JP2000300445A - 真空容器の蓋体 - Google Patents

真空容器の蓋体

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JP2000300445A
JP2000300445A JP11111209A JP11120999A JP2000300445A JP 2000300445 A JP2000300445 A JP 2000300445A JP 11111209 A JP11111209 A JP 11111209A JP 11120999 A JP11120999 A JP 11120999A JP 2000300445 A JP2000300445 A JP 2000300445A
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Inshoku Boku
允植 朴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 別体の真空ポンプを使用して引く操作に力を
掛けて何度もポンピングするのが大変であった。 【解決手段】 底板(本体)30を容器20の開口に載
置し、上板60を介して可動板(可動ポンプ体)50を
押し下げると、同可動板50と中板(可動板)40とで
形成される閉空間Aの容積が広くなり、中軸41に形成
したチェックバルブを介して容器20内の空気を吸引す
るので、押し下げ動作で吸引動作を可能とし、別体のポ
ンプを使用しないでコンパクトにしつつ、少ないエネル
ギー消費で所望の減圧を施すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品などを略真空
状態(本発明においては、以下において空気を減らした
状態を指すものとする)で保管するのに利用して好適な
真空容器の蓋体に関する。
【0002】
【従来の技術】食品などは、空気と接して酸化し、変質
したり、腐敗しやすい。このように簡単に変質するおそ
れのある内容物を長時間効果的に保管できる手段とし
て、冷蔵したり、真空状態で保管したりする方法等があ
る。
【0003】しかし、冷蔵保管は一般に電気を必要とさ
れるため、電気のない状態でも利用できる真空状態での
保管が広く利用されている。しかし、生産段階で真空状
態として包装されて出る製品は、一度開封したら真空状
態ではなくなってしまう。通常、真空状態を形成するに
は特殊な装置が必要であり、一度開封してしまった後
は、一般家庭で真空状態に戻して保管することは難しか
った。このような事情を背景として、近年においては、
一般家庭で利用することを前提とした保管容器が開発さ
れてきている。この保管容器は、別体で形成したシリン
ダ−ピストン構造からなる真空ポンプと共に提供されて
いる。
【0004】使用する際には、保管容器と真空ポンプと
を連結し、真空ポンプのピストンを手で引いて吸引させ
る。吸引路にはチェックバルブなどが設けられ、保管容
器に空気が逆戻りしないようになっている。ある程度真
空化されたら、真空ポンプと保管容器とを分離し、それ
ぞれ所定の場所に保管する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の真空容
器の蓋体においては、次のような課題があった。
【0006】真空ポンプはいわゆる注射器状のシリンダ
−ピストン構造となっているから、保管容器内を真空化
させる真空作業ではピストン側を手で強く引く作業が必
要であるし、反復して動作させなければならないので、
使用者は疲労しやすい。また、高い真空度を得るには限
界ある。さらに、真空ポンプが別体となっているので、
使用時にはその都度探さなければならない。特に、手で
引ける力を前提とすれば、シリンダ−ピストン構造の大
きさには限界があり、家庭で容易に利用できるような大
きさとすると、一回で排気できる容積は小さく、ポンピ
ング動作が多くなる。
【0007】一方、このような注射器状の真空ポンプを
一体化することも考えられ無くはないが、大型化するだ
けで使いにくいことが予想される。本発明は、上記課題
にかんがみてなされたもので、小型で利用しやすい真空
容器の蓋体の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、容器の開口を気密的に閉
口する蓋体であって、下面側にて上記容器の開口を気密
的に閉口可能な閉口部を形成した本体と、この本体を貫
