JP2000223757A - ガスレーザ - Google Patents

ガスレーザ

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JP2000223757A
JP2000223757A JP2704899A JP2704899A JP2000223757A JP 2000223757 A JP2000223757 A JP 2000223757A JP 2704899 A JP2704899 A JP 2704899A JP 2704899 A JP2704899 A JP 2704899A JP 2000223757 A JP2000223757 A JP 2000223757A
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laser
chamber
gas
pressure
pressurized
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Osamu Wakabayashi
理 若林
Tatsuo Enami
龍雄 榎波
Shinji Nagai
伸治 永井
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザガスに対する高い耐圧を有し、レーザ
ガスの圧力を高めることで強いパワーを得ることが可能
なガスレーザを提供する。 【解決手段】 レーザチャンバ2内に大気圧よりも高い
圧力PLのレーザガスを封止し、そのレーザガスを励起
してレーザ光11を発振させるガスレーザ1において、
内部にレーザガスの圧力PLよりも低く、かつ大気圧よ
りも高い圧力PNの不活性ガスを充填した与圧チャンバ
14を備え、この与圧チャンバ14の内部にレーザチャ
ンバ2を収納するか、又はこの与圧チャンバ51によっ
て、少なくともレーザ光11の出射部7B,9Bと、又
はさらにレーザチャンバ2に装着されてレーザガスを励
起する放電回路3とのレーザチャンバ2外側を覆ってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧よりも高い
圧力のレーザガスを励起してレーザ光を発振させるガス
レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大気圧よりも高い圧力のレー
ザガスを励起してレーザ光を発振させるガスレーザとし
て、例えばF2レーザが知られている。F2レーザは、波
長約157nmのレーザ光を発振し、主としてレーザリソ
グラフィ等の精密加工の光源として使用される。図5
は、従来技術に係るF2レーザの構成図を表しており、
以下同図に基づいて従来技術を説明する。
【0003】同図においてF2レーザ1は、レーザガス
を封入したレーザチャンバ2を備え、その内部で放電を
起こしてレーザ光11を発振させている。レーザチャン
バ2の内部には、レーザガスとして例えばフッ素(F
2)とヘリウム(He)とが所定の圧力比で封入されて
おり、レーザチャンバ2内の所定位置には1組の放電電
極5,5が設置されている。また、レーザチャンバ2の
上面の上面開口部12には放電回路3が備えられてお
り、レーザチャンバ2の一部を構成してレーザガスを封
止している。また、レーザチャンバ2の所定位置には、
レーザガスを放電電極5,5間に送り込む貫流ファン5
4が設置されている。この貫流ファン54は、レーザチ
ャンバ2の両端部に固定された磁性流体軸受55,55
によって回転自在に支承されており、磁性流体軸受5
5,55に接続されたモータ56により動力を供給され
て回転する。そして、外部の高圧電源6から、この放電
回路3を介して放電電極5,5間に高電圧を印加し、放
電を起こしてレーザガスを励起し、レーザ光11を発振
させてる。
【0004】発振したレーザ光11は、レーザチャンバ
2の後端部(図中左端部)に固定されたリアウィンドウ
9を透過する。そして、レーザチャンバ2の外部後方
(図中左方)に設けられたリアミラー10で全反射さ
れ、レーザチャンバ2を通過して、レーザチャンバ2の
前端部に固定されたフロントウィンドウ7を透過する。
フロントウィンドウ7を透過したレーザ光11は、フロ
ントミラー8を部分透過して、その一部が外部に出射す
る。このように、従来のF2レーザ1はエキシマレーザ
とほぼ同様の構成を有しており、レーザガスの構成をF
