JP2000292704A - 対物レンズおよび対物レンズシステム - Google Patents

対物レンズおよび対物レンズシステム

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JP2000292704A
JP2000292704A JP11096363A JP9636399A JP2000292704A JP 2000292704 A JP2000292704 A JP 2000292704A JP 11096363 A JP11096363 A JP 11096363A JP 9636399 A JP9636399 A JP 9636399A JP 2000292704 A JP2000292704 A JP 2000292704A
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lenses
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BUNSHI BIOPHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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  • Microscoopes, Condenser (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自家蛍光の発生を更に抑制することができる
対物レンズおよび対物レンズシステムを提供する。 【解決手段】 レンズ111および1110ならびに金属
部材121〜123に囲まれた空間はレンズ室を構成して
いる。レンズ111と金属部材121との接合部、金属部
材121と金属部材122との接合部、金属部材122
金属部材123との接合部、および、金属部材123とレ
ンズ1110との接合部それぞれは、シールされている。
レンズ室の内部は、不活性ガスが封入され又は真空とさ
れている。このような対物レンズは、レンズ111〜1
10および金属部材121〜123それぞれの表面をプラ
ズマ洗浄またはUV洗浄した後に、不活性ガス中または
真空中で最終的な組み立てを行ってレンズ室を封じきる
ことにより、製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に励起光を照
射するとともに前記試料で発生した蛍光を入力する落射
照明方式の蛍光顕微鏡に用いられる対物レンズおよび対
物レンズシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】落射照明方式の蛍光顕微鏡は、励起光源
から出力された励起光を対物レンズを介して試料に照射
するとともに、その試料に含まれる蛍光物質から発生し
た蛍光を該対物レンズを介して観察するものである。ま
た、対物レンズは一般的に複数のレンズを含んで構成さ
れている。このように、落射照明方式の蛍光顕微鏡で
は、対物レンズ内部を励起光および蛍光の双方が通過す
る。したがって、対物レンズを構成する各部材に励起光
が照射されることに因り自家蛍光が発生すると、この自
家蛍光は、試料で発生した蛍光を観察する際の背景光ノ
イズとなり、蛍光像のコントラストの低下や検出能の低
下を生じさせる。
【0003】このような問題に対して、対物レンズに含
まれる複数のレンズそれぞれの材質を改善することで、
対物レンズ内部で発生する自家蛍光の発生を抑制するこ
とが、従来より行われてきた。例えば、各レンズの材料
として合成石英ガラスを用いることが、自家蛍光の発生
を抑制する上で有効であることが知られている。
【0004】また、特開平9−281399号公報に開
示された対物レンズは、その対物レンズを構成する複数
のレンズが前方レンズ群と後方レンズ群とに区分され、
前方レンズ群と後方レンズ群との間にダイクロイックミ
ラーが設けられ、前方レンズ群に含まれる各レンズが励
起光に対する透過率が大きく且つ蛍光の発生が少ないも
のである。そして、この対物レンズでは、前方レンズ群
と後方レンズ群との間に入射した励起光は、ダイクロイ
ックミラーにより反射されて、前方レンズ群を介して試
料に照射される。また、その試料に含まれる蛍光物質か
ら発生した蛍光は、前方レンズ群、ダイクロイックミラ
ーおよび後方レンズ群を経て観察される。このように、
この対物レンズでは、各レンズが励起光に対する透過率
が大きく且つ蛍光の発生が少ないものとされた前方レン
ズ群のみに励起光を通過させることにより、自家蛍光の
発生の抑制を図ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
対物レンズは、自家蛍光の発生の抑制が充分ではない。
対物レンズ内部における自家蛍光の発生を更に抑制し
て、観察すべき蛍光像のコントラストや検出能を更に改
善することが望まれている。本発明は、上記問題点を解
消する為になされたものであり、自家蛍光の発生を更に
抑制することができる対物レンズおよび対物レンズシス
テムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の対物
レンズは、試料に励起光を照射するとともに試料で発生
した蛍光を入力する落射照明方式の蛍光顕微鏡に用いら
れる複数のレンズを含む対物レンズであって、内部と外
部とを互いに隔絶するレンズ室の内部に複数のレンズの
うち一部または全部が配置され、レンズ室の内部に不活
