JP2000291571A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2000291571A JP9803099A JP9803099A JP2000291571A JP 2000291571 A JP2000291571 A JP 2000291571A JP 9803099 A JP9803099 A JP 9803099A JP 9803099 A JP9803099 A JP 9803099A JP 2000291571 A JP2000291571 A JP 2000291571A
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大成 小早川
Masahiro Tsubokawa
正浩 坪川
Hideto Oka
秀人 岡
Hiroki Tagami
浩樹 田上
Shigeru Muramatsu
繁 村松
Sadayuki Yamada
定幸 山田
Hiroyuki Kono
博之 河野
Takashi Morimoto
敬 森本
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/24Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by using valves controlling pressure or flow rate, e.g. discharge valves or unloading valves
    • F04C28/26Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by using valves controlling pressure or flow rate, e.g. discharge valves or unloading valves using bypass channels

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した弁動作で安定した背圧を得て、効率
がよく信頼性のよいものにする。 【解決手段】 旋回スクロール6を固定スクロール5側
に押圧する背圧を働かせる背圧室9、旋回スクロール6
を固定スクロール5間の圧縮室7への吸入室11と背圧
室9とを固定スクロール5内を通じて連絡する連絡路1
2、連絡路12の途中に各種形態の弁またはボール弁1
3を収容した弁室15、背圧室側連絡路12aと弁室1
5との間に形成した弁座16に背圧が一定値以上になる
まで各種形態の弁またはボール弁13を押し付けて常閉
にするばね17を備え、弁室15にボール弁13の背圧
による最大押し戻し位置を規制するストッパ21を設け
るとともに、弁室15から側方に延びる吸入室側連絡路
12bの弁室15への開口22をボール弁13の最大押
し戻し位置での中心位置O以上に弁座16側から離して
設けることにより、上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固定スクロールと旋
回スクロールとを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成
し、旋回スクロールの円軌道運動により圧縮室が外周部
から中心部に容積を小さくしながら移動するのを利用し
て流体の吸入、圧縮、吐出を繰り返し行うスクロール圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のスクロール圧縮機では、旋回ス
クロールおよび固定スクロール間の圧縮室で流体を吸入
し、圧縮し、吐出するのに、旋回スクロールの背部に背
圧室を設け、ここに導いた背圧によって旋回スクロール
を固定スクロールの側に押圧し、圧縮室での流体圧によ
り旋回スクロールが固定スクロールから押し離されない
ようにすることが従来から行われている。
【0003】この背圧は圧縮機構の吐出流体圧、圧縮途
中の流体圧、旋回スクロールに連動するポンプ機構や圧
縮機構の吐出側と吸入側の差圧を利用して圧縮機構各部
に潤滑剤を供給するときの供給圧など、種々の方法で得
られる。どのような方式で得られる背圧でも変動は抑え
切れないため、どんな条件のときでも旋回スクロールが
固定スクロールから押し離されない背圧設定が必要であ
る。これにより背圧の変動はときとして過剰になり旋回
スクロールが固定スクロールに強く押し付けられて、ス
ラスト摺動部の異常摩耗や入力増加を招く。
【0004】特許第2574599号公報、特公平5−
84394号公報、特開平10−110688号公報、
特開平10−110689号公報などは、そのような問
題を解消する技術を開示している。その多くは差圧弁方
式によって、背圧が一定値以上であるときに弁が開いて
その過剰圧力を吸入側に逃がすようにしている。
【0005】上記差圧弁として、特許第2574599
号公報、特開平10−110688号公報、特開平10
−110689号公報などに開示されている図5に示す
ような、固定スクロールaの背面に開口した弁室bを設
けて蓋cを施し、弁室bから背圧室dに通じる背圧室側
連絡路eと、吸入室fに通じる吸入室側連絡路gとを設
け、弁室b内に背圧側連絡路eをそれとの間の弁座hに
当接して閉じる弁体iと、この弁体iを前記蓋cとの間
で閉じ位置に保つばねjとを収容した構造のものを採用
すると、固定スクロールaだけの加工、組立によって背
圧制御弁機構qが実現する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、弁体iは固
定スクロールaと旋回スクロールmとを組み合わせた圧
縮機構nから吐出する流体圧の脈動によって旋回スクロ
ールaの1回の旋回で1回開閉し、例えば1秒間に60
回程度開閉する。このため、特開平10−110689
号公報に開示している板弁を採用したものでは、板弁の
挙動が不安定で、しかも弁座hとは平面どうしの面接触
であるため、振動や騒音の原因になる。そこで、図5に
示すような特許第2574599号公報、特開平10−
110688号公報が開示しているボール弁iを用いた
