JP2002174327A - デファレンシャル - Google Patents

デファレンシャル

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JP2002174327A
JP2002174327A JP2000374259A JP2000374259A JP2002174327A JP 2002174327 A JP2002174327 A JP 2002174327A JP 2000374259 A JP2000374259 A JP 2000374259A JP 2000374259 A JP2000374259 A JP 2000374259A JP 2002174327 A JP2002174327 A JP 2002174327A
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Japan
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differential
differential case
lubricating oil
case
oil
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JP2000374259A
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Inventor
Masahiro Saito
真広 齋藤
Kunihiro Osawa
国弘 大澤
Yoshifumi Ikoma
好文 生駒
Masaki Suzuki
正基 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanagawa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Yanagawa Seiki Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0483Axle or inter-axle differentials

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亘り安定した機能を確実に保持させ
ることのできるデファレンシャルを提供すること。 【解決手段】 デフケース32の内部に、デフケース3
2が回転した際にデフケース32の内部に供給された潤
滑油をデフケース32の内部に保持可能な油溜43を設
けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンやモータ
などの原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するデファレ
ンシャルに係り、特に、デファレンシャルギアの機能を
長期間に亘り保持できるデファレンシャルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、3輪、4輪などの車両におい
ては、原動機としてのエンジンあるいはモータなどの駆
動力をトランスミッション(変速機)に入力して駆動力
を制御し、この制御された駆動力をトランスミッション
の出力軸から必要に応じてプロペラシャフト(推進軸)
を介してデフと称されるデファレンシャル(差動装置)
に入力し、デファレンシャルにより原動機の駆動力を車
輪駆動軸に伝達するようにした駆動力伝達装置が用いら
れている。
【0003】図4は、このような従来からある自動車の
駆動力伝達装置に用いられるデファレンシャル1の一例
を示すものであり、デファレンシャル1は、トランスミ
ッション2のミッションケース3の内部に軸受たる1対
のころがり軸受4を介して回転自在に取着されるデフケ
ース5を有している。そして、デフケース5の内部に
は、それぞれ1対のピニオン6およびサイドギア7を具
備するデファレンシャルギア8が配設されており、この
デファレンシャルギア8の各サイドギア7には、デフケ
ース5の回転軸心RLと軸心が一致するようにして図4
において想像線にて示す1対の車輪駆動軸9、例えば前
車輪駆動軸の一端が取着されるようになっている。ま
た、デフケース5の内部には、ピニオンシャフト10が
配設されている。このピニオンシャフト10は、デフケ
ース5の回転軸心RLに対して直交するようにしてデフ
ケース5の内部に配設されており、このピニオンシャフ
ト10のデフケース5の内部における図4において上下
方向に示す両端部近傍に、各ピニオン6が適宜な間隔を
隔てて相互に対向するようにして配設されている。
【0004】また、デフケース5の外周部には、環状の
リングギア11がその軸心をデフケース5の回転軸心R
Lと一致するようにしてボルト12あるいは図示しない
リベットなどにより伝達トルクに耐え得るように結合さ
れており、リングギア11の外周面には、トランスミッ
ション2の出力軸13に取着されたドライブギア14に
噛合する歯部15が形成されている。
【0005】すなわち、エンジンの駆動力は、トランス
ミッション2の出力軸13からデファレンシャル1のリ
ングギア11に入力され、これによりリングギア11と
デフケース5とが一体回転し、デフケース5の内部に配
設されたデファレンシャルギア8を介して車輪駆動軸9
を駆動するようになっている。
【0006】ここで、従来のデフケースについて図5か
ら図9により詳しく説明する。
【0007】従来のデフケース5には、図7において左
右方向に示す左右1対の略環状に形成されたジャーナル
部16が適宜な間隔を隔てて形成されている。このジャ
ーナル部16の軸心は、デフケース5の回転軸心RLと
一致するように形成されている。また、各ジャーナル部
16には、図4に示すように、ころがり軸受4がそれぞ
