JP2000298111A - バイオセンサー - Google Patents

バイオセンサー

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JP2000298111A
JP2000298111A JP11107691A JP10769199A JP2000298111A JP 2000298111 A JP2000298111 A JP 2000298111A JP 11107691 A JP11107691 A JP 11107691A JP 10769199 A JP10769199 A JP 10769199A JP 2000298111 A JP2000298111 A JP 2000298111A
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Japan
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biosensor
polymerized film
plasma polymerized
group
dehydrogenase
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JP11107691A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Rokusha
仁志 六車
Atsunori Hiratsuka
淳典 平塚
Masao Karube
征夫 軽部
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Todai TLO Ltd
Original Assignee
Center for Advanced Science and Technology Incubation Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/001Enzyme electrodes
    • C12Q1/002Electrode membranes

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、新しい構造のバイオセンサー
製造方法に関する。 【解決手段】プラズマ重合膜を用いることで新規のバイ
オセンサーを実現した。本発明のバイオセンサーは、よ
り簡便な方法で高性能なセンサーを実現できるととも
に、より広範囲に応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酵素のような触
媒活性を持つ成分を固定化したバイオセンサーとその使
用に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素のような触媒活性を持つ物質を利用
したバイオセンサーは、グルコースの他にも様々な分析
対象成分に応用されている。このようなバイオセンサー
は、微量の酵素によって様々な酵素基質を精度良く、し
かも簡単に測定することができる。旧来の溶液中におけ
る酵素反応に対して、バイオセンサーは経済性や操作性
の点でたいへん有利な分析システムとされている。酵素
活性を利用したバイオセンサーの中で、現在最も広く普
及しているものとしてグルコースセンサーを挙げること
ができる。成人病の1つである糖尿病の患者は1日に数
回血糖値を測定し、得られた測定値に基づいてインスリ
ン投与と、食事のコントロールをしなければならない。
このため糖尿病の患者には、血中のグルコース濃度を簡
便に知ることができるグルコースセンサーが不可欠であ
る。また、医療や食品工業の現場においてもグルコース
センサーは有用なツールとなりうる。
【0003】現在、市販されているグルコースセンサー
は、松下電器産業(株)によって開発された。このグル
コースセンサーは、酵素であるグルコースオキシダーゼ
(以下GODと省略することもある)を固定した電極か
らなっている。実際の使用にあたっては、センサーチッ
プの先に採取した血液を一滴浸し、測定機器に挿入する
だけで短時間に血糖値が表示される。特開平1-253648、
特公平5-24453、特開平6-213858、特開平1-156658、特
公平6-58338、および特開昭63-139243などには、このよ
うなグルコースセンサーに関する記述がある。
【0004】このセンサーチップは、基板上に印刷され
た銀ペーストまたはカーボンペースト電極パターンにグ
ルコースオキシダーゼ、フェリシアン化カリウムおよび
カルボキシメチルセルロースを含む水溶液を塗布し乾燥
させることにより製造されている。センサーチップを構
成するフェリシアン化カリウムはメディエータと呼ば
れ、酵素反応によって生じた電子と電極の仲介をする物
質である。このセンサーチップの表面に測定対象物を滴
下すると、まず[1]のような反応が起こる。さらに還元
型酵素はフェリシアン化カリウムと[2]のような反応を
起こす。ここでフェリシアン化カリウムとフェロシアン
化カリウムは、相互に酸化型と還元型の分子種である。
そして最後に還元型メディエータが電極上で[3]のよう
な酸化反応を起こす。この酸化電流値を測定することで
グルコース濃度を検知することができる。
【0005】 [1] グルコース+酸化型GOD→グルコン酸+還元型G
OD [2] 還元型GOD+フェリシアン化カリウム→酸化型G
OD+フェロシアン化カリウム [3] フェロシアン化カリウム→フェリシアン化カリウム
+電子
【0006】上記の反応を支えるメディエータには、主
に次の役割がある。すなわち第一に、メディエータは試
料中に共存する成分の影響を抑制する。たとえば実際の
血中には、アスコルビン酸(ビタミンC)や尿酸のよう
な還元性成分が存在し、酵素反応に基づく酸化電流の検
出を妨害する。メディエータを用いることで電流測定時
の印加電圧を下げることができ、結果的に還元性妨害物
質の影響を受けにくくなる。メディエータの第二の役割
は、酵素反応を十分に行わせることにある。糖尿病患者
の血中では、特に高レベルのグルコース濃度が見られる
ことがある。限られた溶存酸素では、高レベルのグルコ
ースの酸化が十分に行えない心配がある。メディエータ
は、酵素によるグルコースの酸化反応を助け、高レベル
のグルコース測定における溶存酸素の影響を小さくす
る。このようにGODを利用したグルコースセンサー
は、メディエータの働きによって支えられている。しか
し、メディエータには以下のような問題点が指摘されて