ものにするのが好適である。
【0007】この場合、図5に示すように弁室bと背圧
室側連絡路eとを固定スクロールaの旋回スクロールm
との外周部におけるスラスト摺動面pに直角な同一軸線
上に位置する構造にすると、同一の位置基準によって弁
室b、背圧室側連絡路eおよびそれらの間の弁座hを必
要な寸法条件、形状条件を持って容易に精度よく加工で
き、吸入室側連絡路gは単に弁室bと吸入室fとが通じ
るように設ければよいので加工精度は特に要求されない
利点がある。
【0008】しかし、本発明者等の実験によれば、図5
に示す背圧制御弁機構qを採用しても背圧はまだ満足に
安定しない。これは、ボール弁iが自身の球面と弁座の
テーパ面との線接触ではあっても面と面とが対面するも
のであるため、双方間に異物を噛み込みやすくシール漏
れが発生したり、ボール弁iがばねjで閉じられるとき
などに滑って横揺れしたり、踊ったりする動作の不安定
によってシール漏れが発生したりすることが原因と思わ
れる。また、ボール弁iの不安定な動きによって弁室b
の壁面に触れて騒音を発するし、摩耗により寿命が早期
に低下する。
【0009】さらに、ボール弁iは図6の(a)に示す
ように過剰な背圧によってばねjに抗し押し開かれると
きに、背圧の流れが弁室b内の吸入室側連絡路gの開口
側に偏ってボール弁iを反対の側に押し退けたり、図6
の(b)に示すようにボール弁iが弁室b内の吸入室側
連絡路gの開口位置まで上がると、ボール弁iがその開
口に吸いつけられて背圧の逃げを阻害したりして、その
挙動はやはり安定しにくく、音を発したり、摩耗により
寿命が早期に低下したりするし、背圧の逃げを制御し切
れない問題がある。
【0010】従って、背圧制御弁機構qおよび圧縮機構
nともに寿命を安定して長くするのが困難であり、メン
テナンスフリーな密閉型のスクロール圧縮機では特に問
題となっている。
【0011】本発明の主たる目的は、安定した弁動作で
安定した背圧を得て、効率がよく信頼性の高いスクロー
ル圧縮機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のスクロール圧縮機は、鏡板からほぼ同じ
形状をした羽根が立ち上がった固定スクロールと旋回ス
クロールとを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋
回スクロールの固定スクロールに対する円軌道運動によ
り圧縮室が外周側から中心部に移動しながら容積を小さ
くすることで、流体の吸入、圧縮、吐出を行う圧縮機構
を持ったスクロール圧縮機を前提にしており、大きな点
では、旋回スクロールの背部に位置して、旋回スクロー
ルを固定スクロール側に押圧する背圧を働かせる背圧室
と、前記圧縮室に流体の吸入を図る吸入室と前記背圧室
とを連絡する弁室と、この弁室の弁座に背圧が一定値以
上になるまで各種の形態の弁を押し付けて常閉にするば
ねとを備え、弁室に弁の背圧による最大押し戻し位置を
規制するストッパを設けたことを第1の特徴としてい
る。
【0013】また、旋回スクロールの背部に位置して、
旋回スクロールを固定スクロール側に押圧する背圧を働
かせる背圧室と、前記圧縮室に流体の吸入を図る吸入室
と前記背圧室とを連絡する弁室と、この弁室の弁座にボ
ール弁を背圧が一定値以上になるまで押し付けて常閉に
するばねとを備え、弁室にボール弁の背圧による最大押
し戻し位置を規制するストッパを設けたことを第2の特
徴としている。
【0014】さらに、旋回スクロールの背部に位置し
て、旋回スクロールを固定スクロール側に押圧する背圧
を働かせる背圧室と、前記圧縮室に流体の吸入を図る吸
入室と前記背圧室とを固定スクロール内を通じて連絡す
る連絡路と、この連絡路の途中にボール弁を収容した弁
室と、この弁室よりも小径の背圧室側連絡路と弁室との
間に形成した弁座にボール弁を背圧が一定値以上になる
まで押し付けて常閉にするばねとを備え、弁室にボール
弁の背圧による最大押し戻し位置を規制するストッパを
設けるとともに、弁室から側方に延びる吸入室側連絡路
の弁室への開口をボール弁の最大押し戻し位置での中心
位置以上に弁座側から離して設けたことを第3の特徴と
している。
【0015】これらの構成では、旋回スクロールが背圧
室での背圧のもとに固定スクロールに押圧されながら旋
回駆動され、相互間の圧縮室にて流体の漏れなく吸入、
圧縮、吐出を続けることができ、背圧が所定値以上とな
ったとき、弁またはボール弁がばねに抗し押し戻されて
背圧室側連絡路が弁室に通じ、この弁室、吸入側連絡路
を介して吸入室に逃がし、背圧が所定値を下回ったとき
にばねによって弁、またはボール弁を閉じるので、背圧
を所定値に保つ働きをする。
【0016】特に、第1の特徴の各種の形態の弁または
第2、第3の特徴のボール弁は、共に最大押し戻し位置
がストッパによって規制されることにより、開閉のスト
ロークを過剰な背圧を吸入室に逃がすための必要最小限
に抑えて開閉時の弁座とストッパとの間の挙動を安定さ
せるので、例え板弁であっても挙動が安定し、ボール弁
では特に安定し、背圧の安定により効率が向上しスクロ
ール圧縮機の信頼性が向上する。
【0017】また弁またはボール弁は前記安定によって
横揺れしにくく弁室の壁面に触れて音を発したり摩耗し
たりすることが低減するので、背圧を安定させやすい
し、音を発しにくい。従って、これらによるだけでも、
弁機構は静かで摩耗が少なく長寿命になるし、圧縮機構
も弁機構による背圧の安定によって過剰な摩耗なく静か
に軽負荷で経済的に運転されるとともに長寿命になる。
従ってメンテナンスフリーな使用に有効であるし、運転
が静かになるので環境によくなる。
【0018】第3の特徴ではさらに、弁室から側方に延
びる吸入室側連絡路の弁室への開口がボール弁の最大押
し戻し位置での中心位置以上に弁座側から離れているの
で、ボール弁が前記開口に対向して吸いつけられて音を
発したり背圧が吸入室へ逃げるのを妨げたりするような
ことを防止することができる。これにより、弁機構はよ
り静かでより摩耗が少なくさらに長寿命になるし、圧縮
機構も弁機構による背圧がより安定することによって過
