JP2000291792A - 自動変速機のダウンシフト制御装置 - Google Patents

自動変速機のダウンシフト制御装置

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JP2000291792A
JP2000291792A JP9778799A JP9778799A JP2000291792A JP 2000291792 A JP2000291792 A JP 2000291792A JP 9778799 A JP9778799 A JP 9778799A JP 9778799 A JP9778799 A JP 9778799A JP 2000291792 A JP2000291792 A JP 2000291792A
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input shaft
rotation speed
automatic transmission
shaft rotation
intake air
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Eiji Moriyama
英二 森山
Shoji Suga
章二 菅
Yoshio Hasegawa
善雄 長谷川
Shigeru Yoshioka
繁 吉岡
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速機のダウンシフト制御装置におい
て、最適なダウンシフト制御を可能とすることでシフト
クォリティの安定化を図る。 【解決手段】 吸入空気質量EVに応じて補正係数CEV
を設定し、自動変速機12の目標入力軸回転速度変化率
(Ni)’をこの補正係数CEVによって補正することで
補正入力軸回転速度変化率(Nir)’を求め、実入力
軸回転速度変化率(Nt)’がこの補正入力軸回転速度
変化率(Nir)’となるようにフィードバック制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の摩擦係合要
素に対する供給油圧をそれぞれ電子制御してこれら摩擦
係合要素を選択的に係合させることにより、複数の変速
段を達成するようにした自動変速機において、ダウンシ
フト時のシフトクォリティの向上を図った自動変速機の
ダウンシフト制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、クラッチやブレー
キ等の摩擦係合要素に対して選択的に油圧を給排してク
ラッチやブレーキ等の係合状態を切り換えることで、歯
車変速装置内の任意の回転要素を変速機入力軸に連結し
たり、変速機ケーシングに固定し、変速比の切換えを自
動的に行うようにしたものである。
【0003】ところで、このような自動変速機におい
て、例えば、第2速から第1速にダウンシフトさせる場
合、コントローラは所定のプログラムにしたがって第2
速を確立させる2速用クラッチの係合を解放する一方、
第1速を確立させる1速用クラッチを係合させ、トラン
スミッションの入力軸の回転速度をその変化率が目標回
転速度変化率に等しくなるようにして増加させ、クラッ
チの所謂つかみ換えを実施する。これにより、エンジン
トルクの伝達経路が2速用クラッチから1速用クラッチ
に切り換えられ、自動変速機が第2速から第1速にダウ
ンシフトされる。
【0004】このような自動変速機の制御装置として
は、例えば、特開平5−312261号公報や特開平6
−11031号公報に開示されたものがあり、各公報に
開示された自動変速機では、解放側摩擦係合要素の作動
油圧をフィードバック制御していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の自動変速機の制御装置にあっては、車両の走行条件
が低地から高地に変わったときには、気圧が変化するた
めにシフトクォリティが悪化してしまう虞がある。図1
0に従来の自動変速機の制御装置によるダウンシフト時
のおける各制御パラメータの関係を表すグラフを示し、