いる。メディエータ型バイオセンサーに用いられる低分
子量のメディエータは、電極上に完全に固定化すること
が難しい。そのため固定化とは言いながら、長時間使用
すれば電極からの離脱が観察される場合がある。したが
って、メディエータ型バイオセンサーは、連続使用には
適さない。またメディエータにはフェリシアン化合物の
ように、高い濃度では毒性を示す化合物も用いられる。
同じくメディエータとして利用されるフェロセン化合物
においても、その離脱によって鉄沈着という弊害を生じ
る恐れが指摘されている。そのため、体内留置センサー
には適さない。体内留置型のバイオセンサーにおける固
定化物質の離脱の危険性については、メディエータ以外
にも指摘されている。たとえば、離脱した酵素が異種タ
ンパク質として認識されアレルギー反応を引き起こす危
険性がある。次に製造上の問題点として、メディエータ
の使用に伴って、膜の均質性、再現性、電極との付着
性、歩留まりなどの問題が生じている。つまり、電極に
酵素とメディエータをカルボキシメチルセルロース膜と
共に塗付する方法では、高度な均質性を維持することは
困難である。更に、均質性の維持が困難であることか
ら、メディエータ型バイオセンサーは、小型で安価なセ
ンサーには適さないと言える。
【0007】バイオセンサーには、酵素のような触媒活
性物質を利用したもの以外に、物質間の親和性に基づく
反応を応用したものが知られている。前者は触媒性バイ
オセンサー(catalitic biosensor)、後者は親和性バイ
オセンサー(affinity biosensor)として区別される。親
和性バイオセンサーの代表的なものが、抗原抗体反応を
利用した免疫センサー、あるいは相補的な塩基配列から
なる核酸どうしの親和性を利用した遺伝子センサーであ
る。さて、親和性バイオセンサーにおいては、抗体や遺
伝子の固定にあたり、センサー表面に施したプラズマ重
合膜の官能基を利用する方法が公知である(Trend in An
alytical Chemistry Vol.18,pp62-68,1999)。プラズマ
重合膜の表面には官能基が高度に集積されており、その
ために高密度のタンパク質を固定化できるとされてい
る。一方、触媒性バイオセンサーにおいては、半導体表
面にプラズマ重合膜を重ねた構造が報告されている(Ana
lytical Letters, 22, 2423-2431,1989)。この報告では
プラズマ重合膜を利用してはいるものの、半導体のパタ
ーンと同じマスクを使ってプラズマ重合膜を形成してい
るため、半導体の上にはプラズマ重合膜が形成される
が、横断面方向には半導体パターンが露出する構造とな
ってしまう。露出した半導体には試料中の夾雑物質が直
接作用し、電気的な測定を妨げることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、共存妨害物
質の影響を受けにくく、しかも優れた応答特性を実現す
ることができるバイオセンサーを、メディエータを利用
することなく提供することを課題としている。本発明は
また、反復使用や連続使用においても、バイオセンサー
に固定した触媒活性物質の離脱を起こしにくいバイオセ
ンサーの提供を課題とする。更に本発明は、半導体加工
技術の特徴である優れた量産性を生かすことができるバ
イオセンサーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般的な触媒性バイオセ
ンサーは、酵素と電極の組み合わせから構成されてい
る。いかに効率よく電極の表面に触媒活性物質を固定化
するか、にセンサーの特性は支配されると言って良い。
電極表面への酵素の固定は、「酵素固定化技術」あるい
は「インターフェース設計」と呼ばれる。本発明者らは
前記課題の解決のために新規なインターフェース設計を
試みた。そして、インターフェース設計にプラズマ重合
膜を用いることにより、触媒活性物質の高度な集積性、
あるいは半導体加工技術の応用が可能となることを確認
した。更に、プラズマ重合膜が従来の触媒型バイオセン
サーでは必須であったメディエータさえも不要とする新
規なインターフェースとして有用であることを見出し本
発明を完成した。すなわち本発明は、以下のバイオセン
サーに関する。
【0010】〔1〕以下の要素で構成されるバイオセン
サー。 a)プラズマ重合膜 b)プラズマ重合膜に固定された触媒活性物質、および c)プラズマ重合膜を介して試料と接触する金属電極パ
ターン 〔2〕金属電極パターンがプラズマ重合膜上に形成さ
れ、この金属電極パターンの上に更にプラズマ重合膜を
有する〔1〕のバイオセンサー 〔3〕触媒活性物質がプラズマ重合膜上に架橋試薬によ
って共有結合されている〔1〕のバイオセンサー。 〔4〕触媒活性物質が酵素である〔1〕のバイオセンサ
ー。 〔5〕酵素がオシキダーゼまたはデヒドロゲナーゼであ
る〔4〕のバイオセンサー。 〔6〕オシキダーゼが、グルコースオキシダーゼ、ガラ
クトースオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、D-ま
たはL-アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、コ
レステロールオキシダーゼおよびコリンオキシダーゼか
らなる群から選択される〔5〕のバイオセンサー。 〔7〕デヒドロゲナーゼが、アルコールデヒドロゲナー
ゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールデ
ヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルコ
ースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナー
ゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼおよびグリセロール
デヒドロゲナーゼからなる群から選択される〔5〕のバ
イオセンサー。 〔8〕プラズマ重合膜が-COOH基、-CHO基、-SH基、-NH2
基、-OH基、=NH基、-CONH2基、-NCO基、-CH=CH2基、=C=
O基、および
【化2】 からなる群から選択される官能基の1または2以上を含
む、〔1〕のバイオセンサー。
〔9〕プラズマ重合膜が2層以上の多層構造をなすこと
を特徴とする、〔1〕のバイオセンサー。 〔10〕プラズマ重合膜に、重合性あるいは非重合性モ
