JP2000295774A - 配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置、並びに電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制御方法 - Google Patents

配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法及び装置、並びに電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制御方法

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JP2000295774A
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博 前田
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勝則 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じた
ときにその逆潮流が二次側系統切換によるものか、二次
側で分散電源が連系していることによるものかを判定す
る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法を提
供する。 【解決手段】逆送継電器36により電力の逆潮流が生じ
ていることが検出され、かつ自動電圧調整器40の調整
動作時に一次側で二次側よりも大きな電圧の変化が検出
されたときに二次側で系統切換が行われたことに起因す
る電力の逆潮流が生じていると判定し、二次側で一次側
よりも大きな電圧の変化が検出されたときに二次側で分
散電源が連系していることに起因する電力の逆潮流が生
じていると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電系統に設置さ
れる配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたとき
にその原因が系統に連系している分散電源に起因するも
のであるか、系統切換に起因するものであるかを判定す
る電力逆潮流原因判定方法及び装置、並びに、電力の逆
潮流の原因に応じて自動電圧調整器の動作モードを最適
のモードとする電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光発電設備などの自家発電設
備が需要家に多く設置されるようになり、該自家発電設
備が分散電源として配電系統と連系するようになってい
る。また配電系統においては、電力の需給バランスを図
ったり、工事の際の停電を防いだりするために、複数の
系統を連系させるようにしている。
【0003】このような配電系統においては、系統の各
部の負荷容量と分散電源の容量との大小関係や、配電用
自動電圧調整器(以下SVRともいう。)の一次側また
は二次側で行われた系統の切換により、SVRの二次側
から一次側に電力が逆送される(電力の逆潮流が生じ
る)ことがある。SVRで電力の逆潮流が生じると、正
しい電圧調整を行うことができなくなるため、系統の各
部の電圧が異常になるのを防ぐために、例えばSVRの
タップを固定したりするなどの対策を講じる必要があ
る。
【0004】図1は、一例として、2分割2連系の簡略
配電系統を示したもので、同図において1及び1´は電
源変電所、2及び2´は電源変電所1及び1´の二次側
にそれぞれ開閉器3及び3´を介して一端が接続された
配電線、4及び4´はそれぞれ配電線2及び2´の他端
に開閉器5及び5´を介して接続されたSVR、6及び
6´はSVR4及び4´の二次側に一端が接続された配
電線、7及び7´は配電線6及び6´の他端にそれぞれ
開閉器8及び8´を介して接続された他の配電線、9は
変電所1側の系統と変電所1´側の系統とを連系させる
ための開閉器である。また10及び11はSVR4の一
次側及び二次側で系統に連系している一次側連系分散電
源及び二次側連系分散電源、12及び13はSVRの一
次側及び二次側にそれぞれ接続された一次側負荷及び二
次側負荷である。
【0005】なお配電線2´,6´側にも分散電源や負
荷が接続されるが、これらの図示は省略されている。
【0006】図2ないし図4は、図1に示した配電系統
のうち、変電所1側の系統に設置されたSVR4におけ
る電力の潮流方向を種々のケースについて示したもの
で、同図において、G1 及びG2 はそれぞれ分散電源1
0及び11の容量を示し、P1及びP2 は負荷12及び
13の容量を示している。
【0007】なお図2ないし図4においては、開閉器を
長方形のブロックで示しており、白抜きで示した各開閉
器のブロックは各開閉器が開いていることを示し、黒く
塗りつぶした各開閉器のブロックは各開閉器が閉じてい
ることを示している。またSVRの上に表示された矢印
は電力の潮流方向を示している。
【0008】図2(A)ないし(D)は、図1において
開閉器8及び9が開いている常時系統状態を示したもの
で、同図(A)及び(B)はそれぞれP1 <G1 でかつ
P2<G2 の場合、及びP1 <G1 でかつP2 >G2 の
場合を示している。また図2(C)及び(D)はそれぞ
れP1 >G1 ,P2 <G2 の場合、及びP1 >G1 ,P
2 >G2 の場合を示している。
【0009】また図3(A)ないし(D)は開閉器3及
び8を開き、開閉器9を閉じてSVR4の一次側で2系
統を連系させたSVR一次側系統切換時の状態を示した
もので、同図(A)及び(B)はそれぞれP1 <G1 で
かつP2 <G2 の場合、及びP1 <G1 でかつP2 >G
2 の場合を示している。また図3(C)及び(D)はそ
れぞれP1 >G1 ,P2 <G2 の場合、及びP1 >G1
,P2 >G2 の場合を示している。
【0010】更に図4(A)ないし(D)は開閉器3及
び9を開き、開閉器8を閉じて、SVRの二次側で他系
統と連系させたSVR二次側系統切換時の状態を示した
もので、同図(A)及び(B)はそれぞれP1 <G1 で
かつP2 <G2 の場合、及びP1 <G1 でかつP2 >G
2 の場合を示している。また図4(C)及び(D)はそ
れぞれP1 >G1 ,P2 <G2 の場合、及びP1 >G1
,P2 >G2 の場合を示している。
【0011】図2及び図3から明らかなように、常時系
統状態(図2)及びSVR一次側系統切換時(図3)に
おいては、P1 とG1 との大小関係の如何に係わりな
く、P2 <G2 のとき(二次側で連系している分散電源
の容量が二次側配電線に接続されている負荷の容量に比
べて大きいとき)にSVRで電力の逆潮流が生じる。
【0012】また図4に示したSVR二次側系統切換時
には、P2 とG2 との大小関係に係わりなく、P1 >G
1 のとき(一次側に連系している分散電源の容量が一次
側配電線に接続されている負荷の容量に比べて小さいと
き)にSVRで電力の逆潮流が生じる。
【0013】図5は、SVR4の一例として、タップ付
きの調整変圧器の一次側及び二次側をそれぞれ配電線2
及び6に接続して該調整変圧器の出力電圧を二次側の配
電線6に直接印加することにより電圧調整を行う直接式
SVRの構成例を示したものである。同図において20
はタップt1 〜t9 を有する単巻変圧器からなる調整変
圧器、21は調整変圧器のタップを切り換える負荷時タ
ップ切換器で、調整変圧器20の一次側には負荷時タッ
プ切換器21を通して配電線2の電圧Vp が入力されて
いる。また調整変圧器21の二次側は配電線6に接続さ
れている。24はSVRの二次側の電圧Vs を検出する
計器用変圧器(PT)、25は二次側の電圧を目標電圧
に保つようにタップ切換器21にタップ切換指令を与え
る電圧調整継電器(90リレー)、26は電圧調整継電
器25に対して直列に接続された線路電圧降下補償器
(LDC)で、電圧調整継電器25と線路電圧降下補償
器26との直列回路は計器用変圧器24の出力端子間に
接続されている。LDC26には、二次側の配電線6を
流れる負荷電流IL を検出する変流器(CT)27の出
力が入力されている。
【0014】このSVRにおいては、電圧調整継電器2
5がPT24の出力電圧VL'から二次側の電圧Vs を検
出して、一次側の配電線2側から二次側の配電線6側に
電力が送られているとき(電力順送時)に二次側の電圧
Vs を目標電圧に保つようにタップ切換器21にタップ
切換指令を与える。タップ切換器21は、電圧調整継電
器から与えられるタップ切換指令に応じて調整変圧器2
0のタップを切り換えて、SVRの二次側の電圧Vs を
目標電圧に保つように(電圧Vs と目標電圧との差を許
容範囲に収めるように)調整する。即ち、電力順送時に
二次側の電圧Vs が目標電圧よりも低くなったときには
電圧調整継電器25が昇圧指令を発生し、これにより調
整変圧器20のタップを昇圧側に切り換えて二次側電圧
Vs と目標電圧との差を許容範囲以下にするように電圧
を調整する。また二次側の電圧Vs が目標電圧を超えた
ときには電圧調整継電器25が降圧指令を発生し、これ
により調整変圧器20のタップを降圧側に切り換えて二
次側の電圧と目標電圧との差を許容範囲以下とするよう
に電圧を調整する。
【0015】LDC26は、配電線6の線路インピーダ
ンスを模擬した抵抗とリアクタンスとから成っていて、
該抵抗及びリアクタンスにCT27の出力電流ILDC が
流れるようになっており、LDC26の両端には、線路
インピーダンスによる電圧降下に比例した電圧降下VLD
C が生じる。このとき電圧調整継電器25に加わる電圧
V90はVs −VLDC となり、LDCが挿入されていない
場合に比べて、VLDCだけ低くなる。そのため電圧調整
継電器25は、調整変圧器20のタップを線路電圧降下
VLDC 分だけ昇圧側に切り換えるように負荷時タップ切
換器21にタップ切換指令を与えて、線路インピーダン
スによる電圧降下を補償する。
【0016】本明細書では、上記のように、SVRがそ
の二次側電圧を目標電圧に保つように調整するときの動
作モードを二次側電圧調整モードと呼ぶ。
【0017】図5に示したSVRにおいて、二次側の配
電線6側から一次側の配電線2側に電力が逆送されてい
る状態でその動作モードが二次側電圧調整モードである
場合の動作を考える。電力逆送時に二次側配電線6の電
圧Vs が目標電圧より低くなると、PT24の出力電圧
も低下するため、電圧調整継電器25は昇圧指令を発生
する。これによりタップ切換器21は調整変圧器20の
タップを電力順送時の昇圧側(タップt9 側)に切り換
えるが、このタップ切換方向は逆送時には一次側配電線
2の電圧Vp を低下させる方向(降圧側)となるため、
配電線2の電圧Vp が低下する。このときタップ切換は
配電線2側で行われるため、タップが切り換えられても
PT24の出力電圧は変化せず、電圧調整継電器25に
加わる電圧は目標電圧よりも低いままの状態にある。そ
のため、電圧調整継電器25は昇圧指令を発生し続ける
ことになり、タップ切換器21はタップを電力順送時の
昇圧側(逆送時の降圧側)の最終タップt9 まで切り換
える。タップが最終タップまで切り換えられると、リミ
ットスイッチがそれを検出するため、タップ切換動作が
停止する。
【0018】上記のように、SVRで電力の逆潮流が生
じている状態では、動作モードが二次側電圧調整モード
のままであると、タップが逆送時の降圧側の最終タップ
t9まで切り換えられるため、一次側配電線2の電圧Vp
が異常に低下することになり、配電系統の電圧が乱れ
ることになる。
【0019】このような異常状態が生じるのを防ぐた
め、電力の逆送時に一次側の電圧を目標電圧に保つよう
に調整する機能を持たせることにより、電力の逆送時に
も順送時と同様に電圧調整を正常に行わせることができ
るようにした完全逆送形のSVRまたは電力逆送時に調
整変圧器20のタップを予め設定したタップ(例えば素
通しタップt4 )に固定する逆送時タップ固定形のSV
Rが用いられている。
【0020】本明細書では、SVRの一次側の電圧を目
標電圧に保つように調整する動作モードを一次側電圧調
整モードと呼び、電力逆送時に調整変圧器のタップを予
め設定したタップに固定する動作モードをタップ固定モ
ードと呼ぶ。
【0021】完全逆送形のSVRでは、例えば、電力の
逆送を検出する逆送継電器(67リレー)を設けるとと
もに、調整変圧器20の一次側及び二次側にそれぞれ計
器用変圧器と電圧調整継電器(90リレー)とを設け
て、電力の順送時には二次側に設けた計器用変圧器と電
圧調整継電器とを用いて二次側電圧を目標電圧に保つよ
うに電圧調整継電器から負荷時タップ切換器にタップ切
換指令を与えることにより動作モードを二次側電圧調整
モードとして電圧調整を行い、電力の逆送時には一次側
に設けた計器用変圧器と電圧調整継電器とを用いて一次
側電圧を目標電圧に保つように負荷時タップ切換器にタ
ップ切換指令を与えることにより動作モードを一次側電
圧調整モードとして電圧調整を行うようにしている。
【0022】また逆送継電器を設けるとともに、計器用
変圧器を一次側と二次側とに切換え接続する回路を設け
て、電力の順送時には計器用変圧器を二次側に接続して
二次側電圧調整モードで電圧調整を行わせ、逆送継電器