図10(a)は低地走行時において第2速から第1速にダ
ウンシフトするとき、図10(b)は高地走行時において
第2速から第1速にダウンシフトするときのものであ
る。
【0006】図10に示すように、低地走行時に第2速
から第1速にダウンシフトする場合、ダウンシフトの必
要性を認識して第2速用クラッチの係合を解放(ソレノ
イド弁のデューティ率を0%,A点)し、入力軸回転速
度Ntの増加を待つ。そして、入力軸回転速度Ntの増
加に基づいてダウンシフトの実際の開始を検出すると、
ソレノイド弁のデューティ率をDr1 に設定(点B)
し、所定時間経過後に学習補正の実施及びフィードバッ
ク制御を開始(点C)する。ここで、速用クラッチの係
合の解放により入力軸回転速度が増加する。デューティ
率Dr1 は僅かに伝達トルクを発生させることのできる
所定値に設定するため、点Cにおいて実入力軸回転速度
の変化率(Nt)’がこの目標入力軸回転速度の変化率
(Ni)’と一致するように学習補正を実施する。
【0007】ここで、デューティ率は一定時間Dr1 に
保持された後、目標入力軸回転速度の変化率(Ni)’
が読みだされ、実入力軸回転速度の変化率(Nt)’が
この目標入力軸回転速度の変化率(Ni)’となるよう
に、両者の差に基づいてフィードバック補正量を求め、
デューティ率をDrを補正していく。一方、このような
2速用クラッチのフィードバック制御が実施されなが
ら、1速用クラッチを所定のタイミングで操作し、入力
軸回転速度Ntが第1速同期回転速度に到達する時点
(D点)で1速用クラッチを完全に結合させることで、
第2速から第1速へのダウンシフトが完了する。
【0008】ところが、このような学習補正及びフィー
ドバック制御の実施中に、車両が低地から高地に移動し
てダウンシフトを繰り返すと、ソレノイド弁のデューテ
ィ率を0からDr2に設定(点B)したとき、このデュ
ーティ率Dr2は学習補正によりDr1よりも小さいも
のとなってしまう。即ち、高地ではエンジンへの吸入空
気量と空気密度の低下によりエンジン出力が低下するた
め、デューティ率Dr2が2速用クラッチの伝達トルク
が発生しなくなる値まで低くなってしまう。そのため、
実入力軸回転速度の変化率(Nt)’が増加し、目標入
力軸回転速度の変化率(Ni)’に対して実入力軸回転
速度の変化率(Nt)’が高くなり過ぎ、その後、デュ
ーティ率Dr2を増加させる方向にフィードバック補正
制御を行っても、クラッチの作動油圧及び実入力軸回転
速度の変化率(Nt)’が直ちに追従しない。すると、
図10に一点鎖線で示すように、入力軸回転速度Ntが
出力軸回転速度を越えてオーバーシュートしてしまい、
直ちに同期させようとすることで、車両に大きな前後加
速度Gが発生してしまう。
【0009】また、上述したように、低地と高地とでは
学習値(デューティ率Dr1,Dr2)が異なる。その
ため、一方で学習を行った後に車両をトレーラー等で他
方に移動し、ここで走行中にダウンシフトすると、学習
値とエンジン出力との相違により、シフトクォリティが
悪化してしまう。
【0010】なお、吸入空気量から大気圧と空気温度に
より吸入空気質量を求め、この吸入空気質量に基づいて
摩擦係合要素の係合油圧を制御するようにしたものとし
て、特開平4−300454号公報に開示されたものが
あるが、この方法では、吸入空気質量が刻々と変化する
ダウンシフトでは、適切なデューティ率を出力すること
ができず、油圧応答遅れも手伝って変速終了間近では実
際の吸入空気質量に合わないクラッチ状態となってしま
う虞がある。つまり、ある瞬間の吸入空気質量に基づい
て制御デューティ率を決め、それに基づいてソレノイド
弁を駆動してもその時点では既に吸入空気質量が上昇し
ており、適切な油圧にすることはできず、変速終了時点
ではその差は更に広がってしまう。
【0011】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、最適なダウンシフト制御を可能とすることでシ
フトクォリティの安定化を図った自動変速機のダウンシ
フト制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の自動変速機のダウンシフト制御装置では、