れ装着されるようになっており、デフケース5は、ころ
がり軸受4を介してトランスミッション2のミッション
ケース3の内部に回転自在に取着されるようになってい
る。
【0008】そして、図4および図7において左方に示
す一方のジャーナル部16Lには、例えば車輪駆動軸9
の一方(左車輪駆動軸、図4)が挿通可能な車軸貫通孔
17Lが形成されており、図7において右方に示す他方
のジャーナル部16Rには、例えば車輪駆動軸9の他方
(右車輪駆動軸、図4)が挿通可能な車軸貫通孔17R
が形成されている。これらの各車軸貫通孔17L,17
Rは、それぞれの軸心が一致するように形成されるとと
もに、各車軸貫通孔17L,17Rの軸心は、デフケー
ス5の回転軸心RLと一致するように形成されている。
【0009】前記各ジャーナル部16L,16Rは、軸
方向中央部に位置するそれぞれの基端部が各ジャーナル
部16L,16Rの外径寸法より大きい外径寸法とされ
たほぼ筒状の連結部18により一体的に接続されてお
り、この連結部18の外周面には、図8に示すように、
連結部18を板厚方向に貫通する1対の窓部19が形成
されている。この窓部19は、デフケース5の内部に配
設されるデファレンシャルギア8(図4)の装着部の加
工およびデファレンシャルギア8の組立などに用いるも
のである。
【0010】また、連結部18の軸方向の略中央部に
は、デフケース5の回転軸心RLに対して直交するよう
にして図7において上下に示す上下1対のシャフト装着
孔20がそれぞれの軸心が一致するようにして形成され
ており、このシャフト装着孔20には、ピニオンシャフ
ト10(図4)が装着されるようになっている。
【0011】前記連結部18の外周面の図7において右
端部近傍には、リングギア11(図4)を取着するため
の環状のフランジ部21が形成されている。このフラン
ジ部21には、図5、図8および図9に示すように、デ
フケース5の回転軸心RLと平行に延在するようにして
フランジ部21を板厚方向に貫通する10箇所のねじ孔
22がデフケース5の回転軸心RLから等距離位置に、
等角度分配置されている。
【0012】図4に戻って、デフケース5とピニオン6
との相互の対向面間には、シムを兼ねた球面滑り軸受2
3がそれぞれ配設されている。また、デフケース5とサ
イドギア7との相互の対向面間、詳しくはサイドギア6
の背面と、この背面に対向するデフケース5の内面との
相互間には、スラスト軸受24がそれぞれ配設されてい
る。さらに、ミッションケース3と車輪駆動軸9との相
互の対向面間には、密封装置としてのオイルシール26
がそれぞれ配設されており、ミッションケース3の内部
に供給される潤滑油がミッションケース3と車輪駆動軸
9との相互間の隙間から外部に漏洩するのを防止できる
ようにされている。
【0013】ところで、トランスミッション2の摺動部
位、例えばころがり軸受4、リングギア11の歯部15
などには、オイルポンプを用いた強制給油あるいは潤滑
油の飛沫を用いた飛沫給油などによって潤滑油を循環供
給することができるように形成されており、この潤滑油
によりトランスミッション2の駆動にともなって生じる
発熱、焼付損傷および摩耗などを防止するための潤滑膜
を形成するようになっている。
【0014】そして、デファレンシャル1の摺動部位、
例えばデファレンシャルギア8の噛合部、車軸貫通孔1
7R,17Lと車輪駆動軸9との相互間、および、球面
滑り軸受23、スラスト軸受24、シム25などの配設
部位には、潤滑油の飛沫を窓19を介して供給すること
により、発熱、焼付損傷および摩耗などを防止する構成
が一般的に用いられている。
【0015】なお、近年においては、窓19のない密閉
ケースとされたデフケースを用いた構成のデファレンシ
ャルが提案されている。そして、このようなデファレン
シャルにおける摺動部位に対する潤滑油の供給は、デフ
ケースと車輪駆動軸9との相互の対向面間に形成される
隙間を介して行われるようにされている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のデファレンシャル1においては、車両の走行時
に、デフケース5の回転にともなう遠心力によって、デ
フケース5の内部に供給された潤滑油の大部分がミッシ
ョンケース3の内部に流下してしまい、デフケース5の
内部に保持される潤滑油の量が少なくなって摺動部位の
潤滑膜が薄くなるという問題点があった。このデフケー
ス5の内部に保持される潤滑油の量は、車両が高速走行
すればするほど少なくなる。そして、摺動部位の潤滑膜
が薄くなった状態で、車両の急旋回やスピンなどが生じ
ると、一方のデファレンシャルギア8が作動し、特に潤
滑油の供給が必要なデファレンシャルギア8の噛合部に
形成された潤滑膜が切れて、デファレンシャルギア8の
発熱および摩耗が大きくなり、噛合部のがたを促進して
走行時におけるデファレンシャルギア8からの異音の発
生や、デファレンシャルギア8の耐久寿命を低下させ、
その結果、長期間に亘り安定した機能を保持させること
ができないという問題点があった。また、デファレンシ
ャルギア8の作動時間が長くなった場合には、デファレ
ンシャルギア8の焼付損傷を生じる場合があるという問
題点もあった。
【0017】また、従来の密閉ケースとされたデフケー
スを用いたデファレンシャルにおいては、デフケースの
内部に潤滑油を供給することはできるものの、潤滑油の
供給量そのものが少なく、デファレンシャルの摺動部位
のすべての発熱および摩耗を防止するには不十分である
とともに、デフケース内に供給された潤滑油の供給量が
少ないため比較的短期間に潤滑油の劣化が生じ、その結
果、長期間に亘り安定した機能を保持させることができ
ないという問題点があった。