により電力の逆送が検出されたときには、計器用変圧器
を一次側に接続するとともに、タップ切換の方向を逆に
するように電圧調整継電器からタップ切換え指令を発生
させることにより、一次側電圧調整モードで電圧調整を
行わせるようにした完全逆送形のSVRも知られてい
る。
【0023】また逆送時タップ固定形のSVRでは、電
力順送時には二次側電圧を目標電圧に保つように動作モ
ードを二次側電圧調整モードとし、電力の逆送が検出さ
れたときに、一次側配電線2の電圧Vp の異常低下を生
じさせないように、調整変圧器20のタップを予め設定
したタップ(例えば素通しタップt4 )に固定するタッ
プ固定モードとしている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
SVRでは、逆送継電器(67リレー)を設けて、該逆
送継電器により電力の逆送が検出されたときに、SVR
の動作モードを一次側電圧調整モードとするか、または
タップ固定モードとしていた。
【0025】図4(C)及び(D)に示したように、S
VR4の二次側が他系統の電源変電所に接続され、一次
側が電源変電所から切り離される系統切換(SVR二次
側系統切換)が行われたことに起因してSVRで電力の
逆潮流が生じている場合(以下このような原因で生じる
電力の逆潮流を単に系統切換に起因する電力の逆潮流と
いう。)には、上記のような対策を講じることにより、
一次側配電線2の電圧が異常低下するのを防ぐことがで
きる。
【0026】しかしながら、図2(A),(C)及び図
3(A),(C)のように、電力の逆潮流が系統切換に
起因するものではなく、SVRの一次側が電源変電所に
接続され、二次側が電源変電所から切り離されている状
態で、二次側で分散電源G2が連系していることに起因
して電力の逆潮流が生じている場合(以下このような原
因で生じる電力の逆潮流を単に分散電源に起因する電力
の逆潮流という。)には、SVR4の一次側の配電線2
が電源変電所1aに接続されていて、一次側の電圧が変
電所の電圧により固定されるため、電力の逆送時にSV
Rの動作モードを一次側電圧調整モードとして一次側の
電圧を目標電圧に保つようにタップ切換を行うと、SV
Rの二次側以降の電圧を一次側の系統電圧の変動方向に
暴走させることがあるという問題があった。
【0027】例えば、SVR4の一次側電圧が低下する
と、SVRの一次側電圧を上昇させるようにタップを降
圧側(タップt1 側)に切り換えるが、一次側電圧が変
電所の電圧により固定されていて上昇することができな
いために、該タップ切換が同方向に切り換え続けられる
ことにより二次側電圧が低下してしまうことがあった。
【0028】また電力の逆潮流がSVRの二次側で系統
切換が行われたことに起因するものではなく、一次側が
変電所に接続されている状態で二次側に分散電源が連系
していることに起因するものである場合に、SVRの動
作モードをタップ固定モードとして調整変圧器の一次側
のタップを設定されたタップに固定すると、動作モード
をタップ固定モードに切り換える直前に選択されていた
タップが設定されたタップから離れたタップである場合
に、SVRの二次側以降の系統電圧を異常に低下させる
か、または上昇させるという問題があった。
【0029】例えば、図5においてタップt9 が選択さ
れている状態で電力の逆送が検出されて、タップが素通
しタップt4 に固定されると、二次側配電線6の電圧が
下がり過ぎることになり、タップt1 が選択されている
状態で電力の逆送が生じてタップが素通しタップt4 に
固定されると、二次側配電線6の電圧が上り過ぎること
になる。
【0030】上記のような問題を生じさせないようにす
るため、系統切換に起因する電力の逆潮流が生じたとき
には、SVRの動作モードを一次側電圧調整モードとし
てSVRの一次側電圧を調整するようにするか、または
SVRの動作モードをタップ固定モードとしてタップを
予め設定したタップに固定し、分散電源に起因する電力
の逆潮流が検出されたときには、動作モードを、電力が
順送されているときの定常時の動作モード(二次側電圧
調整モード)のままとして、SVRの二次側の電圧を調
整するようにするのが好ましい。
【0031】ところが、従来用いられている逆送継電器
は、電力の逆潮流が生じたことを検出することはできて
も、その逆潮流が系統切換に起因するのか、分散電源に
起因するのかを判定できなかったため、系統切換に起因
する電力の逆潮流が生じた場合と、分散電源に起因する
電力の逆潮流が生じた場合とを識別して、SVRの動作
モードを最適なモードに切り換えることができなかっ
た。
【0032】なお配電の自動化が進んでいる系統では、
その機能を拡張することにより系統の各所で電力の潮流
方向を監視して逆潮流の原因を分析し、その分析結果を
各SVRに通信により伝送するシステムを構築すること
が考えられるが、このようなシステムの構築は多大のコ
ストがかかるためいまだ実現していない。
【0033】本発明の目的は、配電用自動電圧調整器で
生じた電力の逆潮流が二次側で系統切換が行われて一次
側が電源変電所から切り離され、二次側が他系統の電源
変電所に接続されたことに起因するものであるのか、一
次側が電源変電所に接続され、二次側で分散電源が連系
していることに起因するものであるのかを各自動電圧調
整器のところで判定することができる配電用自動電圧調
整器の電力逆潮流原因判定方法及び該判定方法を実施す
る判定装置を提供することにある。
【0034】本発明の他の目的は、配電用自動電圧調整
器で生じた電力の逆潮流の原因に応じて該自動電圧調整
器の動作モードを最適なモードに切り換えることができ
るようにした逆潮流時配電用自動電圧調整器制御方法を
提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる逆潮流原
因判定方法は、配電系統に設置された配電用自動電圧調
整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
整器の電力逆潮流原因判定方法に係わるもので、本発明
においては、自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれ
ぞれ生じる電圧の変化を検出し、自動電圧調整器で電力
の逆潮流が生じていることが検出され、かつ自動電圧調
整器の一次側で二次側よりも大きな電圧の変化が生じた
ことが検出されたときに、自動電圧調整器の一次側が電
源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電所
に接続される系統切換が行われたことに起因して電力の
逆潮流(系統切換に起因する電力の逆潮流)が生じてい
ると判定する。また自動電圧調整器で電力の逆潮流が生
じていることが検出され、かつ自動電圧調整器の二次側
で一次側よりも大きな電圧の変化が生じたことが検出さ
れたときに、自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接
続されて分散電源が二次側で連系していることに起因し
て電力の逆潮流(分散電源に起因する電力の逆潮流)が
生じていると判定する。
【0036】上記一次側及び二次側の電圧の変化は、自
動電圧調整器の調整動作(負荷時タップ切換式の自動電
圧調整器ではタップ切換動作)が行われたときに生じる
電圧の変化である。上記一次側及び二次側の電圧変化は
常時行わせるようにしてもよいが、逆潮流の原因の判定
を確実にするためには、自動電圧調整器の調整動作が行
われた際に該自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれ
ぞれ生じる電圧の変化を検出するようにする(調整動作
が行われていないときに検出された電圧変化は無視す
る)のが好ましい。
【0037】また電力の逆潮流の原因の判定は、逆潮流
が検出された後、最初にタップ切換が行われたときに行
ってもよいが、逆潮流の原因を遅滞なく検出するために
は、電力の逆潮流が検出されたときに、負荷に与える影
響が少い方向(昇圧側または降圧側)にタップを1タッ
プだけ強制的に切り換えて、その時の電圧変化を検出す
るようにするのが好ましい。
【0038】配電用自動電圧調整器としては、負荷時タ
ップ切換式のものが多く用いられている。負荷時タップ
切換式の配電用自動電圧調整器が用いられる場合には、
該自動電圧調整器のタップが切り換えられたときに自動
電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じる電圧の
変化を検出するようにするのが好ましい。
【0039】上記のように、自動電圧調整器が設けられ
た配電系統において、自動電圧調整器で電力の逆潮流が
生じている状態では、自動電圧調整器による調整動作が
行われたときに、自動電圧調整器の一次側及び二次側で
電圧の変化が生じる。
【0040】ここで自動電圧調整器として負荷時タップ
切換式のものが用いられているとし、図4(C),
(D)に示したように、自動電圧調整器4の二次側の配
電線が他系統の電源変電所に接続され、電力の逆潮流が
生じている状態を考える。この状態では、他系統の電源
変電所が安定電源として自動電圧調整器4の二次側の配
電線に接続されているので、自動電圧調整器でタップが
切り換えられると、自動電圧調整器4の二次側の電圧は
ほとんど変化しないが、一次側の電圧はタップ切換方向
と同じ方向に少なくとも1タップ分変化する。従って、
系統切換により電力の逆潮流が生じている状態では、自
動電圧調整器4のタップが切り換えられたときに該自動
電圧調整器の二次側の電圧は変化しないが、一次側では
電圧が1タップ分変化する。
【0041】これに対し、図2(A),(C)及び図3
(A),(C)に示したように、自動電圧調整器の二次
側で分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮
流が生じている状態では、安定電源である電源変電所が
自動電圧調整器の一次側の配電線に接続されているの
で、自動電圧調整器のタップが切り換えられると、自動
電圧調整器の一次側の電圧はほとんど変化しないが、二
次側では顕著な電圧変化が生じる。
【0042】上記のように、電力の逆潮流が生じている
状態で自動電圧調整器のタップ切換が行われると、その
逆潮流が系統切換に起因するものであるときには、自動
電圧調整器の一次側で顕著な電圧変化が生じ、その逆潮
流が系統切換によるものではなく、分散電源に起因する
ものであるときには、自動電圧調整器の二次側で顕著な
電圧変化が生じる。
【0043】実際に、系統切換により電力の逆潮流が生
じている状態で自動電圧調整器の調整動作が行われたと
きの自動電圧調整器の一次側及び二次側の電圧の変化
と、系統切換が行われていない状態で分散電源に起因し
て電力の逆潮流が生じている状態で、自動電圧調整器の
電圧調整動作が行われたときの一次側及び二次側の電圧
の変化とを検証した結果、系統切換に起因して電力の逆
潮流が生じている状態では、自動電圧調整器の電圧調整
動作が行われたときにその一次側で二次側よりも大きな
電圧の変化が生じ(実質的に一次側のみで電圧の変化が
生じ)、二次側で分散電源が連系していることに起因し
て電力の逆潮流が生じている状態では、自動電圧調整器
で電圧調整換動作が行われたときにその二次側で一次側
よりも大きな電圧の変化が生じる(実質的に二次側のみ
で電圧の変化が生じる)ことが明らかになった。
【0044】従って、逆送継電器のような電力逆潮流検
出装置により、配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が
生じていることが検出されたときに、自動電圧調整器の
一次側及び二次側でそれぞれ生じる電圧の変化を検出す
ると、自動電圧調整器の一次側で二次側よりも大きな電
圧の変化が検出されたときに系統切換に起因する電力の
逆潮流が生じていると判定することができ、また自動電
圧調整器の二次側で一次側よりも大きな電圧の変化が生
じたことが検出されたときに分散電源に起因する電力の
逆潮流が生じていると判定することができる。
【0045】上記の説明では、自動電圧調整器の一次側
で二次側よりも大きな電圧の変化が検出されたときに自
動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り離されて二
次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行わ
れたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
し、自動電圧調整器の二次側で一次側よりも大きな電圧
の変化が生じたことが検出されたときに自動電圧調整器
の一次側が電源変電所に接続されて分散電源が二次側で
連系していることに起因して電力の逆潮流が生じている
と判定するとしたが、自動電圧調整器で電力の逆潮流が
生じていることが検出され、かつ自動電圧調整器の一次
側でしきい値以上の電圧の変化が生じたことが検出され
たときに自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り
離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
