JP2015059635A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンシフトにおける変速時間が間延びすることによって生じる加速応答遅れ感を抑制する。【解決手段】ダウンシフト判断時の推定吸入空気量Qairpが比較的少ない為に、ダウンシフトにおける変速時間TMshに影響を及ぼすような変速期間中の最大トルク(A)が比較的小さくされて、変速時間TMshが比較的長くされてしまうときは、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側のギヤ段Gへ一旦変速した後に要求ギヤ段Gdemへ変速するという変速制御が実行し易くされる。よって、ダウンシフトにおける変速時間TMshが間延びすることによって生じる(換言すれば、自動変速機18を介した動力伝達量が低下する期間が長くなることによって生じる)、加速応答遅れ感を抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、駆動要求量に基づいて設定された自動変速機の要求ギヤ段への変速制御を実行する車両の制御装置に関するものである。
エンジンの動力を駆動輪へ伝達する動力伝達経路の一部を構成する自動変速機を備えた車両において、駆動要求量に基づいてその自動変速機の変速すべきギヤ段(変速段)である要求ギヤ段を判断し、その判断した要求ギヤ段が得られるように自動変速機の変速制御を実行する車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用油圧作動式変速機の制御装置がそれである。この特許文献1には、油圧係合要素が駆動力を伝達し得る係合状態に移行するまでの応答時間に相当する値を油圧係合要素に作用している油圧(クラッチ圧)で表し、変速特性上確立可能な変速段の範囲に、応答性良く確立可能な変速段STCが有れば、その変速段STCを次に確立する変速段Sとして決定し、その範囲にその変速段STCがない場合でも、現変速段とその範囲の変速段との間にその変速段STCが有れば、変速段Sをその変速段STCに決定することが開示されている。
特開平7−63258号公報
ところで、例えば自動変速機のパワーオンダウンシフト時は、解放側クラッチの解放によりエンジン回転速度が変速後の同期回転速度近傍まで上昇した後、係合側クラッチを係合する。この際、高地環境下などでは、平地環境(低地環境と同意)下と比較して、外気圧が低い為にエンジンの吸入空気量が減少し、エンジントルクの増大が遅れ、エンジン回転速度の上昇が遅くなる可能性がある。そうすると、高地環境下では、平地環境下と比較して、変速に要する時間が延びてしまい、クラッチを介して伝達される動力伝達量が低下している期間が長くなる(すなわち出力トルクの立ち上がりが遅れる)可能性がある。このような吸入空気量の変化(減少)によって生じる変速遅れは、特許文献1に示された技術のようにクラッチ圧にて変速応答時間を推定することでは、対処することができない。尚、上述したような課題は未公知であり、平地や高地などの異なる環境によって生じる吸入空気量の違いを考慮したギヤ段へ変速することについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ダウンシフトにおける変速時間が間延びすることによって生じる、加速応答遅れ感を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) エンジンの動力を駆動輪へ伝達する動力伝達経路の一部を構成する自動変速機を備えた車両において、駆動要求量に基づいて設定された前記自動変速機の要求ギヤ段への変速制御を実行する、車両の制御装置であって、(b) 前記自動変速機のダウンシフト判断時に、前記エンジンの吸入空気量に基づいて、前記要求ギヤ段を含む、前記要求ギヤ段よりも高車速側のギヤ段を、現ギヤ段からの変速先となる目標ギヤ段に設定する目標ギヤ段設定部を含み、(c) 前記目標ギヤ段設定部は、前記吸入空気量が少ない場合は、前記目標ギヤ段を、前記吸入空気量が多い場合と比較して高車速側とすることにある。
このようにすれば、ダウンシフト判断時の吸入空気量が比較的少ない為に、ダウンシフトにおける変速時間に影響を及ぼすような変速期間中のエンジントルクが比較的小さくされて、変速時間が比較的長くされてしまうときは、要求ギヤ段よりも高車速側のギヤ段へ一旦変速した後に要求ギヤ段へ変速するという変速制御が実行し易くされる。よって、ダウンシフトにおける変速時間が間延びすることによって生じる(換言すれば、自動変速機を介した動力伝達量が低下する期間が長くなることによって生じる)、加速応答遅れ感を抑制することができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記吸入空気量は、前記ダウンシフト判断時に算出された、スロットル弁開度の増大に伴って増大する吸入空気の応答が収束するまでの所定の空気応答時間が経過したときの吸入空気量の推定値である。このようにすれば、前記目標ギヤ段設定部により目標ギヤ段が適切に設定される。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記吸入空気量は、大気圧、スロットル弁開度、及び前記エンジンの吸気管内の圧力に基づいて算出されることにある。このようにすれば、大気圧の違いを反映した吸入空気量が適切に算出され、前記目標ギヤ段設定部により目標ギヤ段が適切に設定される。