ノマーの原料により第2のプラズマ重合膜を積層した、
〔1〕のバイオセンサー。 〔11〕前記非重合性モノマー原料が窒素、アンモニ
ア、ヒドラジン、硫化水素、二硫化水素、酸素、水素、
水、ハロゲンガス、および希ガスからなる群から選択さ
れる〔10〕のバイオセンサー。 〔12〕次の工程を含む触媒活性物質による基質成分の
測定方法において、バイオセンサーがプラズマ重合膜を
介して試料と接触する金属電極パターンを備え、かつプ
ラズマ重合膜に触媒活性物質を固定したバイオセンサー
である測定方法 a)触媒活性物質を固定したバイオセンサーに試料を接
触させる工程 b)触媒活性物質と基質との反応に伴う電気的な変化を
電極によって検知する工程
【0011】
【発明の実施の形態】プラズマ重合は、真空中でモノマ
ーガスをプラズマ励起によって直接基板表面に成膜を行
う技術である。図1に典型的なプラズマ重合装置を示
す。モノマーガスの成分によって、さまざまな特徴を持
つプラズマ重合膜を得ることができる。プラズマ重合で
は原理的にはどのようなモノマーを用いても、重合が可
能である。通常のポリマーを得るためには二重結合の開
裂が必要となるのに対して、プラズマ中ではモノマーガ
スがばらばらになり多くの活性種を介した重合反応が起
きるためである。モノマーガスとして利用する化合物に
は、重合膜としたときに適当な官能基を与えるものを利
用すると、官能基を利用して触媒活性物質を化学的に結
合することができるので有利である。官能基としては、
-COOH基、-CHO基、-SH基、-NH2基、-OH基、=NH基、-CON
H2基、-NCO基、-CH=CH2基、=C=O基、および
【化3】 等を示すことができる。これらの官能基をプラズマ重合
膜に与えることができるモノマーガス化合物を次に例示
する。すなわち、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、並
びに酸素を含む炭化水素化合物等である。これらの化合
物は、一般的な基板素材であるガラスやシリコン等の表
面に対する密着性にも優れた本発明に好適な化合物であ
る。
【0012】窒素を含む化合物 窒素を含む化合物としては、炭素(C)、水素(H)および窒
素(N)からなり2重結合または3重結合を含む以下のよう
な化合物を示すことができる。すなわち、窒素、ピリジ
ン、アリルアミン、アクリルアミド、アニリン、アリロ
ニトリル、1,2,4-トリアゾール、5-アミノ-1H-テ
トラゾール、あるいはプロパギルアミン等を示すことが
できる。この他以下に示すような一般式で表される化合
物を利用することもできる。各一般式で表される代表的
な化合物を()内に記載した。窒素を含む化合物は、触
媒活性物質の化学的な結合に利用することができるアミ
ノ基をプラズマ重合膜の表面に与える。またその膜表面
や膜の内部は親水性で、血液のような水性試料との親和
性が良好でバイオセンサーに好適な表面特性を実現する
望ましい素材である。 一般式:CH3-(CH2)n-NH2(ただし、nは1〜6の整数で
ある)で表される化合物(エチルアミン等) 一般式:(CH3)3(CH2)nN{n≧0}で表される化合物(ト
リエチルアミン(C2H5)3N等) 一般式:(CH3)2(CH2)nNH{n≧0}で表される化合物(ジ
エチルアミン(C2H5)2NH等) 一般式:CH2=CH(CH2)nNH2{n≧0}で表される化合物
(アリルアミンCH2=CHCH2NH 2等) 一般式:CH3(CH2)nCN{n≧0}で表される化合物(アセ
トニトリルCH3CN等) 一般式:NH2-(CH2)n-NH2(ただし、nは1〜6の整数で
ある。)で表される化合物(エチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等)
【0013】窒素を含むモノマーガス化合物としては、
更に以下のような化合物を示すことができる。 RaNRb2 ここでRaおよびRbは、H、CH3(CH2)n{n≧0}、鎖中に2
重結合または3重結合あるいは両方の結合を持つアルキ
ル鎖、および分岐または環化アルキル鎖からなる群から
選択されるアルキル鎖である。 RaNRc ここでRcは、H、CH3(CH2)nCH{n≧0}、CH2、鎖中に2重
結合または3重結合あるいは両方の結合を持つアルキル
鎖、および分岐または環化したアルキル鎖からなる群か
ら選択されるアルキル鎖である。
【0014】RdN ここでRdは、H、CH3(CH2)nC{n≧0}、CH、鎖中に2重結
合または3重結合あるいは両方の結合を持つアルキル
鎖、および分岐または環化したアルキル鎖からなる群か
ら選択されるアルキル鎖である。
【0015】RaNReNRa2 ここでRaは前記と同じアルキル鎖である。またReは、
H、(CH2)n{n≧0}、鎖中に2重結合または3重結合いは
両方の結合を持つアルキル鎖、および分岐または環化ア
ルキル鎖からなる群から選択されるアルキル鎖である。
【0016】RfNRgNRh ここでRfとRgは、HまたはCH3(CH2)n{n≧0}、CH3(CH2)
nCH{n≧0}、CH2、鎖中に2重結合または3重結合あるい
は両方の結合を持つアルキル鎖、および分岐または環化
アルキル鎖からなる群から選択されるアルキル鎖であ
る。またRhは、H、CH3(CH2)n{n≧0}、CH3(CH2)nCH{n
≧0}、CH3(CH2)nC {n≧0}、CH、鎖中に2重結合また
は3重結合あるいは両方の結合を持つアルキル鎖、およ
び分岐または環化アルキル鎖からなる群から選択される
アルキル鎖である。
【0017】NRiN ここでRiは、CH3(CH2)nC{n≧0}、鎖中に2重結合また
は3重結合あるいは両方の結合を持つアルキル鎖、およ
び分岐または環化アルキル鎖からなる群から選択される
アルキル鎖である。
【0018】硫黄を含む化合物 硫黄を含む化合物としては、硫化水素、二硫化水素、チ
オフェンの他に一般式CH3S(CH2)nCH3{n≧0}で表され
る化合物を示すことができる。このような化合物として
は、例えば硫化ジメチル(CH3)2Sが挙げられる。また、
一般式CH3(CH2)nSS(CH2)mCH3{m,n≧0}で表される化合
物を示すことができる。このような化合物としては、例
えば二硫化メチルCH3SSCH3が挙げられる。一般式CH3(CH
2)nSH{n≧0}で表される化合物を示すことができる。
このような化合物としては、例えばエタンチオールCH3C
H2SHを挙げることができる。更に、一般式SH(CH2)nSH
