JP2000293840A - 磁気ディスク - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ハードディスク装置の起動・停止時に浮動式磁
気ヘッドがディスク面上でＣＳＳ（Cntact Start Stop)
ゾーンとデータゾーンとの間を半径方向に移動する際の
浮上量変動を低く抑えて浮上走行の安定化を図る。 【解決手段】浮動式磁気ヘッドと組合せてディジタル情
報を記録，再生する磁気ディスクであり、射出成形法な
どにより成形されたプラスチック製ディスク基板１の表
面にデータゾーン２，およびその内周側領域にＣＳＳ
（Cntact StartStop)ゾーン３を画成し、かつ該ＣＳＳ
ゾーンにはその面域に磁気ヘッドの吸着を防止する微小
な突起３ａを分散形成して粗面化したものにおいて、Ｃ
ＳＳゾーン内の外周範囲に前記突起の高さが外周方向に
向けて漸次低くなるなだらかなスロープ状の段差突起領
域Ｌを形成し、かつ段差突起領域の半径方向の幅Ｌを、
少なくとも磁気ヘッドのスライダ幅よりも大きく設定す
る。
気ヘッドがディスク面上でＣＳＳ（Cntact Start Stop)
ゾーンとデータゾーンとの間を半径方向に移動する際の
浮上量変動を低く抑えて浮上走行の安定化を図る。 【解決手段】浮動式磁気ヘッドと組合せてディジタル情
報を記録，再生する磁気ディスクであり、射出成形法な
どにより成形されたプラスチック製ディスク基板１の表
面にデータゾーン２，およびその内周側領域にＣＳＳ
（Cntact StartStop)ゾーン３を画成し、かつ該ＣＳＳ
ゾーンにはその面域に磁気ヘッドの吸着を防止する微小
な突起３ａを分散形成して粗面化したものにおいて、Ｃ
ＳＳゾーン内の外周範囲に前記突起の高さが外周方向に
向けて漸次低くなるなだらかなスロープ状の段差突起領
域Ｌを形成し、かつ段差突起領域の半径方向の幅Ｌを、
少なくとも磁気ヘッドのスライダ幅よりも大きく設定す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮動式磁気ヘッド
と組合せて固定磁気ディスク装置（ハードディスク装
置）に組み込んだ磁気記録媒体としての磁気ディスクに
関し、特にそのディスク基板がプラスチック成形品とし
てなるものに係わる。
と組合せて固定磁気ディスク装置（ハードディスク装
置）に組み込んだ磁気記録媒体としての磁気ディスクに
関し、特にそのディスク基板がプラスチック成形品とし
てなるものに係わる。
【０００２】
【従来の技術】周知のように、頭記した磁気ディスク
は、非磁性のディスク基板上に金属下地層，磁性層，カ
ーボン保護層を順に積層形成し、さらにその上に潤滑剤
層を被覆して形成されたものである。また、ディスク基
板として、従来では鏡面に研磨を施したアルミニウム基
板，あるいはガラス基板が一般に使われているが、最近
になり製造コストの低減，生産性の向上を狙いに、アル
ミニウム，ガラスに代えてプラスチックをディスク基板
の材料に使用し、射出成形法などにより成形したプラス
チック製ディスク基板の開発が進められている。
は、非磁性のディスク基板上に金属下地層，磁性層，カ
ーボン保護層を順に積層形成し、さらにその上に潤滑剤
層を被覆して形成されたものである。また、ディスク基
板として、従来では鏡面に研磨を施したアルミニウム基
板，あるいはガラス基板が一般に使われているが、最近
になり製造コストの低減，生産性の向上を狙いに、アル
ミニウム，ガラスに代えてプラスチックをディスク基板
の材料に使用し、射出成形法などにより成形したプラス
チック製ディスク基板の開発が進められている。
【０００３】図３，および図４(a),(b) は前記した固定
磁気ディスク装置に用いる磁気ディスクの平面図であ
り、図において、１は射出形成法などにより成形された
プラスチック成形品としてなるドーナツ形のディスク基
板であり、該ディスク基板１の表面には先記のように磁
性層を成層してディジタル情報を記録する平滑面のデー
タゾーン２，およびデータゾーン２の内周側領域に半径
方向の幅が数mm程度のＣＳＳ（Contact Start Stop) ゾ
ーン３が形成されている。
磁気ディスク装置に用いる磁気ディスクの平面図であ