2とHeとすることにより、波長約157nmのレーザ光
11を発振している。そして、F2レーザ1において
は、レーザガスの圧力をエキシマレーザと同様の2〜3
気圧にすると、加工用の光源として充分なレーザ光11
のパワーを得ることができないため、レーザガスの圧力
PLをエキシマレーザの数倍の圧力(例えば10気圧程
度)にすることにより、パワーを上げている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題点がある。
【0006】即ちF2レーザ1においては、レーザガス
の圧力PLが大きいためにレーザチャンバ2の内部と外
部(大気)との圧力差(PL−大気圧)が非常に大き
い。そのため、レーザチャンバ2の内部から外部に向か
って大きな力がかかってレーザチャンバ2が膨張又は変
形し、レーザ光11の光軸がずれるという問題がある。
また、放電回路3は、上面開口部12の面積が大きいた
めに、レーザチャンバ2の中で最も大きな力を受け、し
かもセラミック等の絶縁物で構成されているために、レ
ーザチャンバ2に強固に固定することが困難である。さ
らに、放電回路3は、高電圧をレーザチャンバ2の外部
から内部にある放電電極5,5に供給するために、電流
導入手段(図示せず)を多数備えているが、この電流導
入手段を絶縁物である放電回路3に強固に固定するのが
困難である。また、ウィンドウ7,9はガラス状の材質
で形成されているために、レーザチャンバ2に強固に固
定することが困難である。また、磁性流体軸受55,5
5はその内部に磁性流体を備えており、この磁性流体に
よってレーザガスを封止しているが、この磁性流体がレ
ーザガスの圧力によって外部に押し出されることがあ
る。このように、磁性流体軸受55,55、電流導入手
段を含む放電回路3、或いはウィンドウ7,9等のレー
ザチャンバ2に固定されている部材が、上述の圧力差
(PL−大気圧)による大きな力がかかったときに、レ
ーザチャンバ2から外れるという問題がある。さらに
は、これらに限らず、Oリング等の封止手段が長期間使
用した場合に劣化し、レーザチャンバ2に固定されてい
る部材がレーザチャンバ2から外れるという問題があ
る。そのため、レーザガスの圧力PLを高めて、長期間
使用できるレーザチャンバ2が必要となっている。
【0007】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、レーザガスに対する高い耐圧を有し、レ
ーザガスの圧力を高めることで強いパワーを得ることが
可能なガスレーザを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、レーザチャン
バ内に大気圧よりも高い圧力のレーザガスを封止し、そ
のレーザガスを励起してレーザ光を発振させるガスレー
ザにおいて、内部にレーザガスの圧力よりも低く、かつ
大気圧よりも高い圧力の不活性ガスを充填した与圧チャ
ンバを備え、この与圧チャンバの内部にレーザチャンバ
を収納している。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、レーザチ
ャンバをレーザガスの圧力よりも低く、かつ大気圧より
も高い圧力のガスを封止した与圧チャンバで覆ってい
る。これにより、レーザチャンバの内側と外側との圧力
差が緩和され、レーザチャンバにかかる力が弱まる。従
って、レーザチャンバが歪んだり、レーザチャンバに装
着された放電回路やウィンドウが外れるようなことがな
い。そして、レーザチャンバの耐圧が上がるので、高い
圧力のレーザガスを封入することができ、レーザ光のパ
ワーを増加させられる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、レーザチ
ャンバ内に大気圧よりも高い圧力のレーザガスを封止
し、そのレーザガスを励起して発振させたレーザ光をレ
ーザチャンバの出射部から外部に出射するガスレーザに
おいて、内部にレーザガスの圧力よりも低く、かつ大気
圧よりも高い圧力の不活性ガスを充填した与圧チャンバ
を備え、この与圧チャンバによって、少なくとも出射部
と、又はさらにレーザチャンバに装着されてレーザガス
を励起する放電回路とのレーザチャンバ外側を覆ってい
る。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、少なくと