{n≧1}で表される化合物を示すことができる。このよ
うな化合物としては、例えばエタンジチオールSH(CH2)2
SH等が挙げられる。硫黄を含む化合物としては、この他
に、チオフェン、メルカプトエタノール、あるいはジス
レイトール等を示すことができる。これらの硫黄を含む
化合物は、窒素を含む化合物と同様に膜の表面や内部が
親水性となり、その表面には触媒活性物質の化学的な結
合に有用なチオール基を与える。
【0019】酸素を含む炭化水素化合物 酸素を含む炭化水素化合物としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、アク
ロレイン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、プロパギルアルコール、アセトン、あるいはメチ
ルエチルケトン等を示すことができる。これらの化合物
を原料として得られるプラズマ重合膜の内部は疎水性と
なる。その理由は、プラズマ重合時の成膜において酸素
原子が膜内にとりこまれにくい性質を示すためである。
したがって、膜内部は炭化水素のプラズマ重合膜と同様
の構造(すなわち疎水性)となる。膜表面においては、
酸素を含む官能基であるカルボキシル基、カルボニル
基、アルデヒド基、あるいは水酸基等を備える。
【0020】この他、化学結合に利用することができる
官能基は持たないものの、触媒活性物質の物理吸着に利
用することができるプラズマ重合膜を与えるモノマーガ
ス化合物材料として、以下のようなケイ素含有化合物、
炭化水素化合物、ハロゲンガス、あるいは希ガス等を示
すことができる。 有機ケイ素化合物 有機ケイ素化合物としては、テトラメチルシラン、テト
ラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘ
キサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザ
ン、ジエチルアミノトリメチルシラン、トリメチルビニ
ルシラン、テトラメトキシシラン、アミノプロピルトリ
エトキシシラン、オクタデシルジエトキシメチルシラ
ン、およびヘキサメチルジシラン、およびジビニルテト
ラメチルジシロキサンを示すことができる。炭化水素化
合物としては、プロパギルアルコールのような-OH基を
含む化合物等を示すことができる。
【0021】モノマーガス原料には、アルゴン、ネオ
ン、ヘリウム、クリプトン、あるいはキセノンのような
希ガスを利用することもできる。
【0022】これらのモノマーガスは1種類のみを原料
とすることもできるし、複数種のモノマーガスを混合し
て用いることもできる。また、単層ではなく第2のプラ
ズマ重合膜を積層した構造とすることもできる。第2の
プラズマ重合膜とする場合には、重合性あるいは非重合
性モノマーの原料を利用することができる。たとえばア
ンモニアのような非重合性のモノマーガスを利用して第
1のプラズマ重合膜をプラズマ処理すれば、その表面に
アミノ基を導入することができる。第2のプラズマ重合
膜を利用することにより、基板側の素材を変えることな
く、任意の官能基を導入することが可能となる。
【0023】プラズマ重合の条件、すなわちモノマーガ
スの流速、プラズマの放電電力、反応雰囲気の圧力、そ
して反応時間は、利用するモノマーガスに応じて当業者
が適宜設定することができる。たとえば実施例に示した
ようにモノマーガスとしてヘキサメチルジシロキサンや
アセトニトリルのような窒素含有化合物を用いた場合、
流速:10-50cm3/min.、放電電力:20-100W、圧力1-10P
a、放電時間30秒−5分といった条件を示すことができ
る。プラズマ重合においては、装置やモノマーに合わせ
て最適な重合条件を設定する必要がある。W/FM(ここで
Wは放電電力、Fは流速、Mはモノマーの分子量)が同じ
であれば、膜質はほぼ同じであるとする報告(Yasuda, P
lasma Polymerization, Academic Press, New York,198
5)がある。
【0024】本発明において、プラズマ重合膜は、触媒
活性物質の固定を支えるとともに、その下に位置する金
属電極パターンにシグナル生成物質を選択的に供給する
ための選択膜として機能する。そのために本発明におい
ては、プラズマ重合膜によって試料と金属電極パターン
との直接的な接触を防ぐ構造とする必要がある。すなわ
ち、プラズマ重合膜を介してのみ金属電極パターンと試
料との接触が行われるようにするのである。このような
構造は、たとえば実施例に示すように、金属電極パター
ンを持つ基板表面をプラズマ重合膜で覆ってしまうこと
により実現することができる。あるいは、エッチング法
によって露出する金属電極パターンを、プラズマ重合膜
で被覆する方法を採用することもできる。プラズマ重合
を利用すれば、複雑で微小な構造物に対しても均質なプ
ラズマ重合膜コートを余すことなく施すことができる。
したがって、微小で複雑な形状となることが多い金属電
極パターンの被覆にあたり、プラズマ重合膜はたいへん
有利な特徴を備えていると言うことができる。ここでい
うシグナル生成物質とは、金属電極パターンとの電極反
応により、電気的なシグナルをもたらすことができる物
質を意味する。本発明において、シグナル生成物質はプ
ラズマ重合膜表面に結合した触媒活性物質の作用によっ
て生成する。たとえば、グルコースオキシダーゼ等を固
定した場合には、グルコースの酸化にともなって生成す
るH2O2がシグナル生成物質に相当する。そしてプラズマ
重合膜は、H2O2を選択的に金属電極パターンに供給す
る。プラズマ重合膜は、膜質が緻密であるために100
nmという極薄膜でもサイズ排除効果を有し、H2O2のよう
な低分子を通過させ、妨害物質の干渉を抑えることがで
きる。膜厚は、サイズ排除効果を十分生じることができ
る程度の厚みを持たせるのが望ましい。一方、迅速な応
答を得るためには、薄い方が有利であり、両者はトレー
ドオフの関係となる。最適な膜厚はモノマーガスの種類
にも依存するが通常は50〜200nmである。本発明に
おいては、プラズマ重合膜がシグナル生成物質の選択性
を持っているために、メディエータを利用することなく
干渉性物質の影響を避けることができる。また本発明に
おけるプラズマ重合膜は、単に干渉性物質の透過を妨げ
るのみならず、たとえばH2O2のようなシグナル生成物質
の選択透過膜としても機能する。すなわち、プラズマ重
合膜の存在によって、H2O2に対する応答性能を高めるこ
