JP2000300955A - 廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理装置 - Google Patents
廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理装置Info
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Abstract
を、安全に、しかも容易に、かつ効率よく該ガス状炭化
水素を分離すると共に、処理後に、大気中に放出する廃
棄ガス中の残存ガス状炭化水素濃度を100ppm以下に
し得る上記廃棄ガスの処理方法および該方法を実施する
ための装置を提供すること。 【解決手段】 (1)吸着装置として、吸着剤層とこの層
を冷却するための吸着塔1a,1bを使用し、(2)該吸
着塔に、活性炭とその上部にY型合成ゼオライトを充填
し、(3)吸着・脱着を交互に行わしめ、その際の切り換
え時間は、デ−タロガによる“吸着剤層の破過予想濃
度”の指示に従って自動的に吸・脱着切換え用の弁(ニ)
を操作し、(4)脱着時に“水”を使用し、水封式真空ポ
ンプ14で吸引し、(5)パ−ジ排ガスの全量を、気液分
離器16を介して、廃棄ガス送気管11に戻し、一方、
(6)気液分離器16からの液体を産業廃棄物処理装置1
7で産廃処理する。
Description
れる希薄なガス状炭化水素の処理方法および装置に関
し、特に、大気汚染の原因である有害なガス状炭化水素
を含む廃棄ガスから、該炭化水素を効率よく分離し、無
害化処理する方法および装置に関する。具体的には、有
害なガス状炭化水素として、例えば、発がん性があり、
大気公害の原因物質の一つであるベンゼンやトルエン,
メチルエチルケトン,トリクロロエチレン,フロン等の
ガス状炭化水素を含む廃棄ガスの処理に係り、該炭化水
素の濃度を100ppm 以下(好ましくは10ppm以下)
にして、大気中に排出するための上記処理方法および装
置に関する。
ンやトルエン,メチルエチルケトン,トリクロロエチレ
ン,フロンなどのガス状炭化水素については、米国,欧
州,日本をはじめとする先進国では、大気中に放散する
濃度を法的に厳しく規制している。規制値の水準は、各
国の事情によつて異なるが、日本を除く先進諸国では、
例えばベンゼンについては「5ppm以下」であり、日
本に於いても環境庁告示第5号(平成9年2月6日)によ
れば「30ppm以下」に規制されるようになった。
として特に問題視されているのは、例えば、印刷工場や
クリーニング工場,塗装工場等で発生する大量でしかも
約5000ppm以下の希薄な廃棄ガスであり、工場のみな
らず、それ等を貯蔵するタンクから荷揚げする時や積み
卸しする時に発生する廃棄ガスである。
述のようなガス状炭化水素を含む廃棄ガスの無害化処理
方法として、従来から広く用いられている方法は、 (1) ガス分離膜法+吸着法 (2) 活性炭やゼオライト,疎水性シリカゲル等を用いる
吸着法 などである。
流の技術であつて、廃棄ガスが大量の場合、ガス分離膜
法(加圧膜法)を施した後の処理にポリッシング工程とし
て吸着法を用いるものである。日本においても、特公平
4-23568号公報や特開平7-284623号公報にみられるよう
に、この分野に属する技術が開示されている。一方、米
国でもっとも広く採用されている方法は、前記(2)の吸
着法であって、特に活性炭を用いる吸着法である。この
方法については、特開昭57-14687号公報,特開昭57-423
19号公報,特公昭59-50715号公報,特公昭59-50716号公
報,特公平2-46630号公報に開示されている。
素を含む大量の廃棄ガスを処理して、大気中に放散する
クリーンなガス中の炭化水素濃度を1000ppm以下にす
るには、上記した活性炭を用いる吸着法が最もすぐれた
工業的手段である。(なお、触媒燃焼法も簡便で有効な
手段であるが、廃棄ガス中のガス状炭化水素濃度の如何
によっては、爆発の危険性も危惧され、居住地付近での
設置には拒否反応が強い。)
は、脱着時のパージガスとして、通常、“スチーム”を
使用している。そして、脱着に必要なスチームの量とし
ては、使用する吸着剤量の約3倍にものぼり、大量を必
要とする。しかも、このスチームが凝縮して水になる際
に炭化水素を巻き込み混入するので、厳しい水質基準を
クリヤーするには、活性汚泥法のような排水処理設備に
かなりの負担がかかるという欠点があった。このため、
脱着時のパージガスとして、スチームの代わりに“高温
に加熱された窒素”を用い、これを循環使用する方法も
提案されているが、循環窒素に蓄積される希薄なガス状
炭化水素の分離には大型の冷凍機を必要とし、0℃以下
の低温に冷却しなければならなず、寧ろ不経済であると
言える。
2823835号明細書に開示されているように、 パージ排ガ
スからガス状炭化水素を回収するに先立って、カスケー
ド方式による濃縮吸着塔(アダプター)を介して、パージ
排ガス中の希薄なガス状炭化水素を濃縮し、この濃縮吸
着塔(アダプター)から取り出すのも解決手段の一つであ
る。また、吸着塔を脱着塔に切り替えて真空ポンプで吸
引する際、予め置換パ−ジ手段を脱着塔に適用して、パ
ージ排ガス中のガス状炭化水素を濃縮せしめた状態でこ
のガスを排出し、得られたパージ排ガスを冷却して液化
分離する方法も解決手段の一つである。
ス状炭化水素の液化は、このパージ排ガスを冷却するだ
けで可能であるけれども、パージ排ガス中のガス状炭化
水素を濃縮する手段を伴うものであり、しかも、この濃
縮手段それ自体煩雑であると言うことができる。また、
上述の何れの手段も、沸点の低い炭化水素の場合は、容
易に冷却せず、強力な冷凍機を必要とするがために、希
薄なガス状炭化水素を濃縮する手段としては煩雑であ
る。
から多用されている活性炭吸着法においては、毎分数百
m3という多量なガスを処理する場合、主として繊維状
活性炭が使われており、一方、装置としては、この繊維
状活性炭からなる吸着剤層を数cm〜十数cmの厚さで
薄く囲った“円筒または箱を多数内部に配置した吸着装
置”が使われてきた。例えば「K−フィルター(日東紡
社製の商品名)」あるいは「パイロメックス(東邦レーヨ
ン社製の商品名)」などが使用されている。
希薄な炭化水素を濃縮せずに、数十分〜数時間という長
い時間をかけて吸着させ、その後は、スチームで脱着す
るだけである。しかし、この方法の特徴は、大量のガス
を処理できるように「吸着剤層を有する吸着装置」に工
夫を凝らしているが、大気中に排出されるガス中の炭化
水素濃度を“100ppm以下”にすることは困難であ
る。
一方、前記吸着法によるガス状炭化水素を含む廃棄ガス
の処理方法において、吸着と脱着の切換えは、電磁弁を
介して時間制御で操作されている。しかしながら、時間
制御で切り換える場合、吸着塔が破過するに至る時間を
予め実験や経験で把握しておく必要がある。また、時間
制御による切換えは、安直であるけれども、吸着塔入口
のガス状炭化水素の量と濃度が絶えず大きく変動する場
合、吸着剤を必要量以上に多量充填し、そして、早めに
切り換えることが余儀なくされる。そのため、吸着剤が
有効に使用されないという問題が生じることもあった。
過の検知」を種々の測定器を用いて行い、破過が検知し
うる濃度になった時に脱着に切り換える方法が以前から
行われてきた。しかしながら、破過する時の濃度は、昨
今の厳しい大気汚染防止法に従えば、数10ppm以下
という微量濃度が問題になるので、それ以前に検知を必
要とする濃度は1〜2ppm以下のオーダーになり、相
当に大がかりで精密な測定器を必要とする。
々提案がなされてきた。例えば、特開昭55-35996号公報
には、「吸着,脱着の二塔式PSA精製装置を用い、真
空ポンプを使わずに吸着塔を5〜10kg/cm2に加圧し
た状態で湿つたガスの吸着を行い、塔頂から乾いたガス
を放散させ、一方、脱着は、塔の圧力を常圧に戻すこと
によって、吸着ガスを吐き出させて再生する脱湿方法に
おいて、刻々に変わる吸着塔を通るガス流量,吸着塔の
入口及び出口温度,吸着塔の入口及び出口圧力,脱着塔
の再生圧力を含む各部位の運転状態をデータとしてマイ
クロコンピューターに記憶させ、物質収支と熱収支の計
算を瞬時に行わしめ、その結果に基づいて、脱着時間を
制御し、間接的に吸着と脱着の切り換え時期を自動制御
する方法。」が開示されている。
る方法は、吸着,脱着の切り換えを、時間制御ではな
く、装置の運転状況を記憶させたマイクロコンピュータ
ーの指示に任せるという点で画期的な提案ではあるが、
当時は、現在のように優れた吸着モデルが無かったた
め、シミュレーシヨン手法を用いることができなかっ
た。即ち、「破過濃度を吸着モデルのシミュレーション
によって予測する」という発想には至らなかった。
め込んだ測定ポートからガス中の被吸着成分の濃度をい
ち早く検知し、或るレベルの濃度に達した時に自動的に
電磁弁を切り換える方法が提案されている。しかしなが
ら、吸着剤が粒状活性炭やシリカゲルのように、吸着孔
径が5Åから100Åの広がりを持つ場合、局所的に濃度
も温度も変動するので、「吸着帯層がガスの流れに沿つ
て片寄らず、一様な巾で出口に向かつて上昇する」とい
う保証はなく、そのため、測定する位置を特定すること
が困難である。頂部から余り深い位置に測定ポートを差
し込むのであれば、時間制御に勝る方法とは言い難い。
このため、現在では、吸・脱着の切換え手段としては、
簡便な時間制御で行うのが主流の技術になっている。
ガスの処理方法に係る従来技術」「吸・脱着の切換え手
段に係る従来技術」の項で記述した従来技術の問題点,
欠点に鑑み成されたものであり、前記従来技術の更なる
改良を試みたものである。そして、本発明は、大量の廃
棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素を濃縮し、全
体として極めて小量なガスとして取り出し、それを焼却
または産廃処理、もしくは液化させる際の経済的負担を
著しく軽減することを目的(技術課題)とする。
含む大量の廃棄ガスを無害化処理する方法および装置に
おいて、疎水性シリカゲルや活性炭,合成ゼオライト等
の固体吸着剤を用いて、該廃棄ガスを、安全に、しかも
容易に、かつ効率よく有害な炭化水素を分離すると共
に、処理後に、大気中に放出する廃棄ガス中の残存ガス
状炭化水素濃度を100ppm以下にし得る「廃棄ガス
中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法および該
方法を実施するための装置」を提供することにある。更
に、本発明の他の目的は、上記方法を装置化する際に、
システムを一体化してスキツドに載せられるように、可
搬可能なように成し得る方法および装置を提供すること
にある。
「吸着と脱着を交互に行う“吸着剤層を有する吸着装
置”を用い、[特に、1分間に数百m3という大量の廃
棄ガスを処理する場合は、内部に吸着剤層を多重に配置
した吸着装置(→請求項9〜12参照)を用い、) 一方の吸着装置にガス状炭化水素を含む廃棄ガスを通過
せしめ、該吸着装置内の吸着剤層にガス状炭化水素を吸
着させ、実質的にガス状炭化水素を含まない廃棄ガスを
大気中に放出し、その間に、他方の吸着装置を脱着に切
り換え、該吸着装置内の吸着剤層に吸着したガス状炭化
水素を、真空ポンプで吸引して離脱せしめ、パージ排ガ
スに移行させることから成る廃棄ガス中に含まれる希薄
なガス状炭化水素の処理方法において、 ・前記パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄
ガスに戻し、これによって、吸着剤層内の炭化水素濃度
を高め、該吸着剤層が破過する前に脱着に切り換える、
ことを特徴とする廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭
化水素の処理方法。」(請求項1)を特徴(発明を特定す
る事項)とする。
したように、 ・パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガス
に戻し、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めること(第1
の特徴点)、 ・吸着剤層が破過する前に脱着に切り換えること(第2
の特徴点)、を特徴とし、これによって、廃棄ガスから
安全に、しかも容易に、かつ効率よく炭化水素を処理す
ると共に、処理後に、大気中に放出するガス中の残存炭
化水素濃度を100ppm以下、特に“20ppm以
下”にすることができる。
中のガス状炭化水素の一部が液化した場合、該液状炭化
水素を燃焼処理し、または、産業廃棄物として無害化処
理することを特徴とし(請求項2)、これにより、ガス状
炭化水素の回収に伴う煩雑な手段を回避できる。
が、活性炭および/または疎水性シリカゲルの層から成
り、その頂部に合成ゼオライト層を配することを特徴と
し(請求項3)、このような吸着剤を組み合わせることに
より、吸着剤層内の温度を容易に、かつ速やかに、常温
近くに一定させることができ、吸着剤の性能を無駄な