もウィンドウ等の出射部と、又はさらに放電回路の外側
部を与圧チャンバで覆っている。これにより、特に外れ
やすい出射部や、レーザが放電回路を有する場合にはさ
らに放電回路の、レーザチャンバ内側と外側との圧力差
が緩和され、出射部や放電回路がレーザチャンバから外
れることが少なくなる。従って、レーザチャンバの耐圧
が上がるので、高い圧力のレーザガスを封入することが
でき、レーザ光のパワーを増加させられる。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。尚、各実施形態にお
いて、前記従来技術の説明に使用した図、及びその実施
形態よりも前出の実施形態の説明に使用した図と同一の
要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
【0013】以下、図1〜図3に基づいて、第1実施形
態を説明する。図1は、本実施形態に係るF2レーザの
構成図、図2は本実施形態に係る与圧チャンバの詳細構
造図を示している。図1に示すように、F2レーザ1
は、内部に不活性ガスを封止した与圧チャンバ14と、
この与圧チャンバ14の内部に設置されて、内部にレー
ザガスを封入し、レーザ光11を発振させるレーザチャ
ンバ2とを備えている。
【0014】レーザチャンバ2は、その前端部と後端部
に、フロントウィンドウ7B及びリアウィンドウ9Bを
備えている。レーザチャンバ2の内部には、レーザガス
として例えばフッ素(F2)とヘリウム(He)とが所
定の圧力比で、圧力PLだけ封入されており、レーザチ
ャンバ2内の所定位置には1組の放電電極5,5が設置
されている。また、レーザチャンバ2の上面の上面開口
部12には放電回路3が備えられており、レーザチャン
バ2の一部を構成してレーザガスを封止している。レー
ザチャンバ2内の所定位置には、レーザガスを放電電極
5,5間に送り込む貫流ファン54が設置されている。
この貫流ファン54は、レーザチャンバ2の両端部に固
定された磁性流体軸受(図示せず)によって回転自在に
支承されており、磁性流体軸受に接続されたモータ(図
示せず)によって動力を供給されて回転する。
【0015】また、レーザチャンバ2は、所定の圧力P
Nの不活性ガス(例えばN2)を封止した与圧チャンバ1
4の内部に収納されている。このとき、不活性ガスの圧
力PNは、レーザガスの圧力PLよりも低く、かつ大気圧
よりも高くなっている。そのため、レーザチャンバ2の
内部と外部との圧力差は圧力差(PL−PN)となり、従
来技術における圧力差(PL−大気圧)よりも小さくな
ってレーザチャンバ2にかかる力が低減される。尚、酸
素によるレーザ光11の吸収を防止するため、与圧チャ
ンバ14中の不活性ガス中の酸素濃度は、10ppm以下
であることが望ましい。この与圧チャンバ14は、その
前端部(図中右端部)と後端部に、それぞれレーザ光1
1を透過するフロントウィンドウ7A及びリアウィンド
ウ9Aを備えている。また図2に示すように、与圧チャ
ンバ14の一面には開口部46が形成されており、この
開口部46の外周部に、Oリング溝47及びボルト孔4
8を有するフランジ14Aを備えている。このフランジ
14Aには、ボルト孔48を有する蓋14Bが図示しな
いボルトによって取り付け可能であり、蓋14BとOリ
ング溝47に嵌合されたOリング(図示せず)とによ
り、与圧チャンバ14の内部を封止している。また、与
圧チャンバ14内部の下面部には、レーザ光11の光軸
方向(図中X方向)と垂直な方向(図中Y方向)に、ガ
イド溝15Aを有するガイドレール15と、2本の走行
レール16,16とが互いに平行に設置されている。
【0016】そして、図1に示すようにレーザチャンバ
2は、この走行レール16,16上を走行自在なローラ
17,17と、ガイドレール15のガイド溝15A内に
嵌まってガイド15を摺動する摺動部材18とを備えた
キャスタ19上に固定されている。また、このキャスタ
19は、ストッパ53を介して、図示しないボルト等に
よって与圧チャンバ14に固定されている。
【0017】以下に、このような与圧チャンバ14を備
えたF2レーザ1を発振させる際の作用について説明す
る。与圧チャンバ14の外部には高圧電源6が備えられ
ており、放電回路3と接続している。高圧電源6は、こ
の放電回路3を介して放電電極5,5間に高電圧を印加
し、その間に放電を起こしてレーザガスを励起し、レー