り、図において、１は射出形成法などにより成形された
プラスチック成形品としてなるドーナツ形のディスク基
板であり、該ディスク基板１の表面には先記のように磁
性層を成層してディジタル情報を記録する平滑面のデー
タゾーン２，およびデータゾーン２の内周側領域に半径
方向の幅が数mm程度のＣＳＳ（Contact Start Stop) ゾ
ーン３が形成されている。
【０００４】このＣＳＳゾーン３は、周知のようにハー
ドディスク装置の起動・停止時にデータゾーン２から移
動した浮動式磁気ヘッドをディスク面に滑走させながら
着地，静止させるための領域であり、該ＣＳＳゾーン３
の面域にはテクスチャと呼ばれる微細な粗さを付与して
粗面化し、磁気ヘッドに付設したスライダと呼ばれるＡ
ＢＳ（Air Bearing Slider) がディスク面に付着するの
を防止するようにしている。なお、浮動式磁気ヘッド
は、周知のようにスライダ（幅寸法が１mm程度）ととも
に傾動自在なジンバルばね支持されており、数ｇ程度の
軽荷重を加えて磁気ディスクのディスク面に向けて加圧
するようにしている。
ドディスク装置の起動・停止時にデータゾーン２から移
動した浮動式磁気ヘッドをディスク面に滑走させながら
着地，静止させるための領域であり、該ＣＳＳゾーン３
の面域にはテクスチャと呼ばれる微細な粗さを付与して
粗面化し、磁気ヘッドに付設したスライダと呼ばれるＡ
ＢＳ（Air Bearing Slider) がディスク面に付着するの
を防止するようにしている。なお、浮動式磁気ヘッド
は、周知のようにスライダ（幅寸法が１mm程度）ととも
に傾動自在なジンバルばね支持されており、数ｇ程度の
軽荷重を加えて磁気ディスクのディスク面に向けて加圧
するようにしている。
【０００５】一方、アルミニウム基板を採用した在来の
磁気ディスクでは、基板上に下地金属層を成層した後に
レーザ加工法により前記したＣＳＳゾーン３のテクスチ
ャ加工を行うようにしている。しかし、プラスチック製
のディスク基板では、レーザ照射による樹脂の溶融，飛
散などの加工精度上の問題があることから、射出成形な
どのモールド成形法により成形金型を使ってディスク基
板１の成形時に図４に示すような微小な突起３ａを一体
成形してＣＳＳゾーンを粗面化するようにしている。な
お、ＣＳＳゾーン３の面域に分散形成した微小な突起３
ａは、ディスク基板１から突出する円柱状の突起であ
り、例えばその直径は数μｍ，高さＨはサブμｍオーダ
ー程度の精度で、その配列ピッチは突起の直径，ないし
それ以上の間隔に設定している。
磁気ディスクでは、基板上に下地金属層を成層した後に
レーザ加工法により前記したＣＳＳゾーン３のテクスチ
ャ加工を行うようにしている。しかし、プラスチック製
のディスク基板では、レーザ照射による樹脂の溶融，飛
散などの加工精度上の問題があることから、射出成形な
どのモールド成形法により成形金型を使ってディスク基
板１の成形時に図４に示すような微小な突起３ａを一体
成形してＣＳＳゾーンを粗面化するようにしている。な
お、ＣＳＳゾーン３の面域に分散形成した微小な突起３
ａは、ディスク基板１から突出する円柱状の突起であ
り、例えばその直径は数μｍ，高さＨはサブμｍオーダ
ー程度の精度で、その配列ピッチは突起の直径，ないし
それ以上の間隔に設定している。
【０００６】かかる構成で、ハードディスク装置の停止
時には磁気ヘッドがＣＳＳゾーンの領域に着地した状態
で停止しており、起動の際に磁気ディスクの回転に伴っ
てＡＢＳ面に作用する空気圧により磁気ヘッドがディス
ク面を滑走して浮上（磁気ヘッドの浮上量はサブミクロ
ンオーダー）した後、浮上状態を保ちながら磁気ヘッド
を数ｍ／ｓｅｃ程度の速度でディスクの半径方向に移動
し、データゾーン２におけるデータトラックにアクセス
してデータの記録・再生を行う。
時には磁気ヘッドがＣＳＳゾーンの領域に着地した状態
で停止しており、起動の際に磁気ディスクの回転に伴っ
てＡＢＳ面に作用する空気圧により磁気ヘッドがディス
ク面を滑走して浮上（磁気ヘッドの浮上量はサブミクロ
ンオーダー）した後、浮上状態を保ちながら磁気ヘッド
を数ｍ／ｓｅｃ程度の速度でディスクの半径方向に移動
