JP2000297828A - カップリングおよびディファレンシャル装置 - Google Patents

カップリングおよびディファレンシャル装置

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JP2000297828A
JP2000297828A JP11107160A JP10716099A JP2000297828A JP 2000297828 A JP2000297828 A JP 2000297828A JP 11107160 A JP11107160 A JP 11107160A JP 10716099 A JP10716099 A JP 10716099A JP 2000297828 A JP2000297828 A JP 2000297828A
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Japan
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differential
differential case
lubricating oil
gear
differential device
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JP11107160A
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English (en)
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Kazutaka Kawada
和隆 川田
Hiroshi Nohara
浩 野原
Toshio Shiba
利男 柴
Sunao Mogami
直 最上
Katsumi Tanaka
克己 田中
Norihiko Tashiro
紀彦 田代
Naoyuki Shioda
直之 塩田
Tadashi Oikawa
忠 及川
Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
Akihiro Masuyama
昭浩 増山
Osamu Ishikawa
治 石川
Masayuki Sayama
正幸 佐山
Shigeyuki Shimada
茂幸 島田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑・冷却性を十分確保可能な密封型のカッ
プリングおよびディファレンシャル装置の提供を目的と
する。 【解決手段】 内部に潤滑オイルが充填されたデフケー
ス105と、デフケース105内に回転可能に支持され
たピニオンギヤ117と、ピニオンギヤ117を介して
互いに連結されたサイドギヤ121,123とを有する
差動ギヤ機構103と、コーンクラッチ129と、潤滑
オイルのデフケース105の外部への漏れを防止するプ
ラグ133、シールリング131とを備えるディファレ
ンシャル装置101において、デフケース105の端壁
に連通するダイアフラム室75を有するアキュムレータ
73を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封型のカップリ
ングおよびディファレンシャル装置の内部の潤滑・冷却
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の密封型のカップリングとしては、
例えば実開平5−25038号公報に図15に示すよう
なものが記載されている。
【0003】このカップリング501は、4輪駆動車の
前、後輪間に配置され、前、後輪間に生じる回転速度差
に応じて駆動力を前、後輪に配分するもので、入力軸5
03と出力軸505との間にはベーンポンプ507が配
設されている。すなわち、前輪側の入力軸503にはベ
ーンポンプ507のロータ509がスプライン結合され
て一体に回転する。一方、後輪側の出力軸505にはケ
ーシング511が結合され、さらに該ケーシング511
にカムリング513が固定され、出力軸509と一体に
回転する。
【0004】そして、前、後輪間に回転速度差が生じる
と、ロータ509とカムリング513間の相対回転に伴
いベーンポンプ507がポンプ作用を行う。これによ
り、両軸間の回転速度差に応じて油圧が発生し、両軸間
(前後輪間)の相対回転を抑制するように作用する。
【0005】ベーンポンプ507の作動時には、ケーシ
ング511の周囲に設けられたオイルタンク515のオ
イルがオイルタンク515内とベーンポンプ507間を
循環する。循環するオイルはタンク515内で空冷さ
れ、ベーンポンプ507の摩耗や焼き付きが防止され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような構成によ
り、ポンプ作用による油圧の高い作動状態が継続する場
合や作動条件が安定しない場合には、ポンプ507の焼
き付きが発生する恐れが解消しきれない問題がある。
【0007】そこで、本発明は、潤滑・冷却性を十分確
保可能な密封型のカップリングおよびディファレンシャ
ル装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、連結力調整用パイロット
クラッチと該パイロットクラッチの締結に伴い締結され
るメインクラッチとを収容し内部に潤滑オイルが充填さ
れq外側の回転部材と、前記メインクラッチを介して前
記外側の回転部材に連結される内側の回転部材と、前記
パイロットクラッチの締結トルクをスラスト力に変換し
拡大するカム機構と、前記スラスト力を受けてメインク
ラッチを押圧する押圧部材と、前記潤滑オイルの外部へ
の漏れを防止する密封部とを備えるカップリングにおい
て、前記外側の回転部材は、中空円筒部と該円筒部の外
周を取り巻くカバー部材との間に容積可変のオイル溜り
を有することを特徴とする。
【0009】したがって、カップリングの作用・効果を
潤滑・冷却性に絞ってみると、外側回転部材の円筒部と
カバー部材との間に大きなオイル溜りを設けることが可
能となり、潤滑・冷却性を向上できると共に、容量可変
のオイル溜りによりカップリングの内圧の上昇を緩和で
きるのでカップリングの耐久性を向上することができ
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のカップリングであって、前記容積可変のオイル溜り
が、前記カバー部材と外側の回転部材との間に設けられ
たフリーピストン部材を備えることを特徴とする。
【0011】したがって、請求項1の発明と同等の作用
・効果が得られると共に、フリーピストン部材を用いる
簡単な構成によりオイル溜りの容量を可変にしているの
で、コスト的に有利である。
【0012】請求項3に記載の発明は、連結力調整用パ
イロットクラッチと該パイロットクラッチの締結に伴い
締結されるメインクラッチとを収容し内部に潤滑オイル
が充填された外側の回転部材と、前記メインクラッチを
介して前記外側の回転部材に連結される内側の回転部材
と、前記パイロットクラッチの締結トルクをスラスト力
