JP2000296760A - ウエビング巻取装置用プリテンショナー - Google Patents

ウエビング巻取装置用プリテンショナー

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JP2000296760A
JP2000296760A JP11108423A JP10842399A JP2000296760A JP 2000296760 A JP2000296760 A JP 2000296760A JP 11108423 A JP11108423 A JP 11108423A JP 10842399 A JP10842399 A JP 10842399A JP 2000296760 A JP2000296760 A JP 2000296760A
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pinion
rack
webbing
take
pretensioner
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Tomonori Nagata
智紀 永田
Seiji Hori
誠司 堀
Hisahiro Tsukiyama
尚弘 築山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常は非係合状態のラックとピニオンが噛み
合う際に両者の歯同士を的確に噛み合わせることがで
き、かつこれを簡単でコンパクトな構造により実現でき
るウエビング巻取装置用プリテンショナーを得る。 【解決手段】 プリテンショナー20では、巻取軸16
にピニオン22が連結され、このピニオン22に通常非
係合状態でラック30が設けられている。ピニオン22
の近傍にはサブピニオン40が設けられており、第1の
噛合歯42はラック30に噛み合い、第2の噛合歯44
はピニオン22に係合可能となっている。プリテンショ
ナー20が作動してラック30とピニオン22が噛み合
う際には、ラック30の移動に伴ってサブピニオン40
が回転して第2の噛合歯44がピニオン22の歯先に係
合し、ピニオン22にトルクが生じてラック30とピニ
オン22の歯同士の噛み合いが案内され、両者は適切に
噛み合う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の緊急減速時
にウエビングを強制的に巻取軸に巻き取ることによりウ
エビングの緩みを除去して乗員に緊密に装着させるウエ
ビング巻取装置用プリテンショナーに関する。
【0002】
【従来の技術】ウエビング巻取装置においては、衝突等
による車両の緊急減速時にウエビングを強制的に巻取軸
に巻き取ることによりウエビングの緩みを除去して乗員
に緊密に装着させるプリテンショナーを備えたものがあ
る。
【0003】このようなプリテンショナーのうち、例え
ば所謂ラック&ピニオン方式のものを備えたウエビング
巻取装置では、ウエビングを巻き取る巻取軸に連結され
たピニオンが設けられており、このピニオンは巻取軸と
常に一体に回転する。また、ピニオンの近傍にはシリン
ダが設けられており、シリンダ内にはピストンが移動可
能に設けられている。このピストンのピニオン側の面に
はラックが一体に形成されており、ピニオンに噛み合っ
ている。車両の緊急減速時には、シリンダ内に供給され
たガスの圧力によりピストンがスライド移動してピニオ
ンをウエビング巻取方向へ回転させ、ウエビングが強制
的に巻き取られて緩みが除去される構成である。
【0004】ところで、このようなウエビング巻取装置
(プリテンショナー)では、車両の通常走行時には巻取
軸の回転の障害となることなく自由にウエビングの巻取
り、引出しが行なわれ、また、車両急減速時には前述の
如く巻取軸をウエビング巻取方向へ回転させる必要があ
るため、ピニオンと巻取軸との間にはクラッチ機構(例
えば、コロクラッチ機構)が設けられている。このクラ
ッチ機構により、車両急減速時(プリテンショナー作動
時)にのみピニオンの回転力が巻取軸へ伝達されるよう
に構成されている。しかしながら、このようなクラッチ
機構は、部品点数が多く構造的にも複雑なものとなって
いた。
【0005】そこで、前述の如きラックを通常はピニオ
ンに非係合状態として設け、車両急減速時(プリテンシ
ョナー作動時)にのみピニオンに噛み合わせてこれを回
転させるように構成することが考えられる。このような
構成とすれば、通常はピニオンがラックと非係合状態と
されるため巻取軸の回転の障害となることなく自由にウ
エビングの巻取り、引出しが行なわれ、また、車両急減
速時には前述の如くラックがピニオンに噛み合ってピニ
オンを回転させ巻取軸を強制的にウエビング巻取方向へ
回転させることができる。
【0006】しかしながら、このようにラックとピニオ