とができるのである。
【0025】本発明において、プラズマ重合膜は、金属
電極パターンの上に配置される。金属電極パターンは、
白金、金、銀、グラファイト等、電気化学反応が起こる
ものなら特に限定されない。中でもH2O2に対してよく応
答する白金が最適である。金属電極パターンを形成する
にはマスクキング法が最適であり、エッチング法は適さ
ない。金属電極パターンの膜厚は、100〜1000nmが望ま
しい。金属薄膜パターンを施す基板には、プラズマ重合
膜の形成も可能な素材を利用するのが望ましい。一般的
な基板素材としては、ガラス、プラスチック、シリコ
ン、あるいはセルロース等を示すことができる。ガラス
基板では白金などの貴金属との相溶性が悪いが、いった
んプラズマ重合膜を形成した後に白金薄膜のパターンを
形成すれば密着性の向上が期待できる。形成された白金
薄膜に、更にプラズマ重合膜を施すことにより、本発明
によるバイオセンサーを構成することができる。すなわ
ち、任意の素材からなる基板上にいったんプラズマ重合
膜を施し、その上に金属電極パターンを形成し、更にプ
ラズマ重合膜を積層した構造を持つバイオセンサー(図
2)は、本発明における望ましい態様を構成する。白金
薄膜の形成を目的とするプラズマ重合膜としては、ガラ
スやシリコンに対する密着性に優れる有機ケイ素化合物
等のモノマーガスを利用するのが有利である。有機ケイ
素化合物としては、例えばテトラメチルシラン、テトラ
メチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキ
サメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザ
ン、ジエチルアミノトリメチルシラン、トリメチルビニ
ルシラン、テトラメトキシシラン、アミノプロピルトリ
エトキシシラン、オクタデシルジエトキシメチルシラ
ン、ヘキサメチルジシランまたはジビニルテトラメチル
ジシロキサン等が挙げられる。このプラズマ重合膜の膜
厚は、10nm以上であればよい。ガラス基板への白金パ
ターンの密着性を向上させるために5nm程度のクロム層
を施す方法も知られているが、クロムはしばしば白金と
合金化し、正常な電気化学信号を得られなくなる。
【0026】本発明において、プラズマ重合膜には触媒
活性物質が固定される。触媒活性物質としては、オシキ
ダーゼまたはデヒドロゲナーゼのような酵素が用いられ
る。触媒活性物質として利用することができるオシキダ
ーゼには、以下のような酵素を示すことができる。 グルコースオキシダーゼ ガラクトースオキシダーゼ ピルビン酸オキシダーゼ D-またはL-アミノ酸オキシダーゼ アミンオキシダーゼ コレステロールオキシダーゼ、および コリンオキシダーゼ 触媒活性物質として利用することができるデヒドロゲナ
ーゼには、以下のような酵素を示すことができる。 アルコールデヒドロゲナーゼ グルタミン酸デヒドロゲナーゼ コレステロールデヒドロゲナーゼ アルデヒドデヒドロゲナーゼ グルコースデヒドロゲナーゼ フルクトースデヒドロゲナーゼ ソルビトールデヒドロゲナーゼ、および グリセロールデヒドロゲナーゼ等 これらのオキシダーゼ、あるいはデヒドロゲナーゼは、
基質の酸化(あるいは還元)を電気的な変化として直接
的に捉えることができるため、本発明におけるバイオセ
ンサーに好適な酵素である。すなわち、オキシダーゼに
基づく酵素反応は、H2O2の生成を通じて電気的に捉える
ことができる。デヒドロゲナーゼの場合には、電子受容
体として働くニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(NAD)やニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸(NADP)等の補酵素の還元型分子種(NADH
やNADPH)の増減を電極反応により電気的に捉える
ことができる。
【0027】なお触媒活性物質は、プラズマ重合膜の表
面に結合・固定することもできるし、あるいはプラズマ
重合膜内部に包埋されていてもよい。触媒活性物質の包
埋は、たとえば次のようにして実施される。すなわち、
まず任意のモノマーガスで基板上にプラズマ重合膜を形
成させる。このときのモノマーガスは、酸素やアルゴン
がよく用いられる。次いで、酵素のような触媒活性物質
と、メタクリル酸やアクリルアミドのようなモノマーと
を含む水溶液に、この基板を浸漬する。基板上のプラズ
マ重合膜表面には活性種が存在するため、水溶液中のモ
ノマーは重合を開始する。このとき、水溶液中に共存す
る触媒活性物質が包埋される。この技術はプラズマ開始
重合と呼ばれている(プラズマ重合、東京化学同人、19
86年)。酵素を包埋する場合には、測定試料と接触する
プラズマ重合膜が基質を透過することができるものでな
ければならない。結合する触媒活性物質は、単独でも良
いし、複数種の酵素をいっしょに固定することもでき
る。複数の酵素が関与する反応を電気的に捉えるには、
反応が最も効率的に進行するような割合で必要な触媒活
性物質を組み合わせて固定することができる。
【0028】触媒活性物質は、望ましくは金属電極パタ
ーン上に形成されたプラズマ重合膜に固定される。この
ような構成とすることによって、両者が十分に接近し、
触媒活性物質によって生成されるH2O2のようなシグナル
生成物質が金属電極パターンに供給され易くなり、応答
性能の向上が期待できる。プラズマ重合膜に酵素を固定
化する方法は、物理吸着または架橋試薬による方法があ
る。安定に多量に固定化するには後者の方法が有利であ
る。後者においては、プラズマ重合膜の表面の官能基と
酵素の官能基を架橋試薬で結合するが、架橋試薬には公
知のものを利用することができる。以下に、本発明に利
用することができる架橋試薬を例示する。これらの中で
も汎用性が高く、取り扱いの容易なグルタルアルデヒド
が好ましい。グルタルアルデヒド、過ヨウ素酸、N-スク
シニミジル-2-マレイミド酢酸、N-スクシニジル-4-マレ
イミド酪酸、N-スクシニジル-6-マレイミドヘキサン
酸、N-スクシニジル-4-マレイミドメチルシクロヘキサ
ン-1-カルボン酸、N-スルホスクシニジル-4-マレイミド
メチルシクロヘキサン-1-カルボン酸、N-スクシニジル-
4-マレイミドメチル安息香酸、N-スクシニジル-3-マレ
イミド安息香酸、N-スクシニジル-4-マレイミドフェニ
ル-4-酪酸、N-スルホスクシニジル-4-マレイミドフェニ
ル-4-酪酸、N,N’-オキシジメチレン-ジマレイミド、N,