に変換し拡大するカム機構と、前記スラスト力を受けて
メインクラッチを押圧する押圧部材と、前記潤滑オイル
の外部への漏れを防止する密封部とを備えるカップリン
グにおいて、前記外側の回転部材内に連通するダイアフ
ラム室を有するアキュムレータを備えることを特徴とす
る。
【0013】したがって、カップリングの作用・効果を
潤滑・冷却性に絞ってみると、ダイアフラム室(オイル
溜り)の容量の調節を軸方向で行うことが可能で、径方
向に大きくせずに大きなオイル溜りを設けることがで
き、潤滑・冷却性を向上できると共に、カップリングの
内圧の上昇を緩和できるのでカップリングの耐久性を向
上することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、エンジンの駆動
力により回転駆動されると共に内部に潤滑オイルが充填
されたデフケースと、前記デフケース内に回転可能に支
持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを介して互
いに連結された一対の出力側サイドギヤとを有する差動
ギヤ機構と、前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制
限機構と、前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを
防止する密封部とを備えるディファレンシャル装置にお
いて、前記デフケースの端壁を介して該デフケース内部
に連通するダイアフラム室を有するアキュムレータを備
えることを特徴とする。
【0015】したがって、ディファレンシャル装置の作
用・効果を潤滑・冷却性に絞ってみると、ダイアフラム
室の容量の調節を軸方向で行うことが可能で、径方向に
大きくせずに大きなオイル溜りを設けることができ、潤
滑・冷却性を向上できると共に、ディファレンシャル装
置の内圧の上昇を緩和できるのでカップリングの耐久性
を向上することができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、エンジンの駆動
力により回転駆動されると共に内部に潤滑オイルが充填
されたデフケースと、前記デフケース内に回転可能に支
持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを介して互
いに連結された一対の出力側サイドギヤとを有する差動
ギヤ機構と、前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制
限機構と、前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを
防止する密封部とを備えるディファレンシャル装置にお
いて、前記デフケースの円筒壁部と端壁部との少なくと
も一方の壁部に設けられたオイル溜りを有することを特
徴とする。
【0017】したがって、ディファレンシャル装置の作
用・効果を潤滑・冷却性に絞ってみると、デフケースの
円筒壁部や端壁部を利用したオイル溜りにより十分なオ
イル量を確保可能になるので潤滑・冷却性を向上でき、
ディファレンシャル装置の耐久性を向上することができ
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のディファレンシャル装置であって、前記オイル溜り
は、デフケースの前記壁部に開口、肉抜き部および膨出
部の全てまたは一部を選択的に設けて構成されることを
特徴とする。
【0019】したがって、デフケースの円筒壁部や端壁
部開口、肉抜き部および膨出部の全てまたは一部を選択
してオイル溜りとすることにより、請求項5の発明と同
等の作用・効果が得られる。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のディファレンシャル装置であって、前記デフケースの
開口を密封するカバー部材が外方に凸に形成されてなる
ことを特徴とする。
【0021】したがって、請求項6の発明と同等の作用
・効果が得られると共に、外方に凸に形成されたカバー
部材により潤滑オイル量の増量が容易に可能となる。
【0022】請求項8に記載の発明は、エンジンの駆動
力により回転駆動されると共に内部に潤滑オイルが充填
されたデフケースと、前記デフケース内に回転可能に支
持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを介して互
いに連結された一対の出力側サイドギヤとを有する差動
ギヤ機構と、前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制
限機構と、前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを
防止する密封部とを備えるディファレンシャル装置にお
いて、前記サイドギヤの少なくとも一方の軸心部に連結
された軸部材の中空部からなるオイル溜りを有すること
を特徴とする。
【0023】したがって、ディファレンシャル装置の作
用・効果を潤滑・冷却性に絞ってみると、軸部材の中空
部を利用して潤滑オイル量を増量可能になるので潤滑・
冷却性を向上でき、ディファレンシャル装置の耐久性を
向上することができる。
【0024】請求項9に記載の発明は、エンジンの駆動
力により回転駆動されると共に内部に潤滑オイルが充填
されたデフケースと、前記デフケース内に回転可能に支
持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを介して互
いに連結された一対の出力側サイドギヤとを有する差動
ギヤ機構と、前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制
限機構と、前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを
防止する密封部とを備えるディファレンシャル装置にお
いて、前記各サイドギヤに設けられた肉抜き部からなる
オイル溜りを有することを特徴とする。
【0025】したがって、ディファレンシャル装置の作
用・効果を潤滑・冷却性に絞ってみると、サイドギヤに
設けたオイル溜りにより、潤滑オイル量を増量可能にな
るので潤滑・冷却性を向上でき、ディファレンシャル装
置の耐久性を向上することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態を図1により説明する。図1は本実施形態の断面
図である。このカップリング1は、前記従来例のカップ
リング(図15)と同様に、4輪駆動車において、切り
離し側に設定したリヤデフとエンジン(トランスファ)
側との間に配置された密封型のものである。
【0027】図1に示すように、このカップリング1の
外側の回転部材としての外側のハウジング3は、軸部と
側壁部とからなる入力部3aと中空円筒部3bとが接合
により一体化されてなり、入力部3aにて図示しないベ
アリングを介して車体側部材に回転可能に支持されてい
る。エンジンからの駆動力はハウジング3の入力部3a
