JP2020065366A - 無効電力補償システム - Google Patents
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Abstract
Description
図6において、100は配電線または送電線等の線路、101,102は変流器、103は計器用変圧器、104は潮流方向検出手段、105は演算手段、106は目標値設定手段、107は制御手段、108は半導体スイッチング素子、コンデンサ、リアクトル等からなるSVC主回路である。
図7(a)は、SVRの一次側,二次側に変電所a,b、電線用遮断器FCBa,FCBb、及び負荷LDa,LDbがそれぞれ接続されている系統モデルにおいて、変電所a,bの何れが電源になるかという系統接続(変電所aが電源となる順送,変電所bが電源となる逆送)と、SVRを通過する電力の方向としての電力潮流(順潮流,逆潮流)とを場合分けした図であり、図7(b)は、系統接続と電力潮流との4通りの組み合わせを運転モードI〜IVとして示した図である。
しかし、例えば順送(変電所aが電源である)時に、SVRと遮断器FCBbとの間に太陽光発電装置や風力発電装置等の分散電源が接続されると、その発電電力がSVRに逆潮流として流れるため運転モードIIIになるはずであるが、SVRは、逆潮流に基づいて逆送(変電所bが電源)と判断してしまい、運転モードIIと誤認することになる。
図8は、特許文献1と同様にSVCが接続された配電系統の構成図である。図8において、11,12は配電系統20の両端に設置された配電用変電所(以下、単に変電所ともいう)、50はSVC、31,32はSVC50と変電所11,12との間にそれぞれ設置された開閉器、51は変流器、52は計器用変圧器、60は負荷、70は分散電源である。
更に、非特許文献1に記載された技術によれば、SVRが接続された電力系統において系統接続の誤判定を防ぐことができるが、この技術をSVCが接続された系統にそのまま適用することはできない。
前記第1の変電所または前記第2の変電所の何れが電源であるかを判定するための所定周波数の変電所方向判定信号を、前記無効電力補償装置から電力系統に注入する判定信号注入手段と、
前記接続点と前記第1の変電所との間、または、前記接続点と前記第2の変電所との間から、電力または電流の変動成分を検出する変動成分検出手段と、
前記変動成分検出手段により検出された前記変動成分の周波数が前記変電所方向判定信号の所定周波数と等しい場合に、前記変動成分が検出された側の変電所が電源であると判定する比較手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記第1の線路または前記第2の線路の何れが電源としての前記変電所に接続されているかを判定するための所定周波数の変電所方向判定信号を、前記無効電力補償装置から前記第1の線路または前記第2の線路に注入する判定信号注入手段と、
前記第1の線路または前記第2の線路から、電力または電流の変動成分を検出する変動成分検出手段と、
前記変動成分検出手段により検出された前記変動成分の周波数が前記変電所方向判定信号の所定周波数と等しい場合に、前記変動成分が検出された側の線路が前記変電所に接続されていると判定する比較手段と、
を備えたことを特徴とする。
図1,図2は、本発明の第1実施形態に係る無効電力補償システムの概略的な構成図である。これらの図において、図8と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下では図8との相違点を中心に説明する。
以下では、変電所方向判定信号ΔS’=無効電力変動成分ΔQ’として説明を続ける。
なお、開閉器31,32は、一方がONし、他方がOFFするように動作するものとする。
従って、潮流方向に着目するのではなく、配電系統20におけるSVC50の接続点を基準として何れの変電所側で無効電力変動成分ΔQ’が検出されるかに基づいて、電源としての変電所を判定することができる。
同様に、図2における開閉器31,32の間に分散電源が連系され、その発電電力による潮流(ON状態の開閉器32を介して変電所12方向に向かう潮流)をSVC50が検出したとしても、無効電力変動成分ΔQ’ が変電所12側の配電系統20から検出された時には変電所12が電源であること(逆送)を判定可能であり、他方の変電所11が電源である(順送)と誤認することはない。
無効電力変動成分ΔQ’は加算手段56に入力されて無効電力目標値Q’と加算され、無効電力指令値Q*としてSVC50に与えられる。SVC50は、無効電力指令値Q*に従って半導体スイッチング素子を制御することにより、配電系統20に無効電力を注入して系統電圧を所定値に制御する。
また、A≠Bである場合には、無効電力Qから無効電力変動成分ΔQ’と同じ周波数の変動成分ΔQが検出されなかったため、変電所11側の開閉器31がOFF状態、言い換えれば、他方の開閉器32がON状態であって当該開閉器32側の変電所12が電源である(逆送)と判定し、その結果を出力する。
このような事態を防ぐためには、例えば、変動成分ΔQが所定の閾値を超えている場合に、比較手段55が変動成分ΔQによる信号Aを有効と判断して信号Bとの比較に用いると良い。
例えば、図1において、順送時の変電所11とSVC50との間の亘長が短い場合、系統インピーダンスは小さいため、SVC50の制御ゲインは大きいことが望ましい。また、図2において、逆送時の変電所12とSVC50との間の亘長が長い場合、系統インピーダンスは大きいため、SVC50の制御ゲインは小さいことが望ましい。
この第1実施形態によれば、開閉器31,32を操作して系統接続(順送,逆送)を切り替えた時にSVC50がこれを判定し、順送または逆送に応じた最適な制御ゲインに切り替えることができる。すなわち、これらの最適な制御ゲインを制御回路のメモリに予め記憶させておき、系統接続の切替時に、自動または手動により所定の制御ゲインをメモリから読み出してSVC50に設定すれば良い。
いわゆるスロープ特性付き電圧制御では、SVCにより補償する無効電力Qと系統電圧Vとの間のスロープ特性に傾き(スロープリアクタンス)を設けて制御の不安定化を防止している。
図4から明らかなように、スロープリアクタンスXsが大きい場合には、電圧偏差に対する無効電力の変化量が小さいため制御が比較的安定しているが、系統インピーダンスが小さい場合には系統電圧が電圧目標値に近付きにくい。
