JP4614630B2 - 機能性高分子化合物およびそれを用いたバイオセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側鎖に酵素、電子移動メディエータなどの生体由来分子を化学的に結合させた機能性高分子、および、それを基材や炭素電極に固定したバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでタンパク表面に存在するリジン残基やカルボキシル基などの官能基の反応性を利用してタンパクを化学結合により固定化する技術が多数開発されてきた。しかし、これまではこれらの官能基と反応する官能基をあらかじめ固定化担体に修飾しなくてはならず、例えばガラスビーズ表面へのアミノアリル基の導入とそのジアゾ化やグルタルアルデヒド修飾などが良く知られているが、いずれもかなりの煩雑さが伴っている。
【0003】
マレイミドはチオール基と極めて迅速に化学結合することが知られており、従来より、チオール基を酵素や抗体などのタンパクに導入してマレイミドに結合させることが行われている。しかし、これまでタンパク固定に用いられるマレイミドはモノマーや低分子化合物に限られており、マレイミド基を表面に密に有するポリマーを用いたタンパク固定については全く報告がない。
【0004】
本願の発明者の一人である萩原は1991年にN−(4−ビニルフェニル)マレイミドモノマーのスチレン基をカチオン重合により重合させて化学反応活性のあるマレイミド基を密にペンダントさせた水に不溶なポリスチレン(ポリマレイミドスチレン:PMS)を合成し、その物性について報告した(非特許文献1)。
【0005】
【非特許文献1】
T. Hagiwara et al.,“Synthesis and Polymerization of N-(4-Vinylphenyl) maleimide”, Macromolecules, 24 (1991), p6856-6858
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このPMSをはじめとする、側鎖にマレイミド基を有する高分子化合物に着目し、これを用いた機能性高分子、および、この機能性高分子を利用した酵素センサや機能性電極などのバイオセンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能性高分子化合物は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位の少なくとも一部に1級アミノ基、2級アミノ基またはチオール基を有する生体由来分子が付加され、該生体由来分子が付加された繰り返し単位は下記一般式(2)で表わされることを特徴とするものである。
【0008】
【化2】
【0009】
本発明のバイオセンサは、基材と、該基材に物理的または化学的に固定され、側鎖にマレイミド基を有する高分子化合物と、該高分子化合物の側鎖のマレイミド基の少なくとも一部に化学的に結合された1級アミノ基、2級アミノ基またはチオール基を有する生体由来分子とを具備することを特徴とするものである。
【0010】
前記生体由来分子は例えば酵素である。
【0011】
前記基材は、例えば高分子樹脂に黒鉛を混合し、黒鉛の結晶を一方向に配向させつつ成形した後、焼成したものである。
【0012】
前記基材は、また例えば炭素多孔体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えばポリマレイミドスチレン(PMS)のマレイミド基がチオール基だけでなくリジンとも速やかに結合することができることを実証し、PMSが酵素の簡便迅速な固定化材料として極めて有用であることを見いだしたことに基づいている。酵素のチオール基およびリジン残基のアミンとポリマーの結合反応式を図1に示す。なお、図には1級アミンとの結合が示されているが、PMSは2級アミンとも結合する。
【0014】