に入力される。
【0028】ハウジング3の円筒部3bの周囲を所定の
すきまを持ってカバー部材としての薄肉のカバー5が密
着状態に取り付けられている。カバー5の左端部とハウ
ジング3の入力部3aとの間にリング状のフリーピスト
ン(フリーピストン部材)7が軸方向移動可能に配設さ
れている。フリーピストン7の内外周は密封部としての
シールリング9,11によりシールされ、カバー5とハ
ウジング3との間にリング状のタンク13が構成され、
ハウジング3の入力部3aの油路15により後述するメ
インクラッチ17に連通している。
【0029】フリーピストン7はタンク13の内圧の変
動に応じて軸方向に移動して内容積は可変であり、オイ
ル溜りとしてのタンク13はアキュムレータとして作用
する。
【0030】一方、ハウジング3の右端部には内側の回
転部材としての内側のハウジング19が嵌装され、密封
部としてのシールリング20によりシールされると共に
止め輪23により抜け止めされている。そして、凸部1
9aの係合によりハウジング3と一体に回転する。
【0031】また、ハウジング3の軸心側には、内側の
回転部材としての中空のハブ21がベアリング23,2
5を介して回転自在に支持されている。ハブ21の大径
軸部21aの軸心部には底付きの軸心側オイル溜り27
が設けられ、軸心側オイル溜り27の周壁には油路21
bが設けられている。ハブ21の小径軸部21cと内側
のハウジング19との間は密封部としてのシールリング
29により密封されている。そして、ハブ21の内周に
図示しない従動軸が連結され、駆動力はハブ21から従
動軸を介して後輪側へ伝達される。
【0032】多板式のメインクラッチ17が外側のハウ
ジング3の円筒部3bとハブ21の大径軸部21aとの
間に配置されている。ハブ21の小径軸部21c上で、
メインクラッチ17の右に隣接して押圧部材31が配置
され、押圧部材31はハブ21と係合している。押圧部
材31の右方にはボール33を挟んでカム部材35が配
置され、押圧部材31とカム部材35の対向面にはボー
ル33に係合するカム溝が設けられ、これらの部材によ
りカム機構37が構成されている。
【0033】一方、ほぼコの字状の断面に形成された内
側のハウジング19の凹部に電磁石41がベアリング4
3を介して支持されている。電磁石41のヨーク部41
aは車体側部材45に固定され、回転しない。なお、車
体側部材45と内側のハウジング19との間は密封部と
してのシール47により密封されている。内側のハウジ
ング19の電磁石41との対向部47は非磁性体であ
る。
【0034】そして、内側のハウジング19とカム部材
35との間に電磁式のパイロットクラッチ51が配置さ
れ、その左方に隣接してアーマチャ53がハウジング3
の円筒部3bに係合して配置されている。
【0035】なお、上述のハブ21の大径部21aに設
けられた油路21bのほかに、押圧部材31、メインク
ラッチ17およびハウジング3の円筒部3bにそれぞれ
潤滑オイルの油路55が設けられている。潤滑オイルは
充填口57からカップリング1内に所定量充填され、充
填後、充填口57はカシメにより密封される。
【0036】つぎに、このカップリング1の作用を説明
する。
【0037】電磁石41に通電されるとアーマチャ53
が吸引され、パイロットクラッチ51が締結される。こ
の締結トルクはカム機構37によりスラスト力に変換拡
大され、スラスト力を受けた押圧部材31がメインクラ
ッチ17を押圧し、メインクラッチ17が締結される。
こうして、ハブ21から大きなトルクが後輪側へ伝達さ
れる。
【0038】パイロットクラッチ51の締結力(吸引
力)を調節することにより、メインクラッチ17の締結
力(連結装置1の連結力)を調節することができる。
【0039】このカップリング1の作動時に、ハブ21
の軸心側オイル溜り27の潤滑オイルは遠心力により油
路21bを通ってメインクラッチ17を潤滑・冷却する
と共に、押圧部材31の油路55を通ってカム機構37
およびパイロットクラッチ51等を潤滑・冷却する。各
クラッチ17,51を通った潤滑オイルはハウジング3
の円筒部3bの油路55を通ってタンク13に入る。フ
リーピストン7の移動によりタンク13の内圧の変動が
緩和される。そして、潤滑オイルはタンク13内にある
間に冷却される。
【0040】こうして、本実施形態によれば、作動条件
が比較的過酷であっても、カップリング1の外周部に大
きな容量のタンク13を配設することが可能であるの
で、潤滑オイル量の増加と共にタンク13内での冷却に
より冷却性の向上が可能で、摺動部の焼き付きの恐れを
低減することができる。
【0041】また、フリーピストン7によりタンク13
の内圧の上昇を緩和することができ、シールの耐久性を
向上することができる。
【0042】また、油路55を通って潤滑オイルに含ま
れる金属摩耗粉などがタンク13に集まり易く、潤滑オ
イルの浄化に有利となる。
【0043】なお、カップリング1の使用条件によって
は、フリーピストン7を省略したタンク構造にすること
も可能である。
【0044】[第2実施形態]本発明の第2実施形態を
図2により説明する。図2は本実施形態の断面図であ
る。このカップリング71は、上記第1実施形態とアキ
ュムレータの構造が相違し、その他の構成は同様(図1
と同一符号)であるので、相違点を説明し、重複する説
明は省略する。
【0045】図2に示すように、このカップリング71
の外側の回転部材としての外側のハウジング3の入力部
3aにアキュムレータ73が取付けられている。アキュ
ムレータ73のダイアフラム室75は油路77を介して
メインクラッチ17に連通されている。そして、ダイア
フラム79は弾性部材81と大気圧により所定の付勢力
で付勢されると共に、ダイアフラム室75の内容積が可
変にされている。
【0046】また、アキュムレータ73の外側壁面には
マグネット83が取付けられている。
【0047】このような構成により、カップリング71
の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみると、本実施
形態によれば、アキュムレータ73のダイアフラム室7
5の容積がメインクラッチ17の圧力に応じて変化する
ことにより圧力の上昇を緩和することができ、各シール
リング20,29およびシール47の耐久性を向上する
ことができる。
【0048】また、潤滑オイルはアキュムレータ73内
での冷却により冷却性の向上が可能で、摺動部の焼き付
きの恐れを低減することができる。
【0049】また、潤滑オイル中に含まれる金属摩耗粉
などがアキュムレータ73内でマグネット83に吸着さ
れ、カップリング71の耐久性が向上される。
【0050】[第3実施形態]本発明の第3実施形態を
図3により説明する。図3は本実施形態のディファレン
シャル装置の断面図である。本実施形態は上記第2実施
形態のアキュムレータ(図2)をディファレンシャル装
置に適用したものである。したがって、相違点を主に説
明し、重複する説明は図2と同一符号を付して省略す
る。
【0051】図3に示すように、このディファレンシャ