また、第4の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記エンジンは、過給機付きエンジンであり、前記吸入空気量は、大気圧、スロットル弁開度、及び前記エンジンの吸気管内の圧力に基づいて算出されることにある。このようにすれば、大気圧の違いやエンジンの過給ラグ(過給遅れ)によって生じる過渡特性を反映した吸入空気量が適切に算出され、前記目標ギヤ段設定部により目標ギヤ段が適切に設定される。
また、第5の発明は、前記第4の発明に記載の車両の制御装置において、前記要求ギヤ段よりも高車速側の目標ギヤ段へ変速した後に、前記要求ギヤ段へ変速を行う際は、前記目標ギヤ段にあるときに、前記過給機付きエンジンの過給圧が過給遅れ後に前記駆動要求量に対応する程の値まで上昇したことを条件とすることにある。このようにすれば、過給圧が十分に上昇した後に要求ギヤ段へダウンシフトすることで、要求ギヤ段へ迅速に変速を行うことができる。
また、第6の発明は、前記第1の発明乃至第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記ダウンシフト判断時に、前記吸入空気量に基づいてエンジントルクを算出する比較用数値算出部を更に備え、前記目標ギヤ段設定部は、前記比較用数値算出部により算出されたエンジントルクが所定の許容トルク以上であるか否かに基づいて、前記目標ギヤ段を設定することにある。このようにすれば、前記吸入空気量に基づいて前記目標ギヤ段が適切に設定される。又、ダウンシフトにおける変速時間に影響を及ぼすような変速期間中のエンジントルクが、前記要求ギヤ段に対応する所定の許容トルク未満であるときには、前記要求ギヤ段へのダウンシフトが適切な変速時間とならない為に、要求ギヤ段よりも高車速側のギヤ段へ一旦ダウンシフトした後に要求ギヤ段へダウンシフトするという変速制御が実行される。
また、第7の発明は、前記第6の発明に記載の車両の制御装置において、前記所定の許容トルクは、前記目標ギヤ段への変速時間を目標変速時間以内とする為の予め定められたエンジントルク下限値である。このようにすれば、前記目標ギヤ段設定部により、目標変速時間以内でダウンシフトが達成されるか否かに基づいて、目標ギヤ段が適切に設定される。又、例えば前記エンジンが過給機付きエンジンである場合、エンジンの過給ラグによって生じる過渡特性を反映したエンジントルク(初期応答トルク)が適切に算出され、前記目標ギヤ段設定部により目標ギヤ段が適切に設定される。過給機付きエンジンの過給ラグ時の初期応答トルクが高い場合は、エンジン回転速度の立ち上がりが早くなることから変速時間は短くなり、反対に、初期応答トルクが低い場合は、エンジン回転速度の立ち上がりが遅くなることから変速時間は長くなる。この初期応答トルクは、吸入空気量やエンジンの作動状態に応じて変化することから、例えば初期応答トルクに基づいて目標ギヤ段を設定することで、より精度良く目標変速時間内に変速可能か否かを判断することができる。
また、第8の発明は、前記第1の発明乃至第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記ダウンシフト判断時に、前記吸入空気量に基づいて変速時間を算出する比較用数値算出部を更に備え、前記目標ギヤ段設定部は、前記比較用数値算出部により算出された変速時間が目標変速時間以内であるか否かに基づいて、前記目標ギヤ段を設定することにある。このようにすれば、前記吸入空気量に基づいて前記目標ギヤ段が適切に設定される。従って、要求ギヤ段へのダウンシフトが目標変速時間を達成できず、動力伝達量が低下する期間が長引いてしまうときは、要求ギヤ段よりも高車速側のギヤ段へ一旦ダウンシフトした後に要求ギヤ段へダウンシフトするという変速制御が実行される。又、例えば前記エンジンが過給機付きエンジンである場合、エンジンの過給ラグによって生じる過渡特性を反映した変速時間が適切に算出され、前記目標ギヤ段設定部により目標ギヤ段が適切に設定される。
また、第9の発明は、前記第8の発明に記載の車両の制御装置において、前記比較用数値算出部は、前記吸入空気量に基づいてエンジントルクを算出し、前記エンジントルクと前記自動変速機のダウンシフトに関与する解放側クラッチのトルクとに基づいて、前記変速時間を算出するものである。このようにすれば、前記吸入空気量に基づいて前記目標ギヤ段が適切に設定される。又、例えば前記エンジンが過給機付きエンジンである場合、エンジンの過給ラグによって生じる過渡特性を反映したエンジントルク(初期応答トルク)に基づいて変速時間を算出することで、より精度良く目標変速時間内に変速可能か否かを判断することができる。
また、第10の発明は、前記第8の発明又は第9の発明に記載の車両の制御装置において、前記目標ギヤ段は、前記目標変速時間を達成するダウンシフトとなるギヤ段である。このようにすれば、目標変速時間以内でダウンシフトできるギヤ段を中継することで、加速応答遅れ感を抑制することができる。
また、第11の発明は、前記第1の発明乃至第10の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記自動変速機のダウンシフト判断時は、前記自動変速機のパワーオンダウンシフト判断時である。このようにすれば、加速要求に対して、本発明により、加速応答遅れ感が適切に抑制される。