通して上記容器と外部とを連通せしめるとともに排気は
可能であるとともに吸気は不能とするチェックバルブ
と、吸引口と排気口とを有するとともに上記本体の上面
側に配設されて押し込み動作で吸引動作するポンプ機構
であって、上記吸引口は上記チェックバルブの排気側に
連通し、上記排気口を大気側に連通せしめた押し込み型
手押しポンプ機構とを具備する構成としてある。
【0009】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、本体の下面側に形成した閉口部をて容器
の開口上に載置すると、取りあえず同開口は気密的に閉
口される。ここで、本体の上面側には押し込み動作で吸
引動作する押し込み型手押しポンプ機構が配設されてお
り、その吸引口はチェックバルブを介して本体内部と連
通している。この押し込み型手押しポンプ機構を押し込
めば吸引口を介して本体内部から吸引するが途中にチェ
ックバルブが備えられているので、本体内部からの排気
は可能であるが、吸気は不能となり、本体内部は減圧さ
れる。むろん、押し込み型手押しポンプ機構の排気口は
別にあり、そこから排気される。
【0010】すなわち、容器の上から比較的力を掛けや
すい押し込み動作で、当該容器内の空気を吸引して排気
することになる。ここで、本体は容器の開口上に載置さ
れて気密的に閉口できるものであればよく、容器の形状
などに応じて適宜変形可能である。また、気密的に閉口
させる構成も適宜変形可能であり、その一例として、請
求項2にかかる発明は、請求項1に記載の真空容器の蓋
体において、上記本体は、上記容器開口を全面的に覆蓋
する当接面と、上記開口に対面する部位に配設された気
密シール部材とを有する構成としてある。
【0011】上記のように構成した請求項2にかかる発
明においては、当接面と容器の開口との間に気密シール
部材が介在され、容器内が減圧されると当接面と容器と
が気密シール部材を挟んで強く引きつけられ、より気密
性が向上する。容器と外部とはチェックバルブを介して
連通することになり、排気は可能であるが、吸気は不能
となる。チェックバルブの構成は極めて多様に実現可能
であるが、その配置によっては押し込み型手押しポンプ
機構との連結を簡易にできる。その一例として、請求項
3にかかる発明は、上記請求項1または請求項2のいず
れかに記載の真空容器の蓋体において、上記本体は、筒
状として内部に上記チェックバルブを配設した中軸を有
し、上記押し込み型手押しポンプ機構は、この中軸の周
囲を取り囲むように形成しつつ同中軸の上方側開口に連
通して上記吸引口となるように構成してある。
【0012】上記のように構成した請求項3にかかる発
明においては、上記本体に筒状の中軸が形成され、この
筒部に内蔵されるチェックバルブを介して容器内の空気
は排気される。また、中軸を取り囲むように押し込み型
手押しポンプ機構が形成されているから、同中軸の上方
側開口は自ずから押し込み型手押しポンプ機構に連通す
る。むろん、中軸の上方側開口が押し込み型手押しポン
プ機構の吸引口となる。
【0013】押し込み型手押しポンプ機構は押し込み動
作で吸引動作を行うものであれば良く、各種の構成を採
用することができる。その一例として、請求項4にかか
る発明は、上記請求項3に記載の真空容器の蓋体におい
て、上記押し込み型手押しポンプ機構は、上記中軸上端
の開口よりも上方にて幅広に形成された固定ポンプ体
と、有底の略カップ状に形成され、底面には中軸外周に
対して気密的に摺動可能な底部穴を有するとともに、側
壁内周面にて上記固定ポンプ体の外周縁と気密的に摺動
可能な可動ポンプ体と、上記固定ポンプ体と上記可動ポ
ンプ体にて形成される閉空間と外気との間に介在される
第二のチェックバルブと、カップ状とした上記可動ポン
プ体の上面を覆蓋する押し込み蓋と、上記閉空間の内部
容積を小さくするように上記可動ポンプ体を上記固定ポ
ンプ体の側に近づけるように付勢するスプリングとで構
成してある。
【0014】上記のように構成した請求項4にかかる発
明においては、固定ポンプ体と可動ポンプ体とで中軸上
端の開口を取り囲んでいる。可動ポンプ体の底面には底
部穴が形成されているが、中軸外周に対して気密的に摺
動可能であり、可動ポンプ体は中軸に沿って上下動可能
となる。一方、上記中軸上端の開口よりも上方には、幅
広に形成された固定ポンプ体があり、可動ポンプ体はそ
の側壁内周面にてこの固定ポンプ体の外周縁と気密的に
摺動可能となっている。従って、可動ポンプ体を中軸に