性ガスが封入されていることを特徴とする。この対物レ
ンズのレンズ室の内部には不活性ガスが封入されている
ので、このレンズ室内部にあるレンズの表面の清浄状態
が維持され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0007】本発明に係る第2の対物レンズは、試料に
励起光を照射するとともに試料で発生した蛍光を入力す
る落射照明方式の蛍光顕微鏡に用いられる複数のレンズ
を含む対物レンズであって、内部と外部とを互いに隔絶
するレンズ室の内部に複数のレンズのうち一部または全
部が配置され、レンズ室の内部が真空であることを特徴
とする。この対物レンズのレンズ室の内部は真空である
ので、このレンズ室内部にあるレンズの表面の清浄状態
が維持され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0008】本発明に係る第3の対物レンズは、試料に
励起光を照射するとともに試料で発生した蛍光を入力す
る落射照明方式の蛍光顕微鏡に用いられる複数のレンズ
を含む対物レンズであって、レンズ室の内部に複数のレ
ンズのうち一部または全部が配置され、レンズ室の内部
に気体を供給し或いはレンズ室の内部を排気するプラグ
を備えることを特徴とする。この対物レンズのプラグを
介してレンズ室の内部に不活性ガスが封入され或いは真
空とされるので、このレンズ室内部にあるレンズの表面
の清浄状態が維持され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0009】また、本発明に係る第1〜第3の対物レン
ズそれぞれは、(1) 複数のレンズが前方レンズ群と後方
レンズ群とに区分され、(2) 前方レンズ群と後方レンズ
群との間に、励起光を反射させて前方レンズ群に入射さ
せるとともに、前方レンズ群から出射された蛍光を透過
させて後方レンズ群に入射させるダイクロイックミラー
が備えられ、(3) レンズ室の内部に少なくとも前方レン
ズ群が配置されている、ことを特徴とする。この場合に
は、励起光は、ダイクロイックミラーにより反射され、
前方レンズ群を経て試料に向けて出射される。一方、試
料に含まれる蛍光物質から発生した蛍光は、前方レンズ
群、ダイクロイックミラーおよび後方レンズ群を経て結
像される。レンズ室内部は不活性ガスが封入され或いは
真空とされているので、このレンズ室内部にあるレンズ
の表面の清浄状態が維持され、自家蛍光の発生が抑制さ
れる。
【0010】本発明に係る対物レンズシステムは、上記
第3の対物レンズと、この対物レンズのレンズ室の内部
を給排気する給排気手段と、を備えることを特徴とす
る。この対物レンズシステムでは、給排気手段により対
物レンズのプラグを介してレンズ室の内部に不活性ガス
が封入され或いは真空とされるので、このレンズ室内部
にあるレンズの表面の清浄状態が維持され、自家蛍光の
発生が抑制される。
【0011】また、本発明に係る対物レンズシステム
は、対物レンズのレンズ室の内部にプラズマを発生させ
るプラズマ発生手段を更に備えることを特徴とする。ま
た、本発明に係る対物レンズシステムは、対物レンズの
レンズ室の内部にあるレンズに紫外光を照射する紫外光
照射手段を更に備えることを特徴とする。これら何れの
場合にも、対物レンズのレンズ室の内部にあるレンズは
洗浄され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0013】先ず、本発明を想到するに到った経緯につ
いて説明する。本願発明者は、自家蛍光発生の要因を調
査するため、対物レンズに含まれるレンズの表面の汚染
状態と自家蛍光発生量との関係を調べた。その結果、以
下のような知見が得られた。
【0014】図7は、厚さ1mmの標準フリントガラ
ス、メタノールで超音波洗浄した石英ガラス、プラズマ
洗浄した石英ガラス、および、紫外光照射によりUV洗
浄した石英ガラスそれぞれの蛍光発生量の測定結果を示
すグラフである。この測定に際しては、水銀灯から出力
される波長365nmの輝線を励起光とし、この励起光
をコリメートして試料平板に対して入射角約14度で照
射した。そして、この励起光照射に伴って試料から発生
した蛍光を、試料平板の法線方向から集光光学系を経て
分光器に入射させ、この分光器により波長410nm〜
435nmの範囲の強度を測定した。なお、標準フリン
トガラスは、蛍光発生量が多いことで知られているもの
である。図7では、厚さ1mmの標準フリントガラスか
ら発生した蛍光の強度を 500,000として規格化して表示
している。
【0015】このグラフから判るように、メタノールで
超音波洗浄した石英ガラスから発生した蛍光の強度は、
厚さ1mmの標準フリントガラスから発生した蛍光の強
度の1%程度であって、厚さ0.01mmの標準フリン
トガラスから発生した蛍光の強度に相当した。このよう
に、メタノールで超音波洗浄した石英ガラスから発生し
た蛍光の強度は、石英ガラス板から発生した蛍光に対し
て無視し得ないほど大きかった。また、プラズマ洗浄し
た石英ガラスから発生した蛍光の強度、および、UV洗
浄した石英ガラスから発生した蛍光の強度それぞれは、
メタノールで超音波洗浄した石英ガラスから発生した蛍
光の強度の1/3〜1/4程度であった。
【0016】図8は、プラズマ洗浄した後に大気中に放
置した石英ガラスから発生する蛍光の強度の時間変化を
示すグラフである。このグラフから判るように、プラズ
マ洗浄した石英ガラスであっても、時間の経過ととも
に、その石英ガラスの表面の汚染が進んで、発生する蛍