く、フルに発揮させることができる。
填した吸着剤層に、ガス状炭化水素でプレコートするこ
とを特徴とし(請求項4)、これにより、本来優先的に吸
着される廃棄ガス中の窒素ガスや酸素ガス,更には水分
の吸着を防止し、廃棄ガス中のガス状炭化水素を有効に
吸着させることができ、吸着剤層を極めて有効に活用す
ることができる。
ガス状炭化水素を離脱せしめる手段として、被吸着炭化
水素の沸点以上に加熱した空気または液体の“水”を使
用することを特徴とする(請求項5)。ただし、加熱空気
を使用する場合は、活性炭以外の吸着剤を使用する場合
である。活性炭以外の例えば不燃性の疎水性シリカゲル
を用いる場合は、最高250℃という高温の空気をパー
ジガスとして用いることができる。また、本発明に係る
方法において、特に液体の“水”を使用すると、この水
は、真空ポンプとの併用によって脱着装置の内部で気化
させ、パージガスと同様な作用効果を発揮させ得るばか
りでなく、気化したガス量は、従来のスチーム使用の場
合の“数十分の一”という少ないガス量でパージできる
という顕著な作用効果が生じる。
層が破過する前に脱着に切り換える手段”としては、 ・吸着剤層内の頂部に温度検知ポートを配設し、該温度
検知ポートからの温度がその上昇を停止した時点をもっ
て、自動的に電磁弁を切り換えることを特徴とし(請求
項6)、また、 ・吸着運転時に得られる吸着装置の「入口のガス流
量」,「入口ガス中の炭化水素濃度」及び「出口ガス中
の所望の炭化水素濃度(仮定値)」を数値データとしてチ
ップに読み込ませ、該チップ内に組み込んだ制御を目的
としたシミュレーションモデルを用いて切り換え時間を
予め設定することを特徴とし(請求項7)これらの手段を
採用することにより、吸着剤層の破過時点を自動的に検
知でき、吸着・脱着の切り換えを自動的に行うことがで
きる。
装置から大気に排出されるクリーンなガス中の炭化水素
濃度を100ppm以下にすることができるものである(請
求項8)。
1〜請求項8のいずれかに記載の処理方法を実施するた
めの装置であって、該装置中の“吸着剤層を有する吸着
装置”が、吸着剤層を含むコンポーネントからなり、該
コンポーネントが密閉し得るが閉鎖し得ない容器からな
ること」を特徴(発明を特定する事項)とし(請求項9)、 ・前記“吸着剤層を有する吸着装置”が、吸着剤層を囲
い、かつ廃棄ガスが円周方向に通気できる円筒を多重に
内蔵する吸着装置であること(請求項10) ・前記吸着剤層の囲いが、箱型コンポーネントないしは
ハニカム型コンポーネントであって、該コンポーネント
を多重に内蔵する吸着装置であること(請求項11)、 ・前記吸着剤層が、径が0.1〜1mmの微粒の吸着剤
を充填した層からなること(請求項12)、を特徴と
し、これにより、特に、1分間に数百m3という大量の
廃棄ガスを処理する場合に好適な装置を提供することが
できる。
置(以下、単に“本発明”という)の実施の形態について
説明すると共に、本発明をより詳細に具体的に説明す
る。
り、「パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄
ガスに戻し、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めること」
にあり、第2の特徴点は、「吸着剤層が破過する前に脱
着に切り換えること」にあり、これによって、廃棄ガス
から安全に、しかも容易に、かつ効率よく炭化水素を処
理すると共に、処理後に、大気中に放出するガス中の残
存炭化水素濃度を100ppm以下、特に“20ppm以
下”にすることができる。
説明すると、本発明に係る方法の一実施形態としては、
パージ排ガスの全量を被処理廃棄ガスに戻すが、パージ
排ガス中の炭化水素濃度が極端に高い場合、吸着剤層が
極めて短時間に破過するようになり、これでは、廃棄ガ
スの処理に悪影響を与えことになる。そのため、本発明
の他の実施形態としては、炭化水素濃度が極端に高い場
合に、パージ排ガスの一部を取り出し、これを無害化処
理、例えば燃焼処理に付し、残部(大部分)のパージ排ガ
スを被処理廃棄ガスに戻すのが望ましい。また、パージ
排ガス中のガス状炭化水素の一部が液化した場合、該液
状炭化水素を分取し、これを燃焼処理し、または、産業
廃棄物として無害化処理することもできる。
装置が破過する前に脱着に切り換える」点について説明
すると、本発明における破過の検知手段は、基本的に
は、装置に組み込んだ回路チツプによるものであるが、
最近めざましく進歩してきた超小型のチツプを用いるた
め、前記公知技術(前掲の特開昭55-35996号公報に開示
されている技術)に記載されているような演算を目的と
する大型マイクロプロセッサーを必要としない。そのう
え、本発明の好ましい実施形態によれば、運転時に得ら
れたデータを拾ってきて、物質収支と熱収支の計算だけ
をさせるのではなく、吸着モデルをROMに打ち込ん
で、一方刻々に変化する運転時のデーターをロガ信号と
してパソコンに読み込ませ、シミュレーシヨンさせるこ
とによって、破過濃度を好ましくは秒の単位で予測し、
吸着系を制御しようとする点で、前記従来技術とは全く
異なる。つまり、本発明の好ましい実施形態である「破
過濃度を吸着モデルのシミュレーションによって予測す
る」という発想と明らかに相違する。
提案されているが、その中でも、 ・吸着剤の物性、即ち、“吸着等温曲線および吸着塔内
部の吸着圧力,真空ポンプの真空度,塔内ガス流速,吸
着剤層の高さ,パージ係数”を固定(frozen)し、そし
て、時々刻々に変化する“入口ガス流量と濃度”を変数
にして、切り換え時間か、若しくは、吸着剤層の出口濃
度(破過濃度)を仮定値としてチツプに入力して演算させ
る、いわゆる“Frozen Model”が著名である。この他
に、時間がかかるが精度において優れた“平衡モデル”
も知られているが、本発明で用いる「吸着モデル」とし
ては、特にこれらに限定するものではない。
破過する前に脱着に切り換える」点を必須の構成要件と
する理由は、前記本発明の第1の特徴点である「パージ
排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガスに戻し、
吸着剤層内の炭化水素濃度を高める」点と密接に関連す
る。即ち、処理すべき廃棄ガスの量と含まれるガス状炭
化水素濃度が一定せずに刻々と変化し、破過する迄の時
間を予め想定することが困難である場合において、更に
加えて、該廃棄ガスに未凝縮パージ排ガスを混入するこ
とにより(第1の特徴点を採用することにより)、吸着装
置入口ガスの炭化水素濃度および吸着装置内の吸着剤層
中の炭化水素濃度が、共により一層変化し、そのため、
破過する迄の時間を予め想定することがより一層困難に
なるからである。従って、この問題点を解消するため
に、上記第2の特徴点を必須の構成要件とするものであ
る。
る時間制御による切り換え手段を排除するものではな
い。何故ならば、吸着塔の入口ガス(廃棄ガス+前記未
凝縮パージ排ガス)に含まれるガス状炭化水素の濃度が
時間の経過においてほぼ一定の場合は、吸着塔の運転を
開始して破過する迄の時間を予め求めておき、次回の吸
着操作では、この時間を目安にして切り換えることも便
法の一つであるからである。
刻々変動する場合、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、吸着剤層に吸着されるガス状炭化水素の濃度を破過
寸前にまで自動的に高濃度に濃縮することができる。そ
して、これを僅かなパージ排ガス量として取り出した後
は、前記したとおり、このパージ排ガスの一部を取り出
し、これを例えば燃焼処理に付すことができ、また、パ
ージ排ガス中のガス状炭化水素を液状炭化水素として分
取し、これを燃焼処理し、または、産業廃棄物として無
害化処理することもできる。
としては、吸着に要する時間と脱着に要する時間とが余
りにも違い過ぎる場合、例えば、吸着して破過寸前にな
るまでに数日かかり、一方、脱着工程は数時間で済むと
いった場合、作業を管理する者の立場からすれば、必ず
しも好ましい方法とは言い難い。
れている場合には、吸着剤層の頂部付近では、吸着すべ
きガス状炭化水素の量が極端に少なくなっており、この
ために発生する吸着熱量が極端に少なくなり、しかも、
それを上回る熱量が冷却水や吸着塔の塔壁から外に放散
されるようになる。その結果、チツプにデータを取り込
むために頂上付近に差し込んだ測定ポートからの信号、
即ち、指示温度が停止し、そのうちに次第に温度が下が
ってくる。この時点を見計らって自動的に吸・脱着の切
り換え弁(電磁弁)を切り換える手段を併用すれば、前述
の欠点は解消でき、これも本発明に包含されるものであ
る。
きさにコントロールされ、局部的に吸着量にムラが生じ
難い、しかも、廃棄ガス中の相対湿度が約50%以上と
高い領域でも、水分を吸着し難い吸着剤であり、例えば
合成ゼオライトのような吸着剤が最適である。そこで、
本発明の好ましい実施形態の一例としては、吸着剤層の
頂部に合成ゼオライト層を配することであり、そして、
この合成ゼオライトからなる吸着剤層内に温度検知ポー
トを配設し、該温度検知ポートからの温度がその上昇を
停止した時点をもって、自動的に電磁弁を切り換える手
段を採用することである。そして、この合成ゼオライト
からなる吸着剤層の下部に充填する吸着剤としては、プ
レコートされた活性炭、または、同じくプレコートされ
た疎水性シリカゲルが好適である。
上記“プレコート”の技術的意義について説明する。吸
着剤層にガス状炭化水素が濃縮される程度は、理論的に
は、真空度が25mmHgの場合、炭化水素だけが吸着
されるのであれば“760/25”、すなわち“約25
倍”の濃さになるが、通常、多量の空気が共存してお
り、そして、この空気中の窒素ガスや酸素ガスの分子径
は、炭化水素の分子径よりも極めて小さく、このため、
窒素ガスや酸素ガスが炭化水素ガスに優先して吸着され
ることになる。その結果として、入口の炭化水素濃度の
4倍の濃さにしか濃縮できないことが経験的に知られる
ている。
ライト,疎水性シリカゲル等の固体吸着剤では、全く水
分を吸着しないという吸着剤ではなく、図6に示すよう
に、被吸着ガス中の水分の相対的濃度によって、吸水率
は大きく変化する。被吸着ガスが湿った空気の場合、関
係湿度が約40%以下では殆ど水分を吸着しないが、5
0%を超えると急激に水を吸着するようになる(図6参
照)。なお、図6は、活性炭の水分吸着等温線を示した
が、他の疎水性の吸着剤についても同様なことが言え
る。
中の窒素ガスや酸素ガス,水分の吸着を妨げるために、
吸着剤層を予めプレコートするのが望ましい。プレコー
ト手段としては、例えば、処理すべき廃棄ガスに液状炭
化水素を滴下することにより、具体的には、処理すべき
廃棄ガスの導管に液状炭化水素をスプレーすることによ
り、吸着剤層をプレコートすることができる。また、プ
レコート剤としては、上記液状炭化水素以外に、例え
ば、水と親和性があって沸点が水より高い炭化水素のよ
うな物質を使用することができる。
水素を含む大量の廃棄ガスを処理する手段の開発にあた
って、データを取り込む手段である“ロガ信号”という
ハード面における要素技術をこのシステムに巧みに組み
込み、さらに、制御システムに組み込んだ“ROM化し
た吸着モデルのシミュレーション”という、いわゆるソ
フト面における新規な手段を併用することによって、入
口の炭化水素濃度が刻々変化するに関わらず短時間内に
破過濃度を容易に推定でき、更に適切な吸着剤を選定す
ることにより、吸着剤層内の温度を容易に、かつ、速や
かに、常温近くに一定させることに成功した。
を、単に時間のサイクルで設定するのではなく、“吸着
モデル”を組み込んだパソコン(ソフト)の判断に任せる
ことによって、吸着剤の性能を無駄なく、フルに発揮さ
せることができるようになった。このため、パージ排ガ
ス中の希薄な炭化水素を破過する寸前にまで濃縮し、そ
して、極めて少量のパージ排ガスで、且つ、極めて濃厚
な炭化水素として取り出すことが可能となった。
る吸着剤としては、素材が可燃性,不燃性を問わず、廃
棄ガス中の炭化水素ガスと親和性のある固体吸着剤であ
れば任意に使用することができる。しかし、廃棄ガス中
の炭化水素の濃度が5000ppm程度と希薄な場合は、望
ましくは、安価で入手が容易な疎水性シリカゲルが望ま
しい。その理由は、パージガスの温度を約250℃まで
高めて使用することができるためである。
メチルクロロシラン等のシランカップリング剤で疎水化
処理したものや、高温で長時間処理して疎水性,親油性
を持たせたもの、或いは、エチレングライコールやヘプ
タンのような高沸点の炭化水素でプレコートした吸着剤
が好適である。もつとも、最適な吸着剤はと言えば、R
Hが50%以上であつても、数%の水しか吸はない個体
吸着剤である。そもそも、吸着剤として用いられる活性
炭,合成ゼオライト,シリカゲル,活性アルミナ等の固
体吸着剤は、ガス状炭化水素と強い親和性を持つ一方、
断熱剤としても重用されているものである。また、合成