エンジンの吸入空気質量に応じた補正係数を設定し、自
動変速機の目標入力軸回転速度変化率をこの補正係数に
よって補正することで補正入力軸回転速度変化率を求
め、自動変速機の実入力軸回転速度変化率がこの補正入
力軸回転速度変化率となるように学習及びフィードバッ
ク制御するようにしている。
【0013】従って、補正入力軸回転速度変化率は気圧
の変化に応じて調整されるので、車両が低地を走行中に
ダウンシフトしても、また、高地を走行中にダウンシフ
トしても、それに応じた目標となる入力軸回転速度変化
率が設定されることとなり、最適なダウンシフト制御を
可能としてシフトクォリティが安定する。
【0014】また、本発明の自動変速機のダウンシフト
制御装置にて、ダウンシフトの開始時における吸入空気
質量が所定値以下のときには、ダウンシフトの開始時に
おける摩擦係合要素の初期係合力を学習補正する処理を
禁止することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0016】図1に本発明の一実施形態に係る自動変速
機のダウンシフト制御装置の概略構成、図2に本実施形
態のダウンシフト制御装置が適用される自動変速機の概
略構成、図3には変速段に対する摩擦係合要素の係合状
態、図4乃至図8にダウンシフト制御のフローチャー
ト、図9にダウンシフト制御のタイムチャートを示す。
【0017】本実施形態の自動変速機のダウンシフト制
御装置において、図1に示すように、エンジン11に装
着された自動変速機12は、トルクコンバータ13、歯
車変速装置14、油圧回路15から構成され、コントロ
ーラ16によって制御されるようになっている。
【0018】即ち、この自動変速機12において、図2
及び図3に示すように、エンジン11のクランク軸21
がトルクコンバータ13のポンプ22に一体的に連結さ
れており、トルクコンバータ13は、ポンプ22とター
ビン23とケース24に連結されたステータ25とから
構成されている。タービン23に伝えられたエンジン1
1からのトルクは、入力軸26によってその後部に配設
された前進4段後進1段の変速段を達成する歯車変速機
構14に伝達される。
【0019】この歯車変速機構14は、摩擦係合要素と
しての3組の多板式クラッチ27〜29及びワンウェイ
クラッチ30と、摩擦係合要素としての2組のブレーキ
31,32と、2組の遊星歯車機構33,34とから構
成されている。遊星歯車機構33は、リングギヤ35と
ピニオン36とサンギヤ37とキャリア38とから構成
されている。また、遊星歯車機構34は、遊星歯車機構
33に対して直列的に配置されており、リングギヤ39
とピニオン40とサンギヤ41とキャリア42とから構
成されている。
【0020】そして、遊星歯車機構33のサンギヤ37
はクラッチ27を介して入力軸26に連結され、遊星歯
車機構33のキャリア38にはギヤ43が設けられてお
り、ギヤ43は出力軸44のギヤ45に噛み合ってい
る。出力軸44にはギヤ46が設けられ、ギヤ46はデ
ファレンシャルキャリア47のギヤ48に噛み合い、出
力軸44の回転力がデファレンシャルキャリア47に伝
達される。遊星歯車機構33のリングギヤ35は遊星歯
車機構34のキャリア42に直結され、リングギヤ35
はブレーキ32によってケース24と一体的に連結可能
となっている。
【0021】また、遊星歯車機構34のキャリヤ42は
クラッチ28を介して入力軸26に連結されると共に、
クラッチ30を介してケース24に連結されている。更
に、遊星歯車機構34のサンギヤ41はクラッチ29を
介して入力軸26に連結され、サンギヤ41はブレーキ
31によってケース24と一体的に連結可能となってい
る。
【0022】摩擦係合要素である各クラッチ27〜30
及び各ブレーキ31,32は、それぞれ係合用ピストン
装置あるいはサーボ装置等を備えた油圧機器で構成さ
れ、トルクコンバータ13のポンプ22に連結された図
示しないオイルポンプで発生する油圧によって油圧回路
15を介して選択的に操作される。この油圧回路15