し、データゾーン２におけるデータトラックにアクセス
してデータの記録・再生を行う。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の磁気ディスクでは、ハードディスク装置の起動・停
止時に次に記すように問題点が発生する。すなわち、磁
気ヘッドの浮上原理は周知であり、磁気ディスクの回転
に伴いディスク面上の空気はその粘性によりディスク面
に引かれて境界層を形成し、ディスク面の近傍では空気
がディスクの走行速度とほぼ等しい速度で移動する。こ
こで、磁気ディスクの上面側にディスク面との間にくさ
び状の隙間を形成するようにスライダ付きの浮動式磁気
ヘッドを置くと、圧縮性を有する空気はくさび状の隙間
に押し込まれて隙間内に圧力を発生し、この空気圧力が
磁気ヘッドのＡＢＳ（Air Bearing Slider) 面に働いて
磁気ヘッドがディスク面から浮上する。この場合に磁気
ヘッドに作用する浮上力は磁気ディスクの回転周速度を
同じとすれば、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との
間の隙間が小さいほど大きくなり、磁気ヘッドの浮上量
は基本的に前記の浮上力と磁気ヘッドに加える荷重との
バランス条件で決まる。また、ディスク基板の面上に凹
凸が存在すると、走行中に磁気ヘッドとの間の隙間が変
化して隙間内に発生する圧力，したがって磁気ヘッドに
作用する浮上力が増減変化する。
来の磁気ディスクでは、ハードディスク装置の起動・停
止時に次に記すように問題点が発生する。すなわち、磁
気ヘッドの浮上原理は周知であり、磁気ディスクの回転
に伴いディスク面上の空気はその粘性によりディスク面
に引かれて境界層を形成し、ディスク面の近傍では空気
がディスクの走行速度とほぼ等しい速度で移動する。こ
こで、磁気ディスクの上面側にディスク面との間にくさ
び状の隙間を形成するようにスライダ付きの浮動式磁気
ヘッドを置くと、圧縮性を有する空気はくさび状の隙間
に押し込まれて隙間内に圧力を発生し、この空気圧力が
磁気ヘッドのＡＢＳ（Air Bearing Slider) 面に働いて
磁気ヘッドがディスク面から浮上する。この場合に磁気
ヘッドに作用する浮上力は磁気ディスクの回転周速度を
同じとすれば、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との
間の隙間が小さいほど大きくなり、磁気ヘッドの浮上量
は基本的に前記の浮上力と磁気ヘッドに加える荷重との
バランス条件で決まる。また、ディスク基板の面上に凹
凸が存在すると、走行中に磁気ヘッドとの間の隙間が変
化して隙間内に発生する圧力，したがって磁気ヘッドに
作用する浮上力が増減変化する。
【０００８】このことから、前記したプラスチック製基
板を採用した磁気ディスクでは、ハードディスク装置の
起動時に磁気ヘッドがＣＳＳゾーン３からデータゾーン
２に向けてディスク面上を矢印Ｒの半径方向に移動する
と、磁気ヘッドがＣＳＳゾーン３とデータゾーン４との
境目に到達したところで、磁気ディスクと磁気ヘッドと
の間の浮上隙間がＣＳＳゾーン３の突起３ａの高さＨに
相当する段差分だけステップ状に拡大する。このため
に、磁気ヘッドはそのＡＢＳ面に作用する浮上力が急激
に減少して下方へ降下することから磁気ヘッドは図４
(a) に点線で表した浮上軌跡Ｔを辿り、データゾーン２
の領域面上で過渡的に浮上量，浮上姿勢が大きく変動す
るような挙動を示す。このために、走行浮上量を小さく
設定した磁気ヘッドでは、前記の浮上量変動により磁気
ヘッドが磁気ディスクのデータゾーン２に接触してデー
タトラックにダメージを与えるおそれがある。
板を採用した磁気ディスクでは、ハードディスク装置の
起動時に磁気ヘッドがＣＳＳゾーン３からデータゾーン
２に向けてディスク面上を矢印Ｒの半径方向に移動する
と、磁気ヘッドがＣＳＳゾーン３とデータゾーン４との
境目に到達したところで、磁気ディスクと磁気ヘッドと
の間の浮上隙間がＣＳＳゾーン３の突起３ａの高さＨに
相当する段差分だけステップ状に拡大する。このため
に、磁気ヘッドはそのＡＢＳ面に作用する浮上力が急激
に減少して下方へ降下することから磁気ヘッドは図４
