JP2000294280A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

非水系電解液二次電池

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JP2000294280A
JP2000294280A JP11100049A JP10004999A JP2000294280A JP 2000294280 A JP2000294280 A JP 2000294280A JP 11100049 A JP11100049 A JP 11100049A JP 10004999 A JP10004999 A JP 10004999A JP 2000294280 A JP2000294280 A JP 2000294280A
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secondary battery
electrolyte secondary
negative electrode
aqueous electrolyte
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Hirofumi Suzuki
裕文 鈴木
Hideji Sato
秀治 佐藤
Ichiji Ota
一司 太田
Minoru Kotado
稔 古田土
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解易の分解を最小限に抑え、充放電効率が
高く、サイクル特性の優れた高エネルギー密度の非水系
電解液二次電池の提供。 【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒にリチウ
ム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される
非水系電解液二次電池において、負極が黒鉛及び黒鉛よ
り結晶性の低い炭素材料からなり、且つ黒鉛と該炭素材
料との配合割合が98/2〜85/15(重量比)であ
り、更に、非水溶媒が0.5〜10重量%の環状の酸無
水物を含有することを特徴とする非水系電解液二次電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解液二次
電池に関する。詳しくは、特定の黒鉛混合物からなる負
極及び特定の酸無水物を含む電解液を用いる非水系電解
液二次電池の改良に関する。本発明の電池は、サイクル
特性が優れているので、非水系二次電池の小型化、高性
能化に寄与することができる。
【0002】
【従来の技術】近年の電気製品の軽量化、小型化に伴
い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開発
が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野
の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。金属リ
チウムを負極とする二次電池は高容量化を達成できる電
池として古くから盛んに研究が行われているが、金属リ
チウムが充放電の繰り返しによりデンドライト状に成長
し、最終的には正極に達して、電池内部において短絡が
生じてしまうことが実用化を阻む最大の技術的な課題と
なっている。
【0003】そこで負極に、例えばコークス、人造黒
鉛、天然黒鉛等のリチウムイオンを吸蔵放出することが
可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提案
されている。前記非水系電解液二次電池では、リチウム
が金属状態で存在しないためデンドライトの形成が抑制
され、電池寿命と安全性を向上することができる。特
に、人造黒鉛や天然黒鉛等の黒鉛系炭素材料は、単位体
積当りのエネルギー密度を向上せしめ得る材料として期
待される。
【0004】しかしながら、黒鉛系の種々の電極材を単
独で、或いは、リチウムを吸蔵・放出可能な他の負極材
と混合して負極として使用した非水系電解液二次電池の
場合、リチウム一次電池で一般に好んで使用されるプロ
ピレンカーボネートを主溶媒とする電解液では、黒鉛電
極表面で溶媒の分解反応が激しく進行するために、一般
に黒鉛電極へのスムーズなリチウムの吸蔵・放出が不可
能となる。現在、エチレンカーボネートがこのような分
解が少ないため、黒鉛系負極を用いた非水系電解液二次
電池の電解液の主溶媒として多用されているが、充放電
過程において電極表面での電解液の分解に起因する充放
電効率の低下、サイクル特性の低下等の問題があった。
【0005】このため、負極については、黒鉛と電解液
に対して分解活性の低い、黒鉛より結晶性の低い炭素質
材料とを組み合わせて用いた電池が特開平4−3706
62号公報に提案されている。一方、サイクル特性の向
上や高温保存特性を向上させるために、酸無水物を含む
電解液を用いた電池が特開平4−355065号、同5
−82168号、同7−122297号各公報に提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の電池では、依然として満足の行くサイクル特性は得ら
れていない。本発明は、前記問題点を鑑みてなされたも
のであり、非水系電解液二次電池の電解液の分解を最小
限に抑えて、充放電効率が高くサイクル特性の優れた高
エネルギー密度の非水系電解液二次電池を提供すること
をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、特定の黒鉛混合物からなる
負極と特定の電解液とを組み合わせることにより、充放
電過程における電解液の過度の分解が抑制されて、充放
電効率が向上し、サイクル特性を向上させることができ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、リチウムを吸蔵・
放出することが可能な炭素質材料からなる負極と、正極
と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液とから
少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、
負極が黒鉛及び黒鉛より結晶性の低い炭素材料からな
り、且つ黒鉛と該炭素材料との配合割合が98/2〜8
5/15(重量比)であり、更に、非水溶媒が0.5〜
10重量%の環状の酸無水物を含有することを特徴とす
る非水系電解液二次電池、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二次電池は、リチウムを吸蔵・放出することが