剰な摩耗なくより静かにより軽負荷で経済的に運転され
るとともにさらに長寿命になる。従ってメンテナンスフ
リーな使用に特に有効であるし、運転が静かになるので
環境によくなる。
【0019】しかも、第3の特徴では、ストッパによっ
て規制されるボール弁の必要最小限の最大押し戻し位置
まで、吸入室側連絡路の弁室への開口を近づけられるの
で、この開口が固定スクロールの外周部の旋回スクロー
ルとのスラスト摺動面に近くなり、このスラスト摺動面
側の吸入室や羽根が形成している凹部を利用した斜め方
向からのドリル加工などによる吸入室側連絡路の孔明け
作業がしやすくなる。
【0020】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面の記載によって明らかにな
る。本発明の各特徴は、可能な限りにおいてそれ単独
で、あるいは種々な組み合わせで複合して用いることが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的な一実施の
形態に係るスクロール圧縮機につきその実施例とともに
図を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供す
る。
【0022】本実施の形態は空調、冷凍機器に用いられ
る密閉型のスクロール圧縮機に本発明を適用した場合の
一例である。従って取り扱う流体は冷媒であり、以下冷
媒として説明する。しかし、本発明はこれに限られるこ
とはない。図1、図2に示すように、鏡板1、2からほ
ぼ同じ形状をした羽根3、4が立ち上がった固定スクロ
ール5と旋回スクロール6とを噛み合わせて双方間に圧
縮室7を形成し、旋回スクロール6の固定スクロール5
に対する円軌道運動により圧縮室7が外周側から中心部
に移動しながら容積を小さくすることで、吸入口43、
吸入室11を通じた冷媒の吸入、圧縮、吐出口42を通
じた冷媒の吐出を行う圧縮機構8を持ち、旋回スクロー
ル6の背部に位置して、旋回スクロール6を固定スクロ
ール5側に押圧する背圧を働かせる背圧室9と、前記圧
縮室7に冷媒の吸入を図る吸入室11と前記背圧室9と
に通じ、各種形態の弁またはボール弁13を収容した弁
室15と、この弁室15よりも小径の背圧室側連絡路1
2aと弁室15との間に形成した弁座16に、背圧が一
定値以上になるまで各種形態の弁またはボール弁13を
図2に実線で示すように押し付けて常閉にするばね17
とを備えたスクロール圧縮機であれば、他の具体的な構
造の違いや、用途の違いに関係なく本発明を適用して有
効である。具体的には弁室15は固定スクロール5内を
通じて吸入室11と前記背圧室9とを連絡する連絡路1
2の途中に設けてある。
【0023】また、本実施の形態で背圧室9に働かせる
背圧は、基本的に、圧縮機構8の吐出冷媒圧、圧縮途中
の冷媒圧、圧縮機構8各部に旋回スクロール6に連動す
るポンプ機構や圧縮機構8の吐出側と吸入側の差圧を利
用して潤滑剤を供給するときの供給圧など、種々の方法
で得られるどの方式を採用したものでもよい。
【0024】本実施の形態は特に、図1、図2に示すよ
うに、弁室15に各種の形態の弁またはボール弁13の
背圧による最大押し戻し位置を図2に仮想線で示す位置
などに規制するストッパ21を設けることを基本的な特
徴としている。より好適には、これに併せ、弁室15か
ら側方に延びる吸入室側連絡路12bの弁室15への開
口22をボール弁13の最大押し戻し位置での中心位置
以上に弁座16側から離れた位置に設けてある。
【0025】このようにすると、まず、旋回スクロール
6が背圧室9での背圧のもとに固定スクロール5に押圧
されながら旋回駆動され、相互間の圧縮室7にて冷媒の
漏れなく吸入、圧縮、吐出を続けることができ、背圧が
所定値以上となったとき、板弁を含む各種形態の弁また
はボール弁13がばね17に抗し押し戻されて背圧室側
連絡路12aが弁室15に通じ、この弁室15、吸入室
側連絡路12bを介して吸入室11に逃がし、背圧が所
定値を下回ったときにばね17によって各種形態の弁ま
たはボール弁13を閉じるので、背圧を所定値に保つ働
きをする。
【0026】特に、各種形態の弁またはボール弁13は
最大押し戻し位置がストッパ21によって規制されるこ
とにより、開閉のストロークを過剰な背圧を吸入室11
に逃がすための必要最小限に抑えて開閉時の弁座16と
ストッパ21との間の弁の挙動を板弁などでも安定させ
られ、ボール弁13は特に安定させられるので、横揺れ
しにくく弁室15の壁面15aに振れて音を発したり摩
耗したりすることが低減し、背圧を安定させやすいし、
音を発しにくい。従って、これらによるだけでも、弁機
構は静かで摩耗が少なく長寿命になるし、圧縮機構も弁
機構による背圧の安定によって過剰な摩耗なく静かに軽
負荷で経済的に運転されるとともに長寿命になる。従っ
てメンテナンスフリーな使用に有効であるし、運転が静
かになるので環境によくなる。
【0027】これに加え、弁室15から側方に延びる吸
入室側連絡路12bの弁室15への開口22がボール弁
13の最大押し戻し位置での中心位置O以上に弁座16
側から離れた位置にあるので、ボール弁13が前記開口
22に対向して吸いつけられて音を発したり背圧が吸入
室11へ逃げるのを妨げたりするようなことを防止する
ことができる。
【0028】これらにより、ボール弁13を持った背圧
制御弁機構31はより静かでより摩耗が少なくさらに長
寿命になるし、圧縮機構8も背圧制御弁機構31による
背圧のさらなる安定によって過剰な摩耗なくより静かに
より軽負荷でさらに経済的に運転されるとともにさらに
長寿命になる。従ってメンテナンスフリーな使用に特に
有効であるし、運転が静かになるので環境によくなる。
【0029】しかも、ストッパ21によって規制される
ボール弁13の必要最小限の最大押し戻し位置まで、吸
入室側連絡路12bの弁室15への開口22を近づけら
れるので、この開口22が固定スクロール5の外周部の
旋回スクロール6とのスラスト摺動面20の側に近くな
り、スラスト摺動面20に吸入室11や羽根3が形成し
ている凹部を利用した斜め方向からのドリル加工などに
よる吸入室側連絡路12bの孔明け作業がしやすくな