本発明によれば、PMSを被覆したカーボン電極やガス透過性膜を有するセンサを酵素溶液に浸すだけで極めて簡便迅速に酵素センサを作製することができる。さらにPMSとカーボンなどの電極表面への被覆状態の安定性の向上を図るため、図2のようにカーボン電極表面にアミノ基を修飾してPMSと結合させれば長期間ポリマーが脱離することなく使用できる。
【0015】
この場合に、電極材料として、高分子樹脂に黒鉛を混合し、黒鉛の結晶を一方向に配向させつつ成形した後、焼成して得られるPFC(Plastic Formed Carbon)は、端面に多数の反応性残基が存在するので、アミノ基による修飾に適する。図3にPFC電極表面をAPTES(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を用いてアミノ基で修飾し、次いでPMSで修飾し、さらに酵素で修飾する過程を示す。
【0016】
PMSはクロロホルムなどの極性のある有機溶媒に溶けて均一溶液となる。そこでPMSの均一溶液を用いてPMSを被覆させた多孔性膜を作製すればこの膜をタンパク溶液に浸すだけで酵素や抗体が固定でき、各種電極やセンサデバイスに装着することによって酵素反応や抗原抗体反応に関与する反応物や生成物を検出する方式のセンサが作製できる。
【0017】
【実施例】
1.前駆体ポリマーの合成
(実施例1)
前述の非特許文献1の記載に従い、N−(p−ビニルフェニル)マレイミド(VPMI)=2.5×10-2 mol/L、BF3 ・O(C2H5)2 =1.0×10-2 mol/Lの濃度で窒素下、フラスコにてジクロロメタン中、0℃で12時間重合を行った。
【0018】
重合はメタノールを加えて停止し、その後大量のメタノール中に投入して、沈澱したポリマーを回収した。その後ジクロロメタンに再度溶解、メタノールに再沈澱することによりポリマーを精製し、ろ過後減圧乾燥にてポリマーを単離した。
【0019】
収率:56%、
数平均分子量=1.0×105
数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)にて単分散ポリスチレンを用いた検量線により測定した。
【0020】
NMRにて構造を解析した。 1H NMR:VPMIに観測された、6.8ppm のビニレン基の吸収(2H)は線幅が広がるものの化学シフトおよび吸収強度に変化なく、5.3,5.8、および6.7ppm のビニル基の吸収は消失、新たに1.4−2.5ppm にポリマー主鎖のメチン、メチレンの吸収(3H)が観測された。
【0021】
以上からポリマレイミドスチレン(PMS)が合成されたと確認した。
(実施例2)
下式(3)の構造を有するp−マレイミドスチレンオキシド(MISO)を次のようにして合成した。
【0022】
還流冷却器を付けた200ml二口フラスコにクロロホルム20mlに溶解させた5.5mmol(1.02g)のp−マレイミドスチレンを入れ、そこへクロロホルム30mlに溶解させた8.8mmol(1.51g)のm−クロロ安息香酸を室温で2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、加熱しクロロホルム還流下反応させた。反応はガスクロマトグラフィーで追跡し、原料のp−マレイミドスチレンが完全に反応しガスクロマトグラフィー上ピークが観測されなくなるまで反応を行った。その後20%亜硫酸ナトリウム水溶液、10%炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて後処理し、溶媒のクロロホルムを除去することにより、淡黄色の固体として生成物であるp−マレイミドスチレンオキシドを得た。収量296mg、収率24.9%。
【0023】
1H NMR:2.7,3.0ppm (d,1H,d,1H、エポキシ環内のメチレン水素)、3.8ppm (d−d,1H エポキシ環内のメチレン水素)、6.8ppm (s,2H イミド環内のビニレン水素)、7.25〜7.34ppm (m,4H,p−ジ置換フェニル)。
【0024】
【化3】
【0025】
