JP2007064945A - アジ化物の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
アジ化物の検出を、電気化学的方法により、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に、高速で行うことができる測定方法を提供する。
【解決手段】
測定対象のアジ化物を含有する試料溶液に、対電極と非金属からなる作用電極とを接触させ、前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定し、前記試料溶液を電気化学的に分析する。
【選択図】
図6
アジ化物の検出を、電気化学的方法により、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に、高速で行うことができる測定方法を提供する。
【解決手段】
測定対象のアジ化物を含有する試料溶液に、対電極と非金属からなる作用電極とを接触させ、前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定し、前記試料溶液を電気化学的に分析する。
【選択図】
図6
Description
この発明は、アジ化物の検出を、電気化学的方法により、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に、高速で行うことができる測定方法に関するものである。
従来、アジ化ナトリウムは防腐剤、農薬原料、起爆剤等として用いられている。しかしながら、アジ化ナトリウムを体内に摂取すると、ヘモグロビンと不可逆的な結合を形成し、細胞の酸素取り込みが阻害されるため、近時人体に対する影響が指摘されており、1999年より毒物及び劇物取締法において毒物に指定されている。
このようなアジ化ナトリウムを測定する方法としては、液体クロマトグラフィー法しかないのが現状である。しかしながら、液体クロマトグラフィー法による測定は時間がかかり、迅速な測定を行うことはできない。
一方、アジ化ナトリウムを電気化学的に測定することも試みられているが、一般に用いられる銅電極(a)、ニッケル電極(b)、白金電極(c)等の金属電極では図7に示すようにピークが見られず、アジ化ナトリウムを測定することができなかった。なお、図7はリン酸緩衝液を含む3.85mmol/Lアジ化ナトリウム(NaN3)水溶液をサンプルとして直線掃引(100mV/s)によるサイクリックボルタンメトリーを行い得られたボルタモグラムを示す。
そこで本発明は、アジ化物の検出を、電気化学的方法により、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に、高速で行うことができる測定方法を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係るアジ化物の測定方法は、対電極と非金属からなる作用電極とを接触させ、前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定し、前記試料溶液を電気化学的に分析することを特徴とする。
本発明に係るアジ化物の測定方法は、本発明者が、金属電極では測定不能であったアジ化ナトリウム等のアジ化物も導電性ダイヤモンド電極等の非金属からなる電極を用いれば電気化学的に測定可能であることを初めて見出したことによるものである。
本発明において測定対象となるアジ化物としては特に限定されないが、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム等が挙げられる。
本発明に用いる非金属からなる作用電極としてはカーボン電極が挙げられるが、カーボン電極としては導電性ダイヤモンド電極が好適に用いられる。
前記導電性ダイヤモンド電極としては、13族又は15族の元素の混入により導電性を付与したダイヤモンド薄膜を有するものが挙げられ、なかでも、ホウ素、窒素、及び、リンからなる群より選択される少なくとも一種の元素を混入したものが好ましく、特に、ホウ素を混入したボロンドープダイヤモンド電極が好適である。
本発明に係るアジ化物の測定方法において、得られた電流値から試料溶液中の測定対象であるアジ化物の濃度を算出するには、予め作成された測定対象のアジ化物の濃度と電流値との検量線と、得られた電流値とを対比することによる。
前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に印加する電圧は、最大電流値を与える電圧であることが好ましい。
本発明に係るアジ化物の測定方法は、作用電極及び対電極を用いる二電極法によるものでもよいが、高感度及び高精度の測定を行う場合は、更に参照電極を用いる三電極法によるのが好ましく、測定対象のアジ化物を含有する試料溶液に、更に参照電極を接触させることにより、作用電極と対電極との間に印加する電圧の絶対値を制御してもよい。