N’-o-フェニレン-ジマレイミド、N,N’-m-フェニレン-
ジマレイミド、N,N’-p-フェニレン-ジマレイミド、N,
N’-ヘキサメチレン-ジマレイミド、N-スクシニジルマ
レイミドカルボン酸、N-スクシニジル-S-アセチルメル
カプト酢酸、N-スクシニジル-3-(2-ピリジルジチオ)プ
ロピオネート、S-アセチルメルカプトスクシニックアン
ヒドライド、メチル-3-(4’-ジチオピリジル)プロピオ
ニミデート、メチル-4-メルカプトブチルイミデート、
メチル-3-メルカプトプロピオニミデート、イミノチオ
レン、o-カルボキシメチル-ヒドロキシルアミン、アゾ
ジフェニルビルマレイミド、ビス(スルホサクシニイミ
ジル)スペレイト、4,4’-ジイソチオシアノ-2,2’-ジス
ルホン酸スチルベン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニト
ロジフェニルスルホン、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロ
ベンゼン、p-フェニレンジイソチオシアネート、ジメチ
ルアジピミデイト、ジメチルピメルイミデート、ジメチ
ルスベルイミデート、p-アジドフェナアシルブロマイ
ド、p-アジドフェニルグリオキサル、N-ヒドロキシサク
シニイミジル-4-アジドベンゾエイト、4-フルオロ-3-ニ
トロフェニルアジド、メチル-4-アジドベンゾイミデイ
ト、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシニイ
ミド、N-スクシイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフ
ェニルアミノ)ヘキサノエイト、1,4-ベンゾキノン、N-
スクシニイミジル-3-(2’-ビリジルジチオ)プロピオネ
ート、N-(4-マレイミドブチリロキシ)スルホスクシンイ
ミドナトリウム塩、N-(6-マレイミドカプロイロキシ)ス
ルホスクシンイミドナトリウム塩、N-(8-マレイミドカ
プロイロキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N-
(11-マレイミドカプロウンデカノイロキシ)スルホスク
シンイミドナトリウム塩、N-[2-(1-ピペラジニル)エチ
ル]マレイミド二塩酸、ビスジアゾベンジジン、ヘキサ
メチレンジイオシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、N,N’-エチ
レンビスマレインイミド、N,N’-ポリメチレンニスヨー
ドアセトアミド、2,4-ジニトロベンゼンスルフォネート
ナトリウム塩、ジアゾ化合物あるいは縮合試薬がRN=C=N
R(またはR’)で表されるカルボジイミド誘導体、N-ヒ
ドロキシスクシイミド、トリ-n-ブチルアミン、ブチル
クロロフォルメーテ、イソブチルイソシアニド
【0029】本発明によれば、プラズマ重合膜の採用に
より均質性の高いバイオセンサーの提供が可能となる。
その結果、バイオセンサーを微小なチップとすることが
できる。たとえば、シリコン基板にプラズマエッチング
を利用して微小な溝を形成し、この溝内に金属電極パタ
ーンを形成するとともに、溝をセルとして微量液体試料
のフローセルとして利用する技術が公知である(Analyti
cal Chemistry 65, 2731-2735, 1993, Analytical Chem
istry 69, 253-258, 1998)。このようなマイクロチップ
に本発明を応用し、バイオセンサーチップを構成するこ
とができる。たとえば、前記金属電極パターンを形成し
た微小な溝をプラズマ重合膜で覆い、更に触媒活性物質
を固定化するのである。公知のマイクロチップと同様の
手法で微量液体試料を溝内に導入すれば、触媒活性物質
の作用により分析が実施される。本発明においてはプラ
ズマ重合膜を採用したことから、マイクロチップの微小
な構造を変えることなく、均一なプラズマ重合膜を施す
ことができる。本発明によるバイオセンサーは体内留置
型センサーへも応用することができる。たとえば、体内
留置型センサーとして血糖のリアルタイムモニタリング
と、その測定値に基づくインスリンの自動投与システム
が公知である(BIOmedica 北隆館、5巻5号、458-466、19
90年)。このようなセンサーに本発明によるバイオセン
サーを利用すれば、毒性を示す恐れのあるメディエータ
を利用していない上に、センサーに固定した触媒活性成
分が溶出する恐れも低いので、より安全なセンサーとな
る。また針のような構造物であっても均一にプラズマ重
合膜コートすることができることも、本発明の有利な点
となる。以下実施例に基づいて、本発明を詳細に説明す
る。
【0030】
【実施例】(実施例1)本発明に基づくバイオセンサー
の一例として、GODを利用したグルコースセンサーを
説明する。本発明のグルコースセンサーの構造を図2に
示す。製造の詳細は次の通りである。まずガラス基板を
洗浄し、ヘキサメチルジシロキサンのプラズマ重合膜1
を約100nm成膜させた。プラズマ重合の条件は、次の
とおりである。 流速:15cm3/min、 放電電力:40W、 圧力:4.6Pa、 放電時間:1分、 次に、マスクを用いてスパッタ法で白金電極のパターン
2を約100nm形成させた。続いて、マスクを取り除き
約50nmのアセトニトリルプラズマ重合膜を形成した。
このときのプラズマ重合の条件は、次のとおりである。 流速:15cm3/min、 放電電力:80W、 圧力:2Pa、 放電時間:1分
【0031】この膜の表面には高密度のアミノ基が存在
する。このアミノ基を利用し、架橋試薬のグルタルアル
デヒドを用いて酵素の固定化を行った。1%のグルタル
アルデヒド溶液を表面に滴下して約20分放置後、蒸留
水で洗浄し、10mg/mLのグルコースオキシダーゼ溶液
(pH7、50mM、リン酸緩衝液)を滴下した。さらに、
0.1%のグルタルアルデヒド溶液を滴下し、約20分
放置後蒸留水でよく洗浄した。このバイオセンサーの検
出原理は次のとおりである。すなわち、まずグルコース
オキシダーゼによるグルコースの特異的な酸化反応(第
1反応)が起こる。この反応にともなって生成したH2O2
がプラズマ重合膜を通過し白金電極で電気化学的に検出
される(第2反応)。 第1反応:グルコース + 酸素 → グルコノラクトン +
H2O2 第2反応:H2O2 →2H+ + 酸素 + 2e- このとき、プラズマ重合膜を通過できるのはサイズの小
