JP2000300198A - 揚げ物用衣材料およびこれを用いた揚げ物類 - Google Patents
揚げ物用衣材料およびこれを用いた揚げ物類Info
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Abstract
たて時にサクサクとした良好な食感や外見を有し、かつ
そのサクサクとした良好な食感を長く保持することので
きる揚げ物用衣材料とそれを用いて製造した揚げ物類と
を提供すること、保存後に電子レンジなどで再加熱した
場合、あるいは高湿度条件下で保存した場合にも、良好
な物性とカラっとした食感を再現することのできる揚げ
物用衣材料とそれを用いて製造した揚げ物類とを提供す
ること、揚げ物中の水分を早く蒸発させることができ、
揚げ時間を短縮することのできる揚げ物用衣材料とそれ
を用いて製造した揚げ物類とを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 糖アルコールを含有することを特徴とす
る揚げ物用衣材料を提供する。
Description
どの揚げ物用の衣材料およびそれを用いて製造した揚げ
物類に関し、詳しくはサクサクとした良好な食感や外見
を有し、しかもその良好な食感を長く保持することので
きる揚げ物用衣材料およびそれを用いて製造した揚げ物
類に関する。
くことのできないものであり、最近の冷凍食品の伸長、
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売
される弁当、惣菜等の増加に伴って、より美味しく、ま
た、流通時における食感の劣化を抑制する技術が求めら
れるようになってきている。
衣の食感を改善する技術として、各種加工澱粉を含む澱
粉類、膨張剤、卵等を添加する方法(『改訂フライ食品
の理論と実際』1989年(平成1年)4月1日改訂第1刷
発行、p.204〜213)が知られている。しかしながら、こ
の方法によると、実際には加工澱粉類および澱粉類、膨
張剤、卵等を添加するだけでは、揚げる場合に生地が収
縮しやすく水分蒸発の遅い部分が残り、また、良好な食
感が長く保持されにくいという欠点がある。
リとした快い食感を有する揚げ物用の衣を提供するため
に、トレハロースを使用した揚げ物用衣材料が提案され
ている(特許第2702067号公報参照)。
示されているように実際に本発明者がトレハロースを使
用した衣材料で揚げ物を調製し追試を行ったところ、衣
のはがれが観察され、また、2〜3時間経過して冷めた
状態になっても、サックリとした歯触りの良好な食感が
保持されていることが確認されたと記載されていたが、
実際には2〜3時間経過した場合には、既にサックリと
した良好な歯触りは保持されておらず、必ずしも十分な
ものではないことが分かった。
60〜95重量%と、糖アルコール、卵白、レシチン、
糊料の1種もしくは2種以上を用いた非小麦粉成分5〜
40重量%とを混合することによって、食感、物性、華
咲き等が良好であり、しかもその状態を数時間にわたり
保持することのできる天ぷら粉組成物及びこれを衣材と
して用いた天ぷら類が提案されている。しかしながら、
特開平6−98706号公報記載の発明で使用されている糖ア
ルコールは、還元澱粉加水分解物のみであり、本発明者
が実際に追試を行ったところ、かき揚げの内部に柔らか
い食感の部分が残ったり、糊料を添加した場合は天ぷら
種との付着部分にヌルヌルとした食感が感じられるな
ど、サクサク感は不十分であり、また、2〜3時間経過
した場合には既にサクサク感は完全に失われているな
ど、やはり十分なものではないことが分かった。また、
還元澱粉加水分解物は吸湿性が高いため、天ぷら粉自体
の保存性にも影響し好ましくない。
く保持される必要がある場面が多いにもかかわらず、実
際上は、揚げることそのものに熟練した特別な技術を必
要としたり、あるいは揚げたてはサクサクとした良好な
食感が得られた場合であっても、その食感が長く保持さ
れないという問題点があった。以上のように、時代の要
望に答えるべく様々な技術が提案されているが、揚げ物
のサクサクとした食感、あるいは経時的品質保持技術
は、市場の要望を満足させるところまで到達していない
のが現状である。
の問題点を解消し、特別な技術を必要とすることなく誰
でも簡単に揚げることができ、しかも揚げたて時にサク
サクとした良好な食感や外見を有し、かつそのサクサク
とした良好な食感を長く保持することのできる揚げ物用
衣材料とそれを用いて製造した揚げ物類とを提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、保存後に電子レンジ