ル装置101はベヘルギヤ式の差動ギヤ機構103を備
えている。デフケース105はケース本体107とカバ
ー109とがボルト111により結合されてなり、左右
端の中空軸部105a,105bにて図示しないベアリ
ングを介してキャリアケースに回転自在に支持されてい
る。また、デフケース105には図示しないリングギヤ
が固定され、このリングギヤを介してエンジンの駆動力
がデフケース105に入力される。
【0052】デフケース105に、その回転軸に直交し
てピニオンシャフト113が圧入され、ピン115によ
り抜け止めされている。ピニオンシャフト113の圧入
により、この部は密封状態にされている。ピニオンシャ
フト113上にはピニオンギヤ117が回転自在に支持
され、対向配置された左右の出力側サイドギヤ121,
123と噛み合っている。こうして、差動ギヤ機構10
3が構成されている。各サイドギヤ121,123の内
周に左右の出力軸の先端部がそれぞれスプライン連結さ
れる。駆動力は差動ギヤ機構103を経て各出力軸に配
分される。
【0053】サイドギヤ121,123の外周には軸方
向外方に向かって小径となる円錐面125が形成され、
これに対応するデフケース105の内壁面部にも円錐面
127が形成されている。サイドギヤ121,123が
ピニオンギヤ117との噛み合いによりスラスト力を受
けて、軸方向外方へ移動すると互いの円錐面125,1
27が接触可能である。こうして差動制限機構としての
コーンクラッチ129が構成されている。
【0054】サイドギヤ121,123の背面には凹部
121a,123aが形成され、ここにデフケース10
5の凸部105c,105cが入り込んでいる。この凸
部105cとサイドギヤ121,123の中空軸部12
1b,123bとの間に密封部としてのシールリング1
31,131が配設されている。また、サイドギヤ12
1,123の対向部にはそれぞれ密封部としてのカップ
状のプラグ133,133が密着状態に接合され、サイ
ドギヤ121,123の中空軸部121b,123b内
を通ってデフケース105の外部へオイルが漏れ出すの
を防止している。シールリング131とプラグ133と
によりデフケース105の内部が密封されている。
【0055】また、デフケース105に固定されたダイ
アフラム式のアキュムレータ73が、油路77を介して
左のサイドギヤ121の端壁を介して背面側に連通され
ている。また、アキュムレータ73の外側壁面にはマグ
ネット83が取付けられている。
【0056】そして、デフケース105には潤滑オイル
の図示しない充填口が設けられ、充填口から所定量の潤
滑オイルが充填される。充填後、充填口はテーパプラグ
により封鎖される。
【0057】なお、デフケース105の中空軸部105
a,105bの内周には螺旋状の油溝105eが形成さ
れ、油溝105eの内側端近傍に放射状に延びる油路1
35が形成されている。サイドギヤ121,123と出
力軸との連結部およびデフケース105の中空軸部10
5a,105bの内周部はデフケース105の外部とな
り、デフケース105を支持するベアリング、入力部の
リングギヤと共に、デフケース105内とは異なる潤滑
オイルによって潤滑される。
【0058】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置101の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、アキュムレータ73を備え
ることにより、上記第2実施形態と同様の作用・効果が
えられる。
【0059】なお、本実施形態のアキュムレータは、多
板クラッチを備えたベベルギヤ式や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0060】[第4実施形態]本発明の第4実施形態を
図4、図5により説明する。図4は本実施形態のディフ
ァレンシャル装置の断面図である。図5はデフケースの
円筒部を覆うカバーだけを断面で示した側面図である。
なお、図5の上半部と下半部は90度位相をずらせた側
面図である。
【0061】このディファレンシャル装置151は、上
記第3実施形態(図3)からアキュムレータを除いたも
のと類似の構成である。したがって、重複する説明を省
略し、相違点を主に説明する。
【0062】図4、図5に示すように、このディファレ
ンシャル装置151のデフケース155は一体に形成さ
れ、円筒部には、図中に破線で示す大きな開口157が
後述する一対のピニオンギヤ159,159の周方向中
間部に2つ設けられ、この開口157は後述するベヘル
ギヤ式の差動ギヤ機構103の構成部材を組み込むため
に設けられると共に、オイル溜りとして利用される。上
記差動ギヤ機構103を組み込み後に、密封部としての
環状カバー161がこの開口157を含むデフケース1
55の円筒部全体を覆って環状のシール部材を用い、ま
たスナップリング162を用いて抜け止めされて密着状
態に取付けられている。
【0063】すなわち、カバー161の軸方向の両端部
はデフケース155に設けられた環状凹溝155a,1
55bの各形状に合わせ、ゴム材などからなる枠状シー
ル部材を介して密封取付けされる。なお、上記の開口は
1つでもよく、シール部材は経時固体化する流動液状シ
ールであってもよい。
【0064】また、潤滑オイルの充填作業については、
カバー161を取り付ける前に、ディファレンシャル装
置151の回転軸を直立させ、デフケース155内の一
定液面までの距離と潤滑オイル充填量とを対応させ、カ
バー161をスナップリング止めすることにより所定量
の潤滑オイルを充填でき、作業性が良い。
【0065】また、スナップリング162に代ってリン
グナット、またはボルトにより周方向複数箇所で固定
し、密封状態にしてもよい。
【0066】また、カバー161を用いることにより、
ピニオンシャフト160の端部をカバー161に当接さ
せて抜け止めを行い、ピニオンシャフト160の専用の
抜け止め部材を省略する構成にしてもよい。
【0067】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置151の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、デフケース155の円筒部
に設けた開口157をオイル溜りとして利用されるので
潤滑オイル量は十分に確保され、潤滑オイルによる良好
な潤滑性・冷却性が得られ、ディファレンシャル装置1
51の耐久性が向上される。
【0068】また、外径側にはカバー161の厚さ分突
出するだけであるので、回転時に入力側のドライブピニ
オンギヤ等の周辺部材との干渉を防止できる。
【0069】なお、本実施形態のようにデフケースの円
筒部の開口をオイル溜りとする構成は、多板クラッチを
有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファレ
ンシャル装置にも適用可能である。
【0070】[第5実施形態]本発明の第5実施形態を
図6により説明する。図6(a)は本実施形態のディフ
