JP2000292419A - 伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置 - Google Patents
伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置Info
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- JP2000292419A JP2000292419A JP11098921A JP9892199A JP2000292419A JP 2000292419 A JP2000292419 A JP 2000292419A JP 11098921 A JP11098921 A JP 11098921A JP 9892199 A JP9892199 A JP 9892199A JP 2000292419 A JP2000292419 A JP 2000292419A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 サンプル材のクリープ破断強度、ミクロ組
織、酸化スケール厚さ、寸法を基準に、酸化減肉による
応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇に
加え、更にクリープ変形を考慮した高精度のクリープ余
寿命評価方法を提供する。 【解決手段】 水蒸気酸化スケール厚さと管寸法からサ
ンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTを計算し、ミク
ロ組織から推定した平均メタル温度に(ΔT/2)を足し
た温度をサンプル採取時のメタル温度に設定し、サンプ
ル採取時のメタル温度を初期温度とし、時間ステップを
設定して時間ステップ毎に高温酸化減肉と水蒸気酸化減
肉による応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタル温
度上昇及びクリープ変形による伝熱管形状変化を計算
し、その値でのクリープ損傷率をクリープ破断試験デー
タを基に求め、損傷率の総和が1になるまで繰返し計算
を行なう。
織、酸化スケール厚さ、寸法を基準に、酸化減肉による
応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇に
加え、更にクリープ変形を考慮した高精度のクリープ余
寿命評価方法を提供する。 【解決手段】 水蒸気酸化スケール厚さと管寸法からサ
ンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTを計算し、ミク
ロ組織から推定した平均メタル温度に(ΔT/2)を足し
た温度をサンプル採取時のメタル温度に設定し、サンプ
ル採取時のメタル温度を初期温度とし、時間ステップを
設定して時間ステップ毎に高温酸化減肉と水蒸気酸化減
肉による応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタル温
度上昇及びクリープ変形による伝熱管形状変化を計算
し、その値でのクリープ損傷率をクリープ破断試験デー
タを基に求め、損傷率の総和が1になるまで繰返し計算
を行なう。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電プラント
や化学プラントなどにおいて高温下で使用される材料の
クリープ余寿命評価方法およびその装置に係り、特に伝
熱管等に使用される材料の高精度の伝熱管のクリープ余
寿命評価方法およびその装置に関する。
や化学プラントなどにおいて高温下で使用される材料の
クリープ余寿命評価方法およびその装置に係り、特に伝
熱管等に使用される材料の高精度の伝熱管のクリープ余
寿命評価方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントや化学プラント等の機
器の高温・高圧下で長時間使用される機器の材料では、
運転中にクリープ、疲労あるいは熱時効損傷を受け、材
質が劣化することが知られている。このような材質劣化
は使用材料のメタル温度、作用する応力及び使用時間に
よって支配されるものであり、例えば火力発電用ボイラ
ではこれらの支配因子を考慮し、通常10万時間の寿命
を持つように設計されている。しかし、近年設計寿命を
超えて運転されているボイラが多くなってきており、ま
た、運転時間が10万時間以内でも燃焼ガスの偏流等に
よるメタル温度の上昇や材料の偏析等に起因する異常な
材質劣化によって材料が破損する事故も発生している。
このような背景から、材料のクリープ余寿命を的確に予
測し、部分的な取り換えや補修を計画的に行うことによ
って、プラント全体の寿命を延長するための技術が重要
となってきている。特に高温下で長時間使用された機器
の材料ではクリープ損傷が進行しており、クリープに対
する損傷評価、言い換えればクリープ余寿命評価が重要
である。材料のクリープ余寿命を推定する技術(以下、
クリープ余寿命評価技術と称することがある。)は破壊
法と非破壊法に大別される。破壊法は評価対象部位から
サンプルを採取してクリープ破断試験を行い、クリープ
破断試験データを基に直接クリープ余寿命評価を行う方
法が一般的であり、精度の高い評価が可能である。一般
的には、作用する応力、温度の異なる条件でクリープ破
断試験を行い、試験結果を温度・時間パラメータで整理
する。温度・時間パラメータには種々のものが提案され
ているが、次式(1)で表されるラーソンミラーパラメ
ータ(Larson-Millerパラメータ)が最も良く使用されて
いる。尚、ここでの温度は、メタル温度であり、試験片
の肉厚が厚い場合にはメタル温度が所定の温度になるま
で、雰囲気温度を数時間維持することがある。
器の高温・高圧下で長時間使用される機器の材料では、
運転中にクリープ、疲労あるいは熱時効損傷を受け、材
質が劣化することが知られている。このような材質劣化
は使用材料のメタル温度、作用する応力及び使用時間に
よって支配されるものであり、例えば火力発電用ボイラ
ではこれらの支配因子を考慮し、通常10万時間の寿命
を持つように設計されている。しかし、近年設計寿命を
超えて運転されているボイラが多くなってきており、ま
た、運転時間が10万時間以内でも燃焼ガスの偏流等に
よるメタル温度の上昇や材料の偏析等に起因する異常な
材質劣化によって材料が破損する事故も発生している。
このような背景から、材料のクリープ余寿命を的確に予
測し、部分的な取り換えや補修を計画的に行うことによ
って、プラント全体の寿命を延長するための技術が重要
となってきている。特に高温下で長時間使用された機器
の材料ではクリープ損傷が進行しており、クリープに対
する損傷評価、言い換えればクリープ余寿命評価が重要
である。材料のクリープ余寿命を推定する技術(以下、
クリープ余寿命評価技術と称することがある。)は破壊
法と非破壊法に大別される。破壊法は評価対象部位から
サンプルを採取してクリープ破断試験を行い、クリープ
破断試験データを基に直接クリープ余寿命評価を行う方
法が一般的であり、精度の高い評価が可能である。一般
的には、作用する応力、温度の異なる条件でクリープ破
断試験を行い、試験結果を温度・時間パラメータで整理
する。温度・時間パラメータには種々のものが提案され
ているが、次式(1)で表されるラーソンミラーパラメ
ータ(Larson-Millerパラメータ)が最も良く使用されて
いる。尚、ここでの温度は、メタル温度であり、試験片
の肉厚が厚い場合にはメタル温度が所定の温度になるま
で、雰囲気温度を数時間維持することがある。
【0003】 P=T×(c+logtr) (1) P:ラーソンミラーパラメータ T:絶対温度(K) tr:クリープ破断試験(h) c:定数 図15に示すようにサンプル材のクリープ破断データを
ラーソンミラーパラメータと作用する応力(対数表示)
との関係のグラフにプロットし、サンプルを採取した部
位に作用する応力Aを代入してラーソンミラーパラメー
タ値Bを求め、その値にサンプル採取位置のメタル温度
を代入することによりクリープ余寿命を求める。
ラーソンミラーパラメータと作用する応力(対数表示)
との関係のグラフにプロットし、サンプルを採取した部
位に作用する応力Aを代入してラーソンミラーパラメー
タ値Bを求め、その値にサンプル採取位置のメタル温度
を代入することによりクリープ余寿命を求める。
【0004】しかし、ボイラの伝熱管ではこの評価方法
は使用非安全側の評価となる。その理由は、伝熱管内面
では、水蒸気酸化に起因する減肉、伝熱管外面では高温
酸化による減肉があり、作用する応力が徐々に上昇して
いくためである。また、伝熱管内面では、水蒸気酸化ス
ケールにより伝熱管内部流体と伝熱管外部の雰囲気温度
との熱伝達が悪くなり、冷却されずに、メタル温度も徐
々に上昇していく。これらの理由により、クリープ損傷
は加速度的に増加していき、一定応力、一定温度で評価
した場合よりもクリープ余寿命が短くなる。
は使用非安全側の評価となる。その理由は、伝熱管内面
では、水蒸気酸化に起因する減肉、伝熱管外面では高温
酸化による減肉があり、作用する応力が徐々に上昇して
いくためである。また、伝熱管内面では、水蒸気酸化ス
ケールにより伝熱管内部流体と伝熱管外部の雰囲気温度
との熱伝達が悪くなり、冷却されずに、メタル温度も徐
々に上昇していく。これらの理由により、クリープ損傷
は加速度的に増加していき、一定応力、一定温度で評価
した場合よりもクリープ余寿命が短くなる。
【0005】これらの影響を考慮したクリープ余寿命評
価法、言い換えれば、クリープ損傷評価法として特開平
6−331622号公報に記載の「伝熱管のクリープ損
傷評価法」がある。この方法では減肉による応力上昇と
水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇を考慮した上