光の強度は大きくなっていく。
【0017】以上のことから、対物レンズ内部における
自家蛍光の発生を更に抑制するためには、各レンズを石
英ガラス等の無蛍光性の材料のものとするだけでなく、
レンズ表面を清浄にするのが有効であり、また、そのた
めにプラズマ洗浄またはUV洗浄が有効であることが判
った。また、レンズ表面を清浄な状態に維持する為に
は、そのレンズを真空中または不活性ガス中に置くのが
好適であると考えられる。さらに、レンズ表面を清浄な
状態に維持する為には、そのレンズ表面を随時にプラズ
マ洗浄またはUV洗浄する手段を備えるのが好適である
と考えられる。本発明は、以上のような知見および考察
に基づいてなされたものである。
【0018】(第1の実施形態)次に、本発明の第1の
実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に
係る対物レンズの断面図である。本実施形態に係る対物
レンズ10は、測定対象である試料の側(図面上で下
側)から像側(図面上で上側)に向かって順にレンズ1
1〜1110が配置されて、これらが金属部材121〜1
3を含むハウジング内に収納されている。
【0019】レンズ111および1110ならびに金属部
材121〜123に囲まれた空間はレンズ室を構成してい
る。レンズ111と金属部材121との接合部、金属部材
12 1と金属部材122との接合部、金属部材122と金
属部材123との接合部、および、金属部材123とレン
ズ1110との接合部それぞれは、シールされている。す
なわち、レンズ室は、内部と外部とが互いに隔絶された
密閉状態となっている。そして、レンズ室の内部は、不
活性ガスが封入され又は真空とされている。このような
対物レンズは、レンズ111〜1110および金属部材1
1〜123それぞれの表面をプラズマ洗浄またはUV洗
浄した後に、不活性ガス中または真空中で最終的な組み
立てを行ってレンズ室を封じきることにより、製造する
ことができる。
【0020】このように本実施形態では、対物レンズに
含まれる各レンズの表面をプラズマ洗浄またはUV洗浄
した後に組み立ててレンズ室内に不活性ガスを封入し又
は真空にするので、レンズ室内のレンズの表面の清浄状
態が維持される。したがって、自家蛍光の発生が抑制さ
れ、観察すべき蛍光像のコントラストや検出能が改善さ
れる。
【0021】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態に
係る対物レンズシステムの構成図である。この図には、
本実施形態に係る対物レンズ20の断面図、および、こ
の対物レンズ20と共に対物レンズシステムを構成する
給排気手段のブロック図が示されている。
【0022】本実施形態に係る対物レンズ20は、測定
対象である試料の側(図面上で下側)から像側(図面上
で上側)に向かって順にレンズ211〜2110が配置さ
れて、これらが金属部材221〜223を含むハウジング
内に収納されている。レンズ211と金属部材221との
接合部、金属部材221と金属部材222との接合部、金
属部材222と金属部材223との接合部、および、金属
部材223とレンズ2110との接合部それぞれは、シー
ルされている。これらレンズ211および211 0ならび
に金属部材221〜223に囲まれた空間はレンズ室を構
成している。
【0023】また、略円筒形状の金属部材222の側面
にはプラグ26が設けられている。真空ポンプ71は、
コック73を介してプラグ26に接続されており、対物
レンズ20のレンズ室の内部を排気することができる。
ガスボンベ72は、コック74を介してプラグ26に接
続されており、対物レンズ20のレンズ室の内部に不活
性ガスを給気することができる。なお、図2に示した構
成は1つのプラグ26でレンズ室の内部を給排気するも
のであるが、給気用プラグと排気用プラグとを別個に設
けてもよい。
【0024】コック74を閉じてコック73を開き真空
ポンプ71を動作させることにより、対物レンズ20の
レンズ室は排気され真空とされる。或いは、一旦真空に
した後に、コック73を閉じてコック74を開きガスボ
ンベ72から不活性ガスを給気することにより、対物レ
ンズ20のレンズ室は不活性ガスで満たされる。このよ
うに本実施形態では、対物レンズ20のレンズ室内に不
活性ガスを封入し又は真空にすることが随時できるの
で、レンズ室内のレンズの表面の清浄状態が維持され
る。したがって、自家蛍光の発生が抑制され、観察すべ
き蛍光像のコントラストや検出能が改善される。
【0025】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。図3は、第3の実施形態に
係る対物レンズシステムの構成図である。この図には、
本実施形態に係る対物レンズ30の断面図、および、こ
の対物レンズ30と共に対物レンズシステムを構成する
給排気手段のブロック図が示されている。図3(a)お
よび(b)それぞれに示された対物レンズ30の断面図
は、対物レンズ30の光軸に各々垂直であって互いに直
交する2方向から見たものである。
【0026】本実施形態に係る対物レンズ30は、測定
対象である試料の側(図面上で下側)から像側(図面上
で上側)に向かって順にレンズ311〜3110が配置さ
れて、これらが金属部材321〜323を含むハウジング
内に収納されている。レンズ311と金属部材321との
接合部、金属部材321と金属部材322との接合部、金
属部材322と金属部材323との接合部、および、金属