本発明が適用される車両に備えられた動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、その車両における制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちダウンシフトにおける変速時間が間延びすることによって生じる加速応答遅れ感を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図2のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートである。 本発明が適用される車両における制御機能の要部を説明する図であって、図1における制御機能の要部の別の実施例である。
本発明において、好適には、前記車両は、前記自動変速機は、所定の係合装置の係合と解放との切替えによって各々異なる変速比(ギヤ比)を有する複数の変速段(ギヤ段)が択一的に形成される有段式自動変速機である。例えば、この有段式自動変速機は、公知の遊星歯車式自動変速機により構成される。この遊星歯車式自動変速機における係合装置としては、油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ、或いはバンドブレーキ等の係合装置が広く用いられる。また、前記車両は、例えば複数の係合装置の油圧アクチュエータにそれぞれ油圧を供給する油圧制御回路を備えている。この油圧制御回路は、例えばリニアソレノイドバルブやON−OFFソレノイドバルブ等を備え、それらソレノイドバルブの出力油圧を直接的或いはシフトコントロールバルブ等を介して間接的に係合装置の油圧アクチュエータにそれぞれ供給する。尚、上記「油圧を供給する」とは、「油圧を作用させる」或いは「ある油圧に制御された作動油を供給する」ことを意味する。
また、好適には、前記エンジンは、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。又、このエンジンは、例えば単独で或いは電動機等の原動機と組み合わせて用いられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた、エンジン12の動力を駆動輪14へ伝達する動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用駆動力源としてのエンジン12、上記動力伝達経路の一部を構成する、トルクコンバータ16や自動変速機18やディファレンシャルギヤ20や一対のドライブシャフト22などを備えている。車両10では、エンジン12により発生させられた動力は、トルクコンバータ16を経て入力軸24から自動変速機18に入力され、自動変速機18の出力軸26からディファレンシャルギヤ20や一対のドライブシャフト22等を順次介して左右の駆動輪14へ伝達される。
エンジン12は、吸気管28内に設けられたポンプ翼車30と排気管32内に設けられたタービン翼車34とを有する、公知の排気タービン式過給機36を備えている。タービン翼車34は、排気の流れにより回転駆動される。ポンプ翼車30は、タービン翼車34に連結されており、タービン翼車34によって回転駆動されることでエンジン12への吸入空気を圧縮(過給)する。排気管32には、ウエイストゲート弁38を備えてタービン翼車34をバイパスするバイパス通路40が並列に設けられている。ウエイストゲート弁38は、タービン翼車34を通過する排気ガス量とバイパス通路40を通過する排気ガス量との比率を変化させる為のものであり、ウエイストゲート弁38の開度調整により吸気管28内の過給圧Paが調節される。吸気管28には、ポンプ翼車30の下流部分に、スロットルアクチュエータ42によって開閉制御される電子スロットル弁44が設けられている。
自動変速機18は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース内において1組乃至複数組の遊星歯車装置と複数の係合装置とを有し、その係合装置によって変速比(ギヤ比)γ(=変速機入力軸回転速度Nin/変速機出力軸回転速度Nout)が異なる複数の変速段(ギヤ段G)が択一的に成立させられる公知の遊星歯車式自動変速機である。例えば、自動変速機18は、複数の係合装置の何れかの掴み替えにより(すなわち係合装置の係合と解放との切替えにより)変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機である。複数の係合装置はそれぞれ、エンジン12からの動力を受ける入力軸24と駆動輪14に動力を伝達する出力軸26との間で回転とトルクとを伝達する油圧式の摩擦係合装置である。この入力軸24は、自動変速機18の入力回転部材であるが、トルクコンバータ16のタービン翼車によって回転駆動されるタービン軸と一体的に形成されたトルクコンバータ16の出力回転部材でもある。前記油圧式の摩擦係合装置は、油圧制御回路46によってそれぞれ係合と解放とが制御され、その油圧制御回路46内のソレノイドバルブ等の調圧によりそれぞれのトルク容量すなわち係合力が変化させられて、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するクラッチCやブレーキBである。