は、運転者によって選択された変速レバーの位置と、車
両の運転状態(車速やスロットル開度)とに応じたコン
トローラ16からの指令に基づいて動作し、種々の変速
段が自動的に達成される。
【0023】本自動変速機において、各摩擦係合要素が
各変速段についてどのように働くかは図3に示す通りで
ある。図中の符号で○印は油圧作動によって係合状態に
あり、●印は機械的にロック状態にあり、−印は解放状
態にあることを示している。例えば、2速段から1速段
への変速は、ブレーキ31の解放とブレーキ32の係合
及びクラッチ30のロック、即ち、ブレーキ31からブ
レーキ32及びクラッチ30へのつかみ換えによって達
成される。
【0024】また、図1に示すように、前述したコント
ローラ16には、Ntセンサ51と、Noセンサ52
と、θtセンサ53と、エアフローセンサ54と、大気
圧センサ55と、吸気温センサ56とが接続されてい
る。Ntセンサ51は歯車変速装置14の入力軸26の
回転速度Ntを検出してコントローラ16に出力する。
Noセンサ52は歯車変速装置14の出力軸44の回転
速度Noを検出してコントローラ16に出力すると、コ
ントローラ16は回転速度Noから車速Vを算出する。
θtセンサ53はスロットル弁の開度をθt検出してコ
ントローラ16に出力する。また、エアフローセンサ5
4は吸入空気量Qを、大気圧センサ55は気圧Pを、吸
気温センサ56は給気温度Tをそれぞれ検出してコント
ローラ16に出力する。
【0025】本実施形態の自動変速機のダウンシフト制
御装置では、コントローラ16が、エンジン11の吸入
空気量Qと大気圧Pと吸入空気温度とTによって吸入空
気質量(体積効率)EVを求め(吸入空気質量検出手
段)、この吸入空気質量EVに応じた補正係数CEVを設
定(補正係数設定手段)しており、自動変速機12のダ
ウンシフト時に、目標となる基準入力軸回転速度変化率
(Ni)’をこの補正係数CEVによって補正することで
補正入力軸回転速度変化率(Nir)’を求め(補正入
力軸回転速度変化率設定手段)、自動変速機12の実入
力軸回転速度変化率(Nt)’がこの補正入力軸回転速
度変化率(Nir)’となるように学習及びフィードバ
ック制御している。また、ダウンシフトの開始時におけ
る吸入空気質量EVが所定値以下のときには、ダウンシ
フトの開始時における摩擦係合要素の初期係合力を学習
補正する処理を禁止している。
【0026】以下、この自動変速機のダウンシフト制御
装置による制御を、図4乃至図8に示すフローチャート
と図9に示すタイムチャートを用いて具体的に説明す
る。ここでは、第2速から第1速にダウンシフトする場
合について説明する。
【0027】図4に示すように、ステップS1におい
て、コントローラ16はフラグIZAの値が1以上であ
るかどうかを判定する。後述するように、ダウンシフト
制御を実行していれば、IZAの値は1以上に設定され
ているが、ダウンシフトの変速指令の有無を判別してい
る場合には、IZAの値は0に設定されており、ステッ
プS2に移行する。
【0028】ステップS2では、コントローラ16に予
め設定された2速側摩擦係合要素(ブレーキ31)のソ
レノイド弁の初期デューティ率Dr0と前回の学習制御
で設定された学習値ΔDrを読み出し、ダウンシフトの
変速指令が有ると、ステップS3にてIZAの値を1に
設定する。そして、ステップS4では、入力軸回転速度
Ntが第1速同期回転速度に同期したかどうかを判定す
る。具体的に説明すると、入力軸回転速度Ntが増加し
て第1速同期回転速度との差が所定値以下である状態が
所定時間継続すれば、同期完了と判定するが、現在はダ
ウンシフトの変速指令によりIZAの値を1に設定した
直後なので同期しておらず、ステップS5に移行する。
【0029】ステップS5では、入力軸回転速度Ntが
第2速同期回転速度から外れたかどうか、即ち、実際に
変速が開始したかどうかを判定する。具体的に説明する
と、入力軸回転速度Ntが増加して第2速同期回転速度
との差が所定値以上であれば同期外れと判定するが、現
在はダウンシフトの変速指令によりIZAの値を1に設
