中
の構成物に伝播するとともに、遠赤外線が分子内振動を
促し、加えてクーロン力が働く電子を多量に含んだ水溶
液となる。
【0013】薬液槽(4)内には、Mg,K,Na,C
a等の電子の授受を活発に行う金属イオンを大量に含ん
だ金属イオン水溶液が貯留されている。また、この金属
イオン水溶液中には超微細活性炭素粉が分散されてお
り、この水溶液は定量ポンプ(9)によって一定量づつ
取り出されて水槽(2)内に供給される。水槽(2)内
に供給された金属イオンは、電子の授受を活発に行い、
遠赤外線による分子内振動及びマイナスイオンによるク
ーロン力の作用にも助けられ、ラジカルな酸化・還元反
応を繰り返し、その脱塩素力によって有害有機塩素系物
質を分解していく。また、超微細活性炭素粉は、水中の
有害有機塩素系物質や不純物を吸着し、その内部に生息
する微生物によってこれらを分解する役割を果たす。
【0014】微細気泡発生装置(5)は、活性エアー発
生装置(3)から発生する活性空気と金属イオン水溶液
とを混合し、3〜10ミクロンの超微細気泡を含んだ液
として水槽(2)内に吐出する曝気装置であり、これに
よって水槽(2)内の液中に活性空気と金属イオンと超
微細活性炭素粉とを均一に分散させることができる。ま
た、微細気泡発生装置(5)は超微細気泡を形成する際
に、液中に超音波と電子を発生させる。活性エアー発生
装置(3)により発生した電子と超微細気泡による電子
は、水溶液を構成する分子集団(クラスター)を最も安
定性のある小集団に分割するとともに、水溶液の酸化・
還元電位を還元側に変化させる。これによって水溶液は
静電気力(クーロン力)が働く電子を多量に含むことと
なる。
【0015】吸着塔(6)は水槽(2)の上部に設けら
れており、水槽(2)から活性エアーにより曝気された
不純物質を含む空気を水槽(2)の水面上に開口された
パイプ(61)から取り入れて、内部に貯蔵された活性
炭にて吸着し、活性炭の内部に生息する微生物によって
有害有機塩素系物質の分解を行う。
【0016】測定記録装置(7)は、水槽(2)内の被
処理物質の種類及び濃度をリアルタイムで測定記録する
ために設けられており、CPUとメモリを備えた情報処
理設備(71)と、ガスクロマトグラフィー及びマスス
ペクトルメータ等を備えた測定装置(72)とから構成
される。水槽(2)内の水溶液はバルブ(11)の開放
によって所要量だけ取り出されて測定装置(72)に導
入され、水溶液中に含まれる被処理物質の種類と濃度が
測定されて、この測定データは情報処理設備(71)の
メモリ内に記憶される。同時に被処理物質の回収場所、
回収日時、処理量等のデータも合わせて記憶され、これ
ら記憶されたデータは情報処理設備(71)に接続され
たプリンタ(図示せず)によって適宜出力される。そし
て、出力されたデータを管轄官庁、依頼者、処理者の三
者にてそれぞれ保管、管理することにより、回収された
有害有機塩素系物質の情報を常時正確に管理することが
可能となり、有害有機塩素系物質が移送途中で不法に投
棄されたり、十分に分解されないまま廃棄されたりする
ことを防ぐことができる。
【0017】循環ポンプ(8)は、水槽(2)内の水溶
液を吸入ストレーナー(10)から吸引して取り出して
微細気泡発生装置(5)に送り込み、活性空気及び金属
イオン水溶液と混合して再度水槽(2)内へと供給す
る。
【0018】車両(1)の最後部には、PCBやダイオ
キシン等の有害有機塩素系物質が製品や容器に付着して
いたり或いは収容されていた場合に、その容器や製品を
洗浄するための気密洗浄室(12)が設けられている。
この気密洗浄室(12)は気密室であって、内部にはP
CBやダイオキシン等の有害有機塩素系物質が付着した
容器等をフラッシングする分解液を取り出すためのバル
ブと、圧力洗浄を行うためのコンプレッサーからのエア
ー出口が設置されている。そして、前記した製品や容器
は洗浄室内に投入されて洗浄され、洗浄後のPCBやダ
イオキシン等の有害有機塩素系物質が含まれた水はポン
プ(13)によって水槽(2)内へと供給され、水槽
(2)内にて分解処理される。
【0019】また、車両(1)の車台と各装置との間に
は防震ゴム(14)が敷設されており、この防震ゴム
(14)の上に上記した全ての処理装置が載設されてい
る。さらに、車両(1)の左右側部には伸縮可能なアウ
トリガー(15)が備えられており、このアウトリガー
(15)を図1に示す如く伸長させることによって、車
両を安定させて分解処理作業を行うことができる。本発
明に係る処理設備では、このような防震ゴム(14)及
びアウトリガー(15)が車両(1)に備えられている
ことによって、地震によって車両上の処理設備が影響を
受けたり、車両が転倒して回収した有害有機塩素系物質
が溢れることを防止することができる。
【0020】図中、(16)は配電盤であり、この配電
盤(16)は情報処理設備(71)と接続されて、活性
エアー発生装置(3)、微細気泡発生装置(5)、吸着
塔(6)、測定記録装置(7)、循環ポンプ(8)、定
量ポンプ(9)、ポンプ(13)等の作動を制御管理す
る。