る。
【0030】さらに具体的には、吸入室側連絡路12b
の吸入室11への開口23は、図2に示すように前記弁
室15への開口22よりも弁座16側の位置に設け、前
記開口23を座グリ加工部23aとし、吸入室側連絡路
12bはこの座グリ加工部23a内から弁室15に通じ
るように設けてある。このように開口23が開口22よ
りも弁座16側の位置する構造では、前記ストッパ21
の先端21hによるボール弁13の位置規制によってス
ラスト摺動面20の側に近くなった開口22に対し、さ
らにスラスト摺動面20に近い開口23との間で吸入室
側連絡路12bが通じ、吸入室側連絡路12bは固定ス
クロール5のスラスト摺動面20の側に凹部を形成する
羽根3や吸入室11の周壁11aに対して斜めに位置す
ることになるので、前記凹部を利用して斜め方向から挿
入したドリルなどにより容易に孔明け作業して形成でき
る。
【0031】また、開口23の座グリ加工部23aはド
リルなどで比較的ラフに浅く加工しておけばよいので吸
入室11の周壁11aなどに対し斜めになっても加工し
やすく、それに次ぐ前記吸入室側連絡路12aをドリル
加工して孔明け作業をするときのドリルの案内になるの
で、周壁11aに斜めな吸入室側連絡路12bの孔明け
作業がさらに容易になる。
【0032】また、吸入室側連絡路12bの吸入室11
への開口23を、図2に示すように固定スクロール5の
スラスト摺動面20の側に寄って位置するように設けて
あるので、前記座グリ部23aや吸入室側連絡路12b
の孔明け作業をするのに、羽根3などがより邪魔になり
にくくさらに作業しやすくなる。
【0033】ところで、図1に示す実施例は圧縮機構8
をそれを駆動する電動機131とともに密閉容器32に
収容したメンテナンスフリーなスクロール圧縮機の場合
の一例であって、下部を潤滑剤としてのオイル33を貯
留するオイル溜34とし、このオイル溜34のオイル3
3を圧縮機構8の各摺動部に供給する供給圧を利用して
前記背圧を得ている。吐出口42は密閉容器32の一端
部内に開口し、吐出した冷媒を電動機131の部分に通
してこれを冷却した後、密閉容器32外への吐出管44
に達して外部の冷凍サイクルに供給される。吸入口43
は密閉容器32の外部からの吸入管45に通じて、そこ
に戻ってくる冷凍サイクルでの使用後の冷媒を吸入し前
記圧縮に供する。
【0034】このため、この実施例では電動機131の
回転子131aに結合されて旋回スクロール6を円軌道
運動するように自転防止用の例えばオルダムリング35
を介して駆動するクランク軸36に縦通したオイル供給
路37を通じて、圧縮機構8の各部摺動部に供給してあ
り。オイル供給圧はクランク軸36に連動するトココイ
ドポンプ38を利用して得た例を示してあり、トココイ
ドポンプ38は吸込みパイプ39を通じオイル33を吸
入して高圧にしオイル供給路37に供給する。オイル供
給路37は圧縮機構8の各摺動部に分岐して至り、必要
な潤滑を行う。
【0035】電動機131の固定子131bは密閉容器
32の内周に焼き嵌めなどして固定され、必要に応じて
密閉容器32との間に冷却用の冷媒を通す通路を形成す
る切り欠きが外周に設けられる。クランク軸36の旋回
スクロール6を旋回駆動する偏心孔36aなどを持った
主軸36bと、これと反対のトココイドポンプ38が連
結されつ副軸36cとが、密閉容器32内に溶接などし
て固定された主、副各軸受部材51、52によって軸受
53、54を介し軸受され、主軸受部材51には固定ス
クロール55をボルト止めしてあり、主軸受部材51と
固定スクロール5との間に旋回スクロール6およびオル
ダムリング35を挟み込み、固定スクロール5と主軸受
部材51との間に前記背圧室9を形成している。
【0036】オイル供給路37の一部は絞り41を介し
て背圧室9に通じ、トココイドポンプ38によって供給
される高圧のオイル33が絞り41の絞り作用で背圧室
9に徐々に達し、背圧室9内でオイル33の供給圧の変
動が絞り41により低減される状態で旋回スクロール6
をバックアップし、固定スクロール5から押し離されな
いようにする。
【0037】ここで、弁室15は図3に示すように、固
定スクロール5の羽根3の巻き終わり部の近傍に設けて
ある。これによって、背圧が過剰で弁室15に入ったオ
イル33は吸入室11の羽根3の巻き終わり端直ぐの位
置に戻されるので、吸入側連絡路12bから供給された
オイル33が圧縮室7にスムーズに供給され、羽根3、
4部の摺動を良化させるとともに、圧縮室7のシールも
よくなり、圧縮機構8の効率が向上する。
【0038】これに関連して、吸入室側連絡路12bは
図3に破線で示すように、吸入室11の羽根3の巻き終
わり部に位置する部分から、羽根3の巻き終わり方向に
ほぼ向いて弁室15まで設けてある。これによって、羽
根3が形成する固定スクロール5のスラスト摺動面20
の側の羽根3に沿った通路状凹部の長手方向が、前記吸
入室側連絡路12bの長手方向に一致するので、吸入室
側連絡路12bをドリルによる孔加工で形成するのに、
スラスト摺動面20に対するドリルの角度を小さくして
も羽根3などが邪魔にならない利点がある。これによっ
て、吸入室側連絡路12bのスラスト摺動面20に対す
る傾き角度を小さくして加工しやすくすることができ
る。
【0039】図2に示すボール弁13の外周と弁室15
の内周との間の隙間S1の通路断面積は、背圧室側連絡
路12aのそれよりも大きく設定する。これにより、背
圧室側連絡路12aから弁室15内に入ったオイル33
などの流体は弁室15の内周とボール弁13との間の隙
間S1を背圧室側連絡路12aとほぼ等しいか、それよ
りも小さい通路抵抗で難なく通り抜けるので、通路抵抗
のためにボール弁13を不安定にして横揺れなどを生じ
させることはなく、より静かで、しかも開閉動作も安定
し背圧を所定の範囲に安定させることができる。
【0040】この場合、背圧室側連絡路12aの径がボ
ール弁13の径の50〜86%の範囲に設定すると上記
の条件を得やすい。また、ボール弁13と弁室15の半
径差が、ボール弁13の半径の1/3よりも小さく設定
するのが、オイル33の流れが吸入室側連絡路12bの