定した直後なので同期から外れておらず、ステップS6
に移行する。そして、このステップS6では、第2速用
のソレノイド弁のデューティ率を0%に設定(A点)し
て係合を解放する。
【0030】このようにエンジン11の駆動状態で第2
速用のソレノイド弁のデューティ率を0%に設定する
と、係合が解放されて伝達トルクが小さくなる。すると
入力軸回転速度Ntは増加し始め、ステップS5にて、
入力軸回転速度Ntと第2速同期回転速度との差が所定
値以上となって同期外れと判定(B点)され、ステップ
S7に移行する。そして、このステップS7以降で、第
2速側のソレノイド弁のデューティ率Drを保持し、同
期外れと判定されてから所定時間経過後(C点)に学習
補正の実施及びフィードバック制御を開始する。
【0031】即ち、ステップS7で同期外れと後に所定
時間経過していなければ、図5に示すように、ステップ
S8に移行してフラグIZAの値が2以上であるかどう
かを判定するが、IZAの値は1に設定されているので
ステップS9に移行する。ステップS9では、デューテ
ィ率Drを初期デューティ率Dr0に前回の学習値ΔD
rを加算して求め、ステップS10でフラグIZAの値
を2に設定してデューティ率Drを出力し、フィードバ
ック制御は行わない。
【0032】そして、ステップS7で同期外れと後に所
定時間経過したら、図6に示すように、ステップS12
に移行してフラグIZAの値が3以上であるかどうかを
判定するが、IZAの値は2に設定されているのでステ
ップS13に移行する。ステップS13では、デューテ
ィ率Drの学習値ΔDrの補正を行う。
【0033】具体的に説明すると、図7に示すように、
コントローラ16は、ステップG1にて、入力軸回転速
度Ntから実際の入力軸回転速度の変化率(Nt)’を
求め、ステップG2にて、目標入力軸回転速度の変化率
(Ni)’を読み出し、ステップG3にて、この目標入
力軸回転速度の変化率(Ni)’を補正する。そして、
ステップG4にて、実入力軸回転速度の変化率(N
t)’と補正した目標入力軸回転速度の変化率(Ni
r)’との差ΔNiを算出し、ステップG5にて、この
差ΔNiに基づいて予め差ΔNiに対する学習値ΔDr
が設定されたマップから学習値ΔDrを決定する。な
お、ここで、ダウンシフトの開始時における吸入空気質
量EVが所定値以下のときには学習補正は行わない。吸
入空気質量EVが小さいときは、車両がより高地(より
低気圧状態)を走行しているときであり、この場合、デ
ューティ率Drは予め設定された下限値に学習補正され
るからである。
【0034】学習値ΔDrが設定されると、図6のステ
ップS14にて、後述するフィードバック制御で求めた
前回の偏差値(Ge)n-1 ,(Gi)n-1 を初期値0を
代入してリセットし、ステップS15でフラグIZAの
値を3に設定してステップS16に移行し、フィードバ
ック制御の演算を開始する(C点)。
【0035】具体的に説明すると、図8に示すように、
コントローラ16は、ステップF1にて、入力軸回転速
度Ntから実際の入力軸回転速度の変化率(Nt)’を
求め、ステップF2にて、目標入力軸回転速度の変化率
(Ni)’を読み出す。そして、ステップF3にて、読
み出した目標入力軸回転速度の変化率(Ni)’を補正
する。即ち、コントローラ16は吸入空気量Qを大気圧
Pと吸入空気温度Tとによって吸入空気質量EVに換算
し、予め、この吸入空気質量EVに対する補正係数CEV
を設定したマップを作成しておく。そして、吸入空気質
量EVに基づいてこのマップを用いて補正係数CEVを設
定し、下記式を用いて補正入力軸回転速度変化率(Ni
r)’を求める。 (Nir)’=(Ni)’×CEV なお、このマップにおいて、吸入空気質量EVが小さい
(低気圧状態)ほど補正係数CEVは小さい値になる。
【0036】このようにして補正入力軸回転速度変化率
(Nir)’が設定されると、ステップF4以降の処理
で、PID制御によってフィードバック補正値(デュー
ティ率補正値Dr)を求める。即ち、コントローラ16
はステップF4にて、補正入力軸回転速度変化率(Ni
r)’から入力軸回転速度の変化率(Nt)’を減算し