(a) に点線で表した浮上軌跡Ｔを辿り、データゾーン２
の領域面上で過渡的に浮上量，浮上姿勢が大きく変動す
るような挙動を示す。このために、走行浮上量を小さく
設定した磁気ヘッドでは、前記の浮上量変動により磁気
ヘッドが磁気ディスクのデータゾーン２に接触してデー
タトラックにダメージを与えるおそれがある。
【０００９】一方、ハードディスク装置の停止時には、
図４(b) で表すように前記とは逆に磁気ヘッドがデータ
ゾーン２からＣＳＳゾーン３に移行する過程で両者の境
目に到達したところで、ＣＳＳゾーン３の突起３ａが段
差となって磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の隙間がス
テップ状に縮小する。このために、磁気ヘッドは突起３
ａの段差を乗り超えるために図４(b) に点線で表すよう
な浮上軌跡Ｔを辿ることから、ＣＳＳゾーン３の面上で
過渡的に浮上量が大きく変動するようになる。この場合
に磁気ヘッドの設定浮上量が小さく、かつ急激に変化す
る浮上隙間に十分追従できないと、磁気ヘッドのスライ
ダがＣＳＳゾーン３に形成した突起３ａに接触，ないし
衝突して破損したりするおそれがある。
図４(b) で表すように前記とは逆に磁気ヘッドがデータ
ゾーン２からＣＳＳゾーン３に移行する過程で両者の境
目に到達したところで、ＣＳＳゾーン３の突起３ａが段
差となって磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の隙間がス
テップ状に縮小する。このために、磁気ヘッドは突起３
ａの段差を乗り超えるために図４(b) に点線で表すよう
な浮上軌跡Ｔを辿ることから、ＣＳＳゾーン３の面上で
過渡的に浮上量が大きく変動するようになる。この場合
に磁気ヘッドの設定浮上量が小さく、かつ急激に変化す
る浮上隙間に十分追従できないと、磁気ヘッドのスライ
ダがＣＳＳゾーン３に形成した突起３ａに接触，ないし
衝突して破損したりするおそれがある。
【００１０】かかる点、磁気ヘッドの浮上量をあらかじ
めＣＳＳゾーン３に形成した微小突起３ａの高さよりも
高く設定しておけば問題はないが、ハードディスク装置
における磁気ヘッドの浮上量は今後ますまく縮小化する
傾向にあることから、前記のようにディスク面上でデー
タゾーン２との境にＣＳＳゾーン３に分散形成した高さ
Ｈの突起３ａをそのまま突出しておくと、これが障害壁
となって磁気ヘッドの浮上走行が不安定となる。
めＣＳＳゾーン３に形成した微小突起３ａの高さよりも
高く設定しておけば問題はないが、ハードディスク装置
における磁気ヘッドの浮上量は今後ますまく縮小化する
傾向にあることから、前記のようにディスク面上でデー
タゾーン２との境にＣＳＳゾーン３に分散形成した高さ
Ｈの突起３ａをそのまま突出しておくと、これが障害壁
となって磁気ヘッドの浮上走行が不安定となる。
【００１１】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、その目的は前記課題を解決し、ハードディスク装置
の起動・停止時に浮動式磁気ヘッドがディスク面上でＣ
ＳＳゾーンとデータゾーンとの間を半径方向に移動する
際の浮上量変動を低く抑えて浮上走行の安定化を図るよ
うに改良した磁気ディスクを提供することにある。
り、その目的は前記課題を解決し、ハードディスク装置
の起動・停止時に浮動式磁気ヘッドがディスク面上でＣ
ＳＳゾーンとデータゾーンとの間を半径方向に移動する
際の浮上量変動を低く抑えて浮上走行の安定化を図るよ
うに改良した磁気ディスクを提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、浮動式磁気ヘッドと組合せてディ
ジタル情報を記録，再生する磁気ディスクであり、射出
成形法などにより成形されたプラスチック製ディスク基
板の表面にデータゾーン，およびその内周側領域にＣＳ
Ｓ（Contact Start Stop) ゾーンを画成し、かつ該ＣＳ
Ｓゾーンの面域には起動・停止時に磁気ヘッドのＡＢＳ
（Air Bearing Slider) がディスク面に吸着するのを防
止するようにその面域に微小な突起を分散形成して粗面