【0021】以下、上記構成からなる移動式有害有機塩
素系物質処理設備を使用した処理方法について説明す
る。先ず、車両(1)を駆動してPCBやダイオキシン
等の有害有機塩素系物質が保管もしくは排出された現場
へと移動し、現場にて有害有機塩素系物質が含まれた汚
濁水や集塵灰等を水槽(2)内に回収する。このとき、
有害有機塩素系物質が製品や容器に付着或いは収容され
ている場合には、その容器や製品を気密洗浄室(12)
内に収容して内部の洗浄水にて洗浄し、洗浄後の有害物
質が含まれた水をポンプ(13)によって水槽(2)内
へと供給する。
【0022】次いで、活性エアー発生装置(3)、循環
ポンプ(8)及び定量ポンプ(9)を駆動して、超微細
活性炭素粉が添加された金属イオン水溶液と、水槽
(2)内の水溶液と、活性空気とを混合して微細気泡発
生装置(5)から超微細気泡を含んだ液として水槽
(2)内に吐出し、活性空気と金属イオンと超微細活性
炭素粉とを有害物質が回収された水槽(2)内に均一に
分散させる。
【0023】処理液内に導入された金属イオンは、遠赤
外線による分子内振動、マイナスイオンによるクーロン
力及び微細気泡による超音波と相乗的に作用すること
で、その脱塩素力が最大限に発揮され、これによって有
害有機塩素系物質が効率的に分解されることとなり、水
中に残った微量のPCB、ダイオキシン等の有害有機塩
素系物質は、超微細活性炭素粉によって吸着されて分解
される。また、水槽(2)の水面から揮発した物質の大
部分は、水面上方に開口した活性エアー発生装置(3)
の空気取入口から取り入れられて、活性エアー発生装置
(3)を通過した後に、微細気泡発生装置(5)から再
度水槽(2)内へと供給されるが、揮発物質の一部は吸
着塔(6)内の活性炭に吸着され分解される。
【0024】そして、一定時間処理を継続した後、水槽
(2)内の処理液の一部を取り出し、測定記録装置
(7)により処理液中に含まれる有害有機塩素系物質の
種類及び濃度を測定し、その測定データを被処理物質の
回収場所、回収日時、処理量等のデータと合わせて情報
処理設備(71)のメモリ内に記憶し、これら記憶され
たデータをプリンタによって出力する。出力されたデー
タは、管轄官庁、依頼者、処理者にそれぞれ提出され、
分解処理の完了を確認、管理する。
【0025】測定データによって、水槽(2)内の処理
液中に含まれる有害有機塩素系物質が完全に分解されて
いることが確認されたら、水槽(2)内の処理水は河川
等の適宜の場所へと排水し、処理を終了する。
【0026】尚、上記した説明では、PCBやダイオキ
シン等の有害有機塩素系物質が保管もしくは排出された
現場へと移動し、その現場にて全ての処理を行う場合に
ついて説明したが、PCBやダイオキシン等の有害有機
塩素系物質を現場から他の場所へと移送した後に、移送
場所にて分解処理作業を行うようにしてもよい。この場
合、処理前には現場にて受け取った被処理物質の種類及
び量のデータを、処理後には分解処理が終了したことを
示すデータを、それぞれ出力装置によってプリントアウ
トし、管轄官庁、依頼者、処理者にそれぞれ提出して、
分解処理の完了を確認、管理する。
【0027】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、有害有機塩素系
物質の無害化処理を行う処理装置が車両上に搭載されて
なる処理設備であって、前記処理装置に投入された被処
理物質の種類及び濃度をリアルタイムで測定記録して処
理済を確認できる測定記録装置及び記録確認用の出力装
置が備えられてなることを特徴とする移動式有害有機塩
素系物質処理設備であるから、有害有機塩素系物質び分
解処理を正確且つ確実に管理することができ、有害有機
塩素系物質が移送途中で不法に投棄されたり、十分に分
解されないまま廃棄されたりすることを防ぐことができ
る。
【0028】請求項2に係る発明は、有害有機塩素系物
質の無害化処理を行う処理装置が車両上に搭載されてな
る処理設備であって、前記処理装置として有害有機塩素
系物質が付着或いは収容されていた製品や容器を収納し
て洗浄する気密性の洗浄室が備えられ、該洗浄室におけ
る洗浄後の液を有害有機塩素系物質の分解槽に供給する
ように構成されてなることを特徴とする移動式有害有機
塩素系物質処理設備であるから、PCBやダイオキシン
等の有害有機塩素系物質がトランス等の製品の状態とし
て或いは容器に収容された状態で保管されている場合で
あっても、これら製品や容器に付着した有害有機塩素系
物質について確実に処理することができる。
【0029】請求項3に係る発明は、前記処理装置が、
被処理物質である有害有機塩素系物質をその内部に取り
入れて分解する水槽と、該水槽に導入される空気に遠赤
外線を作用させるとともに空気中にマイナスイオンを発
生させる活性エアー発生装置と、金属イオン水溶液が貯
留されてなる薬液槽と、前記活性エアー発生装置から発
生する活性空気を微細気泡として前記金属イオン水溶液
と共に前記水槽内に吐出する微細気泡発生装置と、前記
水槽上部に設けられ微細気泡によって曝気された気体中