ゼオライトは別として、それ以外の吸着剤は、吸着孔径
の分布が広いため、吸着箇所の濃度が一様ではなく、ロ
ーカルヒーテイングを起こし易い。
活性炭の場合は、粒径や上昇温度にもよるが、約4イン
チ以上の厚みでは、吸着熱を冷却水層にまで短期間に移
動させることができないとされている。従つて、4イン
チ以上の厚みでは、円周方向の熱移動にそれ程期待でき
ず、縦方向に流れるガスが持ち出す熱移動に頼ることに
なる。このため、吸着塔内の温度分布に影響されて、或
る幅をもつ吸着帯層が均一に、かつ、一様に吸着塔出口
に向かつて移動するかどうかが問題になる。即ち、破過
時点の濃度を吸着塔の出口で検知する場合は問題になら
ないが、吸着剤の中に埋め込んだ位置に配した検知ポー
トで見る場合は問題になる。
着剤層の最上段、即ち、出口にもつとも近い位置に合成
ゼオライトを載せることである。例えば、Y型ゼオライ
ト“360HUD(東ソー社の製品名)”等である。合成
ゼオライトは、疎水性シリカゲルや粒状活性炭と違っ
て、孔径が或る大きさに厳密にコントロールされ、選択
する素材によっては、ガス状炭化水素の分子径のほぼ全
部をカバーしている品種もある。しかも、ガス状炭化水
素を吸着する割合は、重量比で15〜20%であるのに
も関わらず、RHが50%以上の状態のガスに対しても
水の吸着量は10%以下である。このため、この層を移
動する或る巾を持つた吸着帯には片寄りが生じないから
である。
並びに温度の検知用ポートは、合成ゼオライト層の中心
部に配する必要がある。このようにすれば、破過時点を
検出する上記の手段に併せて、その中心部での温度の指
示が、吸着熱による温度の上昇を停止した時点を切り換
えの目安にすることができる。かかる合成ゼオライト
は、SiO2/Al2O3の比が20以上で、約8オング
ストロームの孔径をもつものが望ましい。
る“吸着剤層を有する吸着装置”の実施形態(第1およ
び第2の実施形態)について説明する。
いる“吸着剤層を有する吸着装置”の第1の実施形態
は、吸着剤層の温度と濃度を局所的に均一化するため
に、上記の吸着剤層中で発生した吸着熱を横方向に吸着
剤層から速やかに移動させ、除去する手段として、ガス
状炭化水素を吸着するための吸着剤層と、この吸着剤層
を冷却するための冷却水層とが、隣接して構成される
“2重円筒または多重円筒型の吸着塔”を用いることが
好ましい。そして、吸着剤層内に発生する静電気が該層
の中心部に集まる傾向を考慮して、冷却を兼ねて静電気
を逃がすために、金属製の円筒を中心部に配した構造の
吸着塔の使用が望ましい。
的な吸着塔について、図3を参照して説明すると、この
吸着塔1a(1b)は、外筒2a(2b),吸着剤層3a
(3b),内筒4a(4b),冷却水5により構成される。
なお、この吸着塔1a(1b)は、後記する本発明の実施
例1で使用する吸着塔であり、図中の3-1a(3-1b)は
活性炭であり、3-2a(3-2b)はY型合成ゼオライトで
ある。
て付記すべき点の一つは、吸着塔の内部の圧力を高めれ
ば、吸着剤に吸着される炭化水素の有効吸着量が格段に
増加することはPSA法の理論から言って当然のことで
あるので、本発明の実施に際しても、吸着塔1a(1b)
の内圧を「高圧法規」に抵触しないゲージ圧“1kg/
cm以下”で操作することは極めて望ましいことであ
る。
いて、従来から汎用されている“塔式であって、内部に
密に吸着剤を充填した吸着装置”をも用いることができ
るが、処理すべき廃棄ガスの量が多量の場合には、この
従来型では問題が生じる。この問題点を詳細に説明する
と、例えば1時間に“36,000m3”の廃棄ガスを処理し
ようとする場合、従来型では、塔径が約10m必要にな
る。
通過する廃棄ガスの通過速度[即ち吸着剤と接触する時
間(SV値)]に制限があるためである。一般にこの速度
は、吸着剤粒子が流動しない値以下に定められており、
通常“10〜20cm/sec”である。このガス通過速度
の平均値“15cm/sec(0.15m/sec)”をとって
算出すると、次式で示すように“10m”となる。 ・式:πR2×0.15=36,000/3,600=
10 本発明では、このような塔径の吸着塔を用いることは現
実的ではない。
密に関係する。例えば、同じ容量の吸着剤層に粒径の大
きな吸着剤と粒径の小さな吸着剤を詰め込んだ場合を比
較してみると、当然のことながら粒径の小さい方が効率
は良くなるけれども、流動し易くなるので、小さすぎて
も問題がある。このため、従来使用されている吸着剤
は、その径としては、吸着剤の種類や形状等にもよる
が、2〜3mmが適当とされている。吸着剤の流動を避
け、かつ密に充填した吸着装置としては、繊維状活性炭
のクロスを吸着装置の内部に配位させ、このクロスを横
切る方向に廃棄ガスを流すような構造のものであり、こ
の具体例としては、前述の「K−フィルター(日東紡社
製の商品名)」,「パイロメックス(東邦レーヨン社製の
商品名)」である。
を大きく取れる利点がある反面、吸着剤層が薄いため、
接触時間が短く、廃棄ガス中の希薄な炭化水素を充分に
捕集できないという欠点を有している。しかも、この装
置における脱着手段としては、スチームの使用以外に考
えられず、真空ポンプの併用ができないものである。
av”、即ち、“総括物質移動容量係数(1/sec)の
値”で示される。本発明者が行った実験および本発明者
が建設した工業装置での運転実績の解析から、KFav
の値は、粒径が2〜3mmの吸着剤を使用した場合は、
ガス状炭化水素の性状にもよるが、ほぼ“3〜6”の範
囲にある。これに対して、繊維状活性炭を使用した場合
は、“15〜25”の範囲にあって、吸着性能が数倍優
れていることになる。具体的に言えば、ガスと吸着剤の
接触時間が“約1/5”で済むということになる。
き廃棄ガスが大量である場合にも適応できる、新規で且
つ経済的な吸着装置[本発明で用いる“吸着剤層を有す
る吸着装置”の第2の実施形態]を開発したものであ
る。本発明の新規で且つ経済的な吸着装置(第2の実施
形態に係る吸着塔)としては、充填する吸着剤として、
0.1〜1mmの微粒(望ましくは0.2〜0.5mm
の微粒)を用い、これによってガスとの接触時間を短縮
し、かつ、ガスの通過面積を広げるべく吸着装置内の吸
着剤層の配位を多重にしたものである。
mの微粒を用いることによって、接触時間が従来の手段
に比べて“約1/5”に短縮し得るという優れた作用効
果が生じる。しかも、このように“約1/5”に短縮す
ることができると言うことは、吸着剤層の厚みも“約1
/5”になると言うことである。
て、この厚み(層高)は“1〜2m”であるが、本発明の
上記吸着装置では、吸着剤層の厚みが“約1/5”なる
ところから、その厚みは“20cm〜40cm”とな
り、その結果として、原則として吸着剤層を冷却する必
要がなくなると言う優れた作用効果が生じる。その理由
は、吸着剤層を通過する多量な廃棄ガス中に含まれる炭
化水素ガスは極めて希薄であり、殆どが空気であるた
め、空気の持ち出す熱量を上回るほどの吸着熱が吸着剤
層に留まることはないからである。
用いる吸着装置では、廃棄ガスはこの吸着剤層を一回の
通過で終わるため、吸着した炭化水素の濃度が極めて薄
く、脱着の手段としてはスチーム以外には考えられなか
った。しかし、本発明の上記吸着装置では、パージ排ガ
スの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガスに戻すことに
より、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めることができる
るため、従来の吸着装置では成し得なかった真空ポンプ
の併用を可能にしたものである。また、真空ポンプを併
用することによって、脱着の際のパージ媒体に水を用い
ることが可能になったものである。(“真空ポンプの併
用”“パージ媒体として水の使用”については、後記参
照)
新規で且つ経済的な吸着装置[本発明で用いる“吸着剤
層を有する吸着装置”の第2の実施形態]の具体的な吸
着塔について、図4および図5(A),(B)を参照して説
明すると、この吸着塔41a(41b)は、吸着剤層43
a(43b)を充填した外筒42a(42b)および42
a’(42b’)の二重円筒で構成される。そして、廃棄
ガスは、図5の(B)の矢印線に示すように吸着剤層43
a(43b)内を通過し、このように、ガスの通過面積を
広げるように構成したものである。なお、この吸着塔4
1a(41b)は、後記する本発明の実施例2で使用する
吸着塔であり、図中の43-1a(43-1b)は破砕活性
炭,43-2a(43-2b)はY型合成ゼオライトである。
本発明者は、本発明で提案した装置をシステムとして一
体化し、スキツドに載せられるような可搬性を持たせた
装置にするべく鋭意研究の結果、本発明に至つたもので
ある。即ち、本発明者が既に取得した特許第2840563
号,特許第2766793号,特許第2823835号 並びに出願中
の特願平9-245318号等々に開示したアダプター方式や置
換パージ方式によるのではなく、また、パージ排ガスの
ガス状炭化水素を回収するにあたって、同質の炭化水素
液体で洗浄する方法を用いることなく、さらには、脱着
ガスをリサイクルさせて吸着塔内の炭化水素濃度を濃く
した後に煩瑣な冷却手段を用いて該ガスからガス状炭化
水素を液体として回収する方法ではなく、回収手段を省
略した簡潔な、かつ、経済性のある方法を提供したもの
である。
着剤層に吸着したガス状炭化水素を離脱せしめる手段と
して、被吸着炭化水素の沸点以上に加熱した空気または
水を用いることができる。このうち、特に“水”の使用
が好ましい(後記参照)。(なお、この空気としては、吸
着剤層から大気中に排出されるクリーンなガスの一部を
用いることができる。)
棄ガス中に含まれる希薄な炭化水素の無害化処理手段”
においては、もつぱら吸着法が用いられてきた。使用さ
れる吸着剤は、例外を除いて、粒状の活性炭もしくは繊
維状の活性炭である。しかしながら、この種の活性炭
は、他の吸着剤に比して吸着能力は抜群に優れているも
のの、極めて脱着し難い欠点を有している。このため
に、前述したような脱着に際しては、充填した活性炭量
の約3倍もの大量のスチームを用いているのが現状であ
る。しかも、スチームに同伴された炭化水素は、水と一
緒に活性汚泥処理装置のような廃水処理手段で無害化し
ているのが現状である。
ガスとして大量に用いて脱着することは、活性炭が燃え
る危険性があり、常温の空気以外もしくは不燃性の窒素
以外は、活性炭の使用は消防法で許可されていない。し
かしながら、吸着剤に不燃性の疎水性シリカゲルを用い
る場合は、かような危険性は全くない。このために、最
高250℃という高温の空気をパージガスとして用いる
ことが可能になった。(なお、ガス状炭化水素の濃度
は、爆発下限値以下に定められている。従って、望まし
くは約5000ppm以下でなければならない。)
同伴して脱着されたガス状炭化水素は、パージ排ガスと
してそのまま燃焼させるには好適なガスである。更に、
脱着の際の補助的手段として、真空ポンプを併用する場
合、加熱空気の量、即ちパージ係数が大きい程真空ポン
プの負荷が軽減されるばかりではなく、脱着が充分に遂
行され、このため、吸引する真空度は“60〜150T
orr”で充分である。真空ポンプが高価であるが故に
本発明適用の著しい効果であると言うことができる。
合、脱着の際のパージガスとしては、前記したとおり、
従来は大量のスチーム(ないしは窒素ガス)以外に選択肢
がなかったが、本発明では、液体の“水”を用いること
を見い出した。水を脱着塔に注入することにより、真空
ポンプの助けを借りて脱着塔の内部で気化させ、パージ
ガスと同様な作用効果を発揮させ得るばかりでなく、気
化したガス量は、従来のスチーム使用の場合の“数十分
の一”という少ないガス量でパージできる、という顕著
な作用効果が生じるものである。
合、その際に使用する真空ポンプとしては、水封式真空
ポンプが望ましい。その理由は、濃縮された炭化水素ガ
スが水封の水に混じって産廃処理に好適な廃水および廃
水量になるためである。
た通りであるが、尚、本発明に係る方法は、公知のPS
A法やPTSA法を適用することができ、その他、VS
A法,VTSA法などにも適用することができ、これら
の適用も本発明に包含されるものである。また、本発明
は、廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素を濃縮
して分離させる処理方法および該方法を実施するための
装置を提供したものであつて、塗装時に発生する希薄な
多成分系の炭化水素ガスに限らず、ベンゼンやトルエ
ン,トリクロロエチレン,メチルエチルケトン、更に
は、フロンのような単一成分の希薄なガスに対しても広
く適用されるものである。
的に説明するが、本発明は、以下の実施例1および実施
例2に限定されるものではない。
ある「廃棄ガス中の希薄なガス状炭化水素の処理方法」
を説明するためのフローシート図であり、図2は、図1
に示すフローシートにおける「運転状況を把握し制御す
るための制御盤」の一例を示す図である。また、図3