ァレンシャル装置の断面図であり、図6(b)は要部の
説明図である。このディファレンシャル装置は上記第4
実施形態と密封構造が異なるので、この相違点を説明す
る。
【0071】このディファレンシャル装置171のデフ
ケース175の円筒部に設けられた開口157は、ボル
ト177によりカバー179およびシール部材181を
締め付けて密封される。シール部材181は例えばゴム
材が開口157の形状に合わせて形成される。
【0072】また、ピニオンシャフト183の挿入部は
密封部としてのシールリング185,185により密封
されている。
【0073】このような構成により、本実施形態によれ
ば、上記第4実施形態と同様の作用・効果が得られると
共に、密封構造がより簡単になるので、コストが低減さ
れる。
【0074】[第6実施形態]本発明の第6実施形態を
図7により説明する。図7は本実施形態のディファレン
シャル装置の要部の断面図であり、上記第3実施形態
(図3)と類似のディファレンシャル装置のピニオンシ
ャフトに沿った断面を示す。
【0075】図7に示すように、ディファレンシャル装
置201のデフケース205の円筒部を貫通して回転軸
に直交方向にピニオンシャフト207が挿入され、密封
部としてのシールリング209,209により密封され
ている。そして、ピン211により抜け止めされてい
る。ピニオンシャフト207上に一対のピニオンギヤ2
13,213が回転自在に支持され、ピニオンギヤ21
3,213は対向配置されたサイドギヤ215(一方の
サイドギヤのみを示す)と噛み合っている。
【0076】ピニオンシャフト207と直交する方向の
デフケース205の円筒部は、周方向および軸方向の所
定範囲に亘り内壁面に肉抜き部としての凹所217,2
17が設けられ、この凹所217が潤滑オイルのオイル
溜りの役割を果たす。
【0077】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置201の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、デフケース205の凹所2
17がオイル溜りとなるので、上記第4実施形態(図
4、図5)と同様の作用・効果が得られる。
【0078】なお、本発明は本実施形態のベベルギヤ式
ディファレンシャル装置に限られず、平行軸式のディフ
ァレンシャル装置にも適用可能である。
【0079】[第7実施形態]本発明の第7実施形態を
図8により説明する。図8は本実施形態のディファレン
シャル装置の断面図である。このディファレンシャル装
置は、上記第3実施形態(図3)と類似の構成であるの
で、相違点を主に説明し、重複する説明は省略する。
【0080】図8に示すように、このディファレンシャ
ル装置221では、右のサイドギヤ223の内周に中間
軸225がスプライン連結されている。サイドギヤ22
3と中間軸225との間は密封部としてのシールリング
227により密封されている。中間軸225は中空に形
成され、肉抜き部としての中空部229の右端は密封部
としてのテーパプラグ231により密封されている。そ
して、この中空部229が潤滑オイルのオイル溜りの役
割を果たす。
【0081】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置221の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、中間軸225の中空部22
9がオイル溜りとなるので、上記第4実施形態(図4、
図5)と同様の作用・効果が得られる。
【0082】また、テーパプラグ231をは外すことに
より内部の潤滑オイルを排出することができる。
【0083】なお、本発明は本実施形態のコーンクラッ
チ式ディファレンシャル装置に限られず、多板クラッチ
を有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0084】[第8実施形態]本発明の第8実施形態を
図9により説明する。図9は本実施形態のディファレン
シャル装置の断面図である。このディファレンシャル装
置は、上記第3実施形態(図3)と類似の構成であるの
で、相違点を主に説明し、重複する説明は省略する。
【0085】図9に示すように、このディファレンシャ
ル装置251では、デフケース255の周方向の所定範
囲に径方向外方に突出する膨出部としての凸部257を
形成し、凸部257の内側空間にオイル溜り259が設
けられている。
【0086】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置251の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、デフケース255の凸部2
57の内側がオイル溜りとなるので、上記第4実施形態
(図4、図5)と同様の作用・効果が得られる。
【0087】なお、本発明は本実施形態のコーンクラッ
チ式ディファレンシャル装置に限られず、多板クラッチ
を有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0088】[第9実施形態]本発明の第9実施形態を
図10により説明する。図10(a)は本実施形態のデ
ィファレンシャル装置の断面図であり、図10(b)は
要部の拡大図である。このディファレンシャル装置は、
上記第3実施形態(図3)と類似の構成であるので、相
違点を主に説明し、重複する説明は省略する。
【0089】図10(a),(b)に示すように、この
ディファレンシャル装置261では、サイドギヤ26
3,265の背面の凹部263a,265aにリング状
の溝267,267が設けられている。そして、この溝
267にはL字形部材269が圧入され、L字形部材2
69と溝267との間にリング状のすきまが保たれてい
る。
【0090】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置261の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、サイドギヤ263,265
の背面の溝267がオイル溜りとなるので、上記第4実
施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0091】また、溝267に入り込んだ潤滑オイルに
含まれる金属摩耗粉などは溝267から排出されにくい
ので、潤滑オイルの浄化作用も得られ、ディファレンシ
ャル装置261の耐久性の向上効果が得られる。
【0092】なお、本発明は本実施形態のコーンクラッ
チ式ディファレンシャル装置に限られず、多板クラッチ
を有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0093】[第10実施形態]本発明の第10実施形
態を図11により説明する。図11は本実施形態のディ
ファレンシャル装置の断面図である。このディファレン
シャル装置は、上記第3実施形態(図3)と類似の構成
であるので、相違点を主に説明し、重複する説明は省略
する。