ると判定し、自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じてい
ることが検出され、かつ自動電圧調整器の二次側でしき
い値以上の電圧変化が生じたことが検出されたときに自
動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて分散電
源が二次側で連系していることに起因して電力の逆潮流
が生じていると判定するようにしてもよい。
【0046】また本発明においては、自動電圧調整器で
電力の逆潮流が生じていることが検出され、かつ前記自
動電圧調整器の一次側電圧の時間的変化率が二次側電圧
の時間的変化率(微分値)よりも大きいときに、自動電
圧調整器の一次側が電源変電所から切り離されて二次側
が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われた
ことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、自
動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが検出さ
れ、かつ自動電圧調整器の二次側電圧の時間的変化率が
一次側電圧の時間的変化率よりも大きいときに、自動電
圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて分散電源が
二次側で連系していることに起因して電力の逆潮流が生
じていると判定するようにしてもよい。
【0047】一次側電圧の時間的変化率と二次側電圧の
時間的変化率の大小を判定するには、例えば一次側電圧
を整流して得た一次側電圧の平均値Va1の微分値D1 =
dVa1/dtと、二次側電圧を整流して得た二次側電圧
の平均値Va2の微分値D2 =dVa2/dtとの差D1 −
D2 の絶対値がしきい値以下であるか否かを判定するよ
うにすればよい。
【0048】本発明に係わる逆潮流原因判定方法を実施
する逆潮流原因判定装置は、例えば、自動電圧調整器の
一次側及び二次側の電圧をそれぞれ検出する第1の電圧
検出装置及び第2の電圧検出装置と、第1の電圧検出装
置の出力及び第2の電圧検出装置の出力をそれぞれデジ
タル値に変換して第1の電圧検出値及び第2の電圧検出
値を出力する第1及び第2のA/D変換器と、第1の電
圧検出値及び第2の電圧検出値をそれぞれ一定のサンプ
リング周期でサンプリングして、それぞれの検出値をサ
ンプリングする毎に、今回サンプリングされた第1の電
圧検出値と前回以前のサンプリング時にサンプリングさ
れた第1の電圧検出値との差である第1の電圧変化分及
び今回サンプリングされた第2の電圧検出値と前回以前
のサンプリング時にサンプリングされた第2の電圧検出
値との差である第2の電圧変化分を演算する電圧変化分
演算手段と、第1の電圧変化分と第2の電圧変化分との
差を逆潮流原因判定値として演算する逆潮流原因判定値
演算手段と、電力逆潮流検出装置により自動電圧調整器
で電力の逆潮流が生じていることが検出されている状態
で逆潮流原因判定値の符号から第1の電圧変化分が第2
の電圧変化分よりも大きいと判定されたときに自動電圧
調整器の一次側が電源変電所から切り離されて二次側が
他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われたこ
とに起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、電力
逆潮流検出装置により自動電圧調整器で電力の逆潮流が
生じていることが検出されている状態で逆潮流原因判定
値の符号から第2の電圧変化分が第1の電圧変化分より
も大きいと判定されたときに自動電圧調整器の一次側が
電源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系してい
ることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する
電力逆潮流原因判定手段とを備えることにより構成でき
る。
【0049】電力の逆潮流が生じている状態で、自動電
圧調整器による電圧調整動作が行われたときに、その一
次側及び二次側で生じる電圧の変化は調整変圧器の1タ
ップ分に相当する微小なものである。上記のように、電
圧の検出値をデジタル値に変換して、その変化を検出す
るようにすると、自動電圧調整器のタップ切換時の電圧
変化を高い分解能をもって正確に検出することができる
ので、電力の逆潮流の原因の判定を高精度で確実に行う
ことができる。
【0050】また上記のように構成すると、自動電圧調
整器の一次側電圧の変化と二次側電圧の変化との差の符
号を見るだけで電力の逆潮流の原因を判定でき、複雑な
演算を必要としないため、判定装置の構成を簡単にする
ことができる。
【0051】なお上記逆潮流原因判定手段は、電力逆潮
流検出装置により電力の逆潮流が生じていることが検出
されていて、かつ第1の電圧変化分がしきい値以上であ
るときに該電力の逆潮流が系統切換に起因したものであ
ると判定し、電力逆潮流検出装置により電力の逆潮流が
生じていることが検出されていて、かつ第2の電圧変化
分がしきい値以上であるときに分散電源に起因した電力
の逆潮流が生じていると判定するように構成することも
できる。
【0052】このように構成すると、電圧変化分の演算
や逆潮流原因判定値の演算を行う必要がないため、判定
装置の構成を簡単にすることができる。
【0053】また上記逆潮流原因判定装置は、自動電圧
調整器で電力の逆潮流が生じたことを検出する電力逆潮
流検出装置と、自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側
電圧をそれぞれ検出する第1及び第2の電圧検出器と、
第1の電圧検出器の出力及び第2の電圧検出器の出力を
それぞれ整流する第1及び第2の整流器と、第1の整流
器の出力及び第2の整流器の出力をそれぞれ微分する第
1及び第2の微分器と、電力逆潮流検出装置により自動
電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが検出され
ている状態で第1の微分器の出力が第2の微分器の出力
よりも大きいことが検出されたときに自動電圧調整器の
一次側が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の
電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因
して電力の逆潮流が生じていると判定し、電力逆潮流検
出装置により自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じてい
ることが検出されている状態で第2の微分器の出力が第
1の微分器の出力よりも大きいことが検出されたときに
自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて分散
電源が二次側で連系していることに起因して電力の逆潮
流が生じていると判定する電力逆潮流原因判定手段とを
備えることにより構成することもできる。
【0054】上記逆潮流原因判定装置において、デジタ
ル処理により整流器の出力の微分値を求めるようにする
こともできる。この場合には、第1の整流器の出力及び
第2の整流器の出力をそれぞれデジタル値に変換して第
1の電圧検出値及び第2の電圧検出値を出力する第1及
び第2のA/D変換器と、第1の電圧検出値及び第2の
電圧検出値をそれぞれ一定のサンプリング周期でサンプ
リングして、それぞれの検出値をサンプリングする毎
に、前回以前のサンプリング時から今回のサンプリング
時までの第1の電圧検出値の時間的変化率である第1の
電圧変化率と、前回以前のサンプリング時から今回のサ
ンプリング時までの第2の電圧検出値の時間的変化率で
ある第2の電圧変化率とを演算する電圧変化率演算手段
とを設ける。
【0055】またこの場合電力逆潮流原因判定手段は、
電力逆潮流検出装置により自動電圧調整器で電力の逆潮
流が生じていることが検出されている状態で第1の電圧
変化率が第2の電圧変化率よりも大きいことが検出され
たときに自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り
離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
ると判定し、電力逆潮流検出装置により自動電圧調整器
で電力の逆潮流が生じていることが検出されている状態
で第2の電圧変化率が第1の電圧変化率よりも大きいこ
とが検出されたときに自動電圧調整器の一次側が電源変
電所に接続されて分散電源が二次側で連系していること
に起因して電力の逆潮流が生じていると判定するように
構成する。
【0056】本発明に係わる電力逆潮流時配電用自動電
圧調整器制御方法は、二次側電圧を目標電圧に保つよう
に調整する二次側電圧調整モードと、一次側電圧を目標
電圧に保つように調整する一次側電圧調整モード及び調
整変圧器のタップを予め定めたタップに固定するタップ
固定モードの少なくとも一方とに動作モードを切り換え
得る配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定し
て、その判定結果に応じて前記配電用自動電圧調整器の
動作モードを決定する方法で、本発明においては、系統
切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
ると判定されたときに自動電圧調整器の動作モードを、
タップ固定モードまたは一次側電圧調整モードとし、分
散電源が二次側で連系していることに起因して電力の逆
潮流が生じていると判定されたときには、自動電圧調整
器の動作モードを電力が順送されているときの動作モー
ドである二次側電圧調整モードとする。
【0057】上記のように、電力の逆潮流が二次側で分
散電源が連系していることに起因することが検出された
ときに、自動電圧調整器の動作モードを電力が順送され
ている定常時の動作モードである二次側電圧調整モード
のままとすると、動作モードを一次側電圧調整モードに
切り換えた場合のように、自動電圧調整器の二次側の電
圧が異常に低下するのを防いで、電圧の品質を維持する
ことができる。
【0058】
【発明の実施の形態】図6は、本発明に係わる電力逆潮
流時自動電圧調整器制御方法を実施する制御装置の構成
を示したもので、同図において40は例えば完全逆送形
の負荷時タップ切換式SVR、2及び6はそれぞれSV
R40の一次側及び二次側の配電線である。
【0059】完全逆送形のSVR40は例えば図7に示
すように構成される。図7において20はタップt1 〜
t9 を備えた調整変圧器、21はモード切換信号Vt に
応じて調整変圧器20のタップt1 〜t9 を切り換える
負荷時タップ切換器、24a及び24bはそれぞれ調整
変圧器の一次側及び二次側の電圧を検出する第1の計器
用変圧器24a及び第2の計器用変圧器24bである。
第1の計器用変圧器24aの二次コイルの両端には第1
の電圧調整継電器25aと第1のLDC26a(線路電
圧降下補償器)とが直列に接続され、第2の計器用変圧
器24bの二次コイルの両端には第2の電圧調整継電器
25bと第2のLDC26bとが直列に接続されてい
る。また一次側配電線2及び二次側配電線6の線路電流
を検出する第1及び第2の変流器27a及び27bが設
けられていて、これらの変流器27a及び27bの出力
がそれぞれ第1及び第2のLDC26a及び26bに入
力されている。
【0060】第1の電圧調整継電器25aは、第1の計
器用変圧器24aの出力電圧から一次側配電線2の電圧
を検出して、一次側の電圧Vp を目標電圧に保つように
(一次側電圧調整モードで)タップ切換指令Vtaを発生
する。また第2の電圧調整継電器25bは、第2の計器
用変圧器24bの出力電圧から二次側配電線6の電圧を
検出して、二次側の電圧Vs を目標電圧に保つように
(二次側電圧調整モードで)タップ切換指令Vtbを発生
する。電圧調整継電器25a及び25bがそれぞれ発生
するタップ切換指令Vta及びVtbは動作モード切換回路
28を通して負荷時タップ切換器21に与えられてい
る。動作モード切換回路28は電力逆潮流原因判定装置
30が判定結果に応じて発生する原因判定信号Vj に応
じてタップ切換指令Vta及びVtbのいずれかを選択して
負荷時タップ切換器21にモード切換信号Vt を与える
回路である。
【0061】LDC26aは、一次側配電線2の線路イ
ンピーダンスを模擬した抵抗とリアクタンスとから成っ
ていて、該抵抗及びリアクタンスに変流器27aの出力
電流が流れるようになっている。LDC26aの両端に
は線路インピーダンスによる電圧降下に比例した電圧降
下が生じ、この電圧降下分だけ電圧調整継電器25aに
印加される電圧が低くなることにより、一次側配電線2
の線路インピーダンスによる電圧降下が補償される。
【0062】同様に、LDC26bは、二次側配電線6
の線路インピーダンスを模擬した抵抗とリアクタンスと
から成っていて、該抵抗及びリアクタンスに変流器27
bの出力電流が流れるようになっている。LDC26b
の両端には線路インピーダンスによる電圧降下に比例し
た電圧降下が生じ、この電圧降下分だけ電圧調整継電器