車両10には、例えば自動変速機18の変速制御などに関連する車両10の制御装置を含む電子制御装置70が備えられている。電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置70は、エンジン12の出力制御、自動変速機18の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や油圧制御用等に分けて構成される。電子制御装置70には、各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ50、入力軸回転速度センサ52、出力軸回転速度センサ54、アクセル開度センサ56、スロットル弁開度センサ58、吸気温センサ内蔵のエアフローメータ60、外気圧センサ62、吸気圧センサ64など)による検出値に基づく各種信号(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntすなわち変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する変速機出力軸回転速度Nout、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセル開度θacc、スロットル弁開度θth、エンジン12の吸入空気量Qair、外気温に対応する吸気温TPair、電子スロットル弁44の上流圧に対応する大気圧すなわち外気圧Patm、電子スロットル弁44の下流圧に対応する吸気管28内の圧力である負圧Pnegaなど)が、それぞれ供給される。電子制御装置70からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、自動変速機18の油圧アクチュエータを制御する為に油圧制御回路46に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させる為の油圧制御指令信号Spなどが、スロットルアクチュエータ42や燃料噴射装置等のエンジン制御装置、油圧制御回路46などへそれぞれ出力される。
電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、エンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部72、及び変速制御手段すなわち変速制御部74を備えている。
エンジン出力制御部72は、例えばアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと要求駆動力Fdemとの予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)公知の関係(駆動力マップ;不図示)から実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて、運転者による車両10に対する駆動要求量としての要求駆動力Fdemを算出する。エンジン出力制御部72は、例えば駆動輪14のタイヤ有効半径、現在の自動変速機18のギヤ段Gにおけるギヤ比γ、出力軸26よりも駆動輪14側の動力伝達経路における終減速比、及びトルクコンバータ16のトルク比tに基づいて、要求駆動力Fdemが得られる要求エンジントルクTedemを算出する。そして、エンジン出力制御部72は、例えば要求エンジントルクTedemが得られるように、スロットルアクチュエータ42により電子スロットル弁44を開閉制御する他、燃料噴射量制御の為に燃料噴射装置による燃料噴射量を制御し、点火時期制御の為にイグナイタ等の点火装置を制御するエンジン出力制御指令信号Seを出力する。尚、トルクコンバータ16のトルク比tは、例えば速度比e(=タービン回転速度Nt/ポンプ回転速度Np(エンジン回転速度Ne))とトルク比t、効率、及び容量係数とのそれぞれの予め定められた公知の関係(トルクコンバータ16の作動特性図;不図示)から実際の速度比eに基づいて、電子制御装置70により算出される。又、前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Fdem[N]の他に、駆動輪14における要求駆動トルク[Nm]、駆動輪14における要求駆動パワー[W]、出力軸26における要求変速機出力トルク等を用いることもできる。又、駆動要求量として、単にアクセル開度θacc[%]やスロットル弁開度θth[%]や吸入空気量Qair[g/sec]等を用いることもできる。又、要求エンジントルクTedemは、運転者により要求されたエンジントルクTeであるドライバ要求トルクであり、要求駆動力Fdemを算出することなく、直接的にアクセル開度Acc等に基づいて算出されても良い。
変速制御部74は、例えば車速Vと駆動要求量(例えばアクセル開度θacc)との予め定められた公知の関係(変速線図、変速マップ;不図示)から実際の車速V及び駆動要求量(例えばアクセル開度θacc)に基づいて、成立させるべき自動変速機18のギヤ段Gを判断し、そのギヤ段Gを要求ギヤ段Gdemとして設定する。変速制御部74は、その要求ギヤ段Gdemが得られる為の変速指令値を油圧制御回路46へ出力して、自動変速機18の変速制御を実行する。この変速指令値は、油圧制御指令信号Spの1つである。前記変速マップは、車速Vと駆動要求量(例えばアクセル開度θacc)とを変数とする二次元座標上に、アップシフトが判断される為の変速線(アップシフト線)、及びダウンシフトが判断される為の変速線(ダウンシフト線)を有している。この変速マップにおける各変速線は、例えばある駆動要求量を示す線上において実際の車速Vが線を横切ったか否か、又は、ある車速Vを示す線上において実際の駆動要求量が線を横切ったか否か、すなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点)を横切ったか否かを判断する為のものであり、この変速点の連なりとして予め定められている。