【0018】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、長期間に亘り安定した機能を確実に保持させる
ことのできるデファレンシャルを提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明のデファレ
ンシャルの特徴は、デフケースの内部に、デフケースが
回転した際にデフケースの内部に供給された潤滑油をデ
フケースの内部に保持可能な油溜を設けた点にある。そ
して、このような構成を採用したことにより、油溜は、
デフケースの内部に潤滑油を貯留することができるとと
もに、デフケースが回転した場合においてもデフケース
の内部に潤滑油を容易かつ確実に保持できる。したがっ
て、長期間に亘り安定した機能を確実に保持させること
ができる。
【0020】また、請求項2に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項1において、トランスミッショ
ンの摺動部位の潤滑に用いられる潤滑油をデフケースの
外部から油溜に導く潤滑油供給手段を設けた点にある。
そして、このような構成を採用したことにより、潤滑油
供給手段は、潤滑油をデフケースの内部に形成した油溜
に確実に供給することができるとともに、油溜の貯留量
を超えた潤滑油をデフケースの外部に排出することがで
きる。さらに、油溜の貯留量を超えた潤滑油をデフケー
スの外部に排出する際には、油溜に新たに供給される潤
滑油と、油溜に貯留されている潤滑油とが混ざって排出
されることになるので、油溜に貯留される潤滑油の劣化
を防止することができる。さらにまた、複雑な構造を用
いることなく、トランスミッションの摺動部位の潤滑に
用いられる潤滑油を、デファレンシャルの摺動部位の潤
滑に用いることができる。
【0021】また、請求項3に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項2において、潤滑油供給手段
が、デフケースの外周面の少なくとも一部に形成された
潤滑油を捕捉可能な油捕捉部と、この油捕捉部により捕
捉された潤滑油が通過可能なデフケースの内外を連通す
る連通孔とを有している点にある。そして、このような
構成を採用したことにより、油捕捉部は、潤滑油をその
内部に捕捉することができ、連通孔は、油捕捉部が捕捉
した潤滑油をデフケースの内部に導くことができる。し
たがって、潤滑油を油溜により容易かつ確実に供給する
ことができ、しかも、潤滑油供給手段の構成を簡単なも
のとすることができる。
【0022】また、請求項4に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項3において、油捕捉部が、デフ
ケースの回転軸心に対してほぼ平行な方向を深さ方向に
して形成された凹部であり、この凹部の底部に少なくと
も一つの連通孔が形成されている点にある。そして、こ
のような構成を採用したことにより、凹部は、少なくと
もデフケースが回転した状態で潤滑油をその内部に捕捉
することができ、連通孔は、デフケースが回転した状態
で凹部が捕捉した潤滑油をデフケースの内部に導くこと
ができる。したがって、デフケースが回転した状態で潤
滑油を油溜に確実に供給することができる。
【0023】また、請求項5に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項4において、凹部の少なくとも
一部が、ころがり軸受と対向するようにして配設されて
いる点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、ころがり軸受の摺動部位に供給される潤滑油を
油溜に供給することができる。
【0024】また、請求項6に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項4または請求項5において、凹
部の内部に、この凹部をデフケースの回転軸心を中心と
して複数に分割する分割リブを設けるとともに、この分
割リブにより分割された各凹部の内部に少なくとも一つ
の連通孔をそれぞれ設けた点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、デフケースの強度に影響
することなく油溜に供給する潤滑油の流路の断面積を容
易に大きくすることができるので、単位時間当たりの潤
滑油の供給量を容易に多くすることができる。
【0025】また、請求項7に係る本発明のデファレン
シャルの特徴は、請求項2ないし請求項6のいずれか1
項において、デフケースが、密閉ケースである点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、密
閉ケースとされたデフケースの内部に潤滑油を容易に供
給して保持させることができるとともに、密閉ケースと
されたデフケースは、デファレンシャルギアの作動音な
どのデフケースの内部の摺動部位から生じる音が外部へ
洩れるの防止することができるので騒音を低減すること
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。なお、前述した従来のものと同一な
いし相当する構成については図面中に同一の符号を付し
その詳しい説明は省略する。
【0027】図1および図2は本発明に係るデファレン
シャルの第1実施形態を示すものであり、図1は正面
図、図2はトランスミッションのミッションケースに組
み込んだ状態を示す図1の2−2線に沿った断面図であ
る。
【0028】本実施形態のデファレンシャルは、回転軸
心に沿って左右に2分割したデフケースをボルトを用い
て締結することにより、デフケースを密閉ケースとした
ものを例示している。
【0029】図1および図2に示すように、本実施形態
のデファレンシャル31は、デフケース32を有してい