ザ光11を発振させる。尚、一般にこのようなF2レー
ザ1に印加される高電圧はパルス状に加えられ、F2レ
ーザ1のレーザ光11はパルス発振する。
【0018】発振したレーザ光11は、リアウィンドウ
9B,9Aを透過し、与圧チャンバ14の外部後方(図
中左方)に設けられたレーザ光11の波長を狭帯域化す
る(波長を安定させ、かつ波長のスペクトル幅を狭くす
る)、狭帯域化ユニット10に入射する。狭帯域化ユニ
ット10は、例えば2個のプリズム32,32と、レー
ザ光11の発振波長を選択するグレーティング33とを
備えている。プリズム32,32によってそのビーム幅
を拡げられたレーザ光11は、グレーティング33に入
射して回折され、所定の波長のレーザ光11のみが入射
光と同じ方向に折り返されて狭帯域化される。尚、この
とき狭帯域化ユニット10は、エキシマレーザにおいて
周知のエタロンを用いてもよく、また分散プリズムのみ
によって構成してもよい。
【0019】狭帯域化ユニット10から出射したレーザ
光11は、リアウィンドウ9A,9Bを透過してレーザ
チャンバ2を通過し、フロントウィンドウ7B,7Aを
透過する。そしてレーザ光11は、与圧チャンバ14の
外部前方に配置されたフロントミラー8を部分透過し、
その一部が外部に出射する。このとき、F2レーザ1か
ら発振したレーザ光11は、空気中の酸素に非常に良く
吸収されるので、この吸収を防ぐため、狭帯域化ユニッ
ト10の内部は例えばN2等の不活性ガスによってパー
ジされている。尚、同図に二点鎖線で示したように、与
圧チャンバ14内に狭帯域化ユニット10を設けてもよ
い。このようにすれば、狭帯域化ユニット10が常に与
圧チャンバ14内の不活性ガスの内部にあるので、狭帯
域化ユニット10の内部を不活性ガスでパージする必要
がない。
【0020】次に、与圧チャンバ14及びレーザチャン
バ2にそれぞれ不活性ガス及びレーザガスを導入する手
段について説明する。まず、レーザチャンバ2及び与圧
チャンバ14は、それぞれその内部の圧力を測定する圧
力測定手段(図示せず)を備えている。そして、与圧チ
ャンバ14は、例えば窒素(N2)等の不活性ガスが封
入された不活性ガスボンベ25と、不活性ガスの導入を
コントロールする不活性ガスバルブ26と、不活性ガス
配管27と、不活性ガス配管27を与圧チャンバ14に
接続する不活性ガス接続継手28とを有する不活性ガス
導入手段を備えている。この不活性ガス導入手段によ
り、与圧チャンバ14の内部に任意の圧力まで不活性ガ
スを導入することが可能である。また、与圧チャンバ1
4は、例えば真空ポンプ30と、真空バルブ31と、真
空配管32と、真空配管32を与圧チャンバ14に接続
する真空接続継手34とを有する真空引き手段とを備え
ている。これにより、その内部を任意の圧力まで真空引
きすることが可能である。
【0021】そしてレーザチャンバ2は、例えばフッ素
(F2)とヘリウム(He)とを所定の圧力比で封入し
たレーザガスボンベ35と、レーザガスの導入をコント
ロールするレーザガスバルブ36と、レーザガス配管3
7と、レーザガス配管37を与圧チャンバ14の内部に
導入するレーザガス導入継手38と、レーザガス配管3
7をレーザチャンバ2に接続するレーザガス接続継手3
9とを有するレーザガス導入手段を備えている。これに
より、レーザガスをレーザチャンバ2内部に任意の圧力
まで導入することが可能である。またレーザチャンバ2
は、Heガスを封入したHeボンベ41と、Heガスの
導入をコントロールするHeバルブ42と、He配管4
3と、He配管43を与圧チャンバ14の内部に導入す
るHe導入継手44と、He配管43をレーザチャンバ
2に接続するHe接続継手45とを有するHe導入手段
を備えている。これにより、Heガスをレーザチャンバ
2内部に任意の圧力まで導入することが可能である。さ
らにレーザチャンバ2は、例えば真空ポンプ30と、真
空バルブ31と、真空配管32と、真空配管32を与圧
チャンバ14の内部に導入する真空導入継手33と、真
空配管32をレーザチャンバ2に接続する真空接続継手
34とを有する真空引き手段を備えている。これによ
り、その内部を任意の圧力まで真空引き可能である。
【0022】以下、レーザチャンバ2及び与圧チャンバ
14に、それぞれレーザガス及び不活性ガスを導入する
手順の一例を、図3のフローチャートを利用して説明す