25bに印加される電圧が低くなることにより、二次側
配電線6の線路インピーダンスによる電圧降下が補償さ
れる。
【0063】図6に示した判定装置30は、SVR40
の一次側及び二次側の電圧をそれぞれ検出する第1の電
圧検出装置31a及び第2の電圧検出装置31bを備
え、第1及び第2の電圧検出装置31a及び31bの出
力がそれぞれ第1及び第2のピーク検出回路32a及び
32bに入力されている。第1及び第2のピーク検出回
路32a及び32bの出力はそれぞれ第1及び第2のト
ラックホールド(T/H)回路33a及び33bを通し
て第1及び第2のA/D変換器(アナログ/デジタル変
換器)34a及び34bに入力され、これらの変換器か
ら得られるデジタル信号がマイクロコンピュータ35に
入力されている。また36はSVR40で電力の逆潮流
が生じたことを検出する公知の逆送継電器(67リレ
ー)で、この逆送継電器の出力は、マイクロコンピュー
タ35に与えられている。マイクロコンピュータ35は
電力の逆潮流原因の判定結果に応じて、SVR40の動
作モードを切り換えるための原因判定信号Vj をSVR
40の動作モード切換回路28に与える。
【0064】第1の電圧検出装置31a及び第2の電圧
検出装置31bはそれぞれ、図7に示した第1の計器用
変圧器24a及び第2の計器用変圧器24bと、これら
の計器用変圧器の出力を入力として、一次側配電線2及
び二次側配電線6の線路電圧に比例した電圧信号を出力
するバッファ回路とにより構成することができる。
【0065】図示の例では、第1及び第2の電圧検出装
置31a及び31bと、第1及び第2のピーク検出回路
32a及び32bと、第1及び第2のトラックホールド
回路33a及び33bと、第1及び第2のA/D変換器
34a及び34bと、マイクロコンピュータ35と、逆
送継電器36とにより電力逆潮流原因判定装置30が構
成されている。
【0066】逆送継電器36は、SVR40の一次側ま
たは二次側の配電線のU相及びW相間の電圧を検出する
計器用変圧器の出力信号と、U相及びW相の線路電流を
それぞれ検出する変流器の合成出力とを入力として、U
相,W相間の電圧ベクトルと、U相及びW相の線路電流
の合成ベクトルとの位相差を検出することにより、電力
が順送されているか逆送されているかを検出する。
【0067】図6に示された制御装置において、第1及
び第2の電圧検出装置31a及び31bはそれぞれ、S
VR40の一次側の配電線電圧及び二次側の配電線電圧
にそれぞれ比例した検出信号電圧を第1及び第2のピー
ク検出回路32a及び32bに入力する。第1及び第2
のピーク検出回路32a及び32bはそれぞれ入力信号
のピーク値を検出して、SVR40の一次側の配電線電
圧及び二次側の配電線電圧のピーク値を示すアナログ信
号を第1及び第2のトラックホールド回路33a及び3
3bに与える。トラックホールド回路33a及び33b
はそれぞれA/D変換器34a及び34bがアナログ信
号をデジタル信号に変換するために要する処理時間の
間、ピーク検出回路32a及び32bが出力した信号を
保持する回路で、トラックホールド回路33a及び33
bはそれぞれSVR40の一次側の配電線電圧及び二次
側の配電線電圧のピーク値に相応した大きさを有するア
ナログ信号をA/D変換器34a及び34bに与える。
【0068】第1及び第2のA/D変換器34a及び3
4bはそれぞれピーク検出回路32a及び32bが検出
した一次側の配電線電圧のピーク値及び二次側の配電線
電圧のピーク値を与えるアナログ信号の大きさをデジタ
ル値に変換して、これらのデジタル値を第1の電圧検出
値及び第2の電圧検出値としてマイクロコンピュータ3
5に与える。
【0069】マイクロコンピュータ35は、所定のプロ
グラムを実行することにより、電圧変化分演算手段と、
逆潮流原因判定値演算手段と、電力逆潮流原因判定手段
とを実現する。
【0070】マイクロコンピュータが実現する電圧変化
分演算手段は、第1及び第2のA/D変換器34a及び
34bが出力する第1の電圧検出値(一次側電圧のピー
ク値)及び第2の電圧検出値(二次側電圧のピーク値)
をそれぞれ一定のサンプリング周期でサンプリングし
て、例えば図8(A)及び(B)に示すようにサンプリ
ング時間T1 ,T2 ,…においてそれぞれサンプリング
した第1の電圧検出値V1 ,V2 ,…及び第2の電圧検
出値V1 ´,V2 ´,…を順次メモリに記憶させる。
【0071】電圧変化分演算手段はまた、第1の電圧検
出値及び第2の電圧検出値をサンプリングする毎に、第
1の電圧検出値の今回のサンプリング値と前回以前のサ
ンプリング時にサンプリングされた第1の電圧検出値の
サンプリング値との差を第1の電圧変化分として演算
し、第2の電圧検出値の最新のサンプリング値と前回以
前にサンプリングされた第2の電圧検出値のサンプリン
グ値との差を第2の電圧変化分として演算して、それぞ
れの演算結果をメモリに記憶させる。
【0072】逆潮流原因判定値演算手段は、上記第1の
電圧変化分と第2の電圧変化分との差を逆潮流原因判定
値として演算して、その演算結果をメモリに記憶させ
る。逆潮流原因判定値を演算する際には、第1の電圧変
化分から第2の電圧変化分を減じてもよく、第2の電圧
変化分から第1の電圧変化分を減じてもよいが、本実施
形態では、第1の電圧変化分から第2の電圧変化分を減
じるものとする。
【0073】電力逆潮流原因判定手段は、逆送継電器3
6により電力の逆潮流が検出されたときに上記逆潮流原
因判定値の符号が正であるか負であるかを判定して、逆
潮流原因判定値の符号から第1の電圧変化分が第2の電
圧変化分よりも小さいと判定されたときに分散電源に起
因した電力の逆潮流が生じていると判定し、逆潮流原因
判定値の符号から第1の電圧変化分が第2の電圧変化分
よりも大きいと判定されたときに系統切換に起因した電
力の逆潮流が生じていると判定する。
【0074】図8(A)及び(B)は、図4(C)また
は(D)に示すようにSVR40の一次側の配電線が変
電所から切り離され、該SVRの二次側が他系統の電源
変電所に接続される系統切換が行われて電力の逆潮流
(系統切換による電力の逆潮流)が生じている状態で、
調整変圧器のタップが一次側から見て昇圧方向(二次側
電圧を上昇させる方向)に切り換えられたときの一次側
配電線電圧及び二次側配電線電圧の変化を示している。
これらの図においてT1 ,T2 ,…はサンプリング時間
を示し、V1 ,V2 ,…はそれぞれサンプリング時間T
1 ,T2 ,…にサンプリングされた第1の電圧検出値
(ピーク電圧値)を示している。またV1',V2',…は
それぞれサンプリング時間T1 ,T2 ,…にサンプリン
グされた第2の電圧検出値を示している。
【0075】この例では、サンプリング時間T4 におい
て調整変圧器のタップが1タップ切り換えられている。
SVRの二次側で系統切換が行われた状態では、SVR
の二次側に安定電源である変電所が接続され、SVRの
一次側は変電所から切り離されているので、図8(B)
に示すようにタップ切換が行われてもSVRの二次側の
電圧はほとんど変化しないが、一次側の電圧は図8
(A)に示すように1タップ分だけタップ切換の方向と
反対方向に変化する。図示の例では、タップが一次側か
ら見て昇圧方向に1タップ切り換えられているが、この
タップ切換方向は、二次側から見ると降圧方向であるの
で、SVRの一次側電圧はタップ切換が行われたときに
1タップ分だけ低下する。
【0076】図9(A)及び(B)は、同じくSVR4
で系統切換による逆潮流が生じている状態で、調整変圧
器のタップが一次側から見て降圧方向(二次側電圧を低
下させる方向)に1タップ切り換えられたときの一次側
電圧及び二次側電圧の変化を示している。この場合に
は、タップ切換が行われたときに二次側電圧はほとんど
変化しないが、一次側電圧は1タップ分だけ上昇する。
【0077】図10(A)及び(B)は、図2(A),
(C)または図3(A),(C)に示すように、SVR
の一次側が電源変電所に接続され、二次側が電源変電所
から切り離されている状態(二次側系統切換が行われて
いない状態)で、二次側で分散電源が連系していること
に起因して電力の逆潮流が生じている場合に、サンプリ
ング時間T4 においてタップが一次側から見て昇圧方向
(二次側電圧を上昇させる方向)に1タップ切り換えら
れたときの一次側電圧及び二次側電圧の変化を示してい
る。二次側系統切換が行われていないときには、SVR
の一次側の配電線が安定電源である電源変電所に接続さ
れているので、系統に接続されている分散電源に起因し
て逆潮流が生じている状態でタップが昇圧側に切り換え
られると、図10(A)に示すようにSVRの一次側電
圧はほとんど変化しないが、二次側電圧は図10(B)
に示すようにタップの切り換え方向と同方向に変化す
る。図11(A)及び(B)は、系統切換が行われてい
ない状態で、分散電源に起因して電力の逆潮流が生じて
いる場合に、サンプリング時間T4 においてタップが降
圧方向(二次側電圧を低下させる方向)に1タップ切り
換えられたときの一次側電圧及び二次側電圧の変化を示
している。この場合は、SVRの一次側の電圧はほとん
ど変化しないが、二次側電圧が1タップ分だけ下降す
る。
【0078】上記のように、SVRにおいて系統切換に
起因して電力の逆潮流が生じているときには、SVRの
タップが切り換えられたときに、その一次側で二次側よ
りも大きな電圧変化が生じ、分散電源に起因する電力の
逆潮流が生じたときには、タップが切り換えられたとき
にSVRの二次側で一次側よりも大きな電圧変化が生じ
る。従って、これらの電圧変化を検出することにより、
電力の逆潮流が、二次側で系統切換が行われたことに起
因するものであるのか、二次側で分散電源が連系したこ
とに起因するものであるのかを判定することができる。
【0079】本発明においては、上記一次側電圧の変化
を検出するために、例えばSVRの一次側電圧のピーク
値である第1の電圧検出値がサンプリングされる毎に、
今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング時にサ
ンプリングされてメモリに記憶されているサンプリング
値との差の絶対値を第1の電圧変化分として演算する。
【0080】また二次側電圧の変化を検出するために、
SVRの二次側電圧のピーク値である第2の電圧検出値
がサンプリングされる毎に、今回のサンプリング値と前
回以前のサンプリング時にサンプリングされてメモリに
記憶されているサンプリング値との差の絶対値を第2の
電圧変化分として演算する。そして、逆潮流原因判定値
演算手段により、上記第1の電圧変化分から第2の電圧
変化分を引き算して逆潮流原因判定値を演算して、この
逆潮流原因判定値の符号から第1の電圧変化分が第2の
電圧変化分よりも小さいと判定されたときに分散電源に
起因した電力の逆潮流が生じていると判定し、逆潮流原
因判定値の符号から第1の電圧変化分が第2の電圧変化
分よりも大きいと判定されたときに系統切換に起因した
電力の逆潮流が生じていると判定する。
【0081】なおSVRの一次側電圧の変化分及び二次
側電圧の変化分を求める際には、サンプリングのタイミ
ングとタップ切換のタイミングとが一致すると計測され
る電圧値が不安定になり、また差をとるサンプリング値
のサンプリング時間が離れ過ぎているとタップ切換以外
の系統の電圧変化の影響を受けてタップ切換による電圧
の変化分を正確に検出できなくなるので、今回の(最新
の)サンプリング値と前回のサンプリング値との差をと
るのではなく、今回のサンプリング値と前々回のサンプ
リング時のサンプリング値との差をとるようにするのが
好ましい。
【0082】即ち、図8ないし図11に示したようにサ
ンプリングが行われる場合には、第1の電圧検出値(一
次側電圧のピーク値)V3 ,V4 ,…がサンプリングさ
れる毎に、今回のサンプリング値と前々回のサンプリン
グ値との差V3 −V1 ,V4−V2 ,…を演算してそれ
ぞれの絶対値をとることにより第1の電圧変化分を演算
し、第2の電圧検出値(二次側電圧のピーク値)V3',
V4',…がサンプリングされる毎に、V3'−V1',V4'
−V2',…を演算してそれぞれの絶対値をとることによ
り第2の電圧変化分を演算するのが好ましい。
【0083】図8及び図9に示した例において、第1の
電圧検出値V3 ,V4 ,…がサンプリングされる毎に、
V3 −V1 ,V4 −V2 ,…の絶対値を演算して第1の
電圧変化分を演算し、第2の電圧検出値V1',V2',…
がサンプリングされる毎に、V3'−V1',V4'−V2',
…の絶対値を演算して、第1の電圧変化分から対応する
第2の電圧変化分を減算することにより、逆潮流原因判
定値を演算した結果を表1に示した。
【0084】
【表1】 図8及び図9に示したように、二次側系統切換が行われ
たことに起因する電力の逆潮流が生じていても、タップ
が切り換えられない場合(タップが固定されている場
合)には、逆潮流原因判定値が零である。これに対し、
系統切換に起因して電力の逆潮流が生じている状態でタ
ップが切り換えられたときには、SVRの一次側で二次
側よりも大きな電圧変化が生じるため、SVRのタップ
が昇圧方向及び降圧方向のいずれの方向に切り換えられ
た場合も、上記逆潮流原因判定値の符号は正になる。