ここで、例えばコースト走行中のアクセルオン時や定常走行中のアクセル踏み増し時などのパワーオン時には、変速制御部74によりダウンシフトが判断され易くなる。このようなパワーオンダウンシフトでは、例えば駆動要求量の増大量が大きい程、現在のギヤ段G(以下、現ギヤ段Gという)に対してより低車速側(すなわちギヤ比γの大きなローギヤ側)のギヤ段Gが要求ギヤ段Gdemとして設定される。つまり、6速ギヤ段から3速ギヤ段へのダウンシフト(以下、6→3変速というように表す)、6→2変速などのような、ギヤ段間が隣接しない飛び変速となる要求ギヤ段Gdemが設定される。ところで、このようなパワーオンダウンシフトでは、変速に関与する解放側係合装置の解放によって駆動輪14側からの拘束が緩められたエンジン12において、エンジントルクTeの増大に伴ってエンジン回転速度Neが上昇させられる。このようなエンジン回転速度Neの上昇によって変速機入力軸回転速度Ninも上昇させられ、その変速機入力軸回転速度Ninが変速後の同期回転速度近傍まで上昇したら係合側係合装置が係合させられて変速が終了させられる。この際、例えば高地環境下では、平地環境(低地環境と同意)下と比較して、外気圧Patmが低い為に吸入空気量Qairが減少し、パワーオンダウンシフトの変速時間TMshに影響を及ぼすような期間におけるエンジントルクTeである初期応答トルクが低くされて、パワーオンダウンシフト毎に予め定められた目標変速時間TMshtgt内で変速を完了できない可能性がある。目標変速時間TMshtgtは、例えば変速ショックの抑制と加速応答とをバランス良く両立できるように、予め定められているものであり、目標変速時間TMshtgt内で変速を完了できないということは、加速応答遅れ感を生じさせ易くなる。又、目標変速時間TMshtgt内に変速を完了させる為に、係合側係合装置を係合してエンジン回転速度Neを引き上げると変速ショックが増大する可能性がある。上述したような問題は、エンジン12のように、良く知られた過給遅れによって、自然吸気エンジンと比較して初期応答トルクが低くされる、排気タービン式過給機を備えるエンジンにて顕著である。
そこで、電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、更に、目標ギヤ段設定手段すなわち目標ギヤ段設定部76を備える。目標ギヤ段設定部76は、変速制御部74による自動変速機18のダウンシフト判断時(特には、飛び変速となる要求ギヤ段Gdemが設定されるパワーオンダウンシフト判断時)に、吸入空気量Qairに基づいて、変速制御部74により設定された要求ギヤ段Gdemを含む、その要求ギヤ段Gdemよりも高車速側(すなわちギヤ比γの小さなハイギヤ側)のギヤ段Gを、現ギヤ段Gからの変速先となる目標ギヤ段Gtgtに設定する。つまり、目標ギヤ段設定部76は、飛び変速となるパワーオンダウンシフトの要求ギヤ段Gdem設定時に、吸入空気量Qairが比較的多いことで、初期応答トルクが高く、要求ギヤ段Gdemへの変速が目標変速時間TMshtgtを達成できる場合には、要求ギヤ段Gdemをそのまま目標ギヤ段Gtgtに設定する。この場合、変速制御部74は、要求ギヤ段Gdemを目標ギヤ段Gtgtとして、現ギヤ段Gから要求ギヤ段Gdemへの飛び変速を実行する。一方で、目標ギヤ段設定部76は、飛び変速となるパワーオンダウンシフトの要求ギヤ段Gdem設定時に、吸入空気量Qairが比較的少ないことで、初期応答トルクが低く、要求ギヤ段Gdemへの変速が目標変速時間TMshtgtを達成できない場合には、目標変速時間TMshtgtを達成できる変速先のギヤ段Gを目標ギヤ段Gtgtに設定する。この場合、変速制御部74による要求ギヤ段Gdemへの変速は、その目標ギヤ段Gtgtを中継ギヤ段として分割され、変速制御部74は、その中継ギヤ段を介して要求ギヤ段Gdemへ変速する。その為、目標ギヤ段設定部76は、吸入空気量Qairが少ない場合は、目標ギヤ段Gtgtを、吸入空気量Qairが多い場合と比較して高車速側とする。又、目標ギヤ段Gtgtは、目標変速時間TMshtgtを達成するダウンシフトとなるギヤ段Gである。又、目標ギヤ段Gtgtは、更に、燃費に対する影響も考慮したギヤ段Gとしても良い。
目標ギヤ段設定部76による目標ギヤ段Gtgtの設定の基になる吸入空気量Qairは、変速制御部74によるダウンシフト判断時点における実際の吸入空気量Qair(すなわちエアフローメータ60による検出値)ではない。電子スロットル弁44が開いてから実際に空気が入って、そのときのスロットル弁開度θthに相応した吸入空気量となるまでには(すなわち空気の応答が落ち着くまでには)、相応の時間(例えば100〜200ms)を要する。その為、目標ギヤ段Gtgtの設定の基になる吸入空気量Qairは、ダウンシフト判断時点において電子制御装置70によって算出される、スロットル弁開度θthの増大に伴って増大する吸入空気の応答が収束するまでの所定の空気応答時間が経過したときの吸入空気量Qairの推定値(以下、推定吸入空気量Qairpという)である。