可能な炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に
リチウム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成
される。本発明においては、電解液の非水溶媒が0.5
〜10重量%の環状酸無水物を含有することを特徴の一
つとする。また、非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状
カーボネートを含有する混合非水溶媒であることが好ま
しく、更に、混合非水溶媒の70容量%がカーボネート
であることが好ましい。
【0010】非水溶媒としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等
の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−
プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネ
ート、エチル−n−プロピルカーボネート等の鎖状カー
ボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン
等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル
等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エー
テル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状
エーテル類、スルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫
黄有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は二種類以上
混合して用いても良い。
【0011】本発明においては特に、混合非水溶媒が、
アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネー
トから選ばれた環状カーボネートと、アルキル基の炭素
数が1〜4であるジアルキルカーボネートから選ばれた
鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、
且つその70容量%以上がこれらのカーボネートである
ものが好ましい。
【0012】環状カーボネートとしては、アルキレンカ
ーボネートが好ましく、特にアルキレン基の炭素数は2
〜4が好適である。これらの中、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネートが好ましい。また、鎖状カ
ーボネートとしては、アルキルカーボネートが好まし
く、特にアルキル基の炭素数は1〜4が好適である。こ
れらの中、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネートが好ましい。
【0013】なお、混合非水溶媒中には、カーボネート
以外の溶媒を含有してもよい。カーボネート以外の溶媒
の具体例としては、例えば前記のものがある。但し、こ
のカーボネート以外の溶媒の添加量は、カーボネート系
溶媒の特性を損わないように、混合非水溶媒全体の30
容量%以下とするのが好ましく、20容量%以下とする
のがより好ましく、10容量%以下とするのが特に好ま
しい。
【0014】本発明に用いられる電解液は、環状酸無水
物を含有する。本発明に用いられる環状酸無水物として
は、環状構造を有する酸無水物であれば特に限定はされ
ない。その具体例としては、無水コハク酸、無水グルタ
ル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタ
コン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカ
ルボン酸二無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル
酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無
水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸無水物、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグル
タル酸無水物等が挙げられる。これらの中でも無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸が好ましい。こ
れらは二種以上混合して用いてもよい。環状の酸無水物
の含有量としては、溶媒全量に対して0.5〜10重量
%、好ましくは1〜8重量%、特に好ましくは2〜7重
量%である。0.5重量%未満であると十分な効果は得
られず、10重量%より多く添加すると電解液の粘度が
高くなって電気伝導率が低くなり、電池の性能が低下す
るため好ましくない。
【0015】本発明で使用される電解液の溶質として
は、リチウム塩が用いられる。リチウム塩については、
溶質として使用し得るものであれば特に限定はされない
が、その具体例としては、例えばLiClO4 、LiP
6 、LiBF4 から選ばれる無機リチウム塩又はLi
CF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(C
3 CF2 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 )(C4
9 SO2 )、LiC(CF3 SO2 3 等の含フッ素
有機リチウム塩が挙げられる。これらの中、LiP
6 、LiBF4 が好ましい。なお、これらの溶質は二
種類以上混合して用いも良い。電解液中の溶質のリチウ
ム塩モル濃度は、0.5〜2モル/リットルであること
が望ましい。0.5モル/リットル未満もしくは2モル
/リットルを越える場合には、電解液の電気伝導率が低
く、電池の性能が低下するため好ましくない。
【0016】本発明の二次電池は、負極が黒鉛と黒鉛よ
り結晶性の低い炭素材料とからなり、且つ黒鉛と該炭素
材料との配合割合が98/2〜85/15(重量比)で
あることをもう一つの特徴とする。黒鉛材料としては、
好適には種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処
理によって製造された人造黒鉛、天然黒鉛、これを高純
度化した精製天然黒鉛或いはキッシュ黒鉛が主として使
用されるが、これらの黒鉛材料は学振法によるX線回折
で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.