で、建設当初からのクリープ余寿命を評価している。ま
た、実機に使用した材料の評価をするために、実機から
サンプルの材料を採取し、その金属ミクロ組織の変化状
況から平均メタル温度を推定し、さらに、酸化スケール
厚さ実測値から酸化速度の修正係数を求め、再度始めか
ら損傷計算を実施してクリープ損傷を評価する方法を提
案している。この方法では、使用した材料における新材
のクリープ破断データを使用して建設当初からのクリー
プ余寿命を評価しているが、クリープ破断データに大き
なばらつきがあり、また実際には高温での長時間使用に
より、クリープ強度は低下しているため、精度的には問
題がある。さらにメタル温度は設計値を用いており、こ
れによる誤差が発生する可能性が高い。この問題を解決
するために発明者等は実機サンプル材のクリープ破断試
験を行い、ミクロ組織観察からメタル温度を推定してサ
ンプル採取時からのクリープ余寿命を推定する方法を提
案している。さらに管のクリープ変形を考慮した方法も
提案している。
価法、言い換えれば、クリープ損傷評価法として特開平
6−331622号公報に記載の「伝熱管のクリープ損
傷評価法」がある。この方法では減肉による応力上昇と
水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇を考慮した上
で、建設当初からのクリープ余寿命を評価している。ま
た、実機に使用した材料の評価をするために、実機から
サンプルの材料を採取し、その金属ミクロ組織の変化状
況から平均メタル温度を推定し、さらに、酸化スケール
厚さ実測値から酸化速度の修正係数を求め、再度始めか
ら損傷計算を実施してクリープ損傷を評価する方法を提
案している。この方法では、使用した材料における新材
のクリープ破断データを使用して建設当初からのクリー
プ余寿命を評価しているが、クリープ破断データに大き
なばらつきがあり、また実際には高温での長時間使用に
より、クリープ強度は低下しているため、精度的には問
題がある。さらにメタル温度は設計値を用いており、こ
れによる誤差が発生する可能性が高い。この問題を解決
するために発明者等は実機サンプル材のクリープ破断試
験を行い、ミクロ組織観察からメタル温度を推定してサ
ンプル採取時からのクリープ余寿命を推定する方法を提
案している。さらに管のクリープ変形を考慮した方法も
提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発明者等の未公知の発
明では、従来法に比べ伝熱管のクリープ損傷を高精度で
診断できるが、伝熱管のクリープ変形を考慮していな
い。実際には変形による応力上昇があり、これを考慮す
れば更に高精度の診断が可能になる。また、発明者等の
未公知の発明では、内外面スケールの剥離を考慮してい
ない。一般的にはスケールは放物線則で成長するため、
一旦剥離するとスケール成長速度は速くなり、減肉速度
も早くなる。これを考慮すれば更に高精度の診断が可能
になる。さらに、損傷評価クライテリアをクリープ損傷
と限定しているが、実際の診断では肉厚を基準にする場
合もある。
明では、従来法に比べ伝熱管のクリープ損傷を高精度で
診断できるが、伝熱管のクリープ変形を考慮していな
い。実際には変形による応力上昇があり、これを考慮す
れば更に高精度の診断が可能になる。また、発明者等の
未公知の発明では、内外面スケールの剥離を考慮してい
ない。一般的にはスケールは放物線則で成長するため、
一旦剥離するとスケール成長速度は速くなり、減肉速度
も早くなる。これを考慮すれば更に高精度の診断が可能
になる。さらに、損傷評価クライテリアをクリープ損傷
と限定しているが、実際の診断では肉厚を基準にする場
合もある。
【0007】本発明の第1の課題は、実機で長時間使用
された伝熱管のクリープ余寿命を破壊試験によって推定
する方法において、実機サンプル材のクリープ破断強
度、ミクロ組織、酸化スケール厚さ、寸法を基準に、酸
化減肉による応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタ
ル温度上昇に加え、更にクリープ変形を考慮した高精度
の伝熱管のクリープ余寿命評価方法を提供することにあ
る。本発明の第2の課題は、実機で長時間使用された伝
熱管のクリープ余寿命を推定する方法および装置におい
て、酸化減肉とクリープ変形による応力変化、水蒸気酸
化スケールによるメタル温度変化に加え、スケール剥離
を考慮し、損傷評価クライテリアも選定できる高精度の
伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置を提供
することにある。
された伝熱管のクリープ余寿命を破壊試験によって推定
する方法において、実機サンプル材のクリープ破断強
度、ミクロ組織、酸化スケール厚さ、寸法を基準に、酸
化減肉による応力上昇、水蒸気酸化スケールによるメタ
ル温度上昇に加え、更にクリープ変形を考慮した高精度
の伝熱管のクリープ余寿命評価方法を提供することにあ
る。本発明の第2の課題は、実機で長時間使用された伝
熱管のクリープ余寿命を推定する方法および装置におい
て、酸化減肉とクリープ変形による応力変化、水蒸気酸
化スケールによるメタル温度変化に加え、スケール剥離
を考慮し、損傷評価クライテリアも選定できる高精度の
伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題は、ボイ
ラ等の高温で使用される伝熱管材料について、評価部位
からサンプルを採取し、クリープ破断試験によってその
部位のクリープ余寿命を推定する伝熱管のクリープ余寿
命評価方法において、クリープ試験片採取前にサンプル
材の寸法(外径、肉厚)、管外面の高温酸化スケール厚
さ、管内面の水蒸気酸化スケール厚さを測定し、サンプ
ル材のミクロ組織を観察し、加熱時効の標準ミクロ組織
との比較によりサンプル採取時までの平均メタル温度を
推定し、管内面の水蒸気酸化スケール厚さと管寸法から
サンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTを計算し、ミ
クロ組織から推定した平均メタル温度に(ΔT/2)を足
した温度をサンプル採取時のメタル温度に設定し、管外
面の高温酸化スケール成長速度式及び管内面の水蒸気酸
化スケール成長速度式を実測のスケール厚さとミクロ組
織から推定した平均メタル温度から補正し、サンプル材
のクリープ破断試験を実施し、温度・時間パラメータで
整理して回帰曲線を作成し、サンプル採取時のメタル温
度を初期温度とし、時間ステップを設定して時間ステッ
プ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸気酸化減肉
による応力上昇、管内面の水蒸気酸化スケールによるメ
タル温度上昇及びクリープ変形による伝熱管形状変化を
計算し、その値でのクリープ損傷率をクリープ破断試験
データを基に求め、クリープ損傷率の総和が1になるま
で繰返し計算を行なう過程とを含む第1の手段により解
決される。前記第2の課題は、ボイラ等の高温で使用さ
れる伝熱管材料の寿命を評価する伝熱管のクリープ余寿
命評価装置において、管の寸法(外径、肉厚)、材質、初
期メタル温度、圧力、熱負荷、計算時間ステップを必須
の入力データとし、クリープ破断データ、管内面の水蒸
気酸化スケール成長データ、管外面の高温酸化スケール
成長データ、水蒸気酸化スケールの熱伝導率、管内面の
水蒸気酸化スケール及び管外面の高温酸化スケールの剥
離限界、損傷評価時のクライテリアをオプションの入力
データとし、時間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と
管内面の水蒸気酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管
の断面形状変化を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化ス
ケールによるメタル温度変化をスケール剥離限界を考慮
しながら計算する応力・メタル温度変化計算手段と、損
傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験データ
を基に各時間ステップでの応力と温度から求まるクリー
プ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価する損
傷評価手段と、評価結果を数値表示及びクリープ損傷
率、肉厚の時間変化を表すグラフとして出力するグラフ
出力手段を持つ第2の手段により解決される。前記第2
の課題は、ボイラ等の高温で使用される伝熱管材料の寿
命を評価する伝熱管のクリープ余寿命評価方法におい
て、管の寸法(外径、肉厚)、材質、初期メタル温度、圧
力、熱負荷、計算時間ステップを必須の入力データと
し、クリープ破断データ、管内面の水蒸気酸化スケール
成長データ、管外面の高温酸化スケール成長データ、水
蒸気酸化スケールの熱伝導率、管内面の水蒸気酸化スケ
ール及び管外面の高温酸化スケールの剥離限界、損傷評
価時のクライテリアをオプションの入力データとし、時
間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸気
酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管の断面形状変化
を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化スケールによるメ
タル温度変化をスケール剥離限界を考慮しながら計算
し、損傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験
データを基に各時間ステップでの応力と温度から求まる
クリープ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価