ンを通常は非係合状態として設けると、車両急減速時に
ラックがピニオンに噛み合う際に両者の歯先同士が的確
に噛み合わない(所謂、歯先同士がチップする)可能性
があり、これを防止する対策が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事実を考
慮し、車両の通常走行時には巻取軸の回転の障害となる
ことがなくしかも車両急減速時には巻取軸を強制的にウ
エビング巻取方向へ回転させるためにラックを通常はピ
ニオンと非係合状態として設けた場合に、ラックとピニ
オンが噛み合う際に両者の歯同士を的確に噛み合わせる
ことができ、かつこれを簡単でコンパクトな構造により
実現できるウエビング巻取装置用プリテンショナーを得
ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るウ
エビング巻取装置用プリテンショナーは、ウエビング巻
取装置の巻取軸の軸端部に一体的に連結され常に前記巻
取軸と共に回転するピニオンと、前記ピニオンに噛み合
うラックが形成され、前記ピニオンの近傍にスライド移
動可能に配置され、通常は前記ラックがピニオンに非係
合状態とされると共にスライド移動することにより前記
ラックが前記ピニオンに噛み合って回転させるスライド
部材と、を備え、車両急減速時には前記スライド部材が
スライド移動して前記ピニオンを回転させることにより
前記巻取軸を強制的に回転させてウエビングを乗員拘束
方向へ緊張させるウエビング巻取装置用プリテンショナ
ーにおいて、前記ピニオンの近傍に回転可能に支持さ
れ、通常は前記ラックに噛合状態の第1の噛合歯と通常
は前記ピニオンと非係合状態とされ回転することで前記
ピニオンの歯先に係合可能な第2の噛合歯とを有し、前
記ラックが前記ピニオンに噛み合う際に前記ラックの移
動に伴って回転し前記第2の噛合歯が前記ピニオンの歯
先に係合して回転させて前記ラックとピニオンとの噛み
合いを案内するサブピニオンを設けた、ことを特徴とし
ている。
【0009】請求項1記載のウエビング巻取装置用プリ
テンショナーでは、通常はスライド部材のラックはピニ
オンと非係合状態とされている。また、ピニオンの近傍
に設けられたサブピニオンは、第1の噛合歯がラックに
噛合状態とされると共に、第2の噛合歯はピニオンと非
係合状態とされている。このため、ラック(スライド部
材)が巻取軸(ピニオン)の回転の障害となることがな
く、自由にウエビングの巻取り、引出しが可能である。
【0010】車両が急減速状態に至ると、例えばガスの
圧力によってスライド部材がスライド移動され、ラック
がピニオンに噛み合いながら移動することでピニオンが
回転される。これによって、巻取軸が強制的にウエビン
グ巻取方向へ回転され、ウエビングの緩みが除去されて
乗員に緊密に装着される。
【0011】ここで、車両急減速時にスライド部材がス
ライド移動する際には、ラックの移動に伴ってサブピニ
オンが回転され、第2の噛合歯がピニオンの歯先に係合
して回転させてラックとピニオンの歯先同士の噛み合い
が案内される。すなわち、仮にラックとピニオンの両者
の歯先同士が的確に噛み合わず歯先同士が所謂チップし
ようとしても、サブピニオンの第2の噛合歯がピニオン
の歯先に係合してピニオンにトルクを生じさせ、ラック
とピニオンの歯先同士の噛み合いが案内され、両者の歯
先同士がチップすることがなく的確に噛み合う。したが
って、ラックとピニオンによるプリテンシャナー機能は
適正に発揮される。
【0012】またこの場合、サブピニオンを設けるとい
う簡単な構成であるため、コンパクトな構造により実現
できる。
【0013】このように、請求項1記載のウエビング巻
取装置用プリテンショナーでは、車両の通常走行時には
巻取軸の回転の障害となることがなくしかも車両急減速
時には巻取軸を強制的にウエビング巻取方向へ回転させ
ることができるのみならず、ラックとピニオンが噛み合
う際に両者の歯同士を的確に噛み合わせることができ、
かつこれを簡単でコンパクトな構造により実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の実施の形態に
係るウエビング巻取装置用プリテンショナー20が適用
されて構成されたウエビング巻取装置10の概略構成が
斜視図にて示されており、図2には、ウエビング巻取装
置10の概略構成が側面図にて示されている。
【0015】ウエビング巻取装置10では、車両のセン
ターピラーに固定されるプレート12と、このプレート
12の両側から直角に屈曲され互いに平行とされた一対
の脚板14を備えている。脚板14は、巻取軸16を回
転可能に軸支している。この巻取軸16には、乗員装着
用のウエビング18の先端が係止され、ウエビング18
が層状に巻き取られている。巻取軸16の端部は一方の
脚板14の外側へ延出されており、さらに、プリテンシ