る。このデフケース32は、図2に示すように、トラン
スミッション2のミッションケース3の内部にころがり
軸受4を介して回転自在に取着されるようになってい
る。
【0030】前記デフケース32は、図2右方に示す本
体ケース33と、図2左方に示す蓋ケース34とに2分
割されている。すなわち、本実施形態におけるデフケー
ス32は、その回転軸心RLに沿って左右に2分割され
ている。また、本実施形態のデフケース32は、本体ケ
ース33に蓋ケース34を固着することで密閉ケースを
形成することができるようになっている。
【0031】前記本体ケース33は、図2右方に示す小
径部33aと、この小径部33aに接続するようにして
同軸状に形成された図2左方に示す大径部33bとによ
り全体としてほぼ段付き円筒形状に形成されている。そ
して、本体ケース33の図2右方に示す小径部33aの
外周面には、ころがり軸受4を介してトランスミッショ
ン2のミッションケース3にデフケース32を回転自在
に支持するための1対のジャーナル部16(16R,1
6L)のうちの一方のジャーナル部16Rが形成されて
いる。この一方のジャーナル部16Rの内側には、従来
と同様に車輪駆動軸9の一方(右車輪駆動軸)の基端部
が挿通可能な軸方向に貫通する車軸貫通孔17Rが形成
されており、この車軸貫通孔17Rの軸心は、デフケー
ス32の回転軸心RLと一致するように形成されてい
る。さらに、本体ケース33の図2左方に示す大径部3
3bの内側には、それぞれ1対のピニオン6およびサイ
ドギア7からなるデファレンシャルギア8を内部に装着
可能なギア装着孔35が形成されている。このギア装着
孔35は、ピニオン6の外周面が球面滑り軸受23Aを
介して摺接可能な曲率半径により形成された球状面35
aを有している。
【0032】前記ギア装着孔35の内周面の図2におい
て上下に示す上下方向両内周面には、それぞれギア装着
孔35の軸方向に延在しギア装着孔35の図2左方に示
す他端に開口する1対のシャフト装着溝36(図2にお
いて下方のみ図示)が相互に対向するようにして形成さ
れている。これらのシャフト装着溝36の対向する1対
の内側面36a(一方のみ図示)は相互にほぼ平行に形
成されている。
【0033】前記1対のピニオン6は、ピニオンシャフ
ト10の両端部よりやや中央寄りに相互に対向するよう
に装着されており、このピニオンシャフト10の両端部
には相互にほぼ平行な2つの平行面からなる取着部37
(図2において下方の一方のみ図示)が形成されてい
る。そして、前記ピニオンシャフト10の各取着部37
が前記シャフト装着溝36にギア装着孔35の図2左方
に示す他端たる開口側から挿入されるようになってい
る。
【0034】つまり、シャフト装着溝36は、大径部3
3bの他端に連通するように形成されており、ピニオン
シャフト10の2つの平行面からなる取着部37を、シ
ャフト装着溝36の内側面36aに対向するようにして
ギア装着孔35の図2左方に示す他端たる開口側から挿
入することにより、ピニオンシャフト10を、ギア装着
孔35の軸方向のほぼ中央部にデフケース32の回転軸
心RLとほぼ直交するようにして配設することができる
ようになっている。そして、ピニオンシャフト10の2
つの平行面からなる取着部37をシャフト装着溝36の
2つの内側面36aと対向するようにして挿入すること
により、ピニオンシャフト10がその軸心を中心として
回転するのを防止することができるようにされている。
このシャフト装着溝36の2つの内側面36aが対向す
る幅寸法は、ピニオンシャフト10の両端部の2つの平
行面からなる取着部37の間隔より若干大きく形成され
ており、その結果、ピニオンシャフト10はフリー状態
でデフケース32の内部に配設されている。
【0035】前記ギア装着孔35の内部の図2右方に示
す一端たる底部側と、ギア装着孔35の図2左方に示す
他端たる開口側とには、ピニオンシャフト10の両端部
近傍に装着された1対のピニオン6にそれぞれ噛合する
1対のサイドギア7がその軸心をデフケース32の回転
軸心RLとほぼ一致するようにして配設されるようにな
っている。なお、各サイドギア7の内周面には、車輪駆
動軸9の基端部がスプラインなどの結合手段によりそれ
ぞれ一体回転可能なように結合されている。
【0036】前記本体ケース33の大径部33bの図2
左方に示す他端たる開口端の外周面には、径方向外側に
向けて延出された円環状のフランジ部38が形成されて
おり、このフランジ部38には、板厚方向に貫通する1
0箇所の雌ねじ39(図2に1箇所のみ図示)が等角度
分配置されている。また、デフケース32とサイドギア
7との相互の対向面間、詳しくはサイドギア6の背面
と、この背面に対向するデフケース32の内面との相互
間には、図2右方に示す一方にスラスト軸受24が配設
されており、図2右方に示す一方にはシムを兼ねたスラ
スト軸受25が配設されている。
【0037】前記蓋ケース34は、図2左方に示す小径
部34aと、この小径部34aに接続するようにして同
軸状に形成された図2右方に示す大径部34bとにより
全体としてほぼ段付き円筒形状に形成されている。そし
て、蓋ケース34の図2左方に示す小径部34aの外周
面には、ころがり軸受4を介してトンスミッション2の
ミッションケース3にデフケース32を回転自在に支持
するための1対のジャーナル部16(16R,16L)
のうちの他方のジャーナル部16Lが軸方向に突出する
ようにして形成されている。この他方のジャーナル部1
6Lの内側には、従来と同様に例えば車輪駆動軸9の他
方(左車輪駆動軸)の基端部が挿通可能な軸方向に貫通
する車軸貫通孔17Lが形成されており、この車軸貫通
孔17Lの軸心は、デフケース32の回転軸心RLと一
致するように形成されている。また、各車軸貫通孔17
R,17Lは、それぞれの軸心が一致するように形成さ