開口22側に偏って生じるボール弁13の弁室15内で
の不要な動きを制動するのに好適である。
【0041】また、図に示す実施例の弁座16は図2に
示すように、背圧室側連絡路12aから弁室15の側に
広がる鈍角なテーパ面で、このテーパ面と背圧室側連絡
路12aとがなす陵部46でボール弁16を受け止めシ
ールするようにしてある。
【0042】これにより、ボール弁16は球面にて線状
の陵部46と接触するので、面と面との接触の場合より
も異物が噛み込みにくいし、ボール弁16が開閉に際し
て弁座16に対し滑りにくく、横揺れなどしにくくなる
ので、ボール弁13の背圧の変動に対する開閉機能およ
び開閉に際する挙動が安定し、背圧を適正範囲によく保
ち圧縮機構8に過剰摩耗や過剰負荷が生じないようにす
ることができる。また、背圧制御弁機構31および圧縮
機構8がより静かになる。しかも陵部46は少しの間の
使用中にボール弁13との擦り合わでその曲面によく馴
染むのでシール性が向上する。
【0043】また、陵部46がボール弁13に接する両
側部分とボール弁13の中心Oがなす角度θ2を30〜
60度に範囲にすると、ボール弁13を所定位置、つま
り中心位置に保持して不安定な挙動を防止しやすく、か
つシールが十分でしかもボール弁13が背圧室側連絡路
12aに落ち込んだり、嵌まり合いによって開きにくく
なるようなことを防止することができる。
【0044】ばね17は図1、図2に示すようにコイル
ばねであるのがボール弁13の横の動きを規制するのに
好適であり、ボール弁13と接触する先端部17aの径
が、ボール弁13への両側接触位置とボール弁13の中
心Oとなす角度θ1が30〜60度となる範囲にする
と、ばね17がボール弁13を押圧するのに逃げがない
し、ボール弁13の横揺れを防止しやすい。
【0045】なお図示しないが、ばね17は、ボール弁
13側の先端部17aからこれと反対側の基端部17b
に向け径が増大する円錐状のコイルばねにすると、ばね
17の先端部17aの求心性が向上し、ボール弁13を
所定の中心位置に保持しやすく横揺れ防止性能が向上す
る。
【0046】ストッパ21は図2に示すように、ばね1
7の基端部17bを受け止めるばね座21aに、ばね1
7の基端部17b内に嵌まり合うテーパ部21bを有し
ているので、テーパ部21bのテーパ面をガイドにして
ばね17の基端部17bに容易に挿入してしかもテーパ
部21bの基部でばね17の基端部17bを中心位置な
ど所定位置に位置決めすることができる。
【0047】なお、ばね17は、ボール弁13が最大押
し戻し位置にあるときコイル間に隙間を残す線密度に巻
かれているようにすると、ボール弁13が最大押し戻し
位置まで開かれても、ばね17は密着し合わずオイルや
冷媒の流通を阻害しないので背圧制御弁機構31の背圧
調整機能を損なわない。
【0048】図に示す実施例での弁室15は、固定スク
ロール5の鏡板1の背面に弁室15よりも大きな径のシ
ール孔61を持って開口するとともに、弁室15とシー
ル孔61との間に前記開口に向いたストッパ21の位置
決め段差面62を形成している。これに対応してストッ
パ21は図2、図4に示すように、ばね17を受け止め
るばね座21aを先端に持ち弁室15内に遊びのある隙
間S2を有して嵌まり合うストッパ部21cと、このス
トッパ部21cの後部にそれよりも大径で続いて前記位
置決め段差面62に当接して位置決めされる被位置決め
段差面21dを形成するとともに、前記シール孔61に
ほぼ遊びのないガイド隙間S3を有してJIS規格のト
マリバメからスキマバメ程度で嵌まり合うガイド部21
eと、このガイド部21eの後部に続いてシール孔61
にそれより大径でJIS規格のシマリバメ程度で圧入さ
れて双方間をシールするシール部21fとが設けられて
いる。
【0049】これにより、ストッパ21のガイド部21
eは、シール孔61との間にJIS規格のトマリバメか
らスキマバメ程度のほぼ遊びのないガイド隙間S3を有
して、抵抗や過度な遊びによるガタツキや心の触れや傾
きなくシール孔61に簡単に嵌め合わせて行くことがで
きる。このようにして、シール部21fがシール孔61
に達したとき、ガイド部21eのシール孔61への嵌ま
り合いがガイドとなってシール部21fがシール孔61
に位置ずれや傾きなく対向させられそのまま押圧するこ
とでシール孔61にスムーズにJIS規格のシマリバメ
程度に圧入することができ、ストッパ21を弁室15の
所定位置に配置するのと同時に弁室15の機械的なシー
ルが簡単に完了する。圧縮機構8の吐出圧と背圧との差
は通常10〜20Kb/cm2 程度であり、シール部2
1fのシール孔61への嵌め合い長さL2は3mm以上
あれば十分なシール効果が得られる。1つの実施例とし
ては5mmに設定してある。
【0050】このシール部21fのシール孔61への圧
入の際、ストッパ21のばね座21aの面を高精度に位
置させ、ばね17のボール弁13への押付力を精度よく
設定でき、適せるな背圧が得られる。また、シール孔6
1およびシール部21fはシール性能確保から高精度に
加工され、シール孔61へのシール部21fの圧入作業
はストッパ21の上記先端21hを弁室15内の径方向
の所定位置、例えば中心位置に高精度に位置させる位置
決め作業にもなる。
【0051】なお、被位置決め段差面21dとガイド部
21eとの間にはシール孔61と隙間S3よりも大きな
遊びS4を形成する逃げ部21gが形成されている。こ
の逃げ部21gは位置決め段差面62とシール孔61と
の相関部の加工で角がでにくくアール面になっても、上
記被位置決め段差面21dの当接位置に影響しないよう
にする隙間S4を形成する。
【0052】なお、ガイド部21eの先端位置21e1
からストッパ21のばね座21aまでの長さL1を、シ
ール孔61の長さL2よりも大きく設定すると、ガイド
部21eがシール孔61に進入した後、ストッパ部21
cが弁室15に進入し始めるので、ガイド部21eのシ
ール孔61への嵌め合いはストッパ部21cを弁室15
に嵌め合わせるときのガイドにもなり、ストッパ部21
cが位置決め段差面62に当たって傷を付けるような不
都合を回避することができる。