【0094】図11に示すように、このディファレンシ
ャル装置281では、サイドギヤ283,285の背面
の凹部283a,285aにリング状の溝287が設け
られ、この溝287とサイドギヤ283,285の対向
面間を連通する油路289が設けられていね。そして、
溝287の開口部は板部材291により封鎖されてい
る。
【0095】こうして、油路291と封鎖された溝28
7はオイル溜りとなると共に、潤滑オイルに含まれる金
属摩耗粉などの集積場の役割を果たす。
【0096】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置281の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、サイドギヤ283,285
の背面の封鎖された溝287と油路289とにより、上
記第9実施形態(図10)と同様の作用・効果が得られ
る。
【0097】なお、本発明は本実施形態のコーンクラッ
チ式ディファレンシャル装置に限られず、多板クラッチ
を有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0098】[第11実施形態]本発明の第11実施形
態を図12により説明する。図12は本実施形態のディ
ファレンシャル装置の断面図である。このディファレン
シャル装置は、作動制限機構としての多板クラッチを備
える点が、上記第3実施形態(図3)と異なる。したが
って、相違点を主に説明し、重複する説明は省略する。
【0099】図12に示すように、このディファレンシ
ャル装置301ではデフケース305の円筒部の開口3
07にカバー部材としてのカップ部材309が圧入され
密封部としてのシールリング311により密封されてい
る。カップ部材309の内面にはマグネット313が取
付けられている。カバー部材としてのカップ部材309
の内部はオイル溜りとして利用される。
【0100】デフケース305の回転軸に直交してピニ
オンシャフト315が配置され、ピニオンシャフト31
5上にピニオンギヤ317が回転自在に支持されてい
る。そして、ピニオンシャフト315を挟んで対向配置
された一対のプレッシャリング319,319がデフケ
ース305の溝305aに係合し、デフケース305と
一体に回転する。そして、各プレッシャリング319は
サイドギヤ321,323のスラストを受けると共に、
各対向端部がピニオンシャフト315の外端部カムとカ
ム係合し、サイドギヤ321,323とデフケース30
5との間に配置された差動制限機構としての多板クラッ
チ325,325をそれぞれ押圧する。こうして差動ギ
ヤ機構303と差動制限機構326が構成され、サイド
ギヤ321,323間の差動が許容されると共に差動が
制限される。
【0101】また、図示のように、サイドギヤ321,
323の中空孔部には軸状部材としてのスラストブロッ
ク327,327が嵌合され、各スラストブロック32
7には密封部としてのシールリング329が配設されて
いる。一方、サイドギヤ321,323の中空軸部32
1a,323aの外端に対応する部位のデフケース30
5にそれぞれ密封部としてのシールリング331が配設
されている。こうして、シールリング329,331お
よび311によりデフケース内は密封されている。
【0102】そして、デフケース305には潤滑オイル
が図示省略の充填口から所定量充填され、テーパプラグ
により封鎖される。
【0103】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置301の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、デフケース305の円筒部
に設けたカップ部材309をオイル溜りとして利用され
るので潤滑オイル量は十分に確保され、上記第8実施形
態(図9)と同様な作用・効果が得られる。
【0104】また、カップ部材309に設けたマグネッ
ト313に潤滑オイル中に含まれる金属摩耗粉などが吸
着され、ディファレンシャル装置301の耐久性が向上
される。
【0105】なお、本発明は本実施形態の多板クラッチ
式ディファレンシャル装置に限られず、コーンクラッチ
を有するディファレンシャル装置や平行軸式のディファ
レンシャル装置にも適用可能である。
【0106】[第12実施形態]本発明の第12実施形
態を図13により説明する。図13は本実施形態のディ
ファレンシャル装置の断面図であ。このディファレンシ
ャル装置401はヘリカルギヤを有する平行軸式であ
る。ベベルギヤ式の第3実施形態(図3)と相違する点
を主に説明し、重複する点は説明を省略する。
【0107】図13に示すように、デフケース405に
は回転軸と平行で、サイドギヤ407,409の周囲に
設けられた長短一対の複数対のピニオンギヤ収納孔41
1,413が設けられ、長短の収納孔411,413に
長短のピニオンギヤ415,417が収納され、ピニオ
ンギヤ415,417は右左のサイドギヤ407,40
9とそれぞれ噛み合うと共に、左端部のギヤ部415
a,417aが互いに噛み合っている。これにより、サ
イドギヤ407,409はピニオンギヤ415,417
を介して連結されている。こうして差動ギヤ機構403
が構成されている。
【0108】サイドギヤ407,409間に回転差が生
じたときは、ピニオンギヤ415,417と収納孔41
1,413との間の摺動摩擦およびヘリカルギヤの噛み
合いによるスラスト力により各ギヤとデフケース405
との間の摺動摩擦により差動が制限される。こうして、
差動制限機構が構成されている。
【0109】長い収納孔411の両端部に対応するデフ
ケース405の端壁には貫通孔421,423が形成さ
れ、密封部としてのカップ状のプラグ425,425が
圧入され、密封されている。こうして、貫通孔421,
423部がオイル溜りとなっている。
【0110】サイドギヤ407,409の中空孔407
a,409aにまたがって軸状部材としてのスラストブ
ロック427が嵌合配置され、両ギヤ407,409は
センタリングされている。スラストブロック427には
密封部としてのシールリング429,429が配設さ
れ、この部が密封されている。また、サイドギヤ40
7,409軸部407b,409bに対応する部位のデ
フケース405に密封部としてのシールリング431,
431が配設され、この部が密封されている。こうし
て、シールリング429,431およびプラグ425に
よりデフケース405内は密封されている。
【0111】そして、デフケース405には潤滑オイル
が図示省略の充填口から所定量充填され、テーパプラグ
により封鎖される。
【0112】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置401の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、平行軸式のディファレンシ
ャル装置401において、長い収納孔411の貫通孔4
21,423部がオイル溜りとなっているので、潤滑オ
イル量が確保され、上記第8実施形態(図9)と同様な