10mlのジクロロメタンにMISO 215mg(1mmol)、BF3 ・O(C2 H5 )2 5.68mg(0.04mmol)を入れ、−10℃で24時間反応させた。反応はメタノールにて停止し、大量のメタノール中に投入してポリマーを沈澱させ単離した。得られたポリマーは下図のような構造のpoly(MISO)であった。
【0026】
【化4】
【0027】
収量150mg、収率69.8%。
【0028】
1H NMR:2.7,3.0ppm (d,1H,d,1H、エポキシ環内のメチレン水素)及び、3.8ppm (d−d,1H エポキシ環内のメチン水素)が消失。かわって、3.7〜4.2ppm にポリマー主鎖のオキシエチレン(3H)に由来するピークを観察した。6.8ppm (s,2H イミド環内のビニレン水素)、7.2〜7.4ppm (m,4H,p−ジ置換フェニル)の吸収は変化なく観測された。
2.機能性高分子合成とキャラクタリゼーション
(実施例3)
実施例1にて合成したポリマレイミドスチレン0.2g(マレイミドユニット1.0×10-3mol )を50mlのクロロホルムに溶解させたポリマー溶液と、L−システイン1.2g(1.0×10-2mol )を純水100mlに溶解させた溶液を分液ロートにて10分間振盪した。水層と有機層の境界面に白色のレイヤーが出現し、それを回収、純水およびクロロホルムにて3回洗浄後乾燥し、目的物を単離した。
(実施例4)
実施例1にて合成したポリマレイミドスチレン0.2g(マレイミドユニット1.0×10-3mol )を50mlのクロロホルムに溶解させたポリマー溶液と、L−リジン1.5g(1.0×10-2mol )を純水100mlに溶解させた溶液を分液ロートにて10分間振盪した。水層と有機層の境界面に白色のレイヤーが出現し、それを回収、純水およびクロロホルムにて3回洗浄後乾燥し、目的物を単離した。
(実施例5)
実施例1にて合成したポリマレイミドスチレン0.2g(マレイミドユニット1.0×10-3mol )を50mlのクロロホルムに溶解させたポリマー溶液にカーボンフェルトに浸し引き上げ乾燥させた。そのポリマー被覆カーボンフェルトを1g/Lのウレアーゼ水溶液に10分間浸漬後引き上げ、十分に純水にて洗浄した後、さらに純水中で超音波を照射、洗浄することにより物理的な吸着物を全て洗い流すことによりカーボンフェルト上に目的物を生成させた。
(実施例6)
実施例3にて合成した目的物をNMRとIRにてキャラクタリゼーションした。
【0029】
1H NMR:6.8ppm に観測されたビニレン基の吸収は消失し、3.5−4.5ppm に新たにスクシンイミド環内のメチレンおよび硫黄原子に隣接したメチン水素が観測され、システイン由来の吸収もそれぞれ観測された。また主鎖のメチン、メチレンの吸収もそれぞれ観測された。
【0030】
IR:2700〜3500cm-1および3400cm-1付近にそれぞれアミノ酸のカルボキシル基とアミノ基の吸収が観測された。前駆体ポリマーであるポリマレイミドスチレンに存在した1678cm-1のビニレン基の二重結合由来の吸収はシステインのメルカプト基が二重結合に反応し、共有結合にて付加するため観測されなかった。
【0031】
また、ニンヒドリン反応に対しても陽性であった。
【0032】
従って、得られた物質は下式(5)の構造を有すると結論できる。
【0033】
【化5】
【0034】
(実施例7)
実施例4にて得られた高分子化合物も実施例3と同様な解析により、スクシンイミド環にリジンのアミノ基が付加共有結合を形成した下式(6)の構造を有する化合物であることが明かとなった。
【0035】
【化6】
【0036】
(実施例8)
実施例5にて得られた高分子化合物については、物理的吸着を排除した後の生成物がニンヒドリン反応に対して明白な陽性を示すことに加え、実施例6および実施例7でアミノ酸のメルカプト基またはアミノ基が前駆体ポリマー(ポリマレイミドスチレン)のマレイミド基の二重結合に付加しスクシンイミド環に共有結合することが明らかになっていることおよびウレアーゼはタンパク質すなわちポリアミノ酸であることを考慮すると、ウレアーゼの有するメルカプト基および/またはアミノ基がマレイミドの二重結合と反応し、スクシンイミド環にウレアーゼが共有結合して、下式(7)の構造をした高分子化合物が生成したことは明白である。