部材323とレンズ3110との接合部それぞれは、シー
ルされている。これらレンズ311および311 0ならび
に金属部材321〜323に囲まれた空間はレンズ室を構
成している。
【0027】また、10個のレンズ311〜3110は、
試料側にある4個のレンズ311〜314を含む前方レン
ズ群31Fと、像側にある6個のレンズ315〜3110
を含む後方レンズ群31Rとに区分される。そして、前
方レンズ群31Fと後方レンズ群31Rとの間にダイク
ロイックミラー33およびバリアフィルタ34が設けら
れている。ダイクロイックミラー33は、金属部材32
2の一部に設けられた励起光入射窓35を透過して外部
より内部へ入射した励起光Aを反射させて前方レンズ群
31Fに入射させるとともに、前方レンズ群31Fから
出射された蛍光を透過させてバリアフィルタ34を経て
後方レンズ群31Rに入射させる。また、バリアフィル
タ34は、励起光を遮断し、蛍光を透過させるものであ
る。なお、励起光入射窓35は励起光の透過率が高いガ
ラスで作られ、励起光入射窓35と金属部材322との
接合部もシールされている。
【0028】本実施形態に係る対物レンズでは、励起光
源から出力された励起光Aは、励起光入射窓35を透過
し、ダイクロイックミラー33により反射され、前方レ
ンズ群31Fのレンズ314の側から入射し、レンズ3
1の側から試料に向けて出射される。一方、試料に含
まれる蛍光物質から発生した蛍光は、前方レンズ群31
Fのレンズ311の側から入射してレンズ314の側から
出射され、ダイクロイックミラー33およびバリアフィ
ルタ34を透過し、後方レンズ群31Rのレンズ315
の側から入射してレンズ3110の側から出射され結像さ
れる。
【0029】また、略円筒形状の金属部材322の側面
にはプラグ361および362が設けられている。真空ポ
ンプ71は、コック73を介してプラグ361に接続さ
れており、対物レンズ30のレンズ室の内部を排気する
ことができる。ガスボンベ72は、コック74を介して
プラグ362に接続されており、対物レンズ30のレン
ズ室の内部に不活性ガスを給気することができる。な
お、図2に示した構成は排気用プラグ361と給気用プ
ラグ362とを別個に設けたものであるが、1つのプラ
グでレンズ室の内部を給排気するようにしてもよい。
【0030】コック74を閉じてコック73を開き真空
ポンプ71を動作させることにより、対物レンズ30の
レンズ室は排気され真空とされる。或いは、一旦真空に
した後に、コック73を閉じてコック74を開きガスボ
ンベ72から不活性ガスを給気することにより、対物レ
ンズ30のレンズ室は不活性ガスで満たされる。このよ
うに本実施形態では、対物レンズ30のレンズ室内に不
活性ガスを封入し又は真空にすることが随時できるの
で、レンズ室内のレンズの表面の清浄状態が維持され
る。したがって、自家蛍光の発生が抑制され、観察すべ
き蛍光像のコントラストや検出能が改善される。
【0031】本実施形態では、励起光Aは、後方レンズ
群31Rに含まれるレンズ315〜3110を通過するこ
となく、前方レンズ群31Fに含まれるレンズ311
314のみを通過する。したがって、例えば前方レンズ
群31Fを構成する全てのレンズ311〜314それぞれ
を特に無蛍光性の材料からなるものとすることにより、
これらから自家蛍光が発生することは殆どなくなる。し
たがって、本実施形態に係る対物レンズを用いた落射蛍
光顕微鏡は、試料の蛍光像を観察する際に、背景光ノイ
ズが極めて少なく、コントラストおよび検出能が優れ
る。
【0032】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態について説明する。図4は、第4の実施形態に
係る対物レンズシステムの構成図である。この図には、
本実施形態に係る対物レンズ40の断面図、ならびに、
この対物レンズ40と共に対物レンズシステムを構成す
る排気手段およびプラズマ発生手段それぞれのブロック
図が示されている。この図において、対物レンズ40の
中心線に対して左側および右側それぞれは、対物レンズ
40の光軸に各々垂直であって互いに直交する2方向か
ら見た断面である。
【0033】本実施形態に係る対物レンズ40は、測定
対象である試料の側(図面上で下側)から像側(図面上
で上側)に向かって順にレンズ411〜4110が配置さ
れて、これらが金属部材421〜423を含むハウジング
内に収納されている。レンズ411と金属部材421との
接合部、金属部材421と金属部材422との接合部、金
属部材422と金属部材423との接合部、および、金属
部材423とレンズ4110との接合部それぞれは、シー
ルされている。これらレンズ411および411 0ならび
に金属部材421〜423に囲まれた空間はレンズ室を構
成している。
【0034】また、10個のレンズ411〜4110は、
試料側にある4個のレンズ411〜414を含む前方レン
ズ群41Fと、像側にある6個のレンズ415〜4110
を含む後方レンズ群41Rとに区分される。そして、前
方レンズ群41Fと後方レンズ群41Rとの間にダイク
ロイックミラー43およびバリアフィルタ44が設けら
れている。ダイクロイックミラー43は、金属部材42
2の一部に設けられた励起光入射窓45を透過して外部
より内部へ入射した励起光Aを反射させて前方レンズ群
41Fに入射させるとともに、前方レンズ群41Fから
出射された蛍光を透過させてバリアフィルタ44を経て
後方レンズ群41Rに入射させる。また、バリアフィル