作用・効果が得られる。
【0113】[第13実施形態]本発明の第13実施形
態を図14により説明する。図14は本実施形態のディ
ファレンシャル装置を回転軸に直角に断面した場合の断
面図である。このディファレンシャル装置はオイル溜り
の構造が、上記第12実施形態(図13)と相違し、そ
の他の構成は同じである。したがって、この相違点を説
明し、重複する説明は省略する。
【0114】図14に示すように、このディファレンシ
ャル装置451では、デフケース455の長短の収納孔
461,463同士の間に軸方向に所定の範囲で放射状
に延びるスリット465が形成され、このスリット46
5がオイル溜りとされている。
【0115】このような構成により、ディファレンシャ
ル装置451の作用・効果を潤滑・冷却作用に絞ってみ
ると、本実施形態によれば、平行軸式のディファレンシ
ャル装置451において、収納孔461,463同士の
間のスリット465がオイル溜りとなっているので、潤
滑オイル量が確保され、上記第8実施形態(図9)と同
様な作用・効果が得られる。
【0116】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、外側回転部材の円筒部とカバ
ー部材との間に大きなオイル溜りを設けることが可能と
なり、潤滑・冷却性を向上できると共に、容量可変のオ
イル溜りによりカップリングの内圧の上昇を緩和できる
のでカップリングの耐久性を向上することができる。
【0117】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明と同等の効果が得られると共に、フリーピストン
部材を用いる簡単な構成によりオイル溜りの容量を可変
にしているので、コスト的に有利である。
【0118】請求項3に記載の発明によれば、ダイアフ
ラム室(オイル溜り)の容量の調節を軸方向で行うこと
が可能で、径方向に大きくせずに大きなオイル溜りを設
けることができ、潤滑・冷却性を向上できると共に、カ
ップリングの内圧の上昇を緩和できるのでカップリング
の耐久性を向上することができる。
【0119】請求項4に記載の発明によれば、ダイアフ
ラム室の容量の調節を軸方向で行うことが可能で、径方
向に大きくせずに大きなオイル溜りを設けることがで
き、潤滑・冷却性を向上できると共に、ディファレンシ
ャル装置の内圧の上昇を緩和できるのでカップリングの
耐久性を向上することができる。
【0120】請求項5に記載の発明によれば、デフケー
スの円筒壁部や端壁部を利用したオイル溜りにより十分
なオイル量を確保可能になるので潤滑・冷却性を向上で
き、ディファレンシャル装置の耐久性を向上することが
できる。
【0121】請求項6に記載の発明によれば、デフケー
スの円筒壁部や端壁部開口、肉抜き部および膨出部の全
てまたは一部を選択してオイル溜りとすることにより、
請求項5の発明と同等の効果が得られる。
【0122】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
の発明と同等の効果が得られると共に、外方に凸に形成
されたカバー部材により潤滑オイル量の増量が容易に可
能となる。
【0123】請求項8に記載の発明によれば、軸部材の
中空部を利用して潤滑オイル量を増量可能になるので潤
滑・冷却性を向上でき、ディファレンシャル装置の耐久
性を向上することができる。
【0124】請求項9に記載の発明によれば、サイドギ
ヤに設けたオイル溜りにより、潤滑オイル量を増量可能
になるので潤滑・冷却性を向上でき、ディファレンシャ
ル装置の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態の断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態の断面図である。
【図5】第4実施形態の部分側面図である。
【図6】本発明の第5実施形態の、(a)は断面図であ
り、(b)は要部の説明図である。
【図7】本発明の第6実施形態の部分断面図である。
【図8】本発明の第7実施形態の断面図である。
【図9】本発明の第8実施形態の断面図である。
【図10】本発明の第9実施形態の、(a)は断面図で
あり、(b)は要部の拡大図である。
【図11】本発明の第10実施形態の断面図である。
【図12】本発明の第11実施形態の断面図である。
【図13】本発明の第12実施形態の断面図である。
【図14】本発明の第13実施形態の部分断面図であ
る。
【図15】従来例の断面図である。
【符号の説明】
3 外側のハウジング(外側の回転部材) 5 カバー(カバー部材) 7 フリーピストン(フリーピストン部材) 9,11,20,29 シールリング(密封部) 13 タンク(オイル溜り) 17 メインクラッチ 19 内側のハウジング(内側の回転部材) 27 オイル溜り 31 押圧部材 37 カム機構 47 シール(密封部) 51 パイロットクラッチ 73 アキュムレータ 75 ダイアフラム室 103,303,403 差動ギヤ機構 105,155,175,205,255,305,4
05,455 デフケース 117,159,213,317,415,417 ピ
ニオンギヤ 121,123,215,223,263,265,2
83,285,321,323,407,409 サイ
ドギヤ 113,183,207,315 ピニオンシャフト 129 コーンクラッチ(差動制限機構) 131,185,209,227,311,329,3
31,429,431シールリング(密封部) 133,231,425 プラグ(密封部) 157 開口(オイル溜り) 161 カバー(密封部) 217 凹所(肉抜き部、オイル溜り) 229 中空部(肉抜き部、オイル溜り) 257 凸部(膨出部、オイル溜り) 257a 内側空間(オイル溜り) 267,287 溝(オイル溜り) 309 カップ部材(カバー部材、オイル溜り) 325 多板クラッチ(差動制限機構) 326 差動制限機構 421,423 貫通孔(オイル溜り) 465 スリット(オイル溜り)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 利男 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 最上 直 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 田中 克己 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 田代 紀彦 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 塩田 直之 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 及川 忠 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 石川 泰彦 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 