【0037】
【化7】
【0038】
(実施例9)
同様な方法にて、実施例2で合成したpoly(MISO)のクロロホルム溶液とL−システインの水溶液または、ウレアーゼ水溶液を分液ロート中で振盪することにより機能性高分子化合物を合成した。生体由来分子がマレイミド環のビニレン基に付加反応し、スクシンイミド環の構造を有するポリマーが生成したことは、実施例6,7と同様な方法にて確かめた。
3.PFC電極の作製
(実施例10)
塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社製T−741)30部、フラン樹脂(日立化成社製ヒタフランVF−302)45部、の混合樹脂系を用い、これに黒鉛微粉末(日本黒鉛社製SP−300S平均粒度2μm)25部を複合した組成物100部に対し、可塑剤としてジアリルフタレートモノマー20部を添加して、ヘンシェル・ミキサーを用いて分散した後、表面温度を120℃に保ったミキシング用二本ロールを用いて十分に混練を繰り返してシート状組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し成形用組成物を得た。このペレットをスクリュー型押出機で直径3.6mmのダイスを用い脱気を行いつつ130℃で3m/秒の速度で押し出し、これを枠に固定して、180℃に加熱されたエアー・オーブン中で10時間処理してプリ・カーサー(炭素前駆体)線材とした。次に、これを窒素ガス中で500℃までを10℃/h、500℃から1000℃迄を50℃/hの昇温速度で昇温し、その後1500℃迄を100℃/時で昇温し、1500℃で3時間保持した後自然冷却することで断面部直径3mmの円柱状カーボン電極を得た。
【0039】
得られたカーボン電極の細孔直径を、湯浅アイオニクス社製ポロシメーター(オートスキャン−60)を用いて水銀圧入法により測定した結果、最大細孔直径は120オングストロームであった。電極特性としては、柳本製ポーラログラフィクアナライザー(YANACO P−1100)を使用し、電極反応活性の目安として5×10-3M Fe(CN)6 4- と1M KCl系中でのフェロ/フェリシアンイオンのレドックス反応性を観察した結果、特別な前処理を施さなくてもブランク電流は小さく、シャープな酸化波、還元波のピークが得られ、ピーク電位の差ΔEpは理論値に近似した。又、電解液の侵入に伴なう電流値の増加は見られず、実質的にガラス状炭素並の電解液不浸透性を示した。
4.炭素多孔体の作製
(実施例11)
フラン樹脂初期縮合物(日立化成社製 ヒタフランVF−302)75部に、乾留ピッチ(呉羽化学工業社製 KH−1P)5部、平均粒径1μmの天然鱗状黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 CSSP−B)20部を加え、ミキサーで混合して液状組成物を調製した。次いで、三次元網目構造を有し気孔率60%のポリウレタンフォームに上記液状組成物を含浸させた。余剰の液状組成物を取り除いた後100℃乾燥機中で3時間かけ硬化反応させた。次に、180℃乾燥機中で10時間かけ炭素前駆体化処理を行なった。この前駆体処理物を、窒素ガス中で500℃迄を20℃/hの昇温速度で昇温し、その後1000℃迄を100℃/hで昇温し、1000℃で3時間保持した後自然冷却して炭素多孔体を得た。
5.ポリマレイミドスチレンを酵素固定化担体とするポテンショメトリックバイオセンサ
(実施例12)
アンモニア検出型ウレアーゼ固定化尿素センサ