る。なお、以下のフローチャートでは、各ステップ番号
にSを付して表す。まず、真空ポンプ30,30を起動
し、真空バルブ31,31を開いて、与圧チャンバ14
及びレーザチャンバ2を所定の圧力まで真空引きした
後、真空バルブ31,31を閉じ、真空ポンプ30,3
0を停止する(S1)。次に、不活性ガスバルブ26及
びレーザガスバルブ36を開き、与圧チャンバ14に不
活性ガスを、またレーザチャンバ2にレーザガスを、そ
れぞれ導入する(S2)。このガス導入時には、与圧チ
ャンバ14内の圧力PN1がレーザチャンバ2内の圧力P
L1を上回らないようにする必要がある。また、ガス導入
中にレーザチャンバ2の内部と外部(与圧チャンバ14
内部)との圧力差(PL1−PN1)及び与圧チャンバ14
内部と外部(大気)との圧力差(PN1−大気圧)が、常
にほぼ等しくなるように圧力上昇のスピードをコントロ
ールするのがよい。即ち、PL1=2PN1程度とするのが
好適である。
【0023】そして、与圧チャンバ14内の圧力が所定
の圧力PN(例えば5〜6気圧程度)になったところ
で、不活性ガスバルブ26を閉じる(S3)。そして、
レーザチャンバ2内の圧力が所定の圧力PL(例えば約
10気圧)になったところで、レーザガスバルブ36を
閉じる(S4)。尚、S3とS4との順序が逆になる場
合もある。以上のステップにより、与圧チャンバ14の
内部には不活性ガスが圧力PNで封入され、また与圧チ
ャンバ14の内部に設置されたレーザチャンバ2の内部
には、レーザガスが圧力PLで封入される。尚、与圧チ
ャンバ14内の不活性ガスの圧力PNは、5〜6気圧と
限られるものではないが、レーザチャンバ2の内部と外
部(与圧チャンバ14内部)との圧力差(PL−PN)及
び与圧チャンバ14の内部と外部(大気)との圧力差
(PN−大気圧)がほぼ等しくなるように、PL=2PN
程度とするのが、最も好適である。
【0024】また本実施形態によれば、ストッパ53を
外すことにより、キャスタ19及びレーザチャンバ2
は、与圧チャンバ14から分離される。そして、キャス
タ19を、走行レール16,16上を図1における紙面
と垂直に手前方向(図中−Y方向)に滑らせて、レーザ
チャンバ2を与圧チャンバ14の内部から外部へ引き出
すことが可能である。尚、このようにレーザチャンバ2
を引き出す場合は、レーザガスが漏れるのを防ぐため、
レーザチャンバ2及び与圧チャンバ14の内部に、それ
ぞれHeガス及び不活性ガスを大気圧程度まで導入して
おくのがよい。この導入手順は、例えば図3に示したフ
ローチャートと同様の手順でよく、同図において圧力P
N=PL=大気圧とし、かつレーザガスの代わりにHeガ
スをレーザチャンバ2の内部に導入するようにすればよ
い。そして、レーザチャンバ2に真空配管32、レーザ
配管37、及びHe配管43をそれぞれ接続している真
空接続継手34、レーザ接続継手39、及びHe接続継
手45を緩めてそれぞれの配管をレーザチャンバ2から
外す。また、図示しない電流の導入用の配線なども外し
た後に、レーザチャンバ2を与圧チャンバ14の外部に
引き出すようにする。
【0025】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、レーザチャンバ2を与圧チャンバ14の内部に収納
し、この与圧チャンバ14の内部に、レーザチャンバ2
内のレーザガスの圧力PLよりも小さく、かつ大気圧よ
りも大きな圧力PNの不活性ガスを封入している。これ
により、レーザチャンバ2の内部と外部との圧力差(P
L−PN)が、従来の圧力差(PL−大気圧)よりも小さ
くなり、レーザチャンバ2が膨張してレーザ光11の光
軸がずれたり、ウィンドウ7B,9Bや放電回路3がレ
ーザチャンバ2から外れたりすることが少ない。また、
これにより、耐圧の低いレーザチャンバ2を使用して
も、レーザガスの圧力を上げることが可能であり、レー
ザ光11のパワーを増大させることができる。
【0026】さらに、レーザチャンバ2をローラ17を
備えたキャスタ19上に搭載し、このキャスタ19を走
行レール16,16上で滑らせて、レーザチャンバ2を
与圧チャンバ14から引き出せるようにしている。これ
により、レーザチャンバ2を容易に交換可能であり、メ
ンテナンス時に要する人手を省力化できる。
【0027】尚、レーザチャンバ2及び与圧チャンバ1
4内部には高圧のガスが封入されており、レーザチャン