沿って押し下げると、固定ポンプ体と可動ポンプ体とで
形成される内部区間は押し広げられ、可動ポンプ体を中
軸に沿って押し上げると内部の閉空間は狭められる。
【0015】押し込み蓋はカップ状とした可動ポンプ体
の上面を覆蓋するので、同押し込み蓋を押し下げると同
可動ポンプ体が押し下げられ、上記閉空間が広がるので
中軸上端の開口から本体内の空気を吸引する。続いて、
押し込み蓋に掛けていた力を抜くと、スプリングの付勢
力によって閉空間の内部容積を小さくするように可動ポ
ンプ体を押し上げる。このとき、この閉空間内の空気は
固定ポンプ体と可動ポンプ体にて形成される第二のチェ
ックバルブを介して外部へと排気され、初期状態へと復
帰する。これを繰り返すと、押し込み蓋を押し下げたと
きにその力で容器内の空気が閉空間へと吸引され、押し
込み蓋から手を離すと第二のチェックバルブから排気さ
れ、徐々に容器内が減圧されていく。
【0016】このようにすると略カップ状の可動ポンプ
はスプリングにて押し上げられた状態となり、不安定に
なりかねない。このため、請求項5にかかる発明は、上
記請求項4に記載の真空容器の蓋体において、上記本体
は、上記可動ポンプ体の外周側を覆う側壁を有するとと
もに、同可動ポンプ体の外周面と同側壁の内周面には、
通常時には係合することなく上下動可能としつつ、相対
的に回転させると両者が係合して上下方向に移動不能と
するロック機構を形成してある。
【0017】上記のように構成した請求項5にかかる発
明においては、上記可動ポンプ体の外周側を側壁が覆
い、両者の間にロック機構を形成してある。すなわち、
通常時には同可動ポンプ体の外周面と同側壁の内周面は
係合していないため、可動ポンプ体は上下動可能となっ
ている。しかし、ロックしたいときには可動ポンプ体を
回転させると両者が係合し、上下方向に移動不能とな
る。容器から取り外すためには減圧した容器内に空気を
入れればよい。このための構造は各種のものが可能であ
るが、その一例として、請求項6にかかる発明は、上記
請求項3〜請求項5のいずれかに記載の真空容器の蓋体
において、上記中軸は、上下方向に貫通する貫通穴と、
通常時は当該貫通穴を閉口するとともにに押し込み動作
で開口する開閉弁とを有するとともに、上記押し込み蓋
は、この開閉弁に対面する開口を形成してある。
【0018】上記のように構成した請求項6にかかる発
明においては、上記中軸を貫通する開閉弁が形成してあ
るので、容器を開口させたいときには押し込み動作で同
開閉弁を開口させれば空気が貫通穴を介して減圧された
容器内へと吸引され、内外の気圧差が無くなって簡単に
開くようになる。ここで、押し込み蓋には開閉弁に対面
する開口を形成してあるので、同開閉弁の操作に支障は
生じない。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、容器の上
方から押し込む動作を利用するので力が入りやすく、疲
労感を時間辞させることなく、少ない回数で、十分な減
圧を施すことが可能な真空容器の蓋体を提供することが
できる。すなわち、少ないエネルギー消耗と簡単な作動
方法で高い真空力を提供することができる。
【0020】また、本発明の真空容器の蓋体は、容器の
上面に載置するだけであるので、多様な規格の容器と結
合可能となる。また、請求項2にかかる発明によれば、
気密シール部材を挟んで載置するだけで簡易に気密構造
を形成することができる。さらに、請求項3にかかる発
明によれば、中軸を採用することにより、可動ポンプの
支持構造やチェックバルブとの連結構造を簡易にするこ
とができる。さらに、請求項4にかかる発明によれば、
効率の良い配置で押し込み型手押しポンプ機構を構成で
きる。
【0021】さらに、請求項5にかかる発明によれば、
可動ポンプ体を不安定な状態にしないようにすることが
できる。さらに、請求項6にかかる発明によれば、中軸
に開閉弁を配置し、簡易に容器を開くことができるよう
になった。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かる真空容器の蓋体を容器に装着した状態を斜視図によ
り示しており、図2は同蓋体を分解斜視図により示して
おり、図3は同蓋体を断面図により示している。
【0023】同図において、この蓋体10は、上面に開
口を有する容器20の上端開口に装着される。同蓋体1
0は、主に、概略カップ状の底板30と、中板40と、