ョナー20が連結されている。
【0016】プリテンショナー20はピニオン22を備
えている。ピニオン22は、巻取軸16の一端に連結さ
れており、巻取軸16と常に一体となって回転する。こ
のため、ピニオン22が回転することにより巻取軸16
が回転し、ウエビング18の巻き取りができるようにさ
れている。
【0017】また、脚板14にはシリンダ26が固定さ
れている。シリンダ26は中空円筒状に形成されてお
り、先端側はピニオン22の近傍で開口している。この
シリンダ26内には、スライド部材を構成するピストン
28が設けられている。ピストン28は円盤状に形成さ
れており、シリンダ26内をスライド移動可能とされて
いる。ピストン28にはOリング29が嵌合されてお
り、シリンダ26の内壁との間をシールするようにされ
ている。
【0018】また、シリンダ26の底部には、図示を省
略したガス供給口が設けられており、衝突等による車両
の緊急減速時には、このガス供給口からシリンダ26内
にガスが供給されるようにされている。
【0019】一方、ピストン28の先端部にはラック3
0が一体に設けられている。このラック30は前述した
ピニオン22に対応しており、通常はピニオン22から
所定の隙間を有して位置しており(非係合状態とされて
おり)、ラック30がピストン28と共にシリンダ26
内をスライド移動すると、ラック30がピニオン22に
噛み合ってピニオン22をウエビング18巻取方向(図
1の矢印A方向)へ回転させるようになっている。
【0020】またさらに、ピニオン22の近傍には、サ
ブピニオン40が配置されている。このサブピニオン4
0は、第1の噛合歯42と第2の噛合歯44によって全
体としてV字形に形成されており、支軸46によって回
転に支持されている。第1の噛合歯42は、通常はラッ
ク30に噛み合っている。一方、第2の噛合歯44は、
通常はピニオン22と非係合状態とされており、サブピ
ニオン40が支軸46周りに回転することでピニオン2
2の歯先に係合可能となっている。すなわち、ラック3
0がピニオン22に噛み合う際には、第1の噛合歯42
がラック30に噛み合っているためラック30の移動に
伴ってサブピニオン40が回転され、この際に仮にラッ
ク30とピニオン22の両者の歯先同士が的確に噛み合
わず歯先同士が所謂チップしようとすると、サブピニオ
ン40の第2の噛合歯44がピニオン22の歯先に係合
してピニオン22にトルクを生じさせ、ラック30とピ
ニオン22の歯先同士の噛み合いが案内される構成であ
る。
【0021】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0022】上記構成のウエビング巻取装置用プリテン
ショナー20では、図2に示す如く、ピストン28に設
けられたラック30は通常はピニオン22と非係合状態
とされている。また、ピニオン22の近傍に設けられた
サブピニオン40は、第1の噛合歯42がラック30に
噛合状態とされると共に第2の噛合歯44はピニオン2
2と非係合状態とされている。このため、ラック30が
巻取軸16(ピニオン22)の回転の障害となることが
なく、自由にウエビング18の巻取り、引出しが可能で
ある。
【0023】車両が急減速状態に至ると、シリンダ26
内に供給されたガスの圧力によってピストン28がスラ
イド移動され、ラック30がピニオン22に噛み合いな
がら移動することでピニオン22が回転される。これに
よって、巻取軸16が強制的にウエビング巻取方向へ回
転され、ウエビング18の緩みが除去されて乗員に緊密
に装着される。
【0024】ここで、このプリテンショナー20では、
車両急減速時にピストン28と共にラック30がスライ
ド移動してこのラック30がピニオン22に噛み合う際
には、図3に示す如く、ラック30の移動に伴ってサブ
ピニオン40が回転され、第2の噛合歯44がピニオン
22の歯先に係合して回転させてラック30とピニオン
22の歯先同士の噛み合いが案内される。すなわち、仮
にラック30とピニオン22の両者の歯先同士が的確に
噛み合わず歯先同士が所謂チップしようとしても、サブ
ピニオン40の第2の噛合歯44がピニオン22の歯先
に係合してピニオン22にトルクを生じさせ、ラック3
0とピニオン22の歯先同士の噛み合いが案内され、図
4に示す如く両者の歯先同士がチップすることがなく的
確に噛み合う。したがって、ラック30とピニオン22
によるプリテンショナー機能は適正に発揮される。
【0025】またこの場合、サブピニオン40を設ける
という簡単な構成であるため、コンパクトな構造により
実現できる。
【0026】このように、本実施の形態に係るウエビン
グ巻取装置用プリテンショナー20では、車両の通常走
行時には巻取軸の回転の障害となることがなくしかも車
両急減速時には巻取軸を強制的にウエビング巻取方向へ