て今回の偏差値(Ge)n を求める。そして、ステップ
F5において、積分補正量(Gi)n と比例補正量Gp
と微分補正量Gdを求める。
【0037】具体的には、前回の積分補正量(Gi)
n-1 に、今回の偏差値(Ge)n に所定係数Kiを乗じ
た値を加えて今回の積分補正量(Gi)n を求める。ま
た、今回の偏差値(Ge)n に所定係数Kpを乗じて比
例補正量Gpを求める。更に、今回の偏差値(Ge)n
から前回の偏差値(Ge)n-1 を減算して得られた値
に、所定係数Kdを乗じて微分補正量Gdを求める。
【0038】続いて、ステップF6では、求めた積分補
正量(Gi)n と比例補正量Gpと微分補正量Gdとを
合計してデューティ率補正値Drを求める。なお、所定
係数Ki,Kp,Kdは実験的に適宜値に設定される。
そして、ステップF7にて、前述したステップS14で
リセットされた偏差値(Ge)n-1 ,(Gi)n-1 を、
今回求めた偏差値(Ge)n ,(Gi)n に設定してこ
れを記憶した後、このルーチンを抜ける。
【0039】図6のステップS16でフィードバック制
御の演算(デューティ率補正値Dr)が終了すると、ス
テップS17で求めたデューティ率補正値Drを出力す
る。このようにコントローラ16はフィードバック制御
を実行し、入力軸回転速度Ntを、その実入力軸回転速
度の変化率(Nt)’が補正入力軸回転速度変化率(N
ir)’となるように増加させていく。一方、このよう
な2速用摩擦係合要素(ブレーキ31)のフィードバッ
ク制御を実施しながら、1速用摩擦係合要素(クラッチ
30)の係合が進行していくことから、図4のステップ
S4で入力軸回転速度Ntが第1速同期回転速度に同期
したと判定(D点)され、ステップS18でフラグIZ
Aの値を0に設定し、ステップS6にて、第2速用のソ
レノイド弁のデューティ率を0%に設定して係合を完全
に解放することで、第2速から第1速へのダウンシフト
が完了する。
【0040】上述したように本実施形態の自動変速機の
ダウンシフト制御装置では、自動変速機12のダウンシ
フト時に、目標となる基準入力軸回転速度変化率(N
i)’をこの大気圧Pに基づいた補正係数CEVによって
補正して補正入力軸回転速度変化率(Nir)’を求
め、自動変速機12の実入力軸回転速度変化率(N
t)’がこの補正入力軸回転速度変化率(Nir)’と
なるように学習及びフィードバック制御している。
【0041】即ち、大気圧Pに応じてデューティ率を補
正するのではなく、目標となる入力軸回転速度の変化率
を補正することで、補正入力軸回転速度変化率は気圧の
変化に応じて調整されるので、車両が高地から低地に移
動してダウンシフトしても、それに応じた目標となる入
力軸回転速度変化率が設定されることとなり、図9に示
すように、入力軸回転速度Ntと第1速同期回転速度の
同期後に、入力軸回転速度Ntが出力軸回転速度を越え
てオーバーシュートすることはなく、そのため、車両に
大きな前後加速度Gが発生することもなく、最適なダウ
ンシフト制御が可能となってシフトクォリティが安定す
る。
【0042】なお、上述した実施形態では、自動変速機
12の歯車変速機構14にて、摩擦係合要素としての3
組の多板式クラッチ27〜29及びワンウェイクラッチ
30と、2組のブレーキ31,32と、2組の遊星歯車
機構33,34とから構成したが、この構成に限定され
るものではない。
【0043】
【発明の効果】以上、実施形態において説明したように
本発明の自動変速機のダウンシフト制御装置によれば、
自動変速機の目標入力軸回転速度変化率を吸入空気質量
の補正係数により補正した補正入力軸回転速度変化率を
目標変化率としたので、大気圧の変化に応じた目標変化
率に調整されることとなり、低地走行中や高地走行中に
ダウンシフトしても、オーバーシュートや多大な前後加
速度Gの発生を防止して最適なダウンシフト制御を可能
とし、シフトクォリティの安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動変速機のダウン