し、評価結果を数値表示、及びクリープ損傷率、肉厚の
時間変化を表すグラフとして出力する第3の手段により
解決される。
ラ等の高温で使用される伝熱管材料について、評価部位
からサンプルを採取し、クリープ破断試験によってその
部位のクリープ余寿命を推定する伝熱管のクリープ余寿
命評価方法において、クリープ試験片採取前にサンプル
材の寸法(外径、肉厚)、管外面の高温酸化スケール厚
さ、管内面の水蒸気酸化スケール厚さを測定し、サンプ
ル材のミクロ組織を観察し、加熱時効の標準ミクロ組織
との比較によりサンプル採取時までの平均メタル温度を
推定し、管内面の水蒸気酸化スケール厚さと管寸法から
サンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTを計算し、ミ
クロ組織から推定した平均メタル温度に(ΔT/2)を足
した温度をサンプル採取時のメタル温度に設定し、管外
面の高温酸化スケール成長速度式及び管内面の水蒸気酸
化スケール成長速度式を実測のスケール厚さとミクロ組
織から推定した平均メタル温度から補正し、サンプル材
のクリープ破断試験を実施し、温度・時間パラメータで
整理して回帰曲線を作成し、サンプル採取時のメタル温
度を初期温度とし、時間ステップを設定して時間ステッ
プ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸気酸化減肉
による応力上昇、管内面の水蒸気酸化スケールによるメ
タル温度上昇及びクリープ変形による伝熱管形状変化を
計算し、その値でのクリープ損傷率をクリープ破断試験
データを基に求め、クリープ損傷率の総和が1になるま
で繰返し計算を行なう過程とを含む第1の手段により解
決される。前記第2の課題は、ボイラ等の高温で使用さ
れる伝熱管材料の寿命を評価する伝熱管のクリープ余寿
命評価装置において、管の寸法(外径、肉厚)、材質、初
期メタル温度、圧力、熱負荷、計算時間ステップを必須
の入力データとし、クリープ破断データ、管内面の水蒸
気酸化スケール成長データ、管外面の高温酸化スケール
成長データ、水蒸気酸化スケールの熱伝導率、管内面の
水蒸気酸化スケール及び管外面の高温酸化スケールの剥
離限界、損傷評価時のクライテリアをオプションの入力
データとし、時間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と
管内面の水蒸気酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管
の断面形状変化を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化ス
ケールによるメタル温度変化をスケール剥離限界を考慮
しながら計算する応力・メタル温度変化計算手段と、損
傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験データ
を基に各時間ステップでの応力と温度から求まるクリー
プ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価する損
傷評価手段と、評価結果を数値表示及びクリープ損傷
率、肉厚の時間変化を表すグラフとして出力するグラフ
出力手段を持つ第2の手段により解決される。前記第2
の課題は、ボイラ等の高温で使用される伝熱管材料の寿
命を評価する伝熱管のクリープ余寿命評価方法におい
て、管の寸法(外径、肉厚)、材質、初期メタル温度、圧
力、熱負荷、計算時間ステップを必須の入力データと
し、クリープ破断データ、管内面の水蒸気酸化スケール
成長データ、管外面の高温酸化スケール成長データ、水
蒸気酸化スケールの熱伝導率、管内面の水蒸気酸化スケ
ール及び管外面の高温酸化スケールの剥離限界、損傷評
価時のクライテリアをオプションの入力データとし、時
間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸気
酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管の断面形状変化
を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化スケールによるメ
タル温度変化をスケール剥離限界を考慮しながら計算
し、損傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験
データを基に各時間ステップでの応力と温度から求まる
クリープ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価
し、評価結果を数値表示、及びクリープ損傷率、肉厚の
時間変化を表すグラフとして出力する第3の手段により
解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態
を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す伝
熱管のクリープ余寿命評価方法のフローチャートであ
る。
て図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態
を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す伝
熱管のクリープ余寿命評価方法のフローチャートであ
る。
【0010】まず、伝熱管の評価を行う部位からサンプ
ルとする材料を採取し(S1)、管の外径、肉厚、管内面
の水蒸気酸化スケール厚さ、管外面の高温酸化スケール
厚さの測定(S2)と、金属ミクロ組織観察を行う(S
3)。次に、このサンプル材からクリープ破断試験片を
作製し(S4)、クリープ破断試験を行う(S5)。クリー
プ破断試験は異なる温度、応力で少なくとも3本以上行
い、結果を温度−時間パラメータ(ラーソンミラーパラ
メータ、略してLMPと称することがある。)で整理す
る(S6)。
ルとする材料を採取し(S1)、管の外径、肉厚、管内面
の水蒸気酸化スケール厚さ、管外面の高温酸化スケール
厚さの測定(S2)と、金属ミクロ組織観察を行う(S
3)。次に、このサンプル材からクリープ破断試験片を
作製し(S4)、クリープ破断試験を行う(S5)。クリー
プ破断試験は異なる温度、応力で少なくとも3本以上行
い、結果を温度−時間パラメータ(ラーソンミラーパラ
メータ、略してLMPと称することがある。)で整理す
る(S6)。
【0011】これらのデータからクリープ余寿命を算出
する手順を以下述べる。金属ミクロ組織から使用時間で
の平均メタル温度を推定する(S7)。S8では、水蒸気
酸化及び高温酸化スケール(以下、酸化スケールと総称
することがある。)生成速度はともに次式(2)で表し、
速度定数の定数bは材質による固定値として、前記式
(1)で求めた平均温度及び運転時間で酸化スケール厚さ
の実測値になるように定数aを求める。
する手順を以下述べる。金属ミクロ組織から使用時間で
の平均メタル温度を推定する(S7)。S8では、水蒸気
酸化及び高温酸化スケール(以下、酸化スケールと総称
することがある。)生成速度はともに次式(2)で表し、
速度定数の定数bは材質による固定値として、前記式
(1)で求めた平均温度及び運転時間で酸化スケール厚さ
の実測値になるように定数aを求める。
【0012】 Y2=Kp×t log(Kp)=a+b(1/T) (2) Y:酸化スケール厚さ(mm) Kp:速度定数(mm/h) t :運転時間(h) T:平均温度(K) a,b:定数 酸化スケール厚さのうち、水蒸気酸化スケール厚さから
メタル温度上昇分ΔTを次式(3)で計算し、ミクロ組織
から推定した平均メタル温度+ΔT/2をサンプル採取時
のメタル温度T0とする(S8)。
メタル温度上昇分ΔTを次式(3)で計算し、ミクロ組織
から推定した平均メタル温度+ΔT/2をサンプル採取時
のメタル温度T0とする(S8)。
【0013】 ΔT=q/U =q/λ×d/2×ln(d/di) (3) q:熱負荷(kcal/m2h) U:水蒸気酸化スケール熱伝達率(kcal/m2h℃) λ:水蒸気酸化スケール熱伝導率(kcal/mh℃) d :管外径(m) di:水蒸気酸化スケール付着後の管内径(m) S8で求めた補正した水蒸気酸化スケール生成速度式を
用い、メタル温度T0で同じスケール厚さになる等価時
間を算出する(S9)。クリープ余寿命計算のための時間
ステップΔtを設定し、Δtでのクリープ損傷率Δφc
をクリープ破断試験結果を基に算出する。この場合のメ
タル温度はサンプル採取時のメタル温度T0、応力は管
外径、肉厚の実測値から平均した管外径を用いて算出し
た値とする(S10〜S13)。Δt後の酸化スケール厚
さを算出する(S15)。水蒸気酸化スケール厚さの算出
にはトータルの時間が必要なため、S9で求めた等価時
間にΔtを足したものとする。水蒸気酸化スケール厚さ
からメタル温度上昇を式(3)により算出する(S16)。
また、そのメタル温度での水蒸気酸化スケール成長に関
する等価時間を求める。
用い、メタル温度T0で同じスケール厚さになる等価時
間を算出する(S9)。クリープ余寿命計算のための時間
ステップΔtを設定し、Δtでのクリープ損傷率Δφc
をクリープ破断試験結果を基に算出する。この場合のメ
タル温度はサンプル採取時のメタル温度T0、応力は管
外径、肉厚の実測値から平均した管外径を用いて算出し
た値とする(S10〜S13)。Δt後の酸化スケール厚
さを算出する(S15)。水蒸気酸化スケール厚さの算出
にはトータルの時間が必要なため、S9で求めた等価時
間にΔtを足したものとする。水蒸気酸化スケール厚さ
からメタル温度上昇を式(3)により算出する(S16)。
また、そのメタル温度での水蒸気酸化スケール成長に関
する等価時間を求める。
【0014】次のΔtでのクリープ損傷率を同様に算出