【0053】また、図2に示すように、固定スクロール
5の前記背圧室側連絡路12aが背圧室9に開口するス
ラスト摺動面20に、この開口12a1よりも大きな堀
込み部65を設けてそのまわりに張り出すようにしてあ
る。これにより、旋回スクロール6が旋回駆動されると
きの円軌道運動により鏡板2が図2の矢印Aの方向に移
動しても、その最大旋回径Dよりも外側に位置して、背
圧室9と背圧室側連絡路12aとの連絡が旋回スクロー
ル6の鏡板2によって遮断されるようなことを防止する
ことができ、そのような遮断によって背圧制御弁機構3
1の機能が一時でも損なわれることはない。従って、堀
込み部65は背圧室側連絡路12aの前記開口12a1
に対して固定スクロール5の外周側に偏心し、旋回スク
ロール6の鏡板2の図2、図3に示す最大旋回径Dより
も外側に位置するようにしている。
【0054】この場合、堀込み部65の図2に示す深さ
Hは、旋回スクロール6の鏡板2が最大に覆った前記最
大旋回径Dの位置での、背圧室側連絡路12aの前記開
口12a1へ矢印Bの方向に向かう通路断面積が背圧室
側連絡路12aの通路断面積よりも大きくなるように設
定する。これにより、旋回スクロール6がどの旋回位置
にあるときでも、オイル33などによる背圧は堀込み部
65の部分で絞られるようなことなく通常圧でボール弁
13に働く。従って、背圧制御弁機構31は旋回スクロ
ール6の旋回の影響を受けることなく安定に機能し、背
圧を安定させる。
【0055】図1に示すように、圧縮機構8を密閉容器
32に収容してその密閉容器32の下部を圧縮機構8の
各部に供給するオイル33を貯留するオイル溜34と
し、圧縮機構8の回転軸線66が横向きになるように設
置される横型のスクロール圧縮機において、弁室15は
固定スクロール5の下部に設けてある。
【0056】これにより背圧室9から背圧室側連絡路1
2aを介した弁室15部までの部分にはオイル33が充
満しやすくなるので、背圧制御弁機構31内をオイル3
3が主体で流れ、背圧制御弁機構31を流れるオイル3
3の流量が安定し、背圧の安定に貢献する。
【0057】固定スクロール5と旋回スクロール6との
外周部にある双方間のスラスト摺動面20には、図3に
示すようなほぼ環状の潤滑剤供給溝としてのオイル供給
溝71を設け、これの一端部71aを前記堀込み部65
の吸入室11から遠い側に接続してある。これにより、
背圧室9に到達したオイル33は堀込み部65を通じて
オイル供給溝71に進入して毛細管減少によってその全
長に行き渡り、羽根3と旋回スクロール6との間の摺動
部を潤滑しやすくなる。
【0058】しかも、オイル供給溝71は吸入口43お
よび吸入室11の近傍を除く範囲に設けてある。具体的
にはこの範囲は全周のほぼ3/4であり、圧縮室7が冷
媒の吸入後圧縮を開始して冷媒が昇圧する範囲での前記
潤滑を旺盛にしてシール効果を高められるようにしてい
る。また、吸入口付近のシール長さを十分にとることが
できる。これによって、圧縮機構8の圧縮効率が向上す
る。また、オイル供給溝71の他端部71bに、旋回ス
クロール6の鏡板2の最大旋回径Dの外に延びる延長部
71cを設けてあるので、この延長部71cを通じても
背圧室9内のオイル33が供給されるので、他端部71
bの側での潤滑性能が低下するようなことを防止するこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、上記の説明で明らかな
ように、旋回スクロールを固定スクロールに押圧する背
圧を、固定スクロールにある背圧室と吸入室とを連絡す
る背圧制御弁機構によって調整し安定させるのに、背圧
の変動により開閉する各種形態の弁またはボール弁の最
大押し戻し位置を規制して過剰な背圧を吸入室に逃がす
ための必要最小限の開閉ストロークに抑えて弁またはボ
ール弁の開閉時の挙動を安定させるので、安定した背圧
が得られ、効率が高く、信頼性の高い圧縮機が実現でき
る。
【0060】しかも、弁またはボール弁は横揺れしにく
く弁室の壁面に触れて音を発したり摩耗したりすること
を低減し、かつ弁室から側方に延びる吸入室側連絡路の
弁室への開口にボール弁が対向して吸いつけられて音を
発したり背圧が吸入室へ逃げるのを妨げたりするような
ことも防止するので、弁機構は静かで摩耗が少なく長寿
命になるし、圧縮機構も弁機構による背圧の安定によっ
て過剰な摩耗なく静かに軽負荷で経済的に運転されると
ともに長寿命になる。従ってメンテナンスフリーな使用
に有効であるし、運転が静かになるので環境によくな
る。
【0061】しかも、吸入室側連絡路の弁室への開口
は、ストッパによって規制される弁またはボール弁の必
要最小限の最大押し戻し位置まで近づけられ、この開口
が固定スクロールの外周部の旋回スクロールとのスラス
ト摺動面に近くなり、このスラスト摺動面側の吸入室や
羽根が形成している凹部を利用した斜め方向からのドリ
ル加工などによる吸入室側連絡路の孔明け作業がしやす
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な一実施の形態に係る1つの実
施例を示すスクロール圧縮機の断面図である。
【図2】図1の圧縮機の背圧制御弁機構の断面図であ
る。
【図3】図1の圧縮機の固定スクロールの旋回スクロー
ルとのスラスト摺動面側の正面図である。
【図4】図2の背圧制御弁機構のストッパを示す側面図
である。
【図5】従来の圧縮機の背圧制御弁機構の一例を示す断
面図である。
【図6】図5の背圧制御弁機構におけるボール弁の挙動
を示し、その(a)はボール弁が冷媒の偏りによってそ
れと反対の側に押し退けられた例を示す断面図、その
(b)はボール弁が吸入室側連絡路の弁室への開口に吸
いつけられた例を示す断面図である。