シフト制御装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態のダウンシフト制御装置が適用され
る自動変速機の概略構成図である。
【図3】変速段に対する摩擦係合要素の係合状態図であ
る。
【図4】ダウンシフト制御のフローチャートである。
【図5】ダウンシフト制御のフローチャートである。
【図6】ダウンシフト制御のフローチャートである。
【図7】ダウンシフト制御のフローチャートである。
【図8】ダウンシフト制御のフローチャートである。
【図9】ダウンシフト制御のタイムチャートである。
【図10】従来の自動変速機の制御装置によるダウンシ
フト時のおける各制御パラメータの関係を表すグラフで
ある。
【符号の説明】
11 エンジン 12 自動変速機 13 トルクコンバータ 14 歯車変速装置 15 油圧回路 16 コントローラ(吸入空気質量検出手段、補正係数
設定手段、補正入力軸回転速度変化率設定手段、フィー
ドバック制御手段、学習補正手段、学習補正禁止手段) 27,28,29 多板式クラッチ(摩擦係合要素) 30 ワンウェイクラッチ(摩擦係合要素) 31,32 ブレーキ(摩擦係合要素) 33,34 遊星歯車機構(摩擦係合要素) 51 Ntセンサ 52 Noセンサ 53 θtセンサ 54 エアフローセンサ(吸入空気量検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:42 59:62 59:64 59:74 (72)発明者 長谷川 善雄 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 吉岡 繁 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G093 AA05 BA02 CB08 DA01 DA02 DA06 DA09 DB05 DB08 DB09 EB03 FA04 FA09 FA11 FA14 FB05 3G301 JA07 KB04 KB05 KB10 LA00 LC01 NA03 NA04 NA05 NA08 NC02 ND01 ND21 ND24 ND30 ND41 NE19 PA01Z PA09Z PA10Z PA11Z PE01Z PE02A PF01Z PF08Z 3J052 AA01 AA04 BB17 CA01 FA03 FB35 GC13 GC23 GC34 GC36 GC44 GD02 GD03 HA02 KA01 LA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸入空気質量を求める吸入空
    気質量検出手段と、該吸入空気質量に応じた補正係数を
    設定する補正係数設定手段と、自動変速機の目標入力軸
    回転速度変化率を前記補正係数によって補正することで
    補正入力軸回転速度変化率を求める補正入力軸回転速度
    変化率設定手段と、前記自動変速機の実入力軸回転速度
    変化率が前記補正入力軸回転速度変化率となるようにフ
    ィードバック制御するフィードバック制御手段とを具え
    たことを特徴とする自動変速機のダウンシフト制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1の自動変速機のダウンシフト制
    御装置において、自動変速機のダウンシフトを達成する
    摩擦係合要素と、前記ダウンシフトの開始時における該
    摩擦係合要素の初期係合力を学習補正する学習補正手段
    と、前記ダウンシフトの開始時における前記吸入空気質
    量が所定値以下のときに、該学習補正手段の作動を禁止
    する学習補正禁止手段とを具えたことを特徴とする自動
    変速機のダウンシフト制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015059635A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

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