本発明に係るアジ化物の測定方法によれば、高濃度のアジ化物溶液は言うまでもなく、20μg/ml以下の低濃度のアジ化物溶液も精度よく測定することができる。
本発明に係るアジ化物の測定方法は、例えば以下のような構成を有する測定装置によって実施することができる。即ち、試料溶液中の測定対象のアジ化物を検出するための測定装置であって、対電極及び非金属からなる作用電極を内蔵するセルと、前記対電極及び前記非金属からなる作用電極に電圧を印加する手段と、当該印加電圧下における電流値を測定する手段と、得られた電流値からアジ化物を検出する情報処理装置とを備えているアジ化物の測定装置である。
当該測定装置において、非金属からなる作用電極は、導電性ダイヤモンド電極であることが好ましく、なかでも、ボロンドープダイヤモンド電極がより好ましい。
また、本測定装置は、セルが更に参照電極を内蔵しており、更に作用電極と対電極との間に印加する電圧の絶対値を制御する手段を備えているものであってもよい。
このように本発明によれば、アジ化物の検出を、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に、高速で行うことができる。
以下、本発明に用いる電気化学測定装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るアジ化物の測定方法を実施するための装置の一実施形態を示すものであり、電気化学測定用のフローセルを用いた液体注入型の電気化学測定装置(フローインジェクション分析装置)の概略を示している。
フローインジェクション分析は、定量ポンプ等を用いて制御された連続流れをつくりだし、この流れの中で種々の反応、分離や試料注入等を行い、末端に設置したフローセルを備えた検出器により溶液中の成分を分析する方法である。
図1に示す電気化学測定装置は、流路の上流側から、ポンプ2に続いて、対電極4、作用電極5及び参照電極6が内蔵されたフローセル3が配置されており、対電極4、作用電極5及び参照電極6は、ポテンショガルバノスタット7に接続され、更にポテンショガルバノスタット7には情報処理装置8が接続されている。
図1に示す電気化学測定装置を用いて測定対象であるアジ化物の濃度を測定する場合、まず、測定対象のアジ化物を含む試料溶液1がポンプ2によってフローセル3に送られる。フローセル3内において、内蔵された対電極4、作用電極5及び参照電極6が試料溶液1に接触した状態で、作用電極5と対電極4との間に電圧が印加されることにより電気化学的反応が起こる。当該電気化学的反応によって生じた電流値(電気信号)はポテンショガルバノスタット7に伝達し各電極における信号の制御・検出が行われる。ポテンショガルバノスタット7で検出された信号は情報処理装置8により解析され、各種アジ化物の検出、濃度の測定が行われる。測定が終了した試料溶液1は電気化学測定装置外に排出される。
前記ポンプ2としては一定速度で試料溶液1をフローセル3に送ることができるものであれば特に限定されず、例えば液体クロマトグラフィー用ポンプ等を用いることができる。
前記フローセル3は、図2に示すように、作用電極5、対電極4、及び、参照電極6が、試料溶液1が流れる流路31内に露出され、試料溶液1と接触できるよう構成されている。作用電極5が導電性ダイヤモンド電極である場合、ダイヤモンド薄膜が、流路31内に露出され、試料溶液1と接触する。試料溶液1は、流路31の流入口32から入り、図中の矢印のように流れ、流出口33に至る。そして、作用電極5と対電極4との間に電圧が印加されることにより、試料溶液1中で電気化学的反応が起こる。作用電極5の形態は、マイクロ電極であってもよく、回転電極であってもよい。
前記作用電極5としては、導電性ダイヤモンド電極等のカーボン電極を用いることができる。
ダイヤモンドは本来優れた絶縁体である。しかしながら、13族や15族の不純物を添加することによって、半導体〜金属様の導電性を示すようになる。本発明では、半導体〜金属様の導電性を示すダイヤモンドを電極として使用する。
このようなダイヤモンドに導電性を付与するために混入する物質としては、上記の通り13族及び15族の元素が挙げられ、より好ましくはホウ素、窒素、リンが挙げられ、更に好ましくはホウ素である。高濃度でホウ素をドープしたボロンドープダイヤモンド電極は、電位窓が広く(酸化電位及び還元電位が広い)、他の電極材料と比較してバックグラウンド電流が低いといった有利な性質を有している。また、ボロンドープダイヤモンド電極は、化学的耐性、耐久性、電気伝導度、耐腐食性等にも優れている。
これらのダイヤモンドに導電性を付与するために混入する物質の添加量は、ダイヤモンドに導電性を付与できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば1×10−2〜10−6Ωcm程度の導電性を与える量であることが好ましく、当該添加量は一般的には製造工程において制御される。
