JP2000296415A - 放電加工用電極線およびその製造方法 - Google Patents

放電加工用電極線およびその製造方法

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JP2000296415A
JP2000296415A JP10482199A JP10482199A JP2000296415A JP 2000296415 A JP2000296415 A JP 2000296415A JP 10482199 A JP10482199 A JP 10482199A JP 10482199 A JP10482199 A JP 10482199A JP 2000296415 A JP2000296415 A JP 2000296415A
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wire
concentration
electrode wire
discharge machining
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JP10482199A
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English (en)
Inventor
Masahito Watabe
雅人 渡部
Koichi Tamura
幸一 田村
Hiromitsu Kuroda
洋光 黒田
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Hideo Kono
秀雄 河野
Katsunori Sawahata
勝憲 沢畠
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 β相の脱落による金属粉カスの発生を抑制
し、しかも、高Zn濃度による高速加工性を備えた放電
加工用電極線とその製造方法を提供する。 【解決手段】 38重量%以上45重量%未満のZnを
含むCu−Zn系合金の線材に熱処理を施すことによっ
て線材の表面部におけるZnの濃度を10重量%以上3
8重量%未満に減少させ、これにより所定の放電加工用
電極線とする。β相の脱落が抑制されるので、放電加工
機に金属粉のカスが溜まるのを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工用電極線
およびその製造方法に関し、特に、高速加工用に適した
放電加工用電極線とこれを製造するための製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】放電加工用電極線として、Cu−Zn系
合金の電極線が広く活用されている。この電極線は、加
工速度、加工精度等の放電特性に優れており、さらに、
コスト的にも有利な特質を有している。
【0003】一般に、Cu−Zn系合金の電極線の加工
速度は、Zn濃度の増大に伴って向上するものと認識さ
れている〔伸銅技術研究会誌26(1987)、18
1〕が、一方においては、硬質のβ相が形成されるため
に冷間加工性が低下するという問題がある。
【0004】従って、通常は、Znを35重量%(以
下、wt%という)程度含む単一合金線〔Cu−35w
t%Zn合金(65/35黄銅線)〕が電極線として使
用されてきたが、近年、生産性の観点から高速加工の要
求が強まる状況にあり、このため、Zn濃度を高めたC
u−40wt%Zn合金、あるいはCu−43wt%Z
n合金等の高Zn濃度の電極線が実用化されている。ま
た、特公昭57−5648号に示されるように、銅、黄
銅、鋼材等の金属心材の外周に高濃度の亜鉛を含む合金
層を形成した電極線なども提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の高速加
工性の放電加工用電極線によると、Znの濃度が38w
t%以上であることによるβ相の形成が不可避のため、
組織がα相とβ相の混合となり、このため、電極線が放
電加工機内のガイドダイスやフェルト等に接触したと
き、β相が脱落し、金属粉カスとなって溜まりやすい性
質を有している。
【0006】この結果、放電加工機を頻繁にメンテナン
スし、金属粉のカスを除去することが必要となるため、
このβ相の脱落の問題は、作業効率を確保するうえにお
いて大きな問題とされている。また、この金属粉のカス
は、電極線の放電を不安定化させるようにも作用するこ
とから、加工速度および加工精度を低下させる要因にも
なる。
【0007】従って、本発明の目的は、β相の脱落によ
る金属粉カスの発生を抑制し、しかも、高Zn濃度によ
る高速加工性を備えた放電加工用電極線とその製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、Cu−Zn系合金の線材から構成される
放電加工用電極線において、前記Cu−Zn系合金は、
38wt%以上45wt%未満のZnを含み、前記線材
は、その表面にZnの濃度が10wt%以上38wt%
未満の領域を有することを特徴とする放電加工用電極線
を提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、38wt%以上45wt%未満のZnを含むCu−
Zn系合金の線材に熱処理を施し、前記熱処理によって
前記線材の表面におけるZnの濃度を10wt%以上3
8wt%未満に減少させることを特徴とする放電加工用
電極線の製造方法を提供するものである。
【0010】本発明において、母材となるCu−Zn系
合金におけるZnの濃度を38wt%以上45wt%未
満に限定する理由は、Znの濃度が38wt%未満にな
ると、充分な放電加工速度が得られず、また、Znの濃
度が45wt%以上になると、金属組織がβ相だけとな
るために加工性が低下し、大きな加工度のもとでの加工
が不可能になるためである。
【0011】本発明による電極線は、単一線に構成する
場合と心材との複合構造に構成する場合とがあり、心材
の構成材としては、銅、銅合金、あるいは鉄が使用され
る。電極線の製造方法における熱処理は、線材を走行さ
せた状態で行うことが好ましい。束ねた線材を対象に熱
処理することも可能であるが、線材同士が粘着する恐れ