する。この場合のメタル温度はT0にS16での上昇分
を足したもの(S17)、応力は管内面の水蒸気酸化、管
外面の高温酸化による減肉、外径変化及びクリープ変形
による形状変化を考慮して平均径の式で求めたものとす
る(S18,S19)。クリープ変形による形状変化は、
クリープ破断試験で求めたクリープひずみ式を用い、こ
れを外径ひずみとして外径を計算する。肉厚は管断面の
面積が変化しないと仮定して、計算する。また、水蒸気
及び高温酸化スケールによる減肉量はそれぞれの酸化ス
ケール厚さの半分とする。このような計算をクリープ損
傷率が1になるまで繰返し計算する(S14)。以上のよ
うな手順により高精度で伝熱管のクリープ余寿命評価が
可能となる。
する。この場合のメタル温度はT0にS16での上昇分
を足したもの(S17)、応力は管内面の水蒸気酸化、管
外面の高温酸化による減肉、外径変化及びクリープ変形
による形状変化を考慮して平均径の式で求めたものとす
る(S18,S19)。クリープ変形による形状変化は、
クリープ破断試験で求めたクリープひずみ式を用い、こ
れを外径ひずみとして外径を計算する。肉厚は管断面の
面積が変化しないと仮定して、計算する。また、水蒸気
及び高温酸化スケールによる減肉量はそれぞれの酸化ス
ケール厚さの半分とする。このような計算をクリープ損
傷率が1になるまで繰返し計算する(S14)。以上のよ
うな手順により高精度で伝熱管のクリープ余寿命評価が
可能となる。
【0015】このような前記第1の実施の形態にあって
は、長時間使用された材料のクリープ強度は、サンプル
材のクリープ破断試験によって明らかになるが、実機の
応力、温度レベルで試験を行うのは高圧・高温であるた
め事実上不可能であり、加速試験を行う。この場合、実
際に評価したい実機の温度・応力とは異なるため、試験
結果をラーソンミラーパラメータ等の温度・時間パラメ
ータで整理し、回帰曲線を作成する。回帰曲線を作成す
るためには少なくとも3応力条件でクリープ破断試験を
実施する必要がある。従来の方法ではこのクリープ破断
データに実機での応力、温度を当てはめ、クリープ余寿
命を算出しているが、酸化減肉による応力上昇、水蒸気
酸化スケールによるメタル温度上昇、及びクリープ変形
による形状変化を考慮しておらず、これらを考慮した解
析を行うことにより、さらに高精度に評価が可能とな
る。まず、実機サンプルの金属ミクロ組織からメタル温
度を推定するが、推定したメタル温度はサンプル採取時
までの平均温度である。実際には図8に示すように水蒸
気酸化スケール付着により徐々に温度が上昇する。な
お、図8にて縦軸はメタル温度、横軸は運転時間であ
る。したがって、サンプル採取時の温度は金属ミクロ組
織から推定した温度よりも高くなっており、クリープ破
断試験結果からクリープ余寿命を推定するためにはサン
プル採取時までのメタル温度を推定する必要がある。サ
ンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTは実測の水蒸気
酸化スケール厚さから式(3)を用いて推定することがで
きるため、本発明では金属ミクロ組織から推定した平均
メタル温度にΔTの半分を足した温度をサンプル採取時
のメタル温度とした。このように設定すればサンプル採
取時の温度よりも高くなるが、評価としては安全側とな
り、工学的には妥当な設定になる。酸化スケール生成速
度は一般的には放物線則に従うが、ばらつきが大きいた
めに実測値からの補正が必要となる。そこで、式(2)の
速度定数の定数bを一定とし、定数aの値を実測値から
求める。これにより、実機環境下での正確な酸化スケー
ル成長速度が記述できる。
は、長時間使用された材料のクリープ強度は、サンプル
材のクリープ破断試験によって明らかになるが、実機の
応力、温度レベルで試験を行うのは高圧・高温であるた
め事実上不可能であり、加速試験を行う。この場合、実
際に評価したい実機の温度・応力とは異なるため、試験
結果をラーソンミラーパラメータ等の温度・時間パラメ
ータで整理し、回帰曲線を作成する。回帰曲線を作成す
るためには少なくとも3応力条件でクリープ破断試験を
実施する必要がある。従来の方法ではこのクリープ破断
データに実機での応力、温度を当てはめ、クリープ余寿
命を算出しているが、酸化減肉による応力上昇、水蒸気
酸化スケールによるメタル温度上昇、及びクリープ変形
による形状変化を考慮しておらず、これらを考慮した解
析を行うことにより、さらに高精度に評価が可能とな
る。まず、実機サンプルの金属ミクロ組織からメタル温
度を推定するが、推定したメタル温度はサンプル採取時
までの平均温度である。実際には図8に示すように水蒸
気酸化スケール付着により徐々に温度が上昇する。な
お、図8にて縦軸はメタル温度、横軸は運転時間であ
る。したがって、サンプル採取時の温度は金属ミクロ組
織から推定した温度よりも高くなっており、クリープ破
断試験結果からクリープ余寿命を推定するためにはサン
プル採取時までのメタル温度を推定する必要がある。サ
ンプル採取時までのメタル温度上昇ΔTは実測の水蒸気
酸化スケール厚さから式(3)を用いて推定することがで
きるため、本発明では金属ミクロ組織から推定した平均
メタル温度にΔTの半分を足した温度をサンプル採取時
のメタル温度とした。このように設定すればサンプル採
取時の温度よりも高くなるが、評価としては安全側とな
り、工学的には妥当な設定になる。酸化スケール生成速
度は一般的には放物線則に従うが、ばらつきが大きいた
めに実測値からの補正が必要となる。そこで、式(2)の
速度定数の定数bを一定とし、定数aの値を実測値から
求める。これにより、実機環境下での正確な酸化スケー
ル成長速度が記述できる。
【0016】これらのデータを用いてクリープ余寿命を
算出するが、応力、メタル温度は徐々に変化し、しかも
互いに相互関係があるためにステップ計算を実施する。
すなわち、微小時間Δtを設定し、その間は外径、肉厚
から決まる応力、及びメタル温度は一定と考え、Δtで
のクリープ損傷率Δφcをクリープ破断試験結果を基準
に算出する。次のステップでは最初のΔtでの減肉、メ
タル温度上昇及びクリープ変形による形状変化を計算
し、その値を用いてクリープ損傷率を計算する。このよ
うな計算を繰返し、クリープ損傷率の合計が1になるま
で計算することによりクリープ余寿命が予測できる。ク
リープ変形についてはサンプル材のクリープ試験からク
リープひずみ式を作成し、これを基に外径ひずみを計算
する。クリープひずみ式は種々提案されており、例えば
Blackburn typeやべき乗則等があるが、どのような式で
も適用できる。なお、酸化スケール厚さの計算では初期
からの時間が必要となるが、温度が時々刻々と変化して
いるため、計算する温度での等価時間を求める必要があ
る。その考えを図9に模式的に示す。なお、図9は縦軸
に酸化スケール厚さ、横軸に時間とし、T1<T2のと
き、温度T1での時間t1と温度T2での時間t2とは
等価、つまり、酸化スケール生成量が同じである。以上
のような方法により伝熱管のクリープ余寿命を精度良く
推定することができる。
算出するが、応力、メタル温度は徐々に変化し、しかも
互いに相互関係があるためにステップ計算を実施する。
すなわち、微小時間Δtを設定し、その間は外径、肉厚
から決まる応力、及びメタル温度は一定と考え、Δtで
のクリープ損傷率Δφcをクリープ破断試験結果を基準
に算出する。次のステップでは最初のΔtでの減肉、メ
タル温度上昇及びクリープ変形による形状変化を計算
し、その値を用いてクリープ損傷率を計算する。このよ
うな計算を繰返し、クリープ損傷率の合計が1になるま
で計算することによりクリープ余寿命が予測できる。ク
リープ変形についてはサンプル材のクリープ試験からク
リープひずみ式を作成し、これを基に外径ひずみを計算
する。クリープひずみ式は種々提案されており、例えば
Blackburn typeやべき乗則等があるが、どのような式で
も適用できる。なお、酸化スケール厚さの計算では初期
からの時間が必要となるが、温度が時々刻々と変化して
いるため、計算する温度での等価時間を求める必要があ
る。その考えを図9に模式的に示す。なお、図9は縦軸
に酸化スケール厚さ、横軸に時間とし、T1<T2のと
き、温度T1での時間t1と温度T2での時間t2とは
等価、つまり、酸化スケール生成量が同じである。以上
のような方法により伝熱管のクリープ余寿命を精度良く
推定することができる。
【0017】以下、本発明の具体的な実施例として第1
の実施例を図を用いて説明する。サンプルは図2に示す
火力発電用ボイラの二次過熱器管から採取したものであ
り、図2にて、1は火炉、2は一次過熱器、3は二次過
熱器、4は一次再熱器、5は二次再熱器、6は過熱器、
7は節炭器である。サンプル採取時までの累積運転時間
は125,000h、サンプル管の材質はSTBA24(2.25Cr-1Mo鋼)
である。サンプル採取時の管寸法は外径50.8mm、肉厚9.
5mmで、管内面の水蒸気酸化スケール厚さは0.5mm、管外
面の高温酸化スケール厚さは0.45mmであった。このサン
プル管からクリープ破断試験片(No.1〜9)を採取し、ク
リープ破断試験を実施した。結果を図3に示す。図4は
この結果を式(1)で示すラーソンミラーパラメータで整
理し、回帰曲線(データの99%信頼度下限)を引いたもの
である。なお、図4にて縦軸は応力(kg/mm2)、横軸はラ
ーソンミラーパラメータである。
の実施例を図を用いて説明する。サンプルは図2に示す
火力発電用ボイラの二次過熱器管から採取したものであ
り、図2にて、1は火炉、2は一次過熱器、3は二次過
熱器、4は一次再熱器、5は二次再熱器、6は過熱器、
7は節炭器である。サンプル採取時までの累積運転時間
は125,000h、サンプル管の材質はSTBA24(2.25Cr-1Mo鋼)
である。サンプル採取時の管寸法は外径50.8mm、肉厚9.