タ44は、励起光を遮断し、蛍光を透過させるものであ
る。なお、励起光入射窓45は励起光の透過率が高いガ
ラスで作られ、励起光入射窓45と金属部材422との
接合部もシールされている。
【0035】本実施形態に係る対物レンズでは、励起光
源から出力された励起光Aは、励起光入射窓45を透過
し、ダイクロイックミラー43により反射され、前方レ
ンズ群41Fのレンズ414の側から入射し、レンズ4
1の側から試料に向けて出射される。一方、試料に含
まれる蛍光物質から発生した蛍光は、前方レンズ群41
Fのレンズ411の側から入射してレンズ414の側から
出射され、ダイクロイックミラー43およびバリアフィ
ルタ44を透過し、後方レンズ群41Rのレンズ415
の側から入射してレンズ4110の側から出射され結像さ
れる。
【0036】また、略円筒形状の金属部材422の側面
にはプラグ46が設けられている。真空ポンプ71は、
コック73を介してプラグ46に接続されており、対物
レンズ40のレンズ室の内部を排気することができる。
さらに、レンズ411の周囲にコイル811が設けられ、
レンズ412の周囲にコイル812が設けられ、レンズ4
3の周囲にコイル813が設けられ、レンズ414の周
囲にコイル814が設けられている。そして、高周波発
生器82は、コイル811〜814それぞれに高周波電圧
を印加することにより、対物レンズ40のレンズ室内
(特に前方レンズ群41Fの周囲)をプラズマ洗浄す
る。
【0037】コック73を開き真空ポンプ71を動作さ
せることにより、対物レンズ40のレンズ室は排気され
真空とされる。そして、真空にした後に高周波発生器8
2を動作させることにより、対物レンズ40のレンズ室
内にプラズマを発生させる。このプラズマによりレンズ
室内部(特に前方レンズ群41Fおよびその周辺)はプ
ラズマ洗浄される。この洗浄の後、対物レンズ40のレ
ンズ室内を真空に維持するためにコック73を閉じても
よいが、真空ポンプ71による排気を継続するのも好適
である。このように本実施形態では、対物レンズ40の
レンズ室内を真空にした上でレンズ室内部をプラズマ洗
浄することが随時できるので、レンズ室内の表面の清浄
状態が維持される。したがって、自家蛍光の発生が抑制
され、観察すべき蛍光像のコントラストや検出能が改善
される。
【0038】本実施形態では、励起光Aは、後方レンズ
群41Rに含まれるレンズ415〜4110を通過するこ
となく、前方レンズ群41Fに含まれるレンズ411
414のみを通過する。したがって、例えば前方レンズ
群41Fを構成する全てのレンズ411〜414それぞれ
を特に無蛍光性の材料からなるものとすることにより、
これらから自家蛍光が発生することは殆どなくなる。し
たがって、本実施形態に係る対物レンズを用いた落射蛍
光顕微鏡は、試料の蛍光像を観察する際に、背景光ノイ
ズが極めて少なく、コントラストおよび検出能が優れ
る。
【0039】なお、本実施形態に係る対物レンズは、ダ
イクロイックミラーを内部に有して前方レンズ群と後方
レンズ群とに区分されるものであったが、図1に示した
ような通常の構成のものに適用してもよい。
【0040】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態について説明する。図5は、第5の実施形態に
係る対物レンズシステムの構成図である。この図には、
本実施形態に係る対物レンズ50の断面図、ならびに、
この対物レンズ50と共に対物レンズシステムを構成す
る給排気手段および紫外光照射手段それぞれのブロック
図が示されている。
【0041】本実施形態に係る対物レンズ50は、測定
対象である試料の側(図面上で下側)から像側(図面上
で上側)に向かって順にレンズ511〜5110が配置さ
れて、これらが金属部材521〜523を含むハウジング
内に収納されている。レンズ511と金属部材521との
接合部、金属部材521と金属部材522との接合部、金
属部材522と金属部材523との接合部、および、金属
部材523とレンズ5110との接合部それぞれは、シー
ルされている。これらレンズ511および511 0ならび
に金属部材521〜523に囲まれた空間はレンズ室を構
成している。
【0042】また、10個のレンズ511〜5110は、
試料側にある4個のレンズ511〜514を含む前方レン
ズ群51Fと、像側にある6個のレンズ515〜5110
を含む後方レンズ群51Rとに区分される。そして、前
方レンズ群51Fと後方レンズ群51Rとの間にダイク
ロイックミラー53およびバリアフィルタ54が設けら
れている。ダイクロイックミラー53は、金属部材52
2の一部に設けられた励起光入射窓55を透過して外部
より内部へ入射した励起光を反射させて前方レンズ群5
1Fに入射させるとともに、前方レンズ群51Fから出
射された蛍光を透過させてバリアフィルタ54を経て後
方レンズ群51Rに入射させる。また、バリアフィルタ
54は、励起光を遮断し、蛍光を透過させるものであ
る。なお、励起光入射窓55は励起光の透過率が高いガ
ラスで作られ、励起光入射窓55と金属部材522との
接合部もシールされている。
【0043】本実施形態に係る対物レンズでは、励起光
源から出力された励起光は、励起光入射窓55を透過
し、ダイクロイックミラー53により反射され、前方レ
ンズ群51Fのレンズ514の側から入射し、レンズ5
1の側から試料に向けて出射される。一方、試料に含
まれる蛍光物質から発生した蛍光は、前方レンズ群51