可動板50と、上板60と、開放ボタン70および反動
スプリング80とから構成されている。底板30は、概
略カップ状に形成されるとともに、カップ状とした上端
開口部分には外側に向けて折り返しが形成されている。
この折り返し内部にはシリコン製のリングからなる気密
シール部材37を装着してあり、容器20の上端をこの
折り返し内に挿入していくと、同気密シール部材37を
介して密接することになる。従って、この底板30が本
体を構成し、この本体30の下面側が当接面を構成す
る。
【0024】底板30の内底中央には貫通口が形成さ
れ、この貫通口に沿って上方に筒状の支持部31を形成
してある。この支持部31の外周面には雄ねじを形成し
てあり、後述するように中板40を螺合固定できるよう
になっている。また、底板30の側壁内周面には三ヶ所
に突起36を形成してあり、後述するように可動板50
を上下動可能としたり、上下動不能としたりできるよう
になっている。むろん、この貫通口が底部穴を構成す
る。
【0025】中板40は断面略T字型となっている。す
なわち、中央には二重の筒状とした中軸41が形成さ
れ、同中軸41の下端内周面には雌ねじが形成されてい
る。この雌ねじによって上記底板30に形成した支持部
31の雄ねじに螺合し、一体的に固定できる。中軸41
で二重の筒状とした中間部分にはゴム系素材を筒状とし
つつ外周面に笠型のフランジを形成した気密弁46が装
着されている。同中間部分の上端側は外壁に吸引口45
を形成してあり、同吸引口45を介して中軸41の内側
から吸引することはできるが、逆方向には空気が流れな
いようになっている。従って、この部分でチェックバル
ブを形成している。
【0026】中板40自身は、この中軸41の上端に形
成した平板状部分を備えており、この周縁には周面に沿
って連続する溝42を形成してある。この溝42にはリ
ング状のシール部材43を装着してあり、また、同溝4
2における上面側には三ヶ所に排気口44を形成してあ
る。溝42は、図4や図5に示すよう、シール部材43
の厚みに対して余裕(t)をもって形成してある。従っ
て、シール部材43は溝42内で上下に微少量移動可能
であり、図4に示すように下方へ移動すれば完全な気密
シールを構成するが、図5に示すように上方へ移動した
ときには排気口44を介して外部に連通してしまい、気
密シールとはならない。この意味で、当該シール部分は
第二のチェックバルブを構成している。
【0027】可動板50も概略カップ状に形成され、底
には上記中軸41を挿通可能としつつシール部材58を
収容している。これにより、中軸41を挿通せしめた状
態で可動板50を上下に摺動しても気密構造は維持され
る。一方、上述した中板40のシール部材43はこの可
動板50の側壁内周面に密接するようになっているか
ら、中板40を固定した状態で可動板50を上下に移動
させれば両者によって囲まれる閉空間Aの容積が大きく
なったり小さくなったりする。従って、中板40の平板
状部分は固定ポンプ体を構成し、可動板50は可動ポン
プ体を構成している。
【0028】この可動板50の周面にはL字形の突状部
52を形成してある。この突状部52は上述した底板3
0の側壁内周面に形成した突起36と干渉しない相対回
転角度となるときに、同可動板50が自由に上下動可能
となるが、可動板50を押し下げつつ少しだけ可動板5
0が回転すると突状部52の段部に突起36が引っかか
り、上方への抜け止め構造となる。上板60はドーナッ
ツ状に形成され、図示しない凹凸形状で可動板50にお
ける筒状の側壁上端に対して固定できるようになってい
る。この上板60の中央には円形の貫通口61を形成し
てあり、この貫通口61を介して中板40に支持された
開放ボタン70を操作可能となっている。
【0029】開放ボタン70は下端側を流線型状とした
軸部71と、この軸部71の上端に形成したフランジ状
の当接部72とを有しており、上記中軸41に形成した
上下に貫通する貫通口に装着されている。この貫通口は
二重の筒型としたときにおける内側の貫通口であり、内
側の貫通口には当該軸部71と気密構造ができるように
筒型のアダプタ33が装着されている。このアダプタ3
3は中板40に設けられたものであるが、軸部71の先
端側の周面には環状の溝を形成しつつOリング75を装
着してある。このOリング75によって軸部71の先端
とアダプタの内周面との間で気密性が確保され、同アダ
プタの外周面と上記気密弁46の内周面との間でも気密
性が確保される。