5mmで、管内面の水蒸気酸化スケール厚さは0.5mm、管外
面の高温酸化スケール厚さは0.45mmであった。このサン
プル管からクリープ破断試験片(No.1〜9)を採取し、ク
リープ破断試験を実施した。結果を図3に示す。図4は
この結果を式(1)で示すラーソンミラーパラメータで整
理し、回帰曲線(データの99%信頼度下限)を引いたもの
である。なお、図4にて縦軸は応力(kg/mm2)、横軸はラ
ーソンミラーパラメータである。
【0018】次に、サンプル管の金属ミクロ組織観察を
行い、サンプル採取時までの平均メタル温度を推定し
た。この方法は種々の温度、時間で時効した標準ミクロ
組織を準備しておき、実機サンプルと同等の金属ミクロ
組織を選択して、(1)式のラーソンミラーパラメータを
用いて温度を推定する。図5は標準ミクロ組織の一例で
あり、本サンプルの金属ミクロ組織は650℃×1,000hの
標準ミクロ組織と同等であった。これまでの使用時間が
125,000hであることから式(1)を用いると平均メタル温
度は573℃と推定できた。なお、標準ミクロ組織として
は、例えば500℃,550℃,600℃,650℃等において運転時
間が1000h,2500h,5000h,10000h,25000h,50000hにおける
標準ミクロ組織が備えられている。
行い、サンプル採取時までの平均メタル温度を推定し
た。この方法は種々の温度、時間で時効した標準ミクロ
組織を準備しておき、実機サンプルと同等の金属ミクロ
組織を選択して、(1)式のラーソンミラーパラメータを
用いて温度を推定する。図5は標準ミクロ組織の一例で
あり、本サンプルの金属ミクロ組織は650℃×1,000hの
標準ミクロ組織と同等であった。これまでの使用時間が
125,000hであることから式(1)を用いると平均メタル温
度は573℃と推定できた。なお、標準ミクロ組織として
は、例えば500℃,550℃,600℃,650℃等において運転時
間が1000h,2500h,5000h,10000h,25000h,50000hにおける
標準ミクロ組織が備えられている。
【0019】この温度はサンプル採取時までの平均メタ
ル温度であり、サンプル採取時には水蒸気酸化スケール
の付着によりメタル温度が上昇している。そこで、水蒸
気酸化スケール厚さの実測値から式(3)を用い、現在ま
でのメタル温度上昇ΔTを算出すると、約15℃であり、
サンプル採取時のメタル温度は約580℃(573+15/2)と設
定した。また、水蒸気酸化スケール及び高温酸化スケー
ル成長速度は式(2)で表されるが、スケール厚さの実測
値から速度定数Kpの定数aを設定した。
ル温度であり、サンプル採取時には水蒸気酸化スケール
の付着によりメタル温度が上昇している。そこで、水蒸
気酸化スケール厚さの実測値から式(3)を用い、現在ま
でのメタル温度上昇ΔTを算出すると、約15℃であり、
サンプル採取時のメタル温度は約580℃(573+15/2)と設
定した。また、水蒸気酸化スケール及び高温酸化スケー
ル成長速度は式(2)で表されるが、スケール厚さの実測
値から速度定数Kpの定数aを設定した。
【0020】このような条件で図1に示すフローチャー
トに従い、クリープ余寿命を計算した結果を図6に示
す。図6は縦軸にクリープ損傷率、横軸にサンプル採取
時からの時間(h)とし、図中には参考のために従来の破
壊試験による評価(従来法1)、及びクリープ変形を考慮
しない場合の評価(従来法2)を示している。図6から分
かるように、本部位のクリープ余寿命はクリープ損傷率
の1と対応している9万時間と推定できる。これは実機
で起こる現象を考慮した結果であり、実際のクリープ余
寿命を精度良く推定できる。図7サンプル採取時からの
時間経過による外径変化を示したもので、縦軸は外径(m
m)、横軸はサンプル採取時からの時間(h)である。クリ
ープ変形を考慮しない場合は外径は減少していくが、ク
リープ変形を考慮した場合は寿命末期に近づくほど外径
は増加していく。これは実際の現象にあっており、この
方法を使用すれば外径による寿命監視も可能となる。
トに従い、クリープ余寿命を計算した結果を図6に示
す。図6は縦軸にクリープ損傷率、横軸にサンプル採取
時からの時間(h)とし、図中には参考のために従来の破
壊試験による評価(従来法1)、及びクリープ変形を考慮
しない場合の評価(従来法2)を示している。図6から分
かるように、本部位のクリープ余寿命はクリープ損傷率
の1と対応している9万時間と推定できる。これは実機
で起こる現象を考慮した結果であり、実際のクリープ余
寿命を精度良く推定できる。図7サンプル採取時からの
時間経過による外径変化を示したもので、縦軸は外径(m
m)、横軸はサンプル採取時からの時間(h)である。クリ
ープ変形を考慮しない場合は外径は減少していくが、ク
リープ変形を考慮した場合は寿命末期に近づくほど外径
は増加していく。これは実際の現象にあっており、この
方法を使用すれば外径による寿命監視も可能となる。
【0021】このような前記第1の実施の形態にあって
は、伝熱管のクリープ余寿命を精度良く推定できるの
で、従来の破壊試験方法では予測できない伝熱管の噴破
事故を未然に防ぐことができ、計画的な保守管理が可能
になる。
は、伝熱管のクリープ余寿命を精度良く推定できるの
で、従来の破壊試験方法では予測できない伝熱管の噴破
事故を未然に防ぐことができ、計画的な保守管理が可能
になる。
【0022】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。システムとしては必要なデータを入力し、クリープ
余寿命を計算して結果を数値出力及びグラフ出力するも
のである。その入出力画面例を図10に示す。図10は
本発明の第2の実施の形態の伝熱管のクリープ余寿命評
価システムの入出力画面例を示す説明図である。この図
10にて、50は入出力画面、51aは管寸法(管外
径、肉厚)入力部、51bは管材質入力部、51cは初
期メタル温度入力部、51dは内圧入力部、51eは熱
負荷入力部、51fは時間ステップ入力部、51gは酸
化データ入力部、51hはクリープ破断データ入力部、
51iは酸化データ入力部、51jはスケール剥離限界
入力部、51kは損傷クライテリア入力部、51lはス
ケール熱伝導率入力部、52は入力確定ボタン、53は
グラフの描写設定部、53aはクリープ損傷率の変化の
グラフ、肉厚の変化のグラフ、メタル温度の変化のグラ
フ、あるいは水蒸気酸化スケール厚さの変化のグラフか
を選択する選択設定部、53bはグラフ描画実行ボタ
ン、53cは印刷ボタン、54は評価結果のクリープ余
寿命を表示する余寿命表示部、55はグラフの描写設定
部53で設定したグラフを表示するグラフ表示部、56
は伝熱管診断を終了させる終了ボタンである。なお、ク
リープ破断データ入力部51h、損傷クライテリア入力
部51k、スケール剥離限界入力部51j、及びスケー
ル熱伝導率入力部51lには、デフォルトか入力かの選
択部があってどちらかを選択し、デフォルトを選択する
と後述するようなデフォルト値が使用され、一方、入力
を選択すると各入力部の網かけが取れてデータを入力で
きるようになっている。
る。システムとしては必要なデータを入力し、クリープ
余寿命を計算して結果を数値出力及びグラフ出力するも
のである。その入出力画面例を図10に示す。図10は
本発明の第2の実施の形態の伝熱管のクリープ余寿命評
価システムの入出力画面例を示す説明図である。この図
10にて、50は入出力画面、51aは管寸法(管外
径、肉厚)入力部、51bは管材質入力部、51cは初
期メタル温度入力部、51dは内圧入力部、51eは熱
負荷入力部、51fは時間ステップ入力部、51gは酸
化データ入力部、51hはクリープ破断データ入力部、
51iは酸化データ入力部、51jはスケール剥離限界
入力部、51kは損傷クライテリア入力部、51lはス
ケール熱伝導率入力部、52は入力確定ボタン、53は
グラフの描写設定部、53aはクリープ損傷率の変化の
グラフ、肉厚の変化のグラフ、メタル温度の変化のグラ
フ、あるいは水蒸気酸化スケール厚さの変化のグラフか
を選択する選択設定部、53bはグラフ描画実行ボタ
ン、53cは印刷ボタン、54は評価結果のクリープ余
寿命を表示する余寿命表示部、55はグラフの描写設定
部53で設定したグラフを表示するグラフ表示部、56
は伝熱管診断を終了させる終了ボタンである。なお、ク
リープ破断データ入力部51h、損傷クライテリア入力
部51k、スケール剥離限界入力部51j、及びスケー
ル熱伝導率入力部51lには、デフォルトか入力かの選
択部があってどちらかを選択し、デフォルトを選択する
と後述するようなデフォルト値が使用され、一方、入力
を選択すると各入力部の網かけが取れてデータを入力で
きるようになっている。
【0023】次に、本発明の第2の実施の形態の伝熱管
のクリープ余寿命評価方法を図11を参照して説明す
る。図11は本発明の第2の実施の形態を示す伝熱管の
クリープ余寿命評価方法のフローチャートである。必須
の入力データとして(a)管寸法(管外径、肉厚)、(b)管材
質、(c)初期メタル温度、(d)内圧、(e)熱負荷、(f)計算
ステップ、オプションデータとして、(h)クリープ破断
データ、(i)水蒸気酸化、高温酸化スケール成長速度
式、(j)水蒸気酸化、高温酸化スケール剥離限界、(k)水
蒸気酸化スケールの熱伝導率、(l)損傷クライテリアを
入力する。オプションの入力データはデフォルト値を準
備しておき、入力されない場合はデフォルト値を使用す