【0085】また二次側で分散電源が連系していること
に起因して電力の逆潮流が生じている状態でタップが切
り換えられたときには、図10及び図11に示したよう
に、SVRの二次側で一次側よりも大きな電圧変化が生
じるため、SVRの一次側の電圧の変化分(絶対値)か
ら二次側の電圧の変化分(絶対値)を減算して求めた逆
潮流原因判定値の符号は負になる。
【0086】従って、これら判定値の符号を見ることに
より、電力の逆潮流の原因が系統切換によるものか、分
散電源によるものかを判定することができる。
【0087】本発明においては、上記のようにして、S
VRで生じた電力の逆潮流が系統切換に起因するもので
あるのか、分散電源に起因するものであるのかを判定し
て、SVRで生じた電力の逆潮流が系統切換に起因する
ものであると判定されたときには、SVRの動作モード
を、SVRの一次側の電圧を目標電圧に保つように調整
する一次側電圧調整モードとする。またSVRで生じた
電力の逆潮流が分散電源に起因するものであると判定さ
れたときには、SVRの動作モードを電力が順送されて
いる定常時の動作モードである二次側電圧調整モードの
ままとする。
【0088】上記のように、逆潮流原因判定値の符号か
ら逆潮流の原因を判定して、その判定結果に基づいてS
VRの動作モードを切り換えるように制御する場合に、
マイクロコンピュータ35が実行するプログラムのアル
ゴリズムの一例を示すと図12のようになる。
【0089】即ち、このアルゴリズムによりSVRを制
御する場合には、先ずステップ1において逆送継電器3
6により電力の逆潮流が生じているか否かを判定する。
その結果電力の逆潮流が検出されていないと判定された
ときには、ステップ2に移行してSVR40の動作モー
ドを二次側電圧調整モードとする。このときマイクロコ
ンピュータ35は、SVR40の電圧調整継電器25b
が発生するタップ切換指令Vtbを負荷時タップ切換器2
1に与えるように、動作モード切換回路28に原因判定
信号Vj を与える。このときタップ切換器21は、電圧
調整継電器25bが発生するタップ切換指令に応じて調
整変圧器20のタップを切り換えて調整変圧器の二次側
の配電線の電圧を目標電圧に保つように電圧調整を行
う。ステップ2においてSVRの動作モードを二次側電
圧調整モードとした後、電力の逆潮流が検出されている
か否かを判定するステップ1に戻る。
【0090】またステップ1において逆送継電器36が
電力の逆潮流を検出していると判定されたときには、ス
テップ3に移行して、一次側電圧がサンプリングされた
時に今回サンプリングされた一次側電圧のサンプリング
値Vn と前々回のサンプリング時にサンプリングされた
サンプリング値Vn-2 との差の絶対値を第1の電圧変化
分ΔV1 として演算し、続いてステップ4において、二
次側電圧がサンプリングされた時に今回サンプリングさ
れた二次側電圧のサンプリング値Vn'と前々回のサンプ
リング時にサンプリングされたサンプリング値Vn-2'と
の差の絶対値を第2の電圧変化分ΔV2 として演算す
る。
【0091】次いでステップ5において、第1の電圧変
化分ΔV1 から第2の電圧変化分ΔV2 を演算して、逆
潮流原因判定値F(=ΔV1 −ΔV2 )を演算し、ステ
ップ6において、判定値Fの符号が正であるか否かを判
定する。その結果判定値Fの符号が正である場合(電力
の逆潮流が系統切換に起因している場合)には、ステッ
プ7に移行してSVR40の動作モードを一次側電圧調
整モードとするべくSVRの動作モード切換回路28に
原因判定信号Vj を与える。
【0092】このとき動作モード切換回路28は、電圧
調整継電器25aが発生するタップ切換指令Vtaを負荷
時タップ切換器21に与えて、調整変圧器20の一次側
電圧を目標電圧に保つように電圧調整動作を行わせる。
【0093】またステップ6において判定値Fの符号が
正でないと判定されたときには、ステップ8に移行して
判定値Fが負であるか否かを判定し、判定値が負である
場合(二次側で分散電源が連系していることに起因して
電力の逆潮流が生じている場合)には、ステップ9に移
行してSVR40の動作モードを二次側電圧調整モード
とするべくSVRの動作モード切換回路28に原因判定
信号Vj を与える。ステップ9で動作モードを二次側電
圧調整モードとした後ステップ1に戻る。
【0094】ステップ8において、判定値Fが負でない
と判定されたとき(タップ切換が行われていないためF
=0のとき)にはステップ1に戻り、タップ切換が行わ
れて判定値Fが正または負になるまでステップ3ないし
8を繰り返す。
【0095】上記のように、逆潮流の原因が分散電源に
あることが検出されたときに、SVRの動作モードを電
力が順送されている定常時の動作モードである二次側電
圧調整モードのままとすると、二次側で分散電源が連系
していることに起因して電力の逆潮流が生じているとき
に動作モードを一次側電圧調整モードとした場合のよう
に、SVRの二次側の電圧が異常に低下するのを防ぐこ
とができるため、電力の逆送時にも系統の電圧の品質を
維持することができる。
【0096】図12に示したアルゴリズムによる場合に
は、ステップ3及び4により第1の電圧検出値及び第2
の電圧検出値をそれぞれ一定のサンプリング周期でサン
プリングして、それぞれの検出値をサンプリングする毎
に、今回サンプリングされた第1の電圧検出値と前回以
前のサンプリング時にサンプリングされた第1の電圧検
出値との差である第1の電圧変化分及び今回サンプリン
グされた第2の電圧検出値と前回以前のサンプリング時
にサンプリングされた第2の電圧検出値との差である第
2の電圧変化分を演算する電圧変化分演算手段が実現さ
れる。
【0097】またステップ5により第1の電圧変化分と
第2の電圧変化分との差を逆潮流原因判定値として演算
する逆潮流原因判定値演算手段が実現される。
【0098】更に、ステップ6及び8により、電力逆潮
流検出装置によりSVRで電力の逆潮流が生じているこ
とが検出されている状態で逆潮流原因判定値の符号から
第1の電圧変化分が第2の電圧変化分よりも大きいと判
定されたときにSVRの一次側が電源変電所から切り離
されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切
換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じている
と判定し、電力逆潮流検出装置によりSVRで電力の逆
潮流が生じていることが検出されている状態で逆潮流原
因判定値の符号から第2の電圧変化分が第1の電圧変化
分よりも大きいと判定されたときにSVRの一次側が電
源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系している
ことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する電
力逆潮流原因判定手段が実現される。
【0099】そして、第1の電圧検出装置31a及び第
2の電圧検出装置31bと、第1及び第2のA/D変換
器34a及び34bと、マイクロコンピュータ35によ
り実現される上記電圧変化分演算手段、逆潮流原因判定
値演算手段、及び電力逆潮流原因判定手段により、本発
明に係わる電力逆潮流原因判定装置が構成される。
【0100】図12に示した例では、電力の逆潮流が検
出されたときに、SVRでタップが切り換えられて一次
側電圧及び二次側電圧に変化が現れるのを待つようにし
ているが、逆送継電器などの逆潮流検出装置により電力
の逆潮流が検出されたときに直ちに逆潮流の原因を調べ
るために系統電圧に大きな影響がない方向にタップを切
り換えるようにしてもよい。
【0101】上記の例では、SVRの一次側で二次側よ
りも大きな電圧の変化が検出されたときにSVRの一次
側が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源
変電所に接続される系統切換が行われたことに起因して
電力の逆潮流が生じていると判定し、SVRの二次側で
一次側よりも大きな電圧の変化が生じたことが検出され
たときにSVRの一次側が電源変電所に接続されて分散
電源が二次側で連系していることに起因して電力の逆潮
流が生じていると判定するとしたが、SVRで電力の逆
潮流が生じていることが検出され、かつSVRの一次側
でしきい値以上の電圧の変化が生じたことが検出された
ときにSVRの一次側が電源変電所から切り離されて二
次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行わ
れたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
し、SVRで電力の逆潮流が生じていることが検出さ
れ、かつSVRの二次側でしきい値以上の電圧変化が生
じたことが検出されたときにSVRの一次側が電源変電
所に接続されて分散電源が二次側で連系していることに
起因して電力の逆潮流が生じていると判定するようにし
てもよい。
【0102】ここで、SVRの調整変圧器のタップ間電
圧が100[V]である場合、その電圧を検出するPT
の変成比を1/60とすると、電力の逆潮流が生じてい
る状態でタップ切換が行われたときに調整変圧器の一次
側または二次側で生じる電圧の変化は1.6[V][=
100×(1/60)]以下で、微小なものであるた
め、本発明の方法を実施するに際しては高い検出精度が
必要になる。したがって、電圧の変化分の演算はデジタ
ル演算により行うのが好ましい。
【0103】上記の例では、SVRの一次側電圧の変化
分と二次側電圧の変化分とを比較するか、または一次側
電圧及び二次側電圧をそれぞれしきい値と比較すること
により電力の逆潮流が二次側で行われた系統切換えによ
るものか、二次側で連系している分散電源に起因するも
のかを判定するようにしたが、本発明においてはまた、
一次側電圧の時間的変化率(微分値)と二次側電圧の時
間的変化率(微分値)とを比較することにより、電力の
逆潮流が生じている原因を判定するようにしてもよい。
【0104】図13及び図14は、一次側電圧の時間的
変化率と二次側電圧の時間的変化率とを比較することに
より、電力の逆潮流が生じている原因を判定する場合の
判定装置の構成を示したもので、図14においてPT1
は、U相ないしW相の一次側配電線2u〜2wのうちの
U相とW相の配電線2u,2w間の電圧を検出する第1
の計器用変圧器、PT2 は、U相ないしW相の二次側配
電線6u〜6wのうちのU相とW相の配電線6u,6w
間の電圧を検出する第2の計器用変圧器であり、第1の
計器用変圧器PT1 及び第2の計器用変圧器PT2 によ
りそれぞれSVRの一次側電圧及び二次側電圧をそれぞ
れ検出する第1及び第2の電圧検出装置が構成されてい
る。
【0105】第2の計器用変圧器PT2 の出力は180
度位相を反転させたU相の電流とW相の電流との合成電
流を検出する変流器CT1 の出力とともに逆送継電器
(67リレー)36に入力されている。逆送継電器36
は、計器用変圧器PT2 により検出されたU相、W相間
の電圧ベクトルと、変流器CT1 により検出されたU相
及びW相の線路電流の合成ベクトルとの位相差を検出す
ることにより、電力が順送されているか逆送されている
かを検出する。逆送継電器36は常開接点36aを有し
ていて、SVR40で電力の逆潮流が生じていることを
検出したときに接点36aを閉じることにより逆電流検
出信号を出力する。接点36aの閉成により与えられる
逆潮流検出信号は計器用変圧器PT1 及びPT2 により
検出される一次側電圧及び二次側電圧の検出値とともに
逆潮流原因判定部50に与えられている。
【0106】なお図7に示すような完全逆送形のSVR
を用いる場合には、調整変圧器の一次側及び二次側にそ
れぞれ設けられている計器用変圧器24a及び24bを
それぞれ上記第1及び第2の計器用変圧器PT1 及びP
T2 として用いることができる。
【0107】逆潮流原因判定部50は例えば図14に示
すように構成される。図14に示した逆潮流原因判定部
50は、計器用変圧器PT1 及びPT2 の出力信号をそ
れぞれ直流信号に変換する第1及び第2の整流器51及
び52と、これらの整流器の出力をそれぞれ微分する第
1の微分器53及び第2の微分器54と、第1の微分器
53の出力D1 と第2の微分器54の出力D2 とを比較
して電力の逆潮流の原因を判定する第1の変化率判定器
55及び第2の変化率判定器56とにより構成されてい
る。この例では、第1の変化率判定器55及び第2の変
化率判定器56により、電力逆潮流原因判定手段57が
構成されている。この電力逆潮流原因判定手段は、電力
逆潮流検出装置によりSVRで電力の逆潮流が生じてい
ることが検出されている状態で第1の微分器53の出力
が第2の微分器54の出力よりも大きいことが検出され
たときにSVR40の一次側が電源変電所から切り離さ
れて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換
が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると
判定して第1の変化率判定器55から判定信号Q1を出
力し、SVRで電力の逆潮流が生じていることが検出さ