の有害物質を活性炭により吸着・分解する吸着塔とから
なることを特徴とする移動式有害有機塩素系物質処理設
備であるから、有害有機塩素系物質を常温常圧にて処理
することが可能であって設備費用や処理費用を低減する
ことができる。
【0030】請求項4に係る発明は、前記金属イオン水
溶液中に超微細活性炭素粉が分散されてなることを特徴
とする請求項3記載の移動式有害有機塩素系物質処理設
備であるから、水槽内に残った不純物や微量のPCBや
ダイオキシン等の有害有機塩素系物質を吸着して分解す
ることができる。
【0031】請求項5に係る発明は、車両上に防震ゴム
が敷設され、該防震ゴム上に前記処理装置が載設されて
なるとともに、車両の左右側部にはアウトリガーが備え
られてなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに
記載の移動式有害有機塩素系物質処理設備であるから、
地震によって分解処理中の車両上の処理設備が影響を受
けたり、車両が転倒して分解処理中の有害有機塩素系物
質が溢れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動式有害有機塩素系物質処理設
備の一実施例を示す透視斜視図である。
【図2】本発明に係る移動式有害有機塩素系物質処理設
備の一実施例を示す正面図である。
【図3】本発明に係る移動式有害有機塩素系物質処理設
備の一実施例を示す処理系統図である。
【図4】活性エアー発生装置の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 車両 2 水槽(分解槽) 3 活性エアー発生装置 4 薬液槽 5 微細気泡発生装置 6 吸着塔 7 測定記録装置 12 気密洗浄室 14 防震ゴム 15 アウトリガー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害有機塩素系物質の無害化処理を行う
    処理装置が車両上に搭載されてなる処理設備であって、
    前記処理装置に投入された被処理物質の種類及び濃度を
    リアルタイムで測定記録して処理済を確認できる測定記
    録装置及び記録確認用の出力装置が備えられてなること
    を特徴とする移動式有害有機塩素系物質処理設備。
  2. 【請求項2】 有害有機塩素系物質の無害化処理を行う
    処理装置が車両上に搭載されてなる処理設備であって、
    前記処理装置として有害有機塩素系物質が付着或いは収
    容されていた製品や容器を収納して洗浄する気密性の洗
    浄室が備えられ、該洗浄室における洗浄後の液を有害有
    機塩素系物質の分解槽に供給するように構成されてなる
    ことを特徴とする移動式有害有機塩素系物質処理設備。
  3. 【請求項3】 前記処理装置が、被処理物質である有害
    有機塩素系物質をその内部に取り入れて分解する水槽
    と、該水槽に導入される空気に遠赤外線を作用させると
    ともに空気中にマイナスイオンを発生させる活性エアー
    発生装置と、金属イオン水溶液が貯留されてなる薬液槽
    と、前記活性エアー発生装置から発生する活性空気を微
    細気泡として前記金属イオン水溶液と共に前記水槽内に
    吐出する微細気泡発生装置と、前記水槽上部に設けられ
    微細気泡によって曝気された気体中の有害物質を活性炭
    により吸着・分解する吸着塔とからなることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の移動式有害有機塩素系物質処理
    設備。
  4. 【請求項4】 前記金属イオン水溶液中に超微細活性炭
    素粉が分散されてなることを特徴とする請求項3記載の
    移動式有害有機塩素系物質処理設備。
  5. 【請求項5】 車両上に防震ゴムが敷設され、該防震ゴ
    ム上に前記処理装置が載設されてなるとともに、車両の
    左右側部にはアウトリガーが備えられてなることを特徴
    とする請求項1乃至4いずれかに記載の移動式有害有機
    塩素系物質処理設備。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002101376A1 (fr) * 2001-06-06 2002-12-19 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Dispositif et procede de detection de quantites infimes de composants organiques
KR101307602B1 (ko) 2012-02-24 2013-09-12 김윤 내연기관용 음이온 발생장치
JP2013214678A (ja) * 2012-04-04 2013-10-17 Dowa Eco-System Co Ltd 移動式pcb液抜き方法および移動式pcb液抜き装置

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