れている。
【0038】前記蓋ケース34の大径部34bの図2左
方に示す外側面の外周側には、リングギア11を装着す
るためのリングギア装着溝40が形成されており、この
リングギア装着溝40には、デフケース32の回転軸心
RLに対して平行となるように板厚方向に貫通する10
箇所の貫通孔41が等角度分配置されている。また、リ
ングギア11にも、その板厚方向に貫通する10箇所の
貫通孔42が等角度分配置されている。
【0039】そして、リングギア11の貫通孔42と、
蓋ケース34の貫通孔41とにこの順に挿通されるボル
ト12を、本体ケース33のフランジ部38に形成され
た雌ねじ39に螺入することで、本体ケース33の大径
部33bの他端たる開口端を蓋ケース34の大径部34
aで塞ぐように一体化したデフケース32を形成すると
ともに、デフケース32にリングギア11を固着するこ
とができるようになっている。
【0040】なお、ボルト12の代わりに図示しないリ
ベットなどの公知の締結部材を用いてもよい。さらに、
ボルト12の使用数は、強度などの必要に応じて増減す
ることができる。
【0041】前記蓋ケース34の小径部34aと大径部
34bとを接続する接続部34cの図2右方に示す開口
側に位置する内面には、デファレンシャルギア8、詳し
くは図2左方に示す一方のデファレンシャルギア8を構
成するピニオン6とサイドギア7との噛合部との相互間
に、デフケース32が回転した際にデフケース32の内
部に供給された潤滑油をデフケース32の内部に保持可
能な油溜43として機能する空間44を形成することが
できる凹面45とされている。
【0042】また、蓋ケース34の小径部34aと大径
部34bとを接続する接続部34cの図2左方に示す外
面には、凹部46が設けられている。そして、本実施形
態における凹部46は、デフケース32の回転軸心RL
に対してほぼ平行な方向を深さ方向にして形成された環
状凹部(図1)とされている。また、環状凹部とされた
凹部46の径方向外側に位置する外周壁の先端は、ころ
がり軸受4の外輪の側面と対向するようにして僅かな隙
間を隔てて配設されており、内周壁の先端部は、ころが
り軸受4の内輪の右側面に当接されてころがり軸受4の
装着位置の位置決めに用いられるようになっている。
【0043】すなわち、凹部46の少なくとも一部が、
図2において左方に示すころがり軸受4の左側面と対向
するようにして配設されている。
【0044】また、凹部46の内部には、図1に示すよ
うに、凹部46をデフケース32の回転軸心を中心とし
て複数、本実施形態においては5つに分割する5本の分
割リブ47が放射状に等分割配置されている。
【0045】そして、5分割された各凹部46の底部に
は、蓋ケース34の外面と内面、すなわち、デフケース
32の内外を連通する連通孔48がそれぞれ設けられて
いる。この連通孔48は、その軸心がデフケース32の
回転軸心RLと平行にして形成されているとともに、デ
フケース32の内部に向かって内広がりに形成されてい
る。さらに、本実施形態における連通孔48は、凹部4
6の底部のうちの図1において矢印Aにて示す車両が前
進走行した際のデフケース32の回転方向の末尾側で、
かつ、凹部46の外周壁の内周面側に位置する角部に形
成されており、デフケース32の強度低下を僅かなもの
とすることができるようになっている。つまり、本実施
形態のデフケース32は、連通孔48がデフケース32
の強度に影響することがないように構成されている。な
お、凹部46の底部のうちの破線にて示す位置に連通孔
48を追加して設ける構成としてもよい。
【0046】前記凹部46により、本実施形態のデフケ
ース32の外周面の少なくとも一部に形成された潤滑油
を捕捉可能な油捕捉部49が構成されている。
【0047】前油捕捉部49と連通孔48とにより、ト
ランスミッション2の摺動部位の潤滑に用いられる潤滑
油をデフケース32の外部から油溜43に導く潤滑油供
給手段50が形成されている。この潤滑油供給手段50
は、図2右方に示すころがり軸受4と対向するように、
デフケース32の図2右方に示す本体ケース33の外周
面に設けてもよい。また、凹部46の底部は、連通孔4
8の形成部位を最も深くなるように形成することが、凹
部46内に捕捉した潤滑油を円滑に連通孔48に導くこ
とができるという意味で好ましい。
【0048】その他の構成は、従来のデファレンシャル
1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
【0049】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0050】本実施形態のデファレンシャル31によれ
ば、図示しない原動機としてのエンジンあるいはモータ
を駆動すると、トランスミッション2の摺動部位に潤滑
油が供給される。そして、トランスミッション2の摺動
部位の潤滑に用いられる潤滑油の一部は、図2において
太矢印Bにて示すように、図2左方に示すころがり軸受
4とオイルシール26との間に形成される空間に供給さ
れる。この空間に供給された潤滑油の多くは、図2に太
矢印Cにて示すように、図2左方に示すころがり軸受4
の摺動部位に供給されてころがり軸受4の潤滑に供され
た後、ころがり軸受4の外輪と内輪との間を通過する。
また、潤滑油の一部は、図2に太矢印Dにて示すよう
に、車輪駆動軸9と車軸貫通孔17Lとの摺動部位の潤
滑に供された後、デフケース32の内部に流動して、サ
イドギア7の背面とデフケース32の内面との摺動部
位、サイドギア7と車輪駆動軸9とのスプラインなどに
よる結合部位の潤滑に供される。
【0051】そして、車両が停止している場合には、デ
フケース32も停止しているので、太矢印Cにて示すこ
ろがり軸受4を通過した潤滑油の多くは、ころがり軸受