は、図1に示すフローシートにおいて使用した吸着塔の
構造の一例(実施例1)を示す縦断面図である。
水5が循環する内筒4a(4b)及びその外側に吸着剤層
3a(3b)を充填した外筒2a(2b)の二重円筒で構成
される吸着塔1a(1b)を用いた。なお、内筒4a(4
b)を流れる冷却水5は、乱流にして吸着剤層3a(3
b)を流れる廃棄ガスと向流に流すようにした。また、
吸着剤として粒状活性炭(粒状白鷺一号:武田薬品工業
社製の商品名)およびY型合成ゼオライト(360 HU
D:東ソ−社製の商品名)を用いた。そして、図3に示
すように、粒状活性炭3-1a(3-1b)の上部にY型合成
ゼオライト3-2a(3-2b)を吸着塔1a(1b)に充填
し、吸着剤層3a(3b)として実施に供した。なお、上
記粒状活性炭は、予めベンゼン蒸気でプレコートしたも
のを用いた。
説明すると、廃棄ガス発生源(図示せず)から発生した廃
棄ガス(約5000ppmのベンゼンを含む廃棄ガス:20リ
ットル/分のガス量)を、ゲ−ジ圧1kg/cm以下に
圧縮するブロアー(図示せず)又は自圧で廃棄ガス送気管
11より、吸着塔1aに送気する。この際、吸着剤層3
a(3b)を通過するガス速度は“約10cm/秒”であ
った。吸着工程を終えた処理済み廃棄ガスは、吸着塔1
a(脱着工程に切り換えた後は吸着塔1b)の頂部から、
排出管12を介して、20ppm以下のベンゼンベーパ
ーを含む空気(クリーンなガス)として大気中に放出す
る。
程と後記する脱着工程とを交互に切り換えながら運転す
るが、この切り換え時点は、吸着塔1a,1b内の吸着
剤層が破過する前に行い、そして、図1に示す弁(ニ),
(ニ)を自動的に開閉することにより行う。即ち、吸・脱
着の切り換え用弁(ホ),(ホ)の開閉は、 ・吸着塔1a,1bの「入口ガス流量」“J”と「入口
ガス濃度」“H”とを図2に示すメモリー21に読み込
ませ、予めメモリー(吸着モデル)23に記入した吸着モ
デルのCPU(演算)22による演算結果を示す“破過予
想時間”と、 ・吸着剤層の上部に配した温度検知ボ−ド(図示せず)に
よって、Y型合成ゼオライト3-2a(3-2b)[前掲の図
3参照]から取りだした吸着剤層内の「温度」“F”,
“G”がその上昇を停止した時点と、を併用して自動的
に切り換える。
(脱着工程に切り換えた後は吸着塔1b)には、送水管
13を介して、水を吸着塔1a(脱着に切り換えた塔)
に供給し、併せて水封式真空ポンプ14(ナッシュポン
プ:栗村制作所製の商品名)を用いて、吸引することに
より脱着させる。本実施例1では、上記水封式真空ポン
プ14を約60Torrで運転し、吸着塔1a(脱着に
切り換えた塔)内を低圧(真空)にする。これにより、供
給した水は、この吸着塔1a内で蒸気となってパージガ
スとなる。そして、パージ排ガス送気管15から水封式
真空ポンプ14を経て、パージ排ガスとして取り出す。
ガスの冷却には、室温の工業用水を用いた。即ち、パー
ジ排ガスは、気液分離器16に送気される。気液分離器
16は、内部に配した冷却管(図示せず)を流れる工業用
水によって、冷やされる。この際、パージ排ガス中のベ
ンゼンベーパーは、下部に連結した気液分離器16に、
水封の水に混じって凝縮液化し、未凝縮ガスと分けられ
る。溜まった水とベンゼンは、系外に取り出し、産業廃
棄物処理装置17で産廃処理する。
中には、尚、ベンゼンベーパーが残存するので、リター
ンガス送気管18を介して、再度廃棄ガス送気管11に
戻し、廃棄ガスと一緒にして吸着処理を行う。未凝縮ガ
スには、高濃度の残存ベンゼンが含まれており、この全
量を廃棄ガス送気管11に戻すことにより吸着塔内のベ
ンゼン濃度が益々濃くなる。そして、前記の手段を用い
て、この吸着塔内の吸着剤層が破過する時点を予測して
弁(ホ)の切り換え時期を設定し、脱着操作に自動的に切
り換える。
を把握するために設けた計器の位置を示したものであ
り、一方、(イ)〜(ニ)は、運転制御のために設けた弁の
位置を示したものである。また、図2は、図1に示した
フローにおいて、運転状況を把握し制御するための制御
盤20を示したものであり、メモリ21,メモリ(吸着
モデル)23およびCPU(演算)22から構成されてい
るものである。なお、図2において、メモリ21に読み
込ませるデ−タ信号として、吸・脱着切り換え時に必要
なものだけを“X”として挙げた。(その他のデ−タ信
号の読み込みを省略した。)
脱着の切り換えを吸着塔が破過する前にデータロガ信号
で検知して行うため、ガス状炭化水素が希薄な場合は、
その濃度を吸着塔で数倍に濃縮することができ、且つ吸
着剤層の発熱を除去する冷却手段を工夫したことにより
(前掲の図3参照)、局部加熱が避けられており、運転期
間中の吸着剤層の温度はほぼ常温であった。また、排出
管12から大気中に放出されるガス中のベンゼン濃度
は、実質的に20ppm以下であった。
吸着塔の縦断面図である。また、図5は、図4の吸着塔
を更に説明する図であって、そのうち、(A)は図4のA
−A断面図、(b)は図4の部分拡大詳細図である。本実
施例2では、図4および図5(A),(B)に示すように、
吸着剤層43a(43b)を充填した外筒42b(42b)
および42a’(42b’)の二重円筒で構成される吸着
塔41a(41b)を用いた。
破砕活性炭(HC42:ツルミコール社製の商品名)およ
び粒径が1.0mmのY型合成ゼオライト(360HU
D:東ソー社製の商品名)を用いた。そして、図4およ
び図5の(b)に示すように、破砕活性炭43-1a(43-
1b)の上部にY型合成ゼオライト43-2a(43-2b)を
吸着塔41a(41b)に充填し、吸着剤層43a(43
b)として実施に供した。なお、上記破砕活性炭は、予
めベンゼン蒸気でプレコートしたものを用いた。
(A),(B)に示す吸着塔41a(41b)を用い、上記し
た破砕活性炭およびY型合成ゼオライトを使用した以外
は、前記実施例1と同様の条件,手段で、廃棄ガス(約5
000ppmのベンゼンを含む廃棄ガス:300リットル
/分のガス量)を処理した。なお、この際に吸着剤層4
3a(43b)を円周方向に通過するガス速度は、“1.
5cm/秒”であった。
ら大気中に放出されるガス中のベンゼン濃度は、市販さ
れているポータブルのHC濃度検知管(イソブタン換算)
で検知できないないほどの微量な量であった。
ス中のベンゼン濃度が20ppm以下であるのに対し
て、本実施例2では、上記したように、検出検知できな
いないほどの微量な量であり、前記実施例1に比し優れ
ていることが理解できる。また、本実施例2では、“3
00リットル/分(18m3/時)”という大量の廃棄ガ
スを有効に処理できることが理解できる。
3に示した2重円筒の吸着塔1a,1bを用いたが、本
発明は、このような2重円筒に限定されるものではな
く、例えば吸着剤を内筒に充填し、その外側に吸着剤層
を冷却するための水を循環するようにした二重円筒、ま
たは、多重円筒型の吸着塔を用いることもできる。ま
た、本発明の実施例2として、前掲の図4,図5に示し
た多重円筒の吸着塔を用いたが、本発明は、このような
多重円筒に限定されるものではなく、例えば吸着剤をハ
ニカム状のコアーに充填し、それを束ねて構成される吸
着装置、ないしは、吸着剤を箱に詰めてそれを重ねて構
成される吸着装置などを用いることもできる。その他の
要件についても、上記実施例に限定されるものではな
く、前記した本発明の特徴(発明を限定する事項)の範
囲内で種々の態様が可能である。
しくは大部分を、被処理廃棄ガスに戻し、これによって
吸着剤層内の炭化水素濃度を高め(第1の特徴点) ・この吸着剤層が破過する前に脱着に切り換える(第2
の特徴点)ことを特徴とし、これにより、廃棄ガスから
安全に、しかも容易に、かつ効率よく炭化水素を処理す
ると共に、処理後に、大気中に放出するガス中の残存炭
化水素濃度を100ppm以下、特に「20ppm以下」に
することができる。
あるガス状炭化水素の除去処理において、大気汚染防止
法の改正で定められた(平成9年2月6日に官報告示)ベン
ゼン濃度の排出基準「30ppm以下」を完全にクリヤ
ーできるのみならず、更にこの数値が半分以下の厳しさ
になつても充分対応できるものである。また、本発明
は、本発明に係る方法を装置化する際、システムを一体
化してスキツドに載せられるように、可搬可能なように
成し得るものである。
ガス状炭化水素の処理方法」を説明するためのフローシ
ート図である。
把握し制御するための制御盤」の一例を示す図である。
である。
である。
の(A)は、図4のA−A断面図であり、同(B)は、図4
の部分拡大詳細図である。
化水素の処理装置
れる希薄なガス状炭化水素の処理装置に関し、特に、大
気汚染の原因である有害なガス状炭化水素を含む廃棄ガ
スから、該炭化水素を効率よく分離し、無害化処理する
方法を実施するための処理装置に関する。具体的には、
有害なガス状炭化水素として、例えば、発がん性があ
り、大気公害の原因物質の一つであるベンゼンやトルエ
ン,メチルエチルケトン,トリクロロエチレン,フロン
等のガス状炭化水素を含む廃棄ガスの処理に係り、該炭
化水素の濃度を100ppm 以下(好ましくは10pp
m以下)にして、大気中に排出するための上記処理装置
に関する。
ンやトルエン,メチルエチルケトン,トリクロロエチレ
ン,フロンなどのガス状炭化水素については、米国,欧
州,日本をはじめとする先進国では、大気中に放散する
濃度を法的に厳しく規制している。規制値の水準は、各
国の事情によつて異なるが、日本を除く先進諸国では、
例えばベンゼンについては「5ppm以下」であり、日
本に於いても環境庁告示第5号(平成9年2月6日)によ
れば「30ppm以下」に規制されるようになった。
として特に問題視されているのは、例えば、印刷工場や
クリーニング工場,塗装工場等で発生する大量でしかも
約5000ppm以下の希薄な廃棄ガスであり、工場の
みならず、それ等を貯蔵するタンクから荷揚げする時や
積み卸しする時に発生する廃棄ガスである。
述のようなガス状炭化水素を含む廃棄ガスの無害化処理
方法として、従来から広く用いられている方法は、 (1) ガス分離膜法+吸着法 (2) 活性炭やゼオライト,疎水性シリカゲル等を用い
る吸着法 などである。
流の技術であつて、廃棄ガスが大量の場合、ガス分離膜
法(加圧膜法)を施した後の処理にポリッシング工程と
して吸着法を用いるものである。日本においても、特公
平4−23568号公報や特開平7−284623号公
報にみられるように、この分野に属する技術が開示され
ている。一方、米国でもっとも広く採用されている方法
は、前記(2)の吸着法であって、特に活性炭を用いる吸
着法である。この方法については、特開昭57−146
87号公報,特開昭57−42319号公報,特公昭5
9−50715号公報,特公昭59−50716号公
報,特公平2−46630号公報に開示されている。
素を含む大量の廃棄ガスを処理して、大気中に放散する
クリーンなガス中の炭化水素濃度を1000ppm以下
にするには、上記した活性炭を用いる吸着法が最もすぐ
れた工業的手段である。(なお、触媒燃焼法も簡便で有
効な手段であるが、廃棄ガス中のガス状炭化水素濃度の
如何によっては、爆発の危険性も危惧され、居住地付近
での設置には拒否反応が強い。)
は、脱着時のパージガスとして、通常、“スチーム”を
使用している。そして、脱着に必要なスチームの量とし
ては、使用する吸着剤量の約3倍にものぼり、大量を必
要とする。しかも、このスチームが凝縮して水になる際
に炭化水素を巻き込み混入するので、厳しい水質基準を
クリヤーするには、活性汚泥法のような排水処理設備に
かなりの負担がかかるという欠点があった。このため、
脱着時のパージガスとして、スチームの代わりに“高温
に加熱された窒素”を用い、これを循環使用する方法も
提案されているが、循環窒素に蓄積される希薄なガス状
炭化水素の分離には大型の冷凍機を必要とし、0℃以下
の低温に冷却しなければならなず、寧ろ不経済であると
言える。
2823835号明細書に開示されているように、 パ
ージ排ガスからガス状炭化水素を回収するに先立って、
カスケード方式による濃縮吸着塔(アダプター)を介し
て、パージ排ガス中の希薄なガス状炭化水素を濃縮し、
この濃縮吸着塔(アダプター)から取り出すのも解決手
段の一つである。また、吸着塔を脱着塔に切り替えて真
空ポンプで吸引する際、予め置換パ−ジ手段を脱着塔に
適用して、パージ排ガス中のガス状炭化水素を濃縮せし
めた状態でこのガスを排出し、得られたパージ排ガスを
冷却して液化分離する方法も解決手段の一つである。
ス状炭化水素の液化は、このパージ排ガスを冷却するだ
けで可能であるけれども、パージ排ガス中のガス状炭化
水素を濃縮する手段を伴うものであり、しかも、この濃
縮手段それ自体煩雑であると言うことができる。また、
上述の何れの手段も、沸点の低い炭化水素の場合は、容
易に冷却せず、強力な冷凍機を必要とするがために、希
薄なガス状炭化水素を濃縮する手段としては煩雑であ
る。
から多用されている活性炭吸着法においては、毎分数百
m3という多量なガスを処理する場合、主として繊維状