る(S31でYES,S32)。デフォルト値を使用し
ない場合はクリープ破断データ、水蒸気酸化・高温酸化
スケール成長則、水蒸気酸化スケール熱伝導率、スケー
ル剥離限界、損傷クライテリア等のデータを入出力画面
50から入力する(S31でNO,S33)。
のクリープ余寿命評価方法を図11を参照して説明す
る。図11は本発明の第2の実施の形態を示す伝熱管の
クリープ余寿命評価方法のフローチャートである。必須
の入力データとして(a)管寸法(管外径、肉厚)、(b)管材
質、(c)初期メタル温度、(d)内圧、(e)熱負荷、(f)計算
ステップ、オプションデータとして、(h)クリープ破断
データ、(i)水蒸気酸化、高温酸化スケール成長速度
式、(j)水蒸気酸化、高温酸化スケール剥離限界、(k)水
蒸気酸化スケールの熱伝導率、(l)損傷クライテリアを
入力する。オプションの入力データはデフォルト値を準
備しておき、入力されない場合はデフォルト値を使用す
る(S31でYES,S32)。デフォルト値を使用し
ない場合はクリープ破断データ、水蒸気酸化・高温酸化
スケール成長則、水蒸気酸化スケール熱伝導率、スケー
ル剥離限界、損傷クライテリア等のデータを入出力画面
50から入力する(S31でNO,S33)。
【0024】これらのデータからクリープ余寿命を算出
する手順を以下に示す。入力された寸法、内圧から平均
径の式を用いて応力を算出し(S30,S31でNO,
S33,S34)、計算ステップΔtでのクリープ損傷
率を計算する(S35)。クリープ損傷率の総和を計算し
(S36)、損傷クライテリアがクリープ損傷の場合はク
リープ損傷率が1を超えるか判定する(S37)。クリー
プ損傷率が1を超えていると(S37でYES)結果を表
示する(S47)。
する手順を以下に示す。入力された寸法、内圧から平均
径の式を用いて応力を算出し(S30,S31でNO,
S33,S34)、計算ステップΔtでのクリープ損傷
率を計算する(S35)。クリープ損傷率の総和を計算し
(S36)、損傷クライテリアがクリープ損傷の場合はク
リープ損傷率が1を超えるか判定する(S37)。クリー
プ損傷率が1を超えていると(S37でYES)結果を表
示する(S47)。
【0025】クリープ損傷率が1を超えていないと(S
37でNO)S38に進み、Δtでの水蒸気酸化スケー
ル、高温酸化スケール厚さ生成量を式(2)で算出す
る。この式は初期(時刻0)からのスケール生成量を表す
式である。メタル温度は水蒸気酸化スケールによって上
昇するため、これまでに生成したスケールが計算する温
度で何時間に相当するかを計算し(等価時間)、これにΔ
tを加えた時間で計算する必要がある。スケール剥離限
界を考慮する場合は、スケール生成量と剥離限界との比
較を行い(S39)、スケール生成量が剥離限界を超えれ
ば(S38でYES)酸化スケール厚さをクリアする(S
40)。
37でNO)S38に進み、Δtでの水蒸気酸化スケー
ル、高温酸化スケール厚さ生成量を式(2)で算出す
る。この式は初期(時刻0)からのスケール生成量を表す
式である。メタル温度は水蒸気酸化スケールによって上
昇するため、これまでに生成したスケールが計算する温
度で何時間に相当するかを計算し(等価時間)、これにΔ
tを加えた時間で計算する必要がある。スケール剥離限
界を考慮する場合は、スケール生成量と剥離限界との比
較を行い(S39)、スケール生成量が剥離限界を超えれ
ば(S38でYES)酸化スケール厚さをクリアする(S
40)。
【0026】次に、肉厚の計算をする。肉厚は酸化によ
る減肉とクリープ変形による肉厚変化を考慮する。酸化
による減肉量はスケール厚さの半分とする。また、クリ
ープ変形による形状変化は、クリープ破断試験で求めた
クリープひずみ式を用い、これを外径ひずみとして外径
を計算する。肉厚は管断面の面積が変化しないと仮定し
て、計算する(S41,S42)。損傷クライテリアが肉
厚の場合は限界肉厚との比較を行う(S43)。次に、水
蒸気酸化スケール厚さからΔtでのメタル温度上昇分Δ
Tを式(3)で計算し(S44)、メタル温度を算出す
る。次のΔtでのクリープ損傷率を算出する。この場合
のメタル温度はSでの上昇分を考慮したもの、応力は管
内面の水蒸気酸化、管外面の高温酸化による減肉、外径
変化及びクリープ変形による形状変化を考慮して平均径
の式で求めたものとする(S45,S46)。このような
計算を繰返し、損傷クライテリアに従って、クリープ損
傷率が1になるか、肉厚が限界肉厚より小さくなるまで
計算する(S43)。肉厚が限界肉厚より小さくなったら
(S43でYES)結果を表示する(S47)。以上のよう
な手順により高精度で伝熱管のクリープ余寿命評価が可
能となる。
る減肉とクリープ変形による肉厚変化を考慮する。酸化
による減肉量はスケール厚さの半分とする。また、クリ
ープ変形による形状変化は、クリープ破断試験で求めた
クリープひずみ式を用い、これを外径ひずみとして外径
を計算する。肉厚は管断面の面積が変化しないと仮定し
て、計算する(S41,S42)。損傷クライテリアが肉
厚の場合は限界肉厚との比較を行う(S43)。次に、水
蒸気酸化スケール厚さからΔtでのメタル温度上昇分Δ
Tを式(3)で計算し(S44)、メタル温度を算出す
る。次のΔtでのクリープ損傷率を算出する。この場合
のメタル温度はSでの上昇分を考慮したもの、応力は管
内面の水蒸気酸化、管外面の高温酸化による減肉、外径
変化及びクリープ変形による形状変化を考慮して平均径
の式で求めたものとする(S45,S46)。このような
計算を繰返し、損傷クライテリアに従って、クリープ損
傷率が1になるか、肉厚が限界肉厚より小さくなるまで
計算する(S43)。肉厚が限界肉厚より小さくなったら
(S43でYES)結果を表示する(S47)。以上のよう
な手順により高精度で伝熱管のクリープ余寿命評価が可
能となる。
【0027】ところで、伝熱管の損傷を評価する場合
に、酸化減肉、クリープ変形による応力上昇、水蒸気酸
化スケールによるメタル温度上昇、酸化スケールの剥離
等の現象が複雑に絡み合っており、診断する部位に対し
て適切な条件を選定する必要がある。本発明では上述し
たようにクリープ破断データ、スケール成長則、水蒸気
酸化スケール熱伝導率、スケール剥離限界及び損傷クラ
イテリアを図10に示す入出力画面50から入力できる
ようになっており、適切な条件設定ができるようになっ
ている。これらのデータの標準的な値はデータベースと
して持っており、デフォルト値として使用することがで
きる。
に、酸化減肉、クリープ変形による応力上昇、水蒸気酸
化スケールによるメタル温度上昇、酸化スケールの剥離
等の現象が複雑に絡み合っており、診断する部位に対し
て適切な条件を選定する必要がある。本発明では上述し
たようにクリープ破断データ、スケール成長則、水蒸気
酸化スケール熱伝導率、スケール剥離限界及び損傷クラ
イテリアを図10に示す入出力画面50から入力できる
ようになっており、適切な条件設定ができるようになっ
ている。これらのデータの標準的な値はデータベースと
して持っており、デフォルト値として使用することがで
きる。
【0028】これらのデータを入力できるようにしたの
は次の理由による。 a)クリープ破断データ クリープ破断データはばらつきが大きく、同じ鋼類でも
1オーダ程度の差がある場合がある。デフォルト値とし
てはその鋼類の平均的なデータ(例えば金属材料技術研
究所クリープデータシート等)を使用するが、破壊試験
等による評価部位のクリープ破断データがあれば入力
し、精度向上を図る。 b)スケール成長則 スケール成長則もばらつきが大きく、デフォルト値とし
ては実験データの平均値を使用するが、実機の測定値が
あれば入力し、精度向上を図る。 c)水蒸気酸化スケール熱伝導率 水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇計算では、ス
ケール熱伝導率が必要である。CrMo鋼のスケール熱伝導
率はほぼ2kcal/mh℃で一定であるが、スケールが剥離
すると熱伝導率が低下する。精度良く計算するためには
これを考慮する必要があり、入力できるようにしてい
る。 d)スケール剥離限界 スケール成長則は式(1)に示すように放物線則に従う。
したがって、初期段階ではスケール生成量が大きくな
る。スケールはある程度の厚さになれば熱応力により剥
離することから、これを考慮すれば精度向上につなが
り、剥離限界を入力できるようにしている。 e)損傷クライテリアとしてはクリープ損傷と肉厚の両
方を選択できるようにした。肉厚の場合は限界肉厚を入
力できるようにした。
は次の理由による。 a)クリープ破断データ クリープ破断データはばらつきが大きく、同じ鋼類でも
1オーダ程度の差がある場合がある。デフォルト値とし
てはその鋼類の平均的なデータ(例えば金属材料技術研
究所クリープデータシート等)を使用するが、破壊試験
等による評価部位のクリープ破断データがあれば入力
し、精度向上を図る。 b)スケール成長則 スケール成長則もばらつきが大きく、デフォルト値とし
ては実験データの平均値を使用するが、実機の測定値が
あれば入力し、精度向上を図る。 c)水蒸気酸化スケール熱伝導率 水蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇計算では、ス
ケール熱伝導率が必要である。CrMo鋼のスケール熱伝導
率はほぼ2kcal/mh℃で一定であるが、スケールが剥離
すると熱伝導率が低下する。精度良く計算するためには