などで再加熱した場合にも、あるいは高湿度条件下で保
存した場合にも、さらには凍結保存した後に電子レンジ
などで再加熱した場合などにも、良好な物性とカラっと
した食感を再現することのできる揚げ物用衣材料と、そ
れを用いて製造した揚げ物類とを提供することを目的と
する。さらに、本発明は、揚げ物中の水分を早く蒸発さ
せることができ、このため揚げ時間を短縮することので
きる揚げ物用衣材料とそれを用いて製造した揚げ物類と
を提供することを目的とする。
き従来の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、意外
にも結晶性糖アルコールのラクチトール、エリスリトー
ルを衣材料に含有することによって、特異的に揚げ物類
やサクサクまたはカリっとした良好な食感、天ぷらとし
て好ましい外見、保存性の良さを熟練した技術を要さず
実現できることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成した。
ルコールを含有することを特徴とする揚げ物用衣材料を
提供するものである。
トール、エリスリトールを主体とするものであって、本
発明の効果を妨げない限りにおいて、ソルビトール、キ
シリトール、マルチトール、還元パラチノースおよび還
元水飴等の他の糖アルコールを含んでいても差し支えな
い。本発明における糖アルコールとして好ましくは、請
求項2に記載したように、ラクチトールおよび/又はエ
リスリトールである。なお、特開平6−98706号公報記載
の発明において、糖アルコールを含有する天ぷら粉組成
物を開示しているが、使用されている糖アルコールは、
同公報に記載のあるとおり、澱粉の加水分解物を原料と
する還元澱粉分解物であり、本発明で使用する糖アルコ
ールのエリスリトールやラクチトールとは、原料の点及
び本発明の天ぷら粉に与える物性面で異なるものであ
る。
て得られる糖アルコールであって、甘味度は砂糖の約1
/3と低く、また、後を引かないスッキリとしたクセの
無い甘味質である。そのため、揚げ物用衣材料に含有さ
せた場合において、他の糖質と比較して甘味を低く抑え
ることができ、油脂の風味を妨げることなく衣の物性改
良を行うことが可能である。しかもラクチトールは、熱
に対して安定性が高いため、揚げ時間が長くなっても着
色の心配が不要であるという利点もある。さらに、ラク
チトールは、溶解性が高いため、バッターを調製する際
に容易に溶解する。さらに、微粉の形態に調製して、よ
り溶解しやすくすることもできる。市販品としては、例
えば、無水物であるラクチトール日研LC-0(日研化学
(株)製、以下同様)、結合水1分子を含む一水和物で
あるラクチトール日研LC-1、結合水2分子を含む二水和
物であるラクチトール日研LC-2があり、結晶水3分子を
含む三水和物も調製可能である。これらは結晶形が異な
っても、バッターに溶解すれば効果は同じである。
て得られる、カロリーがゼロである糖アルコールであ
り、例えばエリスリトール(日研化学(株)製)として
市販されている。その甘味度は砂糖の約70〜80%であ
り、後を引かない甘味質であって、衣材料に添加した場
合であっても甘味はほとんど気にならない。エリスリト
ールは吸湿性が非常に低く、結晶性も非常に良く、高耐
熱性であるため、特に揚げたてはラクチトールと同様の
効果(サクサクとした食感など)が認められる。カロリ
ーがゼロであることは、揚げ物に使用する際に大きな利
点であるといえる。
ルの含有量は、請求項3に記載したように、合計で0.1
〜30重量%の範囲であるが、ラクチトールとエリスリト
ールとでは好適範囲が若干異なる。即ち、ラクチトール
の含有量は、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは
3〜10重量%である。一方、エリスリトールの含有量
は、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜7重
量%である。糖アルコールの含有量が多すぎると、水分
が飛散しすぎて食感がガリガリになり、揚げ物として好
ましい食感ではなくなり、また、甘味が多少感じられる
ようになり、甘味を嫌う場合は好ましくない。一方、糖
アルコールの含有量が少なすぎると、好ましい食感を長
時間保持できなくなる。
材料は、上記糖アルコールの他に、主原料として穀粉を
含有して成る。通常、穀粉は、揚げ物用衣材料中におい
て、70〜98.9重量%程度の割合で含有される。ここで穀
粉としては、主として小麦粉、特にグルテンの少ない薄