クロロホルムに溶解したポリマレイミドポリスチレン(PMS)溶液をアンモニア電極のアンモニアガス透過性膜上に浸して乾燥させた後、ウレアーゼ溶液(1mg/ml from Jackbean)に30分浸漬し、ウレアーゼを結合させた。そして0.01Mジチオスレイトール(dithiothreitol)溶液に30分浸して酵素を活性化させた。ウレアーゼは酵素活性の発現にSH基が不可欠なSH酵素として良く知られており、固定化段階で一部SH基が酸化されてジスルフィド(S−S)結合を形成して失活している酵素分子があり、S−S結合切断試薬であるジチオスレイトールを加えて酵素活性を再生させた。この酵素修飾アンモニアガス透過性膜を装着したアンモニア電極の構造を図4に示す。このセンサをpH8の0.1Mリン酸緩衝液に入れてバックグランド電位が安定した後尿素を加えたところ、尿素濃度に応じた電位変化が生じた。尿素が加水分解されてアンモニアと炭酸ガスを生じる反応は(8)式に示す通りである。
【0040】
尿素 + H2 O → 2NH3 + CO2 (8)
試料添加から20分程度で電位応答が定常値となったが、この応答速度はPMSの膜圧によって大きく変化する。センサ作製してから3日後に得られた検量線を図5に示す。検量線の傾きは55mV/decadeとほぼネルンスト応答を示した。また毎日検量線の作成実験を行ったところ1週間後に30%の応答減少が生じた。これは主としてポリマーの隔膜からの離脱が関係しているものと考えられるので担体表面へのアミンの導入などを行ってポリマーの強固な担体への固定を行う必要がある。
【0041】
またウレアーゼは表面にSH基を有することが知られており、ウレアーゼのチオール基の炭素電極における酸化で活性が失われることを本願発明者の内山らは見いだしている(S. Uchiyama et al.,“Electrical Control of Urease Activity Immobilized to the Conducting Polymer on the Carbon Felt Electrode”, Electroanalysis 2002, 14 pp.1644-1647)。さらにウレアーゼを金網に吸着固定させたところ、活性を保持した状態で金に結合することがわかり、またシステインとほぼ同じ電極酸化波を有することから、ウレアーゼ自身のSH基がマレイミドと反応して固定化されたものと考えられる。なぜならSH基とマレイミドの反応速度の方がリジン残基とマレイミドのそれより極めて大きいことが知られているからである。さらに水晶振動子センサを用いて金表面にウレアーゼが直接結合あるいは強い吸着をすることを確認している。従って、ウレアーゼのように酵素表面にチオール基を有するタンパクは自身のチオール基で結合させることができるが、これまで天然のタンパク分子の表面のチオール基を用いて固定化したとの報告は見受けられない。
(実施例13)
二酸化炭素検出型ウレアーゼ固定化尿素センサ
クロロホルムに溶解したポリマレイミドスチレン(PMS)溶液にカーボンフェルトを浸して乾燥された後ウレアーゼ溶液(1mg/ml)に30分浸漬し、ウレアーゼを結合させた。そして炭酸ガス電極のガス透過性膜上に装着し、二酸化炭素検出型尿素センサを作製した。このセンサも上述のアンモニア電極を検出電極とするセンサと同様に電位応答が得られた。検量線の傾きが40mV/decadeと小さかったが、応答時間が5〜10分程度と迅速であった。なお、このセンサの応答は作成してから30日後に約50%の減少が見られたもののアンモニアガスの隔膜上に被覆させた時よりもより安定であった。これはポリマー鎖とカーボンフェルト表面の親和力の方がポリマー鎖とガス透過性膜のそれより強いことに起因していると考えられる。
(実施例14)
アデノシンデイミナーゼ固定アデノシンセンサ
カーボンペーパーを1mg/mlのポリマーのクロロホルム溶液1mlに浸し、乾燥させ、ポリマー被覆カーボンペーパーを作製した。次にアデノシンデイミナーゼ溶液(pH7のリン酸緩衝液)に30分浸けた後水洗し、アンモニアガス透過性膜上に装着した。この電極を緩衝液中に入れ、電位が安定した後、アデノシン溶液を段階的に加えて電位応答を記録した。検量線の傾きは約40mV/decade応答時間は20分程度であった(図6)。アデノシンデイミナーゼも迅速にPMSと結合するので表面に存在するSH基とポリマーが結合したものと考えられる。アデノシンの酵素による加水分解反応は(9)式の通りである。なおセンサ応答は3週間ほとんど低下しなかった。