335以上0.338nm未満であるのが好ましい。こ
れら黒鉛材料は、灰分が1重量%以下、より好ましくは
0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下で
且つ学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(L
c)が30nm以上であることが好ましい。更に結晶子
サイズ(Lc)は、50nm以上の方がより好ましく、
100nm以上であるものが最も好ましい。また、黒鉛
材料のメジアン径は、レーザー回折・散乱法によるメジ
アン径で、1〜100μm、好ましくは3〜50μm、
より好ましくは5〜40μm、更に好ましくは7〜30
μmである。黒鉛材料のBET法比表面積は、0.5〜
25.0m2 /gであり、好ましくは0.7〜20.0
2 /g、より好ましくは1.0〜15.0m2 /g、
更に好ましくは1.5〜10.0m2 /gである。ま
た、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクト
ル分析において1580〜1620cm-1の範囲にピー
クPA (ピーク強度IA )及び1350〜1370cm
-1の範囲にピークPB (ピーク強度IB)の強度比R=
B /IA が0〜0.5又は1580〜1620cm-1
の範囲のピークの半値幅が26cm-1以下であるものが
好ましい。上記ピークの半値幅が25cm-1以下である
ものはより好ましい。
【0017】黒鉛より結晶性の低い炭素材料について
は、負極剤に用いる黒鉛より結晶性が低ければ特に限定
されないが、学振法によるX線回折で求めた格子面(0
02面)のd値(層間距離)が0.338nm以上であ
るものが好ましく、上限は、0.38nm以下、好まし
くは0.37nm以下、特に好ましくは0.36nm以
下である。黒鉛と黒鉛より結晶性の低い炭素材料の配合
割合については、重量比で98/2〜85/15、好ま
しくは97/3〜87/13、とするのがエネルギー密
度の向上とサイクル特性の点から好ましい。
【0018】また、黒鉛より結晶性の低い炭素材料の外
に、リチウムを吸蔵・放出し得る酸化錫、酸化硅素等の
金属酸化物材料を混合して用いることもできる。黒鉛と
黒鉛より結晶性の低い炭素材料な混合形態については特
に限定されないが、黒鉛粒子の表面を黒鉛より結晶性の
低い炭素材料で被覆した形態である「非晶質被覆黒鉛系
炭素物質」が好ましい。
【0019】これらの負極材料を用いて負極を製造する
方法については、特に限定されない。例えば、負極材料
に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加
えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥する
ことにより負極を製造することができるし、また、該負
極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、
圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
【0020】電極の製造に用いられる結着剤について
は、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な
材料であれば、特に限定はされない。その具体例として
は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム等を挙げることができる。これらの中、ポリ
フッ化ビニリデン、スチレン・ブタジエンゴムが好まし
い。
【0021】増粘剤としては、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化ス
ターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファ
イト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられ
る。
【0022】負極用集電体の材質は、銅、ニッケル、ス
テンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工
しやすいという点とコストの点から銅箔が好ましい。本
発明の電池を構成する正極の材料としては、リチウムコ
バルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマン
ガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料等のリ
チウムを吸蔵・放出可能な材料を使用することができ、
これらが好ましいものである。
【0023】正極の製造方法については、特に限定され
ず、上記の負極の製造方法に準じて製造することができ
る。また、その形状については、正極材料に必要に応じ
て結着剤、導電材等を加えて混合後、集電体の基板に塗
布してシート電極としたり、プレス成形を施してペレッ
ト電極とすることができる。
【0024】正極集電体には、電解液中での陽極酸化に
より表面に不動態皮膜を形成する弁金属又はその合属を
用いるのが好ましい。弁金属としては、IIIa、IVa 、V
a族に属する金属及びこれらの合金を挙げることがで
き、具体的にはアルミニウム、チタン、タンタル等の金
属又はその合金が挙げられる。これらの中で、特にアル
ミニウム又はその合金が軽量であるためエネルギー密度
の点で望ましい。
【0025】本発明の電池に使用するセパレータの材質
や形状については、特に限定されない。但し、電解液に
対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好
ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いるの
が好ましい。負極、正極及び排水系電解液を少なくとも
有する本発明の電池を製造する方法については、特に限
定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択す
ることができる。
【0026】また、電池の形状については、特に限定さ
れず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にした
シリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み
合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペ
レット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が
使用可能である。
【0027】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限りこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 X線回折における格子面(002面)のd値が0.33
6nm、晶子サイズ(Lc)が、100nm以上(26
4nm)、灰分が0.04重量%、レーザー回折・散乱
法によるメジアン径が17μm、BET法比表面積が
8.9m2 /g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において1580〜1620cm-1
の範囲のピークPA (ピーク強度IA )及び1350〜
1370cm-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB
の強度比R=IB /IA が0.15、1580〜162
0cm-1の範囲のピークの半値幅が22.2cm-1であ
る人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)
2kgを石油系ピッチ1kgと混合し、得られたスラリ
ー状の混合物を回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて11
00℃まで2時間で昇温、同温度で2時間保持した。
【0028】これを粉砕し、振動式篩いにより粒径を1
8〜22μmに整え、最終的に7重量%の非晶質炭素で
人造黒鉛表面を被覆した「非晶質被覆黒鉛系炭素物質」
を得た。非晶質炭素部位のX線回折における格子面(0
02面)のd値は0.345nmであった。本「非晶質
被覆黒鉛系炭素物質」負極活物質として、「非晶質被覆
黒鉛系炭素物質」94重量部にポリフッ化ビニリデン6
重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散さ
せスリラー状としたものを負極集電体である厚さ18μ
mの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mm
の円盤状に打ち抜いて負極とした。
【0029】正極活物質としてLiCoO2 85重量部
にカーボンブラック6重量部、ポリフッ化ビニリデンK