導電性ダイヤモンドそれ自体を基材の支持によらず電極とすることも可能であるが、基材上に導電性ダイヤモンドの薄膜を形成し、この薄膜に導線を接続させ、電極とすることが好ましい。基材としては、Si(例えば、単結晶シリコン)、Mo、W、Nb、Ti、Fe、Au、Ni、Co、Al2O3、SiC、Si3N4、ZrO2、MgO、黒鉛、単結晶ダイヤモンド、cBN、石英ガラス等が挙げられ、特に単結晶シリコン、Mo、W、Nb、Ti、SiC、単結晶ダイヤモンドが好適に用いられる。
導電性ダイヤモンド薄膜の厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度の厚さが好ましく、より好ましくは5〜50μm程度である。
本発明においては、導電性ダイヤモンド電極は、マイクロ電極の形態をとっていてもよい。ここで、マイクロ電極形態のダイヤモンド電極とは、例えばPt等の細線の末端を鋭利に切断し、電解研磨により末端を更に鋭利にした後、その末端表面に導電性ダイヤモンドの薄膜を形成した構成のものをいう。
導電性ダイヤモンド薄膜は、化学気相成長法により製造することができる。化学気相成長法とは、気相中で気体原料を化学反応させて物質を合成する方法であり、CVD(Chemical
Vapor Deposition)法と一般に呼ばれる。この方法は、半導体製造プロセスにおいて広く利用されており、本発明における導電性ダイヤモンド薄膜の製造にも合目的な改変のもと利用可能である。
Vapor Deposition)法と一般に呼ばれる。この方法は、半導体製造プロセスにおいて広く利用されており、本発明における導電性ダイヤモンド薄膜の製造にも合目的な改変のもと利用可能である。
ダイヤモンドの化学気相合成は、メタン等の含炭素気体と水素を混合したものを原料気体として、それを励起源により励起させ、基板上に供給して堆積させることにより行われる。
励起源としては、熱フィラメント、マイクロ波、高周波、直流グロー放電、直流アーク放電、燃焼炎等が挙げられる。また、これらを複数組み合わせて核生成密度を調整し、大面積化や均一化をはかることも可能である。
原料としては、炭素が含まれており、励起源により分解・励起されて、C、C2等の活性な炭素、及び、CH、CH2、CH3、C2H2等の炭化水素ラジカルを生じさせる種々の化合物を用いることができ、好ましい具体例としては、気体としてCH4、C2H2、C2H4、C10H16、CO、CF4、液体としてCH3OH、C2H5OH、(CH3)2CO、固体として黒鉛、フラーレン等が挙げられる。
化学気相合成法において、ダイヤモンドに導電性を付与する物質の添加は、例えば添加物質のディスクを系内に置き、炭素源原料と同様に励起させ、炭素気相に添加物質を導入する方法、炭素源に予め添加物質を添加し、系内に炭素源と共に導入し、励起源により励起し、炭素気相に添加物質を導入する方法等により行うことができる。なかでも、後者の方法が好ましい。とりわけ、炭素源としてアセトン、メタノール等の液体を用いる場合、これに酸化ボロン(B2O3)を溶解してボロン源とする方法が、ボロンの濃度の制御が容易で、かつ簡便であることから好ましい。化学気相合成法において、炭素源にホウ素を添加する場合、10〜12,000ppm程度が一般的であるが、1,000〜10,000ppm程度が好ましい。
化学気相合成法としては、プラズマ化学気相合成法が好適に用いられる。このプラズマ化学気相合成法は、化学反応を引き起こす活性化エネルギーが大きく、反応が速いとの利点を有する。更に、この方法によれば、熱力学的に高温でなければ存在しない化学種を生成して、低い温度での反応が可能となる。プラズマ化学気相合成法による導電性ダイヤモンド薄膜の製造は、例えば、Yano
et al.,J.Electrochem.Soc.,145(1998)1870に記載の方法に従って行うことができる。
et al.,J.Electrochem.Soc.,145(1998)1870に記載の方法に従って行うことができる。
本発明で用いるボロンドープダイヤモンド電極は、例えば、次に説明するようなマイクロ波プラズマアシストCVD法を用いた製造方法により製造することができる。具体的な製造方法としては、以下の通りである。まず、水素ガスが充満したチャンバー内に水素プラズマを生成し、そこにボロン種を溶解したアセトンとメタノールの混合ガスを導入し、炭素源を導入し、例えばシリコン基板等の導電性(又は半導電性)基板上に気相成長させる。基板としてはシリコン基板{Si(100)}を用い、基板表面をテクスチャー処理(例えば、0.5μmのダイヤモンド粉による研磨)した後、基板を成膜装置のホルダーにセットする。成膜用ソースとしては、アセトンとメタノールの混合物(液体で、混合比は体積比9:1)を用い、この混合物に酸化ホウ素(B2O3)をホウ素/炭素(B/C)比で104ppmとなるように溶解する。そして、この成膜用ソースにキャリアーガスとして純H2ガスを通した後、チャンバー内に導入し、予め別ラインで水素(例えば、532ml/min)を流して所定圧力(例えば、115Torr=115×133.322Pa)となるように調整する。そして、2.45GHzのマイクロ波電力を注入し、放電させた後、電力が5kWとなるように調整する。そして、安定したところで、成膜用ソースにキャリアーガスとして純H2ガス(例えば、15ml/min)を流して成膜を行う。