4と対向する位置に配設されている油捕捉部49として
の凹部46の内部に捕捉される。この凹部46によって
その内部に捕捉された潤滑油は、凹部46の底部に形成
された連通孔48によってデフケース32の内部に導か
れ、その後、図2に細かい斜線領域にて示すように、少
なくとも油溜43、図2においてはピニオンシャフト1
0が上下に示す垂直方向にしているので油溜43に加え
て図2下方に示すシャフト装着溝36に貯留される。な
お、ピニオンシャフト10が図2において前後に示す水
平方向に位置している場合には、潤滑油は油溜43に貯
留されることになる。
【0052】また、車輪駆動軸9と車軸貫通孔17Lと
の摺動部位に供給される潤滑油の油量はごく僅かなもの
なので、車輪駆動軸9と車軸貫通孔17Lとの摺動部位
を通過して油溜43に流下する潤滑油の量はごく僅かで
ある。さらに、デフケース32の内部に供給される潤滑
油の供給量が多くなって、潤滑油の油面が図2に示す連
通孔48の下端を上方(デフケース32の中心側)に越
えると、越えた分の潤滑油が連通孔48をころがり軸受
4側に向かって逆流してオーバーフローを生じ、ころが
り軸受4の外輪とデフケース32との隙間からミッショ
ンケース3の内部に流下する。この時、デフケース32
の内部に貯留される潤滑油の入れ替えが行われることに
なる。すなわち、潤滑油の循環使用ができるので、デフ
ケース32の内部に貯留した潤滑油の劣化を防止するこ
とができる。
【0053】また、車両が走行状態となった場合には、
デフケース32が図1に矢印Aにて示すように回転軸心
RLを中心として回転するので、ころがり軸受4を通過
した潤滑油は、デフケース32の回転にともなう遠心力
によって、径方向外側に向かって流動する。この径方向
外側に向かって流動する潤滑油は、ころがり軸受4と対
向する位置に配設されている油捕捉部49としての凹部
46の外周壁によって捕捉され、その結果、潤滑油は凹
部46の内部に容易かつ確実に捕捉される。この凹部4
6によってその内部に捕捉された潤滑油は、その質量に
よってデフケース32の回転速度より遅れてデフケース
32の回転方向に流動するので、凹部46内をデフケー
ス32の回転方向と反対方向に流動することになる。そ
して、凹部46内を流動する潤滑油は、分割リブ47よ
って回転方向への流動が阻止されるとともに、凹部46
の外周壁によって径方向外側への流動が阻止され、その
結果、連通孔48の形成部位に集合し、凹部46の底部
に形成された連通孔48を通過して回転状態のデフケー
ス32の内部に導かれる。
【0054】ついで、連通孔48を通過してデフケース
32の内部に導かれた潤滑油は、デフケース32の回転
にともなう遠心力によって、デフケース32の内部をデ
フケース32の回転軸心RLを中心として径方向外側に
流動し、回転状態のデフケース32の内部の少なくとも
油溜43に環状に保持される。なお、予め油溜43に貯
留されている潤滑油は、デフケース32の回転にともう
遠心力によって、油溜43に環状に保持される。また、
デフケース32の内部に供給される潤滑油の供給量が多
くなって、潤滑油の油面が図2に示す連通孔48の下端
を上方(デフケース32の中心側)に越えると、越えた
分の潤滑油が連通孔48をころがり軸受4側に向かって
逆流してオーバーフローを生じ、ころがり軸受4の外輪
とデフケース32との隙間からミッションケース3の内
部に流下する。この時、デフケース32の内部に貯留さ
れる潤滑油の入れ替えが行われることになる。すなわ
ち、潤滑油の循環使用ができるので、デフケース32の
内部に貯留した潤滑油の劣化を防止することができる。
【0055】このように、本実施形態のデファレンシャ
ル31によれば、デフケース32の内部に、デフケース
32が回転した際にデフケース32の内部に供給された
潤滑油をデフケース32の内部に保持可能な油溜43を
設けることにより、油溜43は、デフケース32の内部
に潤滑油を貯留することができるとともに、デフケース
32が回転した場合においてもデフケース32の内部に
潤滑油を容易かつ確実に保持でき、その結果、デファレ
ンシャル31の摺動部位に潤滑膜を確実に保持させるこ
とができるので、長期間に亘り安定した機能を確実に保
持させることができる。
【0056】また、本実施形態のデファレンシャル31
によれば、トランスミッション2の摺動部位の潤滑に用
いられる潤滑油をデフケース32の外部から油溜43に
導く潤滑油供給手段50を設けることにより、潤滑油供
給手段50は、潤滑油をデフケース32の内部に形成し
た油溜43に確実に供給することができるとともに、油
溜43の貯留量を超えた潤滑油をデフケース32の外部
に排出することができる。さらに、油溜43の貯留量を
超えた潤滑油をデフケース32の外部に排出する際に
は、油溜43に新たに供給される潤滑油と、油溜43に
貯留されている潤滑油とが混ざって排出されることにな
るので、油溜43に貯留される潤滑油の劣化を防止する
ことができる。さらにまた、複雑な構造を用いることな
く、トランスミッション2の摺動部位の潤滑に用いられ
る潤滑油を、デファレンシャ31ルの摺動部位の潤滑に
用いることができる。
【0057】さらに、本実施形態のデファレンシャル3
1によれば、潤滑油供給手段50が、デフケース32の
外周面の少なくとも一部に形成された潤滑油を捕捉可能
な油捕捉部49と、この油捕捉部49により捕捉された
潤滑油が通過可能なデフケース32の内外を連通する連
通孔48とを有しているので、油捕捉部49は、潤滑油
をその内部に捕捉することができ、連通孔48は、油捕
捉部49が捕捉した潤滑油をデフケース32の内部に導
くことができる。したがって、潤滑油を油溜43により
容易かつ確実に供給することができ、しかも、潤滑油供
給手段50の構成を簡単なものとすることができる。