F−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加え
混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリ
ー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアル
ミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5m
mの円盤状に打ち抜いて正極とした。
【0030】電解液については、乾燥アルゴン雰囲気下
で、十分に乾燥を行った六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6 )を溶質として用い、エチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの混合物(1:1容量比)に無水コ
ハク酸を2重量%の割合で溶解し、更にLiPF6 を1
モル/リットルの割合で溶解して調製した。これらの正
極、負極、電解液を用いて、図1に示すコイン型非水系
電解液電池を乾燥テルゴン雰囲気下で次のようにして作
製した。即ち、正極電導体を兼ねるステンレス鋼製の缶
体3に正極1を収容し、その上に電解液を含浸させたセ
パレーター5を介して負極2を載置した。この缶体と負
極導電体を兼ねる封口板4とを、絶縁用のガスケット6
を介してかしめて密封し、コイン型電池を作製した。
【0031】比較例1 無水コハク酸を添加しなかった電解液を用いたこと以外
は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。 実施例2 プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエ
チルカーボネートとの混合物(1:1:1容量比)に無
水コハク酸を2重量%の割合で溶解し、LiPF6 を1
モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用い
たこと以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製
した。
【0032】比較例2 無水コハク酸を添加しなかった電解液を用いたこと以外
は実施例2と同様にしてコイン型電池を作製した。 実施例3 X線回折における格子面(002面)のd値が0.33
6nm、晶子サイズ(Lc)が、100nm以上(65
2nm)、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱
法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が
7.5m2 /g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において1580〜1620cm-1
の範囲のピークPA (ピーク強度IA )及び1350〜
1370cm-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB
の強度比R=IB /IA が0.12、1580〜162
0cm-1の範囲のピークの半値幅が19.9cm-1であ
る天然黒鉛粉末NG−7(関西熱化学社製、商品名)を
使用した以外は実施例1と同様に負極を作製し、コイン
型電池を作製した。
【0033】比較例3 無水コハク酸を添加しなかった電解液を用いたこと以外
は実施例3と同様にしてコイン型電池を作製した。これ
らの実施例1〜3及び比較例1〜3の電池を25℃にお
いて、1.6mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放
電終止電圧2.5Vで3サイクル充放電試験を行った後
60℃において充放電試験を行った。それぞれの電池に
おける60℃における放電容量維持率を図2に示す。図
2より本発明の電池は、60℃と比較的高温でのサイク
ルを行っても容量維持率が向上し、サイクル特性が優れ
ることが明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、充放電過程における電
極表面での電解液の分解を最小限に抑えることができ、
これにより充放電効率が高く、サイクル特性の優れた高
エネルギー密度の排水系電解液二次電池を作製すること
ができ、このタイプの電池の小型化、高性能化に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の各コイン型電池の
断面図。
【図2】本発明の実施例1〜3及び比較例1〜3の60
℃における充放電サイクル数と放電容量維持率との関係
を表す図。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 缶体 4 封口板 5 セパレーター 6 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 一司 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 古田土 稔 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 鈴木 仁 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA04 BA03 BB01 BB12 BC06 BD03 BD04 5H014 AA01 AA06 BB06 EE08 HH01 5H029 AJ05 AJ07 AK03 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ08 DJ17 HJ01 HJ03 HJ07 HJ13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
    炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒にリチウ
    ム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される
    非水系電解液二次電池において、負極が黒鉛及び黒鉛よ
    り結晶性の低い炭素材料からなり、且つ黒鉛と該炭素材
    料との配合割合が98/2〜85/15(重量比)であ
    り、更に、非水溶媒が0.5〜10重量%の環状の酸無
    水物を含有することを特徴とする非水系電解液二次電
    池。
  2. 【請求項2】 非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状カ
    ーボネートを含有する混合非水溶媒であることを特徴と
    する請求項1に記載の非水系電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 混合非水溶媒の70容量%以上がカーボ
    ネートであることを特徴とする請求項2に記載の非水系
    電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 混合非水溶媒がアルキレン基の炭素数が
    2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれ
    た環状カーボネートとアルキル基の炭素数が1〜4であ
    るジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状
    カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つ
    その70容量%以上がこれらのカーボネートであること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の非水系電解液二次
    電池。
  5. 【請求項5】 負極を構成する黒鉛より結晶性の低い炭
    素材料が、X線回折における格子面(002面)のd値
    が0.338nm以上の炭素材料からなることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の非水系電解液
    二次電池。
  6. 【請求項6】 負極を構成する黒鉛が、X線回折におけ
    る格子面(002面)のd値が0.335以上0.33
    8nm未満であることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の非水系電解液。
  7. 【請求項7】 リチウム塩がLiClO4 、LiP
    6 、LiBF4 、LiCF3 SO3 、LiN(CF3
    SO2 2 、LiN(CF3 CF2 SO2 2 、LiN
    (CF3 SO2 )(C4 9 SO2 )、及びLiC(C
    3 SO2 3 から選ばれる少なくとも一種である請求
    項1ないし6のいずれかに記載の非水系電解液二次電
    池。
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