活性炭が使われており、一方、装置としては、この繊維
状活性炭からなる吸着剤層を数cm〜十数cmの厚さで
薄く囲った“円筒または箱を多数内部に配置した吸着装
置”が使われてきた。例えば「K−フィルター(東洋紡
社製の商品名)」あるいは「パイロメックス(東邦レーヨ
ン社製の商品名)」などが使用されている。
希薄な炭化水素を濃縮せずに、数十分〜数時間という長
い時間をかけて吸着させ、その後は、スチームで脱着す
るだけである。しかし、この方法の特徴は、大量のガス
を処理できるように「吸着剤層を有する吸着装置」に工
夫を凝らしているが、大気中に排出されるガス中の炭化
水素濃度を“100ppm以下”にすることは困難であ
る。
一方、前記吸着法によるガス状炭化水素を含む廃棄ガス
の処理方法において、吸着と脱着の切換えは、電磁弁を
介して時間制御で操作されている。しかしながら、時間
制御で切り換える場合、吸着塔が破過するに至る時間を
予め実験や経験で把握しておく必要がある。また、時間
制御による切換えは、安直であるけれども、吸着塔入口
のガス状炭化水素の量と濃度が絶えず大きく変動する場
合、吸着剤を必要量以上に多量充填し、そして、早めに
切り換えることが余儀なくされる。そのため、吸着剤が
有効に使用されないという問題が生じることもあった。
過の検知」を種々の測定器を用いて行い、破過が検知し
うる濃度になった時に脱着に切り換える方法が以前から
行われてきた。しかしながら、破過する時の濃度は、昨
今の厳しい大気汚染防止法に従えば、数10ppm以下
という微量濃度が問題になるので、それ以前に検知を必
要とする濃度は1〜2ppm以下のオーダーになり、相
当に大がかりで精密な測定器を必要とする。
々提案がなされてきた。例えば、特開昭55−3599
6号公報には、「吸着,脱着の二塔式PSA精製装置を
用い、真空ポンプを使わずに吸着塔を5〜10kg/c
m2に加圧した状態で湿つたガスの吸着を行い、塔頂か
ら乾いたガスを放散させ、一方、脱着は、塔の圧力を常
圧に戻すことによって、吸着ガスを吐き出させて再生す
る脱湿方法において、刻々に変わる吸着塔を通るガス流
量,吸着塔の入口及び出口温度,吸着塔の入口及び出口
圧力,脱着塔の再生圧力を含む各部位の運転状態をデー
タとしてマイクロコンピューターに記憶させ、物質収支
と熱収支の計算を瞬時に行わしめ、その結果に基づい
て、脱着時間を制御し、間接的に吸着と脱着の切り換え
時期を自動制御する方法。」が開示されている。
されている方法は、吸着,脱着の切り換えを、時間制御
ではなく、装置の運転状況を記憶させたマイクロコンピ
ューターの指示に任せるという点で画期的な提案ではあ
るが、当時は、現在のように優れた吸着モデルが無かっ
たため、シミュレーシヨン手法を用いることができなか
った。即ち、「破過濃度を吸着モデルのシミュレーショ
ンによって予測する」という発想には至らなかった。
め込んだ測定ポートからガス中の被吸着成分の濃度をい
ち早く検知し、或るレベルの濃度に達した時に自動的に
電磁弁を切り換える方法が提案されている。しかしなが
ら、吸着剤が粒状活性炭やシリカゲルのように、吸着孔
径が5Åから100Åの広がりを持つ場合、局所的に濃
度も温度も変動するので、「吸着帯層がガスの流れに沿
つて片寄らず、一様な巾で出口に向かつて上昇する」と
いう保証はなく、そのため、測定する位置を特定するこ
とが困難である。頂部から余り深い位置に測定ポートを
差し込むのであれば、時間制御に勝る方法とは言い難
い。このため、現在では、吸・脱着の切換え手段として
は、簡便な時間制御で行うのが主流の技術になってい
る。
ガスの処理方法に係る従来技術」「吸・脱着の切換え手
段に係る従来技術」の項で記述した従来技術の問題点,
欠点に鑑み成されたものであり、前記従来技術の更なる
改良を試みたものである。そして、本発明は、大量の廃
棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素を濃縮し、全
体として極めて小量なガスとして取り出し、それを焼却
または産廃処理、もしくは液化させる際の経済的負担を
著しく軽減することを目的(技術課題)とする。
含む大量の廃棄ガスを無害化処理する装置において、疎
水性シリカゲルや活性炭,合成ゼオライト等の固体吸着
剤を用いて、該廃棄ガスを、安全に、しかも容易に、か
つ効率よく有害な炭化水素を分離すると共に、処理後
に、大気中に放出する廃棄ガス中の残存ガス状炭化水素
濃度を100ppm以下にし得る「廃棄ガス中に含まれ
る希薄なガス状炭化水素の処理方法を実施するための装
置」を提供することにある。更に、本発明の他の目的
は、上記方法を装置化する際に、システムを一体化して
スキツドに載せられるように、可搬可能なように成し得
る装置を提供することにある。
発明は、「吸着と脱着を交互に行う“吸着剤層を有する
吸着装置”を用い、一方の吸着装置にガス状炭化水素を
含む廃棄ガスを通過せしめ、該吸着装置内の吸着剤層に
ガス状炭化水素を吸着させ、実質的にガス状炭化水素を
含まない廃棄ガスを大気中に放出し、その間に、他方の
吸着装置を脱着に切り換え、該吸着装置内の吸着剤層に
吸着したガス状炭化水素を、真空ポンプで吸引して離脱
せしめ、パージ排ガスに移行させることから成る廃棄ガ
ス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法であっ
て、前記パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃
棄ガスに戻し、これによって、吸着剤層内の炭化水素濃
度を高め、該吸着剤層が破過する前に脱着に切り換える
ことからなり、前記パージ排ガス中のガス状炭化水素の
一部が液化した場合、該液状炭化水素を燃焼処理し、ま
たは、産業廃棄物として無害化処理することからなる、
廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法
を実施するための装置として、該装置中の前記“吸着剤
層を有する吸着装置”が、吸着剤層を囲い、かつ、廃棄
ガスを周方向に通気できるコンポーネントを多重に内蔵
する吸着装置からなることを特徴とする廃棄ガス中に含
まれる希薄なガス状炭化水素の処理装置。」を特徴(発
明を特定する事項)とする。
上記したように、 ・パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガス
に戻し、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めること(第1
の特徴点)、 ・吸着剤層が破過する前に脱着に切り換えること(第2
の特徴点)、からなる、廃棄ガス中に含まれる希薄なガ
ス状炭化水素の処理方法を実施するための装置であり、
これによって、廃棄ガスから安全に、しかも容易に、か
つ効率よく炭化水素を処理すると共に、処理後に、大気
中に放出するガス中の残存炭化水素濃度を100ppm
以下、特に“20ppm以下”にすることができる。
合、該液状炭化水素を燃焼処理し、または、産業廃棄物
として無害化処理すること(第3の特徴点)、からなる、
廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法
を実施するための装置であり、これにより、ガス状炭化
水素の回収に伴う煩雑な手段を回避できる。
い、かつ、廃棄ガスを周方向に通気できるコンポーネン
トを多重に内蔵する吸着装置からなること、を特徴と
し、このようなコンポーネントを多重に内臓する吸着装
置とすることにより、後に詳記するとおり、1分間に数
百m3という大量の廃棄ガスを処理する場合にも適用で
きる吸着装置を提供することができる。
ポーネントが、円筒型コンポーネント,箱型コンポーネ
ントまたはハニカム型コンポーネントであって、該コン
ポーネントを多重に内蔵する吸着装置であることを特徴
とし、また、本発明の請求項3に係る発明は、前記吸着
剤層が、径が0.1〜1mmの微粒の吸着剤を充填した
層からなることを特徴とし、これらにより、特に、1分
間に数百m3という大量の廃棄ガスを処理する場合に、
より好適な吸着装置を提供することができる。
剤層が、活性炭および/または疎水性シリカゲルの層か
ら成り、その頂部に合成ゼオライトからなる吸着層を配
することを特徴とし、このような吸着剤を組み合わせる
ことにより、吸着剤層内の温度を容易に、かつ速やか
に、常温近くに一定させることができ、吸着剤の性能を
無駄なく、フルに発揮させることができる。
に充填する吸着剤または充填した吸着剤層に、ガス状炭
化水素でプレコートすることを特徴とし、これにより、
本来優先的に吸着される廃棄ガス中の窒素ガスや酸素ガ
ス,更には水分の吸着を防止し、廃棄ガス中のガス状炭
化水素を有効に吸着させることができ、吸着剤層を極め
て有効に活用することができる。
内の吸着剤層に吸着したガス状炭化水素を離脱せしめる
手段として、被吸着炭化水素の沸点以上に加熱した空気
または液体の“水”を使用することを特徴とする。ただ
し、加熱空気を使用する場合は、活性炭以外の吸着剤を
使用する場合である。活性炭以外の例えば不燃性の疎水
性シリカゲルを用いる場合は、最高250℃という高温
の空気をパージガスとして用いることができる。また、
特に液体の“水”を使用すると、この水は、真空ポンプ
との併用によって脱着装置の内部で気化させ、パージガ
スと同様な作用効果を発揮させ得るばかりでなく、気化
したガス量は、従来のスチーム使用の場合の“数十分の
一”という少ないガス量でパージできるという顕著な作
用効果が生じる。
が破過する前に脱着に切り換える手段として、吸着剤層
内の頂部に温度検知ポートを配設し、該温度検知ポート
からの温度がその上昇を停止した時点をもって、自動的
に電磁弁を切り換えることを特徴とし、また、本発明の
請求項8に係る発明は、同じく吸着剤層が破過する前に
脱着に切り換える手段として、吸着運転時に得られる吸
着装置の「入口のガス流量」,「入口ガス中の炭化水素
濃度」及び「出口ガス中の所望の炭化水素濃度(仮定
値)」を数値データとしてチップに読み込ませ、該チッ
プ内に組み込んだ制御を目的としたシミュレーションモ
デルを用いて切り換え時間を予め設定することを特徴と
し、これらの手段を採用することにより、吸着剤層の破
過時点を自動的に検知でき、吸着・脱着の切り換えを自
動的に行うことができる。
る発明によれば、吸着装置から大気に排出されるクリー
ンなガス中の炭化水素濃度を100ppm以下にするこ
とができる。
“本発明”という)は、前記したとおり、 ・パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガス
に戻し、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めること(第1
の特徴点)、 ・吸着剤層が破過する前に脱着に切り換えること(第2
の特徴点)、 ・パージ排ガス中のガス状炭化水素の一部が液化した場
合に、該液状炭化水素を燃焼処理し、または、産業廃棄
物として無害化処理すること(第3の特徴点)、からな
る、廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理
方法を実施するための装置である。このように、本発明
は、上記第1〜第3の特徴点を技術的構成とする“廃棄
ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法”を
実施するための装置である。以下、本発明で前提とする
上記第1〜第3の特徴点について、その作用効果と共
に、その実施形態を詳細に説明する。
記第1の特徴点および第2の特徴点の技術的構成によっ
て、廃棄ガスから安全に、しかも容易に、かつ効率よく
炭化水素を処理すると共に、処理後に、大気中に放出す
るガス中の残存炭化水素濃度を100ppm以下、特に
“20ppm以下”にすることができる。また、本発明
で前提とする上記第3の特徴点の技術的構成により、廃
棄ガス中のガス状炭化水素の回収を目的としないことか
ら、この回収に伴う煩雑な手段を回避することができ
る。
点について説明すると、その一実施形態としては、パー
ジ排ガスの全量を被処理廃棄ガスに戻すが、パージ排ガ
ス中の炭化水素濃度が極端に高い場合、吸着剤層が極め
て短時間に破過するようになり、これでは、廃棄ガスの
処理に悪影響を与えことになる。そのため、本発明の他
の実施形態としては、炭化水素濃度が極端に高い場合
に、パージ排ガスの一部を取り出し、これを無害化処
理、例えば燃焼処理に付し、残部のパージ排ガスを被処
理廃棄ガスに戻し、また、パージ排ガス中のガス状炭化
水素の一部が液化した場合に、該液状炭化水素を分取
し、これを燃焼処理し又は産業廃棄物として無害化処理
する(→第3の特徴点)。
ある「吸着装置が破過する前に脱着に切り換える」点に
ついて説明すると、本発明における破過の検知手段は、
基本的には、装置に組み込んだ回路チツプによるもので
あるが、最近めざましく進歩してきた超小型のチツプを
用いるため、前記公知技術(前掲の特開昭55−359