【符号の説明】 1、2 鏡板 3、4 羽根 5 固定スクロール 6 旋回スクロール 7 圧縮室 8 圧縮機構 9 背圧室 11 吸入室 12 連絡路 12a 背圧室側連絡路 12b 吸入室側連絡路 13 ボール弁 15 弁室 16 弁座 17 ばね 21 ストッパ 21a ばね座 21b テーパ部 21c ストッパ部 21d 被位置決め段差面 21e ガイド部 21f シール部 21h 先端 22、23 開口 23a 座グリ加工部 31 背圧制御弁機構 32 密閉容器 33 オイル 34 オイル溜 36 クランク軸 37 オイル供給路 38 トココイドポンプ 41 絞り 42 吐出口 43 吸入口 46 陵部 61 シール孔 62 位置決め段差面 65 堀込み部 71 オイル供給溝 71a 一端部 71b 他端部 71c 延長部 131 電動機 S2 遊び隙間 S3 ガイド隙間 D 旋回スクロールの最大旋回径 H 深さ L1、L2 長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 秀人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田上 浩樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村松 繁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 定幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 河野 博之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森本 敬 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA04 AA12 BB02 BB04 BB07 BB11 BB28 CC02 CC08 CC27 CC28 CC30 CC42

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板からほぼ同じ形状をした羽根が立ち
    上がった固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わ
    せて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの固定ス
    クロールに対する円軌道運動により圧縮室が外周側から
    中心部に移動しながら容積を小さくすることで、流体の
    吸入、圧縮、吐出を行う圧縮機構を持ったスクロール圧
    縮機において、 旋回スクロールの背部に位置して、旋回スクロールを固
    定スクロール側に押圧する背圧を働かせる背圧室と、前
    記圧縮室に流体の吸入を図る吸入室と前記背圧室とを連
    絡する弁室と、この弁室の弁座に背圧が一定値以上にな
    るまで前記弁を押し付けて常閉にするばねとを備え、 弁室に弁の背圧による最大押し戻し位置を規制するスト
    ッパを設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 鏡板からほぼ同じ形状をした羽根が立ち
    上がった固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わ
    せて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの固定ス
    クロールに対する円軌道運動により圧縮室が外周側から
    中心部に移動しながら容積を小さくすることで、流体の
    吸入、圧縮、吐出を行う圧縮機構を持ったスクロール圧
    縮機において、 旋回スクロールの背部に位置して、旋回スクロールを固
    定スクロール側に押圧する背圧を働かせる背圧室と、前
    記圧縮室に流体の吸入を図る吸入室と前記背圧室とを連
    絡する弁室と、この弁室の弁座にボール弁を背圧が一定
    値以上になるまで押し付けて常閉にするばねとを備え、 弁室にボール弁の背圧による最大押し戻し位置を規制す
    るストッパを設けたことを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 鏡板からほぼ同じ形状をした羽根が立ち
    上がった固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わ
    せて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの固定ス
    クロールに対する円軌道運動により圧縮室が外周側から
    中心部に移動しながら容積を小さくすることで、流体の
    吸入、圧縮、吐出を行う圧縮機構を持ったスクロール圧
    縮機において、 旋回スクロールの背部に位置して、旋回スクロールを固
    定スクロール側に押圧する背圧を働かせる背圧室と、前
    記圧縮室に流体の吸入を図る吸入室と前記背圧室とを固
    定スクロール内を通じて連絡する連絡路と、この連絡路
    の途中にボール弁を収容した弁室と、この弁室と背圧室
    側連絡路との間に形成した弁座に背圧が一定値以上にな
    るまでボール弁を押し付けて常閉にするばねとを備え、 弁室にボール弁の背圧による最大押し戻し位置を規制す
    るストッパを設けるとともに、弁室から側方に延びる吸
    入室側連絡路の弁室への開口をボール弁の最大押し戻し
    位置での中心位置以上に弁座側から離して設けたことを
    特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 背圧は圧縮機構への潤滑剤の供給圧であ
    って、弁室は固定スクロールの羽根の巻き終わり部の近
    傍に設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロ
    ール圧縮機。
  5. 【請求項5】 吸入室側連絡路は羽根の巻き終わり部に
    位置する吸入室部分から、羽根の巻き終わり方向にほぼ
    向いて弁室まで設けられている請求項4に記載のスクロ
    ール圧縮機。
  6. 【請求項6】 ストッパは、ばねの基端部を受け止める
    ばね座に、ばねの基端部内に嵌まり合うテーパ部を有し
    ている請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクロール
    圧縮機。
  7. 【請求項7】 ばねは、弁が最大押し戻し位置にあると
    きコイル間に隙間を残す巻線密度を有している請求項1
    〜6のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 弁室は固定スクロールの背面に弁室より
    も大きな径のシール孔を持って開口するとともに、弁室
    とシール孔との間に前記開口に向いたストッパの位置決
    め段差面を形成し、ストッパはばねを受け止めるばね座
    を先端に持ち弁室内に遊びのある隙間を有して嵌まり合
    うストッパ部と、このストッパ部の後部にそれよりも大
    径で続いて前記位置決め段差面に当接して位置決めされ
    る被位置決め段差面を形成するとともに、前記シール孔
    にほぼ遊びのないガイド隙間を有して嵌まり合うガイド
    部と、このガイド部の後部に続いてシール孔に圧入され
    て双方間をシールするシール部とが設けられている請求
    項1〜7のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】 ガイド部の後端位置からストッパのばね
    座までの長さは、シール孔の長さよりも大きい請求項8
    に記載のスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】 固定スクロールの前記弁室からの背圧
    室側連絡路が背圧室に開口する面に、この開口よりも大
    きな堀込み部を設けた請求項1〜9のいずれか一項に記
    載のスクロール圧縮機。
  11. 【請求項11】 堀込み部は背圧室側連絡路の前記開口
    に対して固定スクロールの外周側に偏心し、旋回スクロ
    ールの鏡板の最大旋回径よりも外側に張出している請求
    項10に記載のスクロール圧縮機。
  12. 【請求項12】 堀込み部の深さは、旋回スクロールの
    鏡板が最大に覆った位置での背圧室側連絡路の前記開口
    に向かう通路断面積が背圧室側連絡路の通路断面積より
    も大きくなるように設定した請求項10、11のいずれ
    か一項に記載のスクロール圧縮機。
  13. 【請求項13】 圧縮機構を密閉容器に収容してその密
    閉容器の下部を圧縮機構各部に供給する潤滑剤を貯留す
    る潤滑剤溜とし、圧縮機構の回転軸線が横向きになるよ
    うに設置される横型のスクロール圧縮機において、 弁室は固定スクロールの下部に設けた請求項1〜12の
    いずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  14. 【請求項14】 固定スクロールと旋回スクロールとの
    外周部にある双方間のスラスト摺動面にほぼ環状の潤滑
    剤供給溝を設け、これの一端を前記堀込み部の吸入室か
    ら遠い側に接続した請求項12、13のいずれか一項に
    記載のスクロール圧縮機。
  15. 【請求項15】 潤滑剤供給溝は吸入室近傍を除く範囲
    に設けた請求項14に記載のスクロール圧縮機。
  16. 【請求項16】 前記範囲は全周のほぼ3/4である請
    求項15に記載のスクロール圧縮機。
  17. 【請求項17】 潤滑剤供給溝の他端部に、旋回スクロ
    ールの鏡板の最大旋回径の外に延びる延長部を設けた請
    求項14〜16のいずれか一項に記載のスクロール圧縮
    機。
  18. 【請求項18】 弁座は背圧室側連絡路から弁室側に広
    がる鈍角なテーパ面であり、このテーパ面と背圧室側連
    絡路とがなす陵部でボール弁を受け止めシールするよう
    にした請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  19. 【請求項19】 陵部がボール弁に接する両側部分とボ
    ール弁の中心がなす角度が30〜60度である請求項1
    8に記載のスクロール圧縮機。
  20. 【請求項20】 背圧室側連絡路の径はボール弁の径の
    50〜86%の範囲である請求項19に記載のスクロー
    ル圧縮機。
  21. 【請求項21】 ばねはコイルばねであって、ボール弁
    と接触する先端部の径が、ボール弁への両側接触位置と
    ボール弁の中心とがなす角度が30〜60度となる範囲
    である請求項2、18〜20のいずれか一項に記載のス
    クロール圧縮機。
  22. 【請求項22】 ばねは、ボール弁側の先端部からこれ
    と反対側の基端部に向け径が増大する円錐型のコイルば
    ねである請求項2、18〜21のいずれか一項に記載の
    スクロール圧縮機。
  23. 【請求項23】 吸入室側連絡路の吸入室への開口は、
    前記弁室への開口よりも弁座側の位置に設け、前記開口
    を座グリ加工部とし、吸入室側連絡路はこの座グリ加工
    部内から弁室に通じている請求項3に記載のスクロール
    圧縮機。
  24. 【請求項24】 吸入室側連絡路の吸入室への開口は、
    固定スクロールの外周部の旋回スクロールとのスラスト
    摺動面寄りの位置に設けられている請求項23に記載の
    スクロール圧縮機。
  25. 【請求項25】 ボール弁外周と弁室内周との間の隙間
    の通路断面積は、背圧室側連絡路のそれよりも大きい請
    求項3、23、24のいずれか一項に記載のスクロール
    圧縮機。
  26. 【請求項26】 ボール弁と弁室の半径差が、ボール弁
    の半径の1/3よりも小さい請求項25に記載のスクロ
    ール圧縮機。
  27. 【請求項27】 背圧は、圧縮機構各部への潤滑剤の供
    給圧を利用したものである請求項3、25〜26のいず
    れか一項に記載のスクロール圧縮機。
  28. 【請求項28】 背圧室は潤滑剤供給路と絞りを介して
    通じている請求項27に記載のスクロール圧縮機。
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