Fのレンズ511の側から入射してレンズ514の側から
出射され、ダイクロイックミラー53およびバリアフィ
ルタ54を透過し、後方レンズ群51Rのレンズ515
の側から入射してレンズ5110の側から出射され結像さ
れる。
【0044】また、略円筒形状の金属部材522の側面
にはプラグ56が設けられている。真空ポンプ71は、
コック73を介してプラグ56に接続されており、対物
レンズ50のレンズ室の内部を排気することができる。
ガスボンベ75は、コック74を介してプラグ56に接
続されており、対物レンズ50のレンズ室の内部に酸素
ガスを給気することができる。なお、図5に示した構成
は1つのプラグ56でレンズ室の内部を給排気するもの
であるが、給気用プラグと排気用プラグとを別個に設け
てもよい。
【0045】さらに、この対物レンズ50のレンズ室内
に紫外光を入射させるために、紫外光源91およびレン
ズ921〜925が備えられている。紫外光源91から出
力された紫外光は、レンズ921〜925を経て、対物レ
ンズ50のレンズ511からレンズ室内部に入射し、対
物レンズ50に含まれるレンズ511〜514それぞれの
表面をUV洗浄する。なお、紫外光源91として例えば
水銀ランプが好適であり、UV洗浄を行う為の紫外光の
波長として水銀ランプの輝線波長である254nmや1
85nmが好適に用いられる。
【0046】対物レンズ50のレンズ室内を大気で満た
した状態で、或いは、コック73および74それぞれの
適切な操作により対物レンズ50のレンズ室内を一旦真
空にした後に酸素ガスを満たした状態で、紫外光源91
から出力された紫外光を対物レンズ50のレンズ511
からレンズ室内部に入射させる。この紫外光により、対
物レンズ50に含まれるレンズ511〜514それぞれの
表面はUV洗浄される。この洗浄の後、対物レンズ50
のレンズ室内のオゾンを排気するため、真空ポンプ71
により対物レンズ50のレンズ室内を排気するのが好適
である。このように本実施形態では、対物レンズ50の
レンズ室内を大気または酸素ガスで満たしてレンズ室内
部をUV洗浄することが随時できるので、レンズ室内の
表面の清浄状態が維持される。したがって、自家蛍光の
発生が抑制され、観察すべき蛍光像のコントラストや検
出能が改善される。
【0047】本実施形態では、励起光は、後方レンズ群
51Rに含まれるレンズ515〜5110を通過すること
なく、前方レンズ群51Fに含まれるレンズ511〜5
4のみを通過する。したがって、例えば前方レンズ群
51Fを構成する全てのレンズ511〜514それぞれを
特に無蛍光性の材料からなるものとすることにより、こ
れらから自家蛍光が発生することは殆どなくなる。した
がって、本実施形態に係る対物レンズを用いた落射蛍光
顕微鏡は、試料の蛍光像を観察する際に、背景光ノイズ
が極めて少なく、コントラストおよび検出能が優れる。
【0048】なお、本実施形態に係る対物レンズは、ダ
イクロイックミラーを内部に有して前方レンズ群と後方
レンズ群とに区分されるものであったが、図1に示した
ような通常の構成のものに適用してもよい。
【0049】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態について説明する。図6は、第6の実施形態に
係る対物レンズシステムの構成図である。この図には、
本実施形態に係る対物レンズ60の断面図、ならびに、
この対物レンズ60と共に対物レンズシステムを構成す
る給排気手段および紫外光照射手段それぞれのブロック
図が示されている。また、この図には、試料を励起する
ための励起光を供給する励起光供給手段も示されてい
る。
【0050】本実施形態に係る対物レンズ60は、測定
対象である試料の側(図面上で下側)から像側(図面上
で上側)に向かって順にレンズ611〜6110が配置さ
れて、これらが金属部材621〜623を含むハウジング
内に収納されている。レンズ611と金属部材621との
接合部、金属部材621と金属部材622との接合部、金
属部材622と金属部材623との接合部、および、金属
部材623とレンズ6110との接合部それぞれは、シー
ルされている。これらレンズ611および611 0ならび
に金属部材621〜623に囲まれた空間はレンズ室を構
成している。
【0051】また、10個のレンズ611〜6110は、
試料側にある4個のレンズ611〜614を含む前方レン
ズ群61Fと、像側にある6個のレンズ615〜6110
を含む後方レンズ群61Rとに区分される。そして、前
方レンズ群61Fと後方レンズ群61Rとの間にダイク
ロイックミラー63およびバリアフィルタ64が設けら
れている。ダイクロイックミラー63は、金属部材62
2の一部に設けられた励起光入射窓65を透過して外部
より内部へ入射した励起光およびUV洗浄用の紫外光を
反射させて前方レンズ群61Fに入射させるとともに、
前方レンズ群61Fから出射された蛍光を透過させてバ
リアフィルタ64を経て後方レンズ群61Rに入射させ
る。また、バリアフィルタ64は、励起光を遮断し、蛍
光を透過させるものである。なお、励起光入射窓65は
励起光の透過率が高いガラスで作られ、励起光入射窓6
5と金属部材622との接合部もシールされている。
【0052】本実施形態に係る対物レンズでは、励起光
源から出力された励起光は、励起光入射窓65を透過
し、ダイクロイックミラー63により反射され、前方レ
ンズ群61Fのレンズ614の側から入射し、レンズ6
1の側から試料に向けて出射される。一方、試料に含
まれる蛍光物質から発生した蛍光は、前方レンズ群61