96号公報に開示されている技術)に記載されているよ
うな演算を目的とする大型マイクロプロセッサーを必要
としない。そのうえ、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、運転時に得られたデータを拾ってきて、物質収支と
熱収支の計算だけをさせるのではなく、吸着モデルをR
OMに打ち込んで、一方刻々に変化する運転時のデータ
ーをロガ信号としてパソコンに読み込ませ、シミュレー
シヨンさせることによって、破過濃度を好ましくは秒の
単位で予測し、吸着系を制御しようとする点で、前記従
来技術とは全く異なる。つまり、本発明の好ましい実施
形態である「破過濃度を吸着モデルのシミュレーション
によって予測する」という発想と明らかに相違する。
提案されているが、その中でも、 ・吸着剤の物性、即ち、“吸着等温曲線および吸着塔内
部の吸着圧力,真空ポンプの真空度,塔内ガス流速,吸
着剤層の高さ,パージ係数”を固定(frozen)し、そし
て、時々刻々に変化する“入口ガス流量と濃度”を変数
にして、切り換え時間か、若しくは、吸着剤層の出口濃
度(破過濃度)を仮定値としてチツプに入力して演算させ
る、いわゆる“Frozen Model”が著名である。この他
に、時間がかかるが精度において優れた“平衡モデル”
も知られているが、本発明で用いる「吸着モデル」とし
ては、特にこれらに限定するものではない。
破過する前に脱着に切り換える」点を必須の構成要件と
する理由は、前記本発明の第1の特徴点である「パージ
排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガスに戻し、
吸着剤層内の炭化水素濃度を高める」点と密接に関連す
る。即ち、処理すべき廃棄ガスの量と含まれるガス状炭
化水素濃度が一定せずに刻々と変化し、破過する迄の時
間を予め想定することが困難である場合において、更に
加えて、該廃棄ガスに未凝縮パージ排ガスを混入するこ
とにより(第1の特徴点を採用することにより)、吸着
装置入口ガスの炭化水素濃度および吸着装置内の吸着剤
層中の炭化水素濃度が、共により一層変化し、そのた
め、破過する迄の時間を予め想定することがより一層困
難になるからである。従って、この問題点を解消するた
めに、上記第2の特徴点を必須の構成要件とするもので
ある。
る時間制御による切り換え手段を排除するものではな
い。何故ならば、吸着塔の入口ガス(廃棄ガス+前記未
凝縮パージ排ガス)に含まれるガス状炭化水素の濃度が
時間の経過においてほぼ一定の場合は、吸着塔の運転を
開始して破過する迄の時間を予め求めておき、次回の吸
着操作では、この時間を目安にして切り換えることも便
法の一つであるからである。
刻々変動する場合、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、吸着剤層に吸着されるガス状炭化水素の濃度を破過
寸前にまで自動的に高濃度に濃縮することができる。そ
して、これを僅かなパージ排ガス量として取り出した後
は、前記したとおり、このパージ排ガスの一部を取り出
し、これを例えば燃焼処理に付すことができ、また、パ
ージ排ガス中のガス状炭化水素を液状炭化水素として分
取し、これを燃焼処理し、または、産業廃棄物として無
害化処理する(→第3の特徴点)。
としては、吸着に要する時間と脱着に要する時間とが余
りにも違い過ぎる場合、例えば、吸着して破過寸前にな
るまでに数日かかり、一方、脱着工程は数時間で済むと
いった場合、作業を管理する者の立場からすれば、必ず
しも好ましい方法とは言い難い。
れている場合には、吸着剤層の頂部付近では、吸着すべ
きガス状炭化水素の量が極端に少なくなっており、この
ために発生する吸着熱量が極端に少なくなり、しかも、
それを上回る熱量が冷却水や吸着塔の塔壁から外に放散
されるようになる。その結果、チツプにデータを取り込
むために頂上付近に差し込んだ測定ポートからの信号、
即ち、指示温度が停止し、そのうちに次第に温度が下が
ってくる。この時点を見計らって自動的に吸・脱着の切
り換え弁(電磁弁)を切り換える手段を併用すれば、前
述の欠点は解消でき、これも本発明に包含されるもので
ある。
きさにコントロールされ、局部的に吸着量にムラが生じ
難い、しかも、廃棄ガス中の相対湿度が約50%以上と
高い領域でも、水分を吸着し難い吸着剤であり、例えば
合成ゼオライトのような吸着剤が最適である。そこで、
本発明の好ましい実施形態の一例としては、吸着剤層の
頂部に合成ゼオライトからなる吸着剤層を配することで
あり、そして、この合成ゼオライトからなる吸着剤層内
に温度検知ポートを配設し、該温度検知ポートからの温
度がその上昇を停止した時点をもって、自動的に電磁弁
を切り換える手段を採用することである。そして、この
合成ゼオライトからなる吸着剤層の下部に充填する吸着
剤としては、プレコートされた活性炭、または、同じく
プレコートされた疎水性シリカゲルが好適である。
上記“プレコート”の技術的意義について説明する。吸
着剤層にガス状炭化水素が濃縮される程度は、理論的に
は、真空度が25mmHgの場合、炭化水素だけが吸着
されるのであれば“760/25”、すなわち“約25
倍”の濃さになるが、通常、多量の空気が共存してお
り、そして、この空気中の窒素ガスや酸素ガスの分子径
は、炭化水素の分子径よりも極めて小さく、このため、
窒素ガスや酸素ガスが炭化水素ガスに優先して吸着され
ることになる。その結果として、入口の炭化水素濃度の
4倍の濃さにしか濃縮できないことが経験的に知られる
ている。
ライト,疎水性シリカゲル等の固体吸着剤では、全く水
分を吸着しないという吸着剤ではなく、図6に示すよう
に、被吸着ガス中の水分の相対的濃度によって、吸水率
は大きく変化する。被吸着ガスが湿った空気の場合、関
係湿度が約40%以下では殆ど水分を吸着しないが、5
0%を超えると急激に水を吸着するようになる(図6参
照)。なお、図6は、活性炭の水分吸着等温線を示した
が、他の疎水性の吸着剤についても同様なことが言え
る。
中の窒素ガスや酸素ガス,水分の吸着を妨げるために、
吸着剤層を予めプレコートするのが望ましい。プレコー
ト手段としては、例えば、処理すべき廃棄ガスに液状炭
化水素を滴下することにより、具体的には、処理すべき
廃棄ガスの導管に液状炭化水素をスプレーすることによ
り、吸着剤層をプレコートすることができる。また、プ
レコート剤としては、上記液状炭化水素以外に、例え
ば、水と親和性があって沸点が水より高い炭化水素のよ
うな物質を使用することができる。
水素を含む大量の廃棄ガスを処理する手段の開発にあた
って、データを取り込む手段である“ロガ信号”という
ハード面における要素技術をこのシステムに巧みに組み
込み、さらに、制御システムに組み込んだ“ROM化し
た吸着モデルのシミュレーション”という、いわゆるソ
フト面における新規な手段を併用することによって、入
口の炭化水素濃度が刻々変化するに関わらず短時間内に
破過濃度を容易に推定でき、更に適切な吸着剤を選定す
ることにより、吸着剤層内の温度を容易に、かつ、速や
かに、常温近くに一定させることに成功した。
を、単に時間のサイクルで設定するのではなく、“吸着
モデル”を組み込んだパソコン(ソフト)の判断に任せ
ることによって、吸着剤の性能を無駄なく、フルに発揮
させることができるようになった。このため、パージ排
ガス中の希薄な炭化水素を破過する寸前にまで濃縮し、
そして、極めて少量のパージ排ガスで、且つ、極めて濃
厚な炭化水素として取り出すことが可能となった。
る吸着剤としては、素材が可燃性,不燃性を問わず、廃
棄ガス中の炭化水素ガスと親和性のある固体吸着剤であ
れば任意に使用することができる。しかし、廃棄ガス中
の炭化水素の濃度が5000ppm程度と希薄な場合
は、望ましくは、安価で入手が容易な疎水性シリカゲル
が望ましい。その理由は、パージガスの温度を約250
℃まで高めて使用することができるためである。
メチルクロロシラン等のシランカップリング剤で疎水化
処理したものや、高温で長時間処理して疎水性,親油性
を持たせたもの、或いは、エチレングライコールやヘプ
タンのような高沸点の炭化水素でプレコートした吸着剤
が好適である。もつとも、最適な吸着剤はと言えば、R
Hが50%以上であつても、数%の水しか吸はない個体
吸着剤である。そもそも、吸着剤として用いられる活性
炭,合成ゼオライト,シリカゲル,活性アルミナ等の固
体吸着剤は、ガス状炭化水素と強い親和性を持つ一方、
断熱剤としても重用されているものである。また、合成
ゼオライトは別として、それ以外の吸着剤は、吸着孔径
の分布が広いため、吸着箇所の濃度が一様ではなく、ロ
ーカルヒーテイングを起こし易い。
活性炭の場合は、粒径や上昇温度にもよるが、約4イン
チ以上の厚みでは、吸着熱を冷却水層にまで短期間に移
動させることができないとされている。従つて、4イン
チ以上の厚みでは、円周方向の熱移動にそれ程期待でき
ず、縦方向に流れるガスが持ち出す熱移動に頼ることに
なる。このため、吸着塔内の温度分布に影響されて、或
る幅をもつ吸着帯層が均一に、かつ、一様に吸着塔出口
に向かつて移動するかどうかが問題になる。即ち、破過
時点の濃度を吸着塔の出口で検知する場合は問題になら
ないが、吸着剤の中に埋め込んだ位置に配した検知ポー
トで見る場合は問題になる。
着剤層の最上段、即ち、出口にもつとも近い位置に合成
ゼオライトを載せることである。例えば、Y型ゼオライ
ト“360HUD(東ソー社の製品名)”等である。合成
ゼオライトは、疎水性シリカゲルや粒状活性炭と違っ
て、孔径が或る大きさに厳密にコントロールされ、選択
する素材によっては、ガス状炭化水素の分子径のほぼ全
部をカバーしている品種もある。しかも、ガス状炭化水
素を吸着する割合は、重量比で15〜20%であるのに
も関わらず、RHが50%以上の状態のガスに対しても
水の吸着量は10%以下である。このため、この層を移
動する或る巾を持つた吸着帯には片寄りが生じないから
である。
並びに温度の検知用ポートは、合成ゼオライト層の中心
部に配する必要がある。このようにすれば、破過時点を
検出する上記の手段に併せて、その中心部での温度の指
示が、吸着熱による温度の上昇を停止した時点を切り換
えの目安にすることができる。かかる合成ゼオライト
は、SiO2/Al2O3の比が20以上で、約8オング
ストロームの孔径をもつものが望ましい。
る“吸着剤層を有する吸着装置”の実施形態について説
明するが、それに先立って、該吸着装置の参考例につい
て、まず説明する。
剤層を有する吸着装置”としては、吸着剤層の温度と濃
度を局所的に均一化するために、上記の吸着剤層中で発
生した吸着熱を横方向に吸着剤層から速やかに移動さ
せ、除去する手段として、ガス状炭化水素を吸着するた
めの吸着剤層と、この吸着剤層を冷却するための冷却水
層とが、隣接して構成される“2重円筒または多重円筒
型の吸着塔”を挙げることができる。そして、吸着剤層
内に発生する静電気が該層の中心部に集まる傾向を考慮
して、冷却を兼ねて静電気を逃がすために、金属製の円
筒を中心部に配した構造の吸着塔の使用することができ
る。
3を参照して説明すると、この吸着塔1a(1b)は、外
筒2a(2b),吸着剤層3a(3b),内筒4a(4b),
冷却水5により構成される。なお、この吸着塔1a(1
b)は、後記する比較例で使用する吸着塔であり、図中
の3-1a(3-1b)は活性炭であり、3-2a(3-2b)はY
型合成ゼオライトである。
べき点の一つは、吸着塔の内部の圧力を高めれば、吸着
剤に吸着される炭化水素の有効吸着量が格段に増加する
ことはPSA法の理論から言って当然のことであるの
で、吸着塔1a(1b)の内圧を「高圧法規」に抵触しな
いゲージ圧“1kg/cm2以下”で操作することは極
めて望ましい。
発明の吸着装置およびその実施形態について説明する
が、それに先立って、従来型吸着塔と比較して、本発明
の吸着装置について更に詳細に説明する。
内部に密に吸着剤を充填した吸着装置(従来型吸着塔)」
では、処理すべき廃棄ガスの量が多量の場合に問題が生
じる。 この問題点を詳細に説明すると、例えば1時間
に“36000m3”の廃棄ガスを処理しようとする場
合、従来型吸着塔では、塔径が約10m必要になる。
通過する廃棄ガスの通過速度[即ち吸着剤と接触する時
間(SV値)]に制限があるためである。一般にこの速度
は、吸着剤粒子が流動しない値以下に定められており、
通常“10〜20cm/sec”である。このガス通過
速度の平均値“15cm/sec(0.15m/sec)”を
とって算出すると、次式で示すように“10m”とな
る。 ・式:πR2×0.15=36,000/3,600=
10 本発明では、このような塔径の吸着塔を用いることは現
実的ではない。
密に関係する。例えば、同じ容量の吸着剤層に粒径の大
きな吸着剤と粒径の小さな吸着剤を詰め込んだ場合を比
較してみると、当然のことながら粒径の小さい方が効率
は良くなるけれども、流動し易くなるので、小さすぎて
も問題がある。このため、従来使用されている吸着剤
は、その径としては、吸着剤の種類や形状等にもよる