上記のマイクロ波プラズマアシストCVD法を用いた製造方法により、成膜速度1〜4μm/時で、約30μmの厚さとなるまでダイヤモンド薄膜の成膜を行ったところ、基板の加熱は行わなかったが、定常状態において約850〜950℃の温度となっていることが観察された。また、得られたダイヤモンド薄膜のラマンスペクトルをとると、1333cm−1に単一ピークのみが観察された。また、電気伝導度は約10−3Ωcm程度であり、0.5M硫酸中においてサイクリックボルタモグラムを測定した結果、−1.25〜+2.3V(対SHE)と、広い電位窓を有することが確認できた。
前記作用電極5としてカーボン電極を用いる場合は、例えばグラッシーカーボン電極が好適に用いられる。グラッシーカーボン電極は、電気伝導度がよく、化学薬品に安定で、ガスを通さないという熱分解グラファイトと同様な性質を有し、しかも安価で、水素発生や酸素発生に対して過電圧が比較的大きい等の特徴を有する。
前記対電極4としては、例えば白金、炭素、ステンレス、金、ダイヤモンド、SnO2等を用いることができる。
前記作用電極5と前記対電極4との間に印加する電圧は、測定効率及び精度の観点から、最大電流値を与える電圧であることが好ましい。ここで、最大電流値を与える電圧とは、例えばサイクリックボルタンメトリーにより、最大電流値を与える電圧である。また、最大電流値を与える電圧は、回転電極法又はマイクロ電極法により求めることもできる。回転電極法又はマイクロ電極法によれば、測定条件等による測定誤差の可能性をより排除できる点で有利である。
前記参照電極6としては公知のものを利用することができ、標準水素電極、銀塩化銀電極、水銀塩化水銀電極、水素パラジウム電極等を用いることができる。
前記電気化学測定装置は、対電極4、作用電極5及び参照電極6が備わった三電極法による測定を行うものであるが、本発明に係る測定方法を行うための電気化学測定装置としては、作用電極5及び対電極4のみを備えた二電極法によるものであってもよい。三電極法の方が、作用電極5と対電極4との間に印加する電圧の絶対値を制御することができるので、精度及び感度の高い測定を行うことが可能であるが、二電極法によれば、用いる電極が作用電極5及び対電極4の2電極ですむので、フローセル3の構造を単純化、小型化することができ、測定セルをチップ化し使い捨てとすることも可能で、より簡便な測定を行いうる。
アジ化物の測定に際しては、まず、測定対象のアジ化物を含有しないキャリア溶液のみをフローセル3に流し、いわゆるバックグラウンド電流をできるだけ小さくし、かつ安定させる。ここで、ダイヤモンド電極はバックグラウンド電流が小さいことを特長とする。次に、アジ化物を含有する試料溶液1をフローセル3に流す。
次いで、前記作用電極5と対電極との4間に電圧を印加することにより、測定対象のアジ化物が作用電極5上で酸化又は還元され、酸化還元反応に伴う電流が発生する。この電流(電気信号)はポテンショガルバノスタット7に伝達し、ポテンショガルバノスタット7で検出された信号は情報処理装置8により解析される。この情報処理装置8は、CPU、内部メモリ、HDD等の外部記憶装置、モデム等の通信インタフェース、ディスプレイ、マウスやキーボードといった入力手段等を有する。そして、前記内部メモリや外部記憶装置等の所定領域に設定したプログラムにしたがって電気信号を解析し、アジ化物の検出や濃度の算出を行う。かかる情報処理装置8は、汎用のコンピュータであってもよく、専用のものであってもよい。
図3は、作用電極5としてボロンドープダイヤモンド電極、対電極4として白金、参照電極6としてSCEを用い、試料溶液1としてアジ化ナトリウムを50μg/mlの濃度となるようにBRB(ブリトンロビンソン緩衝液)に溶解したアジ化ナトリウム水溶液を用い、この水溶液のpHをpH2からpH12まで変化させて直線掃引(100mV/s)によるサイクリックボルタンメトリーにより測定し、得られたボルタモグラムを示す。図3に示すように、いずれのpHでも最大電流値は1.12V付近にあり、pHを変えてもピーク電圧に影響はなかった。