れている状態で第2の微分器の出力が第1の微分器の出
力よりも大きいことが検出されたときにSVRの一次側
が電源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系して
いることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定し
て第2の変化率判定器56から判定信号Q2 を出力す
る。
【0108】第1の微分器53及び第2の微分器54
は、それぞれの入力電圧が図15(A)に示すように上
昇した時に、図15(B)に示すようなパルス状の微分
信号を出力する。この微分信号の波高値は、入力電圧の
立上がりが速ければ速いほど高くなり、入力電圧の変化
量が大きければ大きい程高くなる。
【0109】また第1の微分器53及び第2の微分器5
4は、それぞれの入力電圧が図16(A)に示すように
下降した時に、図16(B)に示すようなパルス状の微
分信号を出力する。この微分信号の波高値は、入力電圧
の立下がりが早ければ早い程高くなり、入力電圧の変化
量が大きければ大きい程高くなる。
【0110】第1の変化率判定器55は、第1の微分器
53の出力信号の大きさd1 から第2の微分器54の出
力信号d2 の大きさを減算することにより逆潮流原因判
定値d1 −d2 を演算してその逆潮流原因判定値をしき
い値do と比較し、逆潮流原因判定値がしきい値よりも
大きいとき(判定条件d1 −d2 >do >0が成立した
とき)に、一次側電圧の時間的変化率が二次側電圧の時
間的変化率よりも大きいとして、電力の逆潮流が系統切
換に起因するものであることを示す判定信号Q1 を出力
する。
【0111】第2の変化率判定器56は、第2の微分器
54の出力信号の大きさd2 から第1の微分器53の出
力信号の大きさd1 を減算することにより逆潮流原因判
定値d2 −d1 を演算してその逆潮流原因判定値をしき
い値do と比較し、逆潮流原因判定値がしきい値よりも
大きいとき(判定条件d2 −d1 >do >0が成立した
とき)に、二次側電圧の時間的変化率が一次側電圧の時
間的変化率よりも大きいとして、電力の逆潮流が分散電
源に起因するものであることを示す判定信号Q2 を出力
する。
【0112】SVR40の二次側で系統切換が行われた
ことに起因して電力の逆潮流が生じている状態で、タッ
プが昇圧側に切換えられると、SVRの一次側では図8
(A)に示すように大きな電圧の変化が生じるが、二次
側では電圧の変化はほとんど生じない。またタップが降
圧側に切換えられた場合には、SVRの一次側で図9
(A)に示すような電圧の変化が生じるが、二次側では
ほとんど電圧の変化が生じない。
【0113】したがって、電力の逆潮流の原因が二次側
で行われた系統切換に起因する場合には、タップの切換
え方向の如何に係わりなく、タップ切換え時に図17
(A)に示すように、第1の微分器53から波高値が高
い微分信号が得られるが、第2の微分器54は図17
(B)に示すように微小な微分信号しか発生しない。こ
のときd1 −d2 >do >0の判定条件が成立するた
め、第1の変化率判定器55は、図17(C)に示すよ
うに電力の逆潮流が系統切換えに起因するものであるこ
とを示す判定信号Q1 を出力するが、第2の変化率判定
器56は図17(D)に示すように、判定信号を出力し
ない。
【0114】これに対し、分散電源に起因する電力の逆
潮流が生じている状態でタップ切換えが行われたときに
は、図10及び図11に示したように、SVRの二次側
で一次側よりも大きな電圧の変化が生じる。したがっ
て、この場合は、タップ切換え時に、図18(B)に示
すように第2の微分器54が波高値が高い微分信号を発
生するが、第1の微分器53は図18(A)に示すよう
に微小な微分信号しか出力しない。このとき判定条件d
2 −d1 >do >0が成立するため、第2の変化率判定
器56は、図18(D)に示すように、電力の逆潮流が
分散電源に起因するものであることを示す判定信号Q2
を出力するが、第1の変化率判定器55は図18(C)
に示すように判定信号を出力しない。
【0115】また系統電圧に瞬時的な変化が生じたとき
には、図19(A)及び(B)に示すように第1及び第
2の微分器53及び54がほぼ等しい波高値の微分信号
D1及びD2 を発生するため、判定条件d1 −d2 >do
>0及びd2 −d1 >do>0はいずれも成立せず、図
19(C)及び(D)に示すように第1の変化率判定器
55及び第2の変化率判定器56はいずれも判定信号を
出力しない。
【0116】図14に示した例において、第1及び第2
の微分器53及び54はアナログ回路により構成するこ
とができ、また第1の変化率判定器55及び第2の変化
率判定器57もアナログ演算回路により構成することが
できるが、微分器53及び54と電力逆潮流原因判定手
段57とをマイクロコンピュータを用いて実現すること
もできる。
【0117】上記各微分器をマイクロコンピュータを用
いて実現する場合には、第1及び第2の整流器51及び
52の出力をそれぞれデジタル値に変換して第1の電圧
検出値及び第2の電圧検出値を出力する第1及び第2の
A/D変換器を設けて、これらのA/D変換器の出力を
マイクロコンピュータに入力する。
【0118】また第1の電圧検出値及び第2の電圧検出
値をそれぞれ一定のサンプリング周期でサンプリングし
て、それぞれの検出値をサンプリングする毎に、前回以
前のサンプリング時から今回のサンプリング時までの第
1の電圧検出値の時間的変化率である第1の電圧変化率
と、前回以前のサンプリング時から今回のサンプリング
時までの第2の電圧検出値の時間的変化率である第2の
電圧変化率とを演算する電圧変化率演算手段と、電力逆
潮流検出装置によりSVR40で電力の逆潮流が生じて
いることが検出されている状態で第1の電圧変化率が第
2の電圧変化率よりも大きいことが検出されたときにS
VRの一次側が電源変電所から切り離されて二次側が他
系統の電源変電所に接続される系統切換が行われたこと
に起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、電力逆
潮流検出装置によりSVRで電力の逆潮流が生じている
ことが検出されている状態で第2の電圧変化率が第1の
電圧変化率よりも大きいことが検出されたときにSVR
の一次側が電源変電所に接続されて分散電源が二次側で
連系していることに起因して電力の逆潮流が生じている
と判定する電力逆潮流原因判定手段とをマイクロコンピ
ュータにより実現する。
【0119】上記の例では、タップ付きの調整変圧器の
二次側の電圧を直接配電線に印加する直接式のSVRを
用いたが、電源側の配電線電圧が入力されるタップ付き
の並列変圧器の二次側の電圧を直列変圧器を通して負荷
側の配電線に注入するようにした間接式の負荷時タップ
切換式SVRを用いることもできる。
【0120】またタップ付きの調整変圧器及び負荷時タ
ップ切換器を用いることなく、配電線からとった交流電
圧を整流して得た直流電圧をインバータにより調整電圧
に変換して、該調整電圧を配電線に注入することにより
電圧調整を行うSVRを用いる場合や、誘導電圧調整器
を用いる場合にも、電力の逆潮流発生時に所定の電圧幅
だけ電圧を変化させる調整動作を行わせてそのときの一
次側電圧及び二次側電圧の変化を検出することにより本
発明を適用することもできる。
【0121】上記の例では、SVRの一次側電圧及び二
次側電圧を検出する電圧検出装置として計器用変圧器を
用いているが、他の電圧検出手段を用いてSVRの一次
側電圧及び二次側電圧を検出する電圧検出装置を構成す
ることもできる。
【0122】また本発明に係る電力逆潮流原因判定方法
は、逆送時タップ固定形のSVRが用いられる場合にも
適用することができる。この場合のSVRの動作モード
は、系統切換に起因すると判定されたときにタップ固定
モードとし、分散電源に起因すると判定されたときに二
次側電圧調整モードのままとする。
【0123】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる電力逆潮
流原因判定方法及び装置によれば、配電用自動電圧調整
器で電力の逆潮流が生じたときに、該自動電圧調整器の
一次側及び二次側の電圧の変化から、その電力の逆潮流
が二次側で系統切換が行われたことに起因するものであ
るのか、一次側が電源変電所に接続され、二次側で分散
電源が連系していることに起因するものであるのかを判
定することができるため、各自動電圧調整器のところで
電力の逆潮流の原因を判定して、自動電圧調整器の動作
モードの選択などの措置を的確に行うための情報を得る
ことができる利点がある。
【0124】また本発明に係わる判定方法は、自動電圧
調整器の一次側及び二次側の電圧を検出してその変化を
比較するだけで電力の逆潮流の原因を判定することがで
きるので、既設の自動電圧調整器にも容易に適用するこ
とができる。
【0125】更に本発明に係わる逆潮流時配電用自動電
圧調整器制御方法によれば、配電用自動電圧調整器で生
じた電力の逆潮流の原因に応じて該自動電圧調整器の動
作モードを最適なモードに切り換えることができるの
で、分散電源に起因する電力の逆潮流が生じたときに系
統電圧が暴走したり、系統電圧の異常低下が生じたりす
るのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する配電系統の要部の構成例を示
す単線結線図である。
【図2】(A)ないし(D)はSVRの一次側が電源変
電所に接続されている状態で電力の逆潮流が起こる場合
と起こらない場合とを示した説明図である。
【図3】(A)ないし(D)はSVRの一次側が他系統
の電源変電所に接続されている状態で電力の逆潮流が起
こる場合と起こらない場合とを示した説明図である。
【図4】(A)ないし(D)はSVRの二次側で系統切
換が行われている状態で電力の逆潮流が起こる場合と起
こらない場合とを示した説明図である。
【図5】配電用SVRの一例を示した回路図である。
【図6】本発明に係わる電力逆潮流時SVR制御方法を
実施する制御装置の構成例を示した構成図である。
【図7】完全逆送形のSVRの構成例を示した回路図で
ある。
【図8】(A)及び(B)は系統切換による電力の逆潮
流が生じている状態で昇圧側にタップ切換が行われたと
きの一次側電圧及び二次側電圧を示した線図である。
【図9】(A)及び(B)は系統切換による電力の逆潮
流が生じている状態で降圧側にタップ切換が行われたと
きの一次側電圧及び二次側電圧を示した線図である。
【図10】(A)及び(B)は分散電源による電力の逆
潮流が生じている状態で昇圧側にタップ切換が行われた
ときの一次側電圧及び二次側電圧を示した線図である。
【図11】(A)及び(B)は分散電源による電力の逆
潮流が生じている状態で降圧側にタップ切換が行われた
ときの一次側電圧及び二次側電圧を示した線図である。
【図12】本発明に係わる電力逆潮流原因判定装置をマ
イクロコンピュータを用いて構成する場合にマイクロコ
ンピュータが実行するプログラムのアルゴリズムを示す
フローチャートである。
【図13】本発明において、SVRの一次側電圧の時間
的変化率と二次側電圧の時間的変化率とを比較すること
により電力の逆潮流の原因を判定する場合の電力逆潮流
原因判定装置の構成例を示した構成図である。
【図14】図13の判定装置で用いる逆潮流原因判定部
の構成例を示したブロック図である。
【図15】図13に示した微分器にほぼステップ状に上
昇する電圧が入力されるときの入力電圧と出力信号の波
形を示した波形図である。
【図16】図13に示した微分器にほぼステップ上に下
降する電圧が入力されるときの入力電圧と出力信号の波
形を示した波形図である。
【図17】図13及び図14に示した電力逆潮流原因判
定装置において、SVRの二次側で行われた系統切換に
起因して電力の逆潮流が生じているときに第1及び第2
の微分器と第1及び第2の変化率判定器とから得られる
信号の波形を示した波形図である。
【図18】図13及び図14に示した電力逆潮流原因判
定装置において、SVRの二次側で分散電源が連系して
いることに起因して電力の逆潮流が生じたときに第1及
び第2の微分器と第1及び第2の変化率判定器とから得
られる信号の波形を示した波形図である。
【図19】図13及び図14に示した電力逆潮流原因判
定装置において、系統切換及び分散電源の連系以外の要
因でSVRの一次側及び二次側で同時に電圧の変動が生
じたときに第1及び第2の微分器と第1及び第2の変化
率判定器とから得られる信号の波形を示した波形図であ
る。
【符号の説明】