【0058】さらにまた、本実施形態のデファレンシャ
ル31によれば、油捕捉部49が、デフケース32の回
転軸心に対してほぼ平行な方向を深さ方向にして形成さ
れた凹部46であり、この凹部46の底部に少なくとも
一つの連通孔48が形成されているので、凹部46は、
少なくともデフケース32が回転した状態で潤滑油をそ
の内部に捕捉することができ、連通孔48は、デフケー
ス32が回転した状態で凹部46が捕捉した潤滑油をデ
フケース32の内部に導くことができる。したがって、
デフケース32が回転した状態で潤滑油を油溜43に確
実に供給することができる。
【0059】また、本実施形態のデファレンシャル31
によれば、凹部46の少なくとも一部が、ころがり軸受
4と対向するようにして配設されているので、ころがり
軸受4の摺動部位に供給される潤滑油を油溜43に供給
することができる。すなわち、トランスミッション2の
摺動部位の潤滑に用いられる供給量の多い潤滑油を、デ
ファレンシャル31の摺動部位の潤滑により容易に用い
ることができる。
【0060】また、本実施形態のデファレンシャル31
によれば、凹部46の内部に、この凹部46をデフケー
ス32の回転軸心RLを中心として複数に分割する分割
リブ47を設けるとともに、この分割リブ47により分
割された各凹部46の内部に少なくとも一つの連通孔4
8をそれぞれ設けたことにより、デフケース32の強度
に影響することなく油溜43に供給する潤滑油の流路の
断面積を容易に大きくすることができるので、単位時間
当たりの潤滑油の供給量を容易に多くすることができ
る。
【0061】また、本実施形態のデファレンシャル31
によれば、デフケース32が密閉ケースとされているの
で、密閉ケースとされたデフケース32の内部に潤滑油
を容易に供給して保持させることができるとともに、密
閉ケースとされたデフケース32は、デファレンシャル
ギア8の作動音などのデフケース32の内部の摺動部位
から生じる音が外部へ洩れるの防止することができるの
で騒音を低減することができる。
【0062】図3は本発明に係るデファレンシャルの第
2実施形態の要部を示す正面縦断面図である。
【0063】本実施形態のデファレンシャルは、従来の
窓部を備えたデフケースに油溜を設けたものを例示して
いる。
【0064】図3に示すように、本実施形態のデファレ
ンシャル31Aは、デフケース32Aの内部のシャフト
装着孔20に接続するピニオン装着面51の中心部側
に、全体としてほぼ部分球面状の油溜43Aを設けたも
のである。この場合、油溜43Aの曲率を、ピニオン装
着面51の曲率より小さくすることが、デフケース32
Aが回転した際に潤滑油を油溜に保持するうえで肝要で
ある。その他の構成は前述した従来のデファレンシャル
1とと同様の構成とされている。
【0065】このような構成の本実施形態のデファレン
シャル31Aによれば、油溜43Aは、デフケース32
Aの内部に潤滑油を貯留することができるとともに、デ
フケース32Aが回転した場合においてもデフケース3
2Aの内部の油溜に43Aに潤滑油を容易かつ確実に保
持することができるので、長期間に亘り安定した機能を
確実に保持させることができる。
【0066】なお、本実施形態のデフケース32Aに、
前述した第1実施形態のデファレンシャル31に設けた
潤滑油供給手段50を形成する構成としてもよい。この
ような構成とすることにより、前述した第1実施形態の
デファレンシャル31とほぼ同様の効果、すなわち、密
閉ケースとした場合の騒音低減効果を除いた効果を奏す
る。
【0067】なお、本発明は、前記各実施形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々変更することがで
きる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る本発
明のデファレンシャルによれば、油溜は、デフケースの
内部に潤滑油を貯留することができるとともに、デフケ
ースが回転した場合においてもデフケースの内部に潤滑
油を容易かつ確実に保持できるなどの極めて優れた効果
を奏する。したがって、長期間に亘り安定した機能を確
実に保持させることができるなどの極めて優れた効果を
奏する。
【0069】また、請求項2に係る本発明のデファレン
シャルによれば、潤滑油供給手段は、潤滑油をデフケー
スの内部に形成した油溜に確実に供給することができる
とともに、油溜の貯留量を超えた潤滑油をデフケースの
外部に排出することができるなどの極めて優れた効果を
奏する。さらに、油溜の貯留量を超えた潤滑油をデフケ
ースの外部に排出する際には、油溜に新たに供給される
潤滑油と、油溜に貯留されている潤滑油とが混ざって排
出されることになるので、油溜に貯留される潤滑油の劣
化を防止することができるなどの極めて優れた効果を奏
する。さらにまた、複雑な構造を用いることなく、トラ
ンスミッションの摺動部位の潤滑に用いられる潤滑油
を、デファレンシャルの摺動部位の潤滑に用いることが
できるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0070】また、請求項3に係る本発明のデファレン
シャルによれば、油捕捉部は、潤滑油をその内部に捕捉
することができ、連通孔は、油捕捉部が捕捉した潤滑油
をデフケースの内部に導くことができる。したがって、
潤滑油を油溜により容易かつ確実に供給することがで
き、しかも、潤滑油供給手段の構成を簡単なものとする
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0071】また、請求項4に係る本発明のデファレン
シャルによれば、凹部は、少なくともデフケースが回転
した状態で潤滑油をその内部に捕捉することができ、連
通孔は、デフケースが回転した状態で凹部が捕捉した潤