電子制御装置70は、外気圧Patm、スロットル弁開度θth、及び負圧Pnegaに基づいて推定吸入空気量Qairpを算出する。例えば、電子制御装置70は、予め定められたモデル式から、外気圧Patm、スロットル弁開度θth、及び負圧Pnegaに基づいて推定吸入空気量Qairpを算出する。これにより、外気圧Patmの違いを反映した推定吸入空気量Qairpが適切に算出される。又、排気タービン式過給機を備えるエンジン12では、アクセルオンからの当初は過給が効いていないが、上記推定吸入空気量Qairpの算出では、エンジン12の過給ラグ(過給遅れ)によって生じる過渡特性も反映される。例えば、外気圧Patmが低くなる高地環境下や過給が効いていない期間では、比較的少ない推定吸入空気量Qairpが算出されるので、結果、それに対応する初期応答トルクも低くされる。尚、推定吸入空気量Qairpの算出では、更に、吸気温TPairがパラメータに加えられても良い。
目標ギヤ段設定部76による目標ギヤ段Gtgtの設定の具体的手法について、以下に説明する。電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、更に、比較用数値算出手段すなわち比較用数値算出部78を備えている。
比較用数値算出部78は、例えば目標ギヤ段設定部76による目標ギヤ段Gtgtを設定する際に参照する数値(すなわち予め定められた判定閾値との比較に用いる数値)を算出する。この比較に用いる数値は、例えばエンジントルクTe(すなわち初期応答トルク)である。具体的には、比較用数値算出部78は、変速制御部74によるダウンシフト判断時点にて、推定吸入空気量Qairpに基づいてエンジントルクTe(すなわち初期応答トルク)を算出するトルク算出手段すなわちトルク算出部80を機能的に備えている。このときのエンジントルクTeは、例えば空気応答時間経過後に発生するであろう最大のエンジントルクTe(以下、最大トルク(A)という)であり、パワーオンダウンシフトの変速時間TMshに影響を与えるエンジントルクとなる。トルク算出部80は、例えば吸入空気量Qairをパラメータとしてエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの予め定められた公知の関係(エンジントルクマップ;不図示)から、推定吸入空気量Qairp及び実際のエンジン回転速度Neに基づいて最大トルク(A)を算出する。
目標ギヤ段設定部76は、トルク算出部80により算出された最大トルク(A)が所定の許容トルク以上であるか否かに基づいて、目標ギヤ段Gtgtを設定する。上記所定の許容トルクは、例えば目標ギヤ段Gtgtへの変速時間TMshを目標変速時間TMshtgt以内とする為の予め定められたエンジントルク下限値(すなわち最大トルク(A)の下限値)である。又、上記所定の許容トルクは、例えばダウンシフトにおけるギヤ段間毎に予め定められており、更に、車速Vに応じて変化するように予め定められていても良い。又、目標変速時間TMshtgtは、例えばダウンシフトにおけるギヤ段間毎に予め定められており、更に、車速Vに応じて変化するように予め定められていても良い。
上述した、目標ギヤ段Gtgtの設定の具体的手法により、推定吸入空気量Qairpに基づいて目標ギヤ段Gtgtが適切に設定される。この際、目標変速時間TMshtgt以内でダウンシフトが達成されるか否かに基づいて、目標ギヤ段Gtgtが適切に設定される。又、最大トルク(A)が、要求ギヤ段Gdemへの飛び変速に対応する所定の許容トルク未満であるときには、要求ギヤ段Gdemへのダウンシフトが適切な変速時間TMshとならない為に、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側のギヤ段Gである目標ギヤ段Gtgtへ一旦ダウンシフトした後に、要求ギヤ段Gdemへダウンシフトするという変速制御が実行される。又、エンジン12の過給ラグによって生じる過渡特性を反映した最大トルク(A)が適切に算出され、目標ギヤ段Gtgtが適切に設定される。最大トルク(A)が高い場合は、エンジン回転速度Neの立ち上がりが早くなることから変速時間TMshは短くなり、反対に、最大トルク(A)が低い場合は、エンジン回転速度Neの立ち上がりが遅くなることから変速時間TMshは長くなる。この最大トルク(A)は、推定吸入空気量Qairpやエンジン12の作動状態に応じて変化することから、例えば最大トルク(A)に基づいて目標ギヤ段Gtgtを設定することで、より精度良く目標変速時間内に変速可能か否かを判断することができる。
図2は、電子制御装置70の制御作動の要部すなわちダウンシフトにおける変速時間TMshが間延びすることによって生じる加速応答遅れ感を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図3は、図2のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。