2 一次側配電線 4 自動電圧調整器(SVR) 6 二次側配電線 20 調整変圧器 21 負荷時タップ切換器 24 計器用変圧器 25 電圧調整継電器 30 電力逆潮流原因判定装置 31a 第1の電圧検出装置 31b 第2の電圧検出装置 32a 第1のピーク検出回路 32b 第2のピーク検出回路 34a 第1のA/D変換器 34b 第2のA/D変換器 35 マイクロコンピュータ 36 逆送継電器 40 SVR 51 第1の整流器 52 第2の整流器 53 第1の微分器 54 第2の微分器 55 第1の変化率判定器 56 第2の変化率判定器 57 電力逆潮流原因判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 覚 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 前田 博 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 奥田 勝則 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 乾 正博 大阪府豊中市蛍池中町2丁目10番12号 Fターム(参考) 5G066 AA09 DA01 HA10 HB02 5H420 BB12 EA30 EA37 EB26 FF03 FF04 FF22 FF25 5H750 BA01 CC08 CC12 DD25 GG02 GG06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側で二次側よ
    りも大きな電圧の変化が生じたことが検出されたとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り
    離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
    切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側で一次側よ
    りも大きな電圧の変化が生じたことが検出されたとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続さ
    れて分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定することを特徴とする配
    電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  2. 【請求項2】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側でしきい値
    以上の電圧の変化が生じたことが検出されたときに前記
    自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り離されて
    二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行
    われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
    し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側でしきい値
    以上の電圧変化が生じたことが検出されたときに前記自
    動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて分散電
    源が二次側で連系していることに起因して電力の逆潮流
    が生じていると判定することを特徴とする配電用自動電
    圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  3. 【請求項3】 配電系統に設置された負荷時タップ切換
    式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
    逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定す
    る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法であ
    って、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記タップが切り換えられて前記自動電
    圧調整器の一次側で二次側よりも大きな電圧の変化が生
    じたことが検出されたときに、前記自動電圧調整器の一
    次側が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電
    源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因し
    て電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記タップが切り換えられて前記自動電
    圧調整器の二次側で一次側よりも大きな電圧の変化が生
    じたことが検出されたときに前記自動電圧調整器の一次
    側が電源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系し
    ていることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
    することを特徴とする配電用自動電圧調整器の電力逆潮
    流原因判定方法。
  4. 【請求項4】 配電系統に設置された負荷時タップ切換
    式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
    逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定す
    る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法であ
    って、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記タップが切り換えられて前記自動電
    圧調整器の一次側でしきい値以上の電圧の変化が生じた
    ことが検出されたときに前記自動電圧調整器の一次側が
    電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電
    所に接続される系統切換が行われたことに起因して電力
    の逆潮流が生じていると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記タップが切り換えられて前記自動電
    圧調整器の二次側でしきい値以上の電圧の変化が生じた
    ことが検出されたときに前記自動電圧調整器の一次側が
    電源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系してい
    ることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する
    ことを特徴とする配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原
    因判定方法。
  5. 【請求項5】 配電系統に設置された負荷時タップ切換
    式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
    逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定す
    る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法であ
    って、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側電圧の時間
    的変化率が二次側電圧の時間的変化率よりも大きいとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り
    離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
    切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側電圧の時間
    的変化率が一次側電圧の時間的変化率よりも大きいとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続さ
    れて分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定することを特徴とする配
    電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  6. 【請求項6】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定装置であって、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたことを検出
    する電力逆潮流検出装置と、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側の電圧をそれぞ
    れ検出する第1の電圧検出装置及び第2の電圧検出装置
    と、 前記第1の電圧検出装置の出力及び第2の電圧検出装置
    の出力をそれぞれデジタル値に変換して第1の電圧検出
    値及び第2の電圧検出値を出力する第1及び第2のA/
    D変換器と、 前記第1の電圧検出値及び第2の電圧検出値をそれぞれ
    一定のサンプリング周期でサンプリングして、それぞれ
    の検出値をサンプリングする毎に、今回サンプリングさ
    れた第1の電圧検出値と前回以前のサンプリング時にサ
    ンプリングされた第1の電圧検出値との差である第1の
    電圧変化分及び今回サンプリングされた第2の電圧検出
    値と前回以前のサンプリング時にサンプリングされた第
    2の電圧検出値との差である第2の電圧変化分を演算す
    る電圧変化分演算手段と、 前記第1の電圧変化分と第2の電圧変化分との差を逆潮
    流原因判定値として演算する逆潮流原因判定値演算手段
    と、 前記電力逆潮流検出装置により前記自動電圧調整器で電
    力の逆潮流が生じていることが検出されている状態で前
    記逆潮流原因判定値の符号から前記第1の電圧変化分が
    前記第2の電圧変化分よりも大きいと判定されたときに
    前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り離さ
    れて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換
    が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると
    判定し、前記電力逆潮流検出装置により前記自動電圧調
    整器で電力の逆潮流が生じていることが検出されている
    状態で前記逆潮流原因判定値の符号から前記第2の電圧
    変化分が前記第1の電圧変化分よりも大きいと判定され
    たときに前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接
    続されて分散電源が二次側で連系していることに起因し
    て電力の逆潮流が生じていると判定する電力逆潮流原因
    判定手段と、 を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器の電
    力逆潮流原因判定装置。
  7. 【請求項7】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定装置であって、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたことを検出
    する電力逆潮流検出装置と、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側の電圧をそれぞ
    れ検出する第1の電圧検出装置及び第2の電圧検出装置
    と、 前記第1の電圧検出装置の出力及び第2の電圧検出装置
    の出力をそれぞれデジタル値に変換して第1の電圧検出
    値及び第2の電圧検出値を出力する第1及び第2のA/
    D変換器と、 前記第1の電圧検出値及び第2の電圧検出値をそれぞれ
    一定のサンプリング周期でサンプリングして、それぞれ
    の検出値をサンプリングする毎に、今回サンプリングさ
    れた第1の電圧検出値と前回以前のサンプリング時にサ
    ンプリングされた第1の電圧検出値との差である第1の
    電圧変化分及び今回サンプリングされた第2の電圧検出
    値と前回以前のサンプリング時にサンプリングされた第
    2の電圧検出値との差である第2の電圧変化分を演算す
    る電圧変化分演算手段と、 前記電力逆潮流検出装置により前記自動電圧調整器で電
    力の逆潮流が生じていることが検出されている状態で前
    記第1の電圧変化分がしきい値以上であると判定された
    ときに前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切
    り離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系
    統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じて
    いると判定し、前記電力逆潮流検出装置により前記自動