さいH2O2のみで、血液中に含まれる夾雑物質は膜を通過
できない。そのため、公知のバイオセンサーでは干渉成
分として作用していたアスコルビン酸や尿酸等の影響を
受けることなく、効率よくグルコース濃度を電流値の変
化として検出できる。また、後述するがアセトニトリル
のプラズマ重合膜内に対してH2O2は溶液バルク状態より
も拡散係数が大きくなり、速やかに電極反応する。この
結果は、本発明のバイオセンサーが高濃度領域のグルコ
ースに対しても飽和することなく応答することを意味す
る。
【0032】このようなバイオセンサーの製造過程は、
最後の酵素の固定化を除いて全てドライプロセスで実施
することができる。場合によっては、金属電極パターン
の形成からプラズマ重合膜の形成まで一つのチャンバー
で作製することも可能である。このような製造工程によ
れば、センサー特性の再現性が向上し、コストの低下
や、優れた量産性を実現することができる。また、極微
細化も容易である。加えて微小化に伴って相対的に電気
化学検出法の効率が高まることが期待できる。一般的
に、分光学的検出での検出対象がサイズの3乗に比例し
て減少していくのに対して、電気化学検出ではサイズの
2乗に比例して減少するとされているからである。更に
本発明による検出法では電気化学検出法を採用している
ため、微小化により試薬や試料の消費量を抑えることが
できる。メディエータのような有毒物質も使用していな
いので体内留置型センサーの実現も可能である。
【0033】本実施例で得られたグルコースセンサー
で、実際にグルコース濃度の測定を試みた。すなわち、
種々のグルコース水溶液(0〜60mM)に上記バイオセ
ンサーを接触させ、サイクリックボルタンメトリーにお
いて、50mV/秒のsweep速度で銀/塩化銀に対して0-1V範
囲を測定し、500mV時の酸化電流を酸化電流値として採
用した。結果は図3に示した。図3は、酸化電流値とグ
ルコース濃度を示すものである。電流値は、グルコース
濃度が5〜60mMの範囲で良好な直線性を示すことがわ
かる。これは、特開平1-253648、特公平5-24453、特開
平6-213858、特開平1-156658、特公平6-58338、特開昭6
3-139243に示すグルコースセンサーで得ることができる
直線性(5.6−33.6mM)を大きく上回る性能とい
える。また、検出限界は0.04mMであり(信号/雑音
比3)、従来のセンサーに比べて高いことがわかる。プ
ラズマ重合膜がないグルコースセンサーでは(ガンマア
ミノトリメトキシシランで固定化した)酵素の固定化量
が少ないためにセンサーの電流応答値が低いことがわか
る。この結果は、白金薄膜状に約100nmのプラズマ重
合膜の上に高密度の酵素が固定化され、酵素反応部位と
電極の距離が極めて近いためにグルコースの高濃度領域
においても良好な直線性を示していると考えられる。
【0034】続いて、本発明によるバイオセンサーのグ
ルコース溶液に対する応答特性を公知の構造のバイオセ
ンサーと比較した。結果は図4に示した。図4は、500m
Vの定電位での酵素反応による電流値の時間変化を測定
した結果である。グルコース濃度は17.5mMである。定常
状態になるまでに約15秒を要している。特公平5-2445
3に示すグルコースセンサーでは応答に30秒以上が必
要であるのに対して、本発明のバイオセンサーの応答速
度が極めて速いことがわかる。これは、酵素反応の場所
と電極反応の場所の距離が極めて近いためであると考え
られる。更に本発明に基づくバイオセンサーにおいて、
1mMのグルコースの正常な応答が様々な夾雑物質によっ
てどのくらい影響を受けるかを調査した。表1に示した
ような夾雑物質を1mMのグルコース溶液に添加し、本発
明によるバイオセンサーの応答に及ぼす影響を観察し
た。結果は表1に示す。これより、プラズマ重合膜によ
り夾雑物質の影響を抑えられていることがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例2)プラズマ重合膜上の白金電極
パターンの電極応答特性を調べた。図2に示すグルコー
スセンサーにおいて、酵素を固定せず基板1、プラズマ
重合膜2、および白金薄膜3で構成されるセンサーにつ
いて、様々な濃度のH2O2に対する応答を調べた。図5に
結果を示す。参照電極には銀/塩化銀を用いた。Sweep
速度は、50mV/sである。この結果より、本発明を構成す
る白金電極はH2O2に対して良好な電極応答を示してい
る。また、長時間水溶液に浸していてもはがれることは
ない。したがって、プラズマ重合膜表面の白金電極は、
バイオセンサーの電極として充分な性能を備えているこ
とがわかる。これに対して、ガラス基板やプラスチック
基板上に形成された白金電極は水に浸すと簡単にはがれ
落ちてしまう。
【0037】(実施例3)アセトニトリルプラズマ重合
膜4上のアミノ基の存在の確認を行った。この膜の表面
のアミノ基の存在を確認するために次のような実験を行
った。すなわち、膜表面をアミノ基と特異的に反応する
試薬ペンタフルオロベンズアルデヒドの蒸気に8時間さ
らしたあとX線光電子分光測定を行った。その結果、表
面から約7%以上のフッ素原子が検出された。修飾試薬の
フッ素原子が検出されたことは、ペンタフルオロベンズ
アルデヒドが表面のアミノ基と特異的に反応したことを
示している。つまりアセトニトリルプラズマ重合膜の表
面には、高密度のアミノ基が存在していることを意味す
る。このアミノ基を用いて酵素を共有結合的に固定化で
きる。
【0038】(実施例4)プラズマ重合膜のサイズ効果
を調べるために次の実験を行った。実施例2と同様に酵
素を固定化しないデバイスを用い、この膜について様々
な夾雑物質の拡散係数をクロノクーロメトリー法で調べ
た。夾雑物質として用いた化合物は、H2O2、ビタミン
C、ドーパミン、およびアセトアミノフェンである。結
果を図6に示す。プラズマ重合膜を持たず、白金電極パ
ターンが露出したデバイスの拡散係数と、白金電極パタ
ーン上にプラズマ重合膜を成膜したデバイスの拡散係数
の比を比べると、H2O2は1.8〜2.4であるのに対して、他
の物質は概して0.1〜0.5である。分子サイズを考慮する
と、この結果はプラズマ重合膜がサイズ効果によりH2O2
の選択膜になっていることを裏付けている。更に、H2O2
の拡散係数が白金電極パターンが露出したものに比べて
2倍以上になっている事実は、アセトニトリルプラズマ
重合膜が、H2O2を選択的に通しやすいことを意味する。