が、2〜3mmが適当とされている。吸着剤の流動を避
け、かつ密に充填した吸着装置としては、繊維状活性炭
のクロスを吸着装置の内部に配位させ、このクロスを横
切る方向に廃棄ガスを流すような構造のものであり、こ
の具体例としては、前述の「K−フィルター(東洋紡社
製の商品名)」,「パイロメックス(東邦レーヨン社製の
商品名)」である。
を大きく取れる利点がある反面、吸着剤層が薄いため、
接触時間が短く、廃棄ガス中の希薄な炭化水素を充分に
捕集できないという欠点を有している。しかも、この装
置における脱着手段としては、スチームの使用以外に考
えられず、真空ポンプの併用ができないものである。
av”、即ち、“総括物質移動容量係数(1/sec)の
値”で示される。本発明者が行った実験および本発明者
が建設した工業装置での運転実績の解析から、Kfav
の値は、粒径が2〜3mmの吸着剤を使用した場合は、
ガス状炭化水素の性状にもよるが、ほぼ“3〜6”の範
囲にある。これに対して、繊維状活性炭を使用した場合
は、“15〜25”の範囲にあって、吸着性能が数倍優
れていることになる。具体的に言えば、ガスと吸着剤の
接触時間が“約1/5”で済むということになる。
き廃棄ガスが大量である場合にも適応できる、新規で且
つ経済的な吸着装置を開発したものである。本発明の新
規で且つ経済的な吸着装置(実施形態に係る吸着塔)は、
前記したとおり、吸着剤層を囲い、かつ、廃棄ガスを周
方向に通気できるコンポーネントを多重に内蔵する吸着
装置からなることを特徴とし、また、該コンポーネント
が、円筒型コンポーネント,箱型コンポーネントまたは
ハニカム型コンポーネントであることを特徴とする。
剤として、0.1〜1mmの微粒(望ましくは0.2〜
0.5mmの微粒)を用い、これによってガスとの接触
時間を短縮し、かつ、ガスの通過面積を広げるべく吸着
装置内の吸着剤層の配位を多重にしたものである。この
ように、吸着剤として0.1〜1mmの微粒を用いるこ
とによって、接触時間が従来の手段に比べて“約1/
5”に短縮し得るという優れた作用効果が生じる。しか
も、このように“約1/5”に短縮することができると
言うことは、吸着剤層の厚みも“約1/5”になると言
うことである。
て、この厚み(層高)は“1〜2m”であるが、本発明の
吸着装置では、吸着剤層の厚みが“約1/5”となると
ころから、その厚みは“20cm〜40cm”となり、
その結果として、原則として吸着剤層を冷却する必要が
なくなると言う優れた作用効果が生じる。その理由は、
吸着剤層を通過する多量な廃棄ガス中に含まれる炭化水
素ガスは極めて希薄であり、殆どが空気であるため、空
気の持ち出す熱量を上回るほどの吸着熱が吸着剤層に留
まることはないからである。
用いる吸着装置では、廃棄ガスはこの吸着剤層を一回の
通過で終わるため、吸着した炭化水素の濃度が極めて薄
く、脱着の手段としてはスチーム以外には考えられなか
った。しかし、本発明の吸着装置では、パージ排ガスの
全量もしくは大部分を被処理廃棄ガスに戻すことによ
り、吸着剤層内の炭化水素濃度を高めることができるる
ため、従来の吸着装置では成し得なかった真空ポンプの
併用を可能にしたものである。また、真空ポンプを併用
することによって、脱着の際のパージ媒体に水を用いる
ことが可能になったものである。(“真空ポンプの併
用”“パージ媒体として水の使用”については、後記参
照)
新規で且つ経済的な吸着装置の具体的な吸着塔につい
て、図4および図5(A),(B)を参照して説明すると、
この吸着塔41a(41b)は、吸着剤層43a(43b)
を充填した外筒42a(42b)および42a’(42
b’)の二重円筒で構成される。そして、廃棄ガスは、
図4および図5の(B)の矢印線に示すように、吸着剤層
43a(43b)内を通過し、このように、ガスの通過面
積を広げるように構成したものである。なお、この吸着
塔41a(41b)は、後記する本発明の実施例で使用す
る吸着塔であり、図中の43-1a(43-1b)は破砕活性
炭,43-2a(43-2b)はY型合成ゼオライトである。
本発明者は、本発明の吸着装置をシステムとして一体化
し、スキツドに載せられるような可搬性を持たせた装置
にするべく鋭意研究の結果、本発明に至つたものであ
る。即ち、本発明者が既に取得した特許第284056
3号,特許第2766793号,特許第2823835
号に開示したアダプター方式や置換パージ方式によるの
ではなく、また、パージ排ガスのガス状炭化水素を回収
するにあたって、同質の炭化水素液体で洗浄する方法を
用いることなく、さらには、脱着ガスをリサイクルさせ
て吸着塔内の炭化水素濃度を濃くした後に煩瑣な冷却手
段を用いて該ガスからガス状炭化水素を液体として回収
するものではなく、回収手段を省略した簡潔な、かつ、
経済性のある方法を実施するための吸着装置を提供した
ものである。
着剤層に吸着したガス状炭化水素を離脱せしめる手段と
して、被吸着炭化水素の沸点以上に加熱した空気または
水を用いることができる。このうち、特に“水”の使用
が好ましい(後記参照)。(なお、この空気としては、吸
着剤層から大気中に排出されるクリーンなガスの一部を
用いることができる。)
棄ガス中に含まれる希薄な炭化水素の無害化処理手段”
においては、もつぱら吸着法が用いられてきた。使用さ
れる吸着剤は、例外を除いて、粒状の活性炭もしくは繊
維状の活性炭である。しかしながら、この種の活性炭
は、他の吸着剤に比して吸着能力は抜群に優れているも
のの、極めて脱着し難い欠点を有している。このため
に、前述したような脱着に際しては、充填した活性炭量
の約3倍もの大量のスチームを用いているのが現状であ
る。しかも、スチームに同伴された炭化水素は、水と一
緒に活性汚泥処理装置のような廃水処理手段で無害化し
ているのが現状である。
ガスとして大量に用いて脱着することは、活性炭が燃え
る危険性があり、常温の空気以外もしくは不燃性の窒素
以外は、活性炭の使用は消防法で許可されていない。し
かしながら、吸着剤に不燃性の疎水性シリカゲルを用い
る場合は、かような危険性は全くない。このために、最
高250℃という高温の空気をパージガスとして用いる
ことが可能になった。(なお、ガス状炭化水素の濃度
は、爆発下限値以下に定められている。従って、望まし
くは約5000ppm以下でなければならない。)
同伴して脱着されたガス状炭化水素は、パージ排ガスと
してそのまま燃焼させるには好適なガスである。更に、
脱着の際の補助的手段として、真空ポンプを併用する場
合、加熱空気の量、即ちパージ係数が大きい程真空ポン
プの負荷が軽減されるばかりではなく、脱着が充分に遂
行され、このため、吸引する真空度は“60〜150T
orr”で充分である。真空ポンプが高価であるが故に
本発明適用の著しい効果であると言うことができる。
合、脱着の際のパージガスとしては、前記したとおり、
従来は大量のスチーム(ないしは窒素ガス)以外に選択
肢がなかったが、本発明では、液体の“水”を用いるこ
とを見い出した。水を脱着塔に注入することにより、真
空ポンプの助けを借りて脱着塔の内部で気化させ、パー
ジガスと同様な作用効果を発揮させ得るばかりでなく、
気化したガス量は、従来のスチーム使用の場合の“数十
分の一”という少ないガス量でパージできる、という顕
著な作用効果が生じるものである。
合、その際に使用する真空ポンプとしては、水封式真空
ポンプが望ましい。その理由は、濃縮された炭化水素ガ
スが水封の水に混じって産廃処理に好適な廃水および廃
水量になるためである。
おりであるが、本発明で前提とする“廃棄ガス中に含ま
れる希薄なガス状炭化水素の処理方法”において、公知
のPSA法やPTSA法を適用することができ、その
他、VSA法,VTSA法などにも適用することがで
き、これらの適用も本発明に包含されるものである。ま
た、本発明は、廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化
水素を濃縮して分離させる処理方法を実施するための装
置を提供したものであつて、塗装時に発生する希薄な多
成分系の炭化水素ガスに限らず、ベンゼンやトルエン,
トリクロロエチレン,メチルエチルケトン、更には、フ
ロンのような単一成分の希薄なガスに対しても広く適用
されるものである。
本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例
に限定されるものではない。
の希薄なガス状炭化水素の処理方法”を説明するための
フローシート図であり、図2は、図1に示すフローシー
トにおける「運転状況を把握し制御するための制御盤」
の一例を示す図である。また、図3は、図1に示すフロ
ーシートにおいて使用した吸着塔(比較例)を示す縦断
面図である。
に、冷却水5が循環する内筒4a(4b)及びその外側に
吸着剤層3a(3b)を充填した外筒2a(2b)の二重円
筒で構成される吸着塔1a(1b)を用いた。なお、内筒
4a(4b)を流れる冷却水5は、乱流にして吸着剤層3
a(3b)を流れる廃棄ガスと向流に流すようにした。ま
た、吸着剤として粒状活性炭(粒状白鷺一号:武田薬品
工業社製の商品名)およびY型合成ゼオライト(360
HUD:東ソ−社製の商品名)を用いた。そして、図3
に示すように、粒状活性炭3-1a(3-1b)の上部にY型
合成ゼオライト3-2a(3-2b)を吸着塔1a(1b)に充
填し、吸着剤層3a(3b)として実施に供した。なお、
上記粒状活性炭は、予めベンゼン蒸気でプレコートした
ものを用いた。
す“本発明で前提とする“廃棄ガス中の希薄なガス状炭
化水素の処理方法”を実施する比較例について、詳細に
説明する。廃棄ガス発生源(図示せず)から発生した廃棄
ガス(約5000ppmのベンゼンを含む廃棄ガス:2
0リットル/分のガス量)を、ゲ−ジ圧1kg/cm2
以下に圧縮するブロアー(図示せず)又は自圧で廃棄ガ
ス送気管11より、吸着塔1aに送気する。この際、吸
着剤層3a(3b)を通過するガス速度は“約10cm/
秒”であった。吸着工程を終えた処理済み廃棄ガスは、
吸着塔1a(脱着工程に切り換えた後は吸着塔1b)の
頂部から、排出管12を介して、20ppm以下のベン
ゼンベーパーを含む空気(クリーンなガス)として大気
中に放出する。
程と後記する脱着工程とを交互に切り換えながら運転す
るが、この切り換え時点は、吸着塔1a,1b内の吸着
剤層が破過する前に行い、そして、図1に示す弁(ニ),
(ニ)を自動的に開閉することにより行う。即ち、吸・脱
着の切り換え用弁(ホ),(ホ)の開閉は、 ・吸着塔1a,1bの「入口ガス流量」“J”と「入口
ガス濃度」“H”とを図2に示すメモリー21に読み込
ませ、予めメモリー(吸着モデル)23に記入した吸着モ
デルのCPU(演算)22による演算結果を示す“破過予
想時間”と、 ・吸着剤層の上部に配した温度検知ボ−ド(図示せず)に
よって、Y型合成ゼオライト3-2a(3-2b)[前掲の図
3参照]から取りだした吸着剤層内の「温度」“F”,
“G”がその上昇を停止した時点と、を併用して自動的
に切り換える。
(脱着工程に切り換えた後は吸着塔1b)には、送水管
13を介して、水を吸着塔1a(脱着に切り換えた塔)
に供給し、併せて水封式真空ポンプ14(ナッシュポン
プ:栗村制作所製の商品名)を用いて、吸引することに
より脱着させる。本比較例では、上記水封式真空ポンプ
14を約60Torrで運転し、吸着塔1a(脱着に切
り換えた塔)内を低圧(真空)にする。これにより、供給
した水は、この吸着塔1a内で蒸気となってパージガス
となる。そして、パージ排ガス送気管15から水封式真
空ポンプ14を経て、パージ排ガスとして取り出す。
ガスの冷却には、室温の工業用水を用いた。即ち、パー
ジ排ガスは、気液分離器16に送気される。気液分離器
16は、内部に配した冷却管(図示せず)を流れる工業用
水によって、冷やされる。この際、パージ排ガス中のベ
ンゼンベーパーは、下部に連結した気液分離器16に、
水封の水に混じって凝縮液化し、未凝縮ガスと分けられ
る。溜まった水とベンゼンは、系外に取り出し、産業廃
棄物処理装置17で産廃処理する。
中には、尚、ベンゼンベーパーが残存するので、リター
ンガス送気管18を介して、再度廃棄ガス送気管11に
戻し、廃棄ガスと一緒にして吸着処理を行う。未凝縮ガ
スには、高濃度の残存ベンゼンが含まれており、この全
量を廃棄ガス送気管11に戻すことにより吸着塔内のベ
ンゼン濃度が益々濃くなる。そして、前記の手段を用い
て、この吸着塔内の吸着剤層が破過する時点を予測して
弁(ホ)の切り換え時期を設定し、脱着操作に自動的に切
り換える。
状況を把握するために設けた計器の位置を示したもので
あり、一方、(イ)〜(ニ)は、運転制御のために設けた弁
の位置を示したものである。また、図2は、図1に示し
たフローにおいて、運転状況を把握し制御するための制
御盤20を示したものであり、メモリ21,メモリ(吸
着モデル)23およびCPU(演算)22から構成されて
いるものである。なお、図2において、メモリ21に読
み込ませるデ−タ信号として、吸・脱着切り換え時に必