【0030】ただし、開放ボタン70自体はスプリング
73にて上方に付勢支持されており、通常時は上述した
ように軸部71のOリング75がアダプタ33の内周面
と密接しているものの、スプリング73に抗して押し下
げるとOリング75とアダプタ33の内周面との間の気
密性は失われ、外気と連通することになる。なお、この
ように開放ボタン70を上方に付勢支持しつつ抜けない
ようにするためアダプタ33の下方側開口は上方に向か
ってすり鉢状に幅狭としつつ段部35を設けてある。
【0031】最後に、底板30の内底面と可動板50と
の間にはスプリング80が介在され、可動板50を上方
に押し上げるように付勢している。次に、上記構成から
なる本実施形態の動作を説明する。本蓋体10を容器2
0の開口に装着した初期状態を図6に示す。この状態か
ら図7に示すように上板60を押し下げていくと、中板
40と可動板50との間の閉空間Aの容積が広がってく
る。すると、気密弁46において容器20内部よりも吸
引口45の側の気圧の方が低くなるから、容器20内の
空気は上記閉空間Aの側へと吸引される。このとき第二
のチェックバルブを構成するシール部材43の側は、図
5に示すように溝42の下側壁面と可動板50の内周面
との間に押しつけられて気密性を形成しており、外気を
吸引することはできない。
【0032】可動板50を最下端位置まで押し下げた状
態を図8に示す。ここで上板60を押し下げていた力を
離すと、スプリング80が可動板50を押し上げようと
する。このとき、中板40と可動板50との間の閉空間
Aの容積が狭まってくるため、内部の空気は排出されよ
うとするものの、気密弁46の側については通過許容方
向とは逆であるので容器20内部への戻ることはない。
これに対して、第二のチェックバルブを構成するシール
部材43の側では、溝42内で上側壁面と可動板50の
内周面とに押しつけられる。本来であれば、これによっ
て気密面が形成されるはずであるが、溝42内には排気
口44が形成されているので、閉空間A内の空気はこの
排気口44を介して外気へと排気される。そして、可動
板50の許容ストロークの範囲で最上端まで戻ると図6
に示す初期状態となる。
【0033】従って、以上のポンピング動作を数回繰り
返せば容器20内の空気は次々と排気され、減圧されて
いく。一般に上板60を押し下げるときにはやや体重を
かけられるので、本来よりも軽い力で押し込める。従っ
て、上記閉空間Aの容積を広めにしても無理なくポンピ
ング可能である。そして、容積を広く取れれば必要な減
圧を得るためのポンピング動作回数も減らせられる。あ
る程度の減圧を得られたら、可動板50を押し込んだ状
態で図1を基準として上板60を時計回り方向に少しだ
け回転させる。すると、可動板50の側壁外周面に形成
した突状部52が底板30の側壁内周面に形成した突起
36の下側に入り込み、可動板50は上方へ移動しなく
なる。この状態で保管すれば全体として大型化せず、収
納性が向上する。
【0034】一方、この容器20を開けたいときには図
10に示すように開放ボタン70を押し下げる。する
と、軸部71の先端側に形成したOリング75がアダプ
タ33の内周の段部35から離れ、気密性がなくなる。
これによって外気が容器20内へと入り込み、容器20
の内外の気圧差が無くなる。すると、本蓋体10は容易
に容器20から外すことができるようになる。このよう
に、底板(本体)30を容器20の開口に載置し、上板
60を介して可動板(可動ポンプ体)50を押し下げる
と、同可動板50と中板(可動板)40とで形成される
閉空間Aの容積が広くなり、中軸41に形成したチェッ
クバルブを介して容器20内の空気を吸引するので、押
し下げ動作で吸引動作を可能とし、別体のポンプを使用
しないでコンパクトにしつつ、少ないエネルギー消費で
所望の減圧を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる真空容器の蓋体の
斜視図である。
【図2】蓋体の分解斜視図である。
【図3】蓋体を容器に装着した状態の断面図である。
【図4】第二のチェックバルブにおける排気時の状態を
示す断面図である。
【図5】第二のチェックバルブにおける吸気時の状態を
示す断面図である。
【図6】蓋体を容器に装着した初期状態の断面図であ
る。
【図7】蓋体を容器に装着して押し込んでいく途中の断
面図である。
【図8】蓋体を容器に装着して押し込んだ最下端での断
面図である。