化したものにおいて、ＣＳＳゾーンの域内の外周部に前
記突起の高さが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ
状の段差突起領域を形成する（請求項１）ものとし、具
体的には次記のような態様で構成する。
に、本発明によれば、浮動式磁気ヘッドと組合せてディ
ジタル情報を記録，再生する磁気ディスクであり、射出
成形法などにより成形されたプラスチック製ディスク基
板の表面にデータゾーン，およびその内周側領域にＣＳ
Ｓ（Contact Start Stop) ゾーンを画成し、かつ該ＣＳ
Ｓゾーンの面域には起動・停止時に磁気ヘッドのＡＢＳ
（Air Bearing Slider) がディスク面に吸着するのを防
止するようにその面域に微小な突起を分散形成して粗面
化したものにおいて、ＣＳＳゾーンの域内の外周部に前
記突起の高さが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ
状の段差突起領域を形成する（請求項１）ものとし、具
体的には次記のような態様で構成する。
【００１３】(1) スロープ状段差突起領域の半径方向の
幅を、少なくとも磁気ヘッドのＡＢＳの幅よりも大に設
定する（請求項２）。 (2) スロープ状段差突起領域に散在する突起の頂面を、
スロープ面に沿って傾斜面に形成する（請求項３）。
幅を、少なくとも磁気ヘッドのＡＢＳの幅よりも大に設
定する（請求項２）。 (2) スロープ状段差突起領域に散在する突起の頂面を、
スロープ面に沿って傾斜面に形成する（請求項３）。
【００１４】上記のようにＣＳＳゾーンの外周側に突起
の高さが漸次低くなるスロープ状の段差突起領域を形成
し、かつその領域幅を磁気ヘッドの幅よりも大きく設定
したことにより、磁気ヘッドがＣＳＳゾーンとデータゾ
ーンの間を半径方向に移動する経路でのディスク面の高
さがスロープ状に緩やかに変化する。したがって、磁気
ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との間の浮上隙間も緩や
かな変化となり、これにより磁気ヘッドの浮上量を小さ
く設定した場合でも、データゾーンとＣＳＳゾーンとの
間を移動する過程で浮上量が大きく変動することなく安
定した浮上姿勢を維持できる。
の高さが漸次低くなるスロープ状の段差突起領域を形成
し、かつその領域幅を磁気ヘッドの幅よりも大きく設定
したことにより、磁気ヘッドがＣＳＳゾーンとデータゾ
ーンの間を半径方向に移動する経路でのディスク面の高
さがスロープ状に緩やかに変化する。したがって、磁気
ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との間の浮上隙間も緩や
かな変化となり、これにより磁気ヘッドの浮上量を小さ
く設定した場合でも、データゾーンとＣＳＳゾーンとの
間を移動する過程で浮上量が大きく変動することなく安
定した浮上姿勢を維持できる。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
１，および図２に示す実施例に基づいて説明する。な
お、各実施例の図中で図４に対応する同一部材には同じ
符号を付してその説明は省略する。
１，および図２に示す実施例に基づいて説明する。な
お、各実施例の図中で図４に対応する同一部材には同じ
符号を付してその説明は省略する。
【００１６】〔実施例１〕図１に示す実施例において
は、プラスチック成形品としてなるディスク基板１の表
面の内周側に画成されたＣＳＳ（Contact Start Stop)
ゾーン３の面域には、図４と同様に一面に微小な突起３
ａが分散形成されているが、本発明により、このＣＳＳ
ゾーン内の外周部にはその面域に分散形成されている微
小な突起３ａが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ
状の段差突起領域３ｂを形成している。この段差突起領
域３ｂでは、突起３ａの先端の間を半径方向（矢印Ｒ）
に結んだ仮想線Ｐが内周側から外周側のデータゾーン２
に向けて緩やかに下向きに傾斜している。また、この段
差突起領域３ｂの半径方向の幅Ｌは少なくとも磁気ヘッ