力粉が用いられるが、中力粉、強力粉でも良く、それ以
外にも必要に応じて、大麦粉、ライ麦粉、ハト麦粉等も
使用することができる。
物用衣材料は、副原料(副剤)として、ベーキングパウ
ダー、澱粉類、糖類、増粘多糖類、乳化剤、卵白、卵
黄、全卵、食塩、香料、香辛料などの各種調味料、色素
等を含有していても良い。
ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム
をガス発生剤として、それらに酸又は酸性物質(酒石
酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カル
シウム、グルコノデルタラクトン、ミョウバン等)を配
合した混合剤を示す。このベーキングパウダーは、水分
の蒸発を促進させ、膨化率を増大させる作用を有してお
り、揚げ物用衣材料100重量部中、1〜5重量部の割合で
含有させるのが一般的である。
(コーンスターチ)、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱
粉、サツマイモ澱粉等が使用可能である。また、これら
以外に、これらのアルファー化澱粉や湿熱処理澱粉など
の加工澱粉も使用することができる。
ゴ糖、砂糖、キシロース、グルコース等、一般に食品に
使用することができる各種糖類が挙げられ、本発明の効
果を妨げない範囲で、これらの1種または2種以上を用
いることができる。
ン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、タマリンドガム、アラビアガム等、一般に食品に使
用することができるものが挙げられ、本発明の効果を妨
げない範囲で、これらの1種または2種以上を用いるこ
とができる。
脂肪酸エステル等が挙げられる。これら乳化剤は、衣を
クリスピーにする作用があるため、本発明の効果を妨げ
ない範囲で、これらの1種または2種以上を用いること
ができる。
も特に限定されるものではないが、使い易さを考慮した
場合、粉末が望ましい。これらは、膨化率の増大を図る
と共に、風味付けのために用いられる。
材料は、上記した如き原料を配合したものであって、い
わゆるプレミックス等の粉末状のものの他、これを水に
溶いたバッター液の状態のものも含まれる。なお、本発
明において、糖アルコール以外の原料成分の含有量(添
加量)は、基本的には一般的に使用される範囲で良い。
求項1〜3に記載の揚げ物用衣材料を用いて製造した揚
げ物類を提供するものである。
かす、フライ菓子、フライの下地粉等の小麦粉と混合し
て油脂で揚げる食品全般を指し示す。このような揚げ物
類は、弁当、惣菜などとして利用される他、凍結乾燥さ
れた状態でカップ麺等の即席麺などに入れられて利用さ
れる。また、これら揚げ物類を揚げるときの温度、時間
などの条件は、常法に応じて選定すれば良い。
が、本発明は以下の実施例により限定されるものではな
い。
LC−0(日研化学(株)製)〕の含有量を変えた種々の
組成の天ぷら用の衣材料(天ぷら粉)100重量部に対し
て、170重量部の水を加えて衣液を調製し、むきえびに
この衣液を付けた。これを、170℃の温度において2分
間油で揚げ、むきえびの天ぷらを調製した。揚げ直後の
食感(サクサク感)、外見その他、および室温で3時間
経過後の食感(サクサク感)について、7名のパネラー
により、不良、やや不良、普通、やや良好、良好、非常
に良好、の6段階で評価した。結果を第1表に示す。
量が0.1〜30重量%の範囲、好ましくは3.0〜10.0重量%
の範囲で、揚げ直後だけでなく、サクサク感がほとんど
変化しないで保持されることが明らかになった。ラクチ
トール含有量が10.0〜20.0重量%の範囲になるとカリカ
リ感が出てきた。なお、ラクチトール含有量が30重量%
以上になるとガリガリ感が出てくるが、この食感はフラ
イ菓子等の揚げ物の種類によっては応用可能であると認
められる。
ると共にラクチトール(同上)の含有量を変えた3種の
組成の天ぷら用の衣材料(天ぷら粉)100重量部に対し
て、170重量部の水を加えて衣液を調製し、むきえびに
この衣液を付けた。これを、170℃の温度において2分
間油で揚げ、むきえびの天ぷらを調製した。揚げ直後の
食感(サクサク感)、外見その他、および室温で3時間
経過後の食感(サクサク感)について、第1表と同様に
して評価した。結果を第2表に示す。
量が1.0重量%と5.0重量%のいずれの場合にも、揚げ直
後だけでなく、サクサク感がほとんど変化しないで保持
されることが明らかになった。
量部を用いると共にラクチトール(同上)の含有量を7.