これを考慮する必要があり、入力できるようにしてい
る。 d)スケール剥離限界 スケール成長則は式(1)に示すように放物線則に従う。
したがって、初期段階ではスケール生成量が大きくな
る。スケールはある程度の厚さになれば熱応力により剥
離することから、これを考慮すれば精度向上につなが
り、剥離限界を入力できるようにしている。 e)損傷クライテリアとしてはクリープ損傷と肉厚の両
方を選択できるようにした。肉厚の場合は限界肉厚を入
力できるようにした。
【0029】このようにして必須データ及びオプション
の入力データを用いて伝熱管の寿命評価を実施するが、
応力、メタル温度は徐々に変化し、しかも互いに相互関
係があるためにステップ計算を実施する。すなわち、微
小時間Δtを設定し、その間は外径、肉厚から決まる応
力、及びメタル温度は一定と考え、Δtでのクリープ損
傷率をクリープ破断データを基準に算出する。次のステ
ップでは最初のΔtでの減肉、メタル温度上昇及びクリ
ープ変形による形状変化を計算し、その値を用いてクリ
ープ損傷率及び肉厚を計算する。このような計算を繰返
し、クリープ損傷率の合計が1になるか、肉厚が限界肉
厚以下になるまで計算することにより伝熱管の寿命が予
測できる。本発明の大きな特徴の一つはスケールの剥離
を考慮できることであり、剥離限界を超えればスケール
厚さを0にして計算するようにしている。クリープ変形
についてはクリープ試験からクリープひずみ式を作成
し、これを基に外径ひずみを計算する。クリープひずみ
式は種々提案されており、例えばBlackburn typeやべき
乗則等があるが、どのような式でも適用できる。なお、
酸化スケール厚さの計算では初期からの時間が必要とな
るが、温度が時々刻々と変化しているため、計算する温
度での等価時間を求める必要がある。その考えを前記図
9に模式的に示す。以上のような方法により伝熱管のク
リープ余寿命を精度良く推定することができる。
の入力データを用いて伝熱管の寿命評価を実施するが、
応力、メタル温度は徐々に変化し、しかも互いに相互関
係があるためにステップ計算を実施する。すなわち、微
小時間Δtを設定し、その間は外径、肉厚から決まる応
力、及びメタル温度は一定と考え、Δtでのクリープ損
傷率をクリープ破断データを基準に算出する。次のステ
ップでは最初のΔtでの減肉、メタル温度上昇及びクリ
ープ変形による形状変化を計算し、その値を用いてクリ
ープ損傷率及び肉厚を計算する。このような計算を繰返
し、クリープ損傷率の合計が1になるか、肉厚が限界肉
厚以下になるまで計算することにより伝熱管の寿命が予
測できる。本発明の大きな特徴の一つはスケールの剥離
を考慮できることであり、剥離限界を超えればスケール
厚さを0にして計算するようにしている。クリープ変形
についてはクリープ試験からクリープひずみ式を作成
し、これを基に外径ひずみを計算する。クリープひずみ
式は種々提案されており、例えばBlackburn typeやべき
乗則等があるが、どのような式でも適用できる。なお、
酸化スケール厚さの計算では初期からの時間が必要とな
るが、温度が時々刻々と変化しているため、計算する温
度での等価時間を求める必要がある。その考えを前記図
9に模式的に示す。以上のような方法により伝熱管のク
リープ余寿命を精度良く推定することができる。
【0030】次に、本発明の第2の実施の形態の具体的
な実施例を説明する。
な実施例を説明する。
【0031】まず、本発明の第2の実施例を図を用いて
説明する。評価対象部位は前記図2に示す火力発電用ボ
イラの二次過熱器管から採取したものであり、サンプル
採取時の管寸法は外径50.8mm、肉厚10.2mm、材質は2.25
Cr-1Mo鋼で、初期メタル温度560℃、圧力193atg、熱負
荷150,000kcal/m2hである。クリープ破断データ、スケ
ール成長則はデフォルト値を用い、酸化スケールは剥離
せず、損傷クライテリアとしてクリープ損傷を用いた。
このような条件で図11に示すフローチャートに従い、
寿命評価を行った出力を図12に示す。図12から分か
るように本伝熱管の寿命は約19万時間と推定できる。
説明する。評価対象部位は前記図2に示す火力発電用ボ
イラの二次過熱器管から採取したものであり、サンプル
採取時の管寸法は外径50.8mm、肉厚10.2mm、材質は2.25
Cr-1Mo鋼で、初期メタル温度560℃、圧力193atg、熱負
荷150,000kcal/m2hである。クリープ破断データ、スケ
ール成長則はデフォルト値を用い、酸化スケールは剥離
せず、損傷クライテリアとしてクリープ損傷を用いた。
このような条件で図11に示すフローチャートに従い、
寿命評価を行った出力を図12に示す。図12から分か
るように本伝熱管の寿命は約19万時間と推定できる。
【0032】次に、本発明の第3の実施例を図13を用
いて説明する。前記第3の実施例と同じ部位で管外面ス
ケールが周期的に剥離することが分かった。剥離限界は
0.3mmであり、損傷クライテリアとして限界肉厚9mmとし
て評価を実施した。結果の出力を図13に示す。スケー
ルが剥離するために肉厚がほぼ直線的に減少しており、
本伝熱管の寿命は13万時間と推定できる。
いて説明する。前記第3の実施例と同じ部位で管外面ス
ケールが周期的に剥離することが分かった。剥離限界は
0.3mmであり、損傷クライテリアとして限界肉厚9mmとし
て評価を実施した。結果の出力を図13に示す。スケー
ルが剥離するために肉厚がほぼ直線的に減少しており、
本伝熱管の寿命は13万時間と推定できる。
【0033】次に、本発明の第4の実施例を図14を用
いて説明する。評価対象部位からサンプルを採取し、ク
リープ破断試験を実施して今後のクリープ余寿命を評価
した。サンプル採取時までの累積運転時間は125,000h、
サンプル管の材質はSTBA24(2.25Cr-1Mo鋼)である。サン
プル採取時の管寸法は外径50.5mm、肉厚9.5mmで、管内
面の水蒸気酸化スケール厚さは0.5mm、管外面の高温酸
化スケール厚さは0.45mmであった。また、水蒸気酸化ス
ケールは剥離して隙間ができていることから、スケール
熱伝導率を0.6kcal/mh℃とした。本部位の初期メタル温
度は538℃、圧力193atg、熱負荷120,000kcal/m2hであ
る。このような条件で損傷クライテリアとしてクリープ
損傷を用いて、クリープ余寿命を評価した結果を図14
に示す。図14から分かるように本部位のクリープ余寿
命は約5万時間と推定できる。
いて説明する。評価対象部位からサンプルを採取し、ク
リープ破断試験を実施して今後のクリープ余寿命を評価
した。サンプル採取時までの累積運転時間は125,000h、
サンプル管の材質はSTBA24(2.25Cr-1Mo鋼)である。サン
プル採取時の管寸法は外径50.5mm、肉厚9.5mmで、管内
面の水蒸気酸化スケール厚さは0.5mm、管外面の高温酸
化スケール厚さは0.45mmであった。また、水蒸気酸化ス
ケールは剥離して隙間ができていることから、スケール
熱伝導率を0.6kcal/mh℃とした。本部位の初期メタル温
度は538℃、圧力193atg、熱負荷120,000kcal/m2hであ
る。このような条件で損傷クライテリアとしてクリープ
損傷を用いて、クリープ余寿命を評価した結果を図14
に示す。図14から分かるように本部位のクリープ余寿
命は約5万時間と推定できる。
【0034】このような前記第2の実施の形態にあって
は、実機で長時間使用された伝熱管のクリープ余寿命を
推定する方法において、酸化減肉とクリープ変形による
応力変化、水蒸気酸化スケールによるメタル温度変化に
加え、スケール剥離を考慮し、損傷評価クライテリアも
選定できる高精度の伝熱管のクリープ余寿命評価方法お
よびシステムを提供することができる。また、種々の状
況に応じて伝熱管の寿命を精度良く推定でき、伝熱管の
噴破事故を未然に防ぐことができ、計画的な保守管理が
可能になる。
は、実機で長時間使用された伝熱管のクリープ余寿命を
推定する方法において、酸化減肉とクリープ変形による
応力変化、水蒸気酸化スケールによるメタル温度変化に
加え、スケール剥離を考慮し、損傷評価クライテリアも
選定できる高精度の伝熱管のクリープ余寿命評価方法お
よびシステムを提供することができる。また、種々の状
況に応じて伝熱管の寿命を精度良く推定でき、伝熱管の
噴破事故を未然に防ぐことができ、計画的な保守管理が
可能になる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、伝熱管の
クリープ余寿命を精度良く推定できるので、従来の破壊
試験方法では予測できない伝熱管の噴破事故を未然に防
ぐことができ、計画的な保守管理が可能になる。請求項
2,3記載の発明によれば、種々の状況に応じて伝熱管
の寿命を精度良く推定でき、伝熱管の噴破事故を未然に
防ぐことができ、計画的な保守管理が可能になる。
クリープ余寿命を精度良く推定できるので、従来の破壊
試験方法では予測できない伝熱管の噴破事故を未然に防
ぐことができ、計画的な保守管理が可能になる。請求項
2,3記載の発明によれば、種々の状況に応じて伝熱管
の寿命を精度良く推定でき、伝熱管の噴破事故を未然に
防ぐことができ、計画的な保守管理が可能になる。
【図1】本発明に係る伝熱管のクリープ余寿命評価方法
の一実施の形態を示すフローチャートである。
の一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態でサンプルを採取したボ