【0039】
【発明の効果】本発明のプラズマ重合膜を用いたグルコ
ースセンサーには次のような利点がある。現在市販され
ているグルコースセンサーと同等、あるいはそれ以上の
性能を備え、かつ、より簡便な製作プロセスを実現でき
る。迅速かつ簡便であるという長所を持つバイオセンサ
ーを、今後さらに広い範囲で応用することを考えると微
小化・一体化・集積化・量産化が可能な技術でのバイオ
センサーシステムを構築する必要がある。そのための技
術としてマイクロマシン技術があるが、本発明の技術は
ドライプロセスであるためにマイクロマシン技術との融
合が容易である。
【0040】微小化センサーでは体内に留置し、連続測
定することができる。本発明によるバイオセンサーは、
単に小型化できるのみならず、酵素をメディエータ修飾
する必要がないので、安全性にも寄与する。本発明のバ
イオセンサーは、有機膜でありながら架橋度の高い緻密
な極薄膜であるプラズマ重合膜を利用したことにより以
下のような利点をもたらす。まずサイズ効果およびイオ
ン官能効果によってH2O2のみを選択的に通過し、他の夾
雑物質の影響を取り除くことができる。プラズマ重合膜
は、100nm前後の超薄膜で、電極と酵素を近づけて固定
化することができるために反応生成物の電極との反応効
率がよく、反応速度が早く、高濃度の基質(グルコー
ス)も測定することができる。また表面にアミノ基やチ
オール基のような酵素固定化のための官能基を高密度に
導入することができるので高密度に酵素を固定化でき
る。プラズマ重合膜は、金属電極パターン表面に密着性
よく、均質に、薄く、再現性よく作製できる。しかも製
造プロセスが容易で、半導体加工技術との融合が容易で
あるので極微小化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的なプラズマ重合装置の図である。
【図2】本発明によるバイオセンサーの構造を示す断面
図、ならびに分解平面図である。
【図3】本発明のバイオセンサーによる検量線である。
縦軸は電流値変化(μA)を、横軸はグルコース濃度(m
M)を示す。
【図4】本発明のバイオセンサーのグルコースに対する
時間応答曲線である。縦軸は電流値変化(μA)を、横
軸は時間(秒)を示す。
【図5】プラズマ重合膜上にパターン形成した白金電極
のH2O2に対する電極応答サイクリックボルタモグラム。
縦軸は電流値(μA)を、横軸は電圧(mV)を示す。
【図6】アセトニトリルをモノマーガスとして成膜した
プラズマ重合膜内の様々な夾雑物質の拡散係数を示した
図である。縦軸はプラズマ重合有る場合の拡散係数:D2
/プラズマ重合膜が無い場合の拡散係数:D1を、横軸は
各物質の濃度(mM)を示す。
【符号の説明】
1 基板、2 プラズマ重合膜、3 白金電極パター
ン、4プラズマ重合膜、5 酵素

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の要素で構成されるバイオセンサー。 a)プラズマ重合膜 b)プラズマ重合膜に固定された触媒活性物質、および c)プラズマ重合膜を介して試料と接触する金属電極パ
    ターン
  2. 【請求項2】金属電極パターンがプラズマ重合膜上に形
    成され、この金属電極パターンの上に更にプラズマ重合
    膜を有する請求項1のバイオセンサー
  3. 【請求項3】触媒活性物質がプラズマ重合膜上に架橋試
    薬によって共有結合されている請求項1のバイオセンサ
    ー。
  4. 【請求項4】触媒活性物質が酵素である請求項1のバイ
    オセンサー。
  5. 【請求項5】酵素がオシキダーゼまたはデヒドロゲナー
    ゼである請求項4のバイオセンサー。
  6. 【請求項6】オシキダーゼが、グルコースオキシダー
    ゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダー
    ゼ、D-またはL-アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダ
    ーゼ、コレステロールオキシダーゼおよびコリンオキシ
    ダーゼからなる群から選択される請求項5のバイオセン
    サー。
  7. 【請求項7】デヒドロゲナーゼが、アルコールデヒドロ
    ゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロ
    ールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、
    グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲ
    ナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼおよびグリセロ
    ールデヒドロゲナーゼからなる群から選択される請求項
    5のバイオセンサー。
  8. 【請求項8】プラズマ重合膜が-COOH基、-CHO基、-SH
    基、-NH2基、-OH基、=NH基、-CONH2基、-NCO基、-CH=CH
    2基、=C=O基、および 【化1】 からなる群から選択される官能基の1または2以上を含
    む、請求項1のバイオセンサー。
  9. 【請求項9】プラズマ重合膜が2層以上の多層構造をな
    すことを特徴とする、請求項1のバイオセンサー。
  10. 【請求項10】プラズマ重合膜に、重合性あるいは非重
    合性モノマーの原料により第2のプラズマ重合膜を積層
    した、請求項1のバイオセンサー。
  11. 【請求項11】前記非重合性モノマー原料が窒素、アン
    モニア、ヒドラジン、硫化水素、二硫化水素、酸素、水
    素、水、ハロゲンガス、および希ガスからなる群から選
    択される請求項10のバイオセンサー。
  12. 【請求項12】次の工程を含む触媒活性物質による基質
    成分の測定方法において、バイオセンサーがプラズマ重
    合膜を介して試料と接触する金属電極パターンを備え、
    かつプラズマ重合膜に触媒活性物質を固定したバイオセ
    ンサーである測定方法 a)触媒活性物質を固定したバイオセンサーに試料を接
    触させる工程 b)触媒活性物質と基質との反応に伴う電気的な変化を
    電極によって検知する工程
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