ドに付設したＡＢＳ（Air Bearing Slider) の幅寸法よ
りも大きく設定されている。
は、プラスチック成形品としてなるディスク基板１の表
面の内周側に画成されたＣＳＳ（Contact Start Stop)
ゾーン３の面域には、図４と同様に一面に微小な突起３
ａが分散形成されているが、本発明により、このＣＳＳ
ゾーン内の外周部にはその面域に分散形成されている微
小な突起３ａが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ
状の段差突起領域３ｂを形成している。この段差突起領
域３ｂでは、突起３ａの先端の間を半径方向（矢印Ｒ）
に結んだ仮想線Ｐが内周側から外周側のデータゾーン２
に向けて緩やかに下向きに傾斜している。また、この段
差突起領域３ｂの半径方向の幅Ｌは少なくとも磁気ヘッ
ドに付設したＡＢＳ（Air Bearing Slider) の幅寸法よ
りも大きく設定されている。
【００１７】かかる構成によれば、磁気ヘッドがＣＳＳ
ゾーン３とデータゾーン２の間を半径方向に移動する経
路に沿ってディスク面の高さがスロープ状に緩やかに変
化する。したがって、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク
面との間の浮上隙間も緩やかな変化となり、これにより
磁気ヘッドは大きな浮動量の変動を伴うことなく、図中
に表した浮上移動軌跡Ｔに沿って安定した浮上量を維持
して移動するようになる。しかも、段差突起領域３ｂの
半径方向の幅Ｌは少なくとも磁気ヘッドに付設したスラ
イダの幅よりも大きく設定ことにより、磁気ヘッドが段
差突起領域３ｂを経由して磁気ヘッドが半径方向に移動
する際の浮上姿勢も大きな変動なく安定移動する。
ゾーン３とデータゾーン２の間を半径方向に移動する経
路に沿ってディスク面の高さがスロープ状に緩やかに変
化する。したがって、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク
面との間の浮上隙間も緩やかな変化となり、これにより
磁気ヘッドは大きな浮動量の変動を伴うことなく、図中
に表した浮上移動軌跡Ｔに沿って安定した浮上量を維持
して移動するようになる。しかも、段差突起領域３ｂの
半径方向の幅Ｌは少なくとも磁気ヘッドに付設したスラ
イダの幅よりも大きく設定ことにより、磁気ヘッドが段
差突起領域３ｂを経由して磁気ヘッドが半径方向に移動
する際の浮上姿勢も大きな変動なく安定移動する。
【００１８】なお、この突起高さの微細な調整は、ディ
スク基板１を成形する射出成形金型のキャビティにディ
スク基板の突起に対応した形状を精密加工しておくこと
で容易に対応可能であるほか、突起３ａの形状，配列も
成形金型側で自由に設計することができる。
スク基板１を成形する射出成形金型のキャビティにディ
スク基板の突起に対応した形状を精密加工しておくこと
で容易に対応可能であるほか、突起３ａの形状，配列も
成形金型側で自由に設計することができる。
【００１９】〔実施例２〕図２は、先記実施例１をさら
に改良した応用実施例を示すものである。この実施例に
おいては、段差突起領域３ｂに並ぶ突起３ａの頂面を、
先記した仮想線Ｐと対応するスロープ面に沿わせるよう
に斜めにカットした傾斜面３ａ-1として形成し、この面
域を移動する磁気ヘッドのＡＢＳ面と突起３ａの頂面と
が平行となるようにして磁気ヘッドとの間の浮上間隙の
変化がより一層なだらかになるようにしている。
に改良した応用実施例を示すものである。この実施例に
おいては、段差突起領域３ｂに並ぶ突起３ａの頂面を、
先記した仮想線Ｐと対応するスロープ面に沿わせるよう
に斜めにカットした傾斜面３ａ-1として形成し、この面
域を移動する磁気ヘッドのＡＢＳ面と突起３ａの頂面と
が平行となるようにして磁気ヘッドとの間の浮上間隙の
変化がより一層なだらかになるようにしている。
【００２０】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、射出成形法などにより成形されたプラスチック製デ
ィスク基板の表面にデータゾーン，およびその内周側の
領域にＣＳＳ（Contact Start Stop) ゾーンを画成し、