増山 昭浩 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 石川 治 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 佐山 正幸 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 島田 茂幸 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 Fターム(参考) 3J027 FA25 FA37 HB04 HB07 HC07 HC23 HD05 HF04 HG03 3J057 BB04 EE04 EE05 FF17 GA03 GD19 3J063 AB12 AB13 AC11 BA11 BB11 CA05 CB02 CD42 CD67 XD03 XD15 XD32 XD47 XD62 XE14 XE22 XF14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結力調整用パイロットクラッチと該パ
    イロットクラッチの締結に伴い締結されるメインクラッ
    チとを収容し内部に潤滑オイルが充填された外側の回転
    部材と、 前記メインクラッチを介して前記外側の回転部材に連結
    される内側の回転部材と、 前記パイロットクラッチの締結トルクをスラスト力に変
    換し拡大するカム機構と、 前記スラスト力を受けてメインクラッチを押圧する押圧
    部材と、 前記潤滑オイルの外部への漏れを防止する密封部とを備
    えるカップリングにおいて、 前記外側の回転部材は、中空円筒部と該円筒部の外周を
    取り巻くカバー部材との間に容積可変のオイル溜りを有
    することを特徴とするカップリング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカップリングであっ
    て、 前記容積可変のオイル溜りが、前記カバー部材と外側の
    回転部材との間に設けられたフリーピストン部材を備え
    ることを特徴とするカップリング。
  3. 【請求項3】 連結力調整用パイロットクラッチと該パ
    イロットクラッチの締結に伴い締結されるメインクラッ
    チとを収容し内部に潤滑オイルが充填された外側の回転
    部材と、 前記メインクラッチを介して前記外側の回転部材に連結
    される内側の回転部材と、 前記パイロットクラッチの締結トルクをスラスト力に変
    換し拡大するカム機構と、 前記スラスト力を受けてメインクラッチを押圧する押圧
    部材と、 前記潤滑オイルの外部への漏れを防止する密封部とを備
    えるカップリングにおいて、 前記外側の回転部材内に連通するダイアフラム室を有す
    るアキュムレータを備えることを特徴とするカップリン
    グ。
  4. 【請求項4】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    と共に内部に潤滑オイルが充填されたデフケースと、 前記デフケース内に回転可能に支持されたピニオンギヤ
    と、 前記ピニオンギヤを介して互いに連結された一対の出力
    側サイドギヤとを有する差動ギヤ機構と、 前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制限機構と、 前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを防止する密
    封部とを備えるディファレンシャル装置において、 前記デフケースの端壁を介して該デフケース内部に連通
    するダイアフラム室を有するアキュムレータを備えるこ
    とを特徴とするディファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    と共に内部に潤滑オイルが充填されたデフケースと、 前記デフケース内に回転可能に支持されたピニオンギヤ
    と、 前記ピニオンギヤを介して互いに連結された一対の出力
    側サイドギヤとを有する差動ギヤ機構と、 前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制限機構と、 前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを防止する密
    封部とを備えるディファレンシャル装置において、 前記デフケースの円筒壁部と端壁部との少なくとも一方
    の壁部に設けられたオイル溜りを有することを特徴とす
    るディファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のディファレンシャル装
    置であって、 前記オイル溜りは、デフケースの前記壁部に開口、肉抜
    き部および膨出部の全てまたは一部を選択的に設けて構
    成されることを特徴とするディファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のディファレンシャル装
    置であって、 前記デフケースの開口を密封するカバー部材が外方に凸
    に形成されてなることを特徴とするディファレンシャル
    装置。
  8. 【請求項8】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    と共に内部に潤滑オイルが充填されたデフケースと、 前記デフケース内に回転可能に支持されたピニオンギヤ
    と、 前記ピニオンギヤを介して互いに連結された一対の出力
    側サイドギヤとを有する差動ギヤ機構と、 前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制限機構と、 前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを防止する密
    封部とを備えるディファレンシャル装置において、 前記サイドギヤの少なくとも一方の軸心部に連結された
    軸部材の中空部からなるオイル溜りを有することを特徴
    とするディファレンシャル装置。
  9. 【請求項9】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    と共に内部に潤滑オイルが充填されたデフケースと、 前記デフケース内に回転可能に支持されたピニオンギヤ
    と、 前記ピニオンギヤを介して互いに連結された一対の出力
    側サイドギヤとを有する差動ギヤ機構と、 前記差動ギヤ機構の差動を制限する差動制限機構と、 前記潤滑オイルのデフケース外部への漏れを防止する密
    封部とを備えるディファレンシャル装置において、 前記各サイドギヤに設けられた肉抜き部からなるオイル
    溜りを有することを特徴とするディファレンシャル装
    置。
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