要なものだけを“X”として挙げた。(その他のデ−タ
信号の読み込みを省略した。)
着の切り換えを吸着塔が破過する前にデータロガ信号で
検知して行うため、ガス状炭化水素が希薄な場合は、そ
の濃度を吸着塔で数倍に濃縮することができ、且つ吸着
剤層の発熱を除去する冷却手段を工夫したことにより
(前掲の図3参照)、局部加熱が避けられており、運転期
間中の吸着剤層の温度はほぼ常温であった。また、排出
管12から大気中に放出されるガス中のベンゼン濃度
は、実質的に20ppm以下であった。
する吸着塔の縦断面図である。また、図5は、図4の吸
着塔を更に説明する図であって、そのうち、(A)は図4
のA−A断面図、(b)は図4の部分拡大詳細図である。
本実施例では、図4および図5(A),(B)に示すよう
に、吸着剤層43a(43b)を充填した外筒42b(4
2b)および42a’(42b’)の二重円筒で構成され
る吸着塔41a(41b)を用いた。
破砕活性炭(HC42:ツルミコール社製の商品名)およ
び粒径が1.0mmのY型合成ゼオライト(360HU
D:東ソー社製の商品名)を用いた。そして、図4およ
び図5の(B)に示すように、破砕活性炭43-1a(43-
1b)の上部にY型合成ゼオライト43-2a(43-2b)を
吸着塔41a(41b)に充填し、吸着剤層43a(43
b)として実施に供した。なお、上記破砕活性炭は、予
めベンゼン蒸気でプレコートしたものを用いた。
(A),(B)に示す吸着塔41a(41b)を用い、上記し
た破砕活性炭およびY型合成ゼオライトを使用した以外
は、前記比較例と同様の条件,手段で、廃棄ガス(約5
000ppmのベンゼンを含む廃棄ガス:300リット
ル/分のガス量)を処理した。なお、この際に吸着剤層
43a(43b)を円周方向に通過するガス速度は、
“1.5cm/秒”であった。
大気中に放出されるガス中のベンゼン濃度は、市販され
ているポータブルのHC濃度検知管(イソブタン換算)で
検知できないないほどの微量な量であった。
中のベンゼン濃度が20ppm以下であるのに対して、
本実施例では、上記したように、検出検知できないない
ほどの微量な量であり、前記比較例に比し優れているこ
とが理解できる。また、本実施例では、“300リット
ル/分(18m3/時)”という大量の廃棄ガスを有効に
処理できることが理解できる。
4,図5に示した多重円筒の吸着塔を用いたが、本発明
は、このような多重円筒に限定されるものではなく、例
えば吸着剤をハニカム状のコアーに充填し、それを束ね
て構成される吸着装置、ないしは、吸着剤を箱に詰めて
それを重ねて構成される吸着装置などを用いることもで
きる。その他の要件についても、上記実施例に限定され
るものではなく、前記した本発明の特徴(発明を限定す
る事項)の範囲内で種々の態様が可能である。
で前提とする“廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化
水素の処理方法”において、 ・離脱したガス状炭化水素を含むパージ排ガスの全量ま
たは大部分を被処理廃棄ガスに戻し、これによって吸着
剤層内の炭化水素濃度を高め(第1の特徴点) ・この吸着剤層が破過する前に脱着に切り換える(第2
の特徴点)ことを特徴とし、これにより、廃棄ガスから
安全に、しかも容易に、かつ効率よく炭化水素を処理す
ると共に、処理後に、大気中に放出するガス中の残存炭
化水素濃度を100ppm以下、特に「20ppm以
下」にすることができる。
あるガス状炭化水素の除去処理において、大気汚染防止
法の改正で定められた(平成9年2月6日に官報告示)ベン
ゼン濃度の排出基準「30ppm以下」を完全にクリヤ
ーできるのみならず、更にこの数値が半分以下の厳しさ
になつても充分対応できるものである。
含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法”において、 ・パージ排ガス中のガス状炭化水素の一部が液化した場
合に、該液状炭化水素を燃焼処理し、または、産業廃棄
物として無害化処理する(第3の特徴点)、ことを特徴と
し、このように、廃棄ガス中のガス状炭化水素の回収を
目的としないことから、この回収に伴う煩雑な手段を回
避することができる。
着装置”として、吸着剤層を囲い、かつ、廃棄ガスを周
方向に通気できるコンポーネントを多重に内蔵する吸着
装置からなることを特徴とし、このように、ガスの通過
面積を広げるべく吸着装置内の吸着剤層の配位を多重に
したことにより、特に、1分間に数百m3という大量の
廃棄ガスを処理する場合にも適用できる吸着装置を提供
することができ、しかも、原則として、該吸着剤層を冷
却する必要がなくなるという優れた効果が生じる。
装置化する際、システムを一体化してスキツドに載せら
れるように、可搬可能なように成し得るものである。
状炭化水素の処理方法」を説明するためのフローシート
図である。
把握し制御するための制御盤」の一例を示す図である。
ある。
の(A)は、図4のA−A断面図であり、同(B)は、図4
の部分拡大詳細図である。
1)
発明は、「吸着と脱着を交互に行う“吸着剤層を有する
吸着装置”を用い、一方の吸着装置にガス状炭化水素を
含む廃棄ガスを通過せしめ、該吸着装置内の吸着剤層に
ガス状炭化水素を吸着させ、実質的にガス状炭化水素を
含まない廃棄ガスを大気中に放出し、その間に、他方の
吸着装置を脱着に切り換え、該吸着装置内の吸着剤層に
吸着したガス状炭化水素を、真空ポンプで吸引して離脱
せしめ、パージ排ガスに移行させることから成る廃棄ガ
ス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法であっ
て、前記パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃
棄ガスに戻し、これによって、吸着剤層内の炭化水素濃
度を高め、該吸着剤層が破過する前に脱着に切り換える
ことからなり、前記パージ排ガス中のガス状炭化水素の
一部が液化した場合、該液状炭化水素を燃焼処理し、ま
たは、産業廃棄物として無害化処理することからなる、
廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法
を実施するための装置として、該装置中の前記“吸着剤
層を有する吸着装置”が、吸着剤層を囲い、かつ、吸着
剤層の外筒から吸着剤層に向けて横方向に廃棄ガスを通
気できるコンポーネントを多重に内蔵する吸着装置から
なることを特徴とする廃棄ガス中に含まれる希薄なガス
状炭化水素の処理装置。」を特徴(発明を特定する事
項)とする。
い、かつ、吸着剤層の外筒から吸着剤層に向けて横方向
に廃棄ガスを通気できるコンポーネントを多重に内蔵す
る吸着装置からなること(第4の特徴点)、を特徴とし、
このようなコンポーネントを多重に内臓する吸着装置と
することにより、後に詳記するとおり、1分間に数百m
3という大量の廃棄ガスを処理する場合にも適用できる
吸着装置を提供することができる。
き廃棄ガスが大量である場合にも適応できる、新規で且
つ経済的な吸着装置を開発したものである。本発明の新
規で且つ経済的な吸着装置(実施形態に係る吸着塔)は、
前記したとおり、吸着剤層を囲い、かつ、吸着剤層の外
筒から吸着剤層に向けて横方向に廃棄ガスを通気できる
コンポーネントを多重に内蔵する吸着装置からなること
を特徴とし、また、該コンポーネントが、円筒型コンポ
ーネント,箱型コンポーネントまたはハニカム型コンポ
ーネントであることを特徴とする。
着装置”として、吸着剤層を囲い、かつ、吸着剤層の外
筒から吸着剤層に向けて横方向に廃棄ガスを通気できる
コンポーネントを多重に内蔵する吸着装置からなること
を特徴とし、このように、ガスの通過面積を広げるべく
吸着装置内の吸着剤層の配位を多重にしたことにより、
特に、1分間に数百m3という大量の廃棄ガスを処理す
る場合にも適用できる吸着装置を提供することができ、
しかも、原則として、該吸着剤層を冷却する必要がなく
なるという優れた効果が生じる。
Claims (12)
- 【請求項1】 吸着と脱着を交互に行う“吸着剤層を有
する吸着装置”を用い、一方の吸着装置にガス状炭化水
素を含む廃棄ガスを通過せしめ、該吸着装置内の吸着剤
層にガス状炭化水素を吸着させ、実質的にガス状炭化水
素を含まない廃棄ガスを大気中に放出し、その間に、他
方の吸着装置を脱着に切り換え、該吸着装置内の吸着剤
層に吸着したガス状炭化水素を、真空ポンプで吸引して
離脱せしめ、パージ排ガスに移行させることから成る廃
棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法に
おいて、 前記パージ排ガスの全量もしくは大部分を被処理廃棄ガ
スに戻し、これによって、吸着剤層内の炭化水素濃度を
高め、該吸着剤層が破過する前に脱着に切り換えること
を特徴とする廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水
素の処理方法。 - 【請求項2】 前記パージ排ガス中のガス状炭化水素の
一部が液化した場合、該液状炭化水素を燃焼処理し、ま
たは、産業廃棄物として無害化処理することを特徴とす
る請求項1に記載の廃棄ガス中に含まれる希薄なガス状
炭化水素の処理方法。 - 【請求項3】 前記吸着剤層が、活性炭および/または
疎水性シリカゲルの層から成り、その頂部に合成ゼオラ
イト層を配することを特徴とする請求項1に記載の廃棄
ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項4】 前記吸着装置に充填する吸着剤または充
填した吸着剤層に、ガス状炭化水素でプレコートするこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄ガ
ス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項5】 前記吸着装置内の吸着剤層に吸着したガ
ス状炭化水素を離脱せしめる手段として、被吸着炭化水
素の沸点以上に加熱した空気または水を使用することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄ガス中
に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項6】 前記吸着剤層が破過する前に脱着に切り
換える手段として、前記吸着剤層内の頂部に温度検知ポ
ートを配設し、該温度検知ポートからの温度がその上昇
を停止した時点をもって、自動的に電磁弁を切り換える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の廃棄
ガス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項7】 前記吸着剤層が破過する前に脱着に切り
換える手段として、吸着運転時に得られる吸着装置の
「入口のガス流量」,「入口ガス中の炭化水素濃度」及
び「出口ガス中の所望の炭化水素濃度(仮定値)」を数値
データとしてチップに読み込ませ、該チップ内に組み込
んだ制御を目的としたシミュレーションモデルを用いて
切り換え時間を予め設定することを特徴とする請求項1
〜5のいずれかに記載の廃棄ガス中に含まれる希薄なガ
ス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項8】 前記吸着装置から大気に排出されるクリ
ーンなガス中の炭化水素濃度を100ppm以下にするこ
とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の廃棄ガ
ス中に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理方法。 - 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
処理方法を実施するための装置であって、該装置中の
“吸着剤層を有する吸着装置”が、吸着剤層を含むコン
ポーネントからなり、該コンポーネントが密閉し得るが
閉鎖し得ない容器からなることを特徴とする廃棄ガス中
に含まれる希薄なガス状炭化水素の処理装置。 - 【請求項10】 前記“吸着剤層を有する吸着装置”
が、吸着剤層を囲い、かつ廃棄ガスが円周方向に通気で
きる円筒を多重に内蔵する吸着装置であることを特徴と
する請求項9に記載の廃棄ガス中に含まれる希薄なガス
状炭化水素の処理装置。 - 【請求項11】 前記吸着剤層の囲いが、箱型コンポー
ネントないしはハニカム型コンポーネントであって、該
コンポーネントを多重に内蔵する吸着装置であることを
特徴とする請求項10に記載の廃棄ガス中に含まれる希
薄なガス状炭化水素の処理装置。 - 【請求項12】 前記吸着剤層が、径が0.1〜1mm
の微粒の吸着剤を充填した層からなることを特徴とする
請求項9〜11のいずれかに記載の廃棄ガス中に含まれ
る希薄なガス状炭化水素の処理装置。
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