0重量部としたもの(実施例3)と、特許第2702067号公
報記載の発明の実施例2−5と同様にして行ったもの
(比較例3;ラクチトールを全く使用せず、その代わり
にトレハロースを7.0重量部用いた例)との2種の組成
の天ぷら用の衣材料(天ぷら粉)を作成し、実施例3の
衣材料100重量部に対しては、150重量部の水を加えて衣
液を調製し、比較例3の衣材料100.8重量部に対して
は、149.2重量部の水を加えて衣液を調製した。むきえ
びにこれらの衣液を付けて、これを、170℃の温度にお
いて2分30秒間油で揚げ、むきえびの天ぷらを2種調製
した。なお、トレハロースは水和物であり、製品中に約
10%の水分を含むため、衣液の組成を、固形分換算で
ラクチトールと同等量となるように調製した。
室温で3時間経過後と、20℃で24時間保存した後電子レ
ンジで再加熱(600Wで1分間加熱)したものとについ
て、それぞれ官能検査を行った。官能検査はパネラー1
0名で2点嗜好法を行った。結果を第4表に示す。第4
表によれば、揚げ直後にはほとんど両者の差はないが、
ラクチトールを含有することによって、室温で3時間経
過後と、20℃で24時間保存した後電子レンジで再加熱し
た場合には、いずれもサクサク感の保持性があることが
示された。
製〕の含有量を変えた種々の組成の天ぷら用の衣材料
(天ぷら粉)100重量部に対して、170重量部の水を加え
て衣液を調製し、むきえびにこの衣液を付けた。これ
を、170℃の温度において2分間油で揚げ、むきえびの
天ぷらを調製した。揚げ直後の食感(サクサク感)、外
見、および室温で3時間経過後の食感(サクサク感)に
ついて、7名のパネラーにより、不良、やや不良、普
通、やや良好、良好、非常に良好、の6段階で評価し
た。結果を第5表に示す。
(同上)を含有させることにより、揚げ直後の外見、食
感(サクサク感)が非常に良く、しかも揚げ直後だけで
なく、3時間経過後もサクサク感がほとんど変化しない
で保持されることが明らかになった。
げ天ぷらの調製 第6表に示すように、ラクチトール(同上)(実施例5
−1)またはエリスリトール(同上)(実施例5−2)
を用いた例と、これらを全く使用せず、その代わりにコ
ーンスターチを使用した例(比較例5)との合計3種の
組成のかき揚げ天ぷら用の衣材料(天ぷら粉)100重量
部に対して、200重量部の水を加えて衣液を調製し、玉
ねぎにこの衣液を付けた。これを、180℃の温度におい
て2分間油で揚げ、玉ねぎのかき揚げ天ぷらを3種調製
した
て、それぞれ室温で30分経過後と、20℃,相対湿度
95%で3時間保存した後の官能検査を行った。官能検
査はパネラー7名により行い、比較例5を0点として、
−3点〜+3点で評価した。各質問項目の評点の平均値
を第7表と第8表に示す。第7表と第8表とによれば、
高湿度条件下で保存した場合においても、サクサク感や
風味の良さが保持されていることが分かる。
後〉
熱試験 実施例5−1と比較例5でそれぞれ調製したかき揚げ天
ぷらを、揚げてから30分後にビニール袋に入れて−20℃
のフリーザーで1ヶ月凍結保存した後、電子レンジで再
加熱し(600Wで1分間加熱)2点嗜好法を行った。結果を
第9表に示す。第9表によれば、サクサク感、風味の良
さが凍結保存しても保持され、また玉ねぎの水分や油脂
でベタベタすることもなくカラッとしていることが分か
る。
熱試験〉
〜6−3 (1)天ぷら用の衣材料並びにニンジンの天ぷらの調製 第10表に示すように、ラクチトール(同上)(実施例
6−1)またはエリスリトール(同上)(実施例6−
2)を用いた例と、これらの代わりにソルビトールを使
用した例(比較例6−1)、エスイー57(還元澱粉分
解物、日研化学(株)製)を使用した例(比較例6−
2)、およびこれらを全く使用しなかった例(比較例6
−3)との合計5種の組成の天ぷら用の衣材料(天ぷら
粉)を作成し、比較例6−2以外の衣材料100重量部に
対しては、150重量部の水を加えて衣液を調製し、比較
例6−2の衣材料103重量部に対しては、147重量部の水
を加えて衣液を調製した。輪切りにしたニンジンにこれ
らの衣液を付けて、これを、170℃の温度において2分3
0秒間油で揚げ、ニンジンの天ぷらを5種調製した。な
お、エスイー57は70重量%液状品であるので、衣液