バ2から発生する熱によって熱くなっている。これを冷
却するためには、レーザチャンバ2又は与圧チャンバ1
4の少なくとも一方の外壁面にペルチェ素子等の冷却手
段(図示せず)を接触させ、これらを冷却するようにす
るとよい。また、与圧チャンバ14内部の不活性ガス
は、常に封じ切りにしてもよいが、所定圧力PNを保つ
ようにしながら、不活性ガス導入手段及び真空引き手段
によって所定量を連続的或いは断続的に入れ替えるよう
にしてもよい。このように、熱くなった不活性ガスが入
れ替えられることにより、レーザチャンバ2を周囲から
冷却することが可能となる。或いは、不活性ガスを与圧
チャンバ14の外部に取り出した後に、図示しない冷却
手段によって冷却し、与圧チャンバ14の内部に戻すよ
うにしてもよい。
【0028】次に、図4に基づいて本発明に係る第2実
施形態を説明する。同図において、レーザチャンバ2の
所定位置には、レーザガスを放電電極5,5間に送り込
む貫流ファン54が設置されている。この貫流ファン5
4は、レーザチャンバ2の両端部に固定された磁性流体
軸受55,55によって回転自在に支承されており、磁
性流体軸受55,55に接続されたモータ56により動
力を供給されて回転する。そして、本実施形態では、レ
ーザチャンバ2の上面開口部12を封止する放電回路3
の外部を覆って、小型の与圧チャンバ51が設けられて
いる。この与圧チャンバ51は、一面に開口部46を備
えており、この開口部46の外周部に、Oリング49を
嵌合したOリング溝47及びボルト孔48を有するフラ
ンジ51Aを備えている。そして、このフランジ51A
を、レーザチャンバ2の上面に設けられたボルト孔(図
示せず)にボルト52によって固定している。これによ
り、与圧チャンバ51の内部を封止している。
【0029】また、同様の小型の与圧チャンバ51,5
1を、レーザチャンバ2両端部の磁性流体軸受55,5
5の外部にも配置している。さらに、レーザ光11を透
過するウィンドウ7A,9Aを備えた小型の与圧チャン
バ51,51を、それぞれウィンドウ7B,9Bの外部
にも配置している。これらの与圧チャンバ51は、それ
ぞれ第1実施形態と同様の真空引き手段及び不活性ガス
導入手段(図示せず)を備えている。そして、与圧チャ
ンバ51の内部に不活性ガスを所定の圧力PNで封止し
ている。
【0030】また、同図に示すように、狭帯域化ユニッ
ト10に代えて、レーザ光11を全反射するリアミラー
52を配置している。これにより、レーザ光11の波長
の狭帯域化は行なわれないが、レーザ光11のパワーは
増加する。
【0031】このように本実施形態によれば、所定圧力
PNの不活性ガスを封止した与圧チャンバ51を、磁性
流体軸受55,55、放電回路3及びウィンドウ7B,
9Bの外側に備え、これらの部材の周囲をカバーしてい
る。これにより、磁性流体軸受55,55、放電回路3
及びウィンドウ7B,9Bの、レーザチャンバ2内側と
外側との圧力差は、圧力差(PL−PN)となり、従来技
術の圧力差(PL−大気圧)よりも減少する。従って、
従来は特に外れやすかった磁性流体軸受55,55、放
電回路3及びウィンドウ7B,9Bにかかる力が低減さ
れるので、これらがレーザチャンバ2から外れにくくな
り、効率的にレーザチャンバ2の耐圧を上げることが可
能となる。また、第1実施形態の如きレーザチャンバ2
全体を与圧チャンバ14内に収納する形態に比べ、F2
レーザ1が小型化する。このとき、レーザチャンバ2の
材質、板厚、構造等を強化し、高圧のレーザガスに対し
てもレーザチャンバ2本体の歪みが小さいようにしてい
る。
【0032】尚、本実施形態では、レーザ光11の励起
手段として放電回路3を介してレーザガスを放電させる
場合を例にとったが、これに限らず、レーザ励起のレー
ザや電子ビーム励起のレーザに対しても有効である。こ
のような場合は、例えばウィンドウ7B,9Bの周囲の
みを与圧チャンバ51で覆うようにすればよい。また、
レーザ光11がレーザチャンバ2から出射する出射部と
して、ウィンドウ7B,9Bを例示したが、例えばレー
ザチャンバ2にリアミラー52やフロントミラー8を直
接固定するような形態のレーザに対しても有効である。
その場合は、リアミラー52やフロントミラー8を出射
部とし、その周囲を与圧チャンバ51で覆うようにすれ
ばよい。さらに、モータ56の動力をレーザチャンバ2
内部に導入する動力導入手段として磁性流体軸受55を