かつＣＳＳゾーンにはその面域に磁気ヘッドの吸着を防
止する微小な突起を分散形成して粗面化した磁気ディス
クにおいて、ＣＳＳゾーンの域内の外周部に前記突起の
高さが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ状の段差
突起領域を形成し、さらに加えてロープ状段差突起領域
の半径方向の幅を、少なくとも磁気ヘッドのＡＢＳ幅よ
りも大に設定したことにより、磁気ヘッドがＣＳＳゾー
ンとデータゾーンの間を半径方向に移動する経路でのデ
ィスク面の高さがスロープ状に緩やかに変化する。した
がって、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との間の浮
上隙間も緩やかな変化となり、これにより磁気ヘッドが
データゾーンとＣＳＳゾーンとの間を移動する過程で浮
上量が大きく変動することなく安定した浮上姿勢を維持
できる。
ば、射出成形法などにより成形されたプラスチック製デ
ィスク基板の表面にデータゾーン，およびその内周側の
領域にＣＳＳ（Contact Start Stop) ゾーンを画成し、
かつＣＳＳゾーンにはその面域に磁気ヘッドの吸着を防
止する微小な突起を分散形成して粗面化した磁気ディス
クにおいて、ＣＳＳゾーンの域内の外周部に前記突起の
高さが外周方向に向けて漸次低くなるスロープ状の段差
突起領域を形成し、さらに加えてロープ状段差突起領域
の半径方向の幅を、少なくとも磁気ヘッドのＡＢＳ幅よ
りも大に設定したことにより、磁気ヘッドがＣＳＳゾー
ンとデータゾーンの間を半径方向に移動する経路でのデ
ィスク面の高さがスロープ状に緩やかに変化する。した
がって、磁気ヘッドのＡＢＳ面とディスク面との間の浮
上隙間も緩やかな変化となり、これにより磁気ヘッドが
データゾーンとＣＳＳゾーンとの間を移動する過程で浮
上量が大きく変動することなく安定した浮上姿勢を維持
できる。
【００２１】また、前記構成を採用することだ、ハード
ディスク装置に組み込んだ磁気ヘッドの浮上量を現行の
ものよりさらに小さく設定した場合でも、装置の起動・
停止時に磁気ヘッドが磁気ディスク側のデータゾーンの
トラック，ないしＣＳＳゾーンの突起側面に衝突したり
するおそれがなくて高い信頼性が確保できる。しかも、
ディスク基板をプラスチック成形品とすることで、ＣＳ
Ｓゾーンの面域に分散形成する微小な突起の形状，配
列，および突起高さの微細な調整も成形金型側で自由に
設計することが可能である。
ディスク装置に組み込んだ磁気ヘッドの浮上量を現行の
ものよりさらに小さく設定した場合でも、装置の起動・
停止時に磁気ヘッドが磁気ディスク側のデータゾーンの
トラック，ないしＣＳＳゾーンの突起側面に衝突したり
するおそれがなくて高い信頼性が確保できる。しかも、
ディスク基板をプラスチック成形品とすることで、ＣＳ
Ｓゾーンの面域に分散形成する微小な突起の形状，配
列，および突起高さの微細な調整も成形金型側で自由に
設計することが可能である。
【図１】本発明の実施例１に対応する磁気ディスク基板
の半径方向に沿った断面を模式的に表した図
の半径方向に沿った断面を模式的に表した図
【図２】本発明の実施例２に対応する磁気ディスク基板
の半径方向に沿った断面を模式的に表した図
の半径方向に沿った断面を模式的に表した図
【図３】本発明の実施対象となるプラスチック製磁気デ
ィスクの平面図
ィスクの平面図
【図４】従来のプラスチック製磁気ディスク基板の半径
方向に沿った断面，および磁気ヘッドの浮上移動軌跡を
模式的に表した図であり、(a),(b) はそれぞれ磁気ヘッ
ドがＣＳＳゾーンからデータゾーン，データゾーンから
ＣＳＳゾーンに移動する場合に対応した浮上移動軌跡を
表した図
方向に沿った断面，および磁気ヘッドの浮上移動軌跡を
模式的に表した図であり、(a),(b) はそれぞれ磁気ヘッ
ドがＣＳＳゾーンからデータゾーン，データゾーンから
ＣＳＳゾーンに移動する場合に対応した浮上移動軌跡を
表した図
１ プラスチック製ディスク基板 ２ データゾーン ３ ＣＳＳゾーン ３ａ 突起 ３ａ-1 傾斜面 ３ｂ 段差突起領域 Ｈ 突起高さ Ｌ 段差突起領域の幅 Ｐ スロープ面 Ｔ 磁気ヘッドの浮上移動軌跡 Ｒ ディスクの半径方向