【図9】蓋体を容器に装着して押し込んだ後、手を離し
て戻る過程の断面図である。
【図10】蓋体を容器に装着して容器を開ける際の操作
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…蓋体 20…容器 30…底板 31…支持部 33…アダプタ 36…突起 37…気密シール部材 40…中板 41…中軸 42…溝 43…シール部材 44…排気口 45…吸引口 46…気密弁 50…可動板 52…突状部 58…シール部材 60…上板 61…貫通口 70…開放ボタン 71…軸部 72…当接部 73…スプリング 75…Oリング 80…反動スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA01A BC07A EE56 EE60 FB11 GD01 GD02 4B002 AA01 AA21 BA01 BA21 BA41 BA53 BA59 CA11 CA22 CA23 CA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の開口を気密的に閉口する蓋体であ
    って、 下面側にて上記容器の開口を気密的に閉口可能な閉口部
    を形成した本体と、 この本体を貫通して上記容器と外部とを連通せしめつつ
    排気は可能であって吸気は不能とするチェックバルブ
    と、 吸引口と排気口とを有するとともに上記本体の上面側に
    配設されて押し込み動作で吸引動作するポンプ機構であ
    って、上記吸引口は上記チェックバルブの排気側に連通
    し、上記排気口を大気側に連通せしめた押し込み型手押
    しポンプ機構とをことを特徴とする真空容器の蓋体。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の真空容器の蓋体に
    おいて、上記本体は、上記容器開口を全面的に覆蓋する
    当接面と、上記開口に対面する部位に配設された気密シ
    ール部材とを有することを特徴とする真空容器の蓋体。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の真空容器の蓋体において、上記本体は、筒状と
    して内部に上記チェックバルブを配設した中軸を有し、
    上記押し込み型手押しポンプ機構は、この中軸の周囲を
    取り囲むように形成しつつ同中軸の上方側開口に連通し
    て上記吸引口となるようにしたことを特徴とする真空容
    器の蓋体。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載の真空容器の蓋体に
    おいて、上記押し込み型手押しポンプ機構は、 上記中軸上端の開口よりも上方にて幅広に形成された固
    定ポンプ体と、 有底の略カップ状に形成され、底面には中軸外周に対し
    て気密的に摺動可能な底部穴を有するとともに、側壁内
    周面にて上記固定ポンプ体の外周縁と気密的に摺動可能
    な可動ポンプ体と、 上記固定ポンプ体と上記可動ポンプ体にて形成される閉
    空間と外気との間に介在される第二のチェックバルブ
    と、 カップ状とした上記可動ポンプ体の上面を覆蓋する押し
    込み蓋と、 上記閉空間の内部容積を小さくするように上記可動ポン
    プ体を上記固定ポンプ体の側に近づけるように付勢する
    スプリングとで構成したことを特徴とする真空容器の蓋
    体。
  5. 【請求項5】 上記請求項4に記載の真空容器の蓋体に
    おいて、上記本体は、上記可動ポンプ体の外周側を覆う
    側壁を有するとともに、同可動ポンプ体の外周面と同側
    壁の内周面には、通常時には係合することなく上下動可
    能としつつ、相対的に回転させると両者が係合して上下
    方向に移動不能とするロック機構を形成したことを特徴
    とする真空容器の蓋体。
  6. 【請求項6】 上記請求項3〜請求項5のいずれかに記
    載の真空容器の蓋体において、上記中軸は、上下方向に
    貫通する貫通穴と、通常時は当該貫通穴を閉口するとと
    もにに押し込み動作で開口する開閉弁とを有するととも
    に、上記押し込み蓋は、この開閉弁に対面する開口を形
    成したことを特徴とする真空容器の蓋体。
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