【0042】
アデノシン + H2 O → イノシン + NH3 (9)
6.ポリマレイミドスチレンに電子移動メディエータを固定した機能性電極
(実施例15)
ドーパミン結合PMS修飾PFC(Plastic formed carbon)電極によるアスコルビン酸の電極酸化触媒波の測定
1mg/mlのPMSクロロホルム溶液中にPFC電極を浸して乾燥させ、PMSを被覆した後、0.01Mドーパミン溶液(pH9.0リン酸緩衝液)に30分浸してドーパミンの側鎖のアミノ基をマレイミドに固定化させた。このドーパミン固定化電極を用いて0.1mMアスコルビン酸溶液(pH7.0)のサイクリックボルタンメトリーを行ったところ、アスコルビン酸の電極酸化メディエータ電流が観察された。全くPMS処理をしていないPFC電極では溶液に浸されている電極面積が大きいので大きな容量性電流があらわれているのに対し、PMS被覆電極では小さな容量性電流となった。しかし、アスコルビン酸の電解酸化電流が前置波として現れた。この前置波は固定化されたドーパミンが電解酸化されて生成するドーパミンキノンがアスコルビン酸に還元再生されることにより発生したものである。固定化反応を図7に示す。
7.PFC電極に被覆したPMSを酵素固定層とするアンペロメトリック酵素センサ
(実施例16)
PFC電極を研磨しエッジ面をろ出させた後、PMS塩化メチレン溶液をディップコーティングした。その後チロシナーゼ(ポリフェノールオキシダーゼ)(0.25mg/ml)溶液(pH6.5リン酸緩衝液)と反応させ、チロシナーゼを固定化した。これを作用極として銀塩化銀電極を参照極、白金線を対極として−0.05Vで定電位アンペロメトリーを行った。電解液には0.1Mリン酸緩衝液pH6.5 10mlを用い、撹拌子により溶液を一定測度で撹拌しながら、測定対象となるチロシナーゼ基質の標準液を所定量添加した。本センサではチロシナーゼ触媒反応によりカテコール化合物またはフェノール化合物から生じたo−キノン化合物をPFC電極で電解還元再生することにより図8に示すような循環反応が生じ、カテコールまたはフェノール化合物などのチロシナーゼ基質を高感度に測定することができる。この応答は迅速であり、5〜10秒程度で定常値に達した。また図3を参照して説明したように、あらかじめAPTES処理によりPFC電極にアミノ基を導入後MPSを被覆すると、測定感度が増大するとともに、連続測定に対する安定性が向上した。図9にAPTES処理をしない場合とした場合のカテコールの検量線を示す。
【0043】
測定可能なフェノール化合物の例としては、フェノール、クロロフェノール、アミノフェノール、クレゾールなどが挙げられ、測定可能なカテコール化合物の例としては、カテコール、ドーパミン、L−ドーパ、アドレナリン、カフェイン酸などが挙げられる。
【0044】
また、上記チロシナーゼ基質を一定量添加し定常電流値が得られたところでCN- ,N3- ,SCN- 、安息香酸、コウジ酸、アトラジンなどの酵素阻害剤を加えることで、その阻害電流から各種阻害剤の測定も可能であった。
【0045】
PFCに酵素のチロシナーゼと同様にチオニンなどのチオール基、1級アミノ基、2級アミノ基を有する電子移動メディエータを同時に固定化することも可能であり、これにより、感度の向上を達成することができた。
(実施例17)
実施例16と同様にPFC電極にPMSをコーティングした後、さらに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(1mg/ml)とチオニン(0.1mM)の混合溶液に浸し酵素およびチオニンを固定化した。この応答は、電子メディエーターをPMSに同時に固定することにより著しく向上した。
【0046】