Claims (3)
- 【請求項１】浮動式磁気ヘッドと組合せてディジタル情
報を記録，再生する磁気ディスクであり、射出成形法な
どにより成形されたプラスチック製ディスク基板の表面
にデータゾーン，およびその内周側の領域にＣＳＳ（Co
ntact StartStop) ゾーンを画成し、かつＣＳＳゾーン
にはその面域に磁気ヘッドの吸着を防止する微小な突起
を分散形成して粗面化したものにおいて、ＣＳＳゾーン
の域内の外周部に前記突起の高さが外周方向に向けて漸
次低くなるスロープ状の段差突起領域を形成したことを
特徴とする磁気ディスク。 - 【請求項２】請求項１記載の磁気ディスクにおいて、ス
ロープ状段差突起領域の半径方向の幅を、少なくとも磁
気ヘッドのＡＢＳ幅よりも大に設定したことを特徴とす
る磁気ディスク。 - 【請求項３】請求項１記載の磁気ディスクにおいて、ス
ロープ状段差突起領域に散在する突起の頂面を、スロー
プ面に沿って傾斜面に形成したことを特徴とする磁気デ
ィスク。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11102085A JP2000293840A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | 磁気ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11102085A JP2000293840A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | 磁気ディスク |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000293840A true JP2000293840A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14317947
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11102085A Withdrawn JP2000293840A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | 磁気ディスク |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000293840A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7616404B2 (en) | 2006-12-25 | 2009-11-10 | Tdk Corporation | Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium |
| US7733605B2 (en) * | 2003-03-05 | 2010-06-08 | Wd Media, Inc. | Magnetic recording disk having a transition zone |
-
1999
- 1999-04-09 JP JP11102085A patent/JP2000293840A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7733605B2 (en) * | 2003-03-05 | 2010-06-08 | Wd Media, Inc. | Magnetic recording disk having a transition zone |
| US8064156B1 (en) | 2003-03-05 | 2011-11-22 | Wd Media, Inc. | Magnetic recording disk having a transition zone |
| US7616404B2 (en) | 2006-12-25 | 2009-11-10 | Tdk Corporation | Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040531 |