一方、スロープリアクタンスXsが小さい場合には、電圧偏差に対する無効電力の変化量が大きいため、制御がやや不安定になって複数のSVCによる制御動作が干渉しやすくなる反面、系統電圧を電圧目標値に近付け易いという利点がある。
図5において、配電用変電所10と配電系統(母線)20との接続点の両側には、線路21,22がループ状に接続され、線路21,22同士の接続点にSVC50が接続されている。つまり、配電系統20における配電用変電所10の接続点とSVC50との間には、線路21,22が並列に接続されている。また、線路21,22はそれぞれ開閉器31,32を備えており、これらの開閉器31,32は、図1,図2と同様に、一方がONしている時に他方がOFFするように制御される。
従って、SVC50に最適な制御パラメータを設定するためには、開閉器31のONにより配電用変電所10が線路21を介してSVC50に接続される場合(便宜的に順送とする)と、開閉器32のONにより配電用変電所10が線路22を介してSVC50に接続される場合(同じく逆送とする)とを判別することが必要になる。
そして、図3に示した制御回路の比較手段55により、線路21または線路22から検出した無効電力Qに無効電力変動成分ΔQ’と同じ周波数の変動成分ΔQが含まれている時に、当該線路側の開閉器がONされていて配電用変電所10までの電路が形成されている(当該線路側が電源である)と判定するものである。
また、負荷や分散電源の接続位置によっては変動成分ΔQが非電源側の線路の一部に流れることがあり、検出される変動成分ΔQの大きさが所定値に達しない場合には順送、逆送を誤認することもあり得る。これを防止するには、前述したごとく、変動成分ΔQが所定の閾値を超えている場合に、比較手段55が変動成分ΔQによる信号Aを有効と判断して信号Bとの比較に用いるようにしても良い。
更に、SVC50が配電自動化システム等の外部システムと通信可能である場合には、比較手段55による判定結果に応じて、外部システムとの通信によりSVC50に設定する制御パラメータを更新する手段を備えても良い。
20:配電系統
21,22:線路
31,32:開閉器
50:静止型無効電力補償装置(SVC)
51:変流器
52:計器用変圧器
53:無効電力検出手段
54:フィルタ
55:比較手段
56:加算手段
57:遅れ調整手段
60:負荷
70:分散電源
Claims (8)
- 無効電力補償装置により電力系統に無効電力を注入して系統電圧の変動を補償する無効電力補償システムであって、電力系統における前記無効電力補償装置の接続点と電力系統の一端に設置された第1の変電所との間に第1の開閉器が接続され、かつ、電力系統の他端に設置された第2の変電所と前記接続点との間に第2の開閉器が接続された無効電力補償システムにおいて、
前記第1の変電所または前記第2の変電所の何れが電源であるかを判定するための所定周波数の変電所方向判定信号を、前記無効電力補償装置から電力系統に注入する判定信号注入手段と、
前記接続点と前記第1の変電所との間、または、前記接続点と前記第2の変電所との間から、電力または電流の変動成分を検出する変動成分検出手段と、
前記変動成分検出手段により検出された前記変動成分の周波数が前記変電所方向判定信号の所定周波数と等しい場合に、前記変動成分が検出された側の変電所が電源であると判定する比較手段と、
を備えたことを特徴とする無効電力補償システム。 - 無効電力補償装置により電力系統に無効電力を注入して系統電圧の変動を補償する無効電力補償システムであって、電力系統における変電所の接続点と前記無効電力補償装置との間に、第1の開閉器を備えた第1の線路と第2の開閉器を備えた第2の線路とが並列に接続された無効電力補償システムにおいて、
前記第1の線路または前記第2の線路の何れが電源としての前記変電所に接続されているかを判定するための所定周波数の変電所方向判定信号を、前記無効電力補償装置から前記第1の線路または前記第2の線路に注入する判定信号注入手段と、
前記第1の線路または前記第2の線路から、電力または電流の変動成分を検出する変動成分検出手段と、
前記変動成分検出手段により検出された前記変動成分の周波数が前記変電所方向判定信号の所定周波数と等しい場合に、前記変動成分が検出された側の線路が前記変電所に接続されていると判定する比較手段と、
を備えたことを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1または2に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記比較手段による判定結果に応じて、予め設定された制御方法または制御パラメータを切り替える手段を有することを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1または2に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記比較手段による判定結果に応じて、制御パラメータの更新を外部システムに要求する手段を備えたことを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記無効電力補償装置がスロープ特性付きの電圧制御方法によって制御されると共に、前記制御パラメータが、少なくともスロープリアクタンスまたはその逆数に相当する制御ゲインを含むことを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記比較手段は、前記変動成分の大きさが所定の閾値を超える場合に当該変動成分を有効と判断して前記変電所方向判定信号との比較に用いることを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記無効電力補償装置に与える無効電力指令値を、無効電力目標値に前記変電所方向判定信号を重畳して生成することを特徴とする無効電力補償システム。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載した無効電力補償システムにおいて、
前記変電所方向判定信号が無効電力変動成分または無効電流変動成分であることを特徴とする無効電力補償システム。
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