    電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが検出され
    ている状態で前記第2の電圧変化分がしきい値以上であ
    ると判定されたときに前記自動電圧調整器の一次側が電
    源変電所に接続されて分散電源が二次側で連系している
    ことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する電
    力逆潮流原因判定手段と、 を具備したことを特徴とする電力逆潮流原因判定装置。
  8. 【請求項8】 配電系統に設置された負荷時タップ切換
    式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
    逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定す
    る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定装置であ
    って、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたことを検出
    する電力逆潮流検出装置と、 前記自動電圧調整器の一次側電圧及び二次側電圧をそれ
    ぞれ検出する第1及び第2の電圧検出装置と、 前記第1の電圧検出装置の出力及び第2の電圧検出装置
    の出力をそれぞれ整流する第1及び第2の整流器と、 前記第1の整流器の出力及び第2の整流器の出力をそれ
    ぞれ微分する第1及び第2の微分器と、 前記電力逆潮流検出装置により前記自動電圧調整器で電
    力の逆潮流が生じていることが検出されている状態で前
    記第1の微分器の出力が第2の微分器の出力よりも大き
    いことが検出されたときに前記自動電圧調整器の一次側
    が電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変
    電所に接続される系統切換が行われたことに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定し、前記電力逆潮流検出
    装置により前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じて
    いることが検出されている状態で前記第2の微分器の出
    力が第1の微分器の出力よりも大きいことが検出された
    ときに前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続
    されて分散電源が二次側で連系していることに起因して
    電力の逆潮流が生じていると判定する電力逆潮流原因判
    定手段と、 を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器の電
    力逆潮流原因判定装置。
  9. 【請求項9】 配電系統に設置された負荷時タップ切換
    式の配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の
    逆潮流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定す
    る配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定装置であ
    って、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたことを検出
    する電力逆潮流検出装置と、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側の電圧をそれぞ
    れ検出する第1及び第2の電圧検出装置と、 第1の電圧検出装置の出力及び第2の電圧検出器の出力
    をそれぞれ整流する第1及び第2の整流器と、 前記第1の整流器の出力及び第2の整流器の出力をそれ
    ぞれデジタル値に変換して第1の電圧検出値及び第2の
    電圧検出値を出力する第1及び第2のA/D変換器と、 前記第1の電圧検出値及び第2の電圧検出値をそれぞれ
    一定のサンプリング周期でサンプリングして、それぞれ
    の検出値をサンプリングする毎に、前回以前のサンプリ
    ング時から今回のサンプリング時までの第1の電圧検出
    値の時間的変化率である第1の電圧変化率と、前回以前
    のサンプリング時から今回のサンプリング時までの第2
    の電圧検出値の時間的変化率である第2の電圧変化率と
    を演算する電圧変化率演算手段と、 前記電力逆潮流検出装置により前記自動電圧調整器で電
    力の逆潮流が生じていることが検出されている状態で前
    記第1の電圧変化率が第2の電圧変化率よりも大きいこ
    とが検出されたときに前記自動電圧調整器の一次側が電
    源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電所
    に接続される系統切換が行われたことに起因して電力の
    逆潮流が生じていると判定し、前記電力逆潮流検出装置
    により前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じている
    ことが検出されている状態で前記第2の電圧変化率が第
    1の電圧変化率よりも大きいことが検出されたときに前
    記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて分
    散電源が二次側で連系していることに起因して電力の逆
    潮流が生じていると判定する電力逆潮流原因判定手段
    と、 を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器の電
    力逆潮流原因判定装置。
  10. 【請求項10】 二次側電圧を目標電圧に保つように調
    整する二次側電圧調整モードと、一次側電圧を目標電圧
    に保つように調整する一次側電圧調整モード及び調整変
    圧器のタップを予め定めたタップに固定するタップ固定
    モードの少なくとも一方とに動作モードを切り換え得る
    配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮
    流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定して、
    その判定結果に応じて前記配電用自動電圧調整器の動作
    モードを決定する電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制
    御方法であって、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側で二次側よ
    りも大きな電圧の変化が検出されたときに前記自動電圧
    調整器の一次側が電源変電所から切り離されて二次側が
    他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われたこ
    とにより電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側で一次側よ
    りも大きな電圧の変化が生じたことが検出されたときに
    前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続されて
    分散電源が二次側で連系していることに起因して電力の
    逆潮流が生じていると判定し、 前記系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が
    生じていると判定されたときには、前記自動電圧調整器
    の動作モードを、前記タップ固定モード、または前記一
    次側電圧調整モードとし、 前記分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定されたときには、前記自
    動電圧調整器の動作モードを前記二次側電圧調整モード
    とすることを特徴とする電力逆潮流時配電用自動電圧調
    整器制御方法。
  11. 【請求項11】 二次側電圧を目標電圧に保つように調
    整する二次側電圧調整モードと、一次側電圧を目標電圧
    に保つように調整する一次側電圧調整モード及び調整変
    圧器のタップを予め定めたタップに固定するタップ固定
    モードの少なくとも一方とに動作モードを切り換え得る
    配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮
    流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定して、
    その判定結果に応じて前記配電用自動電圧調整器の動作
    モードを決定する電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制
    御方法であって、 前記自動電圧調整器の一次側及び二次側でそれぞれ生じ
    る電圧の変化を検出し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側でしきい値
    以上の電圧の変化が検出されたときに前記自動電圧調整
    器の一次側が電源変電所から切り離されて二次側が他系
    統の電源変電所に接続される系統切換が行われたことに
    起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側でしきい値
    以上の電圧の変化が検出されたときに前記自動電圧調整
    器の一次側が電源変電所に接続されて分散電源が二次側
    で連系していることに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定し、 前記系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が
    生じていると判定されたときには、前記自動電圧調整器
    の動作モードを、前記タップ固定モード、または前記一
    次側電圧調整モードとし、 前記分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定されたときには、前記自
    動電圧調整器の動作モードを前記二次側電圧調整モード
    とすることを特徴とする電力逆潮流時配電用自動電圧調
    整器制御方法。
  12. 【請求項12】 二次側電圧を目標電圧に保つように調
    整する二次側電圧調整モードと、一次側電圧を目標電圧
    に保つように調整する一次側電圧調整モード及び調整変
    圧器のタップを予め定めたタップに固定するタップ固定
    モードの少なくとも一方とに動作モードを切り換え得る
    配電用自動電圧調整器で二次側から一次側に電力の逆潮
    流が生じたときに、該電力の逆潮流の原因を判定して、
    その判定結果に応じて前記配電用自動電圧調整器の動作
    モードを決定する電力逆潮流時配電用自動電圧調整器制
    御方法であって、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の一次側電圧の時間
    的変化率が二次側電圧の時間的変化率よりも大きいとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所から切り
    離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
    切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定し、 前記自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じていることが
    検出され、かつ前記自動電圧調整器の二次側電圧の時間
    的変化率が一次側電圧の時間的変化率よりも大きいとき
    に、前記自動電圧調整器の一次側が電源変電所に接続さ
    れて分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定し、前記系統切換が行わ
    れたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定さ
    れたときには、前記自動電圧調整器の動作モードを、前
    記タップ固定モード、または前記一次側電圧調整モード
    とし、 前記分散電源が二次側で連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定されたときには、前記自
    動電圧調整器の動作モードを前記二次側電圧調整モード
    とすることを特徴とする電力逆潮流時配電用自動電圧調
    整器制御方法。
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