回転させることができるのみならず、ラックとピニオン
が噛み合う際に両者の歯同士を的確に噛み合わせること
ができ、かつこれを簡単でコンパクトな構造により実現
できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係るウエビン
グ巻取装置用プリテンショナーは、車両の通常走行時に
は巻取軸の回転の障害となることがなくしかも車両急減
速時には巻取軸を強制的にウエビング巻取方向へ回転さ
せるためにラックを通常はピニオンと非係合状態として
設けた場合に、ラックとピニオンが噛み合う際に両者の
歯同士を的確に噛み合わせることができ、かつこれを簡
単でコンパクトな構造により実現することができるとい
う優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリテンショナー及
びこのプリテンショナーが適用されたウエビング巻取装
置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリテンショナーの
構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプリテンショナーの
作動状態を示す図2に対応した側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプリテンショナーの
作動状態を示す図2に対応した側面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置 16 巻取軸 18 ウエビング 20 プリテンショナー 22 ピニオン 26 シリンダ 28 ピストン(スライド部材) 30 ラック 40 サブピニオン 42 第1の噛合歯 44 第2の噛合歯
フロントページの続き (72)発明者 築山 尚弘 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3D018 MA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエビング巻取装置の巻取軸の軸端部に
    一体的に連結され常に前記巻取軸と共に回転するピニオ
    ンと、 前記ピニオンに噛み合うラックが形成され、前記ピニオ
    ンの近傍にスライド移動可能に配置され、通常は前記ラ
    ックがピニオンに非係合状態とされると共にスライド移
    動することにより前記ラックが前記ピニオンに噛み合っ
    て回転させるスライド部材と、 を備え、車両急減速時には前記スライド部材がスライド
    移動して前記ピニオンを回転させることにより前記巻取
    軸を強制的に回転させてウエビングを乗員拘束方向へ緊
    張させるウエビング巻取装置用プリテンショナーにおい
    て、 前記ピニオンの近傍に回転可能に支持され、通常は前記
    ラックに噛合状態の第1の噛合歯と通常は前記ピニオン
    と非係合状態とされ回転することで前記ピニオンの歯先
    に係合可能な第2の噛合歯とを有し、前記ラックが前記
    ピニオンに噛み合う際に前記ラックの移動に伴って回転
    し前記第2の噛合歯が前記ピニオンの歯先に係合して回
    転させて前記ラックとピニオンとの噛み合いを案内する
    サブピニオンを設けた、 ことを特徴とするウエビング巻取装置用プリテンショナ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20180178752A1 (en) * 2016-12-28 2018-06-28 Takata Corporation Pretensioner, seatbelt retractor, seatbelt device, and method of manufacturing pretensioner

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20180178752A1 (en) * 2016-12-28 2018-06-28 Takata Corporation Pretensioner, seatbelt retractor, seatbelt device, and method of manufacturing pretensioner
US10549715B2 (en) * 2016-12-28 2020-02-04 Joyson Safety Systems Japan K.K. Pretensioner, seatbelt retractor, seatbelt device, and method of manufacturing pretensioner

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