図4は、図3と同様の電極を用い、試料溶液1としてアジ化ナトリウムを20μg/mlの濃度となるようにリン酸緩衝液に溶解したアジ化ナトリウム水溶液を用いて、これを直線掃引(100mV/s)によるサイクリックボルタンメトリーにより測定し、得られたボルタモグラムを示す。図4に示すように、20μg/mlという低濃度のアジ化ナトリウム水溶液でも明瞭なピーク電圧が測定できた。
図5は、図3と同様の電極を用い、試料溶液1としてアジ化ナトリウムをリン酸緩衝液に溶解し濃度をそれぞれ20、40、60、80、100μg/mlに調整したアジ化ナトリウム水溶液を用いて、これらを直線掃引(100mV/s)によるサイクリックボルタンメトリーにより測定し、得られたボルタモグラムを示す。図6は図5で得られた結果に基づき、+1.1V付近にあるピーク電位での電流値を基に作成した検量線を示す。図6に示すように、アジ化ナトリウム濃度と最大電流値が良好に相関した検量線が作成できた。従って、微量(低濃度)なアジ化ナトリウムであっても正確に測定することが可能である。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではなく、例えば、セルがフロー型であるもの以外にバッチ型の電気化学測定装置を使用してもよい。
また、本発明に係る測定方法はアンペロメトリーによるものであってもよい。
本発明によって、毒性の高いアジ化物の検出・濃度測定を、迅速かつ高精度に行うことが可能となる。
1・・・試料溶液
2・・・ポンプ
3・・・フローセル
4・・・対電極
5・・・作用電極
6・・・参照電極
7・・・ポテンショガルバノスタット
8・・・情報処理装置
2・・・ポンプ
3・・・フローセル
4・・・対電極
5・・・作用電極
6・・・参照電極
7・・・ポテンショガルバノスタット
8・・・情報処理装置
Claims (14)
- 測定対象のアジ化物を含有する試料溶液に、対電極と非金属からなる作用電極とを接触させ、前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に電圧を印加して、当該電圧下における電流値を測定し、前記試料溶液を電気化学的に分析することを特徴とするアジ化物の測定方法。
- 前記非金属からなる作用電極は、カーボン電極である請求項1記載のアジ化物の測定方法。
- 前記カーボン電極は、導電性ダイヤモンド電極である請求項2記載のアジ化物の測定方法。
- 前記導電性ダイヤモンド電極は、13族又は15族の元素の混入により導電性を付与したダイヤモンド薄膜を有するものである請求項3記載のアジ化物の測定方法。
- 前記導電性ダイヤモンド電極は、ホウ素、窒素、及び、リンからなる群より選択される少なくとも一種の元素の混入により導電性を付与したダイヤモンド薄膜を有するものである請求項3又は4記載のアジ化物の測定方法。
- 前記導電性ダイヤモンド電極は、ボロンドープダイヤモンド電極である請求項3乃至5のいずれか1項記載のアジ化物の測定方法。
- 予め作成された測定対象のアジ化物の濃度と電流値との検量線と、得られた電流値とを対比することにより、得られた電流値から試料溶液中の測定対象のアジ化物の濃度を算出する請求項1乃至6のいずれか1項記載のアジ化物の測定方法。
- 前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に印加する電圧は、最大電流値を与える電圧であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のアジ化物の測定方法。
- 測定対象のアジ化物を含有する試料溶液に、更に参照電極を接触させて、前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に印加する電圧の絶対値を制御する請求項1乃至8のいずれか1項記載のアジ化物の測定方法。
- 前記試料溶液のアジ化物の濃度が20μg/ml以下である請求項1乃至9のいずれか1項記載のアジ化物の測定方法。
- 試料溶液中の測定対象のアジ化物を検出するための測定装置であって、
対電極及び非金属からなる作用電極を内蔵するセルと、
前記対電極及び前記非金属からなる作用電極に電圧を印加する手段と、
当該印加電圧下における電流値を測定する手段と、
得られた電流値からアジ化物を検出する情報処理装置とを備えていることを特徴とするアジ化物の測定装置。 - 前記非金属からなる作用電極は、導電性ダイヤモンド電極である請求項11記載のアジ化物の測定装置。
- 前記導電性ダイヤモンド電極は、ボロンドープダイヤモンド電極である請求項12記載のアジ化物の測定装置。
- セルは更に参照電極を内蔵しており、
更に前記対電極と前記非金属からなる作用電極との間に印加する電圧の絶対値を制御する手段を備えている請求項11乃至13のいずれか1項記載のアジ化物の測定装置。
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