滑油をデフケースの内部に導くことができるなどの極め
て優れた効果を奏する。したがって、デフケースが回転
した状態で潤滑油を油溜に確実に供給することができる
などの極めて優れた効果を奏する。
【0072】また、請求項5に係る本発明のデファレン
シャルによれば、ころがり軸受の摺動部位に供給される
潤滑油を油溜に供給することができるなどの極めて優れ
た効果を奏する。
【0073】また、請求項6に係る本発明のデファレン
シャルによれば、デフケースの強度に影響することなく
油溜に供給する潤滑油の流路の断面積を容易に大きくす
ることができるので、単位時間当たりの潤滑油の供給量
を容易に多くすることができるなどの極めて優れた効果
を奏する。
【0074】また、請求項7に係る本発明のデファレン
シャルによれば、密閉ケースとされたデフケースの内部
に潤滑油を容易に供給して保持させることができるとと
もに、密閉ケースとされたデフケースは、デファレンシ
ャルギアの作動音などのデフケースの内部の摺動部位か
ら生じる音が外部へ洩れるの防止することができるので
騒音を低減することができるなどの極めて優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデファレンシャルの第1実施形
態の要部を示す正面図
【図2】 図1のデファレンシャルをトランスミッショ
ンのミッションケースに組み込んだ状態を示す図1の2
−2線沿った断面図
【図3】 本発明に係るデファレンシャルの第2実施形
態の要部を示す縦断面図
【図4】 従来のデファレンシャルの要部を示す縦断面
【図5】 従来のデファレンシャルのデフケースを示す
正面図
【図6】 図5の左側面図
【図7】 図5の7−7線に沿った断面図
【図8】 図5の8−8線に沿った断面図
【図9】 図5の背面図
【符号の説明】
2 トランスミッション 3 ミッションケース 4 ころがり軸受 6 ピニオン 7 サイドギア 8 デファレンシャルギア 9 車輪駆動軸 10 ピニオンシャフト 11 リングギア 31、31A デファレンシャル 32、32A デフケース 33 本体ケース 34 蓋ケース 43、43A 油溜 44 空間 45 凹面 46 凹部 47 分割リブ 48 連通孔 49 油捕捉部 50 潤滑油供給手段 RL (デフケースの)回転軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生駒 好文 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内 (72)発明者 鈴木 正基 東京都西多摩郡瑞穂町高根字山下277 柳 河精機株式会社テクニカルセンター内 Fターム(参考) 3J027 FA21 FB01 HB07 HC07 HC11 3J063 AA01 AB13 BA11 CA05 CB06 CD02 XD42 XF14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションのミッションケース
    内に、ころがり軸受を介して回転自在に配設され、前記
    トランスミッションの出力軸からリングギアに入力され
    た原動機の駆動力を、デフケースの内部に配設されリン
    グギアと一体回転する1対のピニオンおよびデフケース
    の内部に配設され各ピニオンと噛合するサイドギアから
    なるデファレンシャルギアを介して車輪駆動軸に伝達す
    るデファレンシャルにおいて、 前記デフケースの内部に、前記デフケースが回転した際
    に前記デフケースの内部に供給された潤滑油を前記デフ
    ケースの内部に保持可能な油溜を設けたことを特徴とす
    るデファレンシャル。
  2. 【請求項2】 前記トランスミッションの摺動部位の潤
    滑に用いられる潤滑油を前記デフケースの外部から前記
    油溜に導く潤滑油供給手段を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載のデファレンシャル。
  3. 【請求項3】 前記潤滑油供給手段が、前記デフケース
    の外周面の少なくとも一部に形成された潤滑油を捕捉可
    能な油捕捉部と、この油捕捉部により捕捉された潤滑油
    が通過可能な前記デフケースの内外を連通する連通孔と
    を有していることを特徴とする請求項2に記載のデファ
    レンシャル。
  4. 【請求項4】 前記油捕捉部が、前記デフケースの回転
    軸心に対してほぼ平行な方向を深さ方向にして形成され
    た凹部であり、この凹部の底部に少なくとも一つの前記
    連通孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記
    載のデファレンシャル。
  5. 【請求項5】 前記凹部の少なくとも一部が、前記ころ
    がり軸受と対向するようにして配設されていることを特
    徴とする請求項4に記載のデファレンシャル。
  6. 【請求項6】 前記凹部の内部に、この凹部を前記デフ
    ケースの回転軸心を中心として複数に分割する分割リブ
    を設けるとともに、この分割リブにより分割された各凹
    部の内部に少なくとも一つの前記連通孔をそれぞれ設け
    たことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のデ
    ファレンシャル。
  7. 【請求項7】 前記デフケースが、密閉ケースであるこ
    とを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項
    に記載のデファレンシャル。
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