Fのレンズ611の側から入射してレンズ614の側から
出射され、ダイクロイックミラー63およびバリアフィ
ルタ64を透過し、後方レンズ群61Rのレンズ615
の側から入射してレンズ6110の側から出射され結像さ
れる。
【0053】また、略円筒形状の金属部材622の側面
にはプラグ66が設けられている。真空ポンプ71は、
コック73を介してプラグ66に接続されており、対物
レンズ60のレンズ室の内部を排気することができる。
ガスボンベ75は、コック74を介してプラグ66に接
続されており、対物レンズ60のレンズ室の内部に酸素
ガスを給気することができる。なお、図6に示した構成
は1つのプラグ66でレンズ室の内部を給排気するもの
であるが、給気用プラグと排気用プラグとを別個に設け
てもよい。
【0054】さらに、この対物レンズ60のレンズ室内
にUV洗浄用の紫外光および励起用の励起光を入射させ
るために、紫外光源91、レンズ971〜973、励起光
源93、視野絞り94、ミラー95および励起フィルタ
96が備えられている。ミラー95および励起フィルタ
96それぞれは着脱自在である。
【0055】対物レンズ60のレンズ室内部をUV洗浄
する際にはミラー95が装着され、励起フィルタ96が
取り除かれる。紫外光源91から出力された紫外光は、
レンズ971、ミラー95およびレンズ973を順次に経
て、対物レンズ60の励起光入射窓65からレンズ室内
部に入射し、ダイクロイックミラー63により反射さ
れ、前方レンズ群61Fに含まれるレンズ611〜614
それぞれの表面をUV洗浄する。なお、紫外光源91と
して例えば水銀ランプが好適であり、UV洗浄を行う為
の紫外光の波長として水銀ランプの輝線波長である25
4nmや185nmが好適に用いられる。
【0056】一方、試料に励起光を照射する際にはミラ
ー95が取り外され、励起フィルタ96が装着される。
励起光源93から出力された励起光は、レンズ972
視野絞り94、励起フィルタ96およびレンズ973
順次に経て、対物レンズ60の励起光入射窓65からレ
ンズ室内部に入射し、ダイクロイックミラー63により
反射され、前方レンズ群61Fを通過して、試料に照射
される。
【0057】対物レンズ60のレンズ室内を大気で満た
した状態で、或いは、コック73および74それぞれの
適切な操作により対物レンズ60のレンズ室内を一旦真
空にした後に酸素ガスを満たした状態で、紫外光源91
から出力された紫外光を対物レンズ60の励起光入射窓
65からレンズ室内部に入射させる。この紫外光によ
り、対物レンズ60に含まれるレンズ611〜614それ
ぞれの表面はUV洗浄される。この洗浄の後、対物レン
ズ60のレンズ室内のオゾンを排気するため、真空ポン
プ71により対物レンズ60のレンズ室内を排気するの
が好適である。このように本実施形態では、対物レンズ
60のレンズ室内を大気または酸素ガスで満たしてレン
ズ室内部をUV洗浄することが随時できるので、レンズ
室内の表面の清浄状態が維持される。したがって、自家
蛍光の発生が抑制され、観察すべき蛍光像のコントラス
トや検出能が改善される。
【0058】本実施形態では、励起光は、後方レンズ群
61Rに含まれるレンズ615〜6110を通過すること
なく、前方レンズ群61Fに含まれるレンズ611〜6
4のみを通過する。したがって、例えば前方レンズ群
61Fを構成する全てのレンズ611〜614それぞれを
特に無蛍光性の材料からなるものとすることにより、こ
れらから自家蛍光が発生することは殆どなくなる。した
がって、本実施形態に係る対物レンズを用いた落射蛍光
顕微鏡は、試料の蛍光像を観察する際に、背景光ノイズ
が極めて少なく、コントラストおよび検出能が優れる。
【0059】なお、本実施形態に係る対物レンズは、ダ
イクロイックミラーを内部に有して前方レンズ群と後方
レンズ群とに区分されるものであったが、図1に示した
ような通常の構成のものに適用してもよい。
【0060】また、紫外光源91を備えることなく、励
起光源93として試料励起用の励起光とUV洗浄用の紫
外光とを出力できるものを用いてもよい。この場合、励
起フィルタ96は、試料励起時およびUV洗浄時それぞ
れにおいて好適な透過特性を有するものが用いられる。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、対物レンズのレンズ室の内部には不活性ガスが
封入されており、または、対物レンズのレンズ室の内部
が真空とされており、または、対物レンズのレンズ室の
内部が給排気手段により不活性ガスが供給され若しくは
排気されるので、このレンズ室内部にあるレンズの表面
の清浄状態が維持され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0062】また、複数のレンズが前方レンズ群と後方
レンズ群とに区分され、前方レンズ群と後方レンズ群と
の間にダイクロイックミラーが備えられ、レンズ室の内
部に少なくとも前方レンズ群が配置されているのが好適
である。この場合には、少なくとも前方レンズ群を内部
に有するレンズ室は不活性ガスが封入され或いは真空と
されているので、このレンズ室内部にあるレンズの表面
の清浄状態が維持され、自家蛍光の発生が抑制される。
【0063】また、対物レンズのレンズ室の内部にプラ
ズマを発生させるプラズマ発生手段を備え、或いは、対
物レンズのレンズ室の内部にあるレンズに紫外光を照射
する紫外光照射手段を備えることで、対物レンズのレン