の組成を固形分換算で、ラクチトールと同等量となるよ
うに調製した。
(サクサク感)、および室温で3時間経過後の食感(サ
クサク感)について、7名のパネラーにより、不良、や
や不良、普通、やや良好、良好、非常に良好、の6段階
で評価した。結果を第11表に示す。第11表によれ
ば、ラクチトール(実施例6−1)とエリスリトール
(実施例6−2)とは、全体的にサクサクとした良好な
食感が得られ、外見も好ましい天ぷらが得られたが、ソ
ルビトール(比較例6−1)とエスイー57(比較例6
−2)とについては、柔らかい部分があることが示され
た。また、ラクチトール(実施例6−1)については、
3時間経過後も非常にサクサク感が保持されることが分
かる。
7)を用いた例と、これの代わりにソルビトールを使用
した例(比較例7−1)、およびこれらを全く使用しな
かった例(比較例7−2)との合計3種の組成の天ぷら
用の衣材料(天ぷら粉)100重量部に対して、200重量部
の水を加えて、180℃の温度において2分間油で揚げ、
衣のみを調製した。
れた衣について、揚げてから5分経過後と、20℃、相対
湿度95%で3時間保存した後のそれぞれの衣をレオメー
ターを用いて、カッターナイフの刃を装着したアタッチ
メントでの衣の破断時の状況を調べた。結果を図1、図
2、図3にそれぞれ示す。図1、図2、図3において、
グラフの山が多いほどサクサクしていることを示してい
る。本例のように、衣のみを揚げた場合には、天ぷら種
からの水分移行がないため、揚げ直後は比較例7−1と
7−2もサクサクしていた。比較例7−1と7−2は保
存後においては、サクサク感が完全に失われていたが、
実施例7はサクサク感が保存後でも保持されていること
が分かる。
〜8−3 ラクチトール(同上)を用いた例(実施例)と、ラクチ
トールを全く用いなかった例(比較例)との合計2種の
下記第13表に示す組成の天ぷら用の衣材料(天ぷら
粉)100重量部に対して、200重量部の水を加えて、アル
ミカップに入れ、160℃,170℃,180℃の温度におい
て、それぞれ所定時間油で揚げ、衣のみを調製し、水分
含量の経時変化を調べた。結果を図4に示す。
比較例8−18−2,8−3は、それぞれ順に約160
℃,約170℃,約180℃の温度で揚げたときの例である。
図4によれば、ラクチトールを用いた実施例8−1〜8
−3の場合、ラクチトールを全く用いなかった比較例8
−1〜8−3と比べて、揚げ物の水分が早く抜け、揚げ
時間を短縮することができることが分かる。
〜9−2 (1)天ぷら用の衣材料並びに衣の調製 ラクチトール(同上)を用いた例(実施例9−1)、エ
リスリトール(同上)を用いた例(実施例9−2)、ラ
クチトールもエリスリトールも全く用いなかった例(比
較例9−1)、コーンスターチを用いた例(比較例9−
2)との合計4種の下記第14表に示す組成の天ぷら用
の衣材料(天ぷら粉)100重量部に対して、200重量部の
水を加えて、アルミカップに入れ、180℃の温度におい
て、2分間油で揚げ、合計4種の衣を調製した。
れぞれ得られた衣について、衣中の水分含量を調べた。
結果を図5に示す。図5によれば、各例の中では、エリ
スリトール(同上)(実施例9−2)を用いた場合に、
最も衣中の水分含量が低いことが分かる。
れぞれ得られた衣について、それぞれ5分経過後と30
分経過後に、7名のパネラーにより官能検査を行った。
前記と同じ6段階の評価基準による結果を第15表に示
す。第15表の結果によれば、ラクチトール(同上)を
用いた例(実施例9−1)とエリスリトール(同上)を
用いた例(実施例9−2)とは、ラクチトールもエリス
リトールも全く用いなかった例(比較例9−1)とコー
ンスターチを用いた例(比較例9−2)とに比べて、非
常に良好なサクサクとした食感を保持していることが分
かる。
2 (1)天ぷら用の衣材料並びに衣の調製 ラクチトール(同上)を用いた例(実施例10)、ラク
チトールを全く用いなかった例(比較例10−1)、ラ
クチトールの代わりにエスイー57(還元澱粉分解物、
日研化学(株)製)を用いた例(比較例10−2)との
合計3種の下記第16表に示す組成の天ぷら用の衣材料
(天ぷら粉)を作成し、実施例10及び比較例10−1
の場合は、衣材料100重量部に対して、200重量部の水を