図2において、先ず、変速制御部74に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えば実際の車速V或いは実際の駆動要求量(例えばアクセル開度θacc)がダウンシフト線を横切ったか否かに基づいて、飛び変速となる要求ギヤ段Gdemが設定されるパワーオンダウンシフトを実行すべきか否かが判断される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合は目標ギヤ段設定部76に対応するS20において、例えば初回の実行時は、現ギヤ段(現在ギヤ段)Gが仮の目標ギヤ段Gtgt(以下、仮目標ギヤ段Gtgttという)に設定される。又、例えば2回目以降の実行時は、仮目標ギヤ段Gtgttよりも1段低車速側のギヤ段である(仮目標ギヤ段Gtgtt−1)が仮目標ギヤ段Gtgttに設定される。次いで、目標ギヤ段設定部76に対応するS30において、例えば前記S20にて設定された仮目標ギヤ段Gtgttと、前記S10にて設定された要求ギヤ段Gdemとが一致するか否かが判断される。このS30の判断が否定される場合は目標ギヤ段設定部76に対応するS40において、例えば最大トルク(A)が(仮目標ギヤ段Gtgtt−1)へのダウンシフトに対応する所定の許容トルク以上であり、且つ(仮目標ギヤ段Gtgtt−1)へのダウンシフトによってエンジン回転速度Neが予め定められた上限エンジン回転速度Nelimまで上昇しないか否かに基づいて、(仮目標ギヤ段Gtgtt−1)のギヤ段Gを目標ギヤ段Gtgtに設定できるか否かが判断される。この上限エンジン回転速度Nelimは、例えばエンジン12の過回転を防止する為のフューエルカットを実行するエンジン回転速度領域に入らないエンジン回転速度Neの上限値である。上記S40の判断が肯定される場合は、上記S20に戻る。一方で、上記S30の判断が肯定されるか或いは上記S40の判断が否定される場合は目標ギヤ段設定部76に対応するS50において、例えば上記S20にて設定された仮目標ギヤ段Gtgttが目標ギヤ段Gtgtに設定される。次いで、変速制御部74に対応するS60において、例えば現ギヤ段Gから目標ギヤ段Gtgtへのダウンシフト制御が実行される。
図3において、実線は平地における一例であり、太破線はその平地よりも標高が高い高地における一例である。何れの例も、現ギヤ段Gは6速ギヤ段であり、要求ギヤ段Gdemが2速ギヤ段の飛び変速となるパワーオンダウンシフトが判断されている。平地では、t1時点のパワーオンダウンシフト判断時に、最大トルク(A)_平地が要求ギヤ段Gdemへのダウンシフトに対応する所定の許容トルク以上であり、且つ要求ギヤ段Gdemへのダウンシフトによってエンジン回転速度Neが上限エンジン回転速度Nelimまで上昇しないと判定されたことで、要求ギヤ段Gdemがそのまま目標ギヤ段Gtgtに設定され、第1変速で、その目標ギヤ段Gtgtである2速ギヤ段へのダウンシフトが実行されている。一方で、高地では、t1時点のパワーオンダウンシフト判断時に、平地と比較して低くされた最大トルク(A)_高地が要求ギヤ段Gdemへのダウンシフトに対応する所定の許容トルク未満である為に、最大トルク(A)_高地が所定の許容トルク以上となることを満たす目標ギヤ段Gtgtである4速ギヤ段が中継ギヤ段として設定され、第1変速で、その4速ギヤ段へのダウンシフトが実行されている。そして、t2時点の第1変速終了時点から、要求ギヤ段Gdemである2速ギヤ段へのダウンシフトが実行されている。
上述のように、本実施例によれば、ダウンシフト判断時の推定吸入空気量Qairpが比較的少ない為に、ダウンシフトにおける変速時間TMshに影響を及ぼすような変速期間中の最大トルク(A)が比較的小さくされて、変速時間TMshが比較的長くされてしまうときは、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側のギヤ段Gへ一旦変速した後に要求ギヤ段Gdemへ変速するという変速制御が実行し易くされる。よって、ダウンシフトにおける変速時間TMshが間延びすることによって生じる(換言すれば、自動変速機18を介した動力伝達量が低下する期間が長くなることによって生じる)、加速応答遅れ感を抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、目標ギヤ段設定部76による目標ギヤ段Gtgtを設定する際に参照する数値は、エンジントルクTe(すなわち初期応答トルク)であったが、これに限らない。例えば、この参照する数値は、変速時間TMshであっても良い。具体的には、図4に示すように、比較用数値算出部78は、トルク算出部80を機能的に備えることに替えて、変速制御部74によるダウンシフト判断時点にて、推定吸入空気量Qairpに基づいて変速時間TMshを算出する変速時間算出手段すなわち変速時間算出部82を機能的に備えている。変速時間算出部82は、トルク算出部80と同等の機能も有しており、推定吸入空気量Qairpに基づいて最大トルク(A)を算出し、最大トルク(A)と自動変速機18のダウンシフトに関与する解放側係合装置のトルク容量とに基づいて、要求ギヤ段Gdemへの変速時間TMshを算出する。例えば、変速時間算出部82は、最大トルク(A)にトルクコンバータ16のトルク比tを乗じたトルクである自動変速機18の入力トルクTin(=最大トルク(A)×t)と、解放側係合装置のトルク容量とで、変速機入力軸回転速度Ninが変速後の同期回転速度へ向かって上昇するときの傾きを算出し、その変速後の同期回転速度に到達するまでの時間を変速時間TMshとして算出する。