図10に示すように、過酸化水素とペルオキシダーゼの反応(1)で生じた2種の酸化型ペルオキシダーゼ中間体は、電子メディエータ(フェノチアジン・フェノオキサジン系電子メディエータ)により順次還元され(2)酵素が再生される。−0.2V(vs.Ag.AgCl)で、電子メディエータの還元電流(3)を検出した。
【0047】
ペルオキシダーゼとチオニンまたはトルイジンブルーを同時にPMSに固定化すると、上記反応スキームにより過酸化水素濃度に依存した定常電流応答を得ることができた。PMSの膜厚により若干応答速度は異なるが、過酸化水素に対する応答時間は10秒以内と迅速である。
【0048】
また、メルドラブルー、メチレンブルーはPFC電極に強く吸着するため、PFCにあらかじめこれらを吸着させた後、PMSを被覆し、HRPを固定しても同様にセンサを構築できた。電子メディエータを用いず、HRPのみを固定化しても酸素中間体と電極間の直接電子移動反応に基づく電流応答が得られたが、感度は、メディエーターを同時固定した場合の1/100程度であった。
8.多孔性カーボン電極に被覆したPMSを酵素固定層とするフロー型バイオセンサ
(実施例18)
炭素多孔体や多孔性カーボンフェルト(CF)をフロー型検出器の作用極として用いることで実施例16〜17の反応はすべて、図11に示すようなフロー型バイオセンサに応用可能である。この場合にも炭素多孔体および多孔性CFをPMSで被覆した。さらにチロシナーゼおよびHRPを固定化し、それぞれカテコール(またはフェノール)センサ、過酸化水素センサを構築した。またアミノ基を有するチオニンをPMSに酵素と同時に固定化することで感度の著しい増加が得られた。特にチロシナーゼ・チオニン系ではp−クロロフェノールに対して10nMまで計測可能であった(図12、図13)。APTES処理による感度増幅および再現性の向上も認められた(図14)。
【図面の簡単な説明】
【図1】PMSとチオール基またはアミノ基を有する酵素との結合反応を示す図である。
【図2】炭素電極表面に修飾したアミノ基とPMSとの結合を示す図である。
【図3】APTESを用いた炭素表面のアミノ基による修飾、そのPMSによる修飾、さらにPMS−酵素による修飾の過程を示す図である。
【図4】酵素で修飾されたアンモニアガス透過膜を装着したアンモニア電極を示す図である。
【図5】図4のセンサにおける、透過膜に固定化されたウレアーゼによる尿素の検量線を示すグラフである。
【図6】図4のセンサにおける、透過膜に固定化されたアデノシンデイミナーゼによるアデノシンの検量線を示すグラフである。
【図7】電子移動メディエータとしてのドーパミンのPMSへの固定化反応を示す図である。
【図8】PMSによりPFC電極に固定化されたチロシナーゼによる循環反応を示す図である。
【図9】PFC電極をアミノ基で修飾した場合と修飾しない場合の測定感度を示すグラフである。
【図10】HRPとチオニンの循環反応による過酸化水素の検出の反応を示す図である。
【図11】フロー型バイオセンサの構成を示す図である。
【図12】図11のセンサにおけるp−クロロフェノールの測定結果を示すグラフである。
【図13】図12の結果に基づくp−クロロフェノールの検量線を示すグラフである。
【図14】APTES処理による感度増幅および再現性の向上を示すグラフである。
Claims (6)
- 前記生体由来分子は、酵素である請求項1記載の機能性高分子化合物。
- 基材と、
該基材に物理的または化学的に固定され、側鎖にマレイミド基を有する高分子化合物と、
該高分子化合物の側鎖のマレイミド基の少なくとも一部に化学的に結合された1級アミノ基、2級アミノ基またはチオール基を有する生体由来分子とを具備するバイオセンサ。 - 前記生体由来分子は、酵素である請求項3記載のバイオセンサ。
- 前記基材は、高分子樹脂に黒鉛を混合し、黒鉛の結晶を一方向に配向させつつ成形した後、焼成したものである請求項3または4記載のバイオセンサ。
- 前記基材は、炭素多孔体である請求項3または4記載のバイオセンサ。
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