加えて衣液を調製した。比較例10−2の場合は、衣材
料103.8重量部に対して、196.2重量部の水を加えて衣液
を調製した。それぞれの衣液をアルミカップに入れ、18
0℃の温度において、2分間油で揚げ、合計3種の衣を
調製した。なお、エスイー57は、70重量%液状品で
あるので、衣液の組成を固形分換算でラクチトールと同
等量となるように調製した。
得られた衣について、衣中の水分含量を調べた。結果を
図6に示す。図6によれば、各例の中では、ラクチトー
ル(同上)(実施例10)を用いた場合に、最も衣中の
水分含量が低いことが分かる。
得られた衣について、それぞれ5分経過後と30分経過
後に、7名のパネラーにより官能検査を行った。前記と
同じ6段階の評価基準による結果を第17表に示す。第
17表の結果によれば、ラクチトール(同上)を用いた
例(実施例10)は、ラクチトールを全く用いなかった
例(比較例10−1)と、ラクチトールの代わりにエス
イー57を用いた例(比較例10−2)とに比べて、非
常に良好なサクサクとした食感を保持していることが分
かる。
は、天ぷら、フライ等の揚げ物の衣にサクサクまたはカ
リっとした食感と良好な外見を与えて、これらの食感と
外見を長く保持することができる。すなわち、請求項1
記載の本発明によれば、特別な技術を必要とすることな
く、誰でも簡単に揚げることができ、しかも揚げたて時
にサクサクとした良好な食感や外見を有し、かつそのサ
クサクとした良好な食感を長く保持することのできる揚
げ物用衣材料が得られる。また、請求項1記載の本発明
によれば、保存後に電子レンジなどで再加熱した場合に
も、あるいは高湿度条件下で保存した場合にも、さらに
は凍結保存した後に電子レンジなどで再加熱した場合な
どにも、良好な物性とカラっとした食感を再現すること
のできる揚げ物用衣材料が得られる。フリーザーで凍結
保存した場合などには、例えば1ヶ月経過後に電子レン
ジなどで再加熱した場合にも、良好な物性とカラっとし
た食感を再現することのできる揚げ物用衣材料が得られ
る。さらに、請求項1記載の本発明によれば、揚げ物中
の水分を早く蒸発させることができ、このため、揚げ時
間を短縮することのできる揚げ物用衣材料が得られる。
記の如き性質を有する揚げ物類が提供される。
性の測定結果を示すグラフである。
の物性の測定結果を示すグラフである。
の物性の測定結果を示すグラフである。
8−3における天ぷら用の衣材料を油で揚げたときの水
分含量の経時変化を示すグラフである。
9−2において得られた衣中の水分含量を示すグラフで
ある。
において得られた衣中の水分含量を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 糖アルコールを含有することを特徴とす
る揚げ物用衣材料。 - 【請求項2】 糖アルコールがラクチトールおよび/ま
たはエリスリトールであることを特徴とする請求項1記
載の揚げ物用衣材料。 - 【請求項3】 糖アルコールの含有量が0.1〜30重量%
であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
揚げ物用衣材料。 - 【請求項4】 糖アルコールの含有量が1〜10重量%で
あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の揚
げ物用衣材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4に記載の揚げ物用衣材料を
用いて製造した揚げ物類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11104499A JP4235310B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | 揚げ物用衣材料およびこれを用いた揚げ物類 |
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- 1999-04-19 JP JP11104499A patent/JP4235310B2/ja not_active Expired - Lifetime
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