があるので、避けることが望ましい。
【0012】また、この熱処理は、電極線に至る前の中
間段階で行ってもよく、あるいは伸線などをして完成品
とした後に行ってもよい。いずれの段階での熱処理も充
分な所期特性を電極線に与えることができる。
【0013】本発明は、線状体の表面部のZnの濃度を
減少させることによって、表面部のβ相を消失させ、こ
れによりα相単一の表面部を形成するところに特徴があ
る。この表面部におけるZnの濃度を10wt%以上に
制限する理由は、10wt%未満になると、線材表面部
のZn濃度減少のための熱処理温度において、線材が溶
断し易くなることからこれを防ぐためであり、また、上
限を38wt%とする理由は、これを超えると、線材表
面へのカスの発生が多くなるためである。
【0014】このZn濃度を減少させられた領域の厚さ
は、10μm未満に設定することが好ましく、厚さをこ
れ以上に設定すると、放電加工速度が低下するようにな
るので避けるべきである。。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明による放電加工用電
極線とその製造方法の実施の形態を説明する。図1は、
この実施の形態において使用した熱処理ラインの概要で
ある。送出ボビン1に巻かれた線材2をペイオフ3から
送り出し、N2 、Ar等の不活性ガスの雰囲気の電気炉
4の中を通過させた後、冷却槽5に導入する。
【0016】冷却槽5では、線材2を所定の温度に冷却
するとともに、電気炉4での熱処理時に線材2の表面に
形成されたZnカスを研磨布6によって除去する。次い
で、冷却された線材2は、定速巻取機7を経た後、整列
巻取機8に巻き取られる。
【0017】以上のライン構成において、外径が0.9
mmのCu−40wt%Zn合金の線材2を準備し、こ
れに以下の条件による熱処理を施した後、外径を0.2
5mmに伸線することによって実施例1および2の放電
加工用電極線を製造した。
【0018】
【実施例1】・電気炉4での加熱温度:810℃ ・線材2の走行速度 :1.0m/分
【実施例2】・電気炉4での加熱温度:850℃ ・線材2の走行速度 :0.75m/分
【0019】図2は、以上により得られた実施例1およ
び2の電極線の表面部におけるZn濃度を従来例との対
比において示したものである。従来例としては、外径が
0.9mmのCu−40wt%Zn合金の線材から伸線
した0.25mm外径の電極線を引用した。
【0020】図2によれば、従来例の電極線が径方向に
均等なZn濃度を示しているのに比べ、実施例1および
2による電極線の場合には、その表面部ほどZn濃度が
少ないことを示しており、熱処理によるZn濃度の減少
効果が認められる。
【0021】また、実施例1および2の電極線の表面部
における組織を観察したところ、Zn濃度が38wt%
未満の深さまでα相によって構成されていることが確認
された。表1は、従来例と実施例の電極線を使用して放
電加工を行った際の、β相の脱落による金属粉カスの発
生状況と放電加工速度をまとめたものである。
【0022】
【表1】
【0023】表1によれば、実施例1および2の電極線
が、従来例に比べて金属粉カスの発生が少ないこと、お
よび高速加工性が評価される従来例と同等の放電加工速
度を備えていることが認められる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明による放電加工用
電極線とその製造方法によれば、38wt%以上45w
t%未満のZnを含むCu−Zn系合金の線材に熱処理
を施し、これにより線材の表面部のZnの濃度を10w
t%以上38wt%未満に減少させることによって電極
線を構成するため、β相の脱落による金属粉カスの発生
を抑制することができ、さらに、加工速度においても所
定の水準を確保できるので、放電加工機を頻繁に停止す
る必要のない作業効率に優れた放電加工用電極線を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電加工用電極線の製造方法の実
施の形態における熱処理ラインの構成を示す説明図。
【図2】電極線の表面部におけるZnの濃度を示す説明
図。
【符号の説明】
2 線材 4 電気炉 5 冷却槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 洋光 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 青山 正義 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 河野 秀雄 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 (72)発明者 沢畠 勝憲 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB05 DA06 DB00 DC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cu−Zn系合金の線材から構成される放
    電加工用電極線において、 前記Cu−Zn系合金は、38重量%以上45重量%未
    満のZnを含み 前記線材は、その表面にZnの濃度が10重量%以上3
    8重量%未満の領域を有することを特徴とする放電加工
    用電極線。
  2. 【請求項2】前記線材は、その内部に銅、銅合金、ある
    いは鉄の心材を有することを特徴とする請求項1項記載
    の放電加工用電極線。
  3. 【請求項3】前記領域は、10μm未満の厚さを有する
    ことを特徴とする請求項1項記載の放電加工用電極線。
  4. 【請求項4】38重量%以上45重量%未満のZnを含
    むCu−Zn系合金の線材に熱処理を施し、前記熱処理
    によって前記線材の表面部におけるZnの濃度を10重
    量%以上38重量%未満に減少させることを特徴とする
    放電加工用電極線の製造方法。
  5. 【請求項5】前記熱処理は、前記線材が走行した状態で
    行うことを特徴とする請求項4項記載の放電加工用電極
    線の製造方法。
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