例示したが、これに限られるものではない。
【0033】また、本実施形態では、ウィンドウ7B,
9B、放電回路3、及び磁性流体軸受55の周囲を与圧
チャンバ51で覆うようにしたが、これに限られるもの
ではない。即ち、従来技術の項に述べたように、例えば
Oリング等の封止手段によってレーザチャンバ2に固定
されている部材は、この封止手段の劣化等によって、大
きな力を受けた場合にレーザチャンバ2から外れること
がある。これを防止するため、本実施形態はレーザガス
の圧力を受ける部分すべてに適用可能である。例えば、
配管や配線等をレーザチャンバ2内に導入する場合に、
これらの各導入手段の周囲に、このような与圧チャンバ
51を備えるようにすればよい。さらには、このような
導入手段をレーザチャンバ2の略同一箇所にまとめ、1
個の与圧チャンバ51でこれを覆うようにすれば、必要
な与圧チャンバ51の個数が少なくてすむ。
【0034】また、上記各実施形態では、F2レーザを
例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、レーザ
ガスの圧力が大気圧よりも高いガスレーザ全般に対して
応用可能である。例えば、レーザガスの圧力が2〜3気
圧のエキシマレーザであっても、本発明を応用すること
により、レーザチャンバ2の耐圧を上げることが可能と
なり、装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るF2レーザの構成
図。
【図2】与圧チャンバの詳細構造図。
【図3】レーザチャンバ及び与圧チャンバにガスを導入
する手順の一例のフローチャート。
【図4】本発明の第2実施形態に係るF2レーザの構成
図。
【図5】従来技術に係るF2レーザの構成図。
【符号の説明】
1:F2レーザ、2:レーザチャンバ、3:放電回路、
5:放電電極、6:高圧電源、7:フロントウィンド
ウ、8:フロントミラー、9:リアウィンドウ、10:
狭帯域化ユニット、11:レーザ光、12:上面開口
部、14:与圧チャンバ、14A:フランジ、15:ガ
イドレール、15A:ガイド溝、16:レール、17:
ローラ、18:摺動部材、19:キャスタ、25:不活
性ガスボンベ、26:不活性ガスバルブ、27:不活性
ガス配管、28:不活性ガス接続継手、30:真空ポン
プ、31:真空バルブ、32:真空配管、33:真空導
入継手、34:真空接続継手、35:レーザガスボン
ベ、36:レーザガスバルブ、37:レーザガス配管、
38:レーザガス導入継手、39:レーザガス接続継
手、41:Heボンベ、42:Heバルブ、43:He
配管、44:He導入継手、45:He接続継手、4
6:開口部、47:Oリング溝、48:ボルト孔、4
9:Oリング、51:与圧チャンバ、51A:フラン
ジ、52:リアミラー、53:ストッパ、54:貫流フ
ァン、55:磁性流体軸受、56:モータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザチャンバ(2)内に大気圧よりも高
    い圧力(PL)のレーザガスを封止し、そのレーザガスを
    励起してレーザ光(11)を発振させるガスレーザ(1)にお
    いて、 内部にレーザガスの圧力(PL)よりも低く、かつ大気圧
    よりも高い圧力(PN)の不活性ガスを充填した与圧チャ
    ンバ(14)を備え、 この与圧チャンバ(14)の内部にレーザチャンバ(2)を収
    納したことを特徴とするガスレーザ(1)。
  2. 【請求項2】 レーザチャンバ(2)内に大気圧よりも高
    い圧力(PL)のレーザガスを封止し、そのレーザガスを
    励起して発振させたレーザ光(11)をレーザチャンバ(2)
    の出射部(7B,9B)から外部に出射するガスレーザ(1)にお
    いて、 内部にレーザガスの圧力(PL)よりも低く、かつ大気圧
    よりも高い圧力(PN)の不活性ガスを充填した与圧チャ
    ンバ(51)を備え、 この与圧チャンバ(51)によって、少なくとも出射部(7B,
    9B)と、又はさらにレーザチャンバ(2)に装着されてレー
    ザガスを励起する放電回路(3)とのレーザチャンバ(2)外
    側を覆ったことを特徴とするガスレーザ(1)。
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