イラ二次過熱器管の概略を示す説明図である。
イラ二次過熱器管の概略を示す説明図である。
【図3】クリープ破断試験結果を示す説明図である。
【図4】サンプル材のクリープ破断試験結果をラーソン
ミラーパラメータで整理し、回帰曲線を引いたグラフで
ある。
ミラーパラメータで整理し、回帰曲線を引いたグラフで
ある。
【図5】2.25Cr-1Mo鋼の加熱時効による金属ミクロ組織
変化の標準ミクロ組織を示す説明図である。
変化の標準ミクロ組織を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態での伝熱管のクリープ余
寿命評価結果を示すグラフである。
寿命評価結果を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施の形態での外径変化を示すグラ
フである。
フである。
【図8】実機の伝熱管のメタル温度変化を模式的に示す
グラフである。
グラフである。
【図9】酸化スケール成長に関する等価時間のグラフで
ある。
ある。
【図10】本発明の第2の実施の形態の伝熱管のクリー
プ余寿命評価システムの入出力画面例を示す説明図であ
る。
プ余寿命評価システムの入出力画面例を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す伝熱管のク
リープ余寿命評価方法のフローチャートである。
リープ余寿命評価方法のフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャートに従い、寿命評
価を行った出力を示す説明図である。
価を行った出力を示す説明図である。
【図13】本発明の第4の実施例の結果の出力を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図14】本発明の第5の実施例で損傷クライテリアと
してクリープ損傷を用いて、余寿命を評価した結果を示
すグラフである。
してクリープ損傷を用いて、余寿命を評価した結果を示
すグラフである。
【図15】一般的なクリープ破断試験にクリープ余寿命
評価方方法のグラフである。
評価方方法のグラフである。
1 火炉 2 一次過熱器 3 二次過熱器 4 一次再熱器 5 二次再熱器 6 過熱器 7 節炭器 50 入出力画面 51a 管寸法入力部 51b 管材質入力部 51c 初期メタル温度入力部 51d 内圧入力部 51e 熱負荷入力部 51f 時間ステップ入力部 51g 酸化データ入力部 51h クリープ破断データ入力部 51i 酸化データ入力部 51j スケール剥離限界入力部 51k 損傷クライテリア入力部 51l スケール熱伝導率入力部 52 入力確定ボタン 53 グラフの描写設定部 53a 選択設定部 53b グラフ描画実行ボタン 53c 印刷ボタン 54 余寿命表示部 55 グラフ表示部 56 終了ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 一男 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 2G024 AA21 AD33 BA12 BA14 CA11 CA17 DA03 FA01 2G055 AA01 AA12 BA05 BA11 BA14 BA20 EA08
Claims (3)
- 【請求項1】 ボイラ等の高温で使用される伝熱管材料
について、評価部位からサンプルを採取し、クリープ破
断試験によってその部位のクリープ余寿命を推定する伝
熱管のクリープ余寿命評価方法において、 クリープ試験片採取前にサンプル材の寸法、管外面の高
温酸化スケール厚さ、管内面の水蒸気酸化スケール厚さ
を測定し、 サンプル材のミクロ組織を観察し、加熱時効の標準ミク
ロ組織との比較によりサンプル採取時までの平均メタル
温度を推定し、 管内面の水蒸気酸化スケール厚さと管寸法からサンプル
採取時までのメタル温度上昇ΔTを計算し、ミクロ組織
から推定した平均メタル温度に(ΔT/2)を足した温度
をサンプル採取時のメタル温度に設定し、 管外面の高温酸化スケール成長速度式及び管内面の水蒸
気酸化スケール成長速度式を実測のスケール厚さとミク
ロ組織から推定した平均メタル温度から補正し、 サンプル材のクリープ破断試験を実施し、温度・時間パ
ラメータで整理して回帰曲線を作成し、 サンプル採取時のメタル温度を初期温度とし、時間ステ
ップを設定して時間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉
と管内面の水蒸気酸化減肉による応力上昇、管内面の水
蒸気酸化スケールによるメタル温度上昇及びクリープ変
形による伝熱管形状変化を計算し、その値でのクリープ
損傷率をクリープ破断試験データを基に求め、クリープ
損傷率の総和が1になるまで繰返し計算を行なうことを
特徴とする伝熱管のクリープ余寿命評価方法。 - 【請求項2】 ボイラ等の高温で使用される伝熱管材料
の寿命を評価する伝熱管のクリープ余寿命評価装置にお
いて、 管の寸法、材質、初期メタル温度、圧力、熱負荷、計算
時間ステップを必須の入力データとし、 クリープ破断データ、管内面の水蒸気酸化スケール成長
データ、管外面の高温酸化スケール成長データ、水蒸気
酸化スケールの熱伝導率、管内面の水蒸気酸化スケール
及び管外面の高温酸化スケールの剥離限界、損傷評価時
のクライテリアをオプションの入力データとし、 時間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸
気酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管の断面形状変
化を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化スケールによる
メタル温度変化をスケール剥離限界を考慮しながら計算
する応力・メタル温度変化計算手段と、 損傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験デー
タを基に各時間ステップでの応力と温度から求まるクリ
ープ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価する
損傷評価手段と、 評価結果を数値表示、及びクリープ損傷率、肉厚の時間
変化を表すグラフとして出力するグラフ出力手段を持つ
ことを特徴とする伝熱管のクリープ余寿命評価装置。 - 【請求項3】 ボイラ等の高温で使用される伝熱管材料
の寿命を評価する伝熱管のクリープ余寿命評価方法にお
いて、 管の寸法、材質、初期メタル温度、圧力、熱負荷、計算
時間ステップを必須の入力データとし、 クリープ破断データ、管内面の水蒸気酸化スケール成長
データ、管外面の高温酸化スケール成長データ、水蒸気
酸化スケールの熱伝導率、管内面の水蒸気酸化スケール
及び管外面の高温酸化スケールの剥離限界、損傷評価時
のクライテリアをオプションの入力データとし、 時間ステップ毎に管外面の高温酸化減肉と管内面の水蒸
気酸化減肉及びクリープ変形による伝熱管の断面形状変
化を考慮した応力、管内面の水蒸気酸化スケールによる
メタル温度変化をスケール剥離限界を考慮しながら計算
し、 損傷評価クライテリアによって、クリープ破断試験デー
タを基に各時間ステップでの応力と温度から求まるクリ
ープ損傷率の総和か、または肉厚を基準に損傷評価し、 評価結果を数値表示、及びクリープ損傷率、肉厚の時間
変化を表すグラフとして出力することを特徴とする伝熱
管のクリープ余寿命評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09892199A JP3532448B2 (ja) | 1999-04-06 | 1999-04-06 | 伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09892199A JP3532448B2 (ja) | 1999-04-06 | 1999-04-06 | 伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000292419A true JP2000292419A (ja) | 2000-10-20 |
JP3532448B2 JP3532448B2 (ja) | 2004-05-31 |
Family
ID=14232601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09892199A Expired - Fee Related JP3532448B2 (ja) | 1999-04-06 | 1999-04-06 | 伝熱管のクリープ余寿命評価方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3532448B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-04-06 JP JP09892199A patent/JP3532448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2015098179A1 (ja) * | 2013-12-27 | 2017-03-23 | 川崎重工業株式会社 | 伝熱管寿命推定システム |
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