ズ室の内部にあるレンズは洗浄され、自家蛍光の発生が
抑制される。
【0064】したがって、この対物レンズを用いた落射
蛍光顕微鏡は、試料の蛍光像を観察する際に、背景光ノ
イズが極めて少なく、コントラストおよび検出能が優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る対物レンズの断面図であ
る。
【図2】第2の実施形態に係る対物レンズシステムの構
成図である。
【図3】第3の実施形態に係る対物レンズシステムの構
成図である。
【図4】第4の実施形態に係る対物レンズシステムの構
成図である。
【図5】第5の実施形態に係る対物レンズシステムの構
成図である。
【図6】第6の実施形態に係る対物レンズシステムの構
成図である。
【図7】厚さ1mmの標準フリントガラス、メタノール
で超音波洗浄した石英ガラス、プラズマ洗浄した石英ガ
ラス、および、UV洗浄した石英ガラスそれぞれの蛍光
発生量の測定結果を示すグラフである。
【図8】プラズマ洗浄した後に大気中に放置した石英ガ
ラスから発生する蛍光の強度の時間変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10…対物レンズ、111〜1110…レンズ、121〜1
3…金属部材、20…対物レンズ、211〜1110…レ
ンズ、221〜223…金属部材、26…プラグ、30…
対物レンズ、311〜3110…レンズ、31F…前方レ
ンズ群、31R…後方レンズ群、321〜323…金属部
材、33…ダイクロイックミラー、34…バリアフィル
タ、35…励起光入射窓、361,362…プラグ、40
…対物レンズ、411〜4110…レンズ、41F…前方
レンズ群、41R…後方レンズ群、421〜423…金属
部材、43…ダイクロイックミラー、44…バリアフィ
ルタ、45…励起光入射窓、46…プラグ、50…対物
レンズ、511〜5110…レンズ、51F…前方レンズ
群、51R…後方レンズ群、521〜523…金属部材、
53…ダイクロイックミラー、54…バリアフィルタ、
55…励起光入射窓、56…プラグ、60…対物レン
ズ、611〜6110…レンズ、61F…前方レンズ群、
61R…後方レンズ群、621〜623…金属部材、63
…ダイクロイックミラー、64…バリアフィルタ、65
…励起光入射窓、66…プラグ、71…真空ポンプ、7
2…ガスボンベ、73,74…コック、75…ガスボン
ベ、811〜814…コイル、82…高周波発生器、91
…紫外光源、921〜925…レンズ、93…励起光源、
94…視野絞り、95…ミラー、96…励起フィルタ、
971〜973…レンズ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に励起光を照射するとともに前記試
    料で発生した蛍光を入力する落射照明方式の蛍光顕微鏡
    に用いられる複数のレンズを含む対物レンズであって、 内部と外部とを互いに隔絶するレンズ室の内部に前記複
    数のレンズのうち一部または全部が配置され、前記レン
    ズ室の内部に不活性ガスが封入されている、ことを特徴
    とする対物レンズ。
  2. 【請求項2】 試料に励起光を照射するとともに前記試
    料で発生した蛍光を入力する落射照明方式の蛍光顕微鏡
    に用いられる複数のレンズを含む対物レンズであって、 内部と外部とを互いに隔絶するレンズ室の内部に前記複
    数のレンズのうち一部または全部が配置され、前記レン
    ズ室の内部が真空である、ことを特徴とする対物レン
    ズ。
  3. 【請求項3】 試料に励起光を照射するとともに前記試
    料で発生した蛍光を入力する落射照明方式の蛍光顕微鏡
    に用いられる複数のレンズを含む対物レンズであって、 レンズ室の内部に前記複数のレンズのうち一部または全
    部が配置され、前記レンズ室の内部に気体を供給し或い
    は前記レンズ室の内部を排気するプラグを備える、こと
    を特徴とする対物レンズ。
  4. 【請求項4】 前記複数のレンズが前方レンズ群と後方
    レンズ群とに区分され、 前記前方レンズ群と前記後方レンズ群との間に、前記励
    起光を反射させて前記前方レンズ群に入射させるととも
    に、前記前方レンズ群から出射された前記蛍光を透過さ
    せて前記後方レンズ群に入射させるダイクロイックミラ
    ーが備えられ、 前記レンズ室の内部に少なくとも前記前方レンズ群が配
    置されている、 ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の対
    物レンズ。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の対物レンズと、前記対物
    レンズの前記レンズ室の内部を給排気する給排気手段
    と、を備えることを特徴とする対物レンズシステム。
  6. 【請求項6】 前記対物レンズの前記レンズ室の内部に
    プラズマを発生させるプラズマ発生手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項5記載の対物レンズシステム。
  7. 【請求項7】 前記対物レンズの前記レンズ室の内部に
    あるレンズに紫外光を照射する紫外光照射手段を更に備
    えることを特徴とする請求項5記載の対物レンズシステ
    ム。
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