或いは、変速時間算出部82は、トルク算出部80と同等の機能を有することなく、ダウンシフトにおけるギヤ段間毎に予め定められた吸入空気量Qairに応じた変速時間TMshから、推定吸入空気量Qairp及びダウンシフトにおけるギヤ段間に基づいて変速時間TMshを算出しても良い。そして、目標ギヤ段設定部76は、変速時間算出部82により算出された変速時間TMshが目標変速時間TMshtgt以内であるか否かに基づいて、目標ギヤ段Gtgtを設定する。その為、要求ギヤ段Gdemへの変速時間TMshが要求ギヤ段Gdemに対応する変速時間TMsh以内とならない場合には、要求ギヤ段Gdemよりも1段高車速側のギヤ段である(要求ギヤ段Gdem+1)への変速時間TMshが算出され、その変速時間TMshが(要求ギヤ段Gdem+1)に対応する変速時間TMsh以内であるか否かに基づいて、目標ギヤ段Gtgtを設定するというように、変速時間TMsh以内となる目標ギヤ段Gtgtが設定されるまで、1段ずつ高車速側へ変更されたギヤ段Gにおいて、変速時間TMshがそのギヤ段Gに対応する変速時間TMsh以内であるか否かが判定される。このようにすれば、推定吸入空気量Qairpに基づいて目標ギヤ段Gtgtが適切に設定される。従って、要求ギヤ段Gdemへのダウンシフトが目標変速時間TMshtgtを達成できず、動力伝達量が低下する期間が長引いてしまうときは、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側のギヤ段Gである目標ギヤ段Gtgtへ一旦ダウンシフトした後に、要求ギヤ段Gdemへダウンシフトするという変速制御が実行される。又、エンジン12の過給ラグによって生じる過渡特性を反映した変速時間TMshが適切に算出され、目標ギヤ段Gtgtが適切に設定される。又、最大トルク(A)に基づいて変速時間TMshを算出することで、より精度良く目標変速時間TMshtgt内に変速可能か否かを判断することができる。
前述の実施例において、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側のギヤ段Gである目標ギヤ段Gtgtへ一旦ダウンシフトする場合には、そのダウンシフトの終了時点では、過給ラグが解消されて、実エンジントルクTeは駆動要求量に対応するトルク値を発生していると考えられる。しかしながら、過給ラグによっては、未だ、駆動要求量に対応する実エンジントルクTeとならない可能性がある。そこで、変速制御部74は、要求ギヤ段Gdemよりも高車速側の目標ギヤ段Gtgtへダウンシフトした後に、要求ギヤ段Gdemへダウンシフトする際は、その目標ギヤ段Gtgtにあるときに、エンジン12の過給圧が過給遅れ後に駆動要求量に対応する程の値まで上昇したことを条件としても良い。このようにすれば、過給圧が十分に上昇した後に要求ギヤ段Gdemへダウンシフトすることで、その要求ギヤ段Gdemへ迅速に変速を行うことができる。
また、前述の実施例では、エンジン12は排気タービン式過給機36を備えたエンジンであったが、これに限らない。例えば、このような排気タービン式過給機36に換えて、エンジン12によって回転駆動される機械ポンプ式の過給機が単独で或いは排気タービン式過給機36と併用で設けられていても良い。或いは、過給機は必ずしも備えられていなくても良い。自然吸気エンジンであっても、標高の違い等で吸入空気量Qairが変化させられる為、本発明を自然吸気エンジンに適用した場合でも、加速応答遅れ感を抑制するという一定の効果を得ることができる。
また、前述の実施例では、自動変速機18は公知の遊星歯車式自動変速機であったが、これに限らない。例えば、自動変速機18は、変速過渡中に動力伝達量が低下する期間があるような自動変速機であれば良い。具体的には、自動変速機18は、公知の同期噛合型平行2軸式変速機ではあるがアクチュエータによりギヤ段が自動的に切換られる同期噛合型平行2軸式自動変速機、その同期噛合型平行2軸式自動変速機であるが入力軸を2系統備える公知のDCT(Dual Clutch Transmission)などであっても良い。
また、前述の実施例では、トルクコンバータ16が用いられていたが、トルク増幅作用のない流体継手などの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又、トルクコンバータ16は必ずしも設けられなくても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
18:自動変速機
70:電子制御装置(制御装置)

Claims (1)

  1. エンジンの動力を駆動輪へ伝達する動力伝達経路の一部を構成する自動変速機を備えた車両において、駆動要求量に基づいて設定された前記自動変速機の要求ギヤ段への変速制御を実行する、車両の制御装置であって、
    前記自動変速機のダウンシフト判断時に、前記エンジンの吸入空気量に基づいて、前記要求ギヤ段を含む、前記要求ギヤ段よりも高車速側のギヤ段を、現ギヤ段からの変速先となる目標ギヤ段に設定する目標ギヤ段設定部を含み、
    前記目標ギヤ段設定部は、前記吸入空気量が少ない場合は、前記目標ギヤ段を、前記吸入空気量が多い場合と比較して高